JP2003080584A - 木粉配合樹脂成形体の製造方法および製造装置 - Google Patents

木粉配合樹脂成形体の製造方法および製造装置

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JP2003080584A
JP2003080584A JP2001280562A JP2001280562A JP2003080584A JP 2003080584 A JP2003080584 A JP 2003080584A JP 2001280562 A JP2001280562 A JP 2001280562A JP 2001280562 A JP2001280562 A JP 2001280562A JP 2003080584 A JP2003080584 A JP 2003080584A
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wood powder
wood
molding
resin
kneading
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JP2001280562A
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Kazunori Ueki
一範 植木
Yoshitane Tsuchiya
佳胤 土屋
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木粉の炭化が抑制されて、明色の木調成形体
を与えることのできる木粉配合樹脂成形体の製造方法お
よび製造装置を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂および木粉を供給する供
給工程と、供給された熱可塑性樹脂および木粉を気体成
分および水分を除去しながら移送する移送工程と、 加
熱により熱可塑性樹脂を溶融し、移送された熱可塑性樹
脂および木粉を混練して溶融組成物を調製する混練工程
と、前記溶融組成物からガス抜きしつつ溶融組成物を計
量する計量工程と、前記計量部でガス抜きされた溶融組
成物を、圧力0.5〜100MPaで型に注いで成形体
を成形する工程とを有する木粉配合熱可塑性樹脂注型成
形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木粉を配合した熱
可塑性樹脂成形体の製造方法および製造装置に関し、詳
しくは、木粉の炭化による黒化が起こりにくく、明色の
木調成形体を与えることのできる木粉配合樹脂成形体の
製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】木粉が配合された熱可塑性樹脂成形体
は、外観ばかりでなく触感も木材に近く、その上、耐水
性、成形性に優れ、かつ、量産が可能であることから、
建材、家具材、公園資材などの種々の分野で広く使用さ
れている。
【0003】かかる成形体の製造方法としては、従来か
ら、熱可塑性樹脂、木粉および必要に応じて配合される
添加剤を予め溶融混練してペレットとし、これを成形材
料として押出機などを用いて成形する方法が採られてい
る(特開平10−24453号公報、特開平10−16
6355号公報)。しかし、これらの方法では、単に生
産効率が低いばかりでなく、木粉が加熱される工程が多
く、また加熱期間が長いため、得られる成形体には往々
にして木粉の黒化が見られ、また、木粉の熱分解で発生
した気体成分による鬆も生成することが多かった。
【0004】これに対して、シートの成形方法につい
て、押出機のホッパに樹脂を供給してシリンダの第1混
練部で半溶融させ、これに側部のスクリュ式サイドフィ
ーダで木粉を供給し、直後に設けたガス抜きシリンダで
気体成分および水分を除去し、前記ガス抜きシリンダの
下流に位置する第2混練部で混練し、前記第2混練部下
流のベントにより脱気すると共に、溶融樹脂をシートダ
イスにより押出す成形方法が提案された(特開2001
−129870公報)。この方法によれば、高温の半溶
融樹脂と接触した木粉から発生する気体成分および水分
が除去されるため、木粉供給ホッパに木粉が逆流して木
粉供給量が落ちたり、樹脂移送圧が過大になって高温の
樹脂の逆流したり、噴出したりする危険性もなく、樹脂
および木粉から直接シートが製造される。
【0005】しかし、この方法を応用してシート以外の
成形品を製造すべく、シートダイスを用いずに、注型し
て成形すると、木粉の炭化によって成形体は黒ずんでし
まう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、木粉
の炭化が抑制されて黒ずみにくく、明色の木調成形体を
与えることのできる注型による木粉配合樹脂成形体の製
造方法および製造装置を提供することにある。
【0007】本発明者らは、上記課題を解決するために
鋭意研究した結果、熱可塑性樹脂と木粉とを同時に押出
機に供給して、十分に脱気し、木粉への加熱時間を短く
することにより、木粉の炭化が進みにくくすることが可
能になることを見出し、この知見に基づいて本発明を完
成させるに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして本発明により、
第一の発明として、熱可塑性樹脂および木粉を移送工程
に供給する供給工程と、前記供給された熱可塑性樹脂お
よび木粉を気体成分および水分を除去しながら移送する
移送工程と、加熱により熱可塑性樹脂を溶融し、移送さ
れた熱可塑性樹脂および木粉を混練して溶融組成物を調
製する混練工程と、前記溶融組成物から揮発成分を除去
しつつ溶融組成物を計量する計量工程と、前記計量され
た溶融組成物を成形型へ注型して成形体を成形する成形
工程とを有する木粉配合樹脂成形体の製造方法が提供さ
れる。
【0009】また、第二の発明として、押出機と注型装
置と成形型とからなる木粉配合樹脂成形体の製造装置で
あって、前記押出機が、熱可塑性樹脂と木粉を移送部に
供給するためのホッパと、前記ホッパの下流に設けられ
たガス抜きシリンダを有する移送部と、前記ガス抜きシ
リンダの下流に設けられた混練部と、前記混練部の下流
に設けられたベント付き計量部とを有するものであるこ
とを特徴とする木粉配合樹脂成形体の製造装置が提供さ
れる。
【0010】
【作用】本発明においては、まず、供給工程として、熱
可塑性樹脂および木粉を押出機のホッパから移送部に供
給する。次いで、移送工程として、これらを負圧のガス
抜きシリンダを通して混練部へと移送する。この時、移
送圧で木粉から押出された気体成分がガス抜きシリンダ
から外部へと除去されため、気体成分がホッパの方へ逆
流することを抑えられる。逆流がないため、比重の軽い
木粉と比重の重い熱可塑性樹脂とが同じホッパから均一
比率で供給でき、予め両者を一定比率で含有するペレッ
トを製造する必要がない。また、混練工程として、押出
機の混練部で、加熱することにより熱可塑性樹脂を溶融
させて混練する。この混練により木粉が均一に分散した
溶融樹脂組成物を調製するとともに、混練時の加熱によ
って木粉に含有されていた揮発成分が気化し、溶融樹脂
組成物と気化した揮発成分は計量部へと移送される。計
量工程においては、溶融樹脂組成物の計量とともに、計
量部のベントから揮発成分をシリンダ外に除去し、成形
工程においては、揮発成分が除去された溶融樹脂組成物
を成形型へ注型して成形体を得ることができる。この方
法によれば、成形材料として予め乾燥して揮発成分を除
去した木粉を用いる必要がない。また、成形材料として
熱可塑性樹脂と木粉とを一定比率で供給するために、予
めペレット化することも不要となる。乾燥、ペレット化
が不要であるので、木粉が加熱されるのは押出機内の混
練部と計量部とにおいてのみにすることができ、木粉を
黒化させることなく、シート以外の形状の木粉配合樹脂
成形体も製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用する熱可塑性樹脂
は、特に限定されないが、好ましくはポリプロピレン、
ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、塩素化
ポリエチレンなどのポリオレフィン、スチレン樹脂、塩
化ビニル樹脂、メチルメタクリレート樹脂などが挙げら
れ、より好ましくはポリオレフィン、特に好ましくはポ
リプロピレン、ポリエチレンである。また、これらのリ
サイクル樹脂も使用することができる。
【0012】本発明で使用する木粉は、特に限定され
ず、針葉樹の木粉でも広葉樹の木粉でもよい。また、乾
燥したものでも、水や他の揮発成分を含有する未乾燥の
ものでもよい。木粉の粒径は、好ましくは1〜500μ
m、より好ましくは2〜300μm、特に好ましくは5
〜200μmである。木粉の粒径が小さすぎると、仕込
み時に飛散しやすく、混練時にダマになりやすく、ま
た、炭化しやすいという問題がある。一方、木粉の粒径
が大きすぎると、均一に混ざりにくいという問題があ
る。
【0013】熱可塑性樹脂と木粉の配合割合は、熱可塑
性樹脂量:木粉量の重量比で、好ましくは80:20〜
30:70、より好ましくは70:30〜35:65、
特に好ましくは60:40〜45:55である。木粉の
配合比率が少なすぎると、得られる成形体の感触が木質
感に欠けるおそれがある。逆に、木粉の配合比率が多す
ぎると、得られる成形体が脆くなる可能性がある。
【0014】また、熱可塑性樹脂および木粉以外の原料
として、実質的に本発明の効果を阻害しない範囲で、一
般に樹脂加工に使用される配合剤を加えてもよい。これ
らの配合剤としては、タルク、炭酸カルシウムなどの充
填剤;酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、
紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑
剤等の加工助剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤等
が挙げられる。
【0015】以下、本発明の製造方法を、図面により本
発明の製造装置とあわせて説明する。
【0016】図1は本発明の一実施形態に係る木粉配合
樹脂成形体の製造装置の概略説明図である。
【0017】図1に示す木粉配合樹脂成形体の製造装置
は、押出機1と注型装置2と成形型3とからなってい
る。押出機1は、スクリュ付きシリンダがモータで駆動
されたギアにより回転するように設定されている。押出
機1は、単軸式でも二軸式でもよいが、好ましくは二軸
式であり、より好ましくは噛み合い型二軸式である。
【0018】押出機1は、シリンダの径に対する長さの
比(L/D)が、好ましくは25〜45、より好ましく
は30〜42、特に好ましくは35〜40のものであ
る。L/Dが小さすぎると、高温の加熱ゾーンが短いた
めに熱可塑性樹脂が十分に溶融しなかったり、熱可塑性
樹脂と木粉を均一に混練できずに木粉のムラを生じたり
することがある。L/Dを小さくして熱可塑性樹脂を十
分に溶融させるために、より高温に加熱すると木粉が炭
化しやすくなる。また、L/Dが大きすぎると、木粉が
長時間加熱されることになり、炭化しやすくなる。
【0019】前記押出機1は、熱可塑性樹脂、木粉およ
び必要に応じて配合剤からなる原料を供給するためのホ
ッパ4と、その下流に設けられたガス抜きシリンダ5を
有する移送部6と、前記移送部6の下流に設けられた混
練部7と、前記混練部7の下流に設けられた計量部8を
有している。
【0020】本発明の供給工程は、熱可塑性樹脂、木粉
および必要に応じて配合剤をそれぞれの配合比率に応じ
て移送工程に供給する工程である。製造装置において
は、ホッパ4に熱可塑性樹脂、木粉および必要に応じて
配合剤をそれぞれの配合比率に応じて仕込むことによ
り、移送部6に供給される。本発明の製造装置において
は、ホッパ4の構造などは特に限定されない。
【0021】続く移送工程は、供給された熱可塑性樹
脂、木粉および必要に応じて配合された配合剤を気体成
分および水分を除去しながら移送する工程である。製造
装置では、移送部6で行われる工程であり、具体的に
は、ホッパ4から供給された樹脂、木材および必要に応
じて配合された配合剤を、ガス抜きシリンダ5を有する
移送部6を通して気体成分および水分を除去しながら、
混練部7にまで移送する。
【0022】本発明の装置において、移送部6の一部で
あるガス抜きシリンダ5は、例えば、二軸噛み合い型押
出機の場合、図1における面A−A’の断面図である図
2に示すような構造を有している。すなわち、二軸のス
クリュウが収納され、熱可塑性樹脂と木粉の流路となる
空洞50がシリンダの中央部にあり、その空洞50の一
部がシリンダ内の両端に設けられた脱気管51、52と
繋がっていて、脱気管51、52には上方脱気口51
1、521および下方脱気口512、522が形成され
ている。移送部6は、ホッパ4から供給された原料をス
クリュにより下流に押し込むように移送する。この時、
移送圧がかかり、圧縮されるために、原料の粒子間に存
在した空気、木粉が含有していた空気などの気体が押し
出されるほか、水分が絞りだされる。押し出された気
体、絞りだされた水分は、上方脱気口および各下方脱気
口から除去される。空洞50と脱気管51、52とが繋
がる部分には、脱気管51、52に木粉が引き込まれな
いように、例えば目の細かいセラミック製のメッシュ5
3を設けておくことが好ましい。なお、ガス抜きシリン
ダ5は、外部からシリンダ内を観察できるように、耐熱
ガラス製の窓54が設けられることが多い。
【0023】シリンダ5内は大気圧に対して好ましくは
1×10-2〜5×10-2MPa、より好ましくは1.5
×10-2〜2.5×10-2MPaの負圧になるように脱
気する。これにより、絞り出された水分は、負圧となる
ために気化しやすく、水蒸気として除去しやすくなる。
また、押出された気体や水蒸気がホッパ4に逆流するこ
とがなくなる。逆流した場合は、ホッパ4に仕込まれた
原料の内、比重が重い熱可塑性樹脂はそのまま移送部に
供給されるが、比重の軽い木粉が逆流した気体によって
ホッパ4下部から上方に吹き飛ばされるため、移送部に
十分に供給されないことになる。しかし、本発明の場合
は、ホッパ4に仕込んだ熱可塑性樹脂と木粉の比率を保
ったまま、移送部6に供給される。
【0024】移送工程に続く混練工程は、熱可塑性樹
脂、木粉および必要に応じて配合される配合剤を加熱
し、熱可塑性樹脂を溶融して木粉が均一に分散した溶融
樹脂組成物を調製する工程である。製造装置において
は、混練部7で行われる工程であり、移送部6から移送
された熱可塑性樹脂、木粉および必要に応じて配合剤
を、加熱し、混練する。
【0025】本発明の装置の混練部7は、加熱手段を有
していて、好ましくは160〜250℃、より好ましく
は180〜230℃にて熱可塑性樹脂を溶融させ、溶融
した樹脂中に木粉および必要に応じて配合される配合剤
を均一に分散させる。通常、混練部7のスクリュでは、
前記移送部6におけるスクリュとピッチを変えて、スク
リュによる剪断力で樹脂の混練効果が高くなるようにす
る。
【0026】混練部7では、加熱によって木粉内に残留
していた水をはじめとする揮発成分が気化して気体が発
生する。この気体は、ごく一部がガス抜きシリンダ5へ
逆流して、そこから排出される場合もあるが、大部分は
熱可塑性樹脂および木粉の流れに沿って、計量部8に設
けられたベントから排出される。
【0027】混練工程に続く計量工程は、前記溶融組成
物から揮発成分を除去しつつ溶融組成物を計量する工程
である。計量方法は特に限定されない。
【0028】本発明の装置においては、計量部8では、
引き続き加熱手段により熱可塑性樹脂を溶融したまま、
木粉との均一混合をさらに進め、揮発成分をベントから
脱気して、溶融樹脂組成物を成形型へ注型する状態を整
える。
【0029】計量部8のベントの構造は特に限定されな
いが、図示した態様においては、オープンベント85、
各真空引きベント86、87、88の合計4個のベント
を有している。
【0030】計量工程に続く成形工程は、溶融樹脂組成
物を注型して成形体を得る工程である。製造装置におい
ては、注型装置2を通して、溶融樹脂組成物を成形型3
のキャビティへと注型することがこの工程に該当する。
【0031】本発明の装置においては、注型装置2は、
押出機1の下流先端と成形型3とを接続する装置であ
る。図1に示す注型装置2と成形型3の面B−B’での
断面図が図3である。押出機より押出された木粉を含有
する溶融樹脂組成物は、曲部21で流路の方向を上方に
変え、切り替え弁22によって、複数ある成形型3のい
ずれか一つに注型される。成形型の一つの注型が終了す
ると、切り替え弁22は流路を切り替え、別の成形型に
注型する。この注型装置の場合、成形型3との接続部2
3に溶融樹脂組成物の注型を止めるシャッタを備えてい
るが、シャッタの位置は特に限定されず、押出機1との
間にシャッタを備えていてもよい。注型時の押出圧力
は、好ましくは0.5〜100MPa、特に好ましくは
0.6〜50MPaである。押出圧力が小さすぎると成
形型に十分に充填できない場合があり、大きすぎると押
出機、成形型などの破損の原因となることがある。
【0032】成形型3との接続部は、成形型の注入口に
合わせた形状を有し、注入の際に、木粉含有溶融樹脂組
成物が漏れないようにするとともに、成形型の注入口と
の脱着が容易なものが好ましい。
【0033】成形型3との接続部を成形型3から脱着す
ることが容易であれば、押出機に接続される成形型が常
時1つであっても、注型後、成形型を取り外し、別の成
形型を取り付けて木粉含有溶融樹脂組成物を続けて注型
することができる。
【0034】成形型3は、注型装置から溶融樹脂組成物
を受けて板状、棒状または異形の樹脂成形体を製造する
ためのキャビティを有する型であり、一般に、炭素鋼製
に代表される金属製で、分割可能の割型である。板状成
形体を得るための成形型は、最小厚みが好ましくは15
mm以上、より好ましくは20〜200mm、特に好ま
しくは30〜100mmの成形体を与えるキャビティを
有する。最小厚みが小さすぎると溶融樹脂組成物が詰ま
ることがあり、大きすぎると冷却時の内部からの熱のた
めに表面の木粉が黒化することがある。図1に示す成形
型は丸棒状の成形体を与えるもので、長手方向に2つに
分割される割型である。キャビティの壁面は、成形体の
表面がくぬぎの樹木肌を再現するように粗い凹凸模様が
施されている。
【0035】キャビティは気密にせず、押出機から押出
された溶融樹脂組成物が注型装置を経て成形型に流入
し、キャビティ内全体にゆきわたるようにする。そのた
め、成形型の樹脂注入口から最も遠い位置に空気孔を設
けることが好ましい。
【0036】本発明においては、熱可塑性樹脂および木
粉からガス抜きシリンダで気体成分を抜いてから圧縮、
加熱を開始するので加熱ゾーンが狭く、従って加熱時間
が短いので、木粉が高温に曝されている時間が短い。そ
のため木粉は黒化しにくく、また、成形後の冷却時間が
長くかかる厚ものの成形体でも木粉が黒化しない内に表
面の冷却を終えることが可能となる。
【0037】
【実施例】下記に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明する。なお、文中の%は特記ない限り重量基準で
ある。
【0038】実施例1 L/D38.5、スクリュ口径69mmのシリンダ、1
個のガス抜きシリンダ、オープンベント1個と真空ベン
ト3個との個のベント付き計量部、および、下流端に注
型装置を通してステンレス製の成形型が取り付けられて
いる図1の噛み合い型二軸スクリュ式混練押出機を有す
る成形装置を使用して、スクリュ回転数を120rp
m、Q/Ns(吐出量(kg/hr)と回転数(rp
m)の比)1.2にて、下記の樹脂組成物を注型成形し
た。樹脂組成物としては、メルトインデックス18のポ
リプロピレンのペレット49%に対し、水分含有率6%
で平均粒径100μmの木粉51%の配合を用いた。前
記成形型は、キャビティが内径100mm、長さ1m、
表面形状としてクヌギのような樹木状の凹凸を有する2
分割式の割型であって、長手方向両端に径5mmのガス
抜き穴を各1個有し、注入口から遠いほうに検知用の穴
を有する。混練部と計量部を合わせた加熱ゾーンの長
さ、木粉含有樹脂組成物の吐出量、吐出温度、木粉の供
給状態および成形品の表面状態を表1に示す。
【0039】実施例2 実施例1において、スクリュ回転数を150rpm、Q
/Nsを1.3にする以外は実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
【0040】実施例3 実施例1において、樹脂組成物としてポリプロピレン4
0%、木粉51%、タルク9%の配合を用いる以外は実
施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0041】比較例1 図4に示すように、ガス抜きシリンダがなく、樹脂用ホ
ッパ下が第1混練部71で、次いで木粉用ホッパと接続
したスクリュ式サイドフィーダ付設部があって第2混練
部72につながるほかは実施例1と同様の押出機を用い
て、樹脂をホッパから入れ、第1混練部で半溶融させ、
木粉をサイドフィーダから入れる以外は実施例1と同様
に成形を行った。途中で木粉用ホッパに水蒸気が逆流し
て、木粉がホッパ上でブリッジを形成して規定量入らな
いため、ほとんど樹脂のみからなる成形体が得られた。
結果を表1に示す。なお、この場合の加熱ゾーンは第1
混練部から計量部までのシリンダ全長である。
【0042】比較例2 比較例1と同じ成形機を用い、木粉として水分含有率1
%のものを用いる以外は比較例1と同様に処理した。木
粉の食い込みが悪く、やはり木粉が規定量入らず、ほと
んど樹脂の成形品となった。結果を表1に示す。
【0043】比較例3 図5に示すように、ガス抜きシリンダ5が第一混練部7
1と第2混練部72の間に設けられた以外は比較例1と
同様の押出機を用いて、比較例1と同様に成形を行っ
た。木粉用ホッパへの水蒸気の逆流がなくなり、木粉の
食い込みは良好であった。結果を表1に示す。なお、こ
の場合の加熱ゾーンは第1混練部から計量部までのシリ
ンダ全長である。
【0044】
【表1】
【0045】本発明の製造方法によると、熱可塑性樹脂
および木粉が均一に混練され、気体成分が十分除去され
て、鬆のない、しかも表面が樹木肌の、明色の注型成形
体が得られた(実施例1〜3)。
【0046】一方、ガス抜きシリンダのない成形機を用
いた場合(比較例1および2)、木粉が溶融樹脂に混入
しにくかった。また、木粉のサイドフィーダの上流に樹
脂を溶融させる第1混練部、下流にガス抜きシリンダ、
次いで第2混練部、ベント付き計量部を有する押出機を
使うと、加熱ゾーンが長くなるため、加熱時間が長くな
り、木粉の炭化が進み、成形体表面が黒ずむ(比較例
3)。
【0047】
【発明の効果】本発明により、木粉の炭化が抑制されて
黒ずみにくく、明色の木調成形体を与えることのできる
木粉配合樹脂成形体の製造方法および製造装置が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る木粉配合樹脂
成形体の製造装置の概略説明図である。
【図2】図2は図1におけるガス抜きシリンダの構造を
示す要部説明図である。
【図3】図3は図1における成形型と注型装置の構造を
示す説明図である。
【図4】図4は比較例1で用いた製造装置の概略説明図
である。
【図5】図5は比較例3で用いた製造装置の概略説明図
である。
【符号の説明】
1… 押出機 2… 注型装置 22… 切り替え弁 23… 成形型との接続部 3… 成形型 4… ホッパ 5… ガス抜きシリンダ 50… 空洞 51、52… 脱気管 511、512… 上方脱気口 521、522… 下方脱気口 53… フィルター 54… 窓 6… 移送部 7… 混練部 71… 第一混練部 72… 第二混練部 8… 計量部 85… オープンベント 86、87、88… 真空引きベント

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂および木粉を移送工程に供
    給する供給工程と、前記供給された熱可塑性樹脂および
    木粉を気体成分および水分を除去しながら移送する移送
    工程と、加熱により熱可塑性樹脂を溶融し、移送された
    熱可塑性樹脂および木粉を混練して溶融組成物を調製す
    る混練工程と、前記溶融組成物から揮発成分を除去しつ
    つ溶融組成物を計量する計量工程と、前記計量された溶
    融組成物を成形型へ注型して成形体を成形する成形工程
    とを有する木粉配合樹脂成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 押出機と注型装置と成形型とからなる木
    粉配合樹脂成形体の製造装置であって、前記押出機が、
    熱可塑性樹脂と木粉とを供給するためのホッパと、前記
    ホッパの下流に設けられたガス抜きシリンダを有する移
    送部と、前記ガス抜きシリンダの下流に設けられた混練
    部と、前記混練部の下流に設けられたベント付き計量部
    とを有するものであることを特徴とする木粉配合樹脂成
    形体の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101012829B1 (ko) * 2010-09-24 2011-02-08 최희선 합성 목재의 제조용 조성물 및 이를 이용한 합성 목재의 제조방법
JP2013210671A (ja) * 2006-07-25 2013-10-10 Yamaha Corp 鍵盤楽器の黒鍵
EP3693150A1 (de) * 2019-02-06 2020-08-12 Extricom Extrusion GmbH Seitendosierer mit getrennten druckbereichen zur entgasung

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