JP2003079344A - 海苔脱水用スポンジおよびその製造方法 - Google Patents

海苔脱水用スポンジおよびその製造方法

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JP2003079344A
JP2003079344A JP2001273907A JP2001273907A JP2003079344A JP 2003079344 A JP2003079344 A JP 2003079344A JP 2001273907 A JP2001273907 A JP 2001273907A JP 2001273907 A JP2001273907 A JP 2001273907A JP 2003079344 A JP2003079344 A JP 2003079344A
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water
sponge
polyurethane foam
seaweed
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Application number
JP2001273907A
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English (en)
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Hitoshi Yago
仁 矢後
Yasuyuki Kumagai
康行 熊谷
Shinji Hirayama
真二 平山
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Inoac Corp
Inoac Technical Center Co Ltd
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
Inoac Technical Center Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥保管時に形状的な欠陥を起こさず、かつ
容易に使用時が可能な湿潤状態とすることが可能で、か
つ海苔製造時に要求される優れた吸水性、適度な硬さ、
一旦吸水した水分を吸水対象物である海苔原料に戻さず
効率的に排水し得る海苔脱水用スポンジを提供する。 【解決手段】 セル膜を除去したポリウレタンフォーム
からなり、乾燥時の嵩密度を70〜150kg/m3
範囲に設定した排水層12と、セル膜を除去したポリウ
レタンフォームからなり、乾燥時の嵩密度を該排水層1
2の少なくとも1.1倍以上で、100〜300kg/
3の範囲に設定すると共に、膨潤時の25%圧縮強度
を0.98〜3.92N/m2の範囲に設定することで毛
管現象による吸水性を付与した吸水層14とから構成
し、該排水層12および吸水層14を層状に隣接させて
全体的に透水性を付与するようにした

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、脱水用スポンジ
に関し、更に詳細には、海苔の自動製造機に好適に使用
され、海苔原料からの充分な吸収による脱水と、該吸収
した水分の効率的な排出を行ない得る海苔脱水用スポン
ジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、食用海苔の製造はその大部分が、
従来の手すき製法によるものから、効率のよい自動海苔
製造機によるものに移行してきている。この自動海苔製
造機による海苔の製造は、まず脱水用スポンジ上に御簾
を敷設し、予め細かく切り刻み、水で混練したペースト
状の海苔原料を御簾上に流して、上方から同様の脱水用
スポンジで該海苔原料を押圧する。この工程は所要回数
繰り返し行なわれる。この工程によって、海苔原料の脱
水をするとともに、所定の厚さに延ばし、前記御簾に貼
り付いた状態とする。その後、前記御簾を取り出して乾
燥させることで、紙状の海苔を得る。
【0003】前記のように脱水用スポンジは、海苔原料
の脱水を行なうと共に所定の厚み(薄さ)に延ばすもので
あり、従来ではPVA(ポリビニルアルコール)フォーム
が主に用いられていた。なお前記PVAフォームの表面
は、海苔の貼り付きを防止するために一般にフィルター
フォームで覆った状態で使用される。
【0004】しかしながら、前述したPVA製の脱水用
スポンジにあっては、その内部にPVAスポンジ製造時
に使用される澱粉が残存してしまうことが多々あり、常
に湿潤状態で使用されるとカビや細菌が発生し衛生的な
問題が生ずる畏れがある。また通常、海苔の生産は10
月から3月までの約半年の間だけ限定的に実施され、残
りの期間については前記脱水用スポンジは前述の衛生問
題を考慮して乾燥状態で長期保存されるが、前記PVA
製脱水用スポンジは乾燥すると硬化して端部が欠け易く
なったり、該乾燥状態から膨潤した使用状態とするまで
に時間が掛かったり、膨潤前の扱いが荒いと折れる等の
海苔の製造が不可能となる構造欠陥を生ずる、といった
各種問題が指摘される。この他、海苔に含有されるゴミ
により脱水用スポンジの目詰まりが生じてしまい、効率
的な脱水が行なえなくなる欠点も指摘される。
【0005】また海苔脱水用スポンジとして、セル膜の
ない3次元網状構造を有するポリエーテル系軟質ウレタ
ンフォームを用いるものも提案されているが、この場合
通常の軟質ウレタンフォームであるため、セルの骨格自
体については吸水性がなく、単にフォームのセル内に表
面張力等で水分が保持されているに過ぎないため、海苔
原料から一旦スポンジ内に吸収した水分が、その後に再
び海苔原料側へ移動し易い不具合があり、前記乾燥時間
の短縮効果が得難かった。
【0006】このような各種欠点を回避すべく、セル膜
のない3次元網状構造を有するポリエーテル系の軟質ポ
リウレタンフォームからなり、かつ該フォームの嵩密度
が0.04〜0.10g/cm3、セル数が50〜200
個/インチ、乾燥時の25%圧縮硬度が0.10〜0.3
0kg/cm3であり、上記ポリエーテル系軟質ポリウ
レタンフォームがスチレン重合体又はアクリロニトリル
重合体を含むコポリマーポリオールとポリイソシアネー
トとから得られる海苔製造機用脱水パッドが実用新案登
録2603659号公報に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述の実用新案登録2
603659号公報に記載の海苔製造機用脱水パッドの
場合、セル数の範囲を50〜200個/とすることで海
苔原料からの脱水、すなわち水分の吸収・保持を容易な
らしめるようにしているが、その一方で一度吸収・保持
した該水分を容易に排出し得ない点が問題とされる。前
記海苔原料からの脱水は、場合によってはスポンジによ
る一度の吸水では達成されず、複数回の吸水が必要とさ
れたり、または多量の海苔を得る場合には1つの脱水用
スポンジを効率よく何度も繰り返し使用する必要がある
が、前述のように吸収した水分の排出、すなわち排水が
吸水と同等の効率で行なわれなければ、結果として吸水
の度に時間を掛けて排水を行なう、または多量の脱水用
スポンジを用意して対処すると云った煩わしい対処が必
要となってしまう。
【0008】
【発明の目的】この発明は、従来の技術に係る海苔脱水
用スポンジおよびその製造方法に内在していた問題に鑑
み、これを好適に解決するべく提案されたものであっ
て、乾燥保管時に形状的な欠陥を起こさず、かつ容易に
使用時が可能な湿潤状態とすることが可能で、かつ海苔
製造時に要求される優れた吸水性、適度な硬さ、一旦吸
水した水分を吸水対象物である海苔原料に戻さず効率的
に排水し得る海苔脱水用スポンジと、該スポンジを製造
する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本発明に係る海苔脱水用スポンジ
は、海苔原料に当接させて押圧することで脱水するため
の脱水用スポンジにおいて、セル膜を除去したポリウレ
タンフォームからなり、乾燥時の嵩密度を70〜150
kg/m3の範囲に設定した排水層と、セル膜を除去し
たポリウレタンフォームからなり、乾燥時の嵩密度を前
記排水層の少なくとも1.1倍以上で、100〜300
kg/m3の範囲に設定すると共に、膨潤時の25%圧
縮強度を0.98〜3.92N/m2の範囲に設定するこ
とで毛管現象による吸水性を付与した吸水層とからな
り、前記排水層および吸水層を層状に隣接させて全体的
に透水性を付与するよう構成したことを特徴とする。
【0010】前記課題を克服し、所期の目的を達成する
ため本願の別の発明に係る海苔脱水用スポンジの製造方
法は、セル膜を除去したポリウレタンフォームからな
り、乾燥時の嵩密度を70〜150kg/m3の範囲に
設定した排水層を作製すると共に、セル膜を除去したポ
リウレタンフォームからなり、乾燥時の嵩密度が前記排
水層の少なくとも1.1倍以上で、100〜300kg
/m3の範囲に設定すると共に、膨潤時の25%圧縮強
度を0.98〜3.92N/m2の範囲に設定することで
毛管現象による吸水性を付与した吸水層を作製し、これ
ら排水層および吸水層を隣接的に積層することで、これ
ら両部材の間に透水性が発現されるようにしたことを特
徴とする。
【0011】前記課題を克服し、所期の目的を達成する
ため本願の更に別の発明に係る海苔脱水用スポンジの製
造方法は、セル膜が除去されていて、乾燥時の嵩密度を
70〜150kg/m3の範囲に設定することで平坦な
立体形状のポリウレタンフォームを作製し、前記ポリウ
レタンフォームの片面または両面に、該ポリウレタンフ
ォームの全体が完全に圧縮されない程度の熱プレスを施
すことで、乾燥時の嵩密度が前記熱プレスを施さない領
域の少なくとも1.1倍以上で、100〜300kg/
3の範囲に設定され、膨潤時の25%圧縮強度が0.9
8〜3.92N/m2の範囲に設定されて毛管現象による
吸水性を発現する吸水層を形成し、前記熱プレスを施し
た吸水層と該熱プレスを施していないポリウレタンフォ
ームの領域の間に透水性が発現されるようにしたことを
特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施例に係る
海苔脱水用スポンジおよびその製造方法につき、好適な
実施例を挙げて、以下説明する。本願発明者は、少なく
とも毛管現象による吸水を効率的に行ない得る物性を有
する部分および吸収された水を効率よく排出する物性を
有する部分の、異なる2つの物性を有するポリウレタン
フォームを組み合わせることによって、乾燥保管および
膨潤使用が容易であり、かつ海苔製造時に要求される優
れた吸水性、速やかな排水性および適度な硬さを発現し
得る海苔脱水用スポンジが得られることを知見したもの
である。
【0013】本実施例に係る海苔製造用の脱水用スポン
ジ10は、図1に示す如く、基本的に平坦な立体形状に
モールド成形された1つのポリウレタンフォームを材質
とし、その表面のスキン層等のセル膜を除去する等の所
定の処理を施したスポンジを素材として、このスポンジ
に所定の熱プレスを施すことで製造されるものであり、
両面に該熱プレスにより形成される吸水層14,14
と、この2つの吸水層14,14に挟まれた形で中央部
に元のポリウレタンフォーム物性のまま残る排水層12
から基本的に構成される。
【0014】前記脱水用スポンジ10を構成するポリウ
レタンフォームとしては、耐水性の高いポリエーテル系
の軟質ウレタンフォーム等の公知の種々のものを使用す
ることができる。その製造方法は、図2に示すようなも
のであり、予め所定のポリオールと、イソシアネート
と、整泡剤および触媒等の各種副原料とを混合すること
で基本的に作製される、具体的には、スチレン重合体ま
たはアクリロニトリル重合体を含むコポリマーポリオー
ル、例えばポリアルキレンオキサイドにスチレン、アク
リロニトリルを付加重合させて得られるコポリマーポリ
オールと、トリレンジイソシアネート等のポリイソシア
ネートから得られたものが好適に使用される。また所定
形状への成形は、前記各原料の混合物を所定のモールド
成形型に注入する方法や、大きな不定形のブロックを作
製した後、所定形状に切り出す等ことでなされる。なお
得られたポリウレタンフォームからセル膜を除去する方
法としては、熱処理またはアルカリ処理等する従来公知
の何れの方法でも採用可能である。
【0015】前記ポリオール成分としては、ポリエーテ
ルポリオール、ポリカーボネートポリオールまたはポリ
ジエン系ポリオール等が使用され、これらのポリオール
は単独でまたは2種類以上を併用した形で使用される。
前記ポリイソシアネート成分としては、トルエンジイソ
シアネート(TDI)、TDIプレポリマー、メチレンジ
フェニルジイソシアネート(MDI)、クルードMDI、
ポリメリックMDI、ウレトジオン変性MDIまたはカ
ルボジイミド変性MD1等が使用される。またこれらの
プレポリマーを用いてもよく、更に本発明に使用し得る
物質は、ここに記載の各物質だけに限定されるものでは
ないが、発泡剤として水を使用してフォーム骨格と水と
がよく馴染む、所謂水ウレタンについては、乾燥時と膨
潤時との間で寸法変化が大きいため、本発明に係る脱水
用スポンジには適さない。
【0016】また前記ポリウレタンフォームには、抗菌
剤や防かび剤等を副原料の1つとして添加することが可
能であり、その添加によってカビ・菌等の発生を抑制す
ることができる。また着色剤等の添加も可能である。
【0017】このようにして得られたポリウレタンフォ
ームに対して、その両面から所定条件、排水層12とし
ての物性を有するポリウレタンフォームを中央部に残す
よう、所謂中途半端な熱プレスを実施することにより、
素材となる該ポリウレタンフォームの物性を保持する中
央部の排水層12と、該熱プレスが実施された両面の吸
水層14,14からなる吸水スポンジ10が得られる。
すなわち前記排水層12に好適な物性を有するポリウレ
タンフォームを、例えばモールド成形で作製して、これ
に対し完全な熱プレスとならない程度の熱ブレスを実施
することで、両面に該排水層12の少なくとも1.1倍
以上の乾燥時嵩密度を有する吸水層14,14を形成す
るものである。
【0018】前記ポリウレタンフォームに施す熱プレス
は、通常のフォーム圧縮等に使用されるものとは異なる
方法で達成されるが、その理解に資するため先ず通常の
完全な熱プレス(ここでは本発明の熱プレスと明確に区
別するため、殊に完全熱プレスと云う)について以下説
明する。
【0019】前記完全熱プレスは、より密度の高い等の
特殊な物性を有するフォームや、通常のモールド成形法
では得ることが困難な、例えば極薄シート状フォーム等
を得るときに好適に使用されるものであり、圧縮すべき
フォームに対して予備加熱を施すことで、内外の温度差
をなくしつつ熱プレスを行ない易い温度まで該フォーム
を加熱し、次いで熱プレス装置を用いてフォームの軟化
点以上でかつ炭素化しない温度に設定された熱板で該フ
ォームを押圧して得るべき厚さにまで圧縮する。そして
前記フォーム全体が加熱により軟化し、プレスによる変
形が全体的に広がるまで充分な時間を掛けて熱プレスを
実施するものであり、例えば汎用のポリウレタン製の5
0mm厚のフォームを25厚mmにする場合、80℃、
1時間の条件と160℃、30分の条件で順次予備加熱
を実施し、次いで熱プレス装置により熱板温度185
℃、プレス時間10〜20分の条件で熱プレスを実施す
る。このようにして得られる加工フォームは、元のフォ
ームの半分の厚さと略2倍の密度を有しており、該加工
フォーム内部で密度が部分的に偏っていることはなく均
一な状態となっている。
【0020】従って本発明に係る脱水用スポンジ10を
ポリウレタンフォームから作製する場合、前述した熱プ
レスにおける予備加熱および加熱時間等を省略すること
で、熱プレスによる形状的、物性的な変化が中央部まで
至らない段階で該熱プレスを中断することで達成され
る。このようにして得られる脱水用スポンジ10は、当
然その物性がある境界で大きく変化するものではなく、
表面から内部に至る途上で勾配を持ちながら変化したも
のとなるが、本発明においては殊に問題はなく、脱水す
べき海苔原料から吸水を行なう吸水層14が表面に集中
し、そこで吸収された水分をポンプ効果(後述)により排
出する排水層12が中央に残っていれば充分な効果が期
待できる。
【0021】前記排水層12は、前記脱水用スポンジ1
0の中央部に位置する部分であると共に、後述するポン
プ効果により前記吸水層14で前記海苔原料から吸収し
た水分を該脱水用スポンジ10の系外に効率的に排出す
る排出性の高い部分であり、その乾燥時の嵩密度は充分
な排出性を発現し得るよう70〜150kg/m3、好
ましくは100〜150kg/m3に設定される。前記
乾燥時の嵩密度が70kg/m3を下回る場合、また1
50kg/m3を上回る場合には残留圧縮歪みが大きく
なり、その結果耐久性が低下してしまう。前記残留圧縮
歪みついては、水中繰り返し圧縮永久歪み(50%)(8
万回毎に測定、104万回迄)を実施して、その値が7
%以下であればほぼ問題ないことが知られているが、本
発明に係る脱水スポンジ10に前述の水中繰り返し圧縮
永久歪み(50%)を測定した結果、4.0〜6.0%とい
う数値が示され、問題がないものと評価された。
【0022】なお本排水層12の物性として、後述する
膨潤時の25%圧縮強度は殊に設定されないが、吸水層
14は排水層12を熱プレスして形成されるものであ
り、その物性値である該膨潤時の25%圧縮強度もその
まま該吸水層14の物性値として反映されるものである
ので、実質的に後述する吸水層14の膨潤時の25%圧
縮強度(0.98〜3.92N/m2の範囲)を達成する必
要がある。
【0023】前述した水分の排出性については、嵩密度
が粗なことによる流体の流通し易さでであるため、AS
TM D 1564に準拠した通気性(単位:ml/cm2
/scc)試験により評価可能であり、本発明において
は、経験的に7ml/cm2/sccの数値であれば良
好な結果が得られることが分かっている。ちなみに従来
の技術で好適に使用されているPVA製の脱水用スポン
ジの場合、前記通気性は小さ過ぎて測定不可能であっ
た。
【0024】前記吸水層14は、前記脱水用スポンジ1
0を使用した際に脱水すべき海苔原料と接触して該海苔
原料から主として毛管現象により水分を吸収する部分で
あり、乾燥時の嵩密度が前記排水層12の少なくとも
1.1倍以上で、かつ100〜300kg/m3、好まし
くは150〜250kg/m3の範囲に設定され、かつ
膨潤時(使用時)の25%圧縮強度が0.98〜3.92N
/m2の範囲に設定される。
【0025】前記ポリウレタンフォームは、海苔製造機
に取り付けられて実際に海苔原料を押圧、脱水する際に
は、水分を吸水した含水状態となるため、その含水状態
における押圧時の硬さが、海苔原料の脱水、すなわち膨
潤時の25%圧縮時硬度で評価した際に適当な範囲であ
ることが好ましい。そのため前述の含水状態における押
圧時の硬さを、判断する尺度として容易に測定可能な乾
燥時の25%圧縮時硬度が好適であることを知見し、採
用することとした。
【0026】前記膨潤時の25%圧縮強度が0.98N
/m2を下回る場合は、海苔原料を押圧した際に必要な
力を掛けることができず海苔原料を所要の厚み(薄さ)の
平面にし難く、また充分な脱水が困難となり、一方3.
92N/m2を上回る場合は、該海苔原料の水分だけを
脱水しつつ脱水された海苔原料の形状を維持する程度に
押圧力を調整することが困難となったり、海苔原料の表
面が乱れ易くなる。
【0027】前記乾燥時の嵩密度が100kg/m3
下回る場合は、毛管現象が効率的に行なわれず充分な吸
水が困難となってしまい、300kg/m3を上回る場
合には残留圧縮歪みが大きくなり、その結果耐久性が低
下してしまうので留意が必要である(残留圧縮歪みにつ
いては、[0021]とほぼ同様であり殊に問題はなかっ
た)。
【0028】またセル数については、50〜200個/
インチ(2.54cm)の範囲に設定され、このセル数が
少ないと海苔原料に対する脱水時の保水性が悪くなり、
多いと海苔原料のかす等により目詰まりを生じ易くな
る。なお本発明で云うセル数は、JIS K 6400に
規定される「セル数試験方法」に従い、測定されたもので
ある。
【0029】前記排水層12と吸水層14との厚さ比
(体積比)は、該吸水層14で一度に吸収された水分を一
度に排出する場合に最も効率がよくなると考えられるた
め、基本的には吸水に使用される側の吸水層14:排水
層12=1:1〜が好適と考えられる。従って本実施例
に係る脱水用スポンジ10の場合、厚さ1の吸水層1
4,14および厚さ1の排水層12から構成される層厚
さ3の脱水用スポンジとなる。なおこの厚さは、使用す
る海苔製造機によっても前記脱水用スポンジ10全体の
厚さに制限がなされることを考慮して決定する必要があ
る。
【0030】前記脱水用スポンジ10を構成するポリウ
レタンフォームが、モールド(成形型)内にポリウレタン
フォーム原料を注入し発泡させたモールド成形品から得
られる場合、該モールドヘの注入量調節によってポリウ
レタンフォームの密度および硬度等を容易に調節するこ
とが可能となるため、本実施例に係る吸収スポンジ10
の材質として好適に使用される。
【0031】
【実施例の作用】次に本実施例に係る脱水用スポンジを
海苔製造機に使用して海苔原料から乾燥前の海苔を製造
する工程を説明することで、該脱水用スポンジの作用を
説明する。基本的に前記脱水用スポンジ10(10a,1
0b)は、図3に示すような状態で海苔製造機の一部と
して用いられ、土台となる御簾30上に所要量の脱水す
べき海苔原料Gを載置し、この御簾30および海苔原料
Gを上下の両側から本発明に係る脱水用スポンジ10
a,10bで挟持され、該脱水用スポンジ10a,10b
を該海苔原料Gまたは御簾30に当接させて所定の力で
押圧することで、該海苔原料Gから上方の脱水用スポン
ジ10bには直接、下方の脱水用スポンジ10aには該
御簾32を介して水が吸収されることで該海苔原料Gの
脱水を行なっている。なお上方に配置される前記脱水用
スポンジ10bの海苔原料Gとの接触側は、脱水用スポ
ンジ10bの目詰まり防止と製造すべき海苔の適度な表
面粗さを発現させるために、例えば汎用のポリウレタン
製のフィルターフォーム32で覆われるようになってい
る。
【0032】前記海苔製造機により使用される際の脱水
フォーム10の作用は以下の通りである。すなわち図4
に示す如く、先ず下側に配置した脱水用スポンジ10a
の上に御簾30を載置し、その上に所定量の湿った海苔
原料Gを均一な厚さになるように載置する。そして前記
海苔原料Gに対して、その表面をフィルターフォーム3
2を覆った上側の脱水用スポンジ10bを上方から当接
させて押圧する(図4(a)参照)。すると前記脱水用スポ
ンジ10aおよび10bの前記海苔原料G側に形成され
た吸水層14,14が、該海苔原料Gから水分を吸収し
始める(矢印は水分の動き)。このとき前記吸水層14よ
り嵩密度の小さい排水層12は、押圧力により該吸水層
14より大きく圧縮される(図4(b)参照)。
【0033】そして前記海苔原料Gから吸水層14が吸
収し得る分だけ吸収した後は、脱水用スポンジ10の押
圧を中断する。すると前記脱水用スポンジ10は、弾性
変形により元の形状に戻ろうとするが、この際、嵩密度
の違いにより前記吸収部14に較べて大きく圧縮されて
いた排水層12には、前述の形状回復により発生する負
圧により該吸水層14に吸収された水分が移動する(図
4(c)参照)。
【0034】このようにして前記吸水層14から排水層
12に移動した水分は、次の海苔原料Gへの押圧によ
り、該吸水層14より嵩密度が低くより排出し易い排水
層12を介して横方向に順次排出される。このとき前記
海苔原料Gに対して押圧される吸水層14は、前回の押
圧でその内部に吸収した水分が前述の作用により移動し
ているため、殊に水分を絞らなくても直ぐに水分を吸収
し得る(図4(d)参照)。なお本発明においては、形状回
復により発生する負圧による前記排水層12への水分の
移動、押圧による該水分の該排水層12からの排出とい
った一連を作用を「ポンプ効果」と称している。
【0035】ここまでの作用の説明から分かる通り、本
発明に係る脱水用スポンジ10を使用すれば、海苔原料
Gから余分な水分を脱水するための押圧および形状回復
の1サイクルで、連続的に水分の吸収、移動および排出
を行ない得る。
【0036】また本実施例に係る脱水用スポンジ10
は、その両面に前記吸水層14,14が形成されている
が、このように両側に該吸水層14を形成することで、
1つの該スポンジ10を裏返すだけで、海苔原料Gの詰
まりまたは膨潤し過ぎといった交換に係る問題が生じた
場合でも、2倍の時間使用することができる。またポン
プ効果を発現させるために、前記排水層12の押圧によ
る圧縮は必要不可欠であるが、この圧縮についても押圧
力が加えられる側も嵩密度が高いため、取り扱い性が容
易であり、かつ均一に押圧を行ない得る効果を奏する。
【0037】
【別の実施例】前述の実施例のように両面に吸水層1
4,14を形成しなくても、海苔原料Gと当接する側に
だけ該吸水層14を形成した構成としてもよい。この場
合、前記排水層12を押圧するに際して、平坦なアクリ
ル板等を介することで充分なポンプ効果を発現させ得る
と共に、単純に2/3の厚さで同じ脱水効率を発現する
脱水用スポンジ10を作製し得る。
【0038】また熱プレスにより、異なる物性を有する
排水層12および吸水層14を形成する場合、該排水層
12および吸水層14の間の物性値の差、具体的には嵩
密度は、所定の勾配を持ち、段階的に変化したものとな
る。この場合、吸収すべき海苔原料Gの含水量により、
適宜排水層12と吸水層14との割合が変化するので、
該海苔原料Gに対しての押圧力が一定であっても最も多
くの水分を吸収し得る構造といえる。
【0039】更に予め所定の物性を有する排水層12お
よび吸水層14となるポリウレタンフォームを別々にモ
ールド成形等により所定形状に製造し、その後該排水層
12および吸水層14を積層するようにしてもよい。こ
の場合、製造時に熱プレスを実施する必要が無くなるの
で、製造効率が増大するので大量生産に適しているとい
える。但し、前記排水層12と吸水層14との間の積層
手段については、水分の移動を阻害しないように透水性
等が発現する手段、例えば透水性を持たすように部分的
に接着する、部分的に溶着させる等の方法の採用が必要
となる。
【0040】なお前記排水層12の物性としては、該排
水層12と吸水層14の膨潤時の25%圧縮強度を同
等、すなわち0.98〜3.92N/m2の範囲とする点
に留意が必要である。前述の実施例と違い、互いに別々
のポリウレタンフォームを作製するためである。
【0041】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る海苔
脱水用スポンジおよびその製造方法によれば、嵩密度が
異なる吸水層および排水層を層状に隣接させることで、
材質的に乾燥保管時に形状的な欠陥を起こさず、かつ容
易に使用時が可能な湿潤状態とすることを可能とし、物
性的にかつ海苔製造時に要求される優れた吸水性、適度
な硬さおよび排水性を確保し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る海苔脱水用スポン
ジを示す斜視図である。
【図2】実施例に係る海苔脱水用スポンジの材質となる
ポリウレタンフォームを製造する工程を示すフローチャ
ート図である。
【図3】実施例に係る海苔脱水用スポンジを使用して海
苔原料を脱水する海苔製造機の要部を示す概略図であ
る。
【図4】海苔脱水用スポンジが海苔原料から水分を吸収
し、排出するまでの一連の流れを示す工程図である。
【符号の説明】 12 排水層 14 吸水層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢後 仁 神奈川県秦野市堀山下380番地5号 株式 会社イノアック技術研究所内 (72)発明者 熊谷 康行 神奈川県秦野市堀山下380番地5号 株式 会社イノアック技術研究所内 (72)発明者 平山 真二 神奈川県秦野市堀山下380番地5号 株式 会社イノアック技術研究所内 Fターム(参考) 4B019 LE01 LP08 LP19 LT05 LT32 4D019 AA03 BA13 BB07 BD01 BD10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海苔原料(G)に当接させて押圧すること
    で脱水するための脱水用スポンジにおいて、 セル膜を除去したポリウレタンフォームからなり、乾燥
    時の嵩密度を70〜150kg/m3の範囲に設定した
    排水層(12)と、 セル膜を除去したポリウレタンフォームからなり、乾燥
    時の嵩密度を前記排水層(12)の少なくとも1.1倍以上
    で、100〜300kg/m3の範囲に設定すると共
    に、膨潤時の25%圧縮強度を0.98〜3.92N/m
    2の範囲に設定することで毛管現象による吸水性を付与
    した吸水層(14)とからなり、 前記排水層(12)および吸水層(14)を層状に隣接させて全
    体的に透水性を付与するよう構成したことを特徴とする
    海苔脱水用スポンジ。
  2. 【請求項2】 前記排水層(12)および吸水層(14)のセル
    数は、50〜200個/インチの範囲に設定される請求
    項1記載の海苔脱水用スポンジ。
  3. 【請求項3】 セル膜を除去したポリウレタンフォーム
    からなり、乾燥時の嵩密度を70〜150kg/m3
    範囲に設定した排水層(12)を作製すると共に、 セル膜を除去したポリウレタンフォームからなり、乾燥
    時の嵩密度が前記排水層(12)の少なくとも1.1倍以上
    で、100〜300kg/m3の範囲に設定すると共
    に、膨潤時の25%圧縮強度を0.98〜3.92N/m
    2の範囲に設定することで毛管現象による吸水性を付与
    した吸水層(14)を作製し、 これら排水層(12)および吸水層(14)を隣接的に積層する
    ことで、これら両部材(12,14)の間に透水性が発現され
    るようにしたことを特徴とする海苔脱水用スポンジの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記排水層(12)および吸水層(14)をなす
    ポリウレタンフォームは、モールド成形法により所定形
    状に成形される請求項3記載の海苔脱水用スポンジの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 セル膜が除去されていて、乾燥時の嵩密
    度を70〜150kg/m3の範囲に設定することで平
    坦な立体形状のポリウレタンフォームを作製し、 前記ポリウレタンフォームの片面または両面に、該ポリ
    ウレタンフォームの全体が完全に圧縮されない程度の熱
    プレスを施すことで、乾燥時の嵩密度が前記熱プレスを
    施さない領域の少なくとも1.1倍以上で、100〜3
    00kg/m3の範囲に設定され、膨潤時の25%圧縮
    強度が0.98〜3.92N/m2の範囲に設定されて毛
    管現象による吸水性を発現する吸水層(14)を形成し、 前記熱プレスを施した吸水層(14)と該熱プレスを施して
    いないポリウレタンフォームの領域の間に透水性が発現
    されるようにしたことを特徴とする海苔脱水用スポンジ
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱プレスは、予熱を行なわず前記ポ
    リウレタンフォームの軟化点以下の温度で実施される請
    求項5記載の海苔脱水用スポンジの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ポリウレタンフォームは、モールド
    成形法により平坦な立体形状に成形される請求項5また
    は6記載の海苔脱水用スポンジの製造方法。
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