JP2003080327A - ガイドポスト、ガイドブッシュ及びそれを用いたダイセット - Google Patents

ガイドポスト、ガイドブッシュ及びそれを用いたダイセット

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JP2003080327A
JP2003080327A JP2002008700A JP2002008700A JP2003080327A JP 2003080327 A JP2003080327 A JP 2003080327A JP 2002008700 A JP2002008700 A JP 2002008700A JP 2002008700 A JP2002008700 A JP 2002008700A JP 2003080327 A JP2003080327 A JP 2003080327A
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guide bush
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Tomio Okino
富男 興野
Yasuhiro Takahashi
康宏 高橋
Masayuki Rokusha
政之 六車
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MIYAGI KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 互いに嵌め合わせて摺動する剛性のあるガイ
ドポストと剛性のあるガイドブッシュであって、それぞ
れの嵌め合わせ面に嵌め合いクリアランスを持った摺動
部を有するガイドポストとガイドブッシュとにおいて、
ガイドブッシュの軸芯がガイドポストの軸芯に対して少
し傾いていても、ガイドブッシュをガイドポストに外嵌
することが容易にできる構造とする。 【解決手段】 ガイドポスト3とガイドブッシュ6のう
ちの一方は、その嵌め合わせ面に、嵌め合わせ先端近く
に相手に対して嵌め合いクリアランスよりもやや大きな
隙間を持った先端部があり、嵌め合いクリアランスを持
った摺動部と先端部との間に全周に亘って逃げ部が設け
られている。その先端部から摺動部までを所定の長さ以
上としたことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形、打ち抜き加工
などに用いる金型を成形機に取り付けるためのダイセッ
トに関し、特にダイセットに付けることのできるガイド
ポストとガイドブッシュとの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイセットのパンチホルダ、ダイホルダ
と呼ばれる2枚のプレートの間に金型が取り付けられて
いて、一方の金型が一方のプレートに固定されており、
他方の金型が他方のプレートに固定されている。金型を
開閉するにはパンチホルダとダイホルダ間を開閉する。
パンチホルダとダイホルダ間を開閉するときにそれらが
平面上で相対的に前後左右に位置がずれると金型にもず
れが生じる。それらの位置がずれないように、片方のプ
レートにガイドポストを複数本たてておいて、他方のプ
レートの対応する位置に設けたガイドブッシュがガイド
ポストに外嵌されて摺動するようになっている。
【0003】ガイドブッシュはガイドポストに外嵌され
て摺動するので、ガイドブッシュの孔はガイドポスト外
径よりも少し大きくはなっているが、ダイセットの位置
ずれを防ぐために、それらの径の差すなわちクリアラン
スはきわめて小さなものとなっている。例えば、呼び径
31.2mmのガイドポストの外径を31.2mm+0
/−0.002とすると、ガイドブッシュの孔径は3
1.2mm+0.005/+0.008というようにそ
の径の差は1/100〜5/1000mmとなってい
る。
【0004】ガイドポストにガイドブッシュを外嵌する
際に、ガイドブッシュが少し傾くとブッシュを嵌めるこ
とができない。図7にガイドポストにガイドブッシュを
嵌め合わす様子を一部断面にした側面図で示している
が、図7(a)のようにガイドブッシュ6をガイドポス
ト5に対向させてその後図7(b)のようにそれらの軸
芯が一致するように外嵌すればよいが、図7(c)のよ
うに少し軸芯が傾いていると、ガイドブッシュ孔の先端
がガイドポストの外周に引っかかってそれ以上嵌めるこ
とができないようになる。無理に嵌めようとするとガイ
ドブッシュ孔先端がガイドポストの外周面にカジリを生
じて傷を付けると言うことがあった。
【0005】特に大きな金型に用いるダイセットでは、
ダイホルダの4隅にガイドポストが設けられており、相
手パンチホルダの4隅の対応する位置にガイドブッシュ
が設けられている。これらプレートを組み合わせるとき
には、4本のガイドポストが対応するガイドブッシュに
同時に嵌合されなければならないが、一方のプレートが
少しでも相手に対して傾いているとダイセットを組み立
てることができないと言うことがあった。そのために、
ダイセットの組立は非常に熟練の要る仕事であった。
【0006】そこで、容易に組み合わせることを目的に
した構造を持ったガイドポストとガイドブッシュとにつ
いて、例えば特開昭58−58942号公報に提案があ
る。それによれば、ガイドポスト先端に、合成樹脂製で
ガイドポスト本体と同径の球体でなるガイド体を、その
中心をガイドポスト本体の軸芯に合致させて固定したガ
イドポストを提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】その提案によるガイド
ポストは先端部が球体なので先端部分をガイドブッシュ
に挿入することは容易なものであると考えられる。しか
し、ガイドポスト先端部がガイドブッシュ内に挿入され
ても、ガイドポスト本体をガイドブッシュに挿入する際
に、球体が合成樹脂製で可とう性があるために変形し
て、ガイドポスト本体が斜めになりやすく、本体の挿入
が困難となり、本体とブッシュ間にカジリが生じること
があった。
【0008】更に、金型やダイセットに用いられている
ガイドポストとガイドブッシュは通常炭素工具鋼で作ら
れており焼き入れて硬さをHRCで50以上にしてい
る。上の提案のように合成樹脂製球を用いると、固いガ
イドブッシュ先端との接触によって球に傷が付き、ある
いはブッシュ内面との接触によって摩耗が起こるので、
耐久性に劣っている。などの欠点があるものと考えられ
る。
【0009】そこで本発明は上述の欠点をなくしたもの
で、ガイドブッシュがガイドポストの軸芯に対して少し
傾いていても、その傾きを修正することができて、ガイ
ドポストの外周に沿って容易に嵌め合わすことのできる
剛性のあるガイドポスト、剛性のあるガイドブッシュ及
びそれを持ったダイセットを提供することを目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のガイドポスト
は、剛性のあるガイドブッシュと嵌め合わせて摺動する
剛性のあるガイドポストであって、その嵌め合わせ面に
嵌め合いクリアランスを持った摺動部を有するものにお
いて、その嵌め合わせ面に、嵌め合わせ先端近くに前記
ガイドブッシュに対して嵌め合いクリアランスよりもや
や大きな隙間を持った先端部があり、嵌め合いクリアラ
ンスを持った前記摺動部と前記先端部との間に全周に亘
って逃げ部が設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0011】また、本発明のガイドブッシュは、剛性の
あるガイドポストと嵌め合わせて摺動する剛性のあるガ
イドブッシュであって、その嵌め合わせ面に嵌め合いク
リアランスを持った摺動部を有するものにおいて、その
嵌め合わせ面に、嵌め合わせ先端近くに前記ガイドポス
トに対して嵌め合いクリアランスよりもやや大きな隙間
を持った先端部があり、嵌め合いクリアランスを持った
前記摺動部と前記先端部との間に全周に亘って逃げ部が
設けられていることを特徴とするものである。
【0012】ここで、その先端部から摺動部までを所定
の長さ以上とすることが好ましい。しかしあまり長いと
逃げ部を持ったガイドポストあるいはガイドブッシュの
全長が長くなって、組合せがやりにくいので、先端部か
ら摺動部までをガイドポスト直径以内の距離とすること
が良く、更に好ましくはガイドポスト直径の1/3〜1
/2以下である。
【0013】逃げ部は、最大深さがガイドポスト半径の
1〜20%とするのがよい。またこの逃げ部は摺動部に
近づくに従い徐々に径が摺動部の径に近づいているのが
好ましいものである。
【0014】先端部は軸芯を含む断面において部分円に
なっていて、ガイドポストにあってはその先端部の最大
外径が、ガイドブッシュにあってはその先端部の最小内
径が、相手に対して嵌め合いクリアランスよりやや大き
な間隙を持っていることが好ましい。相手に対して隙間
が大きすぎるとガイドポストとガイドブッシュとの嵌合
が難しくなるので、片側0.03〜0.05くらいの隙間とする
のがよい。
【0015】本発明のダイセットは、その一方のプレー
ト(ダイホルダ)の対向面に複数本のガイドポストを有
し、他方のプレート(パンチホルダ)の対向面に前記ガ
イドポストそれぞれに外嵌することのできるガイドブッ
シュを有するものにおいて、ガイドポストとガイドブッ
シュは、それぞれの嵌め合わせ面に嵌め合いクリアラン
スを持った摺動部を持っており、それらガイドポストと
ガイドブッシュのうちの一方は、その嵌め合わせ面に、
嵌め合わせ先端近くに相手に対して嵌め合いクリアラン
スよりもやや大きな隙間を持った先端部があり、嵌め合
いクリアランスを持った摺動部と先端部との間に全周に
亘って逃げ部が設けられていることを特徴とするもので
ある。
【0016】上で述べたガイドポストとガイドブッシュ
とについて述べた特徴をダイセットに関しても有するこ
とができる。
【0017】本発明のガイドポストとガイドブッシュと
は、ダイセット以外の、ストリッパー用のガイドブッシ
ュとガイドポストとの組合せにも適用することができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら本発明を
詳しく説明する。図1は本発明を適用したダイセットの
主要部を断面で示すものであり、図2は本発明の一実施
例によるガイドポストの側面図、図3は図2に示したガ
イドポストにガイドブッシュを嵌め合わす様子を説明す
る一部断面で示す側面図、図4は本発明の他の実施例に
よるガイドポストの側面図、図5は本発明の更に他の実
施例によるガイドポストとガイドブッシュ及びそれを嵌
め合わす様子を一部断面で示す側面図、図6はガイドポ
ストとガイドブッシュとを嵌め合わす場合の回転モーメ
ントを説明するための図、そして図7は従来のガイドポ
ストにガイドブッシュを嵌め合わす様子を説明する一部
断面で示す側面図である。
【0019】図1で11,12はそれぞれダイセットの
パンチホルダ、ダイホルダと呼ばれるプレートであっ
て、成形などに用いられる金型はパンチホルダとダイホ
ルダの間に取り付けられる。金型の固定型がダイホルダ
(プレート)12の対向面に固定されていて、可動型が
パンチホルダ(プレート)11の対向面に固定されてい
るので、パンチホルダをダイホルダに対して往復動させ
ることによって、金型の開閉が行われる。ダイセットの
ダイホルダ12に開けられた孔に炭素工具鋼からなる剛
性のあるガイドポスト3が上向きに固定されている。ま
たパンチホルダ11に開けられた孔には炭素工具鋼から
なる剛性のあるガイドブッシュ6が固定されていて、ガ
イドブッシュ6はガイドポスト3の外周と嵌め合わすこ
とができるだけのクリアランスを持っている。例えば呼
び径31.2mmとすると、ガイドポストは+0/−
0.002だけ直径を小さくしていて、ブッシュ孔は+
0.005/+0.008だけ直径を大きくしていて、
非常に小さなクリアランスを持って嵌め合わすことがで
きるようになっている。
【0020】このガイドポスト3の拡大側面図は図2に
示しているように、その先端部31は嵌め合いクリアラ
ンスよりもやや大きい隙間を持ったものとなっていて、
そのすぐ下に全周に亘って逃げ部32を設けている。こ
の先端部31は軸芯を含む断面において部分円となって
いて、その最大外径がガイドブッシュ6の内径に対して
嵌め合いクリアランスよりやや大きい隙間を持ち、その
隙間は片側0.03〜0.05くらいとなっていることが好まし
い。この逃げ部32は最大深さをガイドポスト半径の1
〜20%としておくことが好ましい。逃げ部32の深さ
があまりにも浅い場合には、ガイドブッシュ6が少し斜
めになったときに、その孔の先端が逃げ部32の底に接
触するので、それが接触しないように半径の1%程度の
深さが必要である。逃げ部の深さがあまりにも深いとそ
の部分の強度が弱くなるので、あまり深くすることは好
ましくない。
【0021】ガイドポスト3で逃げ部32の下には嵌め
合いクリアランスを持っている径の太いところすなわち
摺動部34があって、ダイセットを駆動させたときは、
ガイドブッシュ6がガイドポスト3のこの部分を摺動す
ることになる。この摺動部34ができるだけ長い方がよ
いので、逃げ部32の終わったところからは摺動部とな
っている。しかし、逃げ部の終端までの距離すなわち先
端部から摺動部までの距離が所定長さ以上あれば、ガイ
ドブッシュ6を容易にガイドポスト3に外嵌することが
できる。好ましくはガイドポスト直径以内、更に好まし
くはガイドポスト直径の1/3〜1/2以下である。ま
たこの逃げ部32は下に向かってすなわち摺動部34に
近づくにつれて徐々に径が太くなっているとガイドブッ
シュ6を外嵌する上で都合がよい。
【0022】図3を参照しながら、ガイドブッシュ6が
ガイドポスト3に嵌まっていく様子を説明する。図3
(a)はガイドブッシュ6がガイドポスト3に対向して
いるがまだ嵌まっていない状態である。ガイドブッシュ
6をガイドポスト3に外嵌しようとしたときに、ガイド
ブッシュ6がガイドポスト3の軸芯に対して少し傾いた
状態を図3(b)に示している。このようにガイドブッ
シュ6の軸が傾いた場合ガイドブッシュの孔の先端がガ
イドポスト3の逃げ部32に位置するので、図3(c)
にあるように、ガイドブッシュがガイドポストの外周に
引っかからない。そのために更にガイドブッシュをガイ
ドポストに押し込んでいくと、図3(d)のようにガイ
ドブッシュ孔の先端がガイドポストの径の太いところに
乗り上げていって、図3(e)のようにガイドブッシュ
の軸芯とガイドポストの軸芯とが一致してくる。それを
更に押し込んでいくと、図3(f)にあるようにガイド
ブッシュがガイドポストの径の摺動部34に外嵌され
る。
【0023】このようにガイドポスト3は嵌め合いクリ
アランスよりやや大きい隙間を持った先端部31のすぐ
下に逃げ部32を設けているので、ガイドブッシュ6を
ガイドポスト3に容易に外嵌することができる。
【0024】図4に他の実施例によるガイドポスト4の
構造を側面図で示している。このガイドポスト4におい
ても、先端部41はガイドブッシュ孔に対して嵌め合い
クリアランスよりやや大きい隙間を持った径をしてお
り、そのすぐ下に全周に亘って径を細くした逃げ部42
を持っている。この逃げ部42の深さはガイドポストの
外径(約31.2mm)に対して約0.3mmとなった
もので、その幅を10〜15mmにしている。この場合
でもガイドブッシュをガイドポストに容易に外嵌するこ
とができる。
【0025】図5(a)は、更に他の実施例によるガイ
ドポストとガイドブッシュを一部断面で示す側面図であ
り、また図5(b)はそれらを嵌め合わせつつある状態
を示している。この図で、ガイドポスト5は一般に用い
られているものと同じである。ガイドブッシュ7には、
その嵌め合わせ面に、嵌め合わせ先端近くに嵌め合いク
リアランスよりやや大きい隙間を持った先端部71と、
嵌め合いクリアランスを持った摺動部74と、先端部と
摺動部との間に全周に亘って逃げ部72とが設けられて
いる。先端部71は軸芯を含む断面において部分円とな
っていて、その最小内径がガイドポストに対してクリア
ランスよりやや大きな隙間を持っていることが好まし
い。ガイドポスト先端とガイドブッシュ先端とを嵌め合
わすことの出来る程度の大きさでよいが、この隙間が大
きすぎるとガイドポストとガイドブッシュとの摺動面同
士の嵌め合わせが難しくなるので、ガイドポストとガイ
ドブッシュ先端との隙間は片側0.03〜0.05ていどとする
のがよい。
【0026】逃げ部72は最大深さをガイドポスト半径
の1〜20%としておくことが好ましい。
【0027】また、摺動部74と先端部71との間隔
(距離)を所定の長さ以上とすることが好ましい。
【0028】この実施例においても、ガイドポスト5と
ガイドブッシュ7とを容易に嵌め合わすことが出来る。
【0029】本発明によるガイドポストとガイドブッシ
ュとを嵌め合わすことが容易であることの理由は次のよ
うに考えられる。ガイドポストとガイドブッシュのよう
に剛性があってクリアランスの小さなものを容易に嵌め
合わせることが出来ないのは、図6の説明図にあるよう
に、プレートに取り付けたガイドブッシュ6をガイドポ
スト5に嵌め合わす際に偏荷重Pが掛かってガイドポス
ト5とガイドブッシュ6とが傾くためである。ガイドポ
スト5とガイドブッシュ6とが傾いてA点とB点で接触
した場合、ガイドブッシュ6を元に戻すためにはA点の
回りの回転モーメントが左回りとなって、次の式が満足
されなければならない。SμN+LN>hPここで、S
はガイドブッシュの内径(これはほぼガイドポスト外径
に一致する)、μは摩擦係数、Nは接触点A、Bに垂直
に働く力、LはA点とB点間の距離、hは偏荷重の働い
た位置までの距離である。
【0030】上下方向の力の釣り合いからP=2μNな
ので、上式はSμN+LN>2μNhとなる。この式か
ら、L>μ(2h−S)となる。
【0031】B点はほぼガイドブッシュ先端なので、ガ
イドポスト5がガイドブッシュ6に挿入された状態でそ
のガイドポスト先端の挿入深さがLということができ
る。その挿入深さが上式で示された値以上となれば、A
点の回りの回転モーメントが左回りとなってスムーズに
ガイドポストをガイドブッシュに挿入できることにな
る。すなわち、上式で示される深さまでガイドポストと
ガイドブッシュとをそれらの軸芯を一致させて平行に嵌
め合わすことができれば、それからはガイドポストとガ
イドブッシュとを容易に嵌め合わすことができるという
ことを意味している。上式で、偏荷重の働いた位置まで
の距離hは不定であるが、摩擦係数μは極めて小さい。
発明者等の実験によればガイドポスト直径の1/10以
上の深さまで、ガイドポストとガイドブッシュとを嵌め
合わすとそれ以上は容易に嵌め合わすことができること
が判明している。
【0032】本発明ではガイドポストあるいはガイドブ
ッシュの先端近くに嵌め合いクリアランスよりもやや大
きな隙間を持った先端部を持つことで、容易にその先端
を嵌め合わすことができるようにした上で、そこから所
定長さ以上の距離を持ったところに摺動部を有するよう
になっているので、ガイドポストに逃げ部を設けた場合
は図6で言えばA点がガイドポスト先端部であって、B
点がガイドポスト摺動部に相当している。そのために挿
入深さが上式で要求される値よりも大きなものとなるの
で、カジリを生じないで容易に嵌め合わすことができる
ものと考えられる。
【0033】なお、上の説明において、ガイドポストあ
るいはガイドブッシュの先端部がその軸芯を含む断面に
おいて部分円になるとして説明したが、若干の平坦部が
あっても、ガイドポストとガイドブッシュとの先端部同
士を挿入嵌合して摺動部まで嵌め合わすことができる程
度の自由度があればよい。
【0034】以上の説明において、本発明のガイドポス
トとガイドブッシュをダイセットとの関係で説明した。
本発明のガイドポストとガイドブッシュは、ダイセット
と組み合わせて用いられる金型、特にダイセットに取り
付けられてダイセットとともに動く金型(ダイ)と、そ
のダイに対して動くストリッパーとの間に位置を保つた
めに用いることができる。ストリッパーとダイとの間に
用いられるガイドポストとガイドブッシュは、ダイセッ
ト間で用いられるものと本質的に変わらないので、説明
は省略する。
【0035】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明のよ
うに先端部のすぐ下に小さな逃げ部を持ったガイドポス
トあるいはガイドブッシュではガイドブッシュを容易に
ガイドポストに外嵌することができるので、ダイセット
あるいは金型を組み合わせるのが容易となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイセットの主要部を断面で示す図で
ある。
【図2】本発明の一実施例によるガイドポストの側面図
である。
【図3】図2に示したガイドポストにガイドブッシュを
嵌め合わす様子を説明するための一部断面で示す側面図
である。
【図4】本発明の他の実施例によるガイドポストの側面
図である。
【図5】本発明の更に他の実施例によるガイドポストと
ガイドブッシュ及びそれを嵌め合わす様子を一部断面で
示す側面図である。
【図6】ガイドポストとガイドブッシュとを嵌め合わす
場合の回転モーメントを説明するための一部断面で示す
側面図である。
【図7】従来のガイドポストにガイドブッシュを嵌め合
わす様子を説明するための一部断面で示す側面図であ
る。
【符号の説明】
11 ダイセットのパンチホルダ
(プレート) 12 ダイセットのダイホルダ(プ
レート) 3,4,5 ガイドポスト 31,41 先端部 32,42 逃げ部 34 摺動部 6、7 ガイドブッシュ 71 先端部 72 逃げ部 74 摺動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 六車 政之 神奈川県横浜市都筑区川和町647番地 株 式会社ミヤギ内 Fターム(参考) 4E050 EA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性のあるガイドブッシュと嵌め合わせ
    て摺動する剛性のあるガイドポストであって、その嵌め
    合わせ面に前記ガイドブッシュとの間に嵌め合いクリア
    ランスを持った摺動部を有するガイドポストにおいて、
    その嵌め合わせ面に、嵌め合わせ先端近くに前記ガイド
    ブッシュに対して嵌め合いクリアランスよりもやや大き
    な隙間を持った先端部があり、嵌め合いクリアランスを
    持った前記摺動部と前記先端部との間に全周に亘って逃
    げ部が設けられていることを特徴とするガイドポスト。
  2. 【請求項2】 前記先端部から前記摺動部までを所定の
    長さ以上としたことを特徴とする請求項1記載のガイド
    ポスト。
  3. 【請求項3】 前記逃げ部は最大深さがガイドポスト半
    径の1〜20%であって、前記先端部から前記摺動部ま
    でをガイドポスト直径以内の距離としたことを特徴とす
    る請求項1あるいは2記載のガイドポスト。
  4. 【請求項4】 前記逃げ部は摺動部に近づくに従い徐々
    に径が摺動部の径に近づいていることを特徴とする請求
    項1〜3いずれか記載のガイドポスト。
  5. 【請求項5】 剛性のあるガイドポストと嵌め合わせて
    摺動する剛性のあるガイドブッシュであって、その嵌め
    合わせ面に前記ガイドポストとの間に嵌め合いクリアラ
    ンスを持った摺動部を有するガイドブッシュにおいて、
    その嵌め合わせ面に、嵌め合わせ先端近くに前記ガイド
    ポストに対して嵌め合いクリアランスよりもやや大きな
    隙間を持った先端部があり、嵌め合いクリアランスを持
    った前記摺動部と前記先端部との間に全周に亘って逃げ
    部が設けられていることを特徴とするガイドブッシュ。
  6. 【請求項6】 前記先端部から前記摺動部までを所定の
    長さ以上としたことを特徴とする請求項5記載のガイド
    ブッシュ。
  7. 【請求項7】 前記逃げ部は最大深さがガイドポスト半
    径の1〜20%であって、前記先端部から前記摺動部ま
    でをガイドポスト直径以内の距離としたことを特徴とす
    る請求項5あるいは6記載のガイドブッシュ。
  8. 【請求項8】 前記逃げ部は摺動部に近づくに従い徐々
    に径が摺動部の径に近づいていることを特徴とする請求
    項5〜7いずれか記載のガイドブッシュ。
  9. 【請求項9】 一方のプレートの対向面に複数本のガイ
    ドポストを有し、他方のプレートの対向面に前記ガイド
    ポストそれぞれに外嵌することのできるガイドブッシュ
    を有するダイセットにおいて、前記ガイドポストと前記
    ガイドブッシュは、それぞれの嵌め合わせ面に嵌め合い
    クリアランスを持った摺動部を持っており、それらガイ
    ドポストとガイドブッシュのうちの一方は、その嵌め合
    わせ面に、嵌め合わせ先端近くに相手に対して嵌め合い
    クリアランスよりもやや大きな隙間を持った先端部があ
    り、嵌め合いクリアランスを持った前記摺動部と前記先
    端部との間に全周に亘って逃げ部が設けられていること
    を特徴とするダイセット。
  10. 【請求項10】 前記先端部から前記摺動部までを所定
    の長さ以上としたことを特徴とする請求項9記載のダイ
    セット。
  11. 【請求項11】 前記逃げ部は、最大深さがガイドポス
    ト半径の1〜20%であって、前記先端部から前記摺動
    部までをガイドポスト直径以内の距離としたことを特徴
    とする請求項9あるいは10記載のダイセット。
  12. 【請求項12】 前記逃げ部は摺動部に近づくに従い徐
    々に径が摺動部の径に近づいていることを特徴とする請
    求項9〜11いずれか記載のダイセット。
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