JP2003080554A - 多部品成型を容易にするインサート及び成型方法 - Google Patents

多部品成型を容易にするインサート及び成型方法

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JP2003080554A
JP2003080554A JP2002193605A JP2002193605A JP2003080554A JP 2003080554 A JP2003080554 A JP 2003080554A JP 2002193605 A JP2002193605 A JP 2002193605A JP 2002193605 A JP2002193605 A JP 2002193605A JP 2003080554 A JP2003080554 A JP 2003080554A
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Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】ハンドルの多部品成形を容易にするインサート
および該インサートを使用するハンドルの成形方法を提
供する。 【解決手段】携帯型又は手動型の対象物用若しくは電化
製品用のハンドル2であって、硬質材料からなる主部4
と、該主部4上に嵌合することができ、その上に閉形状
の少なくとも１つの要素を含む雄型又は形状（例えば、
「HO」という単語）を有する分離式成型用インサート14
とを備える。該インサート14は、それに、又は主部4と
共に、閉形状の前記要素の内部と連通し、ハンドル2に
重複成型されたエラストマーの如き軟質プラスチック材
料が流れることができる孔を規定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア上に第２の又
はそれ以上の部品が成型されるハンドルの多部品成型を
容易にするインサートの使用、そのようなインサートを
有するハンドル、及びそのようなインサートを使用する
成型方法に関する。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】多様
な対象物のためのハンドルは、その加工の容易さ、軽
さ、強度、剛性、及びコストの観点から選択されたプラ
スチック材料から形成される。
【０００３】近年、１つ以上の成型工程でハンドルを成
型することが一般に普及してきている。例えば、第２の
又はそれ以上の成型材料は、装飾的な理由から対照的な
色を有したプラスチック材料、又はその異なる特性のた
めに選択された異なるプラスチック材料からなってい
る。このような場合には、第１のプラスチック材料は、
ベース、又は第２若しくはそれ以上の材料をその上に有
するコア、又は第２若しくはそれ以上の材料で覆われた
コアに成型される。
【０００４】一例としては、近年、所謂「ソフト・グリ
ップ」と呼ばれる軟質プラスチック材料の領域又は被覆
を有したハンドルの提供が普及している。エラストマー
は、ユーザによるハンドルのしっかりしたグリップ性を
補助する高弾性を提供するので、この目的に対しては特
に効果的である。概して、ハンドルの主部は、第２の成
型工程で該主部上に成型されるエラストマーを有して、
要求の剛性を提供するようになっている。エラストマー
は、前記主部のプラスチックと高コントラストな色のも
のから形成され、これにより、ソフト・グリップが設け
られていることがユーザに容易にわかり、ハンドルが、
人目を引いて魅力的な外観をもつようになっている。
【０００５】また、重複成型（overmould）用プラスチ
ックを成型するのが望ましいことがしばしばある。これ
により、重複成型用プラスチック又は基礎用プラスチッ
クの何れかが、コントラストの大きい色からなり、例え
ば、ブランド名，ロゴ，又はその他の装飾的なデバイス
の如き単語を形成するようになされてある。しかしなが
ら、これは、金型の設計、及び／又はベース若しくはコ
アの形状における困難をもたらす。文字「O」の如く閉
形状を有する形状又はアルファベットの文字を形成しよ
うとする場合には、特定の困難が存在する。基礎用プラ
スチックで形成された文字をもち、第２の重複成型用プ
ラスチックで「O」の中央をもつことが望まれるのであ
れば、「O」の中央に前記第２の材料を得ることが困難
になることに直面する。１つのアプローチは、成型用チ
ャネルが「O」の中央に向くように金型を製作すること
である。これは、単純な形状に対しては容認できるが、
複雑なパターンの成型に対しては、金型の製造が不当に
複雑化したり、高価になったりするので、困難又は不可
能となる。或る製品について一般的に使用されるアプロ
ーチは、その反対側へ「O」の背後で製品をくり抜き、
第２のプラスチックが適用される別の表面領域と連通す
る内部チャネルを設けることである。例えば、歯ブラシ
のハンドルにおいては、より硬質なコア上に成型された
軟質プラスチック製のソフト・グリップを有するハンド
ルを大部分とし、該ハンドルの下部に、コアのプラスチ
ックから形成され、軟質プラスチックとは色が対照的な
ブランド名を含むことが望ましい。ハンドルには、ブラ
ンド名が横たわった、該ハンドルの反対側へと延びるキ
ャビティが形成されており、これにより、軟質プラスチ
ックの成型の際に、該軟質プラスチックがそこの全ての
開口に入る。しかしながら、このアプローチは、適切な
くり抜き領域を設けさせる等、製品デザインを制約す
る。これ自体は、主となるコアの成型における更なる複
雑さのきっかけとなる。
【０００６】本発明は、上記欠点を解消すべくなされた
ものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の第１の観点によ
れば、プラスチック材料が重複成型されるハンドルの主
部へ取り付けられ、成型を容易にするインサートが提供
される。該インサートは、閉形状の少なくとも１つの要
素であるパターン又は形状を規定し、該要素の内部と連
通し、該インサートに亘って延びる孔を規定する。
【０００８】このようなインサートの使用は、対照的な
色又は特性を有するプラスチック材料のパターンの成型
を許容し、これは、金型の複雑なキャビティの形状又は
内部の孔を主部に形成する必要なしに、複雑なパターン
又は単語を含ませることが可能である。
【０００９】上記インサートは、例えば、主部上へのイ
ンサートの正しい位置決めを容易にし、ハンドルの主部
上の凹所と協働するラグである位置決め手段を備えるこ
とが可能である。
【００１０】本発明の更なる観点においては、携帯型又
は手動型の対象物用若しくは電化製品用のハンドルが提
供される。該ハンドルは、硬質材料製の主部と、該主部
上に嵌合することができ、閉形状の少なくとも１つの要
素を含む隆起パターン又は形状をその上に有する分離式
成型用インサートとを備えている。該インサートは、閉
形状の前記要素の内部と連通する一又は複数の孔を、前
記インサートに規定する。
【００１１】上記インサートは、幅と厚さとを有し、該
幅は厚さよりも大きい。上記孔は、インサートの対向面
間を厚さ方向に延び、前記主部に接続されるインサート
の下面には、前記孔と連通し、インサートに亘って横方
向に延びるチャネルが設けられている。
【００１２】上記インサートは、隆起パターン又は形状
が形成された上面と、該インサートが前記主部上に嵌合
される下面と、閉形状の前記要素の内部から、前記イン
サートの下面に亘って横方向に設けられたチャネルと結
合する反対側の下面へと延びる孔とを有している。
【００１３】また、本発明は、上で規定したように、エ
ラストマーの如き軟質材料であり得るプラスチック材料
の層が、そこに嵌合するインサートを有する上記主部上
に、且つ前記隆起パターンを除くインサート上に、成型
されたハンドルにも及んでいる。これにより、プラスチ
ック材料は、閉形状の前記要素の内部へ、前記一又は複
数の孔を通じて延びている。
【００１４】本発明の更なる観点は、プラスチック材料
の層を主部上に重複成型する方法にも及んでいる。ここ
で、前記主部は、閉形状の少なくとも１つの要素を有す
るパターン又は形状をもっている。上記方法は、以下の
ステップを有している。（ａ）主部と、その上に隆起し
て配置されたパターン又は形状を有する分離式インサー
トとを設けるステップ。ここで、該インサートは、それ
に又は主部と共に、閉形状の前記要素の内部と連通する
一又は複数の孔を規定している。（ｂ）インサートを主
部に嵌合するステップ。（ｃ）主部を、嵌合されたイン
サートと共に金型のキャビティ内に配置し、その上に、
前記一又は複数の孔を通じて閉形状の前記要素の内部へ
流れるプラスチック材料を成型するステップ。
【００１５】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、以下の如
き図面を参照しながら、例示だけのために記述される。
【００１６】図面を参照して、本発明は、国内における
携帯型器具用のハンドルの構成で例示される。図１は、
ハンドル2を示し、該ハンドル2は、例えば台所器具用の
ツール部分を受け入れるべく構成された端部領域6を有
する長尺の主部4と、該ツール部分を受け入れるべく設
けられた十字形の開口8とを備えている。ハンドル2の反
対側の端部10には、吊るす目的で開口12が設けられてい
る。ここでは、台所器具用のハンドル2が示されている
が、該ハンドル2は、様々な用途に利用され得る。例え
ば、ハンドル2は、手持工具用，機械工具用，家庭電化
製品用，ブラシ製品用，歯ブラシ用，園芸用，及び器具
用等のハンドルとして、広範囲の目的に利用される。
【００１７】上記主部4は、その材料の要求がハンドル2
の意図した目的に対して十分な剛性を有する様々な材料
から形成されることが可能である。多くの適用分野にお
いては、主部4は、合成樹脂材料から形成される。
【００１８】上記ハンドル2のユーザによるグリップ性
を向上させるために、軟質プラスチック材料の層が主部
4上に成型される。図示の実施の形態においては、主部4
の外部の大部分が軟質プラスチック材料で覆われるが、
端部6及び10は、露出してそのままとされる。このよう
にするために、主部4は、図２において破線で示す面を
規定するキャビティをもった金型内に配置される。これ
により、主部4は、重複成型用コアを構成し、軟質プラ
スチック材料がキャビティ内に注入される。軟質プラス
チック材料としては、エラストマーの如き様々な材料を
使用することが可能である。
【００１９】ブランド名，ロゴ，又はその他の装飾的な
パターンの如き文字であり得るパターンを形成するため
に、該パターンは、隆起パターンの形態で分離式インサ
ート14上に設けられる。図においては、「HO」の文字が
インサート14の表面から隆起して形成されている。イン
サート14は、同様に、様々な材料から形成されるが、典
型的には合成樹脂材料から成型される。主部4には、イ
ンサート14を受け入れる平坦な領域16が形成されてい
る。これにより、インサート14が図２に示す如く主部4
上に嵌合されるときに、連続した外表面が形成され、そ
こから隆起した「HO」の文字が延びているようになって
いる。
【００２０】図３，図４，及び図５においてより判るよ
うに、上記インサート14には、チャネル18が形成されて
おり、該チャネル18は、インサート14の下側に延設さ
れ、「O」の文字の中央内部の中央孔20まで延びてい
る。位置決め手段は、主部4上におけるインサート14の
正確な位置決めを容易にすべく、主部4の対応する開口2
2内に嵌合されるペグ又はラグ21の形態でインサート14
上に設けられる。これに代えて、ラグ21及び開口22の配
置を反対にしてもよい。インサート14を位置決め及び／
又は固定するその他の様々な手段として、留め具，ね
じ，びょう，接着剤，又はその他の固定具を利用するこ
とができる。しかしながら、多くの適用範囲において
は、位置決め用のラグ21及び開口22は、軟質プラスチッ
ク材料の被覆がインサート14を主部4上に適切に保持す
るもので十分である。
【００２１】一旦、インサート14が主部4上に嵌合され
ると、その組み合わせたものが、図２において破線で示
した面を規定するキャビティを有する金型内に配置され
る。インサート14が主部4上に嵌合された場合、上記チ
ャネル18は、主部4と共に、軟質プラスチック材料が流
れることができる孔20を規定する。この軟質プラスチッ
ク材料は、高い温度でキャビティ内に注入され、孔20を
通じて「O」の文字の内部へ流れる。
【００２２】このようなインサート14の使用により、閉
形状の領域を有する対照的なプラスチックのパターンが
容易に提供される。例えば、インサート14を或る色と
し、主部4を第２の色、重複成型用プラスチックを第３
の色とすることも可能である。更なる優位性としては、
異なるインサートの利用により、全く同一形状の主部4
上に異なる様々なパターンを成型することができること
にある。
【００２３】上述の如くチャネル18を採用したインサー
ト14の構造は、該インサート14と主部4との間に注入さ
れた重複成型用エラストマーによって発生される圧力に
より、「O」の文字の上面をキャビティ面に対して強固
に押し付け、「O」の文字の内部における清浄且つ正確
な充填をもたらす。これにより、これらの間の効果的な
シールが形成され、これらの間からの重複成型用エラス
トマーの漏れ出しが防止される。
【００２４】上記インサート14は、参照符号24で示す如
き追加のチャネルを有することもできる。例えば、これ
らのチャネルは、インサート14の長手方向に沿った適宜
の間隔で、単語の各文字に対応する位置に配置されるこ
とが可能であり、これにより、製造者は、異なるパター
ン又は単語を形成する場合に、インサート14の上面（外
面）とそれに導く内部の孔とを形成する面を変更するだ
けでよい。
【００２５】従って、チャネル24は、「H」の文字を形
成するためには不要であるが、代わりに、製造者が「D
O」という単語を成型したい場合には必要となる。この
とき、インサート14の下側を形成する金型に対する変更
は不要である。
【００２６】本発明は、軟質エラストマーをより硬質の
コア上に重複成型することに関連して記述されたが、任
意のプラスチック材料をコア上に重複成型することに対
して等しく適用することが可能である。ここで、複雑な
パターンは、前述の如く対照的な材料及び／又はその色
と色との間に成形される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態に係るインサート付きの
ハンドルの図である。
【図２】 インサートが嵌合された上記ハンドルの図で
ある。
【図３】 上記ハンドルの図１の線A-Aに沿った縦断面
図である。
【図４】 上記インサートの上からの拡大図である。
【図５】 上記インサートの下からの拡大図である。
【符号の説明】
2 ハンドル 4 主部 6 端部 8 開口 10 端部 12 開口 14 インサート 16 平坦な領域 18 チャネル 20 中央孔 21 ラグ 22 開口 24 チャネル
フロントページの続き Ｆターム(参考） 4F206 AA45 AD05 AD07 AD24 AD36 AH81 JA07 JB12 JB20 JF05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 プラスチック材料が重複成型されるハン
    ドルの主部へ取り付けられ、成型を容易にするインサー
    トであって、 閉形状の少なくとも１つの要素であるパターン又は形状
    を規定し、該要素の内部と連通する孔を、その内部を通
    じて規定することを特徴とするインサート。
  2. 【請求項２】 幅と厚さとを有し、該幅は、前記厚さよ
    りも大きく、前記孔は、対向面間を厚さ方向に延びてい
    ることを特徴とする請求項１記載のインサート。
  3. 【請求項３】 前記ハンドルの主部に結合されるその下
    面には、チャネルが設けられ、該チャネルは、横方向に
    延び、前記孔と連通していることを特徴とする請求項２
    記載のインサート。
  4. 【請求項４】 前記ハンドルの主部上に正確に位置決め
    する位置決め手段が設けられていることを特徴とする請
    求項１乃至３の何れかに記載のインサート。
  5. 【請求項５】 前記位置決め手段は、前記ハンドルの主
    部の対応する開口と協働する一又は複数のラグを備える
    ことを特徴とする請求項４記載のインサート。
  6. 【請求項６】 成型された単語が形成されていることを
    特徴とする請求項１乃至５の何れかに記載のインサー
    ト。
  7. 【請求項７】 携帯型又は手動型の対象物用若しくは電
    化製品用のハンドルであって、 硬質材料の主部と、該主部上に嵌合することができ、閉
    形状の少なくとも１つの要素を含むパターン又は形状を
    その上に規定する分離式成型用インサートとを備え、 該インサートは、閉形状の前記要素の内部と連通する一
    又は複数の孔を、前記インサートに、又は前記主部と共
    に規定することを特徴とするハンドル。
  8. 【請求項８】 前記インサートは、その面から隆起した
    パターン又は形状が形成された上面と、該インサートが
    前記主部上に嵌合される下面と、閉形状の前記要素の内
    部から、前記インサートの下面に亘って横方向に設けら
    れたチャネルと繋がる反対側の下面へと延びる孔とを有
    することを特徴とする請求項７記載のハンドル。
  9. 【請求項９】 そこに嵌合した前記インサートを有する
    前記主部上に、且つ前記隆起したパターンを除く前記イ
    ンサート上に成型されたプラスチック材料の層を更に備
    え、それによって、該プラスチック材料は、前記一又は
    複数の孔を通じて閉形状の前記要素の内部へ延びている
    ことを特徴とする請求項８記載のハンドル。
  10. 【請求項１０】 閉形状の少なくとも１つの要素を有す
    るパターン又は形状をもつ主部上にプラスチック材料の
    層を重複成型する方法であって、 （ａ）前記主部と、その上に隆起して配置されたパター
    ン又は形状を有する分離式インサートとを設け、該イン
    サートは、それに又は前記主部と共に、閉形状の前記要
    素の内部と連通する一又は複数の孔を規定するステップ
    と、 （ｂ）前記インサートを前記主部に嵌合するステップ
    と、 （ｃ）嵌合された前記インサートと共に前記主部を金型
    のキャビティ内に配置し、その上に、前記一又は複数の
    孔を通じて閉形状の前記要素の内部へ流れるプラスチッ
    ク材料を成型するステップとを有することを特徴とする
    方法。
  11. 【請求項１１】 前記重複成型用プラスチックは、エラ
    ストマーであることを特徴とする請求項１０記載の方
    法。
  12. 【請求項１２】 前記主部及びインサートは、位置決め
    ラグとこれに対応する開口との形態をもつ位置決め手段
    を備え、上記ステップ（ｂ）は、前記ラグを前記対応す
    る開口に嵌合することを含むことを特徴とする請求項１
    ０又は１１記載の方法。
JP2002193605A 2001-07-03 2002-07-02 多部品成型を容易にするインサート及び成型方法 Withdrawn JP2003080554A (ja)

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