JP2003078898A - 番組配信システム、番組配信装置および番組配信方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】番組配信システムにおいてより適切な広告（Ｃ
Ｍ）の付加を行うことができる番組配信システムおよび
番組配信装置を提供する。 【解決手段】顧客は番組情報サーバ２にアクセスして、
顧客の属性情報を登録した後、番組のメニュー情報か
ら、配信希望番組のリクエストを行う。顧客の属性情報
は前もって、またはリクエスト情報とともに番組配信装
置３へ通知される。番組配信装置３は、配信リクエスト
情報および顧客属性情報の少なくとも一方に基づいて広
告を選択し、その番組に付加して当該顧客の番組視聴装
置１に送信する。番組配信装置３は、個々の広告単位
に、その広告を付加した番組の情報およびその広告を配
信した顧客の属性情報についての統計情報を逐次生成
し、当該広告主に対し報告書を作成するとともに、広告
主の端末装置１からの指示情報に基づいて各広告の広告
付加条件の更新を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】顧客から指定された番組を当
該顧客に対して配信する番組配信システム、番組配信装
置および番組配信方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、地上波テレビジョン放送の大半の
番組に代表される民放番組には広告（ＣＭ）が挿入され
る代わりに視聴料が無料であり、電波の届く範囲内に受
像機があれば何人も自由に任意の番組を聴取することが
できる。

【０００３】しかし、番組が不特定多数の視聴者を対象
としているが故に、放送されているＣＭの対象（ターゲ
ット）とするユーザ層と、そのＣＭを視聴する実際のユ
ーザ層が必ずしも一致するとは限らず、どの時間帯のど
の番組にどのようなＣＭを載せるかの判断には広告主の
綿密なマーケティングが必要であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで近年、通信や
コンピュータの発達に伴って、ＣＡＴＶ，インターネッ
ト等を利用することにより、一般の家庭においても高速
の双方向通信が可能となってきている。これに伴い、放
送局が決めた日時に決めた番組を放送するのではなく、
個々のユーザが希望するときに所望の番組を選択してそ
の番組の配信を受けることができる、ビデオ・オン・デ
マンドシステムと呼ばれるような番組配信システムが開
発されている。

【０００５】このビデオ・オン・デマンドシステムで
は、通常、純粋に番組のみを配信する場合には番組単位
または所定期間単位等に有料でサービスを行わざるを得
ない。ただし、従来と同様、広告主（スポンサー）のＣ
Ｍを挿入することにより、番組配信サービスの料金を無
料化し、あるいは、有料であってもより低料金化するこ
とが可能と考えられる。

【０００６】しかしながら、従来と同様にすべての視聴
者に対して同じＣＭを各番組に挿入したのでは、上述し
たと同じ問題が生じる。

【０００７】本発明は、このような背景においてなされ
たものであり、その目的は番組配信システムにおいてよ
り適切な広告（ＣＭ）の付加を行うことができる番組配
信システム、番組配信装置および番組配信方法を提供す
ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明による番組配信シ
ステムは、番組情報サーバと番組配信装置とを備え、顧
客から指定された番組を当該顧客に対して配信する番組
配信システムであって、前記番組情報サーバは、顧客の
属性情報を登録する手段と、配信可能な番組のメニュー
情報を顧客に提示する手段と、前記メニュー情報に基づ
いて前記顧客が指定した配信リクエスト情報を受け付け
る手段と、前記顧客の属性情報および前記配信リクエス
ト情報を前記番組配信装置に通知する手段とを有し、前
記番組配信装置は、当該顧客の属性情報および前記配信
リクエスト情報の少なくとも一方に基づいて当該番組に
付加すべき広告を選択する手段と、前記リクエストされ
た番組に対して前記選択された広告を付加して当該顧客
の番組視聴装置に送信する手段とを有することを特徴と
する。

【０００９】番組情報サーバは番組配信装置とは同じ場
所に設けてもよく、あるいは、同一のコンピュータ上に
構成してもよい。

【００１０】顧客のリクエストに応じて番組をその顧客
にのみ配信する番組配信システムでは、どのような顧客
がどのような番組を視聴しているかを番組配信元におい
て認識することができる。したがって、番組配信装置は
個々の顧客のリクエスト毎にその配信番組に付加すべき
広告を個別に決定することができる。その結果、その顧
客に対してより効果の高いと思われる広告を選択して当
該配信番組に付加することができる。

【００１１】前記広告を選択する手段は、各広告のター
ゲットとする顧客属性または番組属性に関する広告付加
条件に基づいて、当該番組に付加すべき広告を決定する
ことができる。

【００１２】前記番組配信装置は、好ましくは、個々の
広告主の個々の広告単位に、その広告を付加した番組の
情報、および、その広告を配信した顧客の属性情報につ
いての統計情報を逐次生成し、当該広告主への報告書を
作成するとともに、前記広告主の端末装置からの指示情
報に基づいて前記広告付加条件の更新を行う。

【００１３】本発明による番組配信装置は、配信対象の
複数の番組の内容データを蓄積・管理する番組データベ
ースと、いずれかの番組に付加すべき複数の広告の内容
データを蓄積・管理する広告データベースと、番組配信
サービスを受ける顧客の属性情報、および、前記顧客か
ら前記複数の番組の一つを指定した配信リクエスト情報
を受信する受信手段と、当該顧客の属性情報および前記
配信リクエスト情報の少なくとも一方に基づいて当該番
組に付加すべき広告を選択する広告選択手段と、前記リ
クエストされた番組に対して前記選択された広告を付加
して当該顧客に送信する送信手段とを備えたことを特徴
とする。

【００１４】前記配信リクエスト情報は、例えば、番組
を特定するための情報を含む。前記配信リクエスト情報
は、さらに、当該番組の配信を希望する日時情報をも含
んでもよく、その場合には、前記送信手段は当該番組を
当該日時に配信することができる。勿論、直ちに配信を
行うことも可能である。

【００１５】前記顧客の属性情報は、例えば、その顧客
の年齢、性別、嗜好情報の少なくとも一つである。

【００１６】前記広告データベースは、その一態様とし
て、個々の広告に対して、その広告がターゲットとする
顧客の属性情報を対応付けており、前記広告選択手段
は、番組をリクエストした顧客の属性情報に合致する属
性情報が対応付けられた広告を、当該番組に付加すべき
広告として選択する。

【００１７】前記広告データベースは、他の態様とし
て、個々の広告に対して、その広告がターゲットとする
番組のジャンル情報を対応付けており、前記広告選択手
段は、リクエストされた番組のジャンルに合致するジャ
ンル情報が対応付けられている広告を、当該番組に付加
すべき広告として選択する。

【００１８】個々の広告主の個々の広告単位に、その広
告を付加した番組の情報、および、その広告を配信した
顧客の属性情報についての統計情報を逐次生成する手段
を備えてもよい。

【００１９】さらに、前記広告がターゲットとする顧客
の属性情報をその広告主の指示に応じて更新する手段を
備えてもよい。

【００２０】また、前記広告がターゲットとする番組の
ジャンル情報をその広告主の指示に応じて更新する手段
を備えてもよい。

【００２１】個々の広告主に対して、少なくとも、前記
顧客に配信された番組に付加された当該広告主の広告の
付加回数に応じて当該広告主へ課金すべき広告掲載料を
決定する広告掲載料決定手段を備えてもよい。

【００２２】個々の番組の配信頻度を管理する手段を備
え、前記広告掲載料決定手段は、各広告の広告掲載料の
単価を、その広告が付加される番組の前記配信頻度に基
づいて決定することもできる。

【００２３】配信リクエストされた番組の識別情報と、
この番組に対して前記広告選択手段により選択された広
告の識別情報と、当該番組のどの位置に当該広告を付加
するかを決定する付加位置情報とを含む広告付加位置情
報を記憶する手段を備えてもよい。これにより、個々の
番組に対して複数の広告を任意の番組内位置に付加する
ことができる。

【００２４】さらに、本発明による番組配信方法は、顧
客から指定された番組を当該顧客に対して配信する番組
配信システムであって、前記顧客からの配信リクエスト
情報および当該顧客の属性情報の少なくとも一方に基づ
いて当該番組に付加すべき広告を選択し、前記リクエス
トされた番組に対して前記選択された広告を付加して当
該顧客に送信することを特徴とする。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。

【００２６】図１は、本実施の形態における番組配信シ
ステム全体の概略構成を示したものである。このシステ
ムは、複数の顧客の番組視聴装置１、番組情報サーバ
２、配信元の番組配信装置３、複数の広告主の端末装置
６、およびこれらの間のデータの通信網としてのインタ
ーネットのようなネットワーク５からなる。

【００２７】番組視聴装置１の形態としては、既存のテ
レビジョン装置に対して本実施の形態の番組配信サービ
スに対応したセットトップボックスを接続したものが代
表的ではあるが、上記ネットワーク５等への接続機能を
有するパーソナルコンピュータのような情報処理装置で
あってもよい。

【００２８】番組情報サーバ２は、典型的にはインター
ネットのホームページを提供するウェブサーバであり、
本サービスが提供する番組のメニュー情報を顧客に提供
する機能を有する。ホームページでは、本サービスを受
けるために、最初に顧客は自己の個人データの登録を行
う。番組情報サーバ２は、当該顧客の次回のアクセス時
に簡単に配信リクエストが行えるように当該顧客に対し
て顧客ＩＤ（および必要に応じてパスワード等）を発行
する。顧客ＩＤとは、顧客がホームページから本サービ
ス利用についてユーザ登録を行ったときに付与される、
当該顧客を識別できるように付けられた番号・記号など
の識別子である。このサーバはホームページより顧客が
自身の属性情報を登録すると、顧客ＩＤとその属性情報
を前もって、または、配信リクエスト情報とともに番組
配信装置３に通知する。顧客の属性情報とは、顧客の年
齢、性別、嗜好などの情報である。

【００２９】番組配信装置３は、配信対象の種々の番組
の内容を蓄積し、また、広告主から提供された種々の広
告の内容を蓄積しており、番組情報サーバ２から配信リ
クエストの通知を受けたら、その番組を直ちにまたは指
定された日時に当該リクエストを行った顧客の番組視聴
装置１に配信する。この配信ルートはネットワーク５と
は別のルートであってもよい。

【００３０】図２に、本システムにおける各者の間の情
報等の授受のシーケンスを示す。まず、顧客は、その番
組視聴装置１からネットワーク５を介して番組情報サー
バ２にアクセスし、番組メニューを見ながらその中から
所望の番組を選択してその番組の配信を要求する（Ｓ
１）。但し、顧客は番組視聴装置１とは別の装置（例え
ば携帯情報端末等）から移動先において番組情報サーバ
２にアクセスして、自己の番組視聴装置１への番組配信
の予約を行うことも可能である。

【００３１】いずれかの方法により選択された番組情報
は顧客ＩＤ等とともに配信元の番組配信装置３へ通知さ
れる（Ｓ２）。番組配信装置３は、この通知に応じて番
組を配信する際に後述する所定の条件に応じて、その都
度、広告（ＣＭ: CommercialMessage）を選択し、当該
番組に付加して配信する（Ｓ３）。番組配信装置３は、
広告の配信状況に関した統計情報を逐次生成しその広告
主の端末装置６に対して定期的に報告するとともに、当
該広告の配信状況に応じて広告掲載料を請求する（Ｓ
４）。広告主は、配信元に対して広告掲載料（広告料）
を支払う（Ｓ５）。これに伴って、広告主は本サービス
による広告の配信状況とその広告に係る商品等の販売実
績などに基づいて広告の効果を判定し、広告の対象とす
る顧客や番組の選択条件を更新したり、広告内容自体を
変更したりするよう配信元に対して指示することもでき
る。

【００３２】図３は、番組配信装置３の構成例を示すブ
ロック図である。この番組配信装置３は、ＣＰＵ、ＲＯ
Ｍ、インタフェース部等からなるデータ処理部（制御
部）３１を有する。このデータ処理部３１が番組配信装
置３の全体の動作を制御する。番組配信装置３は、さら
に、時計部３１、リクエスト記憶装置３３、顧客データ
ベース（顧客ＤＢ）３４、番組データベース（番組Ｄ
Ｂ）３５、広告データベース（広告ＤＢ）３６、統計デ
ータベース（統計ＤＢ）３７、および通信部３８を有す
る。時計部３２は現在日時情報を出力する部位である。
リクエスト記憶部３３は、顧客からの番組の配信リクエ
スト情報を記憶する部位である。顧客ＤＢ３４は、本サ
ービスについて登録された顧客の属性情報（後述）を蓄
積・管理する部位である。顧客ＤＢは番組情報サーバ２
に保持するようにすることも可能である。その場合、番
組配信装置３においては顧客ＤＢ３４は保持する必要は
ないがコピーを保持してもよい。番組ＤＢ３５は、本サ
ービスで提供する番組の内容（実体）を蓄積・管理する
部位である。広告ＤＢ３６は、番組に付加する広告（Ｃ
Ｍ）の内容（実体）を蓄積・管理する部位である。統計
ＤＢ３７は、各広告の配信状況に関連した統計情報を蓄
積・管理する部位である。通信部３８は、ネットワーク
５に接続され、番組情報サーバ２から番組予約情報を受
信したり、顧客の番組視聴装置１に番組を配信したりす
るための部位である。ここでは、番組情報サーバ２と番
組視聴装置１とで同じ通信部３８を用いたが、番組視聴
装置１との接続にネットワーク５以外の通信媒体を利用
する場合には両者用に別個の通信部を有してもよい。い
ずれにせよ、番組配信装置３は、映像及び音声データか
らなる大量の番組データを同時に多数の顧客に送信する
機能および能力を有する必要がある。

【００３３】図４は、番組視聴装置１の概略の構成例を
示すブロック図である。前述したように、番組視聴装置
１は、テレビジョン装置とセットトップボックスの形
態、または、ディスプレイを備えた情報処理装置の形態
でありうる。図４では後者の構成として示すが、前者に
ついても基本的には同等である。この番組視聴装置１
は、ＣＰＵ２０１、ＲＯＭ２０２、番組受信回路２０
３、ビデオ記録装置２０５、表示装置（ディスプレイ）
２０６、ＲＡＭ２０９、通信部２１０、および入力装置
２１１を備えている。通信部２１０は、ネットワーク５
を介して番組情報サーバ２および番組配信装置３に接続
される。この場合も、通信部は両者用に別個に設けられ
てもよい。番組受信回路２０３は、番組配信装置３から
受信された番組および広告を受信して表示装置２０６上
に表示する。番組受信回路２０３の受信した番組および
広告はビデオ記録装置２０５に録画することも可能であ
る。但し、本発明ではビデオ記録装置２０５は必須の装
置ではない。

【００３４】図５は、番組情報サーバ２の概略構成を示
すブロック図である。この番組情報サーバ２は、ＣＰＵ
１０、ＲＯＭ１１、ＲＡＭ１２、入力装置１４、表示装
置１５、ウェブデータ記憶部１６、顧客ＤＢ１７、およ
び通信部２０を備えている。通信部２０はネットワーク
５に接続される。顧客ＤＢ１７は上述した顧客ＤＢ３４
と実質的には同じものである。ウェブデータ記憶部１６
には、ＨＴＭＬ(HyperText Markup Language)を代表と
するマークアップ言語や画像等の各種データで記述され
た、番組メニューなどのウェブ文書が格納され、顧客の
番組視聴装置１または他の情報処理装置からの要求によ
り送信される。

【００３５】広告主の端末装置６の構成は、通常の情報
処理装置の構成と同じであり、特に図示しない。

【００３６】以下、具体的な本実施の形態の各部の動作
を説明する前に、各種のデータ構造について説明する。

【００３７】図６は、顧客ＤＢ１７（３４）の構成例を
表形式に表したものである。本実施の形態では、この番
組配信サービスを受ける顧客は予め登録されたユーザを
想定しており、登録時に各顧客に対して顧客ＩＤが割り
当てられ、顧客から入力された氏名、年齢、性別、嗜好
情報等が顧客ＤＢに蓄積・管理される。嗜好情報は、ウ
ェブページ上で顧客に各種嗜好の選択肢から選択させる
ことにより、例えば分類番号などとして管理することが
できる。嗜好分類番号と嗜好内容との関係は例えば図６
（ｂ）に例示するとおりである。

【００３８】図７は、番組ＤＢ３５の概略の構成例を示
している。番組ＤＢ３５は、番組の内容（実体）データ
としての番組データ３５１（図７（ｂ））と、この番組
を管理する番組管理情報３５０（図７（ａ））とからな
る。番組データ３５１は、番組ＩＤと番組コンテンツ部
とからなる。番組管理情報３５０は、新たな番組が追加
されるたびにその番組に付与される番組識別情報として
の番組ＩＤ、そのタイトル、ジャンル、再生時間（再生
所要時間）の各項目からなるレコードを追加登録する。
また、番組毎に配信数（またはリクエスト数）および配
信頻度（またはリクエスト頻度）を更新管理する。本実
施の形態では、「配信数」はその番組の今週の累積配信
数、「配信頻度」は、先週の確定した累積配信数であ
る。したがって、配信頻度は、顧客から配信を要求され
る番組の人気度を表す指標として利用できる。この配信
頻度は、各番組の人気度を認識するために有用であるだ
けでなく、広告掲載料金の単価を可変とする場合の重み
として利用することも可能である。配信頻度の高いとい
うことは、その番組が多くの視聴者に聴取されているこ
とを意味するので、多くの広告主はそのような番組への
広告掲載を希望する。一方、一つの番組に挿入できるＣ
Ｍの個数には限度があるので、配信頻度の高い番組への
ＣＭ掲載料金を高くすれば、希望数を低減する効果があ
る。なお、番組データ３５１が配信対象から削除される
ときには、番組管理情報３５０内の当該レコードも削除
される。

【００３９】図８は、広告ＤＢ（ＣＭ−ＤＢ）３６の構
成例を示している。広告ＤＢ３６は、ＣＭ管理情報３６
０とＣＭデータ３６１とからなる。ＣＭデータ３６１
は、ＣＭ−ＩＤとＣＭコンテンツとからなる。ＣＭ管理
情報３６０は、新たに追加される広告毎に、そのＣＭ−
ＩＤ、広告主ＩＤ、ＣＭ類型、対象年齢、対象性別、対
象嗜好、対象番組ジャンル、出演者の各項目からなるレ
コードを追加登録する。ＣＭデータ３６１が削除される
ときには、ＣＭ管理情報３６０内の当該レコードも削除
される。広告主ＩＤは広告主毎に付与された識別情報で
ある。ＣＭ類型とは、商品等の属するグループの識別情
報である。対象年齢、対象性別、対象嗜好は、このＣＭ
を番組に付加すべき対象となる顧客を選択するための条
件であり、対象番組ジャンルはこのＣＭを付加すべき対
象となる番組を選択するための条件である。本実施の形
態では、「対象嗜好」については、個々のＣＭを提供す
べき顧客の嗜好に複数の項目がある場合にはそれらに優
先順位を付してある。この優先順位は、ＣＭ管理情報３
６０の「対象嗜好」内の嗜好分類番号の記載順序で規定
している（例えば先出が優先度が高い）。これらの各条
件（広告付加条件という）をどのように使用するかは任
意に決定できる。例えば、すべての条件を論理積で判断
したり、論理和で判断したり、あるいは、それらの組み
合わせで判断したりすることができる。好ましくは、こ
のような判断の条件も広告主が指定することができる。
例えばＣＭ−ＩＤ”０００１”のＣＭについて、すべて
の条件を論理積で判断することが指定されている場合に
は、番組ジャンルが「旅行」に属する番組に対して、リ
クエストした顧客の年齢が「２０−３０」歳、性別が
「女」、嗜好分類番号が「１１，１７，１３」のいずれ
かである場合に、その番組に対して当該ＣＭを付加する
必要条件が揃ったことになる。

【００４０】このように、広告ＤＢ３６に登録された各
広告について、予め広告付加条件を指定しておくことに
より、ある顧客からある番組の配信が要求されたとき、
その顧客の属性情報や配信リクエスト情報を当該選択条
件に照らし合わせることにより、その番組に付加するＣ
Ｍの候補を抽出することが可能となる。

【００４１】但し、１つの番組に付加できるＣＭの個数
には限度があるので、このような必要条件が揃ったＣＭ
の個数がその限度数を超えた場合には何らかの基準にし
たがってＣＭを付加対象から外す必要がある。そのよう
な基準としては、例えば、（１）対象嗜好の該当する嗜
好分類番号の優先順位が高いものを選択する、（２）処
理順に選択する、（３）ランダムに選択する、（４）付
加候補になったにもかかわらず付加対象から外された回
数を記憶しておき、外された回数の大きいものを優先的
に選択する、（５）これらの可能な組み合わせ、等が考
えられる。また、上述のような番組によってＣＭ掲載料
の単価が変わる場合には、広告主はＣＭ毎に付加すべき
番組の上限のＣＭ掲載料を指定することもできる。これ
は、比較的ＣＭ掲載料の高い番組へのＣＭ付加を抑止す
るよう機能する。すなわち、上記広告付加条件に従って
あるＣＭがある番組への付加候補となっても、その番組
のＣＭ掲載料が広告主指定の上限を越える場合には付加
を行わない。ＣＭ掲載料に関連したＣＭ付加の抑制の観
点からは、上限のＣＭ掲載料の指定の他、番組の配信頻
度のランクに応じて、広告主はＣＭ毎にその付加すべき
番組のランクを指定するようにすることも可能である。

【００４２】図９は、番組配信装置３のリクエスト記憶
部３３（図３）に蓄積された配信リクエスト情報４１０
の構成例を示す。個々の配信リクエスト情報は、番組情
報サーバ２から番組配信装置３に通知されたものであ
る。本実施の形態での一つの配信リクエスト情報は、顧
客ＩＤ、希望番組ＩＤ、配信予約日時、および顧客属性
情報としての年齢、性別および嗜好分類情報である。顧
客ＤＢ３４を番組配信装置３に備えている場合には、配
信元で顧客ＩＤからその顧客の属性情報が分かるので、
番組情報サーバ２から番組配信装置３へ通知する配信リ
クエスト情報には、番組情報とともに顧客ＩＤのみを含
めばよく、顧客の属性情報を含む必要はない。

【００４３】図１０および図１１により、番組情報サー
バ２のホームページにおける、顧客による希望番組ＩＤ
およびその配信予約日時入力画面の例を説明する。図１
０は映画のジャンルについての配信可能な番組を提示す
る番組メニュー画面を示している。この画面は、図示し
ないジャンルの選択画面から移行した画面である。この
画面上で、顧客が所望の番組を選択してＯＫ指示を出す
と、その選択された番組について図１１のような配信希
望日時設定のための画面に移行する。この画面では、
「直ちに配信希望」するか、具体的な予約日時の設定が
行えるようになっている。顧客がいずれかの設定を行っ
て、ＯＫ指示を出すとこの番組配信指示が完了する。

【００４４】なお、登録時に嗜好情報の選択または入力
を行わせるようにしたが、個々の番組のリクエスト時
に、顧客の嗜好情報を選択または入力させることも可能
である。その場合には、嗜好情報の選択入力画面が表示
され、その入力が配信要求の前提条件となる。また、番
組情報サーバから番組配信装置に通知される配信リクエ
スト情報には嗜好情報が含まれることになる。

【００４５】図１２は、一つの番組とこの番組に付加さ
れるＣＭとの関係を示している。図１２（ａ）は、番組
ＩＤに対して、付加するＣＭ毎に、その番組内の挿入タ
イミング（または挿入位置）を示すタイミング情報とＣ
Ｍ−ＩＤとの組み合わせを規定した番組内ＣＭ付加位置
情報を示している。挿入タイミングは、個々の番組に応
じて変わりうる。例えば、録画番組であれば、その番組
毎に予め挿入可能な箇所を決めておき、その中から挿入
箇所を選択することができる。これに対して、図１２
（ｂ）は、そのようなＣＭ付加位置情報に基づいて番組
コンテンツ内にＣＭデータを配置して作成したＣＭ組込
番組の実体データを示している。番組の実際の配信時
に、図１２（ａ）のような番組内ＣＭ付加位置情報に基
づいて番組およびＣＭの実体データを読み出して切り替
えて配信出力するか、図１２（ｂ）のようにリクエスト
毎に予め用意したＣＭ組込番組の実体データをそのまま
配信するかは、いずれであってもよい。前者であれば、
リクエスト毎の複製された実体データを保持しておく記
憶容量が不要となる利点がある。後者であれば、前者の
ようにリアルタイムで番組とＣＭの配信切替を行う制御
が不要となる利点がある。「直ちに配信希望」の場合に
は切り替えて配信出力する方法が好ましい。

【００４６】図１３は、番組配信装置３において集計さ
れた各ＣＭに関する統計情報５１０の例を示している。
この例では、広告主毎に、登録した各ＣＭについて、単
位期間（ここでは１ヶ月）内のその配信数、広告掲載料
金、掲載した番組ジャンル、配信した顧客年齢層等、お
よび当該広告主の全ＣＭについて総計情報をテーブル化
して示している。この統計情報は各広告主に対する報告
書として、所定のフォーマット（図示せず）に再構成
し、ネットワーク５経由または郵送等により広告主に対
して送付される。この統計情報５１０は、広告主に対す
る広告掲載料請求の根拠情報ともなる。統計情報５１０
の具体的な内容は図示したものに限るものではない。例
えば、前述したように、配信頻度に応じてＣＭの掲載料
金の単価が変わるような場合には、掲載番組のタイトル
やその配信頻度などの情報も統計情報の中に含めること
ができる。

【００４７】広告主は、この報告書に基づいて、本サー
ビスにおけるＣＭの配信状況を把握するとともに、個々
のＣＭに係る販売商品等の販売状況などのデータに照ら
して、本サービスによるＣＭの効果を推測し、より効果
の高い番組への付加が行われるように、上記選択条件の
更新の指示を配信元に指示することができる。これに基
づいて、番組配信装置３内の広告ＤＢ３６内の前記広告
付加条件が更新される。

【００４８】図１４は、番組配信装置３が行う番組配信
処理の概略を示すフローチャートである。番組配信装置
３は、番組情報サーバ２から配信リクエストの通知を受
け付けると（Ｓ１１）、番組ＤＢ３５および顧客ＤＢを
参照することにより、その番組および顧客の属性情報を
確認する（Ｓ１２）。これにより広告付加条件が定まる
ので、前述したように、この条件に合致するＣＭ候補を
抽出して、その中から当該番組に付加するＣＭを決定す
る（Ｓ１３）。

【００４９】このようにして決定されたＣＭについて配
信番組の組立を行う（Ｓ１４）。例えば、前述したよう
に、当該番組に対して組み込むための番組内ＣＭ付加位
置情報（図１２（ａ））を作成して記憶しておく。ある
いは、そのような番組内ＣＭ付加位置情報に基づいてＣ
Ｍ組込番組（図１２（ｂ））を作成して記憶しておく。

【００５０】その後、指定日時が到来した時点で、ＣＭ
の付加された当該番組を当該顧客へ配信する（Ｓ１
５）。この際、番組内ＣＭ付加位置情報のみが用意され
ている場合には、それに従って番組データおよびＣＭデ
ータをそれぞれのデータベースから読み出して切り替え
て出力する。ＣＭ組込番組が用意されている場合には、
それをそのまま送信する。その後、各種情報の削除を行
う（Ｓ１６）。この各種情報とは、図９に示した、当該
番組の配信リクエスト情報、図１２に示したＣＭ付加位
置情報またはＣＭ組込番組である。最後に、配信履歴情
報を蓄積する（Ｓ１７）。これは、図１３に示したよう
な統計情報５１０を更新することに相当する。

【００５１】図１５は、統計情報５１０に基づいて、番
組配信装置３が定期的に行う報告書処理の概略を示すフ
ローチャートである。定期とは、この例では、月に１回
であるが、週に１回等、他の周期または予め定められた
時点であってもよい。まず、ある広告主につき、当該単
位期間（月）の確定した統計情報５１０に基づいて、予
め定めた形式の統計資料を出力する（Ｓ２１）。この出
力は、上述した報告書を所定のフォーマットの電子デー
タとして、ネットワーク５経由で当該広告主に送付する
他、印刷出力であってもよい。ついで、この資料を保存
する（Ｓ２２）。さらに、統計情報５１０の広告掲載料
金に基づいて、当該広告主に対する所定の課金処理を行
う（Ｓ２３）。この課金処理は、電子マネー、クレジッ
トカード等の決済の他、単に請求書の作成であってもよ
い。このような処理をすべての広告主について繰り返し
た後（Ｓ２４）、本処理を終了する。

【００５２】以上、本発明の好適な実施の形態について
説明したが、上記で言及した以外にも、種々の変形、変
更が可能である。例えば、広告主と配信元との間の情報
の授受はネットワーク５によらずペーパー文書や口頭に
よっても行ってもよい。

【００５３】個々の顧客の嗜好については顧客の登録時
等に顧客に入力させるようにしたが、過去に配信した番
組のメニューにもとづいて抽出するようにしてもよい。

【００５４】顧客側では番組の配信時点でリアルタイム
にその番組を視聴することを想定したが、その番組を自
動的に録画させることも可能である。この場合、番組視
聴装置１は外部（番組情報サーバ２）からの制御情報を
受けて録画動作を制御する機能を備える一方、番組情報
サーバ２は、配信予約のリクエストを受け付けたとき、
当該顧客の番組視聴装置１に対して録画の対象および録
画の時間情報を送信して録画予約を行うかまたはリアル
タイムの録画制御を行う機能を備える。

【００５５】また、任意の番組を任意の希望日時に配信
する場合について説明したが、放送日時が決まった従来
の放送番組のような番組であっても、特定の番組を顧客
が指定してその配信を要求しこれに応じて番組配信装置
がその番組を当該顧客に配信する場合には本発明を適用
できる。

【００５６】番組情報サーバ２と番組配信装置３とは別
々のサイトにあるものとしたが、同一のサイトに存在し
てもよい。その場合には両者で重複する構成要素の一方
を省略することも可能である。

【００５７】

【発明の効果】本発明の番組配信システムによれば、広
告主は広告効果があると思われる顧客や番組に絞って広
告を付加することができるので、無駄な広告を排し、広
告のコスト対効果の向上を図ることができる。

【００５８】また、顧客は、番組に広告が付加されるこ
とを受け入れることにより、自己の希望する番組につい
て無料またはより低料金で配信を受けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態における番組配信システム
全体の概略構成を示した図である。

【図２】図１のシステムにおける番組情報サーバの概略
構成を示すブロック図である。

【図３】図１のシステムにおける番組配信装置の構成例
を示すブロック図である。

【図４】図１のシステムにおける番組視聴装置の概略の
構成例を示すブロック図である。

【図５】図１のシステムにおける番組情報サーバの概略
構成を示すブロック図である。

【図６】実施の形態における顧客ＤＢの構成例（ａ）
（ｂ）を表形式に表した図である。

【図７】実施の形態における番組ＤＢの概略の構成例
（ａ）（ｂ）を示す図である。

【図８】実施の形態における広告ＤＢ（ＣＭ−ＤＢ）の
構成例（ａ）（ｂ）を示す図である。

【図９】図３に示したリクエスト記憶部に蓄積された配
信リクエスト情報の構成例を示す図である。

【図１０】実施の形態における番組メニュー画面を示す
図である。

【図１１】図１０の画面に続く配信希望日時設定のため
の画面を示す図である。

【図１２】一つの番組とこの番組に付加されるＣＭとの
関係（ａ）（ｂ）を示す図である。

【図１３】実施の形態において集計された各ＣＭに関す
る統計情報の例を示す図である。

【図１４】実施の形態において番組配信装置が行う番組
配信処理の概略を示すフローチャートである。

【図１５】実施の形態において、統計情報に基づいて、
番組配信装置が定期的に行う報告書処理の概略を示すフ
ローチャートである。

【符号の説明】

１…番組配信装置、２…番組情報サーバ、３…番組配信
装置、５…ネットワーク、６…端末装置、１７（３５）
…番組ＤＢ、３１…データ処理部、３２…時計、３３…
リクエスト記憶部、３４…顧客ＤＢ、３６…広告ＤＢ、
３７…統計ＤＢ、３８…通信部、３５０…番組管理情
報、３５１…番組データ、３６０…ＣＭ管理情報、３６
１…ＣＭデータ、４１０…配信リクエスト情報、５１０
…統計情報

Claims (18)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】番組情報サーバと番組配信装置とを備え、
   顧客から指定された番組を当該顧客に対して配信する番
   組配信システムであって、 前記番組情報サーバは、 顧客の属性情報を登録する手段と、 配信可能な番組のメニュー情報を顧客に提示する手段
   と、 前記メニュー情報に基づいて前記顧客が指定した配信リ
   クエスト情報を受け付ける手段と、 前記顧客の属性情報および前記配信リクエスト情報を前
   記番組配信装置に通知する手段とを有し、 前記番組配信装置は、 当該顧客の属性情報および前記配信リクエスト情報の少
   なくとも一方に基づいて当該番組に付加すべき広告を選
   択する手段と、 前記リクエストされた番組に対して前記選択された広告
   を付加して当該顧客の番組視聴装置に送信する手段とを
   有する、 ことを特徴とする番組配信システム。
2. 【請求項２】前記広告を選択する手段は、各広告のター
   ゲットとする顧客属性または番組属性に関する広告付加
   条件に基づいて、当該番組に付加すべき広告を決定する
   ことを特徴とする請求項１記載の番組配信システム。
3. 【請求項３】前記番組配信装置は、個々の広告主の個々
   の広告単位に、その広告を付加した番組の情報、およ
   び、その広告を配信した顧客の属性情報についての統計
   情報を逐次生成し、当該広告主への報告書を作成すると
   ともに、前記広告主の端末装置からの指示情報に基づい
   て前記広告付加条件の更新を行うことを特徴とする請求
   項２記載の番組配信システム。
4. 【請求項４】配信対象の複数の番組の内容データを蓄積
   ・管理する番組データベースと、 いずれかの番組に付加すべき複数の広告の内容データを
   蓄積・管理する広告データベースと、 番組配信サービスを受ける顧客の属性情報、および、前
   記顧客から前記複数の番組の一つを指定した配信リクエ
   スト情報を受信する受信手段と、 当該顧客の属性情報および前記配信リクエスト情報の少
   なくとも一方に基づいて当該番組に付加すべき広告を選
   択する広告選択手段と、 前記リクエストされた番組に対して前記選択された広告
   を付加して当該顧客に送信する送信手段と、 を備えたことを特徴とする番組配信装置。
5. 【請求項５】前記配信リクエスト情報は、番組を特定す
   るための情報を含むことを特徴とする請求項４記載の番
   組配信装置。
6. 【請求項６】前記配信リクエスト情報は、当該番組の配
   信を希望する日時情報をも含み、前記送信手段は当該番
   組を当該日時に配信することを特徴とする請求項５記載
   の番組配信装置。
7. 【請求項７】前記顧客の属性情報は、その顧客の年齢、
   性別、嗜好情報の少なくとも一つであることを特徴とす
   る請求項４記載の番組配信装置。
8. 【請求項８】前記広告データベースは、個々の広告に対
   して、その広告がターゲットとする顧客の属性情報を対
   応付けており、前記広告選択手段は、番組をリクエスト
   した顧客の属性情報に合致する属性情報が対応付けられ
   た広告を、当該番組に付加すべき広告として選択するこ
   とを特徴とする請求項７記載の番組配信装置。
9. 【請求項９】前記広告データベースは、個々の広告に対
   して、その広告がターゲットとする番組のジャンル情報
   を対応付けており、前記広告選択手段は、リクエストさ
   れた番組のジャンルに合致するジャンル情報が対応付け
   られている広告を、当該番組に付加すべき広告として選
   択することを特徴とする請求項７または８記載の番組配
   信装置。
10. 【請求項１０】個々の広告主の個々の広告単位に、その
    広告を付加した番組の情報、および、その広告を配信し
    た顧客の属性情報についての統計情報を逐次生成する手
    段を備えたことを特徴とする請求項４記載の番組配信装
    置。
11. 【請求項１１】前記広告がターゲットとする顧客の属性
    情報をその広告主の指示に応じて更新する手段を備えた
    ことを特徴とする請求項８記載の番組配信装置。
12. 【請求項１２】前記広告がターゲットとする番組のジャ
    ンル情報をその広告主の指示に応じて更新する手段を備
    えたことを特徴とする請求項９記載の番組配信装置。
13. 【請求項１３】個々の広告主に対して、少なくとも、前
    記顧客に配信された番組に付加された当該広告主の広告
    の付加回数に応じて当該広告主へ課金すべき広告掲載料
    を決定する広告掲載料決定手段を備えたことを特徴とす
    る請求項４または１０記載の番組配信装置。
14. 【請求項１４】個々の番組の配信頻度を管理する手段を
    備え、前記広告掲載料決定手段は、各広告の広告掲載料
    の単価を、その広告が付加される番組の前記配信頻度に
    基づいて決定することを特徴とする請求項１３記載の番
    組配信装置。
15. 【請求項１５】配信リクエストされた番組の識別情報
    と、この番組に対して前記広告選択手段により選択され
    た広告の識別情報と、当該番組のどの位置に当該広告を
    付加するかを決定する付加位置情報とを含む広告付加位
    置情報を記憶する手段を備えたことを特徴とする請求項
    １４記載の番組配信装置。
16. 【請求項１６】顧客から指定された番組を当該顧客に対
    して配信する番組配信方法であって、 前記顧客からの配信リクエスト情報および当該顧客の属
    性情報の少なくとも一方に基づいて当該番組に付加すべ
    き広告を選択し、前記リクエストされた番組に対して前
    記選択された広告を付加して当該顧客に送信することを
    特徴とする番組配信方法。
17. 【請求項１７】各広告のターゲットとする顧客属性また
    は番組属性に関する広告付加条件に基づいて、当該番組
    に付加すべき広告を決定することを特徴とする請求項１
    ６記載の番組配信方法。
18. 【請求項１８】個々の広告主の個々の広告単位に、その
    広告を付加した番組の情報、および、その広告を配信し
    た顧客の属性情報についての統計情報を逐次生成し、当
    該広告主への報告書を作成するとともに、前記広告主か
    らの指示に基づいて前記広告付加条件の更新を行うこと
    を特徴とする請求項１７記載の番組配信方法。