JP2003078989A - ステレオヘッドホンおよびその音響変換器の配置を最適化する方法 - Google Patents

ステレオヘッドホンおよびその音響変換器の配置を最適化する方法

Info

Publication number
JP2003078989A
JP2003078989A JP2002207714A JP2002207714A JP2003078989A JP 2003078989 A JP2003078989 A JP 2003078989A JP 2002207714 A JP2002207714 A JP 2002207714A JP 2002207714 A JP2002207714 A JP 2002207714A JP 2003078989 A JP2003078989 A JP 2003078989A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acoustic
localization
stereo
auditory event
acoustic transducer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002207714A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3612311B2 (ja
Inventor
Florian Meinhard Koenig
ケーニッヒ,フロリアン、マインハルト
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Florian Meinhard Koenig
Original Assignee
Florian Meinhard Koenig
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Florian Meinhard Koenig filed Critical Florian Meinhard Koenig
Publication of JP2003078989A publication Critical patent/JP2003078989A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3612311B2 publication Critical patent/JP3612311B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R1/10Earpieces; Attachments therefor ; Earphones; Monophonic headphones
    • H04R1/1058Manufacture or assembly
    • H04R1/1075Mountings of transducers in earphones or headphones
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R5/00Stereophonic arrangements
    • H04R5/033Headphones for stereophonic communication
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S7/00Indicating arrangements; Control arrangements, e.g. balance control
    • H04S7/30Control circuits for electronic adaptation of the sound field
    • H04S7/305Electronic adaptation of stereophonic audio signals to reverberation of the listening space

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Stereophonic System (AREA)
  • Headphones And Earphones (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 聴性事象の前方定位を簡単な方法で確実に定
めるべく、ステレオヘッドホンの音響変換器の配置を迅
速に最適化する。 【解決手段】 試験対象の外耳突起に装着された音響変
換器の基準配置位置から出発して、各音響変換器の移動
を行うことにより音響変換器の配置を実験的に最適化し
て正面方向へ聴性事象を定位するステレオヘッドホンの
左右音響変換器の配置を最適化する方法であって、聴性
事象の正面方向定位のためにステレオヘッドホンの音響
変換器の配置を最適化するために各音響変換器の配置
を、所定のステップ幅で下方と前方へ交互に繰返し移動
することにより、聴性事象の正面方向定位のために、更
に、下方へ正面方向の移動量を超えて移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の(即ち左右
各1つの)音響変換器を有し、外耳突起への装着(基準)
位置から出発して、正面方向へ所定量だけ、音響変換器
が移動可能に配置される形式のステレオヘッドホンおよ
びその音響変換器の配置を最適化する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来技術及び問題点】聴性事象の頭部外定位のための
ヘッドホンは修正された自由音場または拡散音場であ
り、または方向に関して中性的に補償されるものである
ことが知られている(K.Genuit:“Warum Freifeld“ Re
port to the Berlin Radio Exhibition“,1983; R
undfunktechnische Mitteilungen(無線技術レポー
ト)、巻1/1983,17〜26ページ、ドイツ特許
第3131347号明細書、Fortschritte der Akustik
(音響技術の発達)−DAGA 1987, 477〜480
ページ)。
【0003】この既知の方法の基本は指向性の定位に対
して人の耳の性能を模擬したものであって、これは満足
できるように適切に定められている。すなわち、身体の
上側部分である、胴体、頭、および耳の外側部分を考慮
にいれる。それらは人工ヘッド、指向性混合コンソー
ル、およびヘッドホンの実現および修正においてユニッ
トとして考慮される。この領域において、今日では人工
ヘッドにおいて主として2種類の開発がなされている。
それらの種類は自由音場修正されたものと、拡散音場修
正されたものとに分類できる(Brueel & Kjaerカタロ
グ:“Head and Trunk Simulator 4128”、ドイツ
特許公開第3146706号明細書; Rundfunktechnis
che Mitteilungen (無線技術レポート)、巻1/19
81,1〜6ページ。更に、現在までは、音場の自由音
場伝送を主として基にしたただ2つの指向性混合コンソ
ールが開発されているだけである(HEAD-ACUSTICS: inf
ormationpamphlet and report of the 13th Audio Oper
ators Convention, ミュンヘン、1984年、103〜
110ページ、AKUTISCHE U. KINO-GERAETE 社、情報パ
ンフレット)。「人工ヘッド・ヘッドホン」装置の個々
の調節の特定の重要性については、種々の面に対して参
照が行われる(J.B1auert: Spatial Audition, Postscr
ipt、 new Developments and Trends since l972,
S.Hirzel 出版社、1985, Acustica:48巻、272
〜274ページ)。ここでは、音声信号の伝送法におい
て考慮せねばならない指向性定位のための人の耳の能力
を、ldBの精度で、模擬することに特に注目する。ldB
より大きい周波数応答のずれでは、聴性事象の頭蓋内の
定位を他のやり方では避けることができない。その理由
は、ヘッドホンによる再生の場合には、聴性事象を音源
に割り当てる手順が、結合を行うために求められる視覚
的合図(情報)を欠くからである(G. Plenge: Problem
of the Intracranial Localization of Sound Source
in Human Acoustic Perception、 Habilitation、 TU-Ber
lin l973, 25ページ以下)。したがって、人工ヘ
ッドの、または指向性コンソールの、可能な頭部定位を
行う単一ステレオ音響信号を、ヘッドホンの前で個々
に、かつ指向性をもって、後で補償することがかなり重
要である(それらは録音装置に適合する)(F. Koeni
g:ドイツ特許公開第3922118号明細書)。
【0004】これ以外に、測定法と、測定装置の設計
と、それで得た結果については、外耳の伝送機能の決定
に関連してすでに述べた通りである(上記、B1auert: S
patialAudition, Postscript 参照)。
【0005】より迅速に機能する簡単にした手順として
得られた(たとえば、周波数に依存するひずみに関して
結論を出すことを許す、ほんの数秒の測定時間の後で図
形が得られる)音声放射変形「ヘッドホン」に関して、
F. Koenig により示されている(ドイツ特許公開第39
03246号および第3912582号の各明細書参
照)。
【0006】方向的に真の音響放射の録音と再生につい
ては、ヘッドホンを用いる音響放射を介する録音の再生
における「頭内定位」のうるさい副作用を減少するため
に、B1auert/Boerger/Lams/Kuerer/Plenge/Wilkens/Pfl
eidererなどにより、努力が成されている(ドイツ特許
公開第223316号, 第2628053号各明細書、
第1927401号、第2244162号、第2545
446号、第2557519号の各明細書、Funk Techn
ik (無線技術)6, 7巻/1984、特別版、ドイツ
特許公開第3112874号明細書)。
【0007】とくに最後のプロセス(P. M. Pfleiderer
の)に重点を置くことができる。その理由は、「頭の外
部定位のためのプロセッサ」で公告されているように、
実施のために良い近似で用いられるときに、科学用語に
対応する聴性事象の定位でないものを提供するからであ
る(上記、G Plenge、 habilitation publication, 19
73, 参照)。この装置はかなり効果的なプロセッサ
で、ステレオ音に続いて空間音を構成するが、聴性事象
の自然の三次元定位において可能な音の方向の近くの1
つを実現しない(頭内上方定位からの発散)。すでに述
べたように、外耳の指向性はこれに寄与する(上記、B1
auert、 Spatial Audition, Postscript参照)。
【0008】効果的なプロセッサおよびそれの技術的実
現に関しては、多くの論文、出版物および特許出願が現
れている。それらはとくに空間反射パターンのシミュレ
ーションについて記述している。したがって、今日で
は、広範囲のそのような可変的にプログラム可能な残響
装置およびエコー装置(空間の寸法、空間構造および空
間デザインを含む)を利用することができる。
【0009】また、「新しい種類のプレゼンスフィル
タ」(J. B1auert: Fernseh-und Kino-Technik(テレビ
ジョンおよび映画の技術)1970,3巻、75〜78
ページ)が1970年以来知られており、また、「外耳
伝送の特性を記述するためのモデル」も知られている。
そこでは、「前方」および頭の前方における水平から耳
のところにおける「横方向」までの音の入射方向の変化
中の差の修正が取り扱われている(K.Genuit:博士論
文、アーヘン科学技術大学、1984, 81〜82ペー
ジ)。
【0010】最後に、ヘッドホンの音響変換器システム
が見る方向で前方へ移動させられるときに、その聴性事
象を多少とも正確に水平に前方へ定位できることが知ら
れている。これは、耳介が近い距離の音放射を受けてい
る間に方向づけられた特定の線形修正が行われるためで
ある。ここで、前記の効果を達成するために、見る方向
で前方に少なくとも約10センチメートルの所に音響変
換器を置かねばならない。聴性事象の水平前方定位はス
テレオヘッドホンを用いる音響放射を介する。これは高
い費用で実現されるステレオヘッドホンにより支持され
る。これは、音を放射すべき左右の耳介に対して平行
に、別々に変調される低音および中音/高音の音響変換
器システムを提供する(ドイツ特許第2541332号
明細書;Funkschau(ラジオ.レビュー):10巻/1
977、57〜58および71〜72ページ)。
【0011】冒頭に述べられている形式のステレオヘッ
ドホンは米国特許第3592978号明細書により知ら
れている。この既知のステレオヘッドホンは音響変換器
システムを有する。この音響変換器システムは外耳突起
の所に直接に通常のようにして取り付けられるのではな
く、見る方向で前方へ所定量だけ移動させられるように
して、外耳突起からある距離で垂直軸の周囲にピボット
(曲折)されている。しかし、その音の方向の前方への
移動距離は非常に小さいから、見る方向に少なくとも1
0cm移動する前記の音響変換器の配置の場合とは異なっ
て、聴性事象の水平前方定位を達成するためには決して
十分ではない。その理由は、米国特許第3,592,97
8号明細書のものでは聴性事象の水平前方定位をどのよ
うにして達成するかについては何の議論もしていないか
らである。実際にそうであるから、通常のヘッドホンの
頭内上方定位はこの既知のステレオヘッドホンに対して
維持される。そのステレオヘッドホンは不自然に音を生
じ、長い間聴いているとうるさく感ぜられる。
【0012】冒頭に記載されている形式の別の公知のス
テレオヘッドホンが米国特許第3751608号明細書
により知られている。この既知のヘッドホンは、米国特
許第3592978号明細書により知られているものに
類似する音響変換器システムの配置を行う。すなわち、
外耳突起からある横方向距離で、正面方向へピボット
(旋回)される。この既知のステレオヘッドホンは正面
方向の音響変換器システムの配置により特徴づけられ、
それは聴性事象の正面方向定位に対しては小さすぎる。
更に、米国特許第3751608明細書により、下記の
種類の音響変換器システムを最適化するための方法が知
られている。即ちこの方法は、試験対象の外耳突起に装
着された音響変換器の基準配置位置から出発して、各音
響変換器の移動を行うことにより音響変換器の配置を実
験的に最適化して正面方向へ聴性事象を定位する、ステ
レオヘッドホンの左右音響変換器の配置を最適化する方
法である。それに従って、とくに、正面方向の、両側の
音響変換器システムの配置の変更を実験的に最適化する
ことにより聴性事象を創り出すことができる。
【0013】
【発明により解決しようとする課題】本発明の第1の視
点における目的は、聴性事象の前方定位が簡単な手段で
確実に達成されるように改善された、冒頭に記載された
形式のステレオヘッドホンを提供することである。更に
本発明の第2の視点における目的は、音響変換器の配置
を迅速かつ確実に定められる、上述の形式のステレオヘ
ッドホンの音響変換器の配置を最適化する方法を提供す
ることである。
【0014】
【課題の解決手段】本発明の第1の視点における目的
は、ステレオヘッドホンに関して、下記の態様に記載の
構成により達成される。即ち、左右各1つの音響変換器
を有し、外耳突起への装着基準位置から出発して、正面
方向へ所定量だけ、前記音響変換器が移動配置されるス
テレオヘッドホンであって、左右各カップ内において前
記各音響変換器は正面方向において下方へ、頭内上方定
位をほぼ正面方向に定位させる聴性事象へ変換するのに
適切な量だけ、前記正面方向の移動量を超えて更に移動
可能に構成したことを特徴とする。(態様1)
【0015】本発明のステレオヘッドホンの好適な実施
態様(態様2)が次のように与えられる。即ち、 a)音響変換器の外耳突起への装着位置を基準にした頭
内上方の聴性事象の位置、または b) 聴性事象水平前方の位置のいずれかのために、音
響変換器が三次元的に可変配置可能に構成されることを
特徴とする。(態様2)
【0016】本発明の第2の視点における方法(即ち本
分割出願の対象)に関して、試験対象の外耳突起に装着
された音響変換器の基準配置位置から出発して、各音響
変換器の移動を行うことにより音響変換器の配置を実験
的に最適化して正面方向へ聴性事象を定位する、ステレ
オヘッドホンの左右音響変換器の配置を最適化する方法
であって、聴性事象の正面方向定位のためにステレオヘ
ッドホンの音響変換器の配置を最適化するために各音響
変換器の配置を、所定のステップ幅で下方と前方へ交互
に繰返し移動することにより、聴性事象の正面方向定位
のために、更に、下方へ正面方向の移動量を超えて移動
させることを特徴とするステレオヘッドホンの音響変換
器の配置を最適化する方法が提供される。(態様3)
(請求項1)
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施態様4〜21
は以下のとおりであり、請求項2〜19の各対象であ
る。 (態様4)所定のステップ幅は5ミリメートルより小さ
いことを特徴とする態様。 (態様5)外耳突起における音響放射効率を高くするこ
とと、外耳突起への音響変換器の位置決め性能を最適化
することの少なくとも一方のために、ステレオヘッドホ
ンの音響変換器を聴管に対して斜めに向けて配置するこ
とを特徴とする態様。 (態様6)音響変換器の最適配置の反復決定を、試験対
象の左耳と右耳とで別々に行うことを特徴とする態様。 (態様7)音響変換器の最適配置の決定を、決定プロセ
ス中に変化する複数のステレオ音声信号によって行うこ
とを特徴とする態様。 (態様8)音響変換器の最適配置を、各場合に新たに反
復すべき少なくとも4回の移動手順により決定すること
を特徴とする態様。 (態様9)音響変換器の最適配置を決定するために、少
なくとも4回の移動手順のうち、他のものの典型的な特
徴(Kennzeichen)の多数を有する1つの移動手順を選択
することを特徴とする態様。 (態様10)複数の試験対象に対して移動手順を実行す
ることを特徴とする態様。 (態様11)聴覚器官に関して健康である少なくとも8
人の志願者を、音響変換器の最適配置を決定するために
用いることを特徴とする態様。 (態様12)個々の結果の平均を求めることを特徴とす
る方法。 (態様13)音響変換器の傾きの角度と前方下向きの移
動距離に関し、外耳に取付けられているステレオヘッド
ホンの三次元空間位置を基にして、音響変換器の最適配
置をミリメートルの精度で決定することを特徴とする態
様。 (態様14)上方への移動距離と下向き前方への移動距
離の比で、2〜1より大きい聴性事象の頭内上方定位を
行わせる音響変換器の通常の幾何学的(三次元的)配置
を基にして、移動距離に関して最適化と最小化の少なく
とも一方を行うステレオヘッドホンの音響変換器の幾何
学的配置を、聴性事象の正面方向前方に選択することを
特徴とする態様。 (態様15)多次元空間音響聴性事象を生じさせるため
に、音響変換器に、正面方向聴性事象のために音源のス
テレオ音声信号を供給し、音響変換器の配置を、頭内上
方位置の聴性事象のために前記音源のステレオ音声信号
から導出されたステレオ間接音を選択することを特徴と
する態様。 (態様16)マルチチャネルステレオヘッドホンにより
多次元空間聴性事象を頭内上方定位のために拡張するた
めに、音響変換器の配置を、正面方向とは逆の後方と下
方との少なくとも一方へ、正面方向の聴性事象に一致さ
せるように移動させることを特徴とする態様。 (態様17)聴性事象の比較目的と測定目的の少なくと
も一方のために、頭内上方定位、正面方向定位および多
次元空間音響特性を有する聴性事象を生じさせるよう
に、音響変換器相互間で自由に選択可能な切り替えを行
うことを特徴とする方法。 (態様18)聴性事象の正面方向定位と頭内上方定位の
少なくとも一方を実現できるようにステレオヘッドホン
の音響変換器をそれの休止位置に確実に配置するため
に、ヘッドホンカップとステレオヘッドホンの少なくと
も一方を耳介の所と耳介の前方の少なくとも一方のセン
タリングに用いられるヘッドホンパッドに、音を通し、
弾性的なストレスを加えることが可能な物質を満たすこ
とを特徴とする態様。 (態様19)中性音響聴性事象を形成するために、低音
および中音の伝送レンジを、頭と、ヘッドホン耳パッド
およびカップ構造体の少なくとも一方との結合、および
音響変換器の再生周波数応答の修正との少なくとも一方
により調整することを特徴とする態様。 (態様20)線形的で、くし形フィルタ状である聴性事
象の正面方向定位の発生において起きる歪みと比較し
て、ステレオヘッドホン中の音響変換器の上側中間伝送
範囲と頂部伝送範囲の少なくとも一方における音響パタ
ーンの中立状態を生じさせる比較的広い帯域の修正を行
うことを特徴とする態様。 (態様21)振幅を制御できる音響変換器の音量を設定
する音声信号を、別々のマルチチャネル増幅により音量
設定を行うことを特徴とする態様。
【0018】本発明の要点は、頭内上方定位を妨害する
ベクトル的な部分音響方向「下部」補償と、指向性「前
方の」付加補償とから成る。それは、 a)頭から離れた外部定位、または b)聴性事象の水平方向前方定位(録音法、たとえば音
の缶詰化、とは別物である)を生ずるために適用され
る。
【0019】言い換えると、試験対象の短距離音響放射
においては、たとえば人工的なヘッドサウンド録音の頭
部に関連するステレオ音再生中の「水平方向前方」であ
るとしての方向性の知覚は、音の入射の方向性に特有で
ある人の解剖学的聴覚の個々の指向性(への指示)特性
によって(精度はldB)確保されるのではなく、音の入
射の指向性の2つの成分、「下方」および「前方」、の
合同によって確保されるものである。
【0020】これに関連して、本発明に従い(ヘッドホ
ンの音響変換器システムの)「下方」の補償移動の全体
的な無視があるものとすると、個人の指向性特性がldB
のしきい値を超えたときに示されるように、聴性事象の
方向についての同じ望ましくない知覚が行われる結果と
なる。即ち、聴性事象は正面方向であると知覚される
が、斜め上方約45°に定位される(ほぼ頭内上方定
位。これは既知の頭に関連するステレオ音の録音過程お
よび再生過程の特性特徴に相当する)。
【0021】本発明のヘッドホンの音響変換器システム
の配置を最適化する方法として、ヘッドホンの音響変換
器を移動して、前方定位を行う距離を最小にするための
努力が成される。このために、好ましくは高帯域拡散音
場修正されたステレオヘッドホンと、そのステレオヘッ
ドホンの音響変換器の少なくとも一方が用いられる。
【0022】このプロセスのために、ステレオヘッドホ
ンの音響変換器装置の下向き補償移動のみを用いて、指
向性を明確に決定できないような「仮想聴性事象」が実
現される(しかし前方方向のみを強調して)ようにし
て、通常起こる頭内上方の聴性事象の定位を打ち消すの
がよい。
【0023】更に、正面方向とは反対の水平方向で、言
い換えると背後方向で、聴性事象を実現するためには、
聴性事象の前方定位のために修正された両チャネルの聴
性事象の左右のチャネルを交換するのがよい。
【0024】また、音にさらされる各耳介に対して改善
された空間性および空間音響を生ずるためにマルチチャ
ネル音響変換器システムが用いられる場合、聴性事象の
前方定位のために前下方向に置かれているヘッドホン音
響変換器システムの他に、正面方向とは反対側で、外耳
構造の下方背後におけるヘッドホン音響変換器システム
の配置を、態様16に従って選択することも有利であ
る。態様15に従って全部で4つの音響変換器が別々に
変調される。
【0025】この他に、態様19または20に従って、
ステレオヘッドホン音響変換器の再生特性を、上体部の
反応および頭部の反応で、約300Hzにおいて3dBの
音響信号へ拡張することが有利である。これは、たとえ
ば、BLAUERT およびGANUITにより詳しく説明されてい
る。これは本発明のヘッドホンのデザインにとって特に
有利なものである。
【0026】それは、それの設計において、すなわち、
それの伝送特性において、理論的な信号伝送ベースに従
って特に修正されている(たとえば、反射空間におい
て)。これは、音響変換器システムの従来の位置決めか
らずれる場合には、もはや正確には固執されないから、
音響パターンの調節(たとえば、拡散音場型ポスト・エ
ンファシス)が態様19または20の構成に従って行わ
れる。ここでは、くし形フィルタ構造により発生された
狭帯域(3分の1より狭い帯域幅)ひずみが、広帯域
(3分の1より広い帯城幅)擬似指向性中立修正を介し
て全聴取範囲にわたって音響的に最小化される(とく
に、人の音響刺激の知覚におけるマスキング効果を利用
して)。
【0027】更に、態様21に従って、増幅器により、
電気的伝送特性に関する、ヘッドホン音響変換器システ
ムの変調は下記の要求を具体化するように行うのがよ
い。すなわち、 ・96dBより大きいSN比、 ・60dBより広い音量範囲、 ・0.5dBより小さい線形ひずみ(最大偏移)、および ・0.1%より小さい非線形ひずみ である。
【0028】従来技術との比較において本発明により得
られる利点は、とくに、次のとおりである。 a)録音(たとえば支持点技術、人工ヘッド技術のよう
なモノーラルまたはステレオ)のために用いられる手順
とは独立に、水平前方定位(ステージ効果)が実現され
ること、 b)現在までは前方定位の発生において生じていたステ
レオベース幅の減少(従来技術に従って、たとえば、頭
内上方定位のステレオヘッドホンの正常な音放射の18
0°から、正面方向前に約10センチメートルの前方定
位を許すヘッドホン音響変換器システムの120°アパ
ーチャ角度までの、推奨されるステレオパノラマ)がか
なり小さいことが判明していること(ここでは、移動距
離が短いから、160°より大きい)、 c)ヘッドホンの種類の個々の定位移動修正の効率がほ
とんど影響を受けないままであるから、とくに周波数応
答と音響変換器システムを考慮する必要がないこと、 d)頭部に関連する信号の定位における所望の移動の種
類と時点を自由に決定できること、 e)指向性における「前方」エンファシスに関連して、
頭内上方定位を打ち消す「下向き」方向へ移動する補償
音響変換器の存在に関する知識または科学的言説の欠除
のために(上記文献参照)、ヘッドホンの音放射を介し
て、たとえば、コンサートホールの実際の空間音響特性
を、音響信号源とは独立に生成できる(ヘッドホンクオ
ドラフォニイ。主として頭内上方定位、「前方を意図さ
れた」信号の前方音位置決定の低い割合参照)こと、 f)移動距離に関する前方移動と比較して、ヘッドホン
音響変換器システムのかなり優勢である下向き移動によ
り、適切な聴性事象を示すために要求されていた移動距
離の半分以上が節約されること、 g)したがって、場合によっては、前方定位を可能とす
る耳介の前方の音響変換器配置によって生ずる低音損失
が小さい値に減少させられ、中間周波/高周波音響変換
以外に、耳介に直接追加の低音変換器システムを要求し
ないこと、 h)人工ヘッドと指向性混合ソールの少なくとも一方を
用い、かつ耳の平均指向特性を用いる録音法の結果とし
て、頭内上方定位が個々に減少させられるために、方向
的に正確な音の再生が行われることになるが、「下方」
再生補償修正により、著しい平均修正で行われること、 i)したがって、とくに、「前方」と「背後」を区別す
るために人工ヘッド録音により構成された直接位置決定
情報が強められること、 j)この理由から、ヘッドホン音配置位置に対して望ま
れる作用を行うために「平均」フィル夕の導入も成功を
約束すること(比較すると、「平均」補償修正は、ヘッ
ドホンを介して再生されて、修正されておらず人工ヘッ
ドのみからの「前方で」受けられる音源より良い前方定
位を行うこと、 k)耳介の形の個々の作用のために、聴性事象の水平前
方位置決めを指示する1組の(ステレオヘッドホンの)
音響変換器の測定された幾何学(三次元)的「平均」配
置が、正面方向の音の刺激の知覚を生ずること(前提条
件:聴覚組織が健康な人)、 l)電気的な、フィル夕に拘束された、ヘッドに関連す
る、個々の前方修正のために求められていた(音響的に
不活性な、すなわち反射の少ない費用のかかる測定室の
必要性を含めて)測定技術のための費用がコスト的に一
層好ましいことが現在判明していること、 m)たとえば、電気通信(聴性(スピーカ)事象と、自
身の前方に配置されているモニタ画像上の視覚事象の)
とともに、前方定位を許すステレオヘッドホンの、通常
のハイファイ応用以外での、可能な利用が提供されるこ
と。
【0029】[実施例]以下、図面を参照して本発明を
詳しく説明する。
【0030】まず初めに、ヘッドホンセットから音を受
けた試験対象者に、本発明にとって典型的である聴性事
象の場所を定めるための試験の重要な効果の全てを説明
する。これの特殊な部分は、一般に a)頭内上方定位された(すなわち、「頭の頂部におけ
る」90度垂直に配置された)聴性事象、および b)頭の前方外側に定位された(すなわち、正面方向の
水平方向0度に配置された)聴性事象、の正確な弁別可
能性および分類可能性であった。これは試験を行う人に
より示された。
【0031】a)とb)の間に流れるような遷移が一度
存在すると、とくに前方定位を許す新しいヘッドホン音
響変換器の位置を定めねばならない場所を決定するため
の切迫(先行)している試験において、たとえば、ひた
いの前方の(二等分平面内の)正面方向に45度の角度
であると知覚される聴性事象が位置させられねばならな
い。この音の位置を定める性能は特別な重要性を得た。
これのねらいは、試験対象自身が、心地好いとして知覚
された音楽を通常聴いている間に、移動させられている
ヘッドホン音響変換器システムにより任意の時刻にb)
に従って水平方向前方定位を実現することが独立にでき
ることであった。
【0032】これは「ステージ効果」と名付けられる。
その理由は、主観的に知覚される聴性事象の場所が「前
方」としてシミュレートされるからである。実際にはそ
の場所にはたとえばオーケストラは存在しない。
【0033】これに関連して、ステレオ音響技術を用い
て録音された任意の種類の録音が推奨される。ある状況
の下ではステレオヘッドホンでは明瞭な頭内上方定位が
見出されないから、人工ヘッド音楽作品は不適当であ
る。
【0034】試験対象が「ステージ効果」を構成する前
に、すなわち、水平前方定位の前に、その手順モードの
概観を予め定めておかねばならない。図1は、正中面上
のベクトル表現の助けにより、修正されていない、すな
わち、製作者の指示に従って装着されたステレオヘッド
ホン音響変換器システムで音源を位置決めする成分1を
示す。5は1つのヘッドホンカップの輪郭を示してい
る。この定位はステレオヘッドホンにより音が放射され
る聴性事象の頭内上方定位1に対応する。第2のベクト
ル2は、ステレオヘッドホン音響変換器システムの位置
が移動させられるときに補償方向「下」を形成する。こ
れにより、頭内上方1に対する音源の位置決め部分が除
かれる。ベクトル3は、前方である、すなわち、「ステ
ージ効果」であるとしての聴性事象の方向の知覚のエン
ファシスを表す。ここでは、製作者の指示に従って外耳
に装着されているステレオヘッドホン(ヘッドホンカッ
プの輪郭で表されている)が、運動ベクトル2と3に従
って、聴性事象の前方定位を許す位置へ動かされる(図
1の部分6を参照)。また、ヘッドホンの音響変換器シ
ステム6が、音響効果のために例えば30度の角度で外
耳4へ動かされる(ヘッドホン音響変換器システム6に
おける輪郭の斜視表現に従って)。音の拡がる方向はこ
こではベクトル7により表されている。
【0035】図1に従って、理論的に概略的に取り扱わ
れるそれらの手順は、実施することと同等の価値があ
る。ここでは、試験対象に、音たとえば音楽をヘッドホ
ンによりステレオでもう1度加えることが重要である。
市販の総ての製品は試験ヘッドホンとして適当であり、
それは、 a)「開放」原理で動作し、かつ、 b)耳を囲み、 c)調節可能なヘッドバンドを有し、かつ、 d)複数の軸上で(位置)調節できる音響変換器を有
し、さらに、 e)各チャネルに対する音響変換器システムは、点状音
源に対応する。たとえば、寸法が100mm×100m
mである広い表面の放射体は、方向探知試験のコンテキ
スト内では(完全に)不適当である。聴性事象の水平前
方定位の隠された狙いのために、下記の反復作業法が採
用される。
【0036】初めに、ステレオヘッドホンは製作者の指
示状態として置かれ、それから音響変換器の信号変調器
が動作させられる。次に、(左右)両側のヘッドホン音
響変換器システムが両手で、頭/こめかみ側の表面か
ら、ほぼ十分に(約5〜10mm)持ち上げられて、ヘ
ッドホンのパッドが耳介にやっと接触するようにする。
それから、ヘッドホン音響変換器システムが、各場合に
(その都度)前方(正面方向で)および下方(正面水平
方向に直角に)に5mmより小さいステップで、聴性事
象の空間位置に注意を向けつつ、動かされる。
【0037】一般に、15mmの二次元移動距離の後
で、聴性事象の定位における移動が起こる(正中面内の
たとえば30度前方の仰角)。これはステレオヘッドホ
ンの移動プロセスを実現させる。それは今はもはや変化
しないが、聴性事象の位置決めにおいて個々の移動のケ
ースに依存させられる。いま述べた例においては、30
度の仰角で、聴性事象の適切な前方エンファシスを既に
仮定することができる。この理由から、下方へ数mmに
達する追加の補償移動が推奨される(頭内上方定位とは
逆方向に向けられる)。この移動により、依然として水
平前方定位に対応しない聴性事象に対する位置を生ずる
ものとすると、行われたばかりの下方移動は、選択され
たmmオーダ一の距離に関して半分にされる、すなわ
ち、半分に減少させられる。それから、求められている
「ステージ効果」が、経験的なやり方で、加えられるか
差し引かれるかして、更に減少させられた移動ステップ
により最適化される。この例においては、まず前方への
1〜2mmの移動が選択され、これの後でのみ、これ以
上の経験的な平衡移動プロセスが行われる。
【0038】前方定位を許すステレオヘッドホンの新し
い位置が見付けられると、最後に、 a)約1mmの下方への小さい補助移動が加えられ、 b)耳道の音放射効率を高くするために、両方のヘッド
ホン音響変換器システムが耳介/耳道へ向かってある角
度で配置される(水平および正中面内で方位角と仰角が
約20〜40度)。ここで聴性事象の知覚された位置が
好ましくはないが変化したとすると、ヘッドホン音響変
換器システムの小さい修正運動(上記参照、「経験的
な、平衡移動プロセス」)がもう1回行われ、ヘッドホ
ンはある角度で保持される。
【0039】例を提供するために、商業的に広く利用で
き(開放性、耳を覆う)、かつ、(直径が約30mmで
ある)円形の音響変換器を有するヘッドホンモデルで、
垂直下方に45mm(方位角/仰角が35度)の最終の
移動距離が得られる。他方、ウォークマン(商品名)ヘ
ッドホンモデルが用いられた時に約50%だけ小さい、
最終の移動距離のものが用いられる。ここで、聴覚器官
(チャネル)が基準点として用いられ、それの前方に、
製作者の指示に従って装着されるヘッドホンが通常は中
央に配置される。試験対象ではこれは現在の比(下方移
動距離と水平移動距離の比)3:1(下方へ45mm:
前方へ15mm)に対応する。外耳の交換可能なマルチ
チャネル音響放射について、前方定位を許し、かつ前方
下方に置かれている音響変換器システムの横(近く)に
(各耳介に対して)(直接の、すなわち処理されていな
い音声信号)第2の音響変換器システムを置く(空間反
射率パターンを用いる変調)。それは、正常な場合に
は、製作者の指示に従って耳介の前方に置かれ、聴覚器
官基準点を基にして、後方および下方へ移動させ、最後
に所定位置に置かれる。これに適当な音響変換器のため
の休止(静止)位置を見付けることに関しては、上記手
順ステップが実行される。これに関連して、最大の効果
を生ずる最小の移動距離が求められる。これは、下方お
よび後方に置かれたその音響変換器システムがステレオ
音声信号で変調されたときに、音が軽く後方定位される
「仮想」聴性事象を生ずる。
【0040】ステレオヘッドホンを用いて音を放射する
聴性事象の後方定位に対する音響変換器システムの一般
的な後方位置決めおよび下方位置決めは費用がかかりす
ぎるから、より大きい移動距離を生ずる外耳(「解剖学
的」方向依存フィル夕)の形状のために実用性に乏し
い。
【0041】最後に、前方および下方[I]と、後方お
よび下方[II]に置かれた音響変換器システムが、も
ともと割り当てられていた[I]に対しては直接音声信
号で、また[II]に対しては空間反射パターンの音声
信号で変調され、それから聴性事象が提示される。その
聴性事象は空間に関して三次元的に再評価され、もう1
回拡げられる。
【0042】前方定位も許す、ステレオヘッドホン音響
変換器システムに対するこの位置は、幾何学的配置の形
状内のデータの収集及び外耳減衰率の収集が終わるま
で、一定に保たれる。
【0043】ヘッドホンが移動させられたときの線形ひ
ずみの測定は、方向の移動とは独立である前方定位のシ
ミュレーションを行うために、周波数に依存する差レベ
ルが形成され、それから、本発明に従って、ステレオヘ
ッドホン音響変換器システムの必要な、加算的な続行す
るプリエンファシスが下記のようにして得られる。すな
わち、最初に、適当なプローブが耳道の中に約4mm埋
めこまれる。ここで適当とは、後で修正されたプローブ
が測定に全体として手を加えず(音量範囲は58dBよ
り広く、調波ひずみが0.1%より小さく、周波数応答
は20Hz〜20kHz)、または試験対象を傷つけな
い、ということを意味する。(プローブは超小型マイク
ロホンカプセルであって、耳道(チャネル)からホース
に類似の音供給体を介して音声信号サンプルを取り出
す。)
【0044】後で信号を更にデジタル処理するために、
いわゆる「デジタルマイクロホン」(録音スタジオにお
いて知られている)を用いるためにより高感度にする。
適当な種類は現在、市場では入手できない。
【0045】超小型マイクロホンにより発生された(ア
ナログ)電気交番信号(約10mV)は、通常、0.5
Vより高い電圧レベルにまで増幅される。というのは、
実際のEDP(電子データ処理)装置の前に、その信号
を更に処理するために用いられるアナログ/デジタル変
換器が量子化区域内で良好に動作せず、したがって不十
分なレリーズすなわち音声信号サンプリング品質を提供
するようになるからである。
【0046】多数の測定法から、20Hzから20kH
zの正弦波掃引が選択された。その理由は、外耳ヘッド
ホン音響変換器システムを直ちに反応させると、周波数
依存の形でプロセスにレベル変動を引き起こすことが、
方法の基礎をなすからである。音のレベルは75dBS
PL以下が通常選択される。
【0047】代表的な周波数応答図「ヘッドホン正常」
(製作者の指示に従って耳介上に置かれた)と、「変え
られた位置」から構成される差信号レベルの以後の形
成、すなわち、第1に名付けた図(「ヘッドホン正常」
の図)のレベル値と第2に名付けた図(「変えられた位
置」の図)との差レベル値は、たとえば、図2に示され
ている特性図に対応する。それは一人の個人の外耳を用
いて録音された(「平均」音位置決定へ向かう方向で)
ものである。
【0048】第1に、1.8および3.6Hzを中心と
して2つの広帯域4dBの増加が注意を引き、また5k
Hz〜8kHzの間の広帯域の18dB減衰が注意を引
く。第2に、4.8kHzを中心とする共振(最高レベ
ル5.5dB)と、8.5kHzを中心とする共振(最
高レベル3dB)と、11kHzにおける嵌入(最低レ
ベルマイナス7dB)との狭帯城共振を認識することが
できる。約12kHzからくし形フィル夕に類似するや
り形で、共振および減衰が約2kHzの周期で交番す
る。
【0049】1人(No.1)で測定された差レベル周
波数応答グラフは、1kHzの周波数以下ではレベルの
どのような違いももはや含まない。それらはヘッドホン
により発生された前方定位に関連する。これは正しく、
一般的妥当性を有する。その理由は、 a)外耳のサイズのために、外耳の形状は、約lkHz
の周波数以上でのみ音響ダンパおよび音響共振器として
機能することができ、また b)周波数応答が低音セクタまで連続して低下すること
は、製作者の指示で外耳に置かれ(装着され)なかった
ステレオヘッドホンで「開放」型音響変換器システムの
効率が低下することを示す、からである。
【0050】この理由から、これより低い周波数応答領
域を付加的なレベルの向上(たとえば、300Hzにお
いて3分の1ワイド+3dB)と低下の少なくとも一方
により、実効的に拡張すべきかどうかを調べ、聴性事象
の音声信号広帯域水平前方定位を改善するために、聴力
テストによってその領域を再び細かに調べる。
【0051】他の差レベル図とは対照的に、1.8kH
z以下の周波数応答の相対的な低下と、5〜8kHz領
域における低下と、1.5〜5kHzの間および8kH
z、ならびにここではとくに12kHz以上に平均化さ
れたものをここでは特に具体化する。周波数応答におい
て目立つ点を数百ヘルツの範囲にわたって分布させるこ
とができる。更に、幅(1〜3dB)が約3分の1の相
対的な強調を500Hz以下で散発的に見ることができ
る。低い周波数へ向かう周波数応答の連続低下(lkH
zレベル値と比較して約5dB)に対してマイナス10
dBの目立つ低音嵌入が、測定中に誤りにより生じた。
【0052】これは、前方定位を許す音響変換器のステ
レオヘッドホンにおける現在の配置による直線ひずみの
さらなる記録を示す図3により支持される。図3に示す
測定のために別の志願者(第2の)が試験を行った。試
験対象IとIIの外耳の種々の解剖学的特徴にも関わら
ず、両方の差レベルグラフ(図2と図3参照)の間の重
要な周波数範囲において高い相関があった。それは2k
Hz、4kHzおよび8kHz以下の周波数におけるレ
ベルを超える値と、6kHzと11kHzを中心とする
周波数のダンピング嵌入とによりサポートされる。同様
に、図3において、周波数応答の低い信号までの連続低
下を決定することができる。このことは図にも見られ、
図2におけるものに類似する。
【0053】
【発明の効果】本発明の基本構成(請求項1)により、
ステレオヘッドホンの音響変換器の配置を迅速かつ確実
に定めて最適化し、聴性事象の前方定位が確実に達成さ
れる。さらに、各従属請求項の特徴によって、本文に詳
述の通り、夫々特有の効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、垂直平面上に配置され、本発明による
聴性事象の前方定位を許す位置に従来型のステレオヘッ
ドホンのヘッドホン音響変換器の移動プロセス中に起こ
る音の位置を示す成分のベクトルを示す。
【図2】図2は、本発明による前方定位のシミュレーシ
ョンにより生じた試験対象No.1に対するレベルの周
波数特性を示す。
【図3】図3は、試験対象No.2に対する図2と同様
のレベルの周波数特性を示す。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試験対象の外耳突起に装着された音響変換
    器の基準配置位置から出発して、各音響変換器の移動を
    行うことにより音響変換器の配置を実験的に最適化して
    正面方向へ聴性事象を定位する、ステレオヘッドホンの
    左右音響変換器の配置を最適化する方法であって聴性事
    象の正面方向定位のためにステレオヘッドホンの音響変
    換器の配置を最適化するために各音響変換器の配置を、
    所定のステップ幅で下方と前方へ交互に繰返し移動する
    ことにより、聴性事象の正面方向定位のために、更に、
    下方へ正面方向の移動量を超えて移動させることを特徴
    とするステレオヘッドホンの音響変換器の配置を最適化
    する方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、所定のス
    テップ幅は5ミリメートルより小さいことを特徴とする
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の方法において、
    外耳突起における音響放射効率を高くすることと、外耳
    突起への音響変換器の位置決め性能を最適化することの
    少なくとも一方のために、ステレオヘッドホンの音響変
    換器を聴管に対して斜めに向けて配置することを特徴と
    する方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の方法において、
    音響変換器の最適配置の反復決定を、試験対象の左耳と
    右耳とで別々に行うことを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の方法において、音響変換
    器の最適配置の決定を、決定プロセス中に変化する複数
    のステレオ音声信号によって行うことを特徴とする方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法
    において、音響変換器の最適配置を、各場合に新たに反
    復すべき少なくとも4回の移動手順により決定すること
    を特徴とする方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の方法において、音響変換
    器の最適配置を決定するために、少なくとも4回の移動
    手順のうち、他のものの典型的な特徴の多数を有する1
    つの移動手順を選択することを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の方法において、複数の試
    験対象に対して移動手順を実行することを特徴とする方
    法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の方法において、聴覚器官
    に関して健康である少なくとも8人の志願者を、音響変
    換器の最適配置を決定するために用いることを特徴とす
    る方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の方法において、個々の
    結果の平均を求めることを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれか1つに記載の
    方法において、音響変換器の傾きの角度と前方下向きの
    移動距離に関し、外耳に取付けられた状態のステレオヘ
    ッドホンの三次元空間位置を基にして、音響変換器の最
    適配置をミリメートルの精度で決定することを特徴とす
    る方法。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれか1つに記載の
    方法において、上方への移動距離と下向き前方への移動
    距離の比で、2〜1より大きい聴性事象の頭内上方定位
    を行わせる音響変換器の通常の幾何学的(三次元的)配
    置を基にして、移動距離に関して最適化と最小化の少な
    くとも一方を行うステレオヘッドホンの音響変換器の幾
    何学的配置を、聴性事象の正面方向前方に選択すること
    を特徴とする方法。
  13. 【請求項13】請求項1〜12のいずれか1つに記載の
    方法において、多次元空間音響聴性事象を生じさせるた
    めに、音響変換器に、正面方向聴性事象のために音源の
    ステレオ音声信号を供給し、音響変換器の配置を、頭内
    上部位置の聴性事象のために前記音源のステレオ音声信
    号から導出されたステレオ間接音を選択することを特徴
    とする方法。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の方法において、マル
    チチャネルステレオヘッドホンにより多次元空間聴性事
    象を頭内上方定位のために拡張するために、音響変換器
    の配置を、正面方向とは逆の後方と下方との少なくとも
    一方へ、正面方向の聴性事象に一致させるように移動さ
    せることを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】請求項1〜14のいずれか1つに記載の
    方法において、聴性事象の比較目的と測定目的の少なく
    とも一方のために、頭内上方定位、正面方向定位および
    多次元空間音響特性を有する聴性事象を生じさせるよう
    に、音響変換器相互間で自由に選択可能な切り替えを行
    うことを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の方法において、聴性
    事象の正面方向定位と頭内上方定位の少なくとも一方を
    実現できるようにステレオヘッドホンの各音響変換器を
    それの静止位置に確実に配置するために、ヘッドホンカ
    ップとステレオヘッドホンの少なくとも一方において耳
    介の所と耳介の前方の少なくとも一方のセンタリングに
    用いられるヘッドホンパッドに、音を通し、弾性的なス
    トレスを加えることが可能な物質を満たすことを特徴と
    する方法。
  17. 【請求項17】請求項1〜16のいずれか1つに記載の
    方法において、中性音響聴性事象を形成するために、低
    音および中音の伝送レンジを、頭と、ヘッドホン耳パッ
    ドおよびカップ構造体の少なくとも一方との結合、およ
    び音響変換器の再生周波数応答の修正との少なくとも一
    方により調整することを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】請求項1〜17のいずれか1つに記載の
    方法において、線形的で、くし形フィルタ状である聴性
    事象の正面方向定位の発生において起きる歪みと比較し
    て、ステレオヘッドホン中の音響変換器の上側中間伝送
    範囲と頂部伝送範囲の少なくとも一方における音響パタ
    ーンの中立状態を生じさせる比較的広い帯域の修正を行
    うことを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】請求項3〜17のいずれか1つに記載の
    方法において、振幅を制御できる音響変換器の音量を設
    定する音声信号を、別々のマルチチャネル増幅により音
    量設定を行うことを特徴とする方法。
JP2002207714A 1989-07-25 2002-07-17 ステレオヘッドホンおよびその音響変換器の配置を最適化する方法 Expired - Fee Related JP3612311B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE3942127 1989-07-25
DE3942127.9 1989-07-25

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51064390A Division JP3397785B2 (ja) 1989-07-25 1990-07-24 ステレオヘッドホンおよびその音響変換器の配置を最適化する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003078989A true JP2003078989A (ja) 2003-03-14
JP3612311B2 JP3612311B2 (ja) 2005-01-19

Family

ID=6395918

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51064390A Expired - Fee Related JP3397785B2 (ja) 1989-07-25 1990-07-24 ステレオヘッドホンおよびその音響変換器の配置を最適化する方法
JP2002207714A Expired - Fee Related JP3612311B2 (ja) 1989-07-25 2002-07-17 ステレオヘッドホンおよびその音響変換器の配置を最適化する方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51064390A Expired - Fee Related JP3397785B2 (ja) 1989-07-25 1990-07-24 ステレオヘッドホンおよびその音響変換器の配置を最適化する方法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP0484354B1 (ja)
JP (2) JP3397785B2 (ja)
AT (1) ATE109608T1 (ja)
AU (1) AU6077590A (ja)
DE (3) DE4091279D2 (ja)
WO (1) WO1991001616A2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4110902A1 (de) * 1991-04-04 1992-10-08 Koenig Florian Uebertragungsmass-nachstimmbarer stereokopfhoerer
DE4236765C2 (de) * 1991-10-30 2002-05-16 Florian M Koenig Stereokopfhörer zur Vorne-Lokalisation von Hörereignissen und Verfahren zum Optimieren der Lage und Ausrichtung der Schalwandler des Stereokopfhöres
DE69434887T2 (de) * 1993-10-04 2007-07-12 Sony Corp. Audiowiedergabeeinrichtung
DE4498865D2 (de) * 1993-11-14 1996-10-31 Florian Meinhard Koenig Mehrkanalkopfhörer mit gesteuerter Abstrahlcharakteristik
DE9413855U1 (de) * 1994-08-26 1995-12-21 König, Florian, Dipl.-Ing., 82110 Germering Stereokopfhörer-Gehäuse mit integrierter Pyramide
DE19635888B4 (de) * 1996-09-04 2005-11-03 König, Florian Meinhard Mehrkanaliger Raumklang-Kleinkopfhörer
ATE275808T1 (de) * 1999-07-20 2004-09-15 Florian Meinhard Koenig Kopfhörer mit einstellbarer ortbarkeit des von ihm erzeugten schallereignisses
US9392354B2 (en) 2011-03-29 2016-07-12 Ultrasone Ag Headphones with optimized radiation of sound
DE102021002649A1 (de) 2021-05-20 2022-11-24 Ultrasone Ag Kopfhörer
DE102022004259B3 (de) 2022-11-17 2024-05-16 Florian M. König Raumklang-Kopfhörer auf Grundlage großflächiger Planar-Schallwandler

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3592978A (en) * 1969-04-21 1971-07-13 David H Hess Stereo earphones
AT295618B (de) * 1969-04-25 1972-01-10 Akg Akustische Kino Geraete Kopfhörer, insbesondere zur stereophonischen Wiedergabe von Schallereignissen
DE2244162C3 (de) * 1972-09-08 1981-02-26 Eugen Beyer Elektrotechnische Fabrik, 7100 Heilbronn «system
DE3112874C2 (de) * 1980-05-09 1983-12-15 Peter Michael Dipl.-Ing. 8000 München Pfleiderer Verfahren zur Signalaufbereitung für die Wiedergabe einer Tonaufnahme über Kopfhörer und Vorrichtung zur Durchführung des Verfahrens

Also Published As

Publication number Publication date
WO1991001616A3 (de) 1991-03-21
DE59006719D1 (de) 1994-09-08
JP3397785B2 (ja) 2003-04-21
WO1991001616A2 (de) 1991-02-07
DE4091279A1 (en) 1992-01-30
DE4091279D2 (en) 1992-01-30
AU6077590A (en) 1991-02-22
EP0484354A1 (de) 1992-05-13
ATE109608T1 (de) 1994-08-15
EP0484354B1 (de) 1994-08-03
JPH05502144A (ja) 1993-04-15
JP3612311B2 (ja) 2005-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2863654B1 (en) A method for reproducing an acoustical sound field
US7391876B2 (en) Method and system for simulating a 3D sound environment
US9961474B2 (en) Audio signal processing apparatus
JP3805786B2 (ja) バイノーラル信号合成と頭部伝達関数とその利用
Pralong et al. The role of individualized headphone calibration for the generation of high fidelity virtual auditory space
AU2001239516B2 (en) System and method for optimization of three-dimensional audio
US4227050A (en) Virtual sound source system
US8442244B1 (en) Surround sound system
JP2017532816A (ja) 音声再生システム及び方法
AU2001239516A1 (en) System and method for optimization of three-dimensional audio
AU5666396A (en) A four dimensional acoustical audio system
JP2000092578A (ja) スピーカ装置
CN109565633A (zh) 有源监听耳机及其双声道方法
CN109565632A (zh) 有源监听耳机及其校准方法
CN109155895A (zh) 有源监听耳机及用于正则化其反演的方法
JP3397785B2 (ja) ステレオヘッドホンおよびその音響変換器の配置を最適化する方法
JP3693351B2 (ja) 音のホロフォニック再現を提供するための録音再生2チャンネルシステム
US6990210B2 (en) System for headphone-like rear channel speaker and the method of the same
JP4221746B2 (ja) ヘッドホン装置
KR20180021384A (ko) 반사 환경, 특히 청취실에서 사운드를 재생하는 방법
US7050596B2 (en) System and headphone-like rear channel speaker and the method of the same
US5784477A (en) System for the frontal localization of auditory events produced by stereo headphones
US6983054B2 (en) Means for compensating rear sound effect
US20230362578A1 (en) System for reproducing sounds with virtualization of the reverberated field
JP3374731B2 (ja) バイノーラル再生装置、バイノーラル再生用ヘッドホンおよび音源評価方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040309

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20040526

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20040602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041005

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041022

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees