JP2001292659A - 浮体構造物およびその浮体構造物を利用した養殖装置 - Google Patents

浮体構造物およびその浮体構造物を利用した養殖装置

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JP2001292659A
JP2001292659A JP2000107900A JP2000107900A JP2001292659A JP 2001292659 A JP2001292659 A JP 2001292659A JP 2000107900 A JP2000107900 A JP 2000107900A JP 2000107900 A JP2000107900 A JP 2000107900A JP 2001292659 A JP2001292659 A JP 2001292659A
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Kenkichi Sakai
坂井賢吉
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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    • Y02P60/60Fishing; Aquaculture; Aquafarming

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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】省エネルギーで大量の深層水を取り込み、かつ
これを長時間表層に滞留させることができるように、浮
体構造物を工夫し、海洋に大規模な人口養殖装置を構築
できるようにすること。 【解決手段】浮体構造物であって、該浮体構造物の略中
央に上方に解放した開口部を設け、この開口部周縁に深
層水領域まで垂下したスカートを設け、上記浮体構造物
上部に開口部内の深層水の表層水を排出するポンプを設
けたこと。上記浮体構造物に設けたポンプにより上記開
口部内の表層の水を排出することで、深層水が徐々に上
昇する。表層に達した深層水は太陽で徐々に暖められ、
表層に近付くほど温度が上昇するので、上記ポンプで排
出されるまで、上記開口部内に滞留することになる。上
記浮体構造物に太陽光発電装置、波力発電装置、風力発
電装置等の自然エネルギーによる発電装置を設け、この
発電装置による電力で上記排水用ポンプを駆動するよう
にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、深層水の上昇流を人
工的に作り出し、この深層水の上昇流を利用して特定海
域を富養化し水産資源を極めて効率的に増殖させて大規
模な養殖装置を海洋に作り出すことが出来るものであ
る。
【0002】
【発明の背景】水深約200m以上の深海には、約水深
200m未満の表層水とは別の水質層が形成されてい
る。この深層水の層には、海流はあるもののこの海流の
速さは極めて緩やかである。この深層水は、表層水に比
して低温であって、また栄養分が極めて高く、且つ細菌
等による汚染がないという特徴を有し、水深が200m
から更に深い程、この特性に優れていることが知られて
いる。
【0003】
【従来の技術】そこで、細菌に汚染されていないこと、
低温で栄養分が極めて高いという深層水の特性を利用す
ることを目的として、深層水をポンプで養殖水槽に汲み
上げ、該水槽による養殖産業の効率化を図る試みがなさ
れている。例えば、室戸岬沖の水深300m以上の深さ
の海水を取水し、マコンブ・ワカメ等を培養する研究が
行われている。また、特開昭63−39529号公報に
記載されているように、海洋に浮かべた浮体構造物に深
層水領域まで垂下した取水管と揚水ポンプとを設け、こ
の取水管を用いてポンプで深層水を汲み上げて表層水上
に放水し、これによって、極く狭い周囲の海域を富養化
し、漁業資源の増大を図ろうとする考案が提案されてい
る。
【0004】
【解決しようとする課題】これらの試みは、いずれも養
殖のための水槽や養魚場の施設を陸上又は湾岸近辺に設
置し、該施設に深層水を供給して、養殖産業の効率化を
図ろうとするものである。前者の場合は、深層水の導水
管を海底に沿って長距離敷設しなければならないので、
その敷設に多大のコストを要する。また、沿岸部では波
浪の影響が大きく、そのため、敷設保守作業が容易でな
い。後者の場合は、取り込んだ深層水が表層水よりも低
温で、比重が大きく、短時間のうちに沈んでしまうため
に、上方水面の水層の富養化に十分寄与させることがで
きない。その結果、多量の深層水を供給することが必要
であり、広い面積の養魚場を営むために必要な深層水量
を導水管を使って取り込むには膨大なコスト、エネルギ
ーを要することになる。本発明は、省エネルギーで大量
の深層水を取り込み、かつこれを長時間表層に滞留させ
ることができるように、浮体構造物を工夫し、海洋に大
規模な人口養殖装置を構築できるようにするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の、第一の発明の浮体構造物は、浮体構造物であって、
該浮体構造物の略中央に上方に解放した開口部を設け、
この開口部周縁に深層水領域まで垂下したスカートを設
け、上記浮体構造物上部には、開口部内の深層水の表層
水を排出するポンプを設けたものである。
【0006】上記浮体構造物に設けたポンプにより上記
開口部内の表層の水を排出することで、深層水が徐々に
上昇する。表層に達した深層水は太陽で徐々に暖めら
れ、表層に近付くほど温度が上昇するので、上記ポンプ
で排出されるまで、上記開口部内に滞留することにな
る。上記浮体構造物に太陽光発電装置、波力発電装置、
風力発電装置等の自然エネルギーによる発電装置のいず
れか一種以上を設け、この発電装置による電力で上記排
水用ポンプを駆動するようにすることができる。上記の
深層水領域まで垂下したスカートの形状は、矩形状のも
の、円筒形状のもの、下方に向かって末広がった形状の
もの、漏斗形状などいずれでも良く、特に限定するもの
ではない。
【0007】第二の発明の養殖装置は、浮体構造物の略
中央に上方に解放した開口部を設け、当該開口部を水密
性部材(鋼板などの金属板、合成樹脂製板など)で仕切
って複数の区画を形成し、該区画のうちのいずれか一つ
の区画の周縁に深層水領域まで垂下したスカートを設
け、他の区画周縁には表層水の範囲内に垂下したスカー
トを設け、上記のスカートを垂下した区画で上昇させた
深層水を他の区画にポンプで順次移動させるものであ
り、また、上記複数の区画のうち、深層水領域まで垂下
するスカートを設けた区画を、深層水の上昇領域と植物
プランクトンの増殖領域とし、他の区画を動物プランク
トンの増殖領域、魚介類の養殖領域にした養殖装置であ
る。この養殖装置は、深層水領域の深層水で植物プラン
クトンを増殖し、増殖した植物プランクトンを上記ポン
プで動物プランクトンの増殖領域に移動させて増殖し、
増殖した動物プランクトンを上記ポンプで魚介類の養殖
領域に移動させて、魚介類を養殖する養殖装置である。
【0008】第三の発明の養殖装置は、上記第一の発明
の浮体構造物および第二の発明の養殖装置の周囲を、上
記浮体構造物および養殖装置から所定の距離をおいて網
で囲み、この網で囲った海域をさらなる養殖海域とし、
大型魚を養殖するための海域を提供するものである。
【0009】第四の発明は、長尺幅広の箱体からなる浮
体構造物であって、該浮体構造物の略中央に開口部を設
け、この開口部周縁に深層水領域まで垂下したスカート
を設けると共に、浮体構造物側壁部より外方へ放射状に
梁を張設し、該梁より表層水の範囲内に垂下したスカー
トを設け、梁先端部間を繋ぐスカートを表層水の範囲内
に垂下することにより、複数の養殖海域を形成するもの
である。
【0010】
【実施の形態】本発明の一実施形態の浮体構造物と、こ
の浮体構造物による、深層水を利用した養殖装置につい
て図面を参照して説明する。図1は第一の発明の浮体構
造物の実施形態であり、その浮体構造物1とこの浮体構
造物1による深層水を利用した養殖装置2の概念的な平
面図である。図1、図2において、浮体構造物1は、海
面上に浮かぶ四角形状の鋼板部材で作られた天井板3と
海水中に沈む底板4並びに側壁板5で構成した箱体状の
ものである。この箱体状の浮体構造物1は、一辺が約5
kmの長尺で幅広の中空体であり、海流から受ける荷重
や波浪による荷重に充分耐えうるように、船体構造と同
様に、梁材による強固な骨格構造と(図示を省略)を有
し、天井板3、底板4、また向い合う側壁板5などによ
る構造物である。この大規模な浮体構造物1は、上記し
たように一辺が約5kmもあるので海洋での係留は、ア
ンカーの付いた係留索6を適宜に取り付けて行うもので
ある。しかも、この大規模な浮体構造物1の内側に1辺
の長さが約4.8kmの開口部7を設け、図2に示すよ
うに、その開口部7の周縁に水深200m以上の深さの
深層水領域までスカート8を垂下して設けたものであ
る。勿論、このスカート8は鋼板製であり、これに沿っ
て上昇する間に深層水が外の海水と混ざるのを防いでい
る。図2の実施形態のスカート8は矩形のものである
が、図5に示す下方に沿って末広がり形状のもの、ある
いは図6に示す漏斗形状のものであっても差し支えな
い。また、上記のスカート8は、保守点検や補修等を考
慮して腐食・摩耗による劣化に対し耐久性のある、例え
ば、錆止めを施した鋼板或いは鋼板に強化プラスチック
スをコーテイングしたもの等を使用するのがよい。とこ
ろで、スカート8は、海流の流れによる荷重に充分耐え
得る厚さ2cm程度の鋼板を用い、この鋼板の隣り合わ
せた接合面を溶接或いは当板等を用いてボルトで接合し
て作るものである。
【0011】更に、スカート8は、その一辺の幅が略
4.8kmの長尺なものであり、しかもその内部は周り
の海水と遮断された深層水領域9となっている。この深
層水領域9の深層水は、浮体構造物1に設置したポンプ
10で上層の表層水を周りの海域11に排出すること
で、その回りに富養の養殖海域を形成するものである。
なお、スカート8内の深層水は、その表層水を外側の海
域11に排水することで、スカート8内を深層水が徐々
に上昇する。また、スカート8は、浮体構造物1と同様
に、一端にアンカーを備えた係留索(図示を省略)を適
宜配設して海洋に係留されている。浮体構造物1に自然
エネルギーを利用する発電装置(例えば、波力発電装置
12、太陽光発電装置13等)を多数設け、この発電装
置で発電した電力で上記ポンプの駆動電力を賄うように
する。この場合、上記発電装置による電力が天候等自然
条件に左右されないように、多数種類の発電装置を複数
基設けることが必要である。上記の浮体構造物1の開口
部7内の表層の水は栄養に富んだ深層水であるから植物
プランクトンが急速に増殖し、さらに動物プランクトン
が急速に増殖する。したがって、ここに小魚、例えば鯛
や平目等の高級魚を放流して増殖させ、また上記小魚を
餌にする高級魚を養殖することができる。
【0012】次に、本発明の第二の発明である深層水を
利用する養殖装置についての実施形態を図3を参照して
説明する。図3に示すように、この養殖装置は図1で説
明した浮体構造物1の開口部7内を鋼板で複数に区画し
て各々に開口部を持つ区画部14,15,16,17,
18,19を設けたものである。これらの区画部14〜
19のうち区画部14の開口部周縁に、深層水を上昇さ
せるために深層水領域まで垂下したスカート8(図2参
照)と同様のスカート(図示を省略)を設け、他の区画
部15〜19の開口部周縁に深さ20〜50m位まで鋼
板製のスカート20(図5参照)を垂下して周囲の海域
と仕切るものである。開口部14を上層の水を排出して
深層水領域から深層水を上昇させて植物プランクトンを
増殖させ、これを区画部15に移してここで動物プラン
クトンを増殖させ、さらにこれを区画部16に移してこ
こで小魚を養殖し、さらにこれを区画部17に移してこ
こで鯛・平目等を養殖し、また、区画部18で鮪や鰹等
を養殖する。植物プランクトンを増殖させた区画部14
の上層水を区画部19に移してここで蛎・アワビ等の貝
類を養殖することもできる。この養殖装置は、浮体構造
物1Aに複数基のポンプ10を設け、これらのポンプ1
0により区画部14の表層水を植物プランクトンと一緒
に動物プランクトンを増殖させる区画部15内に、また
貝類を養殖する区画部19にそれぞれ移動させて、これ
らの区画部15,19で動物プランクトンの増殖や、貝
類を養殖し、更にポンプ10を使って各区画部の表層の
水を順次他の区画部に移すものである。
【0013】次に、本発明の第三の発明の養殖装置につ
いての実施形態を図1、図3を参照して説明する。この
養殖装置は、図1、図3で示す一辺が約5kmの浮体構
造物1,1Aとその周囲の海洋を海面から20〜30m
程度の表層水領域の範囲内に垂下した網22で囲んで養
殖海域21を構成したものである。上記の網22は、網
の上部を海面に浮上させておくために、網22の上部に
所定間隔をおいてブイ24を取付ている。しかも、この
網22が、海流によって流されないようにアンカーを備
えた係留索25(第2図参照)を上記網22に所定間隔
で配設して係留するものである。更に網22には、一部
を外洋に開放する開閉部26を設け、この開閉部26を
開いておくことにより、回遊魚の養殖海域21への誘導
や船舶の出入りを行う。この実施例の養殖装置は、浮体
構造物1の深層水或いは浮体構造物1Aで増殖したプラ
ンクトンや小魚を養殖海域21へ大量に放流し、海域内
で鮪、鰹等を養殖することができる。また、上記海域2
1には、プランクトンや小魚が豊富であるので、これを
狙って外洋の鮪、鰹の回遊魚が開閉部26から入って、
ここで増殖することが期待される。この開閉部26は、
この他に浮体構造物1,1Aと浮体構造物1,1Aに設
置のポンプ、発電装置等の諸設備の維持管理をするため
に船舶の出入り口として使われる。
【0014】次に、本発明の第四の発明である養殖装置
の実施形態を図4を参照して説明する。図4は、上記第
四の発明の実施形態である養殖装置の概略平面図であ
る。この養殖装置は、図1の大規模な浮体構造物1、図
3の養殖装置を構成する大規模な浮体構造物1Aと同様
に浮体構造物27は、海面上に浮かぶ鋼板部材で作られ
た天井板と海水中に沈む底板と側壁板で構成した多角形
の箱体状のものである。この多角形の箱体状の浮体構造
物27は、図示の如く六角形の一辺が略2kmの中空構
造物であり、海流から受ける荷重や波浪による荷重に充
分耐えうるように、船体構造と同様に梁材による強固な
骨格構造、天井板、底板、向かい合う側壁などで構成さ
れたものである。上記六角形の浮体構造物27は、アン
カーを備えた係留索(図示を省略)を適宜配設して係留
されるものである。また、上記六角形の浮体構造物27
の内側に、例えば2km×2kmの開口部を設け、その
開口部を二分し、その一方の開口部28の周縁から深層
水領域に達する鋼板製のスカートを設け、他方の開口部
29の周縁から水深20〜50mに達する鋼板製のスカ
ートを設けて周囲の海域と仕切ったものである。他方、
上記浮体構造物27の側壁部からは放射状に長さ5k
m、幅20mの梁30を外方に6本張設している。
【0015】上記の6本の梁30には、該梁30の下部
に略20〜50mの深さまで網(図示を省略)を垂下し
て設けると共に各々の梁先端部を繋ぐように略20〜5
0mの深さまで網31を垂下して設けて、上記の六角形
の浮体構造物27のスカート(図示を省略)の側面壁と
隣り合う梁の下部に垂下した網と、該梁の先端部を繋ぐ
網31とで養殖海域32〜36をそれぞれ区画したもの
である。しかし、隣り合ういずれか一対の梁30の先端
部間は、網を設けずに解放してあって、船舶の出入り口
37として使うようにしている。また、上記の六角形の
浮体構造物27の開口部28の表層の水をこの浮体構造
物27に設けたポンプで上記開口部29に移すことによ
って、開口部28のスカートにそって深層水がゆっくり
と上昇する。そしてこの開口部29では、開口部28か
ら移された栄養豊かな深層水で植物プランクトン、動物
プランクトンが増殖する。一方上記養殖海域32〜36
は、小魚を養殖する海域、鯛を養殖する海域、平目を養
殖する海域、鮪を養殖する海域、鰹を養殖する海域、蛎
を養殖する海域等に利用するものである。そしてこの海
域では、開口部29から回りに流出した動植物プランク
トン、小魚を餌として利用した養殖が行われる。なお、
上記の大規模な六角形の浮体構造物27、スカート、網
等は、海流によって流されないように、アンカーを備え
た多くの係留索を使って海底に係留される。また、浮体
構造物27に自然エネルギー利用の発電装置を設けて、
これで上記ポンプの駆動電力を賄う。以上の通り海洋に
造られた大規模な浮体構造物及びその浮体構造物の深層
水を利用する人工の養殖装置は、細菌などの汚染のな
い、また栄養分の極めて豊かな深層水を大量に利用する
ことを基本とし、深層水を自然にゆっくりと上昇させる
ものであり、その上昇は大規模な養殖用の浮体構造物の
開口部周縁から200m以上の深い深層水領域まで垂下
げたスカートによって囲われた区画の表層の水をポンプ
で排水することで行われるものである。
【0016】また、浮体構造物27の開口部周縁から垂
下するスカートについては、図2に示す矩形のものや、
図5に示す末広がり型のスカート38、図6に示す漏斗
型のスカート39のいずれでもよい。特に漏斗型のスカ
ート39であれば、その上方1/3については浮体構造
物の開口部と同じ矩形であるが、それより下部の開口面
積は小さいから、スカートに要する材料が大幅に節減さ
れる。
【0017】
【発明の効果】パイプを深層水領域まで敷設して、その
パイプから深層水をポンプで汲み上げ養漁場を形成する
方法では、大規模にすればするほど大量のパイプの数、
そのパイプの敷設のためのコストやパイプ数に見合うポ
ンプ数が必要となり、また電力消費量や電力の諸設備の
配設に要するコストも嵩む。これに対して、本発明は、
大規模な浮体構造物からスカートを深層水領域まで垂下
げて、このスカートで囲まれた領域の表層の水を他の養
殖領域或いは養殖海域に排出することによって深層水を
自然にゆっくりと上昇させるものであるから、僅かな電
力で大量の深層水を引き上げて取り込むことができる。
また、この深層水を使って大漁の植物プランクトンを急
速に増殖させることができ、さらに、これを餌にする動
物プランクトンを大量に増殖できるので、海洋に大規模
な養殖装置を容易に作り出すことができる。また、この
発明の浮体構造物は極めて大規模であるので、その上に
上記の太陽光発電、風力発電、波力発電などの自然エネ
ルギー利用の大規模発電装置を設置することができる。
そして、上記の深層水を上昇させるための排水用ポンプ
の電力は、上記の自然エネルギー利用の発電装置で賄え
るので、運転コストは低廉である。また、浮体構造物に
よって囲われた各区画の養魚場の海水はすべて深層水で
あるから、病原菌による汚染はなく、また、海洋水の各
種汚染とも無関係であるので、養魚が病気にかかること
もなく、クリーンで高品質の魚を極めて効率的に生産す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の実施の形態に係る大規模な浮体構造
物とこの浮体構造物の深層水を利用する養殖海域の概念
的な平面図である。
【図2】は図1のX−X断面図である。
【図3】は本発明の他の実施の形態に係る深層水を利用
する養殖装置の概念的な平面図である。
【図4】は本発明の更に他の実施の形態に係る深層水を
利用する養殖装置の概念的な平面図である。
【図5】図5は本発明の深層水領域まで垂下げたスカー
トに使われるスカートの変形例を示す断面図である。
【図6】は本発明の深層水領域まで垂下げたスカートに
使われるスカートの他の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:浮体構造物 1a:浮体構造物 2:養殖装置 3:天井板 4:底板 5:側壁板 6:係留索 7:開口部 8:スカート 9:深層水領域 10:ポンプ 11:海域 12:波力発電装置 13:太陽光発電装置 14〜19:区画部 20:網材のスカート 21:養殖海域 22:網 23:波力発電装置 24:ブイ 25:係留索 26:開閉口 27:浮体構造物 28:開口部 29:開口部 30:梁 31:網 32〜36:養殖海域 37:船舶の出入り口 38:末広がり型スカート 39:漏斗型スカート

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浮体構造物であって、該浮体構造物の略中
    央に上方に解放した開口部を設け、この開口部周縁に深
    層水領域まで垂下したスカートを設け、上記浮体構造物
    上に開口部内の表層の水を排出するポンプを設けたこと
    を特徴とする浮体構造物。
  2. 【請求項2】上記浮体構造物に太陽光発電装置、波力発
    電装置、風力発電装置等の自然エネルギーによる発電装
    置のいずれか一種以上を複数基設置したことを特徴とす
    る請求項1の浮体構造物。
  3. 【請求項3】上記スカートが下方に沿って末広がりであ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2の浮体構造
    物。
  4. 【請求項4】上記スカートが漏斗状であることを特徴と
    する請求項1または請求項2の浮体構造物。
  5. 【請求項5】浮体構造物の略中央に上方に解放した開口
    部を設け、当該開口部を仕切って複数の区画を形成し、
    該区画の内のいずれか一つの周縁に深層水領域まで垂下
    したスカートを設け、他の区画周縁には深層水領域まで
    垂下したスカート又は表層水の範囲内に垂下したスカー
    トを設け、前記区画内に取り込んだ深層水を他の区画内
    へポンプで順次移動させるようにしたことを特徴とする
    養殖装置。
  6. 【請求項6】複数の区画のうち、周縁に深層水領域まで
    垂下するスカートを設けた区画を植物プランクトンの増
    殖領域とし、その隣接する区画を動物プランクトンの増
    殖領域とし、他の区画を魚介類の養殖領域としたことを
    特徴とする請求項5の養殖装置。
  7. 【請求項7】上記浮体構造物または上記養殖装置の外側
    周囲を該浮体構造物または該養殖装置から所定の距離を
    おいて網で囲い、大型回遊魚の養殖海域としたことを特
    徴とする請求項1乃至請求項6の養殖装置。
  8. 【請求項8】上記浮体構造物または上記養殖装置を囲っ
    た網に開閉部を設けて、これを船舶の出入及び回遊魚の
    導入口にしたことを特徴とする請求項7の養殖装置。
  9. 【請求項9】浮体構造物であって、該浮体構造物に開口
    部を設け、この開口部周縁に深層水領域まで垂下したス
    カートを設けると共に、浮体構造物側壁部より放射状に
    梁を張設し、該梁より表層水の範囲内に垂下したスカー
    トを設け、且つこれら隣接する梁の梁先端部に梁先端部
    間を繋ぐ表層水の範囲内にスカートを設け、複数の養殖
    海域を形成したことを特徴とする養殖装置。
  10. 【請求項10】梁より垂下するスカートが、水密性の材
    料よりなることを特徴とする請求項9の養殖装置。
  11. 【請求項11】梁より垂下するスカートが、網よりなる
    ことを特徴とする請求項9の養殖装置。
  12. 【請求項12】梁先端部より垂下するスカートが、水密
    性の材料よりなることを特徴とする請求項9乃至請求項
    11の養殖装置。
  13. 【請求項13】梁先端部より垂下するスカートが、網よ
    りなることを特徴とする請求項9乃至請求項11の養殖
    装置。
  14. 【請求項14】隣接する梁にいずれか一個所を開放し、
    船舶の出入及び回遊魚の誘導を可能にしたことを特徴と
    する請求項9乃至請求項13の養殖装置。
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