JP2003081001A - 移動印刷サービス方法とそれに用いる移動印刷車両、ならびにイベント会場における印刷物の作成配布方法と印刷物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 イベント会場などにおける印刷を容易にす
る。 【解決手段】 移動印刷車両は、タイヤを備え移動可能
な車両本体１と、当該車両本体１内に備えられた画像デ
ータ処理装置２と、画像データ処理装置により作成され
た印刷データに基づいて印刷を行う印刷装置３とを備え
る。この移動印刷車両を用いてイベント会場などに移動
し、会場において撮影した画像データそのものを画像デ
ータ処理装置２で編集して印刷を行うことができる。こ
れにより、本イベントに関する印刷物をほぼリアルタイ
ムに作成することができ、購買者の需要を喚起すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、イベント会場などで
印刷物を作成して配布する移動印刷サービス方法とそれ
に用いる移動印刷車両、さらにイベント会場における印
刷物の作成配布方法とこの作成配布方法を用いた印刷物
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、展示会場やスポーツ会場などで関
連する記事を掲載した新聞、チラシ、号外などの印刷物
を配布する配布サービスが有料・無料により行われてい
た。このような印刷物の配布サービスは、会場外の印刷
工場により印刷が行われ、出来上がった印刷物を会場へ
宅配する方法が取られている。

【０００３】前者のように会場外で印刷を行う場合は、
一般的に次のような製作手法がとられれる。まず会場で
撮影した画像データや取材した文章データを編集局で編
集し、編集された印刷データに基づいて所定の印刷工場
において印刷が行われる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記印刷サービス方法
では、印刷が完了した後、印刷物を印刷工場から各会場
まで宅配しなければならず、配布までに時間がかかると
いう欠点がある。特に会場内においては、その場、その
瞬間にのみ需要があって、それ以外では印刷物の号外性
が薄れ商品価値が極端に低下する場合がある。特に比較
的短時間にのみ集客力を有するイベント、例えばコンサ
ートやスポーツ観戦などでは、そのイベント開催期間自
体が短い。

【０００５】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、印刷装置を備えた移動印刷車両を用いて
当該会場において直接印刷物を作成して配布する移動印
刷サービスを提供することを目的とし、一方ではこの移
動印刷サービスに用いる移動印刷車両を提供することを
目的とする。

【０００６】このような移動車両は公知ではないが、最
も近い先行技術としては、例えば特開平１０−２９７３
５１号に記載されたアミューズメント車両が公知であ
る。しかしながら当該アミューズメント車両は、ゲーム
センターなどに置かれたシール印刷機やゲーム機などの
アミューズメント装置を搭載するものであって、当該車
両に自ら乗り込んだユーザに対してのみサービスを行う
ものであって、一般的な印刷装置を搭載し不特定多数の
購買者に対し印刷物の配布サービスを行うものではな
い。またこの先行技術では、本発明の特徴である「会場
特有のイベントシーンの画像データや原稿データを取り
込んで画像処理や印刷処理を行う」という要素はない。

【０００７】一方、本発明は、上記のような移動車両を
用いずとも実現可能であり、イベント会場における画像
データを用いて作成した印刷物を配布する印刷物の作成
配布方法とその印刷物とを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、移動可能な車両本体に印刷装置を備えた移動印刷車
両を用いた移動印刷サービス方法であって、移動印刷車
両を所定の会場などに移動させる移動工程と、当該会場
で撮像した画像データを取得する画像データ取得工程
と、当該会場で作成した、もしくは予め作成していた原
稿データと前記画像データとを前記車両内で編集して印
刷データを作成する編集工程と、前記印刷データに基づ
いて当該会場において印刷を行う印刷工程と、前記会場
において印刷された印刷物を配布する配布工程と、から
なる。

【０００９】請求項２に記載の発明は、移動可能な車両
本体に印刷装置を備えた移動印刷車両を用いた移動印刷
サービス方法であって、移動印刷車両を所定の会場など
に移動させる移動工程と、当該会場で撮像した画像デー
タおよび／または当該会場で作成した原稿データとを当
該車両外の編集局に対し無線通信により送信するデータ
送信工程と、前記編集局内において前記受信した各デー
タに基づいて印刷データを作成する印刷データ作成工程
と、前記作成された印刷データを前記移動車両において
受信するデータ受信工程と、前記受信した印刷データに
基づいて、当該会場において印刷を行う印刷工程と、前
記会場において印刷された印刷物を配布する配布工程
と、からなる。

【００１０】請求項３に記載の発明は、移動可能な車両
本体に印刷装置を備えた移動印刷車両を用いた移動印刷
サービス方法であって、所定の編集局などで編集した印
刷データを前記移動印刷車両内の印刷装置に入力するデ
ータ入力工程と、移動印刷車両を所定の会場などに移動
させる移動工程と、前記入力した印刷データに基づいて
当該会場で印刷を行う印刷工程と、 前記会場において
印刷された印刷物を配布する配布工程と、からなる。

【００１１】請求項４に記載の発明は、請求項１ないし
３のいずれかに記載の移動印刷サービス方法であって、
前記印刷工程が車両の移動中についても行われることを
特徴とする。

【００１２】請求項５に記載の発明は、タイヤを備えて
移動可能な車両本体に印刷装置を備えた移動印刷車両で
あって、少なくとも画像データを入力する手段を備え、
後段の印刷装置に対する印刷データを処理する処理端末
と、多数の印刷用紙を保持する印刷用紙保持手段と、

【００１３】前記印刷用紙保持手段の印刷用紙に対し前
記印刷データに基づいて複数部の印刷を行う印刷手段
と、前記印刷手段により印刷された印刷物をストックす
るストック手段と、を前記車両本体内に固定可能に搭載
することを特徴とする。

【００１４】請求項６に記載の発明は、請求項５に記載
の移動印刷車両であって、前記処理端末は、無線通信に
よりデータの送受信を可能としたことを特徴とする。

【００１５】請求項７に記載の発明は、請求項５または
６に記載の移動印刷車両であって、前記処理端末は、印
刷データを編集および／または作成するための編集機能
および／または作成機能を備える。

【００１６】請求項８に記載の発明は、請求項５ないし
７のいずれかに記載の移動印刷車両であって、 前記
印刷手段により印刷された印刷物を製本する製本手段を
さらに備える。

【００１７】請求項９に記載の発明は、請求項５ないし
８のいずれかに記載の移動印刷車両であって、 前記
印刷手段は防振装置を備え、走行中に印刷が可能である
ことを特徴とする。

【００１８】請求項１０に記載の発明は、請求項５ない
し９のいずれかに記載の移動印刷車両であって、前記ス
トック手段の近傍に開閉ドアを有することを特徴とす
る。

【００１９】請求項１１に記載の発明は、イベント会場
における印刷物の作成配布方法であって、イベント会場
において発生したシーンをリアルタイムで撮像して画像
データを習得する工程と、前記画像データをコンピュー
タ上に入力する工程と、前記コンピュータ上において、
習得した画像データに基づいて印刷データを作成する工
程と、作成された印刷データに基づいて、当該会場また
は近傍に設置された印刷装置においてポスターなどの印
刷物を作成する工程と、イベント開催中または開催後に
前記印刷された印刷物を当該会場またはその近傍にて配
布する工程と、からなる印刷物の作成配布方法である。

【００２０】請求項１２に記載の発明は、請求項１１に
記載の印刷物の作成配布方法であって、習得した画像デ
ータを予め準備されたレイアウトデータに従って編集し
て印刷データを作成するようにしたことを特徴とする。

【００２１】請求項１３に記載の発明は、請求項１１に
記載の印刷物の作成配布方法であって、習得した画像デ
ータに対し、当該イベントに関連したテキストデータを
合成して印刷データを作成するようにしたことを特徴と
する。

【００２２】請求項１４に記載の発明は、請求項１１な
いし１３のいずれかに記載の印刷物の作成配布方法であ
って、前記印刷装置は車載されていることを特徴とす
る。

【００２３】請求項１５に記載の発明は、請求項１１な
いし１４のいずれかに記載の印刷物の作成配布方法であ
って、前記イベントは、スポーツの試合、コンサート、
展示会のいずれかであることを特徴とする。

【００２４】請求項１６に記載の発明は、請求項１１な
いし１５のいずれかに記載の印刷物の作成配布方法を用
いて作成または配布されることを特徴とするポスター、
絵葉書、新聞、パンフレット、テレフォンカードなどの
印刷物である。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。まず図１は本発明に使用する移
動印刷車両の一例を示す正面概要図である。図におい
て、移動印刷車両は、タイヤを備え移動可能な車両本体
１と、当該車両本体１内に備えられた画像データ処理装
置２と、画像データ処理装置により作成された印刷デー
タに基づいて印刷を行う印刷装置３とを備える。

【００２６】車両本体１は、例えばワンボックスタイプ
やトレーラタイプの自動車などからなり、その内部に画
像データ処理装置２や印刷装置３などを搭載可能であ
る。またオペレータが車内で印刷作業を行えるようなス
ペースを備える。車両本体１は、好ましくは自力走行可
能な自動車が良いが、他の自動車により牽引するコンテ
ナであってもよい。

【００２７】車両本体１は独自に電源供給可能なように
発電装置やバッテリーなどを備えるのが好ましいが、停
車時に他の建物などからコンセントを接続して電源供給
ができるようにしてもよい。また後述する印刷装置３が
例えばオフセット印刷などのように何らかの水を使用す
るタイプであれば、給水設備を内蔵するか、もしくは外
部の水道などと接続できる配管設備を備えてもよい。さ
らに当該車両は印刷装置３におけるストック部（後述）
近傍に開閉ドアｄを備えており、印刷物を車外に対し容
易に取り出せる構造になっている。すなわち印刷装置３
の印刷物排出側を外部への開閉ドアｄ側に向けて配置
し、車外からアクセス可能とするのが好ましい。

【００２８】画像データ処理装置２は、いわゆる製版を
行うためのＤＴＰ（Desk-Top-publishing）装置などで
あって、ＣＲＴなどの表示手段、キーボードやマウスな
どの入力手段、プログラムを実行する演算手段、画像デ
ータやレイアウトデータなどを記憶する記憶手段、デジ
タルカメラや通信装置などを接続する各種インターフェ
イスを備えるマイクロコンピュータシステムと、このマ
イクロコンピュータシステムを画像データ処理装置とし
て可動させるソフトウェアとからなる。この画像データ
処理装置２は、デジタルカメラなどで得た画像データを
取り込む機能と、キーボードなどから入力されたテキス
トデータや線画などを前記画像データと合成してレイア
ウト編集を行なう機能とを有し、この編集作業により印
刷データを作成することができる。

【００２９】理解しやすいようにプロ野球を該当イベン
トとして例にすれば、オペレータもしくはカメラマンな
どが所定の回に発生したホームランシーンなどをデジタ
ルカメラで撮像し、この画像データを画像データ処理装
置２へ入力する。そして当試合に関連する諸データ、例
えばホームランを打った選手名、ホームラン数などの選
手の記録データ、日付、などのテキストデータや、チー
ムマークや当該選手のサイン取込画像などと合成編集し
てポスターや絵葉書などを構成する印刷データを作成す
る。選手名や対戦チーム名などは予め設定されたデータ
ベース内から選択指示するようにし、チームマークなど
の画像も予め記憶手段内に記憶しておいて使用できるよ
うにしておけばよい。また前記諸データを配置する大き
さや位置などは予め数パターンのレイアウトデータから
選択するようにしておけば、作業は容易である。

【００３０】同様にコンサートであればアーティストの
画像データと、アーティスト名や場所名、日付などのテ
キストと、サイン取込画像などとが合成されて印刷デー
タが作成される。また展示会などであれば展示会場の状
況や出品物を表す画像データに記事データなどを加え
た、例えば新聞形式の印刷データが作成される。

【００３１】なお本明細書では、上記のようなプロ野球
やサッカーなどのスポーツイベント、歌手によるコンサ
ートやサイン会、製品などの展示会や発表会、テレビ放
送や映画などの撮影収録イベントや製作発表会、遊園地
などの開催する催し、また自治体などの主催する公共イ
ベントなどを総合して「イベント」といい、また当該イ
ベントの行われる場所を建造物の有無を問わず総合して
「イベント会場」または単に「会場」という。さらにイ
ベント会場または会場とは、イベントを行う会場の敷地
内と実質的に会場の近傍付近も含むものである。例えば
会場に集客されたユーザが多数存在するような会場近辺
の道路や交通施設なども含まれる。

【００３２】印刷装置３は、前記印刷データに基づいて
印刷を行うものであって、小ロット印刷が可能であり印
刷開始までの時間が短い瞬発力の高いデジタル印刷機が
好ましい。例えばカラー電子写真方式やインキジェット
方式の高速出力機が該当する。もしくは版胴上において
印刷版に製版を行なってオフセット印刷を行うＣＴＰ
（Computer-To-Plate）機構を備える印刷装置などでも
よい。前者の電子写真またはインキジェット印刷装置と
しては、大日本スクリーン製造株式会社製のオンデマン
ドプリンティングシステムUltra Stream 2000やインク
ジェットデジタル印刷システムTrue Press Jetなどが採
用できる。後者のデジタルオフセット印刷装置としては
同デジタルイメージングシステムTrue Press 544など
が採用できる。

【００３３】このような印刷装置３は、予め多数の印刷
用紙を保持する保持手段３１と、保持手段３１から給紙
された印刷用紙に対し印刷を行う印刷装置本体３２と、
印刷された印刷物を受けるストッカー３３とを備える。
そして前記画像データ処理装置２と印刷装置３とは、車
両本体1に対し防振装置４を介して固定されている。こ
のような防振装置４は、例えば空気圧または油圧ダンパ
ーなどの公知のショックアブソーバにより構成された防
振装置や振動を感知してアクティブに姿勢制御を行う防
振装置などであって、走行による振動の影響を少なくす
るとともに走行中でも印刷を行えるものが好ましい。

【００３４】なお、上記の例ではシート状の印刷用紙を
用いているが、保持手段３１にはロール紙を保持してお
いて、印刷装置本体３２の後流側でカット紙に切断する
形式もふくむ。また印刷用紙に予め所定の画像を印刷し
ておいて、イベント会場で得た画像を重ね合わせ印刷す
るものであってもよい。また単票的な印刷物だけでな
く、印刷装置３の後段に公知の製本装置、例えば無線綴
じ機や折機、ラミネータなどを備えておいて、パンフレ
ットや各種ブックレットなどを作成するようにしてもよ
い。さらに通常印刷用紙でなくシール紙やテレフォンカ
ード、種々の土産物品に対する印刷でもよく、この場合
は適宜対応する形式の印刷装置を搭載してもよい。

【００３５】このような印刷装置３からは例えばポスタ
ー、絵葉書、新聞、パンフレット、テレフォンカードな
どの印刷物が作成できるが、いずれも会場においてリア
ルタイムで得た画像データを用いることによって、イベ
ント開催中に得た興奮をそのまま持ち込むことができ
る。これにより購買者の購買意欲が高まることが期待で
きる。またそのイベント会場限定としての希少価値や記
念的価値が生じることから、イベント会場における土産
品としても好適である。なお、本明細書でいうイベント
の開催中または期間中とは、イベントが実施されている
時間内に加えて、未だ購買者が当該会場に存在すればイ
ベント終了後も実質的な開催期間として含む。例えば前
述のプロ野球であれば、ゲーム終了後、ユーザが球場を
去るまでの期間が該当する。

【００３６】上記実施の形態では会場において印刷デー
タを作成するようにしているが、車両外の編集局におい
て作成した印刷データを受信し、これを用いて印刷を行
うようにしてもよい。このため前記移動印刷車両には無
線受信用のアンテナ５と受信装置６とを備え、画像デー
タ処理装置２に接続されている。たとえば受信装置とし
ては、一般では比較的高速なデータ送信が行えるＰＨＳ
端末もしくは衛星通信などである。この受信装置６で得
る印刷データは時間短縮のため符号化圧縮して送信さ
れ、画像データ処理装置２で復号するのが好ましい。画
像データ処理装置２はこのような符号復号化機能なども
含む。なお通信としてはインターネットやブロードバン
ドを用いるものであってもよい。

【００３７】さらに前記受信するデータとしては印刷デ
ータの全てではなく一部であってもよく、受信したデー
タに対しイベント会場で得た画像データなどを画像デー
タ処理装置２で合成するようにしてもよい。また逆に画
像データ処理装置２で編集した印刷データや画像データ
を他の印刷現場や移動印刷車両へ送信し、他のイベント
会場などと連携して印刷物を配布するようにしてもよ
い。例えば、複数の会場で並行して開催されるイベン
ト、例えばオリンピックやサッカーのワールドカップな
どであれば、他の会場の結果なども含めて印刷物にして
配布することも考えられる。なお、本明細書でいう配布
とは、無償配布および有償配布、すなわち販売のいずれ
をも含むものである。

【００３８】また上記実施の形態では、画像データ処理
手段２と印刷装置３とを分離した構成で記載している
が、両者が一体的に構成された装置、例えば印刷装置３
に設けられた制御コンピュータが印刷装置の制御ととも
に印刷に用いる画像データの処理も行うようにしてもよ
い。 次に本発明に係る印刷物の作成配布工程について
図２ないし図４を用いて説明する。なお、図２ないし４
は各々異なるいくつかの代表的な作成配布形態を記した
フローチャートである。

【００３９】まず図２におけるフローでは、ステップＳ
１で移動印刷車両によりイベント会場へ移動する。ステ
ップＳ２ではイベント会場でのイベントシーンを撮影し
たり、またイベントに関する記事を作成する。もちろん
移動印刷車両がステップＳ１の移動中に他のオペレータ
がステップＳ２の撮影などを並行して行ってもよい。

【００４０】ステップＳ３では得られた画像データや原
稿データを前記画像データ処理装置２に入力する。例え
ば画像データであればデジタルカメラから公知の接続ポ
ートを介して画像データ処理装置２へデータを転送す
る。原稿データであればキーボードもしくはその他のワ
ードプロセッサーなどからテキスト入力を行う。

【００４１】ステップＳ４では画像データ処理装置２に
より、画像データや原稿データをレイアウトし印刷デー
タを作成する。もちろん画像の拡大縮小や合成、色変換
やトリミングなどの種々の編集処理を行なう場合も考え
られる。もっとも簡易には、予めテキストデータとレイ
アウトデータとを準備しておき、現地で取得した画像デ
ータをレイアウト処理するのが望ましい。ステップＳ５
では作成した印刷データに基づいて印刷を行う。そして
ステップＳ６では仕上がった印刷物を配布・配布する。

【００４２】上記実施の形態では、移動印刷車両により
現場で編集および印刷を行うことができるので出来上が
った印刷物を宅配する形式に比べて印刷物を準備する時
間を短縮できる。またイベント会場で発生したシーンに
その場で対応することができる。また種々のイベント会
場に移動して印刷物の作成および配布を実施することが
できる。

【００４３】次の図３のフローチャートを説明する。ま
ずステップＰ１では前記移動印刷車両で会場へ移動す
る。そしてステップＰ２では撮影および取材などを行
う。この手順は前記ステップＳ１およびＳ２と同じであ
る。次のステップＰ３では得られた画像データや原稿デ
ータなどをデータ通信により車外の編集局へ送信する。
ステップＳ４では、編集局において送信されたデータを
受信し、ステップＰ５で印刷データを作成する。

【００４４】作成された印刷データはステップＰ６で編
集局から移動印刷車両に送信され、ステップＰ７で受信
される。そして受信された印刷データによりステップＰ
８では印刷作業が行われる。もちろん印刷前に車両内の
画像データ処理装置２を用いて印刷データを再度編集し
たり差し替えてもよいし、そのまま手を加えずに印刷装
置３へ回しても良い。ステップＰ９では出来上がった印
刷物を配布・配布する。

【００４５】この実施の形態では、移動印刷車両では困
難な製版作業などを専門の編集局で行うことができるの
で、例えば多人数により並行処理を行えば比較的製版作
業量の多い印刷物、例えばページ数の多いパンフレット
などでも手がけることができる。また場合によっては、
移動印刷車両内の画像データ処理装置２には編集機能を
備えなくてもよいという利点がある。

【００４６】次に図４のフローチャートを説明する。こ
のフローでは、まずステップｑ１では編集局で印刷デー
タを作成しておく。そしてステップｑ２では同編集局内
において作成した印刷データを移動印刷車両の画像デー
タ処理装置２内に記録しておく。このような記録であれ
ば例えば光ディスクなどのメディアを使用してもよい。
このような準備をした後、ステップｑ３では会場へ移動
を行う。ステップｑ４では、会場への移動中または会場
到着後に印刷を行い印刷物を作成する。そしてステップ
ｑ５では、出来上がった印刷物を会場にて配布する。

【００４７】この実施の形態では、移動印刷車両は単に
現地で印刷を実施するだけであるが、会場への移動中に
印刷を行えば時間短縮になる。また現地において購買者
の目の前で印刷を行うことにより、単に刷り上った印刷
物を配布するだけよりも宣伝効果が期待できる。

【００４８】[その他の実施の形態]上記実施の形態で
は、移動印刷車両を用いているので、例えば野外などの
印刷設備のない会場でも印刷物を作成することができる
という利点がある。しかしながら定常的にイベントが行
われる会場、例えばプロ野球の本拠地球場などでは、球
場内または実質的にその球場と同じとみなされる近傍地
に印刷装置を備えておいてもよい。そして球場内で発生
したシーンを撮影し、その画像データに基づく印刷物を
作成して、ほぼリアルタイムで会場内外で配布すれば購
買者への需要を喚起でき、新たな印刷ニーズを創生する
ことができる。もちろん上記は球場だけでなく主要なイ
ベント会場でも同様である。

【００４９】なお、この作業フローについては、図２お
よび図３に示すフローチャートの各々ステップＳ１およ
びＰ１を除外し、画像データ処理装置２および印刷装置
３を移動させずに会場近傍に配置しておけばよいので、
詳細説明については省略する。

【００５０】

【発明の効果】請求項１ないし４に記載の移動印刷サー
ビス方法においては、移動印刷車両を用いて現地で印刷
を行えるので印刷物を比較的短い時間で準備することが
できる。特に請求項１に記載の移動印刷サービス方法で
は、現地で印刷データを製版することができるので、さ
らに瞬発力高く作業が行える。また請求項２に記載の移
動印刷サービス方法では、車両外部で印刷データを作成
するようにしているので、移動印刷車両だけでは対応が
困難な製版量の多い印刷物などにも対応することがで
き、また移動印刷車両に搭載する画像データ処理装置の
機能を低くおさえることができる。

【００５１】請求項５ないし１０に記載の移動印刷車両
においては、イベント会場などに移動して印刷を行う前
記移動印刷サービスに使用することができる。特に請求
項６に記載の移動印刷車両は車両外とのデータ送信が可
能であり、適宜必要なデータを外部とやりとりして製版
作業を分担させることができる。また請求項７に記載の
移動印刷車両であれば、車内での製版処理が可能とな
り、より瞬発力の高い作業が行える。また請求項８に記
載の移動印刷車両であれば、単票形式の印刷物だけでな
くパンフレットやブックレット形式の印刷物も作れる。
また請求項９に記載の移動印刷車両であれば、移動時間
中にも印刷が行えるため印刷物を準備する時間を短縮す
ることができる。また請求項１０に記載の移動印刷車両
であれば、出来上がった印刷物を容易に車外から取り出
すことができる。

【００５２】請求項１１ないし１５に記載の印刷物の作
成配布方法と、請求項１６に記載の印刷物とにおいて
は、当該イベント会場などで撮影したシーンを取り込ん
だ印刷物をその開催中に配布することができるので、従
来印刷物よりも購買需要が喚起されることを期待でき
る。特に請求項１２に記載の印刷物の作成方法では、予
め準備されたレイアウトデータを用いるため印刷データ
の編集が容易であり、印刷物作成時間を短縮することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る移動印刷車両の構成例を示す概
要図である。

【図２】この発明に係る移動印刷サービス方法の一手順
を示すフローチャートである。

【図３】この発明に係る移動印刷サービス方法の別の手
順を示すフローチャートである。

【図４】この発明に係る移動印刷サービス方法の別の手
順を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１ 車両本体 ２ 画像データ処理装置 ３ 印刷装置 ４ 防振装置 ５ アンテナ ６ 受信装置 ３１ 保持手段 ３２ 印刷装置本体 ３３ ストッカー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝間 義浩 京都市上京区堀川通寺之内上る４丁目天神 北町１番地の１ 大日本スクリーン製造株 式会社内 Ｆターム(参考） 2C087 AA18 AB01 AC07 AC08 BA03 BA05 BB01 BB20 BD06 BD07 CA02 5C076 AA16 AA17

Claims (16)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動可能な車両本体に印刷装置を備えた
   移動印刷車両を用いた移動印刷サービス方法であって、 移動印刷車両を所定の会場などに移動させる移動工程
   と、 当該会場で撮像した画像データを取得する画像データ取
   得工程と、 当該会場で作成した、もしくは予め作成していた原稿デ
   ータと前記画像データとを前記車両内で編集して印刷デ
   ータを作成する編集工程と、 前記印刷データに基づいて当該会場において印刷を行う
   印刷工程と、 前記会場において印刷された印刷物を配布する配布工程
   と、からなる移動印刷サービス方法。
2. 【請求項２】 移動可能な車両本体に印刷装置を備えた
   移動印刷車両を用いた移動印刷サービス方法であって、 移動印刷車両を所定の会場などに移動させる移動工程
   と、 当該会場で撮像した画像データおよび／または当該会場
   で作成した原稿データとを当該車両外の編集局に対し無
   線通信により送信するデータ送信工程と、 前記編集局内において前記受信した各データに基づいて
   印刷データを作成する印刷データ作成工程と、 前記作成された印刷データを前記移動車両において受信
   するデータ受信工程と、 前記受信した印刷データに基づいて、当該会場において
   印刷を行う印刷工程と、 前記会場において印刷された印刷物を配布する配布工程
   と、からなる移動印刷サービス方法。
3. 【請求項３】 移動可能な車両本体に印刷装置を備えた
   移動印刷車両を用いた移動印刷サービス方法であって、 所定の編集局などで編集した印刷データを前記移動印刷
   車両内の印刷装置に入力するデータ入力工程と、 移動印刷車両を所定の会場などに移動させる移動工程
   と、 前記入力した印刷データに基づいて当該会場で印刷を行
   う印刷工程と、 前記会場において印刷された印刷物を配布する配布工程
   と、からなる移動印刷サービス方法。
4. 【請求項４】 前記印刷工程が車両の移動中についても
   行われることを特徴とする請求項１ないし３のいずれか
   に記載の移動印刷サービス方法。
5. 【請求項５】 タイヤを備えて移動可能な車両本体に印
   刷装置を備えた移動印刷車両であって、 少なくとも画像データを入力する手段を備え、後段の印
   刷装置に対する印刷データを処理する処理端末と、 多数の印刷用紙を保持する印刷用紙保持手段と、 前記印刷用紙保持手段の印刷用紙に対し前記印刷データ
   に基づいて複数部の印刷を行う印刷手段と、前記印刷手
   段により印刷された印刷物をストックするストック手段
   と、を前記車両本体内に固定可能に搭載することを特徴
   とする移動印刷車両。
6. 【請求項６】 前記処理端末は、無線通信によりデータ
   の送受信を可能としたことを特徴とする請求項５に記載
   の移動印刷車両。
7. 【請求項７】 前記処理端末は、印刷データを編集およ
   び／または作成するための編集機能および／または作成
   機能を備える請求項５または６に記載の移動印刷車両。
8. 【請求項８】 前記印刷手段により印刷された印刷物を
   製本する製本手段をさらに備える請求項５ないし７のい
   ずれかに記載の移動印刷車両。
9. 【請求項９】 前記印刷手段は防振装置を備え、走行中
   に印刷が可能であることを特徴とする請求項５ないし８
   のいずれかに記載の移動印刷車両。
10. 【請求項１０】 前記ストック手段の近傍に開閉ドアを
    有することを特徴とする請求項５ないし９のいずれかに
    記載の移動印刷車両。
11. 【請求項１１】 イベント会場における印刷物の作成配
    布方法であって、イベント会場において発生したシーン
    をリアルタイムで撮像して画像データを習得する工程
    と、 前記画像データをコンピュータ上に入力する工程と、 前記コンピュータ上において、習得した画像データに基
    づいて印刷データを作成する工程と、 作成された印刷データに基づいて、当該会場または近傍
    に設置された印刷装置においてポスターなどの印刷物を
    作成する工程と、 イベント開催中または開催後に前記印刷された印刷物を
    当該会場またはその近傍にて配布する工程と、からなる
    印刷物の作成配布方法。
12. 【請求項１２】 習得した画像データを予め準備された
    レイアウトデータに従って編集して印刷データを作成す
    るようにしたことを特徴とする請求項１１に記載の印刷
    物の作成配布方法。
13. 【請求項１３】 習得した画像データに対し、当該イベ
    ントに関連したテキストデータを合成して印刷データを
    作成するようにしたことを特徴とする請求項１１に記載
    の印刷物の作成配布方法。
14. 【請求項１４】 前記印刷装置は車載されていることを
    特徴とする請求項１１ないし１３のいずれかに記載の印
    刷物の作成配布方法。
15. 【請求項１５】 前記イベントは、スポーツの試合、コ
    ンサート、展示会のいずれかであることを特徴とする請
    求項１１ないし１４のいずれかに記載の印刷物の作成配
    布方法。
16. 【請求項１６】 請求項１１ないし１５のいずれかに記
    載の印刷物の作成配布方法を用いて作成または配布され
    ることを特徴とするポスター、絵葉書、新聞、パンフレ
    ット、テレフォンカードなどの印刷物。