JP2003081188A - 海中構造物の定位置保持システム - Google Patents

海中構造物の定位置保持システム

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JP2003081188A
JP2003081188A JP2001276558A JP2001276558A JP2003081188A JP 2003081188 A JP2003081188 A JP 2003081188A JP 2001276558 A JP2001276558 A JP 2001276558A JP 2001276558 A JP2001276558 A JP 2001276558A JP 2003081188 A JP2003081188 A JP 2003081188A
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effluents
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Masami Miura
正美 三浦
Takayuki Kono
隆之 河野
Chikasuke Murakami
慎祐 村上
Miho Sugimori
美帆 杉森
Koji Setta
浩司 攝田
Takeshi Nakahama
剛 中濱
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T70/00Maritime or waterways transport
    • Y02T70/50Measures to reduce greenhouse gas emissions related to the propulsion system

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  • Artificial Fish Reefs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生活廃棄物や生活排水、排泄物等の排出物を
再利用してこれらの一方的な廃棄量を低減するとともに
二酸化炭素の排出量を低減して、地球環境を悪化させる
諸要因の改善を図る。 【解決手段】 排出物を原料として栄養塩を生産し、該
栄養塩を元に遠洋において海洋生態系を確立し、該海洋
生態系の循環の過程で生産される水産資源を収穫し、該
水産資源を消費した後に出る排出物を回収し、該排出物
を原料として再び栄養塩を生産して水産資源のリサイク
ルを図り、特に、海底を模した海中構造物2を遠洋の海
中に浮遊させ、その海中構造物2に水産資源たる魚介類
や水生植物等の水生生物が生息するのに適した環境を構
築し、さらに海流に逆らうように推力を与えて所定の位
置に留まらせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ほとんど手付かず
の状態にある遠洋を活用して水産資源のリサイクルを実
現し、さらにその過程で地球環境を悪化させる諸要因を
改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】大量生産と大量消費に明け暮れた20世
紀型の社会構造が今、大きな問題を抱えて転換期を迎え
ている。24時間休むことなく生産を続ける工場からは
膨大な量の産業廃棄物や二酸化炭素が排出され、増え続
ける大気中の二酸化炭素が地球温暖化の大きな要因とな
っていることはいまや疑いのない事実となっている。
【0003】生産された製品を消費する都市部からは消
費の過程で大量の生活廃棄物や二酸化炭素が排出されて
いる。生活廃棄物は焼却処分される過程でさらに二酸化
炭素を排出している。また、都市部からは生活排水や人
間の排泄物が排出され、処理施設を経て河川や沿岸海域
に投棄されている。これらは、浄化処理を受けた後であ
っても当該水域の水質を著しく汚染している。さらに、
20世紀型の社会構造は先進国と発展途上国との間に生
活水準の格差を生み、一方では過剰な食料が消費される
ことなく廃棄され、他方では飢えと貧困が蔓延するとい
った状況が改善されることなく続いている。
【0004】上記のような諸問題を解決するには、従来
の一方通行型の社会構造を改め、地球規模で循環型の社
会構造を構築する他なく、実際にあらゆる分野において
その取り組みがなされている。
【0005】このような諸問題を解決するべく、本発明
者らはその可能性を遠洋に求めた。ここでいう遠洋と
は、陸地の周縁にある大陸棚の外側に位置し、その水深
は大陸棚よりも深く、典型的には水深200m以上の海
域を指す。
【0006】いうまでもなく、地球はその表面積の約2
/3を海で占められているが、海の約90%にあたる遠
洋の利用はまったくといってよいほどなされていない。
一例を挙げると、遠洋における水産資源の生産量は海全
体から得られる生産量の約0.8%にしかすぎないので
ある。
【0007】遠洋において水産資源の生産量が乏しい理
由は、海洋生態系における食物連鎖と水深とに密接に関
係している。海洋生態系における食物連鎖は、まず、植
物プランクトンが窒素やリン、ケイ素、さらには鉄やビ
タミン等を栄養塩として取り込みながら光合成すること
によってなされる一次生産から始まる。この一次生産者
を食植動物プランクトンが捕食し、この食植動物プラン
クトンを肉食動物プランクトンが捕食する。この肉食動
物プランクトンを小型の肉食動物が捕食し、さらにこの
小型の肉食動物を大型の肉食動物が捕食する。そして、
これら肉食動物の命が絶えるとその体は微小な水生生物
によって分解され、植物プランクトンにその糧となる栄
養塩を供給することとなる。
【0008】ここでポイントとなるのは、一次生産の過
程で植物プランクトンが上記各種の栄養塩と日光とを必
要とする点である。こういった栄養塩は海底の土壌や大
小海洋生物の死骸から供給されるので、海底に豊富に存
在している。また、太陽光線は水の透明度にもよるが水
深200m程度まで、つまり大陸棚の端あたりまでは届
くとされている。そのため、大陸棚よりも手前の比較的
浅い近海では一次生産が活発に行われ、海洋生態系が健
全に維持されている。
【0009】しかしながら、大陸棚よりも水深の深い遠
洋は、比較的浅い近海とは異なり、栄養塩の豊富に存在
する深層域と日光の届く表層域とが遠く離れて存在する
ので、そのいずれにおいても一次生産がほとんどなされ
ない。そのため、上記のような海洋生態系が確立され
ず、水産資源が枯渇するのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はそういった取
り組みのひとつとしてなされたものであり、ほとんど手
付かずの状態にあった遠洋を有効に活用し、焼却される
かあるいは廃棄されるがままの生活廃棄物や生活排水、
排泄物等の排出物を再利用してそれらの一方的な廃棄量
を低減するとともに二酸化炭素の排出量を低減して、地
球環境を悪化させる諸要因の改善を図ることを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこういった
遠洋の状態を知見したうえで、環境汚染の諸要因を改善
すべく、既に次のような提案を行っている。その提案と
は、排出物を原料として栄養塩を生産し、該栄養塩を元
に遠洋において海洋生態系を確立し、該海洋生態系の循
環の過程で生産される水産資源を収穫し、該水産資源を
消費した後に出る排出物を回収し、該排出物を原料とし
て再び栄養塩を生産するというものである。この水産資
源をリサイクルするシステムにおいて重要となるのが、
水生生物の生息に適した環境にない遠洋に設置すべき海
中構造物である。すなわち、本発明に係る請求項1記載
の海中構造物の定位置保持システムは、遠洋に設置され
て海底を模擬する海中構造物と、該海中構造物に推力を
付与する推力発生手段とを備えることを特徴とする。
【0012】本発明においては、遠洋に海底を模した海
中構造物を設けることにより、その海域に大陸棚と同様
の疑似近海が再現される。この海域に栄養塩を供給し、
必要であれば海洋生態系における食物連鎖の一次生産者
となる植物プランクトンを放流すれば、これを契機にし
て海洋生態系が確立されることになる。
【0013】ところで、遠洋には貿易風等によって引き
起こされる海流が生じており、浮遊型の海中構造物は当
然のごとくこの影響を受けて流され、位置を変化させる
ことになる。海中構造物が移動すると、水温の変化等に
よって上記のような環境に変化が起こり、水産資源の生
育に悪影響を与えかねない。また、海中構造物の位置が
ずれればその管理も行い難くなる。そこで、海中構造物
に海流に逆らうように推力を与えることによって定位置
に留まらせれば、環境の変化が起こらず水産資源が活発
に生育するようになり、海中構造物の管理も円滑に行え
るようになる。
【0014】請求項2記載の海中構造物の定位置保持シ
ステムは、請求項1記載の海中構造物の定位置保持シス
テムにおいて、前記海中構造物の位置を検出する位置検
出手段を備え、該位置検出手段によって得られる位置情
報に基づいて前記海中構造物を定位置に保持するべく前
記推力発生手段を駆動することを特徴とする。
【0015】海流の方向や速度は一定ではなく、予測や
観察が難しい。そこで本発明においては、例えば人工衛
星を用いた位置検出手段によって海中構造物の位置を正
確に把握し、その位置情報に基づいて推力発生手段を駆
動し、海流に逆らうように推力を与えて定位置保持を図
る。
【0016】請求項3記載の海中構造物の定位置保持シ
ステムは、請求項1または2記載の海中構造物の定位置
保持システムにおいて、前記推力発生手段に原子力潜水
艇を採用することを特徴とする。
【0017】原子力潜水艇は燃料の補給を行わなくても
長期間の海上または海中に留まることができる。また、
大きな推力も得られる。そこで本発明においては、原子
力潜水艇を推力発生手段として利用することにより、海
中構造物の定位置保持を効率よく行うことができる。
【0018】請求項4記載の海中構造物の定位置保持シ
ステムは、請求項1ないし3のいずれか記載の海中構造
物の定位置保持システムにおいて、前記遠洋の深層域か
ら海水を汲み上げる揚水手段を備えることを特徴とす
る。
【0019】請求項5記載の海中構造物の定位置保持シ
ステムは、請求項1ないし4のいずれか記載の海中構造
物の定位置保持システムにおいて、前記原子力潜水艇の
内部で発電される電力を前記位置検出手段や揚水手段、
その他の電力を必要とする設備に利用することを特徴と
する。
【0020】請求項6記載の海中構造物の定位置保持シ
ステムは、遠洋に設置されて海底を模擬する海中構造物
と、該海中構造物に設けられる設備への電力供給源とし
ての原子力潜水艇とを備えることを特徴とする。
【0021】原子力潜水艇では内部の発電システムにお
いて大きな電力が得られるから、この電力を推力を得る
ためのエネルギーとして利用する以外に、位置検出手段
や揚水手段、その他の電力を必要とする設備に利用する
ことにより、陸地から遠く離れた遠洋での電力調達が可
能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明に係る第1の実施の形態を
図1に示して説明する。上記のような水産資源のリサイ
クルを実現するにあたっては、図1に示すように、陸上
に都市部等の消費地から排出される排出物を原料として
栄養塩を生産する栄養塩生産プラント(栄養塩生産設
備)1を構築し、遠洋には自然の海底を模した海中構造
物2を中心とする水産資源の生産基地を構築する。そし
て、両者間に栄養塩や水産資源の輸送機器として輸送船
4,5を運行する。
【0023】栄養塩生産プラントには、都市部等の消費
地から様々な種類の排出物が集積される。ここでいう排
出物には2種類あり、ひとつは生ゴミ、流通の過程で価
値を失った生鮮品、商品としての価値を得られなかった
農林水産の各作物、生活排水、人間の排泄物等のように
有機物を多く含むもの、もうひとつは鉱工業の生産の現
場から排出される余剰の物質(ケイ素、鉄等)である。
【0024】栄養塩生産プラント1では、これらの排出
物を原料として窒素やリン、ケイ素、鉄やビタミンとい
った原子レベルの栄養塩が生産される。また、栄養塩生
産の過程でいくつかの副産物が得られるので、そのなか
で有用なもの(例えばメタンガス)はプラント内の動力
やその他のエネルギー源として利用される。
【0025】生産された栄養塩は、液状、ゲル状、スラ
リー状に加工されるか、カプセルに詰められるかして輸
送し易い形態とされ、輸送船に積み込まれて遠洋の生産
基地に向け輸送される。なお、栄養塩をカプセルに詰め
るのには蒔かれた後の拡散の仕方をコントロールする意
味も込められている。
【0026】海中構造物2は、遠洋海域の太陽光線が届
く表層域に人工の海底を形成するように構築される。具
体的には、基礎構造体10を、浮力を調節して太陽光の
届く深度(水深50〜100m程度)の海中に浮遊させ
ており、基礎構造体10の上方には、水生生物の定着の
場となるネット11が設置されている。ネット11は、
基礎構造物10の所在を示すブイ12を係留するワイヤ
ケーブル13に固定されている。
【0027】海中構造物2には、人工衛星を利用する位
置検出システム(位置検出手段)14が内蔵されてお
り、ブイ12に設置されたアンテナ(図示略)で受信し
た信号をもとに自らの位置を時々刻々把握している。
【0028】生産基地内の海域には、原子力潜水艇(推
力発生手段)6が配置される。原子力潜水艇6はアンカ
ーケーブル7を介して基礎構造体10と接続されてお
り、自らの推力によって海中構造物2を牽引することが
できる。原子力潜水艇6には、位置検出システム14に
よって得られた位置情報をもとに、海中構造物2に海流
に逆らうように推力を与え、これによって海中構造物2
を生産基地内の海域に留まらせるシステムが搭載されて
いる(これをDynamic Positioning Systemという)。
【0029】また、原子力潜水艇6と海洋構造物2と
は、電力供給用のケーブル8によっても接続されてお
り、原子力潜水艇6の内部に設置された発電システム
(図示略)において得られた電力の一部を位置検出シス
テム14を駆動するために利用する。
【0030】さらに、生産基地内の海域には”リサイク
ルシステム監視および海洋科学研究センター船”と位置
付けられる研究船9が配置される。この研究船9は、海
中構造物2やその他の設備を管理し生産基地内の海洋生
態系の状態を監視する役割を担うとともに、洋上に海洋
科学研究の場を提供するものである。
【0031】輸送船4が生産基地に到着すると、輸送船
4から海中に向けて栄養塩が散布される。栄養塩の散布
に前後し、生産基地内の海域には、海洋生態系の一次生
産者となる植物プランクトンが必要に応じて放流され
る。さらに、海洋生態系の各段階を構成する食植動物プ
ランクトン、および肉食動物プランクトンの各種プラン
クトン、これらを捕食する大小肉食動物の稚魚が必要に
応じて放流される。
【0032】栄養塩が散布された海域では、植物プラン
クトンの増殖が始まり、これを契機として当該海域に海
洋生態系における食物連鎖が確立される。まず、植物プ
ランクトンが栄養塩として取り込みながら光合成するこ
とによってなされる一次生産から始まる。このとき、一
次生産者である植物プランクトンは栄養塩を供給される
ことで活発に光合成し、大気中に放出されて海水に溶け
込んだ二酸化炭素を吸収して酸素を放出する。
【0033】この一次生産者を食植動物プランクトンが
捕食し、この食植動物プランクトンを肉食動物プランク
トンが捕食する。この肉食動物プランクトンを小型の肉
食動物が捕食し、さらにこの小型の肉食動物を大型の肉
食動物が捕食する。
【0034】このように、海洋生態系における食物連鎖
が確立されることで、生産基地内の海域は、水産資源が
豊富に存在する豊かな環境へと変貌し、海中構造物2に
よって再現された疑似近海の海底に多くの魚介類が群
れ、水生植物が繁茂するようになる。このようにして生
産された多彩な水産資源は、種類に応じて適切な時期に
適切な方法で収穫され、輸送船5に積み込まれて都市部
等の消費地に向け輸送される。なお、消費地は陸上だけ
に限らず、洋上に建設された海上都市や船舶等、人間が
居住する場所すべてを含む。
【0035】陸揚げされた水産資源は適宜加工され、市
場経済の流通に乗って消費される他、発展途上国にも供
給されて食糧不足の解消に寄与する。なお、水産資源は
収穫されたままの状態で陸揚げされるだけでなく、輸送
の過程で適宜加工される場合もある。
【0036】水産資源を消費した後に出る生ゴミ等の排
出物は上記したその他の排出物とともに回収され、栄養
塩生産プラント1に集積されて栄養塩の原料となる。生
産された栄養塩は上記のごとく遠洋に輸送され、海洋生
態系をなる一次生産者の糧として再利用される。
【0037】以上のようにして水産資源のリサイクルを
行うことにより、現在までほとんど手付かずの状態にあ
った遠洋を有効に活用し、従来は焼却されるかあるいは
廃棄されるがままであった生活廃棄物や生活排水、排泄
物等の排出物を再利用してそれらの一方的な廃棄量を低
減するとともに、二酸化炭素の排出量を低減することが
でき、これによって地球環境を悪化させる諸要因の改善
を図ることができる。また、遠洋に構築された生産基地
において植物プランクトンが二酸化炭素を吸収して二酸
化炭素の固定化が起こるので、これによって地球温暖化
の原因とされる大気中の二酸化炭素を低減することがで
きる。
【0038】ところで、上記実施形態においては陸上に
構築した栄養塩生産プラント1において栄養塩の生産を
行っているが、例えば栄養塩生産プラント自体を船舶に
設けた構成とし、排出物を積み込んで遠洋に向かう過程
で栄養塩を生産するようにしてもよい。
【0039】また、上記実施形態においては栄養塩生産
プラントにおいて栄養塩の生産までを行っているが、生
産された栄養塩を糧として植物プランクトンの生産まで
を人工的に行い、この植物プランクトンを遠洋に放流し
てもよい。この場合、陸上には排出物を原料として栄養
塩を生産し、さらに該栄養塩を糧にして植物プランクト
ンを生産する植物プランクトン生産設備を構築し、遠洋
には海中構造物の他に植物プランクトン散布装置を中心
とする水産資源の生産基地を構築する。両者間には栄養
塩の輸送船にかえて植物プランクトンの輸送船を運行す
ることになる。なお、この場合も植物プランクトン生産
設備自体を船舶に設けた構成とし、排出物を積み込んで
遠洋に向かう過程で植物プランクトンを生産するように
してもよい。
【0040】さらに、海中構造物2には、必要とあれば
その周囲に泡や音波を利用して魚を囲い込む設備を設置
したり、海中構造物2自体の維持管理、海中での位置保
持、安全性の確保のために様々な設備を設置したりして
も構わない。これらの電源には原子力潜水艇6から得ら
れる電力を利用する。これに加え、海中構造物2や原子
力潜水艇6には、海中での居住を可能とし海洋観測や海
中での基礎研究の場として機能する研究施設を設けるこ
とも可能である。
【0041】なお、本実施形態においては基礎構造体1
0を太陽光の届く深度に設置したが、海中構造物に定着
する魚介類の種類によってはさらに深い深度に設置する
ようにしても構わない。
【0042】次に、本発明に係る第2の実施の形態を図
2に示して説明する。本実施形態においては、基礎構造
体10を巨大なパイプで構成し、これを水深方向に向
け、上端が水深200mよりも浅い位置に、下端が水深
200mよりも深い位置になるように浮力を調節して定
位置に配置する。
【0043】構造体10の内部には、電磁力を利用した
揚水ポンプ(揚水手段)20が設けられる。この揚水ポ
ンプ20は、構造体10の内周面に螺旋状にコイル21
を巻回し、このコイル21に電流を流すことで構造体1
0の内側に上向きに力を発生させて海水を搬送する構造
である。揚水ポンプ20を駆動するには、位置検出シス
テム14やその他の設備と同様に原子力潜水艇6におい
て発電された電力を用いる。
【0044】この揚水ポンプ20を駆動すると、下端か
ら深層水が吸い上げられ、生産基地内の海域に供給され
るので、深層水に含まれる窒素やリン、ケイ素、さらに
は鉄やビタミン等の成分が水生生物の繁栄の糧となって
豊かな海洋生態系が確立されることになる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
浮遊型の海中構造物に海流に逆らうように推力を与える
ことによって定位置に留まらせることにより、海中構造
物における水生生物の生息に適した環境を保持して水産
資源の生育を阻害しないようにすることができる。ま
た、海中構造物を定位置に保持することによってその管
理も円滑に行うことができる。
【0046】本発明によれば、海中構造物の位置を正確
に把握し、その位置情報を利用することで海中構造物を
正確に定位置に留まらせることができる。
【0047】本発明によれば、原子力潜水艇を推力発生
手段として利用することにより、陸地から遠く離れた遠
洋における海中構造物の定位置保持を効率よく行うこと
ができる。さらに、原子力潜水艇では内部の発電システ
ムにおいて大きな電力が得られるから、この電力を推力
を得るためのエネルギーとして利用する以外に、位置検
出手段や揚水手段、その他の電力を必要とする設備に利
用することにより、電力調達が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水産資源のリサイクルシステムの第
1の実施形態を示す全体概要図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態を示す海中構造物の
概要図である。
【符号の説明】
1 栄養塩生産プラント 2 海中構造物 4,5 輸送船 6 原子力潜水艇(推力発生手段) 10 基礎構造体 11 ネット 14 位置検出システム(位置検出手段) 20 揚水ポンプ(揚水手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A01K 61/00 321 A01K 61/00 321 ZAB ZAB (72)発明者 村上 慎祐 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 杉森 美帆 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 攝田 浩司 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 中濱 剛 長崎県長崎市旭町8−20 株式会社PAL 構造内 Fターム(参考) 2B003 AA03 BB02 CC01 CC04 CC05 EE04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠洋に設置されて海底を模擬する海中構
    造物と、該海中構造物に推力を付与する推力発生手段と
    を備えることを特徴とする海中構造物の定位置保持シス
    テム。
  2. 【請求項2】 前記海中構造物の位置を検出する位置検
    出手段を備え、該位置検出手段によって得られる位置情
    報に基づいて前記海中構造物を定位置に保持するべく前
    記推力発生手段を駆動することを特徴とする請求項1記
    載の海中構造物の定位置保持システム。
  3. 【請求項3】 前記推力発生手段に原子力潜水艇を採用
    することを特徴とする請求項1または2記載の海中構造
    物の定位置保持システム。
  4. 【請求項4】 前記遠洋の深層域から海水を汲み上げる
    揚水手段を備えることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれか記載の海中構造物の定位置保持システム。
  5. 【請求項5】 前記原子力潜水艇の内部で発電される電
    力を前記位置検出手段や揚水手段、その他の電力を必要
    とする設備に利用することを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれか記載の海中構造物の定位置保持システム。
  6. 【請求項6】 遠洋に設置されて海底を模擬する海中構
    造物と、該海中構造物に設けられる設備への電力供給源
    としての原子力潜水艇とを備えることを特徴とする海中
    構造物の定位置保持システム。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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