JP2003079092A - 小型dcブラシレスモータ - Google Patents

小型dcブラシレスモータ

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JP2003079092A JP2001266421A JP2001266421A JP2003079092A JP 2003079092 A JP2003079092 A JP 2003079092A JP 2001266421 A JP2001266421 A JP 2001266421A JP 2001266421 A JP2001266421 A JP 2001266421A JP 2003079092 A JP2003079092 A JP 2003079092A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 うず電流損を低減し、高効率で発熱の少ない
小型モータを提供する。 【解決手段】 回転磁界を発生させる界磁コイル4と、
前記回転磁界に基づいて回転するインナーロータ部23
と、前記界磁コイル4に電力供給を行うための配線パタ
ーンを有する基板12とを備えた小型モータ1において、
前記インナロータ部23と界磁コイル4を収めるハウジン
グケース22を、パーマロイ素材により形成する。また、
前記基板12は、絶縁性のゴム状弾性体からなる略環状の
Oリング20とエンドフランジ16によって、ハウジングケ
ースに弾性押し圧力をもって固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に医療機器や精
密測定装置などに利用される小径小型のDCブラシレス
モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インナーロータマグネット型
の小型モータは、バックヨークを兼ねたハウジングケー
スとして、SUM、SPCC、SPCE、SK材等の鉄鋼材料を切削
加工、又はプレス加工等により形成した単一鋼塊の略円
筒状のパーツ部品を用いるのが一般的であった。
【0003】例えば、図3に示すように、円筒状マグネ
ット5とその中心を貫通するシャフト6からなるインナ
ーロータ部21を、円筒状ハウジングケース2の両端開口
部に位置するフランジ3及びエンドフランジ16の軸中心
位置でベアリング8及びベアリング9により回転自在に
軸支し、これをハウジングケース2の内周面2aに固定
された界磁コイル4に転流通電することにより発生する
回転磁界によりインナーロータ部21を回転駆動させるD
Cブラシレスの小型モータ11がある。
【0004】図3に示した小型モータ11の向かって右端
側(エンドフランジ16側)には、リード線24を介してド
ライバ出力電流を界磁コイル4に供給する基板12が設置
されている。この基板12は、界磁コイル4の端末処理作
業を容易にしたり、線材の断線を防止したりする為に、
ハウジングケース2に確実に固定されることが必要とな
る。
【0005】その為、環状をした例えばステンレス製の
押さえリング13を用い、内径部に圧入嵌合させ、基板12
をハウジングケース2に固定していた。この際、図4に
その拡大部を示すとおり、基板12と押さえリング13とは
絶縁させる必要がある。そこで、押さえリング13と接触
する部分の基板12にはパターンを配置しないようにした
り、基板12と押さえリング13の間に、例えばポリエチレ
ンテレフタレート(PET)のシートからなる絶縁部材15
を挿入したりしている。
【0006】また、基板12、押さえリング13の後部側に
は、ハウジングケース2の開口部を覆うようにエンドフ
ランジ16が嵌めこまれ、カシメ部27で固定される。この
際、ハウジングケース2、押さえリング13及びエンドフ
ランジ16は金属製であり、弾性が無いことから、例えば
間挿する各部材の寸法公差によっては、エンドフランジ
16がハウジングケース2に寸法通り正確に嵌らない場合
がある。そこで、この各部材の寸法の公差を吸収するた
めに押さえリング13とエンドフランジ16の間にスペース
Sを設けている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記図3に示すような
インナーロータマグネット型の小型モータ11は、モータ
動作時におけるインナーロータ部21の回転中に、ロータ
部マグネット5の磁束が、磁性材料からなるハウジング
ケース2を横切るため、ハウジングケース2中にうず電
流が流れ、鉄損(うず電流損)が発生するという問題が
以前から指摘されていた。つまり従来の小型モータ11の
構成の場合、ハウジングケース2が一体の単一鋼塊であ
るために電気抵抗が小さく、うず電流が流れやすいこと
から、結果的にうず電流損の増大や発熱の促進を招いて
いた。
【0008】これらの問題点を改善するため、非磁性材
料からなるハウジングケース内に、例えば厚み0.5mm程
度の鋼板を軸方向に積層して収めることにより、うず電
流を流れにくくする手段が提案されているが、積層鋼板
を内包するハウジングケースの厚み分、モータ外径寸法
が増大してしまうため小径化することは難しく、特に外
径ψ12mm以下の小径モータには適用が困難であった。
【0009】また、上述のように基板12と押さえリング
13の間に絶縁部材15を挟むと、部品数が多くなると共に
コストが大きくなるという問題があった。さらに、押さ
えリング13とエンドフランジ16の間に、各部材の寸法公
差を吸収するためのスペースSを設けている為、その分
小型モータ11全体の軸方向の寸法が長くなってしまうと
いうだけでなく、押さえリング13がはずれてスペース内
で遊んでしまい、基板12がズレることにより結果的に界
磁コイル端末の断線を招くなどの問題があった。
【0010】本発明の課題は、うず電流損を低減し、高
効率で発熱の少ない小型モータを低コストで提供すると
共に、基板が確実に固定される取り付け構造の小型モー
タを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明においては、回転軸に円筒マ
グネットを備えたインナーロータとその周囲に配置され
たステータ界磁コイルとを有する外径φ12mm以下のイン
ナーロータマグネット型の小型モータにおいて、前記イ
ンナーロータ及び界磁コイルを内包し収めるとともに、
前記界磁コイルの外周部に位置し、モータの外装部品と
なるハウジングケースが、軟磁性材材料であるパーマロ
イ素材により形成され、かつ組み込まれている小型DC
ブラシレスモータとしている。
【0012】この請求項1に記載の発明によれば、イン
ナロータ及び界磁コイルを収めるハウジングケース全体
は、軟磁性材料であるパーマロイにより形成されてい
る。パーマロイは、後記の表1に示すように、鋳鉄に対
し電気抵抗が高いため、うず電流が流れにくく、従っ
て、うず電流損が抑制され、発熱を抑えることができる
ので、エネルギー損失の少ない、効率のよい小型モータ
を提供できる。
【0013】また請求項2に記載の発明では、前記ハウ
ジングケースが筒状とされ、該ハウジングケースの筒内
一端の後部側には、前記界磁コイルへの電力供給を行う
ための配線を有する基板が配置され、さらに該ハウジン
グケース内の前記基板の取り付け配置位置には、該基板
のケース内前側方向への移動を規制する規制段部が設け
られ、かつ前記基板の後側には絶縁性の弾性体からなる
略環状の押さえ部材が隣接し配置され、これに前記ハウ
ジングケースの後端部に蓋体が嵌合されるとともに、該
蓋体が前記押さえ部材を前側に押しつぶす状態に嵌合配
置されることにより、前記押さえ部材の弾性力により前
記基板を前記規制部側に押圧して、前記基板を配置固定
している小型DCブラシレスモータとした。
【0014】この請求項2に記載の発明によれば、基板
の押さえ部材は絶縁性の弾性体であり、押さえ部材自身
が絶縁性を有するので、基板の押さえ部材と接触する部
分にも通電パターンを配置できる。また、押さえ部材そ
のものが絶縁体であることから、基板と押さえ部材の間
に特に絶縁部材を挟む必要が無いので、部品数が少なく
て済み、絶縁不良もない。つまり、コスト削減と不良問
題解決につながる。
【0015】さらに、弾性体である押さえ部材を蓋体が
組み込んだときに押しつぶすように設定配置されてお
り、この挟まれた押さえ部の弾性力により基板が規制段
部に常に押し付けられて、ハウジングケース内に固定さ
れることとなる。
【0016】つまり、従来取り付け構造の小型モータだ
と押さえ部材が金属製である為、金属(押さえ部材)と
金属(蓋体)同士を組み付けることになり、各部材の寸
法の公差を考慮しないと蓋体が完全に嵌合できない等の
問題が生じる場合があったので、各部材の間に隙間を設
けていたが、しかし本発明における小型モータでは、弾
性体(押さえ部材)と金属(蓋体)とを構造的に組み付
けるので、弾性体である押さえ部材が各部材の寸法の公
差を吸収する為に上述のようなスペースの問題を考慮す
る必要が無く、押さえ部材と蓋体の間に隙間を設ける必
要がなくなり、従って、基板を確実に固定しつつ小型モ
ータ全体の寸法をより小さくすることが可能である。
【0017】また、ハウジングケースを形成するパーマ
ロイは、他の鉄系材料に比べて柔らかいので、基板を固
定するのに従来タイプの金属製押さえリングを用いた場
合、押さえリングの外径を圧入嵌合の設定でハウジング
ケースの内径に合わせると、ハウジングケースに押さえ
リングを押し込こんだ際に、薄肉部分のハウジングケー
ス部分が変形してしまう可能性が大きい。このようにハ
ウジングケースが変形してしまうと、蓋体をハウジング
ケース中心位置に嵌合させることが困難になるだけでな
く、回転軸の芯ズレ、位置ズレや、基板の固定力が不足
する場合がある。さらに蓋体の抜去力も極端に低下す
る。
【0018】それに対して本発明は、押さえ部材が弾性
体から成るため、ハウジングケースの内径にほぼ等しい
外径を有する押さえ部材を配置する場合でも、ハウジン
グケースが圧入などにより変形することはないので、蓋
体を設計嵌合公差内で常に正確に嵌合できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図
1、図2、及び図5、図6に基づいて詳細に説明する。
なお、小型モータ1は、ハウジングケース22、Oリング
20(押さえ部材)以外は図3に示す従来の小型モータ11
と同様であるので、同じ構成要素については同一符号を
付す。また、小型モータ1は、例えば輸液ポンプ又は透
析用ポンプ、或いは精密測定装置、小型携帯電子機器類
等に用いられる外径ψ12mm以下のインナーロータマグネ
ット型の小型モータである。
【0020】図2は、本発明を適用したインナーロータ
型の小型モータ1の側断面図であり、図1は図2の右端
部分のエンドフランジ側のモータ構造を示す拡大図で、
さらにその構造の一部を拡大したのが図6である。ま
た、図5は、図2の小型モータ1をエンドフランジ側か
ら見た時の外観概略図である。
【0021】インナーロータ型の小型モータ1は、大別
して、外部から供給される電流により回転磁界を発生さ
せるステータ界磁コイル4と、回転磁界に基づいて回転
するロータ部インナロータ23と、これらの各部材が収め
られるステータ部ハウジングケース22等とから概略構成
される。
【0022】インナーロータ23部分は、希土類永久磁石
からなる円筒型のマグネット5とシャフト6からなり、
フランジ3及びエンドフランジ16中心に配置した軸受8
及び軸受9により二点間で回転自在に軸支されている。
またマグネット5は、回転磁界に基づいて回転する小型
モータ1の駆動部分となるロータとしての役割を果たす
ものであり、マグネット5の中央には長手方向に沿って
シャフト6が貫通している。さらにハウジングケース22
は、Fe−Ni系材料である軟磁性材料のパーマロイPB
(Fe−45%Ni)からなる円筒状で両端が開口した形状
で、前記インナーロータ23が内部に収められている。
【0023】また、ハウジングケース22の左端には、ハ
ウジングケース22の開口部を覆うようにフランジ3が設
けられ、フランジ3の小型モータ1内部側の中心位置に
設けられた凹部には、インナーロータ23のシャフト6を
支持する為のベアリング8が嵌めこまれており、シャフ
ト6は、このベアリング8を介してフランジ3の中心を
貫いている。
【0024】ベアリング8とマグネット5の間には、例
えばポリエチレンテレフタレートからなる環状の二枚の
ライナー14、14が挿入されている。同ライナー14、14
は、ライナー間ですべり摺動することにより、インナー
ロータをスムーズに回転させるものであり、中央に設け
られた穴にはシャフトが貫通している。
【0025】またハウジングケース22の右端には、ハウ
ジングケース22の開口部を覆うようにエンドフランジ16
(蓋体)が設けられ、カシメ部27により固定されてい
る。これもフランジ3同様に、エンドフランジ16の小型
モータ1内部側の中心に設けられた凹部には、インナー
ロータ部23のシャフト6を受けるベアリング9が嵌めこ
まれており、シャフト6は、このベアリング9を介して
エンドフランジ16の中心に位置している。ベアリング9
とマグネット5の間には、後述する基板12を設置するた
めの空間を確保するスペーサ10が設けられている。また
スペーサ10とベアリング9の間には、前述のライナー1
4、14と同一のライナー17、17が挿入されている。
【0026】ハウジングケース22の内周面22aには、回
転磁界を発生させる円筒状の界磁コイル4が固定されて
おり、この界磁コイル4の内方側に、間隙を介して上述
のインナーロータ23が回転可能に収められている。また
ハウジングケース22のエンドフランジ側開口部内径部分
には、円筒肉厚方向に段差部を設けるため、界磁コイル
4が収められる部分の内径R1よりも、エンドフランジ16
が嵌めこまれる部分の内径R2の方が大きくなるように設
計されている(図1参照)。
【0027】この段差からなる固定部25(規制部)に押
し付けられるように、配線パターンが施された基板12が
配置され設けられている。基板12には、図示していない
外部ドライバからの出力電流をリード線24を介して界磁
コイル4に供給するための導通パターンが設けられてい
る。
【0028】またエンドフランジ16には、界磁コイル4
に電流を供給するためのリード線24、24・・を通す長円
形状の貫通孔16a(図5参照)が設けられており、リー
ド線24、24・・の端部は外部の駆動用ドライバに接続さ
れている。そしてリード線、モータ内部の基板12を介し
て界磁コイル4へと接続されている。
【0029】この時、界磁コイル4がスター結線の場
合、U・V・W・COM4本の内COM1本は中性点
で、デルタ結線の場合は、U・V・W3本である。小型
モータはスペース的にセンサレスが一般的であるが、セ
ンサレス駆動方式の場合、前者はDCブラシレス駆動又
は同期モータ駆動として用い、後者は同期モータ駆動と
して基本的に用いられることが多い。
【0030】また図6に示すように、基板12とエンドフ
ランジ16の間には、絶縁性のゴム状弾性体からなる、環
状で断面が略円形状のOリング20が挟み込まれている。
Oリング20の外径はハウジングケース22の内径R2とほぼ
等しくなっており、基板12は、Oリング20を介してエン
ドフランジ16により固定部25(規制部)の段差に弾性体
の反発力(図中の矢印)により、双方押し付けられるこ
とによって、ハウジングケース22に押圧固定される。
【0031】Oリング20の材質としては、例えば天然ゴ
ム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエン
ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴ
ム(CR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレン
プロピレンゴム(EPM、EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ク
ロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、アクリルゴ
ム(ACM、ANM)、エピクロロヒドリンゴム(CO、EC
O)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)、フッ
素ゴム(FKM)、多硫化ゴム(T)などがある。
【0032】なお、上記カッコ内の略号は、米国におけ
る工業材料およびその試験法の標準化機関である米国材
料試験協会(American Society for Testing and M
aterials)による標記表示のものである。
【0033】次に上記構成の小型モータ1の動作につい
て説明する。まず、リード線24、24・・を通じてドライ
バから供給量や供給タイミングを制御された駆動電流が
供給される。次に、基板12に配置された導通パターンを
介して同電流が界磁コイル4に供給される。
【0034】界磁コイル4は、この電流に基づいて回転
磁界を発生させ、ロータとしてのマグネット5を有する
インナーロータ23部は、前記回転磁界に基づいて回転駆
動する。このとき、シャフト6の両端にはライナー14、
14、17、17及びベアリング8、9が設けられているた
め、インナーロータ部はスムーズに回転する。
【0035】以上、前記小型モータ1によれば、ハウジ
ングケース22に電気抵抗の大きいパーマロイPBを使用
している為、うず電流が流れにくくなり、鉄損や発熱を
抑えることができ、モータの損失を低減すことができ
る。
【0036】実際に、ハウジングケースの材質にパーマ
ロイPBを用いた本発明の実施と、従来例との損失比率
の比較値を、表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】両者はハウジングケース材質が異なる以
外、寸法・その他構成部品などを含め、全く同一仕様の
モータ仕様であり、またモータ駆動電圧は共にDC5Vと
した。このとき損失比率ηLOSS (%)は、無負荷電流Io
(mA)および起動電流Is (mA)を実測し、損失比率ηLOS
S (%)=[無負荷電流Io (mA)/起動電流Is (mA)]×
100の計算式により算出した。
【0039】前記表1の平均値を比較すると、従来例の
損失比率が40.2%であるのに対し、本発明の実施例の損
失比率は18.5%であり、明らかに材料の差の効果が定量
的に確認できる。このパーマロイPBは軟磁性材料であ
り、表1に示すようにFe(SUM)が抵抗率11μΩ・cm
であるのに対し、パーマロイPBは抵抗率45μΩ・cmで
あり、パーマロイPBの方が電気抵抗が高く、よって、
うず電流損が抑制できるという結果が確認できた。
【0040】また、パーマロイPBは、他の鉄系材料に
比べて材質的に柔らかいが、基板12を押さえる手段とし
てゴム状のOリング20を用いている為、薄厚のハウジン
グケース22が変形することはなく、確実に基板固定がで
き、さらに芯ズレすることもなく、エンドフランジ16を
設計寸法公差内で確実に嵌めこむことができた。
【0041】なお、本発明は上記実施の形態にのみに限
定されることはない。例えば上記実施の形態におけるハ
ウジングケース22は軟磁性材料のパーマロイPBにより
作られているが、パーマロイPB以外のパーマロイでも
よく、例えば同じFe−Ni系の軟磁性材料であるパーマ
ロイPC(Fe−78%Ni−4.5%Mo−3.5%Cu)でもよ
い。また、上記実施の形態におけるOリング20は環状で
あるが、Cリング形状のものや一部が変形、又は切断さ
れたリング状のものなどでもよい。
【0042】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、インナ
ロータ及び界磁コイルを収めるハウジングケース素材
は、軟磁性材料であるパーマロイにより形成されてい
る。パーマロイは電気抵抗が大きい為、ロータ(マグネ
ット)の回転に起因して生じるうず電流が流れにくく、
従って、うず電流損が抑制でき、ハウジングケース部材
の発熱を抑えることができるので、効率のよい小型モー
タを提供できる。
【0043】また請求項2に記載の発明によれば、基板
の押さえ部材は絶縁性弾性体であり、絶縁性を有するの
で、基板の押さえ部材と接触する部分にもパターンを配
置できる。また、押さえ部材そのものが絶縁体であるこ
とから、従来のように絶縁部材を基板と押さえ部材の間
に挟む必要が無く、従来と比較して部品数を減らすこと
ができる。つまり、コスト削減につながる。
【0044】さらに、弾性体である押さえ部材を、蓋体
が押すように設定配置されており、この押さえ部材の弾
性力により基板が規制部に押し付けられて、ハウジング
ケース内に確実に固定される。
【0045】つまり、従来の小型モータの場合、押さえ
部材が金属製である為、金属(押さえ部材)と金属(蓋
体)同士を組み付けることになり、各部材の寸法公差に
よっては蓋体が完全に嵌合できない問題が生じる場合が
あったが、本発明における小型モータでは、弾性体(押
さえ部材)と金属(蓋体)とを組み付けるので、弾性体
である押さえ部材が各部材の寸法公差を吸収する為に上
述のような問題を考慮する必要が無く、押さえ部材と蓋
体の間に、前記公差を吸収する為の隙間を設ける必要が
なく、従って、基板を確実に固定しつつ小型モータ全体
の寸法をより小さくすることが可能である。
【0046】加えて、ハウジングケースを形成するパー
マロイは、他の鉄系材料に比べて変形しやすく柔らかい
が、押さえ部材が弾性体から成るため、ハウジングケー
スの薄肉部内径に対し、挿入嵌合寸法を設けた蓋体を後
に配置する場合でも、押さえ部材圧入嵌合の変形を受け
ることなく、蓋体が確実にハウジングケースの後端部中
心位置に嵌合カシメ固定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る小型DCブラシレスモータのエン
ドフランジ側の構造を示す拡大側断面図。
【図2】本発明に係る小型DCブラシレスモータの側断
面図。
【図3】従来の小型DCブラシレスモータの側断面図。
【図4】従来の小型DCブラシレスモータのエンドフラ
ンジ側の構造を示す拡大側断面図。
【図5】本発明の小型DCブラシレスモータをエンドフ
ランジ側から見た時の外観概略図。
【図6】本発明に係る小型DCブラシレスモータのエン
ドフランジ側の構造を示す部分拡大側断面図。
【符号の説明】
1 小型モータ 3 フランジ 4 界磁コイル 5 マグネット 6 シャフト 12 基板 16 エンドフランジ(蓋体) 16a 貫通孔 20 Oリング(押さえ部材) 22 ハウジングケース 22a 内周面 23 インナーロータ(インナロータ部) 25 固定部(規制部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に円筒マグネットを備えたインナ
    ーロータとその周囲に配置されたステータ界磁コイルと
    を有する外径φ12mm以下のインナーロータマグネット型
    の小型モータにおいて、 前記インナーロータ及び界磁コイルを内包し収めるとと
    もに、前記界磁コイルの外周部に位置し、モータの外装
    部品となるハウジングケースが、軟磁性材材料であるパ
    ーマロイ素材により形成され、かつ組み込まれているこ
    とを特徴とする小型DCブラシレスモータ。
  2. 【請求項2】 前記ハウジングケースが筒状とされ、該
    ハウジングケースの筒内一端の後部側には、前記界磁コ
    イルへの電力供給を行うための配線を有する基板が配置
    され、 さらに該ハウジングケース内の前記基板の取り付け配置
    位置には、該基板のケース内前側方向への移動を規制す
    る規制段部が設けられ、 かつ前記基板の後側には絶縁性の弾性体からなる略環状
    の押さえ部材が隣接し配置され、 これに前記ハウジングケースの後端部に蓋体が嵌合され
    るとともに、該蓋体が前記押さえ部材を前側に押しつぶ
    す状態に嵌合配置されることにより、前記押さえ部材の
    弾性力により前記基板を前記規制部側に押圧して、前記
    基板を配置固定していることを特徴とする小型DCブラ
    シレスモータ。
  3. 【請求項3】 前記押さえ部材の弾性体がOリング形状
    であり、材質として、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム
    (IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン
    ゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルブタジ
    エンゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPD
    M)、ブチルゴム(IIR)、クロロスルホン化ポリエチレ
    ンゴム(CSM)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロ
    ロヒドリンゴム(CO、ECO)、ウレタンゴム(U)、シリ
    コーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、多硫化ゴム
    (T)、の一種を用いて前記基板を配置固定しているこ
    とを特徴とする請求項2記載の小型DCブラシレスモー
    タ。
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