JP2003079107A - ブラシ装置 - Google Patents

ブラシ装置

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JP2003079107A
JP2003079107A JP2001260793A JP2001260793A JP2003079107A JP 2003079107 A JP2003079107 A JP 2003079107A JP 2001260793 A JP2001260793 A JP 2001260793A JP 2001260793 A JP2001260793 A JP 2001260793A JP 2003079107 A JP2003079107 A JP 2003079107A
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JP
Japan
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brush
commutator
holding
base portion
circumferential direction
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Application number
JP2001260793A
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English (en)
Inventor
Seiya Yokoyama
誠也 横山
Takeshi Tanaka
猛 田中
Kazumitsu Moriya
和満 守屋
Yasuhide Ito
靖英 伊藤
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブラシ振動を抑え、騒音を抑制することができ
るブラシ装置を提供する。 【解決手段】ブラシ装置8は、ブラシ9とコイルスプリ
ング10とブラシホルダ11と基板12とを備える。コ
イルスプリング10によりブラシ9が付勢され、該ブラ
シ9の先端部がコンミテータ7の外周面に摺接される。
ブラシホルダ11は、ブラシ9及びコイルスプリング1
0を収納するためのボックス部13と、該ボックス部1
3を弾性的に保持するベース部14とからなり、該ベー
ス部14が基板12に固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシをコンミテ
ータに摺接させるブラシ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図10に示すように、直流モータ
31のブラシ装置32は、ブラシ33、ブラシホルダ3
4及びコイルスプリング35を備える。また、直流モー
タ31の回転軸36には、コンミテータ37が設けら
れ、該コンミテータ37にブラシ33の先端面が摺接さ
れる。
【0003】詳述すると、ブラシ33は、直方体形状を
なし、四角筒状のブラシホルダ34内に収容され、コイ
ルスプリング35によりコンミテータ7側に付勢された
状態で保持されている。また、ブラシ33にはピッグテ
ール(給電用リード線)38が接続され、同ピッグテー
ル38は図示しない給電端子を介して電源に接続され
る。そして、ピッグテール38及びブラシ33を介して
コンミテータ37に電源が供給されて、モータ31の回
転子39(回転軸36、コンミテータ37等)が回転さ
れる。
【0004】ところで、モータ31が長時間駆動される
場合、ブラシ33とコンミテータ37との接触抵抗によ
ってブラシ33が高温となり熱膨張する。このため、ブ
ラシホルダ34は、ブラシ33の熱膨張を考慮して設計
されている。つまり、ブラシホルダ34内の収納空間
は、冷めた状態(常温)のブラシ33よりも若干大き
く、ブラシホルダ34とブラシ33との間に隙間を有す
る。この隙間を設けることで、ブラシ33が高温となり
熱膨張したとしても、ブラシホルダ34の内壁によりブ
ラシ33の前後方向の移動が妨げられるといったことが
防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ブラシホル
ダ34とブラシ33との間に隙間があるため、モータ3
1の駆動時において、ブラシ33の先端面とコンミテー
タ37との摩擦力が変動し、ブラシ33がコンミテータ
37の周方向に振動してしまう。特に、コンミテータ3
7に摺接するブラシ先端面は長方形状となっているた
め、図10において二点鎖線で示すように、ブラシ先端
における一方のエッジ(回転方向Xの反対側の端部)が
ブラシ33の高さ方向(図10では紙面直交方向)で線
接触し、他方のエッジが浮き上がる。これにより、ブラ
シ振動を生じ、その振動によりブラシ33がブラシホル
ダ34の内壁を叩くことで、叩き音(騒音)が発生して
しまう。また、ブラシ33において、ピッグテール38
がコンミテータ37の周方向中央となる位置に固定され
ているため、同ピッグテール38を支点としてブラシ振
動が大きくなる。よって、ブラシ装置32では、ブラシ
振動が生じ易く、それによる騒音が発生してしまう。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、ブラシ振動を抑え、騒
音を抑制することができるブラシ装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、略円筒状のコンミテータの外周面に先端部が摺接さ
れるブラシと、前記ブラシを収納保持するブラシホルダ
と、前記ブラシホルダを固定する基板と、前記ブラシを
コンミテータに向かって付勢するスプリングとを備える
ブラシ装置において、前記ブラシホルダは、前記ブラシ
を収納するためのボックス部と、該ボックス部を弾性的
に保持するベース部とからなり、該ベース部を前記基板
に固定した。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のブラシ装置において、前記ベース部は、前記基板に固
定され前記コンミテータの軸方向に延びる一対の足部
と、該両足部先端を連結するとともに前記ボックス部を
保持する保持部とからなり、前記コンミテータの周方向
の断面がM字状に形成されている。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載のブラシ装置において、前記ブラシを、その先端
部における前記コンミテータとの当接面が、該コンミテ
ータの周方向における端部から中心に向けて拡大するよ
う形成した。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1項に記載のブラシ装置において、前記ブラシ
を、その先端部における前記コンミテータとの当接面
が、該コンミテータの軸方向における端部から中央に向
けて拡大するよう形成し、当該ブラシの形状に合わせ
て、前記ボックス部のブラシ保持面を谷状に形成し、前
記スプリングによりブラシを前記ブラシ保持面に向かっ
て付勢した。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか1項に記載のブラシ装置において、前記ブラシ
の当接面は、前記コンミテータの周方向及び軸方向に頂
点を有する四角形状をなす。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
のブラシ装置において、前記ブラシにおける前記ブラシ
保持面側に位置する頂角αは、前記谷状のブラシ保持面
の内角βに対し、α≧βの関係を有する。
【0013】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれか1項に記載のブラシ装置において、前記ベース
部は、制振合金からなる。 (作用)請求項1に記載の発明によれば、ブラシを収納
するボックス部が、基板に固定されたベース部により弾
性的に保持される。この場合、ボックス部内でのブラシ
の振動がベース部にて吸収され、ブラシ振動が抑制され
る。その結果、ブラシ振動による叩き音(騒音)が抑制
される。
【0014】請求項2に記載の発明によれば、ベース部
は、足部と保持部とによってコンミテータの周方向の断
面がM字状に形成されている。この場合、ベース部にお
ける足部と保持部は鋭角となり、ブラシ振動が発生する
コンミテータの周方向に対してベース部がより弾性的と
なる。つまり、このベース部は、ブラシ振動を抑制させ
る上で好ましい形状であり、ブラシ振動による騒音をよ
り抑制することができる。
【0015】請求項3に記載の発明によれば、ブラシに
おけるコンミテータとの当接面が、コンミテータの周方
向における端部から中心に向けて拡大するよう形成され
ているので、ブラシ当接面における周方向の端部がコン
ミテータと軸方向に線接触することがない。従って、コ
ンミテータの回転時にブラシの片側エッジが浮き上がり
にくくなり、ブラシ振動が生じにくくなる。その結果、
ブラシ振動による騒音を抑制できる。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、ブラシに
おけるコンミテータとの当接面が、コンミテータの軸方
向における端部から中央に向けて拡大するよう形成さ
れ、ブラシ形状に合わせて、ボックス部のブラシ保持面
が谷状(V字状)に形成される。そして、スプリングに
よりブラシ保持面側に付勢した状態でブラシがブラシホ
ルダのボックス部に収納される。このようにすれば、ブ
ラシとブラシホルダの周方向のクリアランスがなくなる
ので、ブラシの周方向の動きを制限できる。また、給電
用リード線が周方向中央に固定された場合、同リード線
を支点としてブラシの周方向の振動が大きくなるが、本
発明によれば、ブラシの周方向の動きが制限されるので
そのブラシ振動が確実に抑制できる。
【0017】請求項5に記載の発明では、ブラシの当接
面がコンミテータの周方向及び軸方向に頂点を有する四
角形状をなす。従って、このブラシの当接面は、請求項
3のように、コンミテータの軸方向における端部から中
央に向けて拡大し、請求項4のように、コンミテータの
軸方向における端部から中央に向けて拡大する。またこ
の場合、ブラシにおける軸方向の2つの側面が谷状(V
字状)のブラシ保持面に挟持される。よって、ブラシ振
動をより効果的に抑制できる。また、ブラシ当接面が四
角形状であるので、ブラシの製造が容易であり、さら
に、ブラシ当接面にて周方向の両側に頂点を有するの
で、該ブラシを双方向回転用のモータに適用できる。
【0018】請求項6に記載の発明によれば、ブラシに
おいてブラシ保持面側に位置する頂角αは、前記谷状の
ブラシ保持面の内角βに対し、α≧βの関係を有するの
で、ブラシがブラシ保持面にて確実に挟持される。
【0019】また、請求項7のように、ベース部が制振
合金からなるものとすると、ブラシ振動をより吸収する
ことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態を図面に従って説明する。図1は、直流モータ1の概
略構成を示す一部断面図である。図1の直流モータ1
は、正逆の双方向に回転するモータであり、ハウジング
2の内周面に、複数のマグネット3が固着されている。
このマグネット3の内側には、回転子4が回転可能に支
持されている。すなわち、回転子4には回転軸5が備え
られ、その回転軸5が軸受6を介して回転可能に支持さ
れている。また、回転軸5には、略円筒状のコンミテー
タ7が回転軸5と一体回転可能に固定されており、ハウ
ジング2においてコンミテータ7と隣接した位置には、
ブラシ装置8が配設されている。
【0021】次に、ブラシ装置8の構成について詳述す
る。図2は、ブラシ装置8の斜視図であり、図3は、図
2のブラシ装置8において、ブラシ9の先端側から見た
図(正面図)である。また、図4は、ブラシ9の側面図
である。
【0022】図2に示すように、ブラシ装置8は、略直
方体状のブラシ9と、ブラシ9の後端面に当接してブラ
シ9をコンミテータ7に付勢するコイルスプリング10
と、ブラシ9及びコイルスプリング10を収納保持する
ブラシホルダ11と、同ブラシホルダ11をハウジング
2に固定するための基板12とを備えている。
【0023】図2及び図3に示すように、ブラシホルダ
11は、ブラシ9及びコイルスプリング10を収納する
ボックス部13と、該ボックス部13を弾性的に保持す
るベース部14とを備える。ボックス部13は、ブラシ
9の形状に合わせ四角筒状に形成され、角部を左右上下
に向けた状態で下側の2つの面がベース部14に固定さ
れている。図3に示すように、ボックス部13は、その
収納空間が冷めた状態(常温)のブラシ9よりも若干大
きくなるよう形成されており、収納空間の上部にてブラ
シ9の熱膨張を考慮した隙間が設けられている。また、
図3の左右方向がコンミテータ7の周方向(モータ1の
周方向)、上下方向がコンミテータ7の軸方向(モータ
1の軸方向)となるよう基板12がハウジング2に固定
されている。つまり、四角形状のブラシ9の先端面(コ
ンミテータ7との当接面)はコンミテータ7の周方向及
び軸方向に頂点を有する。
【0024】ボックス部13の上方の角部には、該ボッ
クス部13の長手方向に沿って溝(スリット)13aが
形成されており、このスリット13aを通してピッグテ
ール(給電用リード線)15が取り出されている。ピッ
グテール15はブラシ9の上方の角部(コンミテータ7
の周方向中央となる位置)に埋設固定されている。さら
に、ボックス部13にはその後端を閉止する後板16が
一体形成されており、同後板16とブラシ9間にコイル
スプリング10が配設されている。
【0025】ベース部14は、コンミテータ7の周方向
の断面がM字状となるよう形成されている。より詳しく
は、同ベース部14は、基板12から上方(コンミテー
タ7の軸方向)に向けて立設する一対の足部14aと、
該両足部14a先端を連結するとともに曲折してボック
ス部13を保持する保持部14bとからなる。足部14
aの端部は、基板12に形成された固定溝に挿入され、
内側に折り曲げられ、ベース部14が基板12に固定さ
れる。ベース部14とボックス部13は、溶接又は接着
により一体に固定される。また、このベース部14は制
振合金を用いたプレス加工にて形成されている。制振合
金としては、マグネシウム・ジルコニウム合金(Mg−
Zr)、マンガン・銅合金(Mn−Cu)、アルミニウ
ム・亜鉛合金(Al−Zn)、銅・アルミニウム・ニッ
ケル合金(Cu−Al−Ni)、ニッケル・チタン合金
(Ni−Ti)等、振動減衰率が0.1以上である合金
を使用する。この場合、従来材料である黄銅(振動減衰
率が0.001)を用いる場合と比較して振動を効果的
に抑制できる。特に、制振合金のM2052(マンガ
ン:73%、銅20%、ニッケル:5%、鉄2%の合
金)を使うと、振動減衰率が大きくなるのでブラシ振動
を抑制する上で好ましい。
【0026】また、図4に示すように、ブラシ9は、そ
の後端が徐々に薄くなるようテーパ状に形成されてお
り、コイルスプリング10がブラシ後端のテーパ面9a
を押圧するよう配設されている(図5参照)。従って、
ブラシ9は、コイルスプリング10により先端側(コン
ミテータ7側)及び下側(ベース部14側)に付勢され
る。なお、図5では、ブラシ装置8におけるブラシホル
ダ11を省略し、ブラシ9及びコイルスプリング10を
示している。このコイルスプリング10の付勢力によっ
て、図3に示すように、ボックス部13における下側の
内面(2つの側面)13bにブラシ9が押し当てられ
る。このブラシ9が押し当てられるボックス部13の内
面形状は、ブラシ9の角部に沿うよう谷状(V字状)と
なっており、その内面13bがブラシ保持面に相当す
る。ここで、ブラシ9においてブラシ保持面側に位置す
る頂角αは、ブラシ保持面13bの内角βに対し、α≧
βの関係を有する。従って、コイルスプリング10によ
りブラシ9がブラシ保持面13bに押し当てられると、
ブラシ保持面13bにおけるバネ力が作用する。これに
より、ブラシ9が確実に挟持されてブラシ9の動き(図
3の左右方向の動き)が制限される。また、ブラシ9は
ブラシ保持面13bに沿って前後方向に移動される。
【0027】本実施形態のブラシ装置8では、ブラシ9
における先端面(コンミテータ7との当接面)が、コン
ミテータ7の周方向における端部から中央に向けて拡大
するように形成され、ブラシホルダ11を介してハウジ
ング2に固定されている。つまり、ブラシ当接面におい
て周方向中央から端部にいくに従い軸方向の幅が狭くな
り、ブラシ当接面における周方向の端部が角になる。そ
のため、ブラシ9のエッジがコンミテータ7の軸方向に
線接触することがなく、ブラシ9とコンミテータ7との
摩擦が急激に変化することがない。よって、コンミテー
タ7の回転時にブラシの片側エッジが浮き上がりにくく
なり、ブラシ振動が生じにくくなる。また、ブラシ先端
面での摩擦による接触支点がコンミテータ7の軸方向
(回転軸5と平行する直線上)に1点しか形成されない
ので、ブラシ9のエッジが浮き上がったとしてもその状
態が不安定となり、ブラシ9のエッジが浮き上がる時間
が短くなる。
【0028】以上詳述したように本実施の形態は、以下
の特徴を有する。 (1)ブラシ9を収納するボックス部13が、基板12
に固定されたベース部14にて弾性的に保持されるの
で、ブラシ9の振動がベース部14により吸収され、ブ
ラシ振動を抑制できる。その結果、ブラシ振動による叩
き音(騒音)を抑制できる。
【0029】(2)ベース部14は、足部14aと保持
部14bとによってコンミテータ7の周方向の断面がM
字状となるよう形成されている。この場合、ベース部1
4における足部14aと保持部14bは鋭角となり、ブ
ラシ振動が発生するコンミテータ7の周方向に対してベ
ース部14がより弾性的となる。つまり、このベース部
14は、ブラシ振動を抑制させる上で好ましい形状であ
り、ブラシ振動による騒音の発生をより抑制することが
できる。
【0030】(3)ブラシ9の当接面が、コンミテータ
7の周方向における端部から中央に向けて拡大するよう
に形成されているので、コンミテータ7の回転時にブラ
シ9の片側エッジが浮き上がりにくくなり、ブラシ振動
が生じにくくなる。その結果、ブラシ振動による騒音の
発生を抑制できる。
【0031】(4)ブラシ当接面は、コンミテータ7の
軸方向における端部から中央に向けて拡大するよう形成
されている。つまり、ブラシ当接面において軸方向中央
から端部にいくに従い周方向の幅が狭くなり、ブラシ当
接面における下端部が角になっている。また、コイルス
プリング10がブラシ後端のテーパ面9aを押圧するこ
とにより、ブラシ9が下端部側に付勢されてボックス部
13におけるV字状のブラシ保持面13bにブラシ9が
押し当てられる。このようにすれば、ボックス部13の
保持面13bにてブラシ9が挟持され、ブラシ9とブラ
シホルダ11間の周方向(図3の左右方向)のクリアラ
ンスがなくなる。よって、ブラシ9の周方向の動きを制
限できる。また、ブラシ9において、ピッグテール15
が周方向中央に固定されているが、ブラシ9の周方向の
動きが制限されるので、そのピッグテール15を支点と
するブラシ振動を確実に抑制できる。
【0032】(5)ブラシ当接面は、コンミテータ7の
周方向及び軸方向に頂点を有する四角形状をなすので、
ブラシ9及びブラシホルダ11の製造が容易である。ま
た、ブラシ9の当接面は、周方向の両側に頂点を有する
ので、正逆の双方向に回転する直流モータ1にブラシ9
を適用することができる。なお、本実施形態におけるブ
ラシ当接面は、正方形を45度傾けた形状(図3参照)
であるが、当接面が菱形となるブラシに変更しても、同
様の効果を得ることができる。
【0033】(6)ブラシ9におけるブラシ保持面側に
位置する頂角αは、V字状(谷状)のブラシ保持面13
bの内角βに対し、α≧βの関係を有するので、ブラシ
9がブラシ保持面にて確実に挟持され、ボックス部13
内にブラシ9を安定的に固定できる。
【0034】(7)ベース部14が制振合金からなるの
で、ブラシ振動をより吸収することができる。 (8)ブラシ9の振動や浮き上がりを抑制できることか
ら、ブラシ9とコンミテータ7との接触抵抗の変動を抑
えることができる。よって、モータトルクの変動が小さ
く、整流特性の良好な直流モータ1を実現できる。つま
り、安定的に駆動できる高性能な直流モータ1を実現で
きる。
【0035】なお、上記以外に次の形態にて具体化でき
る。上記実施形態では、断面四角形状のブラシ9を備え
るブラシ装置8に具体化したが、図6のように、断面六
角形状のブラシ21を備えるブラシ装置22や、図7の
ように、断面円形状のブラシ23を備えるブラシ装置2
4に具体化してもよい。図6のブラシ21は、上記ブラ
シ9の上方及び下方の角部を面取りすることにより形成
されており、ブラシ9と同様にブラシホルダ11のボッ
クス部13内に収納されている。図7のブラシ23も、
ブラシホルダ11のボックス部13内に収納されてい
る。なお、図示しないが、断面三角形状のブラシや断面
楕円形状のブラシを備えるブラシ装置に具体化してもよ
い。
【0036】また、ブラシ形状としては、図8のブラシ
25のように、断面五角形状に変更できる。さらに、図
9のブラシ26のように、図8のブラシ25の側面にV
字溝を有する形状としてもよい。図8のブラシ25や図
9のブラシ26は、ブラシの高さ(コンミテータ7の軸
方向の長さ)hに対しブラシの幅(コンミテータ7の周
方向の長さ)wが狭くなっており、ブラシの幅を広くす
ることができない場合に有効である。
【0037】上記実施形態では、ブラシホルダ11にお
いて、ボックス部13を保持するベース部14は断面M
字状(M型)であったが、これをY型、X型のベース部
に変更してもよい。つまり、基板12に立設される足部
と、該足部の先端に設けられボックス部13を保持する
V字状の保持部とによってベース部を構成してもよい。
この場合、ベース部は、ボックス部13を弾性的に保持
する上で好ましい形状となり、ブラシ振動を効果的に抑
制することができる。勿論、足部を省略したV型のベー
ス部を用いることもできる。さらに、一般的に用いられ
るH型のベース部においても、制振合金を用いてボック
ス部13を弾性的に保持すれば、ブラシ振動の抑制効果
が期待できる。
【0038】また、重力によるブラシ荷重がベース部1
4側に加わるようにモータ1が設置される場合には、コ
イルスプリング10によってブラシ9,21,23,2
5,26をベース部14側へ付勢する必要はない。この
場合、ブラシ後端部をテーパ状にする必要がなくなるの
で、ブラシの製造が容易となる。
【0039】上記実施の形態では、直流モータ1に本発
明を具体化したが、直流発電機に具体化してもよい。要
は、回転電機のブラシ装置に具体化するものであればよ
い。上記実施の形態から把握できる技術思想について、
以下にその効果とともに記載する。
【0040】(イ)前記ベース部は、基板に立設される
足部と、該足部の先端に設けられ前記ボックス部を保持
するV字状の保持部とからなることを特徴とする請求項
1に記載のブラシ装置。この場合、ベース部は、ボック
ス部を弾性的に保持する上で好ましい形状となり、ブラ
シ振動を効果的に抑制することができる。
【0041】(ロ)前記ブラシの後端面をテーパ状と
し、前記スプリングがそのブラシ後端面を押圧すること
により、該ブラシを前記ブラシホルダのブラシ保持面に
付勢することを特徴とする請求項4に記載のブラシ装
置。このようにすれば、コンミテータ側とブラシ保持面
側にブラシを付勢することができ、実用上好ましいもの
となる。
【0042】(ハ)前記ブラシホルダを、前記ブラシの
形状に合わせて四角筒状に形成したことを特徴とする請
求項5に記載のブラシ装置。つまり、請求項5に記載の
ように、ブラシの当接面が四角形状である場合、そのブ
ラシ形状に合わせてブラシホルダを四角形状とすれば、
ブラシ装置の構成を簡素化できその製造が容易となる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ブラシ振動を抑え、騒音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態の直流モータを示す一部断面
図。
【図2】 本実施の形態のブラシ装置を示す斜視図。
【図3】 ブラシ装置の正面図。
【図4】 ブラシの側面図。
【図5】 コンミテータとブラシとコイルスプリングを
示す斜視図。
【図6】 別の実施形態のブラシ装置を示す正面図。
【図7】 別の実施形態のブラシ装置を示す正面図。
【図8】 別の実施形態のブラシを示す正面図
【図9】 別の実施形態のブラシを示す正面図。
【図10】 従来のブラシ装置を示す一部断面図。
【符号の説明】
7…コンミテータ、8…ブラシ装置、9…ブラシ、10
…コイルスプリング、11…ブラシホルダ、12…基
板、13…ボックス部、13b…ブラシ保持面、14…
ベース部、14a…足部、14b…保持部、21…ブラ
シ、22…ブラシ装置、23…ブラシ、24…ブラシ装
置、25…ブラシ、26…ブラシ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守屋 和満 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株式 会社内 (72)発明者 伊藤 靖英 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株式 会社内 Fターム(参考) 5H605 AA05 CC07 DD21 EA09 EA12 EA26 EA30 5H613 AA03 BB15 BB27 BB35 GA10 GA13 GA15 GA16 SS06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円筒状のコンミテータの外周面に先端
    部が摺接されるブラシと、 前記ブラシを収納保持するブラシホルダと、 前記ブラシホルダを固定する基板と、 前記ブラシをコンミテータに向かって付勢するスプリン
    グとを備えるブラシ装置において、 前記ブラシホルダは、前記ブラシを収納するためのボッ
    クス部と、該ボックス部を弾性的に保持するベース部と
    からなり、該ベース部を前記基板に固定したことを特徴
    とするブラシ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のブラシ装置において、 前記ベース部は、前記基板に固定され前記コンミテータ
    の軸方向に延びる一対の足部と、該両足部先端を連結す
    るとともに前記ボックス部を保持する保持部とからな
    り、前記コンミテータの周方向の断面がM字状に形成さ
    れたことを特徴とするブラシ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のブラシ装置にお
    いて、 前記ブラシを、その先端部における前記コンミテータと
    の当接面が、該コンミテータの周方向における端部から
    中心に向けて拡大するよう形成したことを特徴とするブ
    ラシ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のブ
    ラシ装置において、 前記ブラシを、その先端部における前記コンミテータと
    の当接面が、該コンミテータの軸方向における端部から
    中央に向けて拡大するよう形成し、 当該ブラシの形状に合わせて、前記ボックス部のブラシ
    保持面を谷状に形成し、 前記スプリングによりブラシを前記ブラシ保持面に向か
    って付勢したことを特徴とするブラシ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のブ
    ラシ装置において、 前記ブラシの当接面は、前記コンミテータの周方向及び
    軸方向に頂点を有する四角形状をなすことを特徴とする
    ブラシ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のブラシ装置において、 前記ブラシにおける前記ブラシ保持面側に位置する頂角
    αは、前記谷状のブラシ保持面の内角βに対し、α≧β
    の関係を有することを特徴とするブラシ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のブ
    ラシ装置において、 前記ベース部は、制振合金からなることを特徴とするブ
    ラシ装置。
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