JP2003080150A - 同時重層用エクストルージョン型コータ及びそれを用いる塗布方法 - Google Patents

同時重層用エクストルージョン型コータ及びそれを用いる塗布方法

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JP2003080150A
JP2003080150A JP2001273378A JP2001273378A JP2003080150A JP 2003080150 A JP2003080150 A JP 2003080150A JP 2001273378 A JP2001273378 A JP 2001273378A JP 2001273378 A JP2001273378 A JP 2001273378A JP 2003080150 A JP2003080150 A JP 2003080150A
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coater
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liquid
extrusion type
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Kiyoshi Akagi
清 赤木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同時重層用エクストルージョン型コータを用
いて高粘度、高揮発性の有機溶剤系の塗布液を塗布する
際、リップ近傍における塗布液の乾燥・固化付着を防止
した同時重層用エクストルージョン型コータ及び塗布方
法の提供。 【解決手段】 バックロールにより塗布反対面が保持さ
れ、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支持体
へ、有機溶剤系塗布液を2層以上同時に塗布する同時重
層用エクストルージョン型コータにおいて、最上流側に
有機溶剤吐出用のスリットを有していることを特徴とす
る同時重層用エクストルージョン型コータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バックロールで塗
布反対面が保持され、連続搬送される帯状支持体へ有機
溶剤系の塗布液を塗布する同時重層用エクストルージョ
ン型コータ(以下、単にコータともいう)及びそれを用
いる塗布方法に関し、更に詳しくは、高粘度、高揮発性
の有機溶剤系の塗布液を塗布する際、コータの最上流側
のリップ部及び近傍部における塗布液の乾燥及び堆積を
防止し、安定に塗布することを可能とするコータ及びそ
れを用いる塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より連続走行する帯状支持体(以
下、支持体ともいう)に塗布液を塗布する方法として次
の二通りの塗布方法が知られている。一つは、あらかじ
め必要な塗布液膜形成量よりも余剰な塗布液を支持体上
に吐出させ、その後なんらかの掻き取り手段で余剰分を
取り除く後計量型塗布方式である、ブレード塗布法、エ
アーナイフ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビア塗布
法、リバース塗布法、リバースロール塗布法が知られて
いる。
【0003】他の一つは、必要な塗布液膜を形成する量
だけ塗布液を吐出させて支持体上に塗布液を塗布する前
計量型塗布方式である、エクストルージョン型コータを
用いたエクストルージョン塗布法、スライド型コータを
用いたスライド塗布法、カーテン塗布法である。
【0004】一般的に感光材料や磁気記録材料等の塗布
装置は、塗布精度の高さ、高品位性、高速、薄膜、多層
同時塗布適性等が要求されており、この観点からスライ
ド型コータあるいはエクストルージョン型コータが広く
用いられている。特に、沸点が90℃以下の高揮発性溶
剤を用い、粘度が10mPa・sec以上の高粘度であ
る塗布液を使用する熱現像感光材料の場合は、一般的に
はエクストルージョン型コータが用いられている。これ
ら塗布方法の内、エクストルージョン型コータを用いた
エクストルージョン塗布法に付き図で概略を説明する。
【0005】図10はバックロールで塗布反対面が保持
された帯状支持体の保持部へ、エクストルージョン型コ
ータを用いたエクストルージョン塗布法による塗布を示
す模式図である。
【0006】帯状支持体1は巻き出し部(不図示)より
支持体清掃手段(不図示)を経てバックロール2により
保持され、図中の矢印方向(図中下から上)である上流
から下流に向かって連続搬送され、塗布液膜乾燥室(不
図示)を通過し巻き取られる。その際、バックロール2
に対向して配置されるコータ3により塗布液が帯状支持
体1上に塗布される。なお、塗布工程で塗布液膜の未乾
燥によるロール汚れ等の問題となる塗布開始部および塗
布終了部における厚膜部分を除去もしくは防止する機構
が具備されていることが一般的である。
【0007】Zはコータ3より塗布液が押し出され帯状
支持体1へ塗布が行われる塗布開始点を示し、4は帯状
支持体1に塗布された塗布層を示す。塗布開始点は通
常、バックロール2の中心を通る水平軸より下方30〜
70度の位置が好ましい。
【0008】塗布液は塗布液供給部5の供給釜501よ
り供給ポンプ503により濾過装置504を通過したの
ち配管502を通してコータ3に供給される。
【0009】コータ3は塗布位置と待機位置(不図示)
とを移動させるためのステージ6と、液受けチャンバ7
を具備している。さらに濾過装置による塗布液の濾過は
ANSI1393 31−1973に従った試験法によ
る絶対濾過精度または準絶対濾過精度が50μm以下の
濾材を少なくとも1回は通過させることが多い。液受け
チャンバは塗布位置にある際にはバックロールに巻きま
わされる支持体と接触しない位置に配設されており、塗
布液の性質や塗布の必要性に合わせて塗布中に減圧され
ることもある。供給釜や配管は接液部を洗浄しやすいよ
うにフッ素加工等の撥水処理する場合もある。
【0010】液受けチャンバ7は、塗布開始時に邪魔に
ならないコータ3から離れた下に配置され、ステージ6
に着脱可能に固定(不図示)されている。液受けチャン
バ7は、塗布吐出量を決定するためコータから吐出する
塗布液を受け、床上に塗布液がこぼれることを防止して
いる。又、塗布途中でコータを清掃するときも同様であ
る。
【0011】コータ3は塗布液供給量にて塗布膜厚が決
定されるいわゆる前計量型であるため、塗布液供給精度
は高い精度を要求され、吐出量変動を極力低減するた
め、供給ポンプとしては、精密計量型ギヤポンプやプラ
ンジャーポンプ等の高精度送液ポンプや流量制御等を用
いる場合が多い。供給部には、必要に応じて配管各所に
バルブ、液排出口、フィルター、流量計、脱泡機、熱交
換機、攪拌機等のいずれかを併用する場合が多い。
【0012】本発明において上流側とは、コータ3を基
準として、帯状支持体1の繰り出される側を示し、下流
側とは反対側を示す。バックロール2により塗布反対面
が保持され、搬送される帯状支持体1の保持部に、コー
タ3より塗布液が吐出され塗布が行われる。
【0013】図10で示される塗布方式の場合は、帯状
支持体1の塗布反対面のバックロール2により帯状支持
体1の平面性が保持されることで均一な塗布膜厚が得ら
れ易い塗布方式であることが知られている。
【0014】バックロールとはコータ3と帯状支持体1
を挟んで帯状支持体1の塗布反対面側に設置された搬送
ロールを指し、その円筒度がコータ3と同様に塗布幅手
間隙精度に影響大のため、200mm以上と大径の金属
で構成されている。
【0015】図11は図10のXで示される部分の拡大
概略断面図である。図中301a〜301dはコータ3
を構成しているバーを示し、ボルト(不図示)で固定さ
れている。302a〜302dは各バーの先端のリップ
を示す。リップは上流側と下流側で長さは同じでも異な
っていても良い。また、その長さは通常0.5mm〜3
mm程度の範囲で設定されている。
【0016】303a〜303cは各バーとバーとの平
面で構成されているスリットを示す。スリットの間隙値
は通常0.05mm〜2mmの間で塗布液の粘度等物性
値から決定される。ただし、塗布幅方向の間隙値のばら
つきは2%以下に設定している。
【0017】304a〜304cは各バーとバーとの間
に設けられ、コータ3の幅方向に延設されたポケットを
示す。ポケットの形状は本図では半円形状を示している
が角形形状、楕円形状であっても良い。
【0018】305a〜305cはポケット304a〜
304cに塗布液を供給する塗布液の供給口を示す。塗
布液の供給口の大きさは任意であり、その位置は通常コ
ータ塗布幅方向中央である。
【0019】306はコータ3を構成している最上流側
のリップ302aに繋がるバー301aの傾斜部を示
す。尚、本発明では、リップ302a及びリップ302
aと繋がる傾斜部306のリップに近い部分を含めてリ
ップ近傍という。
【0020】307a〜307cは各バーのエッジを示
し、308a〜308cは各塗布液が吐出する吐出口を
示す。
【0021】液受けチャンバ7は矩形の底部701の周
縁部に沿って立ち上げた側壁702を持ち、上部が開放
された箱形構造をしており、コータ3の幅と同じ幅を有
している。703は排出口を示し、液受けチャンバ7に
排出された塗布液は排出口703より排出される。
【0022】本図において、上流側とは図中の矢印方向
(図中下から上)を指し、帯状支持体1が繰り出されて
来る側である。本図のコータ3では最上流側のリップと
は302aを指す。本図で示すコータ3は、3層同時塗
布用を示してあるが、これらコータは必要とする塗布層
の数に合わせ、バーの数を増減することで、ポケット、
スリットを構成させることができる。コータの塗布幅端
部は様々な幅規制手段やサイドプレート等で所望の塗布
幅を得られるように封止されている。
【0023】図10において、コータ3を使用したエク
ストルージョン塗布法の場合、必要な塗布液膜を形成す
る量だけ塗布液を吐出させて支持体上に塗布液を塗布す
る前計量型塗布方式であるため、塗布前に塗布位置とは
別の場所で、ポンプにより塗布液を規定流量で送液し、
スリット清掃やリップ清掃などの準備作業を行い、その
後塗布流量を設定した後、支持体を規定速度で走行させ
てからステージ6を移動させコータ3を所定の塗布位置
へ移動させることにより塗布を開始する。また、所定の
塗布位置は、液受けチャンバでの減圧や塗布液物性、塗
布性などにより任意に設定できる。バックロール上の支
持体とコータのリップとの最も狭い間隙が通常は支持体
上に塗布される塗布液膜厚みの5倍以下である。
【0024】塗布終了時又は故障時はステージ6を移動
させコータ3を所定の待機位置に移動させることにより
行う。なお、移動の際、塗布液は送液したままでも一旦
停止してもよいが、本発明のような高粘度、高揮発性有
機溶剤系の塗布液では、送液を一旦止めてしまうとスリ
ットやその近傍で塗布液が固化してしまうため、塗布液
を吐出したまま移動を行う。
【0025】この時、コータ3から吐出する塗布液は、
殆どは液受けチャンバ7に流れ込み廃液として処理され
るが、コータ3の最上流側のリップ302aに繋がる傾
斜部306に周り込み、乾燥・固化し付着し、リップ近
傍を汚してしまう。
【0026】特に、沸点が90℃以下の高揮発性の有機
溶剤を用い、粘度が10mPa・sec以上の高粘度で
ある熱現像感光材料用塗布液の場合は流下速度が遅いた
め、乾燥・固化付着が早く、付着量も多い。
【0027】エクストルージョン型コータを用いて塗布
を行う場合、スリット内部、エッジ、リップ、リップ近
傍等に気泡や、微小の異物の詰り、付着が発生するた
め、塗布液の流量、流速が変わり、安定した塗布液の流
れが得られなくなり、塗布故障が生じることが知られて
いる。
【0028】特に、塗布中断で塗布液供給を一旦停止す
ると、吐出口に残留する塗布液は、その溶剤等が蒸発し
て液表面が乾燥し皮膜となる。そしてこの皮膜は塗布開
始時において、吐出口から塗布層中へ押出され、塗布故
障を発生させたり、又は、エッジ、リップに付着し、塗
布層に「縦スジ」を発生させることが知られている。
【0029】このため、通常は塗布液の乾燥に伴う皮膜
形成を避けるため、塗布液を流しながら、スリット内
部、エッジ、リップに付着した気泡や、微小の異物を除
去した後に塗布を再開している。しかし、清掃は塗布液
を流しながら行うので、塗布液がコータ3の傾斜部30
6に回り込み、塗布開始の時に乾燥・固化し付着した付
着物の上に更に堆積してしまう。
【0030】有機溶剤を含む塗布液を、連続で長時間塗
布を行う場合、数時間毎に塗布を中断し、塗布液を流し
ながらスリット内部、エッジ、リップに付着してくる異
物を除去した後に塗布を行っている場合が多い。
【0031】しかしながら、傾斜部306に回り込み乾
燥・固化し付着した付着物の除去は、塗布液を流しなが
らであるため清掃し難く、放置している場合が多い。付
着物を放置しておくと次第に付着物の上に堆積してい
き、やがて支持体と接触するようになるので、状態を見
て、傾斜部306に付着している固形物を除去するた
め、塗布を中止して清掃作業を行わなければならず、清
掃作業に時間が掛かり、工程の稼働率を下げている一因
にもなっている。
【0032】有機溶剤を用いた塗布液をコータ3を用い
て塗布する場合、塗布開始前の塗布液吐出量設定時及び
コータ3のスリット内部、エッジ、リップの清掃時、最
上流側のリップ302aに繋がる傾斜部306に回り込
み、乾燥・固化し付着物の清掃を容易にする同時重層用
エクストルージョン型コータ及び塗布方法の開発が望ま
れている。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記状況に鑑
みなされたものであり、その目的は、同時重層用エクス
トルージョン型コータを用いて高粘度、高揮発性の有機
溶剤系の塗布液を塗布する際、リップ近傍における塗布
液の乾燥・固化付着を防止した同時重層用エクストルー
ジョン型コータ及び塗布方法を提供することである。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0035】1)バックロールにより塗布反対面が保持
され、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支持
体へ、有機溶剤系塗布液を2層以上同時に塗布する同時
重層用エクストルージョン型コータにおいて、最上流側
に有機溶剤吐出用のスリットを有していることを特徴と
する同時重層用エクストルージョン型コータ。
【0036】2)1)に記載の同時重層用エクストルー
ジョン型コータを用いて、バックロールにより塗布反対
面が保持され、上流から下流に向かって連続搬送される
帯状支持体へ有機溶剤系塗布液を塗布する塗布方法にお
いて、前記同時重層用エクストルージョン型コータは塗
布位置以外に位置する時のみ、有機溶剤吐出用のスリッ
トより有機溶剤を吐出させることを特徴とする塗布方
法。
【0037】3)バックロールにより塗布反対面が保持
され、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支持
体へ、有機溶剤系塗布液を2層以上同時に塗布する同時
重層用エクストルージョン型コータにおいて、最上流側
のリップに繋がる傾斜部に有機溶剤流出部を設けてある
ことを特徴とする同時重層用エクストルージョン型コー
タ。
【0038】4)3)に記載の同時重層用エクストルー
ジョン型コータを用いて、バックロールにより塗布反対
面が保持され、上流から下流に向かって連続搬送される
帯状支持体へ有機溶剤系塗布液を塗布する塗布方法にお
いて、前記同時重層用エクストルージョン型コータは、
前記同時重層用エクストルージョン型コータが塗布位置
以外に位置する時のみ、最上流側のリップに繋がる傾斜
部に設けた有機溶剤流出部から有機溶剤を流出させるこ
とを特徴とする塗布方法。
【0039】5)バックロールにより塗布反対面が保持
され、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支持
体へ、有機溶剤系塗布液を2層以上同時に塗布する同時
重層用エクストルージョン型コータにおいて、最上流側
のリップに繋がる傾斜部を覆う部材を有する移動可能な
液受けチャンバを有していることを特徴とする同時重層
用エクストルージョン型コータ。
【0040】6)5)に記載の同時重層用エクストルー
ジョン型コータを用いてバックロールで塗布反対面が保
持され、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支
持体へ有機溶剤系塗布液を塗布する塗布方法において、
前記同時重層用エクストルージョン型コータが塗布位置
以外に位置する時にはスリットから吐出した塗布液を液
受けチャンバが受け取り、前記同時重層用エクストルー
ジョン型コータが塗布位置に存在する時には液受けチャ
ンバが別位置に移動し洗浄されることを特徴とする塗布
方法。
【0041】7)バックロールにより塗布反対面から塗
布位置が保持され、上流から下流に向かって連続搬送さ
れる帯状支持体へ、有機溶剤系塗布液を2層以上同時に
塗布する同時重層用エクストルージョン型コータにおい
て、最上流側のリップに繋がる傾斜部に固定式の液受け
チャンバを有していることを特徴とする同時重層用エク
ストルージョン型コータ。
【0042】8)7)に記載の同時重層用エクストルー
ジョン型コータを用いてバックロールで塗布反対面が保
持され、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支
持体へ有機溶剤系塗布液を塗布する塗布方法において、
前記同時重層用エクストルージョン型コータの最上流側
のリップに繋がる傾斜部に設けられた液受けチャンバ
は、塗布時及び前記同時重層用エクストルージョン型コ
ータの清掃後、有機溶剤で満たされていることを特徴と
する塗布方法。
【0043】9)前記有機溶剤系塗布液が、熱現像感光
材料用の塗布液であることを特徴とする1)、3)、
5)、7)の何れか1項に記載の同時重層用エクストル
ージョン型コータ。
【0044】10)前記有機溶剤系塗布液が、熱現像感
光材料用の塗布液であることを特徴とする2)、4)、
6)、8)の何れか1項に記載の塗布方法。
【0045】発明者らは、上記課題を達成するために鋭
意検討を加えた結果、最上流のリップ部近傍に塗布液が
乾燥・固化付着し堆積するのは、塗布液吐出量設定時及
びコータ清掃時に塗布液が高揮発性の有機溶剤を使用し
高粘度の場合、コータから吐出する塗布液が、リップ部
に繋がる傾斜部を流下するとき、有機溶剤が蒸発、固化
し付着する。一旦、付着が生じると付着箇所で流れが更
に悪くなり、更にその場所で塗布液の蒸発、固化が生じ
堆積していくことが判明した。
【0046】これらに対して、リップ部に繋がる傾斜部
に塗布液の蒸発固化による付着を防止するには1)傾斜
部を塗布液が流下するとき、塗布液の吐出量を増加する
ことなく、流下速度を早くすること、2)傾斜部に塗布
液を流下させないことで改良されることが判明し、本発
明に至った次第である。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図11を参照しなが
ら、本発明の実施形態に係わるコータとこれらのコータ
を使用した塗布方法に付いて説明する。
【0048】本発明で、2層以上同時に塗布する同時重
層用エクストルージョン型コータとは、2〜7層を同時
に塗布する同時重層用エクストルージョン型コータをい
う。
【0049】図1は図11で示すコータの最上流側に有
機溶剤の吐出用のスリットを設けたコータの概略断面図
である。
【0050】図中、3aは最上流側に有機溶剤の吐出用
のスリット303eを設けたコータを示す。301eは
有機溶剤の吐出口308eを、最上流側のリップ302
aの上流側に設けるためのバーを示し、303eは有機
溶剤の吐出用のスリットを示し、309は吐出口308
eから吐出した有機溶剤が流下する傾斜部を示し、30
4eは有機溶剤をコータの幅方向に広げるためのポケッ
トを示し、305eは有機溶剤の供給口を示す。8はバ
ー301eの傾斜部309に着脱可能に取り付けられた
液受けチャンバを示す。
【0051】液受けチャンバ8は矩形の底部801の周
縁部に沿って立ち上げた側壁802を持ち、上部が開放
された箱形構造をしており、コータ3aの幅と同じ幅を
有している。803は排出口を示し、液受けチャンバ8
に排出された塗布液及び有機溶剤は排出口803より排
出される。804は液受けチャンバ8を着脱可能に取り
付けるためのネジを示す。他の符号は図11と同義であ
る。
【0052】有機溶剤の吐出口308eは最上流側のリ
ップ302aに近ければ近いほどよいが、あまりに近す
ぎると塗布故障を逆に発生させてしまう恐れもあるため
塗布液の性質も考慮して実験的に位置を決定する必要が
ある。また、有機溶剤の吐出用のスリット303eの間
隙は任意であるが、通常10〜200μmが好ましい。
10μm未満では吐出量が不足して塗布液を早く流下さ
せることが出来ず、塗布液の種類によっては乾燥・固化
防止に効果がない場合がある。200μmを越えた場合
は、有機溶剤が多量に必要となり、有機溶剤の吐出量が
少ない場合、塗布液が流入する場合がある。吐出量は塗
布液総吐出量の1/10〜1/2が好ましい。1/10
未満の場合は、吐出量が不足して、塗布液全てを流下さ
せることができない場合があり、1/2を越えた場合
は、有機溶剤が塗布液の種類によっては過剰となる場合
がある。
【0053】本図で示されるコータの場合、傾斜部30
9を流下する有機溶剤層の上に各スリットから吐出した
塗布液が乗り、傾斜部309を流下し液受けチャンバ8
に流れ込み廃液処理される。この場合、下層の有機溶剤
層がスリップ層の働きをし、塗布液の流下を助ける。特
に、沸点が90℃以下の高揮発性の有機溶剤を用い、粘
度が10mPa・sec以上の高粘度である熱現像感光
材料用塗布液の場合は流下速度が遅いため、単独では乾
燥・固化し付着していたが、本発明の方式により流下速
度が速くなり、乾燥・固化による付着を防止することが
可能となり、今まで清掃に掛けていた時間が不要とな
り、工程の稼働率を上げることが出来た。
【0054】図2は図1に示されるコータを使用した塗
布液の吐出量設定から塗布を終了し、コータ清掃までの
過程を示すフロー図である。
【0055】S1では、コータ3aが待機位置にいる状
態で、有機溶剤の吐出口308eから有機溶剤を規定量
吐出させる。吐出した有機溶剤は傾斜部309に沿って
流下し、液受けチャンバ8に流れ込み廃液処理される。
【0056】S2では、有機溶剤を吐出した状態で、塗
布液の吐出量を設定するために各スリットから塗布液が
吐出される。コータの各スリットから吐出する塗布液
は、リップに沿って流下し、傾斜部309に沿って流下
する有機溶剤の上に乗り、傾斜部309を流下し、液受
けチャンバ8に流れ込み廃液処理される。
【0057】S3では、塗布液の吐出量を設定するため
に各スリットから塗布液が吐出されるのに合わせ、塗布
液が吐出されている状態でコータ3aのスリット内部、
エッジ、リップ、傾斜部の清掃を行う。
【0058】S4では、塗布液の吐出量が設定された
後、コータ3aは塗布位置に移動し設置される。
【0059】S5では、塗布が開始する。S6では、塗
布が開始された段階で有機溶剤の吐出が停止される。
【0060】S7では、塗布が終了した段階で、有機溶
剤の吐出が始まる。S8では、コータ3aを待機位置に
移動させる。
【0061】S9では、コータ3aのスリット内部、エ
ッジ、リップ、傾斜部の清掃を行い、一連の作業が終了
する。
【0062】図3は図1に示されるコータを使用した塗
布の途中で塗布故障のため塗布を中断し、コータを清掃
後、再度塗布液の吐出量設定から塗布を終了し、コータ
清掃までの過程を示すフロー図である。
【0063】S1では、塗布の途中で塗布スジ故障の発
生が検出される。S2では、塗布途中で塗布スジ故障の
発生が検出された段階で、有機溶剤の吐出口308eか
ら有機溶剤を規定量吐出させる。吐出した有機溶剤は傾
斜部309に沿って流下し、液受けチャンバ8に流れ込
み廃液処理される。
【0064】S3では、コータ3aを待機位置に移動す
る。S4では、コータのスリット内部、リップ等を清掃
する。
【0065】S5では、清掃終了後、塗布位置に移動す
る。以降のS6〜10は図2のS5〜9と同じなので説
明は省略する。
【0066】図4は図11で示すコータの最上流のリッ
プ302aに繋がる傾斜部306に有機溶剤流出部を設
けたコータの概略図である。図4の(a)は、傾斜部3
06に有機溶剤流出部を設けたコータの概略断面図であ
る。図4の(b)は、傾斜部306に設けられた有機溶
剤流出部の一部破断図を含む概略側面図である。図4の
(c)は、図4の(a)のA−A′に沿った概略矢視図
である。
【0067】図中、3bは最上流のリップ302aに繋
がる傾斜部306に有機溶剤流出部を設けたコータを示
す。9は有機溶剤流出部を示す。有機溶剤流出部9は、
傾斜部306の面に直角に交わる矩形の底部901と、
底部901の傾斜部306の面と接する長辺を除いた周
縁より立ち上げた側壁902、903を有し、上面が開
放され、傾斜部306の面とで箱を形成している。90
2は底部901の長辺より立ち上げた側壁を示し、90
3は底部901の短辺より立ち上げた側壁を示す。90
4は側壁903に設けられた有機溶剤供給管を示す。9
05は有機溶剤流出部9を傾斜部306に取り付けるた
めのネジを示す。ネジ905で取り付けることで着脱可
能となっている。906は有機溶剤の流出口を示す。L
は傾斜部306の面と有機溶剤流出部9の側壁902の
内側との距離を示す。他の符号は図11と同義である。
【0068】有機溶剤の流出口906は上流側のリップ
302aに近ければ近いほどよいが、あまりに近すぎる
と塗布故障を逆に発生させてしまう恐れもあるため塗布
液の性質も考慮して実験的に位置を決定する必要があ
る。また、距離Lは任意であるが、通常10〜200μ
mが好ましい。10μm未満では流出量が不足して塗布
液を早く流下させることが出来ず、塗布液の種類によっ
ては乾燥・固化防止に効果がない場合がある。200μ
mを越えた場合は、有機溶剤が多量に必要となり、有機
溶剤の流出量が少ない場合、塗布液が流入する場合があ
る。
【0069】有機溶剤の流出量は塗布液総流量の1/1
0〜1/2が好ましい。1/10未満の場合は、流出量
が不足して、塗布液全てを流下させることができない場
合があり、1/2を越えた場合は、有機溶剤が塗布液の
種類によっては過剰となる場合がある。
【0070】本図で示される、コータを使用し塗布液の
吐出量を設定する場合及びコータを清掃する場合、有機
溶剤流出部9の有機溶剤流出口906より流出された有
機溶剤は有機溶剤流出部9の側壁902の外側に沿って
流下する。コータの各スリットから吐出する塗布液は、
リップ302aに沿って流下し、次ぎに側壁902の外
側に沿って流下している有機溶剤の上に乗り、側壁90
2の外側を流下する。
【0071】この場合、傾斜部306は有機溶剤に覆わ
れているため、塗布液の乾燥・固化による付着は生じな
い。又、有機溶剤流出部9の側壁902は、最下層とな
る有機溶剤がスリップ層の働きをし、塗布液の流下を早
くするため、塗布液の乾燥・固化による付着は生じな
い。
【0072】本発明の方式により、傾斜部306の塗布
液の乾燥・固化による付着がなくなり、今まで清掃に掛
けていた時間が不要となり、工程の稼働率を上げること
が出来た。又、有機溶剤流出部9も着脱が可能であるこ
と及び、塗布液の乾燥・固化による付着がないため、有
機溶剤流出部9の清掃も容易であるため、今まで清掃に
掛けていた時間が不要となり、工程の稼働率を上げるこ
とが可能となった。
【0073】尚、図4で示されるコータを使用した場合
の塗布液の吐出量設定から塗布を終了し、コータ清掃ま
での過程は有機溶剤が流出する場所が異なるだけで、図
1で示したコータの場合と同じであるので省略する。
又、塗布の途中で塗布故障のため塗布を中断し、コータ
を清掃後、再度塗布液吐出量設定から塗布を終了し、コ
ータ清掃までの過程は、図1で示したコータの場合と同
じであるので省略する。
【0074】図5は図11で示すコータの最上流側のリ
ップに繋がる傾斜部306を覆う側壁を有する液受けチ
ャンバを、傾斜部306に設けたコータの概略断面図で
ある。
【0075】図中、3cは最上流側のリップに繋がる傾
斜部306を覆う側壁を有する液受けチャンバ10を傾
斜部306に設けたコータを示す。101は液受けチャ
ンバ10の矩形の底部を示し、102aは底部101の
バックロール2側の長辺に沿って立ち上げた側壁を示
し、102bはコータ3c側の長辺に沿って立ち上げた
側壁を示し、102cは底部101の短辺に沿って立ち
上げた側壁を示す。コータ3c側の側壁102bの上部
にはコータ3cの傾斜部306の角度に合わせ、傾斜部
306を覆う部材103が配設され、上部が開放された
箱形構造をしている。尚、液受けチャンバ10の幅はコ
ータ3cの幅と同じ幅を有している。104は排出口を
示し、液受けチャンバ10に排出された塗布液は排出口
104より排出される。他の符号は図11と同義であ
る。
【0076】本図で示される液受けチャンバ10は、移
動手段(不図示)により、コータ3の移動に応じて移動
することができる方式でも良いし、傾斜部306に着脱
可能にネジで固定してもかまわない。部材103はコー
タ3cの傾斜部306のリップ302aの近傍迄覆う形
で配置されている。
【0077】本図で示されるコータの場合、塗布液の吐
出量を決定するとき又は、コータ清掃時、コータの各ス
リットから吐出する塗布液は、コータ3cの傾斜部30
6には接触することなく、部材103に沿って流下する
ため、傾斜部306の塗布液の乾燥・固化による付着は
なくなる。
【0078】尚、図5で示される液受けチャンバ10の
洗浄は、液受けチャンバ10を移動装置(不図示)又は
コータより外し、有機溶剤の入った容器に浸漬して洗浄
することも可能である。
【0079】図6は図5に示されるコータを使用した塗
布液の吐出量の設定から塗布を終了し、コータ清掃まで
の過程を示すフロー図である。
【0080】S1では、コータ3cの待機位置に液受け
チャンバ10が液受けチャンバ10の待機位置より移動
し、部材103がコータ3cの傾斜部306を覆う状態
に液受けチャンバ10を設置する。
【0081】S2では、塗布液の吐出量を設定するため
に、コータ3cの各スリットから、塗布液を吐出させ
る。吐出した塗布液は、部材103の内側に沿って流下
し液受けチャンバ10に流れ込み、排出口104より排
出し処理される。
【0082】S3では、塗布液の吐出量を設定するため
に各スリットから塗布液が吐出されるのに合わせ、コー
タ3cのリット内部、エッジ、リップ、傾斜部の清掃を
行う。
【0083】S4では、塗布液の吐出量を設定した後、
塗布液を吐出した状態でコータ3cと液受けチャンバ1
0は一緒に塗布位置に移動する。
【0084】S5では、コータ3cは塗布位置に設置さ
れ、塗布が開始される。S6では、液受けチャンバ10
は待機位置に移動する。
【0085】S7では、塗布の終了に合わせ、塗布位置
に液受けチャンバ10が移動し、液受けチャンバ10の
部材103がコータ3cの傾斜部306を覆う状態に液
受けチャンバ10を設置する。この段階では、各スリッ
トからの塗布液の吐出量は最少流量に絞られ、部材10
3の内側に沿って流下し液受けチャンバ10に流れ込み
排出口から排出され処理される。
【0086】S8では、コータ3cが待機位置に移動す
るのに合わせ、液受けチャンバ10も待機位置へ移動す
る。
【0087】S9では、待機位置でコータ3cの吐出
口、スリット内部、エッジリップ等及び液受けチャンバ
10を清掃し、全ての作業が終了する。
【0088】図7は図5に示されるコータを使用した塗
布の途中で塗布故障のため塗布を中断し、コータを清掃
後、再度塗布液の吐出量設定から塗布を終了し、コータ
清掃までの過程を示すフロー図である。
【0089】S1では、塗布の途中で塗布スジ故障の発
生が検出される。S2では、コータ3cの塗布位置に液
受けチャンバ10が、待機位置より移動し、部材103
がコータ3cの傾斜部306を覆う状態に液受けチャン
バ10を設置する。
【0090】S3では、コータ3cと液受けチャンバ1
0は一緒に待機位置に移動する。吐出する塗布液は、部
材103の内側に沿って流下し液受けチャンバ10に流
れ込み、排出口104より排出し処理される。
【0091】S4では、待機位置に移動したコータ3c
の吐出口、スリット内部、エッジ、リップ等を清掃す
る。
【0092】S5では、清掃終了後、コータ3cと液受
けチャンバ10は一緒に塗布位置に移動する。その後の
S6〜10は図6のS5〜9と同じであるので説明は省
略する。
【0093】図8は図11で示すコータの最上流側のリ
ップに繋がる傾斜部306に、液受けチャンバを設けた
コータの概略断面図である。
【0094】図中、3dは最上流側のリップに繋がる傾
斜部306に液受けチャンバ11を設けたコータを示
す。111は液受けチャンバ11の矩形の底部を示し、
112aは底部111のバックロール2側の長辺に沿っ
て立ち上げた側壁を示し、112bはコータ3d側の長
辺に沿って立ち上げた側壁を示し、112cは底部10
1の短辺に沿って立ち上げた側壁を示す。コータ3c側
の側壁112bの上部にはコータ3cの傾斜部306
に、液受けチャンバ11を着脱可能に固定するための部
材112dが一体に設けられており、上部が開放された
箱形構造をしている。113は固定用のネジを示す。
尚、液受けチャンバ11の幅はコータ3cの幅と同じ幅
を有している。114は排出口を示し、本図では示され
ていない開閉用の弁を有している。115は有機溶剤供
給管を示す。液受けチャンバ11に排出された塗布液を
排出する場合は開閉弁を開け、有機溶剤を満たす場合は
開閉弁を閉じる。他の符号は図11と同義である。
【0095】本図で示される液受けチャンバ11の開閉
弁は塗布液がコータ3dの各スリットから吐出している
時は、塗布液を排出するため開閉弁を開け、塗布されて
いる時は、有機溶剤を満たすために開閉弁を閉じてお
く。液受けチャンバ11に有機溶剤を満たすことでコー
タ3dのリップ近傍の乾燥・固化防止の機能を有してい
る。又、塗布液が吐出していない時も、開閉弁を閉じ、
有機溶剤を満たしておくことで塗布開始に当たりコータ
3dの清掃を容易にすることが可能となる。
【0096】図9は図8に示されるコータを使用した塗
布液の吐出量の設定から塗布を終了し、コータ清掃まで
の過程を示すフロー図である。
【0097】S1では、待機位置で液受けチャンバに満
たされている有機溶剤で、コータ3dの吐出口、スリッ
ト内部、リップ、エッジ、傾斜部等の清掃を行う。
【0098】S2では、液受けチャンバの開閉弁が開け
られ、コータの各スリットから吐出量を設定するため、
塗布液が吐出する。コータの各スリットから吐出される
各塗布液はリップ近傍を流下し、液受けチャンバ11に
流れ込み、排出口114から排出される。
【0099】S3では、塗布液の吐出量が設定された
後、コータを塗布位置まで移動される。塗布が開始され
るまでの間、コータ3dの各スリットから吐出される各
塗布液はリップ近傍を流下し、液受けチャンバ11に流
れ込み、排出口114から排出される。
【0100】S4では、塗布が開始される。S5では、
塗布が始まると、液受けチャンバ11の開閉弁は閉じら
れ、リップ近傍に付着している塗布液の乾燥を防止する
ため、有機溶剤供給管より有機溶剤が供給され、液受け
チャンバ11に満たされる。この様な状態にすること
で、液受けチャンバ11に満たされた有機溶剤が蒸発す
ることで、リップ近傍が有機溶剤雰囲気になるため付着
した塗布液の乾燥・固化が防止される。
【0101】S6では、塗布が終了する。S7では、液
受けチャンバ11の開閉弁が開けられ、コータ3dを待
機位置に移動する。待機位置に移動する間、コータ3d
の各スリットから吐出される塗布液は液受けチャンバ1
1に流入し、排出される。
【0102】S8では、待機位置に戻った後は、液受け
チャンバ11の開閉弁が閉じられ、有機溶剤供給管より
有機溶剤が供給され、液受けチャンバ11に満たされ
る。この有機溶剤でコータ3dと液受けチャンバ11の
清掃が行われる。
【0103】S9では、コータ3dと液受けチャンバ1
1の清掃が終了した後、一旦開閉弁を開け、清掃で汚れ
た有機溶剤を排出する。
【0104】S10では、液受けチャンバ11の開閉弁
を閉じ、有機溶剤を満たした状態にし、一連の作業が終
了する。塗布を開始する時はS1から始める。
【0105】本発明に使用する塗布液は有機溶剤系の塗
布液であれば特には限定は無いが、沸点が90℃以下の
高揮発性を用い、粘度が10mPa・sec以上の高粘
度である塗布液を使用する熱現像感光材料の場合に特に
効果を発揮する。
【0106】これらの熱現像感光材料用の塗布液として
は、例えば特開2000−198757、同2000−
15173、同2001−201817、同2001−
215652、同2001−109101等に記載され
ている塗布液が挙げられる。
【0107】本発明に使用する有機溶剤としては、塗布
液に使用している有機溶剤と同じ有機溶剤を使用するこ
とが好ましい。
【0108】
【実施例】以下に、本発明の効果を実施例で示すが、勿
論この実施例は一例を示すものであり、本発明が限定さ
れるものではない。
【0109】〈試料の作製〉特開平11−352623
号の実施例1に記載の方法により調製した感光層塗布液
及び表面保護層用塗布液を用い、支持体として濃度0.
170(コニカ(株)製デンシトメータPDA−65に
て測定)に青色着色した、一巻き1000m、厚み10
0μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に
8w/m2・分のコロナ放電処理を施した物を繋げ使用
した。これらの支持体に、図1、図4、図5、図8、図
11に示される各エクストルージョンコータを用い、塗
布幅500mm、塗布速度20m/min、感光層塗布
液流量700ml/min、表面保護層塗布液流量20
0ml/minで12時間連続塗布を行い試料101〜
105を作製した。
【0110】尚、各塗布に際しては、約3時間に一度コ
ータのスリット内部、リップ洗浄のため及び繋ぎ部を回
避するため塗布位置から待機位置に移動して塗布を行っ
た。
【0111】評価 得られた各試料101〜105の最終の繋ぎの後の35
0mに付き、性能に悪影響を与える塗布故障の有無を目
視により確認し、結果を表1に示す。性能に悪影響を与
える塗布故障が無い場合を○とし、性能に悪影響を与え
る塗布故障が一つでもあった場合は×とした。
【0112】
【表1】
【0113】表1に示す如く本発明の有効性が確認され
た。尚、繋ぎを回避するために待機位置まで戻すとき
は、塗布液流量は変えずそのままスリットから流出させ
た状態で行った。又、図1、図4に示されるコータを使
用の場合は、繋ぎを回避するために待機位置まで戻すと
き及びコータ洗浄の場合、有機溶剤としてメチルエチル
ケトンを180ml/分流出させた。
【0114】
【発明の効果】コータを用いて高粘度、高揮発性の有機
溶剤系の塗布液を塗布する際、リップ近傍における塗布
液の乾燥・固化付着を防止したコータ及び塗布方法を提
供することができ、塗布故障がなくなり品質が向上し
た。又、コータの洗浄に要していた時間が大幅に削減さ
れ生産効率が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図11で示すコータの最上流側に有機溶剤の吐
出用のスリットを設けたコータの概略断面図である。
【図2】図1に示されるコータを使用した塗布液の吐出
量設定から塗布を終了し、コータ清掃までの過程を示す
フロー図である。
【図3】図1に示されるコータを使用した塗布の途中で
塗布故障のため塗布を中断し、コータを清掃後、再度塗
布液の吐出量設定から塗布を終了し、コータ清掃までの
過程を示すフロー図である。
【図4】図11で示すコータの最上流のリップに繋がる
傾斜部に有機溶剤流出部を設けたコータの概略図であ
る。
【図5】図11で示すコータの最上流側のリップに繋が
る傾斜部を覆う側壁を有する液受けチャンバを、傾斜部
に設けたコータの概略断面図である。
【図6】図5に示されるコータを使用した塗布液の吐出
量の設定から塗布を終了し、コータ清掃までの過程を示
すフロー図である。
【図7】図5に示されるコータを使用した塗布の途中で
塗布故障のため塗布を中断し、コータを清掃後、再度塗
布液の吐出量設定から塗布を終了し、コータ清掃までの
過程を示すフロー図である。
【図8】図11で示すコータの最上流側のリップに繋が
る傾斜部に、液受けチャンバを設けたコータの概略断面
図である。
【図9】図8に示されるコータを使用した塗布液の吐出
量の設定から塗布を終了し、コータ清掃までの過程を示
すフロー図である。
【図10】バックロールで塗布反対面が保持された帯状
支持体の保持部へ、エクストルージョン型コータを用い
たエクストルージョン塗布法による塗布を示す模式図で
ある。
【図11】図10のXで示される部分の拡大概略断面図
である。
【符号の説明】 1 帯状支持体 2 バックロール 3、3a、3b、3c、3d コータ 301a〜301d、301e バー 302a〜302d リップ 303a〜303c、303e スリット 304a〜304c、304e ポケット 305a〜305c、305e 供給口 306、309 傾斜部 307a〜307c エッジ 308a〜308c、308e 吐出口 5 塗布液供給部 6 ステージ 7、8、10、11 液受けチャンバ 804、905、113 ネジ 703、803、104、114 排出口 9 有機溶剤流出部 904、115 有機溶剤供給管 906 流出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/842 G11B 5/842 Z Fターム(参考) 2H025 AB20 EA04 FA22 2H123 AB00 BC00 BC01 CB00 CB03 4D075 AC04 AC16 AC99 BB65Z BB69Z CA47 DA04 DB31 DC27 4F041 AA12 AB02 BA13 BA60 CA03 CA13 5D112 AA01 CC02 CC08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バックロールにより塗布反対面が保持さ
    れ、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支持体
    へ、有機溶剤系塗布液を2層以上同時に塗布する同時重
    層用エクストルージョン型コータにおいて、最上流側に
    有機溶剤吐出用のスリットを有していることを特徴とす
    る同時重層用エクストルージョン型コータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の同時重層用エクストル
    ージョン型コータを用いて、バックロールにより塗布反
    対面が保持され、上流から下流に向かって連続搬送され
    る帯状支持体へ有機溶剤系塗布液を塗布する塗布方法に
    おいて、前記同時重層用エクストルージョン型コータは
    塗布位置以外に位置する時のみ、有機溶剤吐出用のスリ
    ットより有機溶剤を吐出させることを特徴とする塗布方
    法。
  3. 【請求項3】 バックロールにより塗布反対面が保持さ
    れ、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支持体
    へ、有機溶剤系塗布液を2層以上同時に塗布する同時重
    層用エクストルージョン型コータにおいて、最上流側の
    リップに繋がる傾斜部に有機溶剤流出部を設けてあるこ
    とを特徴とする同時重層用エクストルージョン型コー
    タ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の同時重層用エクストル
    ージョン型コータを用いて、バックロールにより塗布反
    対面が保持され、上流から下流に向かって連続搬送され
    る帯状支持体へ有機溶剤系塗布液を塗布する塗布方法に
    おいて、前記同時重層用エクストルージョン型コータ
    は、前記同時重層用エクストルージョン型コータが塗布
    位置以外に位置する時のみ、最上流側のリップに繋がる
    傾斜部に設けた有機溶剤流出部から有機溶剤を流出させ
    ることを特徴とする塗布方法。
  5. 【請求項5】 バックロールにより塗布反対面が保持さ
    れ、上流から下流に向かって連続搬送される帯状支持体
    へ、有機溶剤系塗布液を2層以上同時に塗布する同時重
    層用エクストルージョン型コータにおいて、最上流側の
    リップに繋がる傾斜部を覆う部材を有する移動可能な液
    受けチャンバを有していることを特徴とする同時重層用
    エクストルージョン型コータ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の同時重層用エクストル
    ージョン型コータを用いてバックロールで塗布反対面が
    保持され、上流から下流に向かって連続搬送される帯状
    支持体へ有機溶剤系塗布液を塗布する塗布方法におい
    て、前記同時重層用エクストルージョン型コータが塗布
    位置以外に位置する時にはスリットから吐出した塗布液
    を液受けチャンバが受け取り、前記同時重層用エクスト
    ルージョン型コータが塗布位置に存在する時には液受け
    チャンバが別位置に移動し洗浄されることを特徴とする
    塗布方法。
  7. 【請求項7】 バックロールにより塗布反対面から塗布
    位置が保持され、上流から下流に向かって連続搬送され
    る帯状支持体へ、有機溶剤系塗布液を2層以上同時に塗
    布する同時重層用エクストルージョン型コータにおい
    て、最上流側のリップに繋がる傾斜部に固定式の液受け
    チャンバを有していることを特徴とする同時重層用エク
    ストルージョン型コータ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の同時重層用エクストル
    ージョン型コータを用いてバックロールで塗布反対面が
    保持され、上流から下流に向かって連続搬送される帯状
    支持体へ有機溶剤系塗布液を塗布する塗布方法におい
    て、前記同時重層用エクストルージョン型コータの最上
    流側のリップに繋がる傾斜部に設けられた液受けチャン
    バは、塗布時及び前記同時重層用エクストルージョン型
    コータの清掃後、有機溶剤で満たされていることを特徴
    とする塗布方法。
  9. 【請求項9】 前記有機溶剤系塗布液が、熱現像感光材
    料用の塗布液であることを特徴とする請求項1、3、
    5、7の何れか1項に記載の同時重層用エクストルージ
    ョン型コータ。
  10. 【請求項10】 前記有機溶剤系塗布液が、熱現像感光
    材料用の塗布液であることを特徴とする請求項2、4、
    6、8の何れか1項に記載の塗布方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015181918A1 (ja) * 2014-05-27 2015-12-03 株式会社Sat 塗布装置及び塗布方法

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