JP2003079728A - 噴霧装置 - Google Patents
噴霧装置Info
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- JP2003079728A JP2003079728A JP2001275356A JP2001275356A JP2003079728A JP 2003079728 A JP2003079728 A JP 2003079728A JP 2001275356 A JP2001275356 A JP 2001275356A JP 2001275356 A JP2001275356 A JP 2001275356A JP 2003079728 A JP2003079728 A JP 2003079728A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 駆動手段を保護し、噴霧手段を停止させる噴
霧装置を実現する。 【解決手段】 噴霧装置は、噴霧ヘッドを駆動する駆動
回路を有して構成される。前記駆動回路は、電流検出回
路及び出力制御回路を制御する状態検出回路を有して構
成される。前記状態検出回路は、前記電流検出回路で検
出される駆動信号の電流を全波整流する。前記状態検出
回路は、全波整流した電流値に対し、所定の閾値で二値
化を行い、二値化信号を生成する。そして、前記状態検
出回路は、二値化信号に対してディレイを掛ける。前記
状態検出回路は、ディレイを掛けた信号を長い周期でサ
ンプリングし、過去N回のサンプルに対し数値演算を行
う。そして、前記状態検出回路は、過去N回のうち電流
オーバ(過電流状態)が設定された回数以上のとき、検
出信号を前記出力制御回路及び前記制御部へ出力する。
霧装置を実現する。 【解決手段】 噴霧装置は、噴霧ヘッドを駆動する駆動
回路を有して構成される。前記駆動回路は、電流検出回
路及び出力制御回路を制御する状態検出回路を有して構
成される。前記状態検出回路は、前記電流検出回路で検
出される駆動信号の電流を全波整流する。前記状態検出
回路は、全波整流した電流値に対し、所定の閾値で二値
化を行い、二値化信号を生成する。そして、前記状態検
出回路は、二値化信号に対してディレイを掛ける。前記
状態検出回路は、ディレイを掛けた信号を長い周期でサ
ンプリングし、過去N回のサンプルに対し数値演算を行
う。そして、前記状態検出回路は、過去N回のうち電流
オーバ(過電流状態)が設定された回数以上のとき、検
出信号を前記出力制御回路及び前記制御部へ出力する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波振動により
液体を霧化し噴霧する噴霧装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、噴霧装置は、医療用もしくは工業
用に広く用いられている。上記噴霧装置は、液体を霧化
し噴霧する噴霧手段を備えているものがある。上記噴霧
装置は、例えば、特開平5−228410号公報や特開
平7−275762号公報に記載されているように超音
波振動により液体を霧化し噴霧する噴霧手段及びこの噴
霧手段を駆動する駆動手段を備えたものが提案されてい
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−228410号公報や特開平7−275762
号公報に記載の噴霧装置は、上記噴霧手段の状態を検知
して、上記噴霧手段を停止させるような停止手段を設け
ていない。 【0004】上記噴霧装置は、上記駆動手段から供給さ
れる駆動信号が噴霧開始時に突発的な過大電流を発生す
る可能性がある。また、上記噴霧装置は、上記噴霧手段
の負荷条件(環境の変化)等により、突発的な過大電流
を発生する可能性がある。 【0005】これら過大電流が発生する場合、上記噴霧
装置は、駆動手段を保護すると共に、上記噴霧手段を停
止させる必要がある。これら過大電流が発生する場合、
上記噴霧装置は、過大電流に対して単純に閾値を定めて
検出するように構成すると、上記噴霧手段の状態に対し
て誤認識が発生する虞れが生じる。 【0006】本発明は、これらの事情に鑑みてなされた
ものであり、駆動手段を保護し、噴霧手段を停止させる
噴霧装置を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、超音波振動により液体を霧化し噴霧する噴霧
手段及びこの噴霧手段を駆動する駆動手段を具備し、前
記駆動手段から前記噴霧手段へ供給する電流値を検知す
るための検知手段と、前記検知手段で検知した電流値に
対し、所定の閾値を越えた回数を所定の時間間隔で所定
の期間においてカウントし、このカウントした数が設定
された数以上のとき、前記噴霧手段を停止させるよう前
記駆動手段を制御する駆動停止手段と、を設けたことを
特徴としている。この構成により、駆動手段を保護し、
噴霧手段を停止させる噴霧装置を実現する。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の1
実施の形態を説明する。図1ないし図13は本発明の1
実施の形態に係り、図1は本発明の1実施の形態を備え
た医用噴霧システムを示す全体構成図、図2は図1の噴
霧カテーテルの先端側を示す説明図、図3は図2の噴霧
カテーテルをA方向から見た外観正面図、図4は図1の
噴霧カテーテルの後端側を示す説明図、図5は図1の噴
霧カテーテルの先端側を示す断面説明図、図6は図5の
噴霧カテーテルの圧電素子群付近を示す断面説明図、図
7は図5のB−B断面図、図8は図5の噴霧ヘッドを示
す断面構成図、図9は図1の駆動回路を示す回路ブロッ
ク図、図10は図9の駆動回路から出力される駆動信号
(交番電圧)の電圧及び電流を示す波形図であり、図1
0(a)は駆動信号(交番電圧)の電圧を示す波形図で
あり、図10(b)は同図(a)の電流を示し、噴霧開
始時の突入電流が現れる際の波形図、図10(c)は図
10(b)は同図(a)の電流を示し、負荷条件の変化
による突発的な過大電流が現れる際の波形図、図11は
図10の状態検出回路の動作を示す説明図であり、図1
1(a)は電流検出回路で検出される電流の波形図、図
11(b)は同図(a)の電流を全波整流した際の波形
図、図11(c)は同図(b)の電流値を二値化した際
の波形図、図11(d)は同図(c)の二値化信号に対
してディレイを掛け、このディレイを掛けた信号を波形
の周期よりも長い周期読み取り、この読み取った信号を
サンプリングし、過去N回のサンプルに対し数値演算を
行った際の説明図、図12は図11の変形例を示す説明
図、図13は図10の変形例を示す駆動回路の回路ブロ
ック図である。本実施の形態では、特に気管支治療用に
用いられる医用噴霧装置に本発明を適用して説明する。 【0009】図1に示すように本発明の第1の実施の形
態を備えた医用噴霧システム1は、内視鏡装置2と、医
用噴霧装置(以下、単に噴霧装置)3と、人工呼吸器4
とから構成される。尚、本実施の形態の医用噴霧システ
ム1は、内視鏡装置2と組み合わせるように構成してい
るが、噴霧装置3のみでもシステムを構成可能である。 【0010】前記内視鏡装置2は、図示しない撮像手段
を備えた電子内視鏡(以下、内視鏡)2aに光源装置
(不図示)及びビデオプロセッサ(不図示)を着脱自在
に接続して構成される。前記内視鏡装置2は、前記光源
装置から前記内視鏡2aに照明光が供給され、被写体を
照明する。照明された被写体像は、前記内視鏡2aの挿
入部先端部から取り込まれ、前記撮像装置で撮像され
る。前記ビデオプロセッサは、前記内視鏡2aの撮像装
置からの撮像信号を図示しない信号処理回路で信号処理
し、図示しないモニタに伝送して内視鏡画像を表示させ
るようになっている。 【0011】前記噴霧装置3は、気管支に挿入可能な細
長で軟性な可撓管10の先端側に設けられ、超音波振動
によって液体である薬液を霧化し噴霧する噴霧ヘッド1
1Aを備えた噴霧カテーテル11と、この噴霧カテーテ
ル11の前記噴霧ヘッド11Aを制御する制御装置12
とから主に構成されている。 【0012】前記噴霧カテーテル11は、前記可撓管1
0の後端側にコネクタ部13が延出されている。このコ
ネクタ部13は、中継コネクタ14を介して駆動信号線
15及び送液チューブ16を着脱自在に接続されること
で、前記制御装置12に接続されるようになっている。 【0013】また、前記噴霧カテーテル11は、前記可
撓管10の外周を前記噴霧ヘッド11Aの基端側からテ
フロン(登録商標)等の外装チューブ17に覆われてい
る。この外装チューブ17は、前記可撓管10の後端側
に設けたねじ止め固定部18により、前記可撓管10に
対して位置決め固定される。これら外装チューブ17及
びねじ止め固定部18は、前記噴霧カテーテル11の先
端側を管腔中央に位置決めするためのセンターリング手
段を構成している。このセンターリング手段は、後述す
る。 【0014】前記噴霧カテーテル11及び前記内視鏡2
aは、気管チューブ21に挿通されて気管支内に導出さ
れるようになっている。前記気管チューブ21は、この
体腔外側に設けた接続部であるエアウェイ22に前記人
工呼吸器4から送気される気体を望むように圧力センサ
23が設けられている。また、前記気管チューブ21
は、接続チューブ24を介して前記人工呼吸器4が接続
されている。更に、前記気管チューブ21は、この先端
側を体腔内で固定するためのバルーン25が設けられて
いる。尚、この気管チューブ21は、一般的に使用され
ている気管チューブであるので詳細な説明を省略する。 【0015】前記圧力センサ23は、前記制御装置12
に信号線23aで接続されている。この圧力センサ23
は、前記人工呼吸器4による吸気呼気時の圧力を検出
し、センサ信号を前記制御装置12に出力するようにな
っている。前記圧力センサ23は、検知する圧力の閾値
を前記人工呼吸器4による圧力上昇時と下降時、つまり
吸気開始時と終了時の閾値をそれぞれ別に設定可能であ
る。前記圧力センサ23は、アンプ分離型のデジタル又
はアナログ圧力センサである。前記圧力センサ23は、
前記制御装置12にて噴霧・送液駆動のタイミングを検
出することも可能である。従って、前記制御装置12
は、前記圧力センサ23からのセンサ信号に基づき、前
記噴霧ヘッド11Aを制御可能である。このことによ
り、本実施の形態では、前記制御装置12と前記人工呼
吸器4とを接続することなく、吸気呼気時のタイミング
に合わせて薬液の噴霧を行うことが可能となっている。 【0016】前記制御装置12は、前記噴霧カテーテル
11の前記噴霧ヘッド11Aへ駆動信号(交番電圧)を
出力して駆動する駆動回路31と、前記噴霧ヘッド11
Aに薬液を供給する送液部32と、この送液部32を駆
動する送液駆動部33と、前記送液部32からの薬液の
供給を制御する電磁弁34と、これらを制御する制御部
35とから構成される。また、前記制御装置12は、図
示しないスイッチ類を備えた操作パネル36の操作によ
り、前記制御部35及び前記駆動回路31が制御される
ようになっている。尚、前記制御部35は、例えばプロ
グラマブルコントローラであり、前記駆動回路31,前
記送液部32,前記送液駆動部33及び前記電磁弁34
を制御するためのプログラムを内蔵している。 【0017】前記制御部35は、前記圧力センサ23か
らのセンサ信号及び前記操作パネル36からの操作信号
に基づき、前記送液駆動部33へ送液開始又は停止信号
を出力するようになっている。前記送液駆動部33は、
前記制御部35からの信号に基づき、前記送液部32へ
駆動信号を出力するようになっている。前記送液部32
は、前記送液駆動部33からの駆動信号で駆動され、前
記噴霧カテーテル11へ薬液を供給するようになってい
る。このとき、前記制御部35は、前記電磁弁34へ開
閉信号を出力して、薬液の供給を制御している。尚、前
記電磁弁34は、送液停止時に前記送液部32からの薬
液がだらだらと供給されるのを防止するためのものであ
る。また、前記電磁弁34は、複数設けても良い。 【0018】前記送液部32は、薬液の残量を検出する
後述のリミットセンサを備え、薬液が残り少なくなった
とき、リミット検出信号を前記制御部35へ出力するよ
うになっている。 【0019】また、前記制御部35は、前記圧力センサ
23からのセンサ信号及び前記操作パネル36からの操
作信号又は前記送液部32からのリミット検出信号に基
づき、前記駆動回路31へ噴霧開始又は停止信号を出力
するようになっている。 【0020】前記駆動回路31は、前記噴霧ヘッド11
Aへ出力する駆動信号(交番電圧)の電流値を図示しな
い電流検知手段により検知するようになっている。前記
駆動回路31は、前記電流検知手段によりリークや断線
等を検知すると、前記制御部35へ非常停止信号を出力
すると共にシャットダウンするようになっている。ま
た、前記駆動回路31は、前記操作パネル36の後述す
る非常停止スイッチの押下操作によっても、前記制御部
35へ非常停止信号を出力するようになっている。尚、
前記操作パネル36の詳細構成は、後述する。また、前
記送液部32及び送液駆動部33は、後述の送液装置を
構成している。この送液装置の詳細構成は、後述する。 【0021】次に、前記噴霧カテーテル11の詳細構成
を説明する。先ず、図2〜図4を用いて前記噴霧カテー
テル11の先端側を管腔内で位置決めするためのセンタ
ーリング手段を説明する。図2及び図3に示すように前
記噴霧カテーテル11は、前記外装チューブ17の先端
側付近に切れ込みをいれて4つに分割し、センターリン
グ部41を形成している。 【0022】そして、図4に示すように前記可撓管10
に対して前記ねじ止め固定部18を先端側へずらすと、
前記外装チューブ17の先端側が前記噴霧ヘッド11A
と前記可撓管10の先端部との接続部42に形成した当
接部42a(図5参照)で止められ、前記可撓管10に
対して縮むことで、前記センターリング部41が外周外
向きに拡がるようになっている。 【0023】ここで、前記外装チューブ17は、前記ね
じ止め固定部18により、前記可撓管10に対して位置
決め固定されることで、前記センターリング部41の外
周外向きへの拡がりが固定される。このことにより、前
記噴霧カテーテル11は、この先端側が気管支内の管腔
中央に位置決めされ、前記噴霧ヘッド11Aから噴霧さ
れる薬液が気管支内の管腔壁に付着することなく、目的
部位まで到達できるようになっている。 【0024】次に、図5〜図7を用いて前記噴霧カテー
テル11の先端側の構成について説明する。上述したよ
うに前記噴霧カテーテル11は、前記可撓管10の先端
側に前記噴霧ヘッド11Aを備えて構成されている。 【0025】図5に示すように前記噴霧ヘッド11A
は、厚さ方向に分極処理された圧電素子51aをこの分
極方向が交互に対向するように複数枚積層した圧電素子
群51及びこの圧電素子群51の微小変位を増幅するス
テンレス製の共振器52で構成される超音波振動子53
と、この超音波振動子53の外周を覆うように前記共振
器52の基端側大径部52aの外周側面に固定される樹
脂製の円筒管54とで構成されている。 【0026】前記噴霧ヘッド11Aは、噴霧側を覆うよ
うに前記円筒管54の先端側に樹脂製の噴霧ヘッドカバ
ー55が設けられている。尚、この噴霧ヘッドカバー5
5は、前記円筒管54に一体的に形成されても良い。 【0027】前記噴霧ヘッド11Aは、この後端側を外
装部材56に保持固定されている。この外装部材56
は、この後端部を前記接続部42で接続固定されてい
る。この接続部42は、前記外装チューブ17の先端側
端面が当接する当接部42aを形成している。上述した
ように前記外装チューブ17の先端側は、この当接部4
2aに当接されて止められるようになっている。 【0028】前記噴霧ヘッド11Aの前記共振器52
は、この端面に例えば、ステンレス製の厚さ0.05m
mの円盤形状の無孔振動板57が接合固定されている。
この無孔振動板57に対向する前記円筒管54の内周面
側は、前記超音波振動子53の縦振動モードによる前記
無孔振動板57の当接から保護するための保護部材58
が設けられている。 【0029】前記共振器52は、この基端側大径部52
a内に例えば、内径φ0.3mmの薬液供給排出管59
の先端側が挿通固定されている。この薬液供給排出管5
9の他端側は、薬液チューブ61に覆われて前記中継コ
ネクタ14まで延出している。 【0030】前記圧電素子群51は、固定保持部材62
で保持されている。前記圧電素子群51は、図6及び図
7に示すようにそれぞれの圧電素子51aの電極に駆動
信号線63が接続されている。これら駆動信号線63の
他端側は、熱収縮チューブ64でまとめられて電線チュ
ーブ65に挿通し、前記中継コネクタ14まで延出して
いる。 【0031】前記接続部42の基端側に接続される前記
可撓管10の先端部10aは、この外装シース67を熱
収縮チューブ68で前記接続部42の延出部42bとで
挟持され、更にその外周を金属リング69で固定してい
る。 【0032】次に、図8を用いて前記噴霧ヘッド11A
の詳細構成を説明する。前記超音波振動子53は、前記
圧電素子群51の先端側端面が前記共振器52の基端側
大径部52aの端面に接着固定され、これら圧電素子群
51と共振器52とで一体的に構成されている。このと
き、前記共振器52は−極に導通されるようになってい
る。 【0033】前記圧電素子51aは、厚さ方向に分極処
理された圧電材料を用いて形成され、両端面に銀又はニ
ッケル電極がそれぞれパターニングされている。前記圧
電素子51aは、例えば厚さ0.2mm、外径2mm×
2mmの四角形状である。 【0034】前記圧電素子51aは、例えば、分極方向
が対向するように4枚積層して前記圧電素子群51を構
成している。尚、本実施の形態では、前記圧電素子を4
枚積層して圧電素子群51を構成しているが、積層枚数
を増加させれば振幅を増大させ噴霧量を増加でき、積層
枚数を減少させれば、高周波数化され、粒子径の微細化
が図られることは言うまでもない。 【0035】前記圧電素子51aは、十極と−極とを前
記駆動信号線63であるリード線に接続されている。
尚、前記圧電素子51aは、十極と−極とを図示しない
フレキシブル基板を介して前記駆動信号線63に接続さ
れていても良い。また、各圧電素子51a間は、配線接
続を容易とするために図示しない電極板を設置しても良
い。 【0036】これら駆動信号線63を介して、前記圧電
素子51aは、前記駆動回路31から間欠された正弦波
又は矩形波の駆動信号を所定の電圧・周波数・パルス数
にて印加されて微小変位するようになっている。 【0037】そして、前記噴霧ヘッド11Aは、前記圧
電素子群51で発生した超音波振動により、前記共振器
52を長手軸方向の縦振動モードで励起し、後述する貯
液部に貯液された薬液を前記無孔振動板57の噴霧側面
上に供給して、この無孔振動板57の噴霧側面上から霧
化し噴霧させるようになっている。 【0038】前記共振器52は、この先端側大径部52
bに凹部70aが形成され、この外周部端面でのみ前記
無孔振動板57が接合固定されている。このことによ
り、前記共振器52は、前記凹部70aによって、前記
無孔振動板57の振動変位が薬液接触による減衰を引き
起こしにくく、前記圧電素子群51に印加される電圧値
が小さい値でも、容易に噴霧を可能とすると共に、逆に
高い電圧を印加することにより、より高粘度の薬液又
は、低表面張力の薬液又は比較的大きな分散粒子を含む
薬液を噴霧することができる。前記無孔振動板57は、
例えばフッ素系の撥水膜71がコーティングされてい
る。尚、前記先端側大径部52bの端面は、前記撥水膜
71が形成されていない。 【0039】前記共振器52は、前記先端側大径部52
bと前記基端側大径部52aとの間に細径部52cを形
成し、この細径部52cは前記凹部70aに連通する空
間部70bを前記基端側大径部52aまで形成してい
る。前記共振器52は、例えば、全長6mmで、前記基
端側大径部52aを外径略φ4mm、前記先端側大径部
52bを外径略φ3mm、前記細径部52cを外径略φ
0.8mm、内径略φ0.5mmに形成している。 【0040】このことにより、前記共振器52は、この
断面積を前記細径部52cで減少させている。このた
め、前記共振器52は、前記圧電素子群51で発生する
微小変位に共振励振する振動振幅の拡大率が向上し、単
なる円筒共振器52よりも大振幅を得られ易くなってい
る。また、前記共振器52は、振動腹位置に形成された
先端側大径部52bが付加質量となり、この先端側大径
部52bと細径部52cとの接続部52dで大きな変形
を誘引するようになっている。このことにより、前記共
振器52は、先端側大径部52bの外周部(無孔振動板
57の接合外周部)において、最大変位となる縦振動モ
ードが励振され、前記無孔振動板57と共に屈曲振動を
行う。結果として、前記無孔振動板57は、前記共振器
52に共振励振し、大振幅振動を励起して前記共振器5
2の先端側大径部52bの中央部付近において、最大振
幅が得られるようになっている。 【0041】上述したように前記共振器52の基端側大
径部52aは、この外周側面に前記円筒管54が接着固
定されている。このことにより、前記共振器52の細径
部52cの外周と前記円筒管54の内径との間は、前記
薬液供給排出管59の先端開口が設けられ、この薬液供
給排出管59から供給される薬液を貯液するための貯液
部72を形成している。 【0042】前記円筒管54は、この先端側端面と前記
共振器52の先端側大径部52bの端面に比べ、長手軸
方向に数百μm程度長く形成されている。また、前記円
筒管54は、この内径と前記先端側大径部52bの外周
とから形成される円環隙間(又は円環噴霧ギャップとも
言う)73が約数百μm程度になるように同軸組立され
構成される。 【0043】このように構成される前記噴霧ヘッド11
Aは、前記薬液供給排出管59から薬液を供給され、前
記貯液部72に貯液される。そして、前記噴霧ヘッド1
1Aは、上述したように前記駆動回路31から駆動信号
を印加されることで、圧電素子群51が微小変位し、前
記共振器52が長手軸方向の縦振動モードで励起し、前
記無孔振動板57が共振励振して大振幅振動を励起し屈
曲振動する。 【0044】前記貯液部72に貯液される薬液は、前記
円環隙間73を介して前記無孔振動板57上へ供給され
る。そして、前記無孔振動板57上の薬液は、無孔振動
板57の屈曲振動によりこの無孔振動板57上でキャピ
ラリー波を励起され、このキャピラリー波により前記無
孔振動板57全面から大量の薬液が霧化されて、分離飛
翔し噴霧されるようになっている。 【0045】上述したように、前記噴霧ヘッド11A
は、前記駆動回路31から駆動信号(交番電圧)を供給
されて駆動するようになっている。前記駆動回路31
は、図9に示すように構成されている。 【0046】前記駆動回路31は、発振して矩形波等の
交流波(連続波)を発生する波形発生回路81と、この
波形発生回路81に対して出力される交流波の波形を整
形する波形整形回路82と、この波形整形回路82で整
形された交流波を増幅する増幅回路83と、この増幅回
路83で増幅された交流波の出力を制御する出力制御回
路84と、この出力制御回路84から出力される電流を
検知する電流検出回路85と、この電流検出回路85で
検出された電流値に基づき、前記噴霧ヘッド11Aの状
態を検出して、前記出力制御回路84を制御する状態検
出回路86とから構成されている。 【0047】前記波形発生回路81は、発生する交流波
(連続波)として正弦波,矩形波,三角波,鋸波のいず
れかを発生するようになっている。また、前記波形発生
回路81は、図示しないPLL( Phase Locked Loop
)回路もしくは発振器及び周波数計数器を備え、周波
数可変機能を有している。このことにより、前記波形発
生回路81は、前記噴霧ヘッド11Aの駆動に最も適し
た周波数の交流波形を発生することが可能である。 【0048】前記波形整形回路82は、前記圧力センサ
23からのセンサ信号に基づく前記制御部35からの制
御信号により制御され、前記噴霧ヘッド11Aに対して
最適な波形となるよう交流波(連続波)を整形するよう
になっている。また、前記波形整形回路82は、前記操
作パネル36もしくは制御部35からの非常停止信号に
よりシャットダウンするようになっている。 【0049】前記増幅回路83は、前記波形整形回路8
2から出力される整形済み交流波を噴霧ヘッド11Aに
印可する大きさまでリニア増幅器で増幅することによ
り、駆動信号(交番電圧)を生成するようになってい
る。また、前記増幅回路83は、前記波形発生回路81
で発生する元の波形が矩形波の場合、スイッチング回路
で整形済み交流波を増幅することが可能である。また、
前記増幅回路83は、トランス回路を用いて整形済み交
流波(連続波)を最適な電圧へ昇圧することも可能であ
る。 【0050】前記出力制御回路84は、電気信号による
オンオフを制御可能な図示しないリレー素子を用いて前
記噴霧ヘッド11Aへの駆動信号(交番電圧)の供給の
制御を行うように構成されている。尚、前記リレー素子
は、メカニカルリレー素子等、物理的に絶縁できるもの
が有効である。 【0051】前記電流検出回路85は、電流トランス、
もしくは、低抵抗の電圧降下等を用いて前記出力制御回
路84から出力される駆動信号(交番電圧)の電流を検
知可能に構成されている。 【0052】前記状態検出回路86は、前記電流検出回
路85からの出力を用いて、前記噴霧ヘッド11Aの状
態を検出するようになっている。そして、前記状態検出
回路86は、前記噴霧ヘッド11Aの状態を検出する
と、前記出力制御回路84及び前記制御部35へ検出信
号を出力するようになっている。 【0053】このように構成される駆動回路31は、図
10(a)に示す駆動信号(交番電圧)を出力して前記
噴霧ヘッド11Aを駆動する。前記噴霧ヘッド11Aへ
供給されている電流波形は、供給電圧波形とほぼ同じ形
状をしているものする。ここで、図10(b)に示すよ
うに前記駆動回路31から供給される駆動信号(交番電
圧)は、この噴霧開始時に突入電流として突発的な過大
電流を発生する虞れが生じる。 【0054】また、図10(c)に示すように前記駆動
回路31から供給される駆動信号(交番電圧)は、前記
噴霧ヘッド11Aの負荷条件(環境の変化)等により、
突入電流として突発的な過大電流を発生する虞れが生じ
る。 【0055】これら図10(b),(c)に示す過大電
流が発生する場合、前記状態検出回路86は、過大電流
に対して単純に閾値を定めて検出すると、前記噴霧ヘッ
ド11Aの状態の誤認識が発生する虞れが生じる。 【0056】そこで、本実施の形態では、時間的な幅を
設けて、その間で過大電流が流れ続けることを検出する
ことで、駆動信号(交番電圧)の供給を停止させる駆動
停止手段として前記状態検出回路86を構成する。 【0057】即ち、前記状態検出回路86は、図11に
示すように前記電流検出回路85で検出される電流値を
信号処理して、前記噴霧ヘッド11Aの状態を検出する
ようになっている。図11(a)は前記電流検出回路8
5で検出される電流の波形図である。ここで、例えば、
検出される電流の1周期は、5μsec程度である。
尚、前記噴霧ヘッド11Aへ供給されている電流波形
は、供給電圧波形とほぼ同じ形状をしているものとして
いる。 【0058】前記状態検出回路86は、先ず、図11
(b)に示すように前記電流検出回路85で検出される
駆動信号(交番電圧)の電流を全波整流する。次に、前
記状態検出回路86は、図11(c)に示すように全波
整流した電流値に対し、所定の閾値例えばIthで二値化
を行い、二値化信号を生成する。このとき、二値化信号
は、駆動信号(交番信号)の1/2の周期で元の電流波
形の周期毎に断続的な信号となる。尚、ここで、二値化
後1になる状態を過電流状態と呼ぶ。 【0059】そして、前記状態検出回路86は、図11
(d)に示すように断続的な信号をつなげる(滑かにす
る)ために、二値化信号に対して半波長より少し長いく
らいのディレイ(遅延)を掛ける。次に、前記状態検出
回路86は、ディレイを掛けた信号を例えば約1mse
cくらいでサンプリングし、例えば2〜10回くらいの
過去N回のサンプルに対し数値演算を行い、結果を出力
する。 【0060】そして、前記状態検出回路86は、電流オ
ーバ(過電流状態)が過去N回のうち設定された回数以
上のとき、検出信号を前記出力制御回路84及び前記制
御部35へ出力する。 【0061】尚、前記数値演算は、図示しない数値演算
回路を用いる。前記設定された回数がN回のとき、図示
しないAND(論理積)演算を用いれば良い。また、前
記設定された回数が(N/2)回のときは、図示しない
多数決回路を用いれば良い。 【0062】前記出力制御回路84は、前記状態検出回
路86からの検出信号を受信すると、前記噴霧ヘッド1
1Aへの出力を停止するようになっている。一方、前記
制御部35は、前記状態検出回路86からの検出信号を
受信すると、前記送液駆動部へ送液停止信号を、前記電
磁弁34へ閉信号を出力し、全駆動を停止するようにな
っている。このとき、前記制御部35は、前記操作パネ
ル36に設けた図示しない報知手段により、警告報知を
行うようにしても良い。 【0063】尚、前記状態検出回路86は、前記出力制
御回路84から出力される駆動信号(交番電圧)が間欠
された交番電圧である場合、サンプルをとる周期と間欠
周波数(繰り返し周波数)との関係によって、駆動信号
(交番電圧)が出力されてない区間(出力の休止区間)
を含むので、状態検出が行えない場合がある。そこで、
前記状態検出回路86は、駆動信号(交番電圧)が出力
されてない区間(出力の休止区間)でサンプルをとらず
その間をスキップするようにする。 【0064】即ち、図12に示すように前記状態検出回
路86は、駆動信号(交番電圧)が間欠された正弦波或
いは矩形波の交番電圧である場合、駆動信号(交番電
圧)が出力されてない区間(出力の休止区間)ではサン
プルをとらず、次の駆動信号(交番電圧)が出力されて
るときまで待って過去N個で評価するように構成しても
良い。 【0065】尚、上述した駆動回路31は、前記噴霧ヘ
ッド11Aに対して独立に(前記噴霧ヘッド11Aの状
態と係わらず)駆動する他励発振回路であるが、図13
に示すように前記噴霧ヘッド11Aからのフィードバッ
ク(正帰還)により駆動する自励発振回路で構成されて
も良い。図13は図9の駆動回路の変形例である。 【0066】即ち、図13に示すように自励発振回路で
ある駆動回路31Bは、前記噴霧ヘッド11Aからのフ
ィードバック信号(電流,電圧等)を前記増幅回路83
へ入力するように構成されている。 【0067】前記フィードバック信号により、前記駆動
回路31Bは、自励発振状態となり、前記増幅回路83
は駆動信号(交番電圧)を出力する。尚、このため、前
記制御部35は、前記圧力センサ23からのセンサ信号
に基づく前記制御部35からの制御信号を前記増幅回路
83へ出力するようになっている。また、前記駆動回路
31における波形発生回路81,波形整形回路82は、
前記駆動回路31Bの構成に含まれない。それ以外の構
成は、上記駆動回路31と同様である。 【0068】この結果、本実施の形態では、駆動手段を
保護し、噴霧手段を停止させる噴霧装置を実現できる。 【0069】また、本発明は、以上述べた実施形態のみ
に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。 【0070】[付記] (付記項1) 超音波振動により液体を霧化し噴霧する
噴霧手段及びこの噴霧手段を駆動する駆動手段を具備
し、前記駆動手段から前記噴霧手段へ供給する電流値を
検知するための検知手段と、前記検知手段で検知した電
流値に対し、所定の閾値を越えた回数を所定の時間間隔
で所定の期間においてカウントし、このカウントした数
が設定された数以上のとき、前記噴霧手段を停止させる
よう前記駆動手段を制御する駆動停止手段と、を設けた
ことを特徴とする噴霧装置。 【0071】(付記項2) 前記駆動停止手段は、前記
検知手段で検出される電流値を全波整流する全波整流手
段と、この全波整流手段で全波整流した電流値に対し、
所定の閾値で二値化を行い、二値化信号を生成する二値
化信号生成手段と、この二値化信号生成手段で生成され
た二値化信号に対してディレイを掛けるディレイ手段
と、このディレイ手段でディレイを掛けた信号を所定の
間隔でサンプリングするサンプリング手段と、このサン
プリング手段のサンプリング結果に基づき、所定の閾値
以上の数を判定する判定手段と、この判定手段の判定結
果に基づき、閾値を越えたものが設定された数以上のと
き、検出信号を前記駆動停止手段へ出力する出力手段と
を具備したことを特徴とする付記項1に記載の噴霧装
置。 【0072】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、駆
動手段を保護し、噴霧手段を停止させる噴霧装置を実現
できる。
液体を霧化し噴霧する噴霧装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、噴霧装置は、医療用もしくは工業
用に広く用いられている。上記噴霧装置は、液体を霧化
し噴霧する噴霧手段を備えているものがある。上記噴霧
装置は、例えば、特開平5−228410号公報や特開
平7−275762号公報に記載されているように超音
波振動により液体を霧化し噴霧する噴霧手段及びこの噴
霧手段を駆動する駆動手段を備えたものが提案されてい
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−228410号公報や特開平7−275762
号公報に記載の噴霧装置は、上記噴霧手段の状態を検知
して、上記噴霧手段を停止させるような停止手段を設け
ていない。 【0004】上記噴霧装置は、上記駆動手段から供給さ
れる駆動信号が噴霧開始時に突発的な過大電流を発生す
る可能性がある。また、上記噴霧装置は、上記噴霧手段
の負荷条件(環境の変化)等により、突発的な過大電流
を発生する可能性がある。 【0005】これら過大電流が発生する場合、上記噴霧
装置は、駆動手段を保護すると共に、上記噴霧手段を停
止させる必要がある。これら過大電流が発生する場合、
上記噴霧装置は、過大電流に対して単純に閾値を定めて
検出するように構成すると、上記噴霧手段の状態に対し
て誤認識が発生する虞れが生じる。 【0006】本発明は、これらの事情に鑑みてなされた
ものであり、駆動手段を保護し、噴霧手段を停止させる
噴霧装置を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、超音波振動により液体を霧化し噴霧する噴霧
手段及びこの噴霧手段を駆動する駆動手段を具備し、前
記駆動手段から前記噴霧手段へ供給する電流値を検知す
るための検知手段と、前記検知手段で検知した電流値に
対し、所定の閾値を越えた回数を所定の時間間隔で所定
の期間においてカウントし、このカウントした数が設定
された数以上のとき、前記噴霧手段を停止させるよう前
記駆動手段を制御する駆動停止手段と、を設けたことを
特徴としている。この構成により、駆動手段を保護し、
噴霧手段を停止させる噴霧装置を実現する。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の1
実施の形態を説明する。図1ないし図13は本発明の1
実施の形態に係り、図1は本発明の1実施の形態を備え
た医用噴霧システムを示す全体構成図、図2は図1の噴
霧カテーテルの先端側を示す説明図、図3は図2の噴霧
カテーテルをA方向から見た外観正面図、図4は図1の
噴霧カテーテルの後端側を示す説明図、図5は図1の噴
霧カテーテルの先端側を示す断面説明図、図6は図5の
噴霧カテーテルの圧電素子群付近を示す断面説明図、図
7は図5のB−B断面図、図8は図5の噴霧ヘッドを示
す断面構成図、図9は図1の駆動回路を示す回路ブロッ
ク図、図10は図9の駆動回路から出力される駆動信号
(交番電圧)の電圧及び電流を示す波形図であり、図1
0(a)は駆動信号(交番電圧)の電圧を示す波形図で
あり、図10(b)は同図(a)の電流を示し、噴霧開
始時の突入電流が現れる際の波形図、図10(c)は図
10(b)は同図(a)の電流を示し、負荷条件の変化
による突発的な過大電流が現れる際の波形図、図11は
図10の状態検出回路の動作を示す説明図であり、図1
1(a)は電流検出回路で検出される電流の波形図、図
11(b)は同図(a)の電流を全波整流した際の波形
図、図11(c)は同図(b)の電流値を二値化した際
の波形図、図11(d)は同図(c)の二値化信号に対
してディレイを掛け、このディレイを掛けた信号を波形
の周期よりも長い周期読み取り、この読み取った信号を
サンプリングし、過去N回のサンプルに対し数値演算を
行った際の説明図、図12は図11の変形例を示す説明
図、図13は図10の変形例を示す駆動回路の回路ブロ
ック図である。本実施の形態では、特に気管支治療用に
用いられる医用噴霧装置に本発明を適用して説明する。 【0009】図1に示すように本発明の第1の実施の形
態を備えた医用噴霧システム1は、内視鏡装置2と、医
用噴霧装置(以下、単に噴霧装置)3と、人工呼吸器4
とから構成される。尚、本実施の形態の医用噴霧システ
ム1は、内視鏡装置2と組み合わせるように構成してい
るが、噴霧装置3のみでもシステムを構成可能である。 【0010】前記内視鏡装置2は、図示しない撮像手段
を備えた電子内視鏡(以下、内視鏡)2aに光源装置
(不図示)及びビデオプロセッサ(不図示)を着脱自在
に接続して構成される。前記内視鏡装置2は、前記光源
装置から前記内視鏡2aに照明光が供給され、被写体を
照明する。照明された被写体像は、前記内視鏡2aの挿
入部先端部から取り込まれ、前記撮像装置で撮像され
る。前記ビデオプロセッサは、前記内視鏡2aの撮像装
置からの撮像信号を図示しない信号処理回路で信号処理
し、図示しないモニタに伝送して内視鏡画像を表示させ
るようになっている。 【0011】前記噴霧装置3は、気管支に挿入可能な細
長で軟性な可撓管10の先端側に設けられ、超音波振動
によって液体である薬液を霧化し噴霧する噴霧ヘッド1
1Aを備えた噴霧カテーテル11と、この噴霧カテーテ
ル11の前記噴霧ヘッド11Aを制御する制御装置12
とから主に構成されている。 【0012】前記噴霧カテーテル11は、前記可撓管1
0の後端側にコネクタ部13が延出されている。このコ
ネクタ部13は、中継コネクタ14を介して駆動信号線
15及び送液チューブ16を着脱自在に接続されること
で、前記制御装置12に接続されるようになっている。 【0013】また、前記噴霧カテーテル11は、前記可
撓管10の外周を前記噴霧ヘッド11Aの基端側からテ
フロン(登録商標)等の外装チューブ17に覆われてい
る。この外装チューブ17は、前記可撓管10の後端側
に設けたねじ止め固定部18により、前記可撓管10に
対して位置決め固定される。これら外装チューブ17及
びねじ止め固定部18は、前記噴霧カテーテル11の先
端側を管腔中央に位置決めするためのセンターリング手
段を構成している。このセンターリング手段は、後述す
る。 【0014】前記噴霧カテーテル11及び前記内視鏡2
aは、気管チューブ21に挿通されて気管支内に導出さ
れるようになっている。前記気管チューブ21は、この
体腔外側に設けた接続部であるエアウェイ22に前記人
工呼吸器4から送気される気体を望むように圧力センサ
23が設けられている。また、前記気管チューブ21
は、接続チューブ24を介して前記人工呼吸器4が接続
されている。更に、前記気管チューブ21は、この先端
側を体腔内で固定するためのバルーン25が設けられて
いる。尚、この気管チューブ21は、一般的に使用され
ている気管チューブであるので詳細な説明を省略する。 【0015】前記圧力センサ23は、前記制御装置12
に信号線23aで接続されている。この圧力センサ23
は、前記人工呼吸器4による吸気呼気時の圧力を検出
し、センサ信号を前記制御装置12に出力するようにな
っている。前記圧力センサ23は、検知する圧力の閾値
を前記人工呼吸器4による圧力上昇時と下降時、つまり
吸気開始時と終了時の閾値をそれぞれ別に設定可能であ
る。前記圧力センサ23は、アンプ分離型のデジタル又
はアナログ圧力センサである。前記圧力センサ23は、
前記制御装置12にて噴霧・送液駆動のタイミングを検
出することも可能である。従って、前記制御装置12
は、前記圧力センサ23からのセンサ信号に基づき、前
記噴霧ヘッド11Aを制御可能である。このことによ
り、本実施の形態では、前記制御装置12と前記人工呼
吸器4とを接続することなく、吸気呼気時のタイミング
に合わせて薬液の噴霧を行うことが可能となっている。 【0016】前記制御装置12は、前記噴霧カテーテル
11の前記噴霧ヘッド11Aへ駆動信号(交番電圧)を
出力して駆動する駆動回路31と、前記噴霧ヘッド11
Aに薬液を供給する送液部32と、この送液部32を駆
動する送液駆動部33と、前記送液部32からの薬液の
供給を制御する電磁弁34と、これらを制御する制御部
35とから構成される。また、前記制御装置12は、図
示しないスイッチ類を備えた操作パネル36の操作によ
り、前記制御部35及び前記駆動回路31が制御される
ようになっている。尚、前記制御部35は、例えばプロ
グラマブルコントローラであり、前記駆動回路31,前
記送液部32,前記送液駆動部33及び前記電磁弁34
を制御するためのプログラムを内蔵している。 【0017】前記制御部35は、前記圧力センサ23か
らのセンサ信号及び前記操作パネル36からの操作信号
に基づき、前記送液駆動部33へ送液開始又は停止信号
を出力するようになっている。前記送液駆動部33は、
前記制御部35からの信号に基づき、前記送液部32へ
駆動信号を出力するようになっている。前記送液部32
は、前記送液駆動部33からの駆動信号で駆動され、前
記噴霧カテーテル11へ薬液を供給するようになってい
る。このとき、前記制御部35は、前記電磁弁34へ開
閉信号を出力して、薬液の供給を制御している。尚、前
記電磁弁34は、送液停止時に前記送液部32からの薬
液がだらだらと供給されるのを防止するためのものであ
る。また、前記電磁弁34は、複数設けても良い。 【0018】前記送液部32は、薬液の残量を検出する
後述のリミットセンサを備え、薬液が残り少なくなった
とき、リミット検出信号を前記制御部35へ出力するよ
うになっている。 【0019】また、前記制御部35は、前記圧力センサ
23からのセンサ信号及び前記操作パネル36からの操
作信号又は前記送液部32からのリミット検出信号に基
づき、前記駆動回路31へ噴霧開始又は停止信号を出力
するようになっている。 【0020】前記駆動回路31は、前記噴霧ヘッド11
Aへ出力する駆動信号(交番電圧)の電流値を図示しな
い電流検知手段により検知するようになっている。前記
駆動回路31は、前記電流検知手段によりリークや断線
等を検知すると、前記制御部35へ非常停止信号を出力
すると共にシャットダウンするようになっている。ま
た、前記駆動回路31は、前記操作パネル36の後述す
る非常停止スイッチの押下操作によっても、前記制御部
35へ非常停止信号を出力するようになっている。尚、
前記操作パネル36の詳細構成は、後述する。また、前
記送液部32及び送液駆動部33は、後述の送液装置を
構成している。この送液装置の詳細構成は、後述する。 【0021】次に、前記噴霧カテーテル11の詳細構成
を説明する。先ず、図2〜図4を用いて前記噴霧カテー
テル11の先端側を管腔内で位置決めするためのセンタ
ーリング手段を説明する。図2及び図3に示すように前
記噴霧カテーテル11は、前記外装チューブ17の先端
側付近に切れ込みをいれて4つに分割し、センターリン
グ部41を形成している。 【0022】そして、図4に示すように前記可撓管10
に対して前記ねじ止め固定部18を先端側へずらすと、
前記外装チューブ17の先端側が前記噴霧ヘッド11A
と前記可撓管10の先端部との接続部42に形成した当
接部42a(図5参照)で止められ、前記可撓管10に
対して縮むことで、前記センターリング部41が外周外
向きに拡がるようになっている。 【0023】ここで、前記外装チューブ17は、前記ね
じ止め固定部18により、前記可撓管10に対して位置
決め固定されることで、前記センターリング部41の外
周外向きへの拡がりが固定される。このことにより、前
記噴霧カテーテル11は、この先端側が気管支内の管腔
中央に位置決めされ、前記噴霧ヘッド11Aから噴霧さ
れる薬液が気管支内の管腔壁に付着することなく、目的
部位まで到達できるようになっている。 【0024】次に、図5〜図7を用いて前記噴霧カテー
テル11の先端側の構成について説明する。上述したよ
うに前記噴霧カテーテル11は、前記可撓管10の先端
側に前記噴霧ヘッド11Aを備えて構成されている。 【0025】図5に示すように前記噴霧ヘッド11A
は、厚さ方向に分極処理された圧電素子51aをこの分
極方向が交互に対向するように複数枚積層した圧電素子
群51及びこの圧電素子群51の微小変位を増幅するス
テンレス製の共振器52で構成される超音波振動子53
と、この超音波振動子53の外周を覆うように前記共振
器52の基端側大径部52aの外周側面に固定される樹
脂製の円筒管54とで構成されている。 【0026】前記噴霧ヘッド11Aは、噴霧側を覆うよ
うに前記円筒管54の先端側に樹脂製の噴霧ヘッドカバ
ー55が設けられている。尚、この噴霧ヘッドカバー5
5は、前記円筒管54に一体的に形成されても良い。 【0027】前記噴霧ヘッド11Aは、この後端側を外
装部材56に保持固定されている。この外装部材56
は、この後端部を前記接続部42で接続固定されてい
る。この接続部42は、前記外装チューブ17の先端側
端面が当接する当接部42aを形成している。上述した
ように前記外装チューブ17の先端側は、この当接部4
2aに当接されて止められるようになっている。 【0028】前記噴霧ヘッド11Aの前記共振器52
は、この端面に例えば、ステンレス製の厚さ0.05m
mの円盤形状の無孔振動板57が接合固定されている。
この無孔振動板57に対向する前記円筒管54の内周面
側は、前記超音波振動子53の縦振動モードによる前記
無孔振動板57の当接から保護するための保護部材58
が設けられている。 【0029】前記共振器52は、この基端側大径部52
a内に例えば、内径φ0.3mmの薬液供給排出管59
の先端側が挿通固定されている。この薬液供給排出管5
9の他端側は、薬液チューブ61に覆われて前記中継コ
ネクタ14まで延出している。 【0030】前記圧電素子群51は、固定保持部材62
で保持されている。前記圧電素子群51は、図6及び図
7に示すようにそれぞれの圧電素子51aの電極に駆動
信号線63が接続されている。これら駆動信号線63の
他端側は、熱収縮チューブ64でまとめられて電線チュ
ーブ65に挿通し、前記中継コネクタ14まで延出して
いる。 【0031】前記接続部42の基端側に接続される前記
可撓管10の先端部10aは、この外装シース67を熱
収縮チューブ68で前記接続部42の延出部42bとで
挟持され、更にその外周を金属リング69で固定してい
る。 【0032】次に、図8を用いて前記噴霧ヘッド11A
の詳細構成を説明する。前記超音波振動子53は、前記
圧電素子群51の先端側端面が前記共振器52の基端側
大径部52aの端面に接着固定され、これら圧電素子群
51と共振器52とで一体的に構成されている。このと
き、前記共振器52は−極に導通されるようになってい
る。 【0033】前記圧電素子51aは、厚さ方向に分極処
理された圧電材料を用いて形成され、両端面に銀又はニ
ッケル電極がそれぞれパターニングされている。前記圧
電素子51aは、例えば厚さ0.2mm、外径2mm×
2mmの四角形状である。 【0034】前記圧電素子51aは、例えば、分極方向
が対向するように4枚積層して前記圧電素子群51を構
成している。尚、本実施の形態では、前記圧電素子を4
枚積層して圧電素子群51を構成しているが、積層枚数
を増加させれば振幅を増大させ噴霧量を増加でき、積層
枚数を減少させれば、高周波数化され、粒子径の微細化
が図られることは言うまでもない。 【0035】前記圧電素子51aは、十極と−極とを前
記駆動信号線63であるリード線に接続されている。
尚、前記圧電素子51aは、十極と−極とを図示しない
フレキシブル基板を介して前記駆動信号線63に接続さ
れていても良い。また、各圧電素子51a間は、配線接
続を容易とするために図示しない電極板を設置しても良
い。 【0036】これら駆動信号線63を介して、前記圧電
素子51aは、前記駆動回路31から間欠された正弦波
又は矩形波の駆動信号を所定の電圧・周波数・パルス数
にて印加されて微小変位するようになっている。 【0037】そして、前記噴霧ヘッド11Aは、前記圧
電素子群51で発生した超音波振動により、前記共振器
52を長手軸方向の縦振動モードで励起し、後述する貯
液部に貯液された薬液を前記無孔振動板57の噴霧側面
上に供給して、この無孔振動板57の噴霧側面上から霧
化し噴霧させるようになっている。 【0038】前記共振器52は、この先端側大径部52
bに凹部70aが形成され、この外周部端面でのみ前記
無孔振動板57が接合固定されている。このことによ
り、前記共振器52は、前記凹部70aによって、前記
無孔振動板57の振動変位が薬液接触による減衰を引き
起こしにくく、前記圧電素子群51に印加される電圧値
が小さい値でも、容易に噴霧を可能とすると共に、逆に
高い電圧を印加することにより、より高粘度の薬液又
は、低表面張力の薬液又は比較的大きな分散粒子を含む
薬液を噴霧することができる。前記無孔振動板57は、
例えばフッ素系の撥水膜71がコーティングされてい
る。尚、前記先端側大径部52bの端面は、前記撥水膜
71が形成されていない。 【0039】前記共振器52は、前記先端側大径部52
bと前記基端側大径部52aとの間に細径部52cを形
成し、この細径部52cは前記凹部70aに連通する空
間部70bを前記基端側大径部52aまで形成してい
る。前記共振器52は、例えば、全長6mmで、前記基
端側大径部52aを外径略φ4mm、前記先端側大径部
52bを外径略φ3mm、前記細径部52cを外径略φ
0.8mm、内径略φ0.5mmに形成している。 【0040】このことにより、前記共振器52は、この
断面積を前記細径部52cで減少させている。このた
め、前記共振器52は、前記圧電素子群51で発生する
微小変位に共振励振する振動振幅の拡大率が向上し、単
なる円筒共振器52よりも大振幅を得られ易くなってい
る。また、前記共振器52は、振動腹位置に形成された
先端側大径部52bが付加質量となり、この先端側大径
部52bと細径部52cとの接続部52dで大きな変形
を誘引するようになっている。このことにより、前記共
振器52は、先端側大径部52bの外周部(無孔振動板
57の接合外周部)において、最大変位となる縦振動モ
ードが励振され、前記無孔振動板57と共に屈曲振動を
行う。結果として、前記無孔振動板57は、前記共振器
52に共振励振し、大振幅振動を励起して前記共振器5
2の先端側大径部52bの中央部付近において、最大振
幅が得られるようになっている。 【0041】上述したように前記共振器52の基端側大
径部52aは、この外周側面に前記円筒管54が接着固
定されている。このことにより、前記共振器52の細径
部52cの外周と前記円筒管54の内径との間は、前記
薬液供給排出管59の先端開口が設けられ、この薬液供
給排出管59から供給される薬液を貯液するための貯液
部72を形成している。 【0042】前記円筒管54は、この先端側端面と前記
共振器52の先端側大径部52bの端面に比べ、長手軸
方向に数百μm程度長く形成されている。また、前記円
筒管54は、この内径と前記先端側大径部52bの外周
とから形成される円環隙間(又は円環噴霧ギャップとも
言う)73が約数百μm程度になるように同軸組立され
構成される。 【0043】このように構成される前記噴霧ヘッド11
Aは、前記薬液供給排出管59から薬液を供給され、前
記貯液部72に貯液される。そして、前記噴霧ヘッド1
1Aは、上述したように前記駆動回路31から駆動信号
を印加されることで、圧電素子群51が微小変位し、前
記共振器52が長手軸方向の縦振動モードで励起し、前
記無孔振動板57が共振励振して大振幅振動を励起し屈
曲振動する。 【0044】前記貯液部72に貯液される薬液は、前記
円環隙間73を介して前記無孔振動板57上へ供給され
る。そして、前記無孔振動板57上の薬液は、無孔振動
板57の屈曲振動によりこの無孔振動板57上でキャピ
ラリー波を励起され、このキャピラリー波により前記無
孔振動板57全面から大量の薬液が霧化されて、分離飛
翔し噴霧されるようになっている。 【0045】上述したように、前記噴霧ヘッド11A
は、前記駆動回路31から駆動信号(交番電圧)を供給
されて駆動するようになっている。前記駆動回路31
は、図9に示すように構成されている。 【0046】前記駆動回路31は、発振して矩形波等の
交流波(連続波)を発生する波形発生回路81と、この
波形発生回路81に対して出力される交流波の波形を整
形する波形整形回路82と、この波形整形回路82で整
形された交流波を増幅する増幅回路83と、この増幅回
路83で増幅された交流波の出力を制御する出力制御回
路84と、この出力制御回路84から出力される電流を
検知する電流検出回路85と、この電流検出回路85で
検出された電流値に基づき、前記噴霧ヘッド11Aの状
態を検出して、前記出力制御回路84を制御する状態検
出回路86とから構成されている。 【0047】前記波形発生回路81は、発生する交流波
(連続波)として正弦波,矩形波,三角波,鋸波のいず
れかを発生するようになっている。また、前記波形発生
回路81は、図示しないPLL( Phase Locked Loop
)回路もしくは発振器及び周波数計数器を備え、周波
数可変機能を有している。このことにより、前記波形発
生回路81は、前記噴霧ヘッド11Aの駆動に最も適し
た周波数の交流波形を発生することが可能である。 【0048】前記波形整形回路82は、前記圧力センサ
23からのセンサ信号に基づく前記制御部35からの制
御信号により制御され、前記噴霧ヘッド11Aに対して
最適な波形となるよう交流波(連続波)を整形するよう
になっている。また、前記波形整形回路82は、前記操
作パネル36もしくは制御部35からの非常停止信号に
よりシャットダウンするようになっている。 【0049】前記増幅回路83は、前記波形整形回路8
2から出力される整形済み交流波を噴霧ヘッド11Aに
印可する大きさまでリニア増幅器で増幅することによ
り、駆動信号(交番電圧)を生成するようになってい
る。また、前記増幅回路83は、前記波形発生回路81
で発生する元の波形が矩形波の場合、スイッチング回路
で整形済み交流波を増幅することが可能である。また、
前記増幅回路83は、トランス回路を用いて整形済み交
流波(連続波)を最適な電圧へ昇圧することも可能であ
る。 【0050】前記出力制御回路84は、電気信号による
オンオフを制御可能な図示しないリレー素子を用いて前
記噴霧ヘッド11Aへの駆動信号(交番電圧)の供給の
制御を行うように構成されている。尚、前記リレー素子
は、メカニカルリレー素子等、物理的に絶縁できるもの
が有効である。 【0051】前記電流検出回路85は、電流トランス、
もしくは、低抵抗の電圧降下等を用いて前記出力制御回
路84から出力される駆動信号(交番電圧)の電流を検
知可能に構成されている。 【0052】前記状態検出回路86は、前記電流検出回
路85からの出力を用いて、前記噴霧ヘッド11Aの状
態を検出するようになっている。そして、前記状態検出
回路86は、前記噴霧ヘッド11Aの状態を検出する
と、前記出力制御回路84及び前記制御部35へ検出信
号を出力するようになっている。 【0053】このように構成される駆動回路31は、図
10(a)に示す駆動信号(交番電圧)を出力して前記
噴霧ヘッド11Aを駆動する。前記噴霧ヘッド11Aへ
供給されている電流波形は、供給電圧波形とほぼ同じ形
状をしているものする。ここで、図10(b)に示すよ
うに前記駆動回路31から供給される駆動信号(交番電
圧)は、この噴霧開始時に突入電流として突発的な過大
電流を発生する虞れが生じる。 【0054】また、図10(c)に示すように前記駆動
回路31から供給される駆動信号(交番電圧)は、前記
噴霧ヘッド11Aの負荷条件(環境の変化)等により、
突入電流として突発的な過大電流を発生する虞れが生じ
る。 【0055】これら図10(b),(c)に示す過大電
流が発生する場合、前記状態検出回路86は、過大電流
に対して単純に閾値を定めて検出すると、前記噴霧ヘッ
ド11Aの状態の誤認識が発生する虞れが生じる。 【0056】そこで、本実施の形態では、時間的な幅を
設けて、その間で過大電流が流れ続けることを検出する
ことで、駆動信号(交番電圧)の供給を停止させる駆動
停止手段として前記状態検出回路86を構成する。 【0057】即ち、前記状態検出回路86は、図11に
示すように前記電流検出回路85で検出される電流値を
信号処理して、前記噴霧ヘッド11Aの状態を検出する
ようになっている。図11(a)は前記電流検出回路8
5で検出される電流の波形図である。ここで、例えば、
検出される電流の1周期は、5μsec程度である。
尚、前記噴霧ヘッド11Aへ供給されている電流波形
は、供給電圧波形とほぼ同じ形状をしているものとして
いる。 【0058】前記状態検出回路86は、先ず、図11
(b)に示すように前記電流検出回路85で検出される
駆動信号(交番電圧)の電流を全波整流する。次に、前
記状態検出回路86は、図11(c)に示すように全波
整流した電流値に対し、所定の閾値例えばIthで二値化
を行い、二値化信号を生成する。このとき、二値化信号
は、駆動信号(交番信号)の1/2の周期で元の電流波
形の周期毎に断続的な信号となる。尚、ここで、二値化
後1になる状態を過電流状態と呼ぶ。 【0059】そして、前記状態検出回路86は、図11
(d)に示すように断続的な信号をつなげる(滑かにす
る)ために、二値化信号に対して半波長より少し長いく
らいのディレイ(遅延)を掛ける。次に、前記状態検出
回路86は、ディレイを掛けた信号を例えば約1mse
cくらいでサンプリングし、例えば2〜10回くらいの
過去N回のサンプルに対し数値演算を行い、結果を出力
する。 【0060】そして、前記状態検出回路86は、電流オ
ーバ(過電流状態)が過去N回のうち設定された回数以
上のとき、検出信号を前記出力制御回路84及び前記制
御部35へ出力する。 【0061】尚、前記数値演算は、図示しない数値演算
回路を用いる。前記設定された回数がN回のとき、図示
しないAND(論理積)演算を用いれば良い。また、前
記設定された回数が(N/2)回のときは、図示しない
多数決回路を用いれば良い。 【0062】前記出力制御回路84は、前記状態検出回
路86からの検出信号を受信すると、前記噴霧ヘッド1
1Aへの出力を停止するようになっている。一方、前記
制御部35は、前記状態検出回路86からの検出信号を
受信すると、前記送液駆動部へ送液停止信号を、前記電
磁弁34へ閉信号を出力し、全駆動を停止するようにな
っている。このとき、前記制御部35は、前記操作パネ
ル36に設けた図示しない報知手段により、警告報知を
行うようにしても良い。 【0063】尚、前記状態検出回路86は、前記出力制
御回路84から出力される駆動信号(交番電圧)が間欠
された交番電圧である場合、サンプルをとる周期と間欠
周波数(繰り返し周波数)との関係によって、駆動信号
(交番電圧)が出力されてない区間(出力の休止区間)
を含むので、状態検出が行えない場合がある。そこで、
前記状態検出回路86は、駆動信号(交番電圧)が出力
されてない区間(出力の休止区間)でサンプルをとらず
その間をスキップするようにする。 【0064】即ち、図12に示すように前記状態検出回
路86は、駆動信号(交番電圧)が間欠された正弦波或
いは矩形波の交番電圧である場合、駆動信号(交番電
圧)が出力されてない区間(出力の休止区間)ではサン
プルをとらず、次の駆動信号(交番電圧)が出力されて
るときまで待って過去N個で評価するように構成しても
良い。 【0065】尚、上述した駆動回路31は、前記噴霧ヘ
ッド11Aに対して独立に(前記噴霧ヘッド11Aの状
態と係わらず)駆動する他励発振回路であるが、図13
に示すように前記噴霧ヘッド11Aからのフィードバッ
ク(正帰還)により駆動する自励発振回路で構成されて
も良い。図13は図9の駆動回路の変形例である。 【0066】即ち、図13に示すように自励発振回路で
ある駆動回路31Bは、前記噴霧ヘッド11Aからのフ
ィードバック信号(電流,電圧等)を前記増幅回路83
へ入力するように構成されている。 【0067】前記フィードバック信号により、前記駆動
回路31Bは、自励発振状態となり、前記増幅回路83
は駆動信号(交番電圧)を出力する。尚、このため、前
記制御部35は、前記圧力センサ23からのセンサ信号
に基づく前記制御部35からの制御信号を前記増幅回路
83へ出力するようになっている。また、前記駆動回路
31における波形発生回路81,波形整形回路82は、
前記駆動回路31Bの構成に含まれない。それ以外の構
成は、上記駆動回路31と同様である。 【0068】この結果、本実施の形態では、駆動手段を
保護し、噴霧手段を停止させる噴霧装置を実現できる。 【0069】また、本発明は、以上述べた実施形態のみ
に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。 【0070】[付記] (付記項1) 超音波振動により液体を霧化し噴霧する
噴霧手段及びこの噴霧手段を駆動する駆動手段を具備
し、前記駆動手段から前記噴霧手段へ供給する電流値を
検知するための検知手段と、前記検知手段で検知した電
流値に対し、所定の閾値を越えた回数を所定の時間間隔
で所定の期間においてカウントし、このカウントした数
が設定された数以上のとき、前記噴霧手段を停止させる
よう前記駆動手段を制御する駆動停止手段と、を設けた
ことを特徴とする噴霧装置。 【0071】(付記項2) 前記駆動停止手段は、前記
検知手段で検出される電流値を全波整流する全波整流手
段と、この全波整流手段で全波整流した電流値に対し、
所定の閾値で二値化を行い、二値化信号を生成する二値
化信号生成手段と、この二値化信号生成手段で生成され
た二値化信号に対してディレイを掛けるディレイ手段
と、このディレイ手段でディレイを掛けた信号を所定の
間隔でサンプリングするサンプリング手段と、このサン
プリング手段のサンプリング結果に基づき、所定の閾値
以上の数を判定する判定手段と、この判定手段の判定結
果に基づき、閾値を越えたものが設定された数以上のと
き、検出信号を前記駆動停止手段へ出力する出力手段と
を具備したことを特徴とする付記項1に記載の噴霧装
置。 【0072】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、駆
動手段を保護し、噴霧手段を停止させる噴霧装置を実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態を備えた医用噴霧システ
ムを示す全体構成図 【図2】図1の噴霧カテーテルの先端側を示す説明図 【図3】図2の噴霧カテーテルをA方向から見た外観正
面図 【図4】図1の噴霧カテーテルの後端側を示す説明図 【図5】図1の噴霧カテーテルの先端側を示す断面説明
図 【図6】図5の噴霧カテーテルの圧電素子群付近を示す
断面説明図 【図7】図5のB−B断面図 【図8】図5の噴霧ヘッドを示す断面構成図 【図9】図1の駆動回路を示す回路ブロック図 【図10】図9の駆動回路から出力される駆動信号(交
番電圧)の電圧及び電流を示す波形図 【図11】図10の状態検出回路の動作を示す説明図 【図12】図11の変形例を示す説明図 【図13】図10の変形例を示す駆動回路の回路ブロッ
ク図 【符号の説明】 1 …医用噴霧システム 2 …内視鏡装置 3 …噴霧装置(医用噴霧装置) 10 …可撓管 11 …噴霧カテーテル 11A …噴霧ヘッド 12 …制御装置 31,31B …駆動回路 35 …制御部 36 …操作パネル 81 …波形発生回路 82 …波形整形回路 83 …増幅回路 84 …出力制御回路 85 …電流検出回路 86 …状態検出回路
ムを示す全体構成図 【図2】図1の噴霧カテーテルの先端側を示す説明図 【図3】図2の噴霧カテーテルをA方向から見た外観正
面図 【図4】図1の噴霧カテーテルの後端側を示す説明図 【図5】図1の噴霧カテーテルの先端側を示す断面説明
図 【図6】図5の噴霧カテーテルの圧電素子群付近を示す
断面説明図 【図7】図5のB−B断面図 【図8】図5の噴霧ヘッドを示す断面構成図 【図9】図1の駆動回路を示す回路ブロック図 【図10】図9の駆動回路から出力される駆動信号(交
番電圧)の電圧及び電流を示す波形図 【図11】図10の状態検出回路の動作を示す説明図 【図12】図11の変形例を示す説明図 【図13】図10の変形例を示す駆動回路の回路ブロッ
ク図 【符号の説明】 1 …医用噴霧システム 2 …内視鏡装置 3 …噴霧装置(医用噴霧装置) 10 …可撓管 11 …噴霧カテーテル 11A …噴霧ヘッド 12 …制御装置 31,31B …駆動回路 35 …制御部 36 …操作パネル 81 …波形発生回路 82 …波形整形回路 83 …増幅回路 84 …出力制御回路 85 …電流検出回路 86 …状態検出回路
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 渡辺 宏一郎
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ
ンパス光学工業株式会社内
Fターム(参考) 4C066 AA01 BB10 CC01 DD11 FF01
KK14 KK19 QQ22 QQ51 QQ92
4D074 AA10 BB06 DD01 DD22 DD32
DD61 FF09
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 超音波振動により液体を霧化し噴霧する
噴霧手段及びこの噴霧手段を駆動する駆動手段を具備
し、 前記駆動手段から前記噴霧手段へ供給する電流値を検知
するための検知手段と、 前記検知手段で検知した電流値に対し、所定の閾値を越
えた回数を所定の時間間隔で所定の期間においてカウン
トし、このカウントした数が設定された数以上のとき、
前記噴霧手段を停止させるよう前記駆動手段を制御する
駆動停止手段と、 を設けたことを特徴とする噴霧装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001275356A JP2003079728A (ja) | 2001-09-11 | 2001-09-11 | 噴霧装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001275356A JP2003079728A (ja) | 2001-09-11 | 2001-09-11 | 噴霧装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003079728A true JP2003079728A (ja) | 2003-03-18 |
Family
ID=19100230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001275356A Withdrawn JP2003079728A (ja) | 2001-09-11 | 2001-09-11 | 噴霧装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003079728A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005238054A (ja) * | 2004-02-25 | 2005-09-08 | Ueda Japan Radio Co Ltd | 霧化システム |
JP2007046888A (ja) * | 2005-07-13 | 2007-02-22 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 冷蔵庫 |
JP2008178503A (ja) * | 2007-01-24 | 2008-08-07 | Health & Life Co Ltd | 噴霧器の圧電アクチュエーターシステム |
WO2017209311A1 (ja) * | 2016-06-03 | 2017-12-07 | 国立大学法人東北大学 | 薬液注入装置 |
-
2001
- 2001-09-11 JP JP2001275356A patent/JP2003079728A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017209311A1 (ja) * | 2016-06-03 | 2017-12-07 | 国立大学法人東北大学 | 薬液注入装置 |
JPWO2017209311A1 (ja) * | 2016-06-03 | 2019-04-11 | 国立大学法人東北大学 | 薬液注入装置 |
JP7057585B2 (ja) | 2016-06-03 | 2022-04-20 | 国立大学法人東北大学 | 薬液注入装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20081202 |