JP2003080304A - 圧延ロールのオンライン研削方法 - Google Patents
圧延ロールのオンライン研削方法Info
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Abstract
応するよう、被研削圧延ロールの表面粗度をコントロー
ルする圧延ロールのオンライン研削方法を提供するもの
である。 【解決手段】 圧延機内で回転している圧延ロールの表
面に回転砥石を接触させ、圧延ロールをオンライン研削
を行う方法において、圧延ロールの表面粗度を、該圧延
ロールで圧延される被圧延材の表面に形成される目標粗
度になるよう、前記回転砥石の周速を予め設定した圧延
ロールの表面粗度に応じて決定することする圧延ロール
のオンライン研削方法。
Description
グラインダーによるロール表面研削方法、特に圧延機か
ら圧延ロールを取外すことなくその外周面を研削する圧
延ロールのオンライン研削方法に関する。
すると、圧延鋼板の枚数が増えるに従って圧延ロール表
面が摩耗し、鋼板における板厚精度や平坦度を悪化させ
る結果となる。したがって、圧延ロール表面の摩耗が所
定の基準を超えるようになると、オフラインでロール研
削を行いロール表面を平滑にしたもの、または新品のロ
ールと交換(ロール組替え)して圧延を再開している。
ことなく、圧延機内でロールを所要のプロフィールに研
削するオンラインロール研削が行なわれている。オンラ
インでのロール研削は、圧延の進行に伴って増大するロ
ール表面の肌荒れ防止、表面粗度均一化等を図るため、
圧延機中に組込まれたままの状態で、逐次ロールを研削
することで生産性の向上と整備コストの低減を目的とし
ている。
れらを実施するための装置、方法について種々の発明・
考案が提案されている。例えば、実開昭58−2870
5号、実開昭58−28706号、特開平6−4765
4号、特開平1−249207号、特開平5−2371
5号等があり、オンラインでのロール研削においては、
研削時間の制約から高い研削性能を有する回転砥石が必
要となり、該機能を満足する回転砥石の開発が精力的に
行なわれている。
接触する回転砥石の周速を大きくする。すなわち、被研
削圧延ロールに接触する際の研削速度を速くする(単位
時間当たりの回転数を増す)ことで、研削抵抗が低減し
て大容量の研削が行なえることは既に知られている。例
えば特開平6−47654号公報に示されるような弾性
皿形砥石を有するオンラインロール研削装置の場合は、
1000〜1600m/minに回転させることで必要
とする研削能力を発揮せしめている。
回転させることで高研削性能が得られるがその反面、被
研削圧延ロールの表面粗度が大きくなると云われてい
た。また、圧延ロールで圧延される鋼板の表面には、圧
延ロール表面の粗度がそのまま転写されるため、鋼板表
面粗度は圧延ロール表面粗度に影響され、両者の表面粗
度には正の相関関係が存在する。
された後に主に水を用いて冷却するプロセスを経て製造
される場合が多い。鋼板の表面粗度が小さい場合、冷却
プロセスにおいて鋼板表面と冷却水との境界に安定した
蒸気膜が形成されやすく、蒸気膜による伝熱抵抗の増大
で鋼板の冷却速度が低下する。したがって、高い冷却速
度(10〜40℃/sec)が要求される鋼板、例えば
厚板の冷却においては、冷却能力の低下は解決すべき一
つの課題となっていた。
に適応するよう、被研削圧延ロールの表面粗度を対応さ
せることを目的とし、それに適合した圧延ロールのオン
ライン研削方法を提供するものである。
法における問題点を解決するためになされたものであっ
て、その要旨するところは、下記手段にある。 (1) 圧延機内で回転している圧延ロールの表面に回
転砥石を接触させ、圧延ロールをオンライン研削を行う
方法において、前記回転砥石の周速を予め設定した圧延
ロールの表面粗度に応じて決定する圧延ロールのオンラ
イン研削方法。 (2) (1)において、圧延ロールの表面粗度を、該
圧延ロールで圧延される被圧延材の表面に形成される予
め設定された目標粗度に応じて決定する圧延ロールのオ
ンライン研削方法。 (3) 前記圧延ロールのオンライン研削において、圧
延ロールを被圧延材の後端が抜けた後、次に、被圧延材
の先端が噛み込むまでの時間内に研削を行う(1)また
は(2)記載の圧延ロールのオンライン研削方法。
して、該圧延ロールの表面粗度を調整し、鋼板(特に厚
板)の冷却面からみて、要求される鋼板表面粗度を確実
に得ることができるようにしようとするものである。す
なわち、強冷却を必要とする鋼板を圧延する場合は、そ
のロール表面の粗度を大きくとり、それ程冷却を必要と
しない鋼板を圧延する場合は、前記粗度を小さくするも
のである。
係は前述したように、表面粗度が大きくなるに従い冷却
効果が向上することが知られている。したがって鋼板の
表面粗度を調整するために圧延ロールのオンラインロー
ル研削をいかに行なうかが、圧延鋼板の性質を左右する
重要な問題点であった。
粗度とその圧延ロールによって圧延された鋼板の表面粗
度には通常正の相関があり、したがって粗度の大きい圧
延ロールにより圧延された鋼板は大きな表面粗度を有す
ることになる。そこで本発明者らは、圧延ロールの表面
を所望の粗度とするためには、ロールの表面の研削に当
たって、回転砥石を如何に操作すればよいかについて、
圧延ロールの表面粗度と、回転砥石の回転数(周速)の
関係に基づいて検討を行ってみた。
延ロールの条件でオンライン研削を実施した。その結
果、図2に示す関係があることが判明した。図2の結果
の意味するところは、オンラインロール研削において圧
延ロール表面に大きな粗度を与えるためには、回転砥石
の回転数(周速)を低速化することによって達成でき、
また、逆に圧延ロール表面に細かな粗度を与えるために
は、回転砥石の回転数(周速)を高速化させればよいこ
とを示すものである。
削面を滑らかにするという考え方に立脚するもので、こ
のような観点からみると、オンラインロール研削によっ
て圧延ロール表面に粗度を与えるというのは従来とは逆
行した考え方といえる。さらに、従前では回転砥石の回
転数を低速にすると、ロール表面の粗度は小さくなると
考えられていた。したがって、本発明の考え方は従来と
は逆の考え方に基づくもので、これは本発明者らの多く
の実験結果から得ることができたものであり、その1例
を図1に示す。
か、またはロール周速が大きい場合の研削ロール表面の
凹凸状態を示したものであり、同様図1(b)は砥石周
速が大きいか、またはロール周速が小さい場合の研削ロ
ール表面の凹凸状態を示したものである。
さ当たりの通過砥粒数が少ないため大きな凹凸が残り易
いものと思われる。これとは逆に図1(b)において
は、ロール表面単位長さ当たりの通過砥粒数が多いため
表面の凹凸が除去され、粗度が小さくなるものと思われ
る。
粗度を大きくしようとするならば、砥石の回転速度を低
下させてやらなければならないことが判る。このような
知見に基づき本発明はこれをオンラインロールの研削に
適用したものである。
も本発明が目的とする技術とは異なるもので、オンライ
ンロール研削で研削された圧延ロールにより圧延された
鋼板(厚板)について、冷却面からみて、どのような研
削が必要であるかという視点からロールの周速を決定す
るという技術思想は全く開示されていない。
って提示されている技術は「鋼板を圧延しながら圧延ロ
ールの表面を研削するオンラインロールグラインダーに
よるロール表面研削方法において、鋼板の表面品質要求
レベルに応じて研削するか否かを決定すること。また、
鋼板を圧延しながら圧延ロールの表面を研削するオンラ
インロールグラインダーによるロール表面研削方法にお
いて、鋼板が圧延ロールに噛み込まれる時および圧延ロ
ールを抜け出る時には研削を中断すること」というもの
で、鋼板の表面品質の要求に応じてオンラインロール研
削を実施するか、否かの二者択一の技術でしかない。
たって十分な研削性能を維持しつつ、被研削圧延ロール
の表面を必要な粗度に研削できる研削方法を開発したも
のである。すなわち、例えば10〜40℃/secの高
い冷却速度が要求される鋼板の場合は、冷却開始から形
成される蒸気膜を早期に除去する必要がある。そのため
には粗面化された被研削圧延ロールを用いて鋼板を圧延
し、鋼板の表面粗度を大きくすることが必要である。鋼
板の表面粗度を大きくすると表面凸部が蒸気膜を突き破
り、蒸気膜が除去され冷却水と鋼板表面が直接接触し、
さらに、粗面化により表面積も増大しているため、高い
冷却速度を享受することができる。
ールを研削する際に、砥石の一つ一つの砥粒が被研削圧
延ロールの表面を深く、かつ疎く切削することでロール
表面の凹凸を大きくすることができる。したがって、回
転砥石の周速を低下するほど切削面積は大きくなり、被
研削圧延ロール表面を粗面化できる。同様に被研削圧延
ロール周速を大きくすることによって粗面化できるが、
圧延ロールの周速の調整幅は圧延機自体の条件により制
約されるため、表面粗度の制御手段としては用いること
は好ましくない。
設定した圧延ロールの表面粗度に応じ、すなわち、該圧
延ロールで圧延される鋼板の表面に形成される予め設定
された目標粗度に応じて決定するものである。オンライ
ンでのロール表面を研削するに当たっての作業は、でき
得る限り素早く処理することが求められる。これは鋼板
の圧延継続中にもロール表面を研削しなければならない
ので、圧延鋼板が当該ロール通過後、次に当該ロールが
鋼板をに噛込むまでの間に研削処理を終わらせる必要が
あるからである。
当たっての本発明方法の実施態様の1例について記す。
例えば、鋼板A,B,C,Dの順番で圧延することを想
定した場合、圧延鋼板Aの後端が当該ロールを通過した
時点から、次の鋼板Bの先端が当該ロールに噛込むまで
の間のアイドル時間(Ta)で、圧延ロール表面の研削
(表面平滑化)を行い、次いで鋼板Bの後端が当該ロー
ルを通過した時点から、次の鋼板Cの先端が当該ロール
に噛込むまでの間のアイドル時間(Tb)はロール研削
を休止し、さらに、圧延鋼板Cの後端が当該ロールを通
過した時点から、次の鋼板Dの先端が当該ロールに噛込
むまでの間のアイドル時間(Tc)で、圧延ロール表面
の研削を行ってもよく、また、全部の各アイドル時間T
a,Tb,Tcで行ってもよい。
が一般的である。さらに、鋼板A(またはB,C,D)
を圧延する際、鋼板の幅出し圧延から長さ出し圧延に移
行する際に、ターンをするが、このターンをしている時
間(20sec)を利用してロール研削することも可能
である。このように、圧延ロールのオンライン研削にお
いては、上記したように鋼板圧延が行われていない間の
適宜間隔(上記例、鋼板圧延1本置き)を置いて研削を
行うか、または、圧延ロールによる鋼板圧延が行われて
いない間の全ての期間において研削を行うかは、圧延ロ
ールの摩耗状況および要求される圧延ロールの表面粗度
に応じ、適宜選択実施することで対処することができ
る。
ラインロール研削装置の運転方案として、熱間圧延後の
冷却プロセスで高い冷却能力を必要とする鋼板を圧延す
る場合は、回転砥石を低速回転させることで鋼板の表面
粗度を大きくする研削を実施することで対応することが
可能となり、圧延ロールの研削において、最適な方策を
提供できるようになった。
実施例について以下に説明する。表2にロール研削での
条件と実施結果を示した。
10μm,先行鋼板の後端が抜け、後行鋼板の先端を噛
み込むまでのアイドル時間(研削予定時間)が30秒で
ロールの研削を行った場合の例であり、回転砥石の周速
を200mpmに調整した結果、アイドル時間内でほぼ
目標とした表面粗度のロールを得ることができた。
粗度が14μm,鋼板の幅出し圧延から長さ出し圧延に
移る際におけるターンしている間のアイドル時間(研削
予定時間)が20秒でロールの研削を行った場合の例で
あり、回転砥石の周速を100mpmに調整した結果、
ターンの予定時間内でほぼ目標とした表面粗度のロール
を得ることができた。これに対して比較例では回転砥石
の周速を適正に調整しなかったので、目標の表面粗度か
ら大幅に外れる結果となった。
オンラインでの圧延ロールの研削に当たって十分な研削
性能を維持しつつ、熱間圧延後の鋼板の冷却条件に適応
するよう被研削圧延ロールの表面粗度をコントロール
し、冷却能力を増大させることができ、その結果、圧延
ロール組替時間の短縮が図られ、効率的な作業を行うこ
とができる等、大きな効果が得られる。
ロール表面状態を比較して示した図。
関係を示す図。
Claims (3)
- 【請求項1】 圧延機内で回転している圧延ロールの表
面に回転砥石を接触させ、圧延ロールをオンライン研削
を行う方法において、前記回転砥石の周速を予め設定し
た圧延ロールの表面粗度に応じて決定することを特徴と
する圧延ロールのオンライン研削方法。 - 【請求項2】 請求項1において、圧延ロールの表面粗
度を、該圧延ロールで圧延される被圧延材の表面に形成
される予め設定された目標粗度に応じて決定することを
特徴とする圧延ロールのオンライン研削方法。 - 【請求項3】 前記圧延ロールのオンライン研削におい
て、圧延ロールを被圧延材の後端が抜けた後、次に、被
圧延材の先端が噛み込むまでの時間内に研削を行うこと
を特徴とする請求項1または2記載の圧延ロールのオン
ライン研削方法。
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