JP2003078366A - Mos型基準電圧発生回路 - Google Patents

Mos型基準電圧発生回路

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JP2003078366A
JP2003078366A JP2001267773A JP2001267773A JP2003078366A JP 2003078366 A JP2003078366 A JP 2003078366A JP 2001267773 A JP2001267773 A JP 2001267773A JP 2001267773 A JP2001267773 A JP 2001267773A JP 2003078366 A JP2003078366 A JP 2003078366A
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JP2001267773A
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Takashi Osone
隆志 大曽根
Toshihiro Matsuda
敏弘 松田
Shigeki Nakajima
茂樹 中島
Takashi Ihara
隆 伊原
Shinya Yamamoto
真也 山本
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Toyama Prefecture
Shikino High Tech Co Ltd
Original Assignee
Toyama Prefecture
Shikino High Tech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源電圧及び温度の変動による基準電圧への
影響が無いMOSFETによる半導体集積回路の基準電
圧発生回路の提供。 【解決手段】 PチャネルMOSFETで構成される第
一、第二及び第三の電流経路1,2,3を有し上記第二
の電流経路をバイアス段とするカレントミラー回路4
と、第一の電流経路1に接続されたサブサブスレッショ
ルド領域で動作するNチャネルMOSFETと、第二の
電流経路2に接続されたサブスレッショルド領域で動作
するNチャネルMOSFET及び抵抗素子と、第三の電
流経路3に接続された抵抗素子及びpn接合ダイオード
とで構成されるバンドギャップ基準電圧発生回路におい
て、第二の電流経路2における上記PチャネルMOSF
ETとNチャネルMOSFETの間にドレイン・ソース
間電圧補正用NチャネルMOSFETを接続したMOS
型基準電圧発生回路。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MOSFETによ
る半導体集積回路に構成された基準電圧発生回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】今日、小型で小電力で且つ高速な回路が
求められるなか、ほとんどのデジタル回路がその様な要
求を満足するCMOSデバイスで構成されており、バイ
ポーラデバイスが中心であったアナログ回路の分野にお
いてもCMOSデバイスによる実現が望まれている。し
かし、アナログ回路においては、デジタル回路とは異な
り、温度による影響が無くしかも電源電圧の変動にも影
響されない基準電圧発生回路の実現が極めて重要とな
る。特に、アナログーデジタル変換回路やデジタルーア
ナログ変換回路においては、電源電圧や温度に対して安
定な基準電圧発生回路が要求される。従って、CMOS
回路を用いて安定した基準電圧発生回路を構成すること
は、アナログCMOS回路の実現には必須の要件とな
る。
【0003】従来より半導体集積回路に構成される基準
電圧発生回路は、従来例を示す図8の如くスタートアッ
プ回路と、カレントミラー回路を具備したバンドギャッ
プ基準電圧発生回路(以下、バンドギャップ回路と記
す。)とから構成されている。
【0004】スタートアップ回路は、当該バンドギャッ
プ回路への電源投入初期において、電源投入前における
安定状態から所定出力電圧が得られる安定動作状態への
移行を促進する為の始動回路である。当該回路構成で
は、電源投入に際して、PチャネルMOSFET(以
下、PMOSFETと記す。)P07及びNチャネルM
OSFET(以下、NMOSFETと記す。)N07の
ドレイン電圧を急激に立ち上げることで、速やかにNM
OSFET:N09が稼働し、NMOSFET:N01
及びN02に対する所望のゲート電圧を得ることができ
る。
【0005】MOSFETの特性を決める極めて重要な
設計パラメータが、チャネルの幅:Wと、チャネルの長
さ:Lである。ここで、チャネルの幅と長さを一定比率
(同サイズである場合も含む)に定める事によって、そ
れら組となる各MOSFETのドレイン電流に一定の比
率が与えられることとなる。カレントミラー回路は、こ
の様な特性を利用したものであって、例えば、図8に示
されている様に、同サイズのPMOSFET:P01,
P02,P03をカレントミラー接続し、カレントミラ
ー接続が成された各々のソースを電源電圧VDDに接続
することによって、カレントミラー接続が成された各M
OSFETのドレイン・ソース間に、相等しい一定の電
流(以下、ドレイン電流と記す。)を流すものである。
【0006】バンドギャップ回路は、pn接合ダイオー
ドD03を用いることにより、物理定数であるシリコン
バンドギャップ(以下、バンドギャップと記す。)に依
存した基準電圧を発生させる回路であって、理論上、前
記カレントミラー回路のPMOSFET:P01,P0
2,P03のドレイン電流が相等しい(或いは所定の比
率を持つ)ことを条件として、電源電圧VDDの変動に
影響されることなく所定の基準電圧を安定して発生する
ものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来図
に示す回路構成では、N01のドレイン電圧とN02の
ドレイン電圧との間に差が生じ、例えN01とN02の
動作領域がサブスレッショルド領域にあったとしても、
前記N01とN02のドレイン・ソース間電流が不一致
となり、前記理論上理想的なカレントミラー回路の動作
を得ることが出来ない。その結果、出力段に流れる電流
が、電源電圧VDDの変動の影響を受ける形となり、V
DDに対して安定した基準電圧VREFを得ることが出
来なかった。
【0008】本発明は、上記実情に鑑みて成されたもの
であって、電源電圧の変動による基準電圧への影響が無
いMOSFETによる半導体集積回路の基準電圧発生回
路の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明によるMOS型基準電圧発生回路は、
PチャネルMOSFETで構成される複数の電流経路を
有するカレントミラー回路と、それ等の電流経路に接続
された複数のNチャネルMOSFETを有する回路にお
いて、複数のNチャネルMOSFETのソース・ドレイ
ン間電圧補正用MOSFETを上記PチャネルMOSF
ETと直列に接続した事を特徴とする。
【0010】より具体的には、PMOSFETで構成さ
れる第一、第二及び第三の電流経路を有し上記第二の電
流経路をバイアス段とするカレントミラー回路と、第一
の電流経路に接続されたサブスレッショルド領域で動作
するNMOSFETと、第二の電流経路に接続されたサ
ブスレッショルド領域で動作するNMOSFET及び抵
抗素子と、第三の電流経路に接続された抵抗素子及びp
n接合ダイオードとで構成され、上記2つのNMOSF
ETのドレイン電圧がほぼ等しくなるように、第二の電
流経路における上記PMOSFETとNMOSFETの
間にドレイン・ソース間電圧補正用NMOSFETを接
続した構成が挙げられる。仕様に応じ、前記第一、第二
及び第三の電流経路それぞれについて、前記PMOSF
ETを2段に直列接続して成るカレントミラー回路を有
する構成とする場合もある。
【0011】ここで、バイアス段とは、カレントミラー
回路を構成する複数段の回路のうち、カレントミラー関
係にある全てのPMOSFETのゲートに対して同じ電
位を接続すべく当該全てのPMOSFETのゲートに接
続する電位の共通取得点が存在し、且つ当該段に流れる
電流を決定するための抵抗素子が接続してある段であ
る。尚、当該明細書において抵抗素子とは、素材及び構
造を限定することなく所望の抵抗成分を回路上に構成す
る抵抗体を指す。
【0012】電源VDD・GND間に、PチャネルMO
SFETと、ダイオード接続のドライブ用NチャネルM
OSFETをn段に直列接続し、GND側からn段目の
ドライブ用NチャネルMOSFETのドレインを前記ド
レイン・ソース間電圧補正用NチャネルMOSFETの
ゲートに接続し、且つ、n:自然数,及びn≦(電源電
圧VDD)/(ドライブ用NMOSFETのしきい値電
圧V)を満足する構成とする場合もあり、更に、ゲー
トに1段目の前記ドライブ用NMOSFETのドレイン
が接続されると共に、ドレインに電源VDDが接続さ
れ、ソースが前記第一の電流経路におけるNMOSFE
Tのドレインに接続されたNMOSFETを用いたスタ
ートアップ回路を有する構成とする場合もある。
【0013】基準電圧VREFの値をしきい値電圧で安
定化させるべく、前記第三の電流経路に接続されたpn
接合ダイオードの代わりに、ダイオード接続のNMOS
FETを用いた構成を採っても良く、更に、該基準電圧
の制御を可能とすべく前記ダイオード接続のNMOSF
ETにおける基板バイアス電圧を調整する基板バイアス
可変回路を設けた構成とすることも可能である。尚、前
記ダイオード接続のNMOSFETとは、ゲート・ドレ
イン間を短絡して用いたNMOSFETを指す。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明たるMOS型基準電
圧発生回路の実施の形態を図面に基づき説明する。図1
に示したサンプル回路は、PMOSFETによるカレン
トミラー回路4及びMOSFETのドレイン電圧をほぼ
等しくするためのドレイン・ソース間電圧補正用NMO
SFET:N4を具備したバンドギャップ回路と、当該
バンドギャップ回路への電源投入初期における動作の安
定化を促進するスタートアップ回路6とから構成された
基準電圧発生回路である。
【0015】前記バンドギャップ回路は、電源電圧V
DD・GND間に、PMOSFET:P1,PMOSF
ET:P4,及びNMOSFET:N1を直列に接続し
た第一の電流経路1と、PMOSFET:P2,PMO
SFET:P5,ドレイン・ソース間電圧補正用NMO
SFET:N4,NMOSFET:N2,及び抵抗素子
R1を直列に接続した第二の電流経路2と、PMOSF
ET:P3,PMOSFET:P6,抵抗素子R2,及
びpn接合ダイオード:D3を直列に接続した第三の電
流経路3とを並列に接続して構成されている。
【0016】前記カレントミラー回路4は、PMOSF
ET:P2,P5のゲート・ドレイン間が短絡され、P
MOSFET:P1,P2,P3のゲート同士、及びP
MOSFET:P4,P5,P6のゲート同士が短絡さ
れて成るカレントミラー部が二段積み三列構成を呈する
形で構成されている。また、前記N1のドレイン・ゲー
ト間が短絡され、更に、NMOSFET:N1,N2の
ゲート同士が短絡されることによって、NMOSFET
によるカレントミラー構成も形作られている。当該半導
体集積回路の基準電圧発生回路の出力たる基準電圧V
REFは、前記第三の電流経路を構成するPMOSFE
T:P6と抵抗素子R2間の出力端から引き出されるも
のとする。
【0017】前記スタートアップ回路6は、電源電圧V
DD・GND間に、PMOSFET:P7,ドレイン・
ゲート間を短絡させダイオード接続としたドライブ用N
MOSFET:N7,及びドライブ用NMOSFET:
N8を直列に接続したドライブ回路5と、ドレインを電
源電圧VDDに、ソースを前記バンドギャップ回路のP
4・N1間に接続すると共に、そのゲートを前記N7・
N8間に接続したスタートアップ用NMOSFET:N
9とから構成される。当該スタートアップ用NMOSF
ET:N9が稼働することによって、N1,N2へ所望
のゲート電圧を速やかに供給して前記バンドギャップ回
路のスタートアップを行なう。尚、前記ドライブ用NM
OSFET:N8のドレインは、上記ドレイン・ソース
間電圧補正用NMOSFET:N4のゲートに接続さ
れ、当該ドレイン・ソース間電圧補正用NMOSFE
T:N4をドライブするために用いられる。
【0018】上記構成においてPMOSFET:P1,
P2,P3のチャネル長及びチャネル幅を相互に等しく
設定すると共に、PMOSFET:P4,P5,P6の
チャネル長及びチャネル幅を相互に等しく設定し、且
つ、NMOSFET:N1,N2のチャネル長を等しく
設定すると共に、N2のチャネル幅をN1のチャネル幅
に対する適当な比率(例えば、1,2,…,7,8倍
等)に設定する。
【0019】NMOSFET:N1,N2はサブスレッ
ショルド電流領域で動作させるように設計するので、こ
れらNMOSFET:N1,N2に流れる電流I
1(N1),I2(N2)は、下記(1)(2)式で与
えられ、pn接合ダイオード:D3に流れる電流I
3(D3)は、下記(3)式で与えられる。
【0020】
【数1】 ・・・・・・(1)
【数2】 但し、 ・・・・・・(2)
【数3】 ・・・・・・(3) ここで、 I:温度に依存しないサブスレッショルド電流 V:ゲート電圧 V:しきい値電圧 n:サブスレッショルド係数の補正項 V:熱電圧(=k・T/q) k:ボルツマン定数 T:絶対温度 q:電子の電荷量 V:pnダイオードに印加される電圧 E:シリコンのバンドギャップ である。
【0021】そして、前記バンドギャップ回路の第一電
流経路1に流れる電流Iと、第二電流経路2に流れる
電流Iと、第三電流経路3に流れる電流Iとが等し
い(I=I=I)という条件を満たせば、上記
(1)(2)(3)式で与えられるI,I,I
相互に等しいこととなる。
【0022】また、基準電圧VREFは、下記(4)式
によって与えられる。
【数4】 但し、m:N1とN2のチャネル幅W,Wの比(m
=W/W)。 ・・・・・(4)
【0023】前記基準電圧VREFの温度特性は、下記
(5)式で与えられ、pnダイオードD3に印加される
電圧の温度特性は、下記(6)式で与えられる。
【数5】 ・・・・・・(5)
【数6】 但し、EG0はT=0 Kでのバンドギャップの電位で
ある。 ・・・・・・(6)
【0024】温度特性を平坦にするということで(Δ/
ΔT)・VREF=0とし、(5)式に代入すると下記
(7)式となる。
【数7】 ・・・・・・(7)
【0025】即ち、(R2/R1)の比が(7)式を満
たすように回路を設計すれば、温度特性が平坦で、且つ
非常に安定した下記(8)式の電圧を基準電圧VREF
として得ることができる。当該VREFは、シリコンの
物理定数であるバンドギャップの電位で決定されるの
で、バンドギャップ基準電圧と呼ばれる。
【数8】 ・・・・・・(8)
【0026】図2に示したサンプル回路においては、p
n接合ダイオード:D3をドレインとゲートを短絡した
ダイオード接続のNMOSFET:N3に置き換えるこ
とが出来る様子が示されている。この様に、pn接合ダ
イオード:D3をダイオード接続のNMOSFET:N
3に置き換えた場合には、pn接合ダイオードに流れる
電流I3(D3)は、上記ダイオード接続のNMOSF
ET:N3のドレイン・ソース間に流れる電流I
3(N3)となり、下記(9)式によって与えられる。
【数9】 ・・・・・・(9) そして、ダイオード接続のNMOSFET:N3に印加
される電圧の温度特性は、バンドギャップ方式の基準電
圧VREFの場合と同様に、下記(10)式で与えられ
る。
【数10】 但し、VT0はT=0 KでのN3のしきい値電圧であ
る。 ・・・・・・(10)
【0027】ここで、下記(11)式を満足するように
回路設計すれば、(Δ/ΔT)・V REF=0となり、
下記(12)式の様に基準電圧VREFが得られる。当
該基準電圧VREFは、ダイオード接続NMOSFE
T:N3のT=0 Kにおけるしきい値電圧に安定化さ
れるので、特にしきい値電圧基準電圧VTRとよぶ。
【数11】 ・・・・・・(11)
【数12】 ・・・・・・(12)
【0028】上記理論上、NMOSFETの理想的なサ
ブスレッショルド電流は(1),(2)式で与えられる
ようにゲート電圧Vのみで決定され、ドレイン電圧に
は依存しない。従って、同じゲート電圧が印加されてい
るNMOSFET:N1,N2には同じIとIとい
う電流が流れるはずである。しかし、実際には、サブス
レッショルド電流はソース・ドレイン間の電圧にも依存
するので、厳密にI=Iを満たすためにはNMOS
FET:N1,N2のソース・ドレイン間電圧を等しく
する必要がある。
【0029】本実施例の回路では、NMOSFET:N
2のソース電圧は、NMOSFET:N1のソース電圧
に比べてI・R1の電圧分だけ高くなるが、この電圧
は通常数10mV程度であるので、そのサブスレッショ
ルド電流に及ぼす影響は無視できる。従って、この場合
には、,N2のドレイン電圧差に注目すればよい。上記
サンプル回路のシミュレーション結果によれば、VDD
が5Vの時のNMOSFET:N1,N2のドレイン電
圧は、前記ソース・ドレイン間電圧補正用NMOSFE
T:N4が無い場合には、それぞれ0.7Vと2.7V
となり、約2.0Vもの電圧差が生じている。本来、こ
の様な結果では上記理論計算で想定したI=I=I
の関係が厳密には成立していないので、基準電圧V
REFの、VDDや温度に対する安定性が悪くなること
は容易に推測できる。
【0030】しかしながら、上記サンプル回路(図1及
び図2参照)においては、前記ソース・ドレイン間電圧
補正用NMOSFET:N4に対し、前記スタートアッ
プ回路からゲート電圧が供給されることによって、電源
電圧VDDの変動等に起因してNMOSFET:N1,
N2のドレイン電圧に生じる格差を吸収する電圧補正作
用が生じ、NMOSFET:N1,N2のドレイン電圧
は、ほぼ等しい0.7Vとなる。この様に、当該ソース
・ドレイン間電圧補正用NMOSFET:N4の電圧補
正作用が、NMOSFET:N1,N2に流れるドレイ
ン電流IとI とを一致させ、前記I=I=I
という条件を厳密に成立させる作用を奏した結果とし
て、電源電圧VDDの変化に対する影響を受けない安定
した基準電圧VREFが与えられることとなる。
【0031】
【実施例】以下、上記サンプル回路の試作・測定結果に
ついて述べる。尚、先に挙げた2種類の回路から取り出
す基準電圧VREFを区別するために、pn接合ダイオ
ード:D3を用いたバンドギャップ基準電圧VREF
BRと称し、ダイオード接続NMOSFET:N3を
用いたしきい値電圧基準電圧VREFをVTRと称す
る。サンプル回路の試作は、1.2ミクロン・ルールの
nウェルCMOSプロセスで行った。抵抗素子R1,R
2はnウェル抵抗で形成し、R1は50kΩである。
【0032】図4にpn接合ダイオードD3を用いたバ
ンドギャップ基準電圧VBRのV =3V,4V,5
V,6V,7Vでの温度依存性データを示す。測定温度
は−60,−20,+20,+60,+100℃であ
る。図4(ロ)は、ドレイン・ソース間電圧補正用NM
OSFET:N4が無くPMOSFET:P5とNMO
SFET:N2のドレインを短絡した場合、図4(イ)
は、ドレイン・ソース間電圧補正用NMOSFET:N
4がある場合の測定結果を示す。VDD=5.0V、T
=+20℃でのVBRは、両者とも約1.26Vとほぼ
同じ値で、消費電流は約6マイクロアンペアであった。
【0033】ダイオード接続のNMOSFET:N3を
用いたしきい値電圧基準電圧VTRでの、同様な測定結
果を図5に示す。この時、VDD=5.0V,T=+2
0℃でのVTRは両者とも約1.29Vであった。当該
図から明らかな様に、ドレイン・ソース間電圧補正用N
MOSFET:N4を用いることによって、VDD依存
性は勿論のこと温度依存性も大幅に改善された。
【0034】上記測定結果を、バンドギャップ基準電圧
BR及びしきい値電圧基準電圧V TRの変動率の様子
として図6に示す。尚、縦軸のΔVBR又はΔV
TRは、V DD=5.0V、T=+20℃でのバンドギ
ャップ基準電圧VBR及びしきい値電圧基準電圧VTR
電圧を基準値として、VDD=3V〜7Vの範囲及びV
DD=4V〜6Vの範囲について、T=−60℃〜10
0℃の測定範囲におけるバンドギャップ基準電圧VBR
及びしきい値電圧基準電圧VTRの最大値から最小値に
亘る変化量を、前記基準値に対する割合(%)として表
示したものである。
【0035】以下、VDD=3V〜7Vの範囲における
変化量をカッコ外に、VDD=4V〜6Vの範囲におけ
る変化量をカッコ内に示す。ΔVBRは、ドレイン・ソ
ース間電圧補正用NMOSFET:N4を用いない場合
の、7.2(3.3)%からドレイン・ソース間電圧補
正用NMOSFET:N4を用いることによって1.9
(1.1)%へと1/3以下の変動幅に改善された。同
様に、ΔVTRは、ドレイン・ソース間電圧補正用NM
OSFET:N4を用いない場合の6.4(2.8)%
からドレイン・ソース間電圧補正用NMOSFET:N
4を用いることによって1.7(1.0)%へと約1/
3の変動幅に改善された。この様に、ドレイン・ソース
間電圧補正用NMOSFET:N4の使用によりVBR
やVTRのVDD依存性と温度依存性が大幅に改善さ
れ、その有用性が実証された。
【0036】以上に述べた測定結果は、当該基準電圧発
生回路中に存在する全てのNMOSFETについてその
基板電圧VSubを共通なGNDへ接続した場合の測定
結果であるが、図3の如く、ダイオード接続のNチャネ
ルMOSFET:N3をはじめとするNチャネルMOS
FETの基板バイアス電圧VSubを調整する基板バイ
アス可変回路7を設ければ、例えば、しきい値電圧基準
電圧VTRを得る場合において、VSub電圧を変化さ
せることにより、ダイオード接続のNMOSFET:N
3のT=0 Kでのしきい値電圧VT0を制御できる。
この様子を図7に示す。縦軸には、VT0及びVDD
5.0V,T=+20℃におけるしきい値電圧基準電圧
TR[以下、(VTRtypと記す。]をとり、横
軸には(2ψ−VSub)の平方根をとる。ここで、
2ψ=0.67Vに選ぶと、V T0及び(VTR
typと(2ψ−VSub)の平方根とは直線関係で
表される。尚、基板バイアス可変回路7は、既存の可変
電圧回路を具備した回路でも良いし、外部の可変電圧回
路を接続する回路であっても良い。
【0037】図7より、当該基準電圧発生回路中に存在
する全てのNMOSFETへの、0.0V〜−2.0V
の基板電圧VSubの印加によって、(VTRtyp
電圧が1.29V〜1.71Vの広範囲にわたって制御
できることが分かる。尚、ΔVTRについては、V
Sub印加により、VDD=5.0±1.0Vに対して
約1.0%から約0.6%へと改善された(小さくなっ
た)。因みに、VDD=5.0±2.0Vに対するΔV
TRは、ほぼ1.6〜1.9%の範囲であった。この様
に、基板電圧VSubの印加によりしきい値電圧基準電
圧VTRを広い電圧範囲にわたって可変できることは、
バンドギャップ基準電圧VBRによる基準電圧源で得る
事の出来ないしきい値電圧基準電圧VTRを用いた基準
電圧源の特長である。
【0038】図1乃至図3示すサンプル回路では、基準
電圧VREFの引出点とGNDとの間に、電源VDD
から抵抗素子R2,pn接合ダイオードD3の順に、又
は抵抗素子R2,ダイオード接続のNMOSFET:N
3の順に接続したが、この順番は入れ替えても同じ特性
が得られる。ただ、製造プロセスをも考慮するとすれ
ば、本実施例ではnウェルCMOSプロセスを用いたた
めに、抵抗素子R2とpn接合ダイオードD3とを入れ
替えることによって、nウェル内に形成したpn接合ダ
イオードD3のダイオード電流が基板に漏れる場合があ
るので好ましくない。尚、トリプル・ウェル構造のCM
OSプロセス等を用いれば、この接続上の制約はない。
【0039】一方、しきい値電圧基準電圧VTRによる
基準電圧発生回路の場合には、nウェルCMOSプロセ
スでも抵抗素子R2とダイオード接続のNMOSFE
T:N3を入れ替えることは可能であるが、ダイオード
接続のNMOSFET:N3のソースがI・R2の電
圧分だけ上昇するので、その基板バイアス電圧によるV
T0上昇分だけしきい値電圧基準電圧VTRが上昇する
こととなる。又、用いるCMOSプロセスによってはN
MOSFETとPMOSFETを全て入れ替えた回路構
成を採る事も可能である。尚、pn接合ダイオードD3
の代わりにバイポーラ・トランジスタを用いることもで
きることは言うまでもない。
【0040】また、図1乃至図3に示す実施例のスター
トアップ回路では、VDD・GND間に1つのPMOS
FET:P7と、2つのNMOSFET:N7,N8を
直列接続した例を示し、GND側から2つ目のNMOS
FET:N8のドレインと、ドレイン・ソース間電圧補
正用NMOSFET:N4のゲートを接続した。しか
し、回路特性に応じてドレイン・ソース間電圧補正用N
MOSFET:N4を動作させるために、VDD・GN
D間にn段(但し、n≦VDD/V)のNMOSFE
Tを直列接続して、それらのNMOSFETのGND側
から数えてn段目のドレインとドレイン・ソース間電圧
補正用NMOSFET:N4のゲートを接続することも
可能である。
【0041】
【発明の効果】以上の如く、本発明によるMOS型基準
電圧発生回路によれば、PチャネルMOSFETで構成
される複数の電流経路を有するカレントミラー回路と、
それ等の電流経路に接続された複数のNチャネルMOS
FETを有する回路において、複数のNチャネルMOS
FETのソース・ドレイン間電圧補正用MOSFETを
上記PチャネルMOSFETと直列に接続し、例えばP
チャネルMOSFETで構成される第一、第二及び第三
の電流経路を有し上記第二の電流経路をバイアス段とす
るカレントミラー回路と、第一の電流経路に接続された
サブサブスレッショルド領域で動作するNチャネルMO
SFETと、第二の電流経路に接続されたサブスレッシ
ョルド領域で動作するNチャネルMOSFET及び抵抗
素子と、第三の電流経路に接続された抵抗素子及びpn
接合ダイオードとで構成されるバンドギャップ基準電圧
発生回路において、第二の電流経路における上記Pチャ
ネルMOSFETとNチャネルMOSFETの間にドレ
イン・ソース間電圧補正用NチャネルMOSFETを接
続する構成を採ることによって、前記カレントミラー回
路を構成するNMOSFETのドレイン電圧がほぼ等し
くなる結果、NMOSFETのドレイン電流が等しくな
ってVREFの安定性が大幅に改善されることとなる。
【0042】また、電源VDD・GND間に、Pチャネ
ルMOSFETと、ダイオード接続のドライブ用Nチャ
ネルMOSFETをn段に直列接続し、GND側からn
段目のドライブ用NチャネルMOSFETのドレインを
前記ドレイン・ソース間電圧補正用NチャネルMOSF
ETのゲートに接続し、且つ、n:自然数,及びn≦
(電源電圧VDD)/(ドライブ用NMOSFETのし
きい値電圧V)を満足するドライブ回路を設ければ、
実施例で示した2段目以外に適当な段のドレイン電圧を
ドレイン・ソース間電圧補正用NMOSFETのゲート
に印加できるので、N1とN2等カレントミラー構成に
ある複数のNMOSFETのドレイン電圧差の補正をよ
り精密に調整することが可能となる。
【0043】更に、ゲートに1段目の前記ドライブ用N
チャネルMOSFETのドレインが接続されると共に、
ドレインに電源VDDが接続され、ソースが前記第一の
電流経路におけるNチャネルMOSFETのドレインに
接続されたNチャネルMOSFETを用いたスタートア
ップ回路を設けることによって、所望のゲート電圧を速
やかに供給して前記バンドギャップ回路のスタートアッ
プを遅滞無く行なうことができる。
【0044】前記第三の電流経路に接続されたpn接合
ダイオードを用いたバンドギャップ基準電圧がバンドギ
ャップという物理定数で決定される約1.21Vの一定
値に固定されるのに比べて、前記第三の電流経路に接続
されたpn接合ダイオードの代わりに、ダイオード接続
のNチャネルMOSFETを用いることによって、基準
電圧は製造プロセスによって任意に調整可能なしきい値
電圧で制御可能となり、基準電圧の設定範囲が大幅に広
くなる。このことは、CMOSFETの微細化とともに
電源電圧が低下し、それにつれて基準電圧も低下する傾
向に対応することを可能にするものである。更に、前記
ダイオード接続のNチャネルMOSFETにおける基板
バイアス電圧VSubを調整する基板バイアス可変回路
を設けたことによって、しきい値電圧基準電圧VTR
広い電圧範囲にわたって変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるMOS型基準電圧発生回路の一例
を示す回路図である。
【図2】本発明によるMOS型基準電圧発生回路の一例
を示す回路図である。
【図3】本発明によるMOS型基準電圧発生回路の一例
を示す回路図である。
【図4】(イ)(ロ)ドレイン・ソース間電圧補正用N
MOSFETの有無について、電圧変動による影響を含
めた基準電圧VREF(VBR)の温度特性を示したグ
ラフである。
【図5】(イ)(ロ)ドレイン・ソース間電圧補正用N
MOSFETの有無について、電圧変動による影響を含
めた基準電圧VREF(VTR)の温度特性を示したグ
ラフである。
【図6】ドレイン・ソース間電圧補正用NMOSFET
の有無について、電圧変動による影響を含めた基準電圧
REF(VBR及びVTR)の温度特性を変動幅を以
て示したグラフである。
【図7】基板バイアス電圧VSubの変化に対する基準
電圧VREF((VTRty 及びVT0)の変化
を、横軸を(2ψ−VSub)の平方根として示した
グラフである。
【図8】従来のMOS型基準電圧発生回路の一例を示す
回路図である。
【符号の説明】
1 第一の電流経路 2 第二の電流経路 3 第三の電流経路 4 カレントミラー回路 5 ドライブ回路 6 スタートアップ回路 7 基板バイアス可変回路
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月17日(2002.4.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 MOS型基準電圧発生回路
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MOSFETによ
る半導体集積回路に構成された基準電圧発生回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】今日、小型で小電力で且つ高速な回路が
求められるなか、ほとんどのデジタル回路がその様な要
求を満足するCMOSデバイスで構成されており、バイ
ポーラデバイスが中心であったアナログ回路の分野にお
いてもCMOSデバイスによる実現が望まれている。し
かし、アナログ回路においては、デジタル回路とは異な
り、温度による影響が無くしかも電源電圧の変動にも影
響されない基準電圧発生回路の実現が極めて重要とな
る。特に、アナログーデジタル変換回路やデジタルーア
ナログ変換回路においては、電源電圧や温度に対して安
定な基準電圧発生回路が要求される。従って、CMOS
回路を用いて安定した基準電圧発生回路を構成すること
は、アナログCMOS回路の実現には必須の要件とな
る。
【0003】従来より半導体集積回路に構成される基準
電圧発生回路は、従来例を示す図8の如くスタートアッ
プ回路と、カレントミラー回路を具備したバンドギャッ
プ基準電圧発生回路(以下、バンドギャップ回路と記
す。)とから構成されている。
【0004】スタートアップ回路は、当該バンドギャッ
プ回路への電源投入初期において、電源投入前における
安定状態から所定出力電圧が得られる安定動作状態への
移行を促進する為の始動回路である。当該回路構成で
は、電源投入に際して、PチャネルMOSFET(以
下、PMOSFETと記す。)P07及びNチャネルM
OSFET(以下、NMOSFETと記す。)N07の
ドレイン電圧を急激に立ち上げることで、速やかにNM
OSFET:N09が稼働し、NMOSFET:N01
及びN02に対する所望のゲート電圧を得ることができ
る。
【0005】MOSFETの特性を決める極めて重要な
設計パラメータが、チャネルの幅:Wと、チャネルの長
さ:Lである。ここで、チャネルの幅と長さを一定比率
(同サイズである場合も含む)に定める事によって、そ
れら組となる各MOSFETのドレイン電流に一定の比
率が与えられることとなる。カレントミラー回路は、こ
の様な特性を利用したものであって、例えば、図8に示
されている様に、同サイズのPMOSFET:P01,
P02,P03をカレントミラー接続し、カレントミラ
ー接続が成された各々のソースを電源電圧VDDに接続
することによって、カレントミラー接続が成された各M
OSFETのドレイン・ソース間に、相等しい一定の電
流(以下、ドレイン電流と記す。)を流すものである。
【0006】バンドギャップ回路は、pn接合ダイオー
ドD03を用いることにより、物理定数であるシリコン
バンドギャップ(以下、バンドギャップと記す。)に依
存した基準電圧を発生させる回路であって、理論上、前
記カレントミラー回路のPMOSFET:P01,P0
2,P03のドレイン電流が相等しい(或いは所定の比
率を持つ)ことを条件として、電源電圧VDDの変動に
影響されることなく所定の基準電圧を安定して発生する
ものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来図
に示す回路構成では、N01のドレイン電圧とN02の
ドレイン電圧との間に差が生じ、たとえN01とN02
の動作領域がサブスレッショルド領域にあったとして
も、前記N01とN02のドレイン・ソース間電流が不
一致となり、前記理論上理想的なカレントミラー回路の
動作を得ることが出来ない。その結果、出力段に流れる
電流が、電源電圧VDDの変動の影響を受ける形とな
り、VDDに対して安定した基準電圧VREFを得るこ
とが出来なかった。
【0008】本発明は、上記実情に鑑みて成されたもの
であって、電源電圧の変動による基準電圧への影響が無
いMOSFETによる半導体集積回路の基準電圧発生回
路の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明によるMOS型基準電圧発生回路は、
PチャネルMOSFETで構成される複数の電流経路を
有するカレントミラー回路と、それ等の電流経路に接続
された複数のNチャネルMOSFETを有する回路にお
いて、複数のNチャネルMOSFETのソース・ドレイ
ン間電圧補正用MOSFETを上記PチャネルMOSF
ETと直列に接続した事を特徴とする。
【0010】より具体的には、PMOSFETで構成さ
れる第一、第二及び第三の電流経路を有し上記第二の電
流経路をバイアス段とするカレントミラー回路と、第一
の電流経路に接続されたサブスレッショルド領域で動作
するNMOSFETと、第二の電流経路に接続されたサ
ブスレッショルド領域で動作するNMOSFET及び抵
抗素子と、第三の電流経路に接続された抵抗素子及びp
n接合ダイオードとで構成され、上記2つのNMOSF
ETのドレイン電圧がほぼ等しくなるように、第二の電
流経路における上記PMOSFETとNMOSFETの
間にドレイン・ソース間電圧補正用NMOSFETを接
続した構成が挙げられる。仕様に応じ、前記第一、第二
及び第三の電流経路それぞれについて、前記PMOSF
ETを2段に直列接続して成るカレントミラー回路を有
する構成とする場合もある。
【0011】ここで、バイアス段とは、カレントミラー
回路を構成する複数段の回路のうち、カレントミラー関
係にある全てのPMOSFETのゲートに対して同じ電
位を接続すべく当該全てのPMOSFETのゲートに接
続する電位の共通取得点が存在し、且つ当該段に流れる
電流を決定するための抵抗素子が接続してある段であ
る。尚、当該明細書において抵抗素子とは、素材及び構
造を限定することなく所望の抵抗成分を回路上に構成す
る抵抗体を指す。
【0012】電源VDD・GND間に、PチャネルMO
SFETと、ダイオード接続のドライブ用NチャネルM
OSFETをn段に直列接続し、GND側からn段目の
ドライブ用NチャネルMOSFETのドレインを前記ド
レイン・ソース間電圧補正用NチャネルMOSFETの
ゲートに接続し、且つ、n:自然数,及びn≦(電源電
圧VDD)/(ドライブ用NMOSFETのしきい値電
圧V)を満足する構成とする場合もあり、更に、ゲー
トに1段目の前記ドライブ用NMOSFETのドレイン
が接続されると共に、ドレインに電源VDDが接続さ
れ、ソースが前記第一の電流経路におけるNMOSFE
Tのドレインに接続されたNMOSFETを用いたスタ
ートアップ回路を有する構成とする場合もある。
【0013】基準電圧VREFの値をしきい値電圧で安
定化させるべく、前記第三の電流経路に接続されたpn
接合ダイオードの代わりに、ダイオード接続のNMOS
FETを用いた構成を採っても良く、更に、該基準電圧
の制御を可能とすべく前記ダイオード接続のNMOSF
ETにおける基板バイアス電圧を調整する基板バイアス
可変回路を設けた構成とすることも可能である。尚、前
記ダイオード接続のNMOSFETとは、ゲート・ドレ
イン間を短絡して用いたNMOSFETを指す。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明たるMOS型基準電
圧発生回路の実施の形態を図面に基づき説明する。図1
に示したサンプル回路は、PMOSFETによるカレン
トミラー回路4及びMOSFETのドレイン電圧をほぼ
等しくするためのドレイン・ソース間電圧補正用NMO
SFET:N4を具備したバンドギャップ回路と、当該
バンドギャップ回路への電源投入初期における動作の安
定化を促進するスタートアップ回路6とから構成された
基準電圧発生回路である。
【0015】前記バンドギャップ回路は、電源電圧V
DD・GND間に、PMOSFET:P1,PMOSF
ET:P4,及びNMOSFET:N1を直列に接続し
た第一の電流経路1と、PMOSFET:P2,PMO
SFET:P5,ドレイン・ソース間電圧補正用NMO
SFET:N4,NMOSFET:N2,及び抵抗素子
R1を直列に接続した第二の電流経路2と、PMOSF
ET:P3,PMOSFET:P6,抵抗素子R2,及
びpn接合ダイオード:D3を直列に接続した第三の電
流経路3とを並列に接続して構成されている。
【0016】前記カレントミラー回路4は、PMOSF
ET:P2,P5のゲート・ドレイン間が短絡され、P
MOSFET:P1,P2,P3のゲート同士、及びP
MOSFET:P4,P5,P6のゲート同士が短絡さ
れて成るカレントミラー部が二段積み三列構成を呈する
形で構成されている。また、前記N1のドレイン・ゲー
ト間が短絡され、更に、NMOSFET:N1,N2の
ゲート同士が短絡されることによって、NMOSFET
によるカレントミラー構成も形作られている。当該半導
体集積回路の基準電圧発生回路の出力たる基準電圧V
REFは、前記第三の電流経路を構成するPMOSFE
T:P6と抵抗素子R2間の出力端から引き出されるも
のとする。
【0017】前記スタートアップ回路6は、電源電圧V
DD・GND間に、PMOSFET:P7,ドレイン・
ゲート間を短絡させダイオード接続としたドライブ用N
MOSFET:N7,及びドライブ用NMOSFET:
N8を直列に接続したドライブ回路5と、ドレインを電
源電圧VDDに、ソースを前記バンドギャップ回路のP
4・N1間に接続すると共に、そのゲートを前記N7・
N8間に接続したスタートアップ用NMOSFET:N
9とから構成される。当該スタートアップ用NMOSF
ET:N9が稼働することによって、N1,N2へ所望
のゲート電圧を速やかに供給して前記バンドギャップ回
路のスタートアップを行なう。尚、前記ドライブ用NM
OSFET:N8のドレインは、上記ドレイン・ソース
間電圧補正用NMOSFET:N4のゲートに接続さ
れ、当該ドレイン・ソース間電圧補正用NMOSFE
T:N4をドライブするために用いられる。
【0018】上記構成においてPMOSFET:P1,
P2,P3のチャネル長及びチャネル幅を相互に等しく
設定すると共に、PMOSFET:P4,P5,P6の
チャネル長及びチャネル幅を相互に等しく設定し、且
つ、NMOSFET:N1,N2のチャネル長を等しく
設定すると共に、N2のチャネル幅をN1のチャネル幅
に対する適当な比率(例えば、1,2,…,7,8倍)
に設定する。
【0019】NMOSFET:N1,N2はサブスレッ
ショルド電流領域で動作させるように設計するので、こ
れらNMOSFET:N1,N2に流れる電流I
1(N1),I2(N2)は、下記(1)(2)式で与
えられ、pn接合ダイオード:D3に流れる電流I
3(D3)は、下記(3)式で与えられる。
【0020】
【数1】
【数2】
【数3】 ここで、 I:温度に依存しないサブスレッショルド電流 V:ゲート電圧 V:しきい値電圧 n:サブスレッショルド係数の補正項 V:熱電圧(=k・T/q) k:ボルツマン定数 T:絶対温度 q:電子の電荷量 V:pnダイオードに印加される電圧 E:シリコンのバンドギャップ である。
【0021】そして、前記バンドギャップ回路の第一の
電流経路1に流れる電流Iと、第二の電流経路2に流
れる電流Iと、第三の電流経路3に流れる電流I
が等しい(I=I=I)という条件を満たせば、
上記(1)(2)(3)式で与えられるI,I,I
は相互に等しいこととなる。
【0022】また、基準電圧VREFは、下記(4)式
によって与えられる。
【数4】
【0023】前記基準電圧VREFの温度特性は、下記
(5)式で与えられ、pnダイオードD3に印加される
電圧の温度特性は、下記(6)式で与えられる。
【数5】
【数6】
【0024】温度特性を平坦にするということで(Δ/
ΔT)・VREF=0とし、(5)式に代入すると下記
(7)式となる。
【数7】
【0025】即ち、(R/Rの比が(7)式を満
たすように回路を設計すれば、温度特性が平坦で、且つ
非常に安定した下記(8)式の電圧を基準電圧VREF
として得ることができる。当該VREFは、シリコンの
物理定数であるバンドギャップの電位で決定されるの
で、バンドギャップ基準電圧と呼ばれる。
【数8】
【0026】図2に示したサンプル回路においては、p
n接合ダイオード:D3をドレインとゲートを短絡した
ダイオード接続のNMOSFET:N3に置き換えるこ
とが出来る様子が示されている。この様に、pn接合ダ
イオード:D3をダイオード接続のNMOSFET:N
3に置き換えた場合には、pn接合ダイオードに流れる
電流I3(D3)は、上記ダイオード接続のNMOSF
ET:N3のドレイン・ソース間に流れる電流I
3(N3)となり、下記(9)式によって与えられる。
【数9】 そして、ダイオード接続のNMOSFET:N3に印加
される電圧の温度特性は、バンドギャップ方式の基準電
圧VREFの場合と同様に、下記(10)式で与えられ
る。
【数10】
【0027】ここで、下記(11)式を満足するように
回路設計すれば、(Δ/ΔT)・V REF=0となり、
下記(12)式の様に基準電圧VREFが得られる。当
該基準電圧VREFは、ダイオード接続NMOSFE
T:N3のT=0 Kにおけるしきい値電圧に安定化さ
れるので、特にしきい値電圧基準電圧VTRとよぶ。
【数11】
【数12】
【0028】上記理論上、NMOSFETの理想的なサ
ブスレッショルド電流は(1),(2)式で与えられる
ようにゲート電圧Vのみで決定され、ドレイン電圧に
は依存しない。従って、同じゲート電圧が印加されてい
るNMOSFET:N1,N2には同じIとIとい
う電流が流れるはずである。しかし、実際には、サブス
レッショルド電流はソース・ドレイン間の電圧にも依存
するので、厳密にI=Iを満たすためにはNMOS
FET:N1,N2のソース・ドレイン間電圧を等しく
する必要がある。
【0029】本実施例の回路では、NMOSFET:N
2のソース電圧は、NMOSFET:N1のソース電圧
に比べて・R の電圧分だけ高くなるが、この電圧
は通常数10mV程度であるので、そのサブスレッショ
ルド電流に及ぼす影響は無視できる。従って、この場合
には、,N2のドレイン電圧差に注目すればよい。上記
サンプル回路のシミュレーション結果によれば、VDD
が5Vの時のNMOSFET:N1,N2のドレイン電
圧は、前記ソース・ドレイン間電圧補正用NMOSFE
T:N4が無い場合には、それぞれ0.7Vと2.7V
となり、約2.0Vもの電圧差が生じている。本来、こ
の様な結果では上記理論計算で想定したI=I=I
の関係が厳密には成立していないので、基準電圧V
REFの、VDDや温度に対する安定性が悪くなること
は容易に推測できる。
【0030】しかしながら、上記サンプル回路(図1及
び図2参照)においては、前記ソース・ドレイン間電圧
補正用NMOSFET:N4に対し、前記スタートアッ
プ回路からゲート電圧が供給されることによって、電源
電圧VDDの変動等に起因してNMOSFET:N1,
N2のドレイン電圧に生じる格差を吸収する電圧補正作
用が生じ、NMOSFET:N1,N2のドレイン電圧
は、ほぼ等しい0.7Vとなる。この様に、当該ソース
・ドレイン間電圧補正用NMOSFET:N4の電圧補
正作用が、NMOSFET:N1,N2に流れるドレイ
ン電流IとI とを一致させ、前記I=I=I
という条件を厳密に成立させる作用を奏した結果とし
て、電源電圧VDDの変化に対する影響を受けない安定
した基準電圧VREFが与えられることとなる。
【0031】
【実施例】以下、上記サンプル回路の試作・測定結果に
ついて述べる。尚、先に挙げた2種類の回路から取り出
す基準電圧VREFを区別するために、pn接合ダイオ
ード:D3を用いたバンドギャップ基準電圧VREF
BRと称し、ダイオード接続NMOSFET:N3を
用いたしきい値電圧基準電圧VREFをVTRと称す
る。サンプル回路の試作は、1.2ミクロン・ルールの
nウェルCMOSプロセスで行った。抵抗素子R1,R
2はnウェル抵抗で形成し、R1は50kΩである。
【0032】図4にpn接合ダイオードD3を用いたバ
ンドギャップ基準電圧VBRのV =3V,4V,5
V,6V,7Vでの温度依存性データを示す。測定温度
は−60,−20,+20,+60,+100℃であ
る。図4(ロ)は、ドレイン・ソース間電圧補正用NM
OSFET:N4が無くPMOSFET:P5とNMO
SFET:N2のドレインを短絡した場合、図4(イ)
は、ドレイン・ソース間電圧補正用NMOSFET:N
4がある場合の測定結果を示す。VDD=5.0V、T
=+20℃でのVBRは、両者とも約1.26Vとほぼ
同じ値で、消費電流は約6マイクロアンペアであった。
【0033】ダイオード接続のNMOSFET:N3を
用いたしきい値電圧基準電圧VTRでの、同様な測定結
果を図5に示す。この時、VDD=5.0V,T=+2
0℃でのVTRは両者とも約1.29Vであった。当該
図から明らかな様に、ドレイン・ソース間電圧補正用N
MOSFET:N4を用いることによって、VDD依存
性は勿論のこと温度依存性も大幅に改善された。
【0034】上記測定結果を、バンドギャップ基準電圧
BR及びしきい値電圧基準電圧V TRの変動率の様子
として図6に示す。尚、縦軸のΔVBR又はΔV
TRは、V DD=5.0V、T=+20℃でのバンドギ
ャップ基準電圧VBR及びしきい値電圧基準電圧VTR
電圧を基準値として、VDD=3V〜7Vの範囲及びV
DD=4V〜6Vの範囲について、T=−60℃〜10
0℃の測定範囲におけるバンドギャップ基準電圧VBR
及びしきい値電圧基準電圧VTRの最大値から最小値に
亘る変化量を、前記基準値に対する割合(%)として表
示したものである。
【0035】以下、VDD=3V〜7Vの範囲における
変化量をカッコ外に、VDD=4V〜6Vの範囲におけ
る変化量をカッコ内に示す。ΔVBRは、ドレイン・ソ
ース間電圧補正用NMOSFET:N4を用いない場合
の、7.2(3.3)%からドレイン・ソース間電圧補
正用NMOSFET:N4を用いることによって1.9
(1.1)%へと1/3以下の変動幅に改善された。同
様に、ΔVTRは、ドレイン・ソース間電圧補正用NM
OSFET:N4を用いない場合の6.4(2.8)%
からドレイン・ソース間電圧補正用NMOSFET:N
4を用いることによって1.7(1.0)%へと約1/
3の変動幅に改善された。この様に、ドレイン・ソース
間電圧補正用NMOSFET:N4の使用によりVBR
やVTRのVDD依存性と温度依存性が大幅に改善さ
れ、その有用性が実証された。
【0036】以上に述べた測定結果は、当該基準電圧発
生回路中に存在する全てのNMOSFETについてその
基板電圧VSubを共通なGNDへ接続した場合の測定
結果であるが、図3の如く、ダイオード接続のNチャネ
ルMOSFET:N3をはじめとするNチャネルMOS
FETの基板バイアス電圧VSubを調整する基板バイ
アス可変回路7を設ければ、例えば、しきい値電圧基準
電圧VTRを得る場合において、VSub電圧を変化さ
せることにより、ダイオード接続のNMOSFET:N
3のT=0 Kでのしきい値電圧VT0を制御できる。
この様子を図7に示す。縦軸には、VT0及びVDD
5.0V,T=+20℃におけるしきい値電圧基準電圧
TR[以下、(VTRtypと記す。]をとり、横
軸には(2ψ−VSub)の平方根をとる。ここで、
2ψ=0.67Vに選ぶと、V T0及び(VTR
typと(2ψ−VSub)の平方根とは直線関係で
表される。尚、基板バイアス可変回路7は、既存の可変
電圧回路を具備した回路でも良いし、外部の可変電圧回
路を接続する回路であっても良い。
【0037】図7より、当該基準電圧発生回路中に存在
する全てのNMOSFETへの、0.0V〜−2.0V
の基板電圧VSubの印加によって、(VTRtyp
電圧が1.29V〜1.71Vの広範囲にわたって制御
できることが分かる。尚、ΔVTRについては、V
Sub印加により、VDD=5.0±1.0Vに対して
約1.0%から約0.6%へと改善された(小さくなっ
た)。因みに、VDD=5.0±2.0Vに対するΔV
TRは、ほぼ1.6〜1.9%の範囲であった。この様
に、基板電圧VSubの印加によりしきい値電圧基準電
圧VTRを広い電圧範囲にわたって可変できることは、
バンドギャップ基準電圧VBRによる基準電圧源で得る
事の出来ないしきい値電圧基準電圧VTRを用いた基準
電圧源の特長である。
【0038】図1乃至図3示すサンプル回路では、基準
電圧VREFの引出点とGNDとの間に、電源VDD
から抵抗素子R2,pn接合ダイオードD3の順に、又
は抵抗素子R2,ダイオード接続のNMOSFET:N
3の順に接続したが、この順番は入れ替えても同じ特性
が得られる。ただ、製造プロセスをも考慮するとすれ
ば、本実施例ではnウェルCMOSプロセスを用いたた
めに、抵抗素子R2とpn接合ダイオードD3とを入れ
替えることによって、nウェル内に形成したpn接合ダ
イオードD3のダイオード電流が基板に漏れる場合があ
るので好ましくない。尚、トリプル・ウェル構造のCM
OSプロセス等を用いれば、この接続上の制約はない。
【0039】一方、しきい値電圧基準電圧VTRによる
基準電圧発生回路の場合には、nウェルCMOSプロセ
スでも抵抗素子R2とダイオード接続のNMOSFE
T:N3を入れ替えることは可能であるが、ダイオード
接続のNMOSFET:N3のソースが・R の電
圧分だけ上昇するので、その基板バイアス電圧によるV
T0上昇分だけしきい値電圧基準電圧VTRが上昇する
こととなる。又、用いるCMOSプロセスによってはN
MOSFETとPMOSFETを全て入れ替えた回路構
成を採る事も可能である。尚、pn接合ダイオードD3
の代わりにバイポーラ・トランジスタを用いることもで
きることは言うまでもない。
【0040】また、図1乃至図3に示す実施例のスター
トアップ回路では、VDD・GND間に1つのPMOS
FET:P7と、2つのNMOSFET:N7,N8を
直列接続した例を示し、GND側から2つ目のNMOS
FET:N8のドレインと、ドレイン・ソース間電圧補
正用NMOSFET:N4のゲートを接続した。しか
し、回路特性に応じてドレイン・ソース間電圧補正用N
MOSFET:N4を動作させるために、VDD・GN
D間にn段(但し、n≦VDD/V)のNMOSFE
Tを直列接続して、それらのNMOSFETのGND側
から数えてn段目のドレインとドレイン・ソース間電圧
補正用NMOSFET:N4のゲートを接続することも
可能である。
【0041】
【発明の効果】以上の如く、本発明によるMOS型基準
電圧発生回路によれば、PチャネルMOSFETで構成
される複数の電流経路を有するカレントミラー回路と、
それ等の電流経路に接続された複数のNチャネルMOS
FETを有する回路において、複数のNチャネルMOS
FETのソース・ドレイン間電圧補正用MOSFETを
上記PチャネルMOSFETと直列に接続し、例えばP
チャネルMOSFETで構成される第一、第二及び第三
の電流経路を有し上記第二の電流経路をバイアス段とす
るカレントミラー回路と、第一の電流経路に接続された
サブスレッショルド領域で動作するNチャネルMOSF
ETと、第二の電流経路に接続されたサブスレッショル
ド領域で動作するNチャネルMOSFET及び抵抗素子
と、第三の電流経路に接続された抵抗素子及びpn接合
ダイオードとで構成されるバンドギャップ基準電圧発生
回路において、第二の電流経路における上記Pチャネル
MOSFETとNチャネルMOSFETの間にドレイン
・ソース間電圧補正用NチャネルMOSFETを接続す
る構成を採ることによって、前記カレントミラー回路を
構成するNMOSFETのドレイン電圧がほぼ等しくな
る結果、NMOSFETのドレイン電流が等しくなって
REFの安定性が大幅に改善されることとなる。
【0042】また、電源VDD・GND間に、Pチャネ
ルMOSFETと、ダイオード接続のドライブ用Nチャ
ネルMOSFETをn段に直列接続し、GND側からn
段目のドライブ用NチャネルMOSFETのドレインを
前記ドレイン・ソース間電圧補正用NチャネルMOSF
ETのゲートに接続し、且つ、n:自然数,及びn≦
(電源電圧VDD)/(ドライブ用NMOSFETのし
きい値電圧V)を満足するドライブ回路を設ければ、
実施例で示した2段目以外に適当な段のドレイン電圧を
ドレイン・ソース間電圧補正用NMOSFETのゲート
に印加できるので、N1とN2等カレントミラー構成に
ある複数のNMOSFETのドレイン電圧差の補正をよ
り精密に調整することが可能となる。
【0043】更に、ゲートに1段目の前記ドライブ用N
チャネルMOSFETのドレインが接続されると共に、
ドレインに電源VDDが接続され、ソースが前記第一の
電流経路におけるNチャネルMOSFETのドレインに
接続されたNチャネルMOSFETを用いたスタートア
ップ回路を設けることによって、所望のゲート電圧を速
やかに供給して前記バンドギャップ回路のスタートアッ
プを遅滞無く行なうことができる。
【0044】前記第三の電流経路に接続されたpn接合
ダイオードを用いたバンドギャップ基準電圧がバンドギ
ャップという物理定数で決定される約1.21Vの一定
値に固定されるのに比べて、前記第三の電流経路に接続
されたpn接合ダイオードの代わりに、ダイオード接続
のNチャネルMOSFETを用いることによって、基準
電圧は製造プロセスによって任意に調整可能なしきい値
電圧で制御可能となり、基準電圧の設定範囲が大幅に広
くなる。このことは、CMOSFETの微細化とともに
電源電圧が低下し、それにつれて基準電圧も低下する傾
向に対応することを可能にするものである。更に、前記
ダイオード接続のNチャネルMOSFETにおける基板
バイアス電圧VSubを調整する基板バイアス可変回路
を設けたことによって、しきい値電圧基準電圧VTR
広い電圧範囲にわたって変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるMOS型基準電圧発生回路の一例
を示す回路図である。
【図2】本発明によるMOS型基準電圧発生回路の一例
を示す回路図である。
【図3】本発明によるMOS型基準電圧発生回路の一例
を示す回路図である。
【図4】(イ)(ロ)ドレイン・ソース間電圧補正用N
MOSFETの有無について、電圧変動による影響を含
めた基準電圧VREF(VBR)の温度特性を示したグ
ラフである。
【図5】(イ)(ロ)ドレイン・ソース間電圧補正用N
MOSFETの有無について、電圧変動による影響を含
めた基準電圧VREF(VTR)の温度特性を示したグ
ラフである。
【図6】ドレイン・ソース間電圧補正用NMOSFET
の有無について、電圧変動による影響を含めた基準電圧
REF(VBR及びVTR)の温度特性を変動幅を以
て示したグラフである。
【図7】基板バイアス電圧VSubの変化に対する基準
電圧VREF((VTRty 及びVT0)の変化
を、横軸を(2ψ−VSub)の平方根として示した
グラフである。
【図8】従来のMOS型基準電圧発生回路の一例を示す
回路図である。
【符号の説明】 1 第一の電流経路 2 第二の電流経路 3 第三の電流経路 4 カレントミラー回路 5 ドライブ回路 6 スタートアップ回路 7 基板バイアス可変回路
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図5】
【図8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 敏弘 富山県射水郡小杉町黒河5180 富山県立大 学内 (72)発明者 中島 茂樹 富山県魚津市江口2184 株式会社シキノハ イテック内 (72)発明者 伊原 隆 富山県魚津市江口2184 株式会社シキノハ イテック内 (72)発明者 山本 真也 富山県魚津市江口2184 株式会社シキノハ イテック内 Fターム(参考) 5H420 NA16 NA23 NB02 NB22 NB23 NB25 NB36 NE11 5J090 AA03 AA43 AA58 CA02 CA04 CA11 CA98 CN01 FA01 FN06 HA10 HA17 HA19 HA25 KA00 KA09 KA12 MA21 TA02 TA04 5J091 AA03 AA43 AA58 CA02 CA04 CA11 CA98 FA01 HA10 HA17 HA19 HA25 KA00 KA09 KA12 MA21 TA02 TA04 5J500 AA03 AA43 AA58 AC02 AC04 AC11 AC98 AF01 AH10 AH17 AH19 AH25 AK00 AK09 AK12 AM21 AT02 AT04 NC01 NF06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PチャネルMOSFETで構成される複
    数の電流経路を有するカレントミラー回路(4)と、そ
    れ等の電流経路に接続された複数のNチャネルMOSF
    ETを有する回路において、複数のNチャネルMOSF
    ETのソース・ドレイン間電圧補正用MOSFETを上
    記PチャネルMOSFETと直列に接続したMOS型基
    準電圧発生回路。
  2. 【請求項2】 PチャネルMOSFETで構成される第
    一、第二及び第三の電流経路(1,2,3)を有し上記
    第二の電流経路をバイアス段とするカレントミラー回路
    (4)と、第一の電流経路(1)に接続されたサブサブ
    スレッショルド領域で動作するNチャネルMOSFET
    と、第二の電流経路(2)に接続されたサブスレッショ
    ルド領域で動作するNチャネルMOSFET及び抵抗素
    子と、第三の電流経路(3)に接続された抵抗素子及び
    pn接合ダイオードとで構成されるバンドギャップ基準
    電圧発生回路において、第二の電流経路(2)における
    上記PチャネルMOSFETとNチャネルMOSFET
    の間にドレイン・ソース間電圧補正用NチャネルMOS
    FETを接続したMOS型基準電圧発生回路。
  3. 【請求項3】 電源VDD・GND間に、PチャネルM
    OSFETと、ダイオード接続のドライブ用Nチャネル
    MOSFETをn段に直列接続し、GND側からn段目
    のドライブ用NチャネルMOSFETのドレインを前記
    ドレイン・ソース間電圧補正用NチャネルMOSFET
    のゲートに接続し、且つ、n:自然数,及びn≦(電源
    電圧VDD)/(ドライブ用NチャネルMOSFETの
    しきい値電圧V)を満足するドライブ回路(5)を具
    備したことを特徴とする前記請求項1又は請求項2のい
    ずれかに記載のMOS型基準電圧発生回路。
  4. 【請求項4】 ゲートに1段目の前記ドライブ用Nチャ
    ネルMOSFETのドレインが接続されると共に、ドレ
    インに電源VDDが接続され、ソースが前記第一の電流
    経路(1)におけるNチャネルMOSFETのドレイン
    に接続されたNチャネルMOSFETを用いたスタート
    アップ回路(6)を有する前記請求項3に記載のMOS
    型基準電圧発生回路。
  5. 【請求項5】 前記第三の電流経路(3)に接続された
    pn接合ダイオードの代わりに、ダイオード接続のNチ
    ャネルMOSFETを用いたことを特徴とする前記請求
    項2,3又は4のいずれかに記載のMOS型基準電圧発
    生回路。
  6. 【請求項6】 前記ダイオード接続のNチャネルMOS
    FETにおける基板バイアス電圧VSubを調整する基
    板バイアス可変回路(7)を設けたことを特徴とする前
    記請求項5に記載のMOS型基準電圧発生回路。
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