JP2003077910A - 強誘電体薄膜形成用塗布溶液および強誘電体薄膜 - Google Patents

強誘電体薄膜形成用塗布溶液および強誘電体薄膜

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JP2003077910A JP2001265047A JP2001265047A JP2003077910A JP 2003077910 A JP2003077910 A JP 2003077910A JP 2001265047 A JP2001265047 A JP 2001265047A JP 2001265047 A JP2001265047 A JP 2001265047A JP 2003077910 A JP2003077910 A JP 2003077910A
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coating
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Norihiko Ikeda
憲彦 池田
Tomotaka Shinoda
智隆 篠田
Satoshi Komatsu
敏 小松
Kinji Yamada
欣司 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白金、イリジウム、酸化イリジウムなどの
基板上に1回の塗布焼成でクラックの無い均一な強誘電
体膜を形成するための強誘電体薄膜形成用塗布溶液を得
る。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される溶剤 R1O(CHCH3CH2O)22 ・・・・・(1) (R1およびR2は、それぞれ独立して水素原子、炭素数
1〜4のアルキル基またはCH3CO−から選ばれる1
価の有機基を表す。)および有機金属化合物を含有する
ことを特徴とする強誘電体薄膜形成用塗布溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に強誘電体
薄膜を形成するための塗布溶液に関する。さらに詳しく
は、白金、イリジウム、酸化イリジウムなどの基板上に
1回の塗布焼成でクラックの無い均一な強誘電体膜を形
成するための強誘電体薄膜形成用塗布溶液に関する。
【0002】
【従来技術】Pb、Zr、Tiの複合酸化物であるチタ
ン酸ジルコン酸鉛(PZT)、Pb、Zr、Ti、La
の複合酸化物であるチタン酸ジルコン酸ランタン鉛(P
LZT)、Sr、Bi、Taの複合酸化物であるタンタ
ル酸ビスマスストロンチウム(SBT)あるいはSr、
Bi、Ta、Nbの複合酸化物であるNb添加タンタル
酸ビスマスストロンチウム(SBTN)などの強誘電体
は高誘電性、強誘電性、圧電性、焦電性などを示すこと
から、その薄膜はDRAMやFRAMなどの半導体メモ
リ、コンデンサー、センサー、アクチュエーターなどに
利用されている。
【0003】強誘電体薄膜の形成にはスパッタ法、CV
D法、塗布型被膜形成法等を挙げることができるが、ス
パッタ法やCVD法による薄膜形成方法は、薄膜の構成
成分として金属酸化物を多く含むことから、高価な装置
を必要としコストが掛かること、また、誘電体膜組成制
御とその管理が難しいこと等の問題があり、特に、大口
径の基板への適用が困難であるという問題があった。
【0004】これに対し塗布型被膜形成法は、高価な装
置を必要とせず、成膜コストが比較的安価で、しかも、
誘電体膜組成制御やその管理も容易であるため有望視さ
れている。塗布型被膜形成法では、強誘電体の成分とな
る金属アルコキシドなどの有機金属化合物と有機溶剤か
ら成る溶液が用いられている。この溶液の有機溶剤とし
ては、アルコール類、エチレングリコール誘導体、キシ
レンなどが使用できるが、エチレングリコール誘導体、
特にエチレングリコールモノメチルエーテルが最も広く
使用されている。(特開平5−319958、特開平7
−90594) しかし、これらの塗布型被膜形成法を用いて、強誘電体
薄膜を形成する際、塗布・乾燥・焼成という一連のプロ
セスを、2回から10回程度繰り返し行うことが必須と
なっている。これは、ある程度以上の厚みの膜を一度に
形成しようとすると、その後の乾燥時に塗膜ムラが生じ
る。また、塗布ムラが生じなくても、乾燥・焼成時にク
ラックが入るなどという問題がある。また、クラックが
入らない場合でも、繰り返し塗布・焼成を行った場合よ
り焼成後の強誘電体薄膜の結晶性が発達しないという問
題がある。そのため、塗布回数を1回とする強誘電体薄
膜は良好なヒステリシス特性、および飽和特性を持つ強
誘電体薄膜を得ることが困難であった。しかし、塗布回
数の低減が可能となると、熱負荷の低減、プロセス数の
低減など強誘電体メモリ素子作成において、効率化が期
待できる。また、塗布時の溶液使用量の低減による廃棄
物、溶剤の蒸発による作業者の安全面からも溶液使用量
の削減は大きなニーズとして存在している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
の問題点を解決し、一回の塗布および焼成で良好なヒス
テリシス特性および飽和特性が得られる強誘電体薄膜の
形成が可能な強誘電体薄膜形成用塗布溶液を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1)で表される溶剤 R1O(CHCH3CH2O)22 ・・・・・(1) (R1およびR2は、それぞれ独立して水素原子、炭素数
1〜4のアルキル基またはCH3CO−から選ばれる1
価の有機基を表す。)および有機金属化合物とを含有す
ることを特徴とする強誘電体薄膜形成用塗布溶液ならび
に乳酸エチルおよび有機金属化合物を含有することを特
徴とする強誘電体薄膜形成用塗布溶液を提供するもので
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明するが、あくまで説明のためのものであって、本発明
がこれに限定されるものではない。本発明で用いられる
有機溶剤としては、一般式(1)で表される有機溶剤、
例えばジプロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、
ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピル
エーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジアセ
テートなどおよび乳酸エチルなどが挙げられ、特にジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロ
ピルエーテルアセテートおよび乳酸エチルが好ましい。
これらは1種または2種以上を同時に使用することがで
きる。
【0008】次に、本発明に使用される有機金属化合物
をPZT、PLZT、SBT、SBTNを例にとって示
す。鉛化合物としては、鉛ジメトキシド、鉛ジエトキシ
ド、鉛ジブトキシドなどの鉛アルコキシドおよび酢酸鉛
三水和物、無水酢酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、n−
オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛などがあげられる。好まし
くは、酢酸鉛三水和物、無水酢酸鉛である。ジルコニウ
ム化合物としては、ジルコニウムテトラメトキシド、ジ
ルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラプロ
ポキシド、ジルコニウムテトラブトキシドなどのジルコ
ニウムテトラアルコキシドおよびn−オクタン酸ジルコ
ニウム、ナフテン酸ジルコニウムなとがあげられる。好
ましくは、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニ
ウムテトラブトキシドである。チタン化合物としては、
チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラエトキ
シド、チタニウムテトラプロポキシド、チタニウムテト
ラブトキシドなどのチタニウムテトラアルコキシドがあ
げられる。好ましくは、チタニウムテトラプロポキシ
ド、チタニウムテトラブトキシドである。ランタン化合
物としては、ランタントリメトキシド、ランタントリエ
トキシド、ランタントリプロポキシド、ランタントリブ
トキシドなどのランタントリアルコキシドおよび酢酸ラ
ンタン1.5水和物、無水酢酸ランタン、2−エチルヘ
キサン酸ランタンなどがあげられる。好ましくは、ラン
タントリプロポキシド、酢酸ランタン1.5水和物、無
水酢酸ランタン、2−エチルヘキサン酸ランタンであ
る。ストロンチウム化合物としては、ストロンチウムジ
メトキシド、ストロンチウムジエトキシド、ストロンチ
ウムジプロポキシド、ストロンチウムジイソプロポキシ
ド、ストロンチウムジブトキシドなどのストロンチウム
ジアルコキシドおよび2−エチルヘキサン酸ストロンチ
ウム、n−オクタン酸ストロンチウム、ナフテン酸スト
ロンチウムなどがあげられる。好ましくは、ストロンチ
ウムジエトキシド、ストロンチウムジプロポキシド、ス
トロンチウムジイソプロポキシド、ストロンチウムジブ
トキシド、2−エチルヘキサン酸ストロンチウム、n−
オクタン酸ストロンチウムである。ビスマス化合物とし
ては、ビスマストリメトキシド、ビスマストリエトキシ
ド、ビスマストリプロポキシド、ビスマストリブトキシ
ド、ビスマストリアミロキシドなどのビスマストリアル
コキシドおよび2−エチルヘキサン酸ビスマス、n−オ
クタン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマスなどがあげられ
る。好ましくは、ビスマストリエトキシド、ビスマスト
リプロポキシド、ビスマストリブトキシド、ビスマスト
リアミロキシド、2−エチルヘキサン酸ビスマス、n−
オクタン酸ビスマスである。タンタル化合物としては、
タンタルペンタメトキシド、タンタルペンタエトキシ
ド、タンタルペンタプロポキシド、タンタルペンタブト
キシドなどのタンタルペンタアルコキシドおよび2−エ
チルヘキサン酸タンタルなどがあげられる。好ましく
は、タンタルペンタエトキシド、2−エチルヘキサン酸
タンタルである。ニオブ化合物としては、ニオブペンタ
メトキシド、ニオブペンタエトキシド、ニオブペンタプ
ロポキシド、ニオブペンタブトキシドなどのニオブペン
タアルコキシドおよび2−エチルヘキサン酸ニオブなど
があげられる。好ましくは、ニオブペンタエトキシド、
2−エチルヘキサン酸ニオブである。
【0009】本発明の強誘電体薄膜形成用塗布液にはポ
リエーテル変性シリコーンオイルを含有していてもよ
い。ポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、下記
一般式(2) (CH3)3SiO-[Si(CH3)2O]x-[Si{(CH3)(CH2)m(OC2H4)n-R}
O]y-Si(CH3)3 で表される化合物を挙げることができる。一般式式
(2)中、Rは、炭素原子数1〜6の飽和または不飽和
の炭化水素基またはさらに炭素原子数1〜6のアルコキ
シル基で置換された炭化水素基を示す。Rが炭素原子数
1〜6の飽和または不飽和の炭化水素基の場合は、炭化
水素基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基等を挙げることが
できる。また、Rが、さらに炭素原子数1〜6のアルコ
キシル基で置換された炭化水素基の場合は、例えば、メ
トキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル
基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシ
プロピル基、プロポキシプロピル基等を挙げることがで
きる。
【0010】本発明においては、上記ポリエーテル変性
シリコーンオイルの添加量は、強誘電体薄膜形成用塗布
液の有機金属化合物の金属酸化物換算の固形分に対し
て、通常10重量%以下、好ましくは2重量%以下、さ
らに好ましくは1重量%〜0.01重量%である。
【0011】このような強誘電体薄膜形成用塗布液にお
ける各金属元素成分の含有量、例えば、Bi金属元素成
分、Sr金属元素成分およびTa金属元素成分の含有量
についての適正な値は、本発明の強誘電体薄膜形成用塗
布液を適用する箇所、条件等によって異なるので一律に
決定することはできない。この強誘電体薄膜形成用塗布
液中の有機金属化合物の濃度は、金属酸化物換算で、固
形分濃度1〜25重量%、好ましくは5〜20重量%で
ある。本発明の強誘電体薄膜形成用塗布液およびこの塗
布液の製造方法は、いずれの強誘電体薄膜の形成にも適
用できる。
【0012】本発明において強誘電体薄膜とは強誘電性
を示す複合酸化物からなり、例えばチタン酸ジルコン酸
鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZ
T)、タンタル酸ビスマスストロンチウム(SBT)お
よびNb添加タンタル酸ビスマスストロンチウム(SB
TN)などが好ましく、とくにチタン酸ジルコン酸鉛
(PZT)およびタンタル酸ビスマスストロンチウム
(SBT)が好ましい。本発明の1つの態様では有機金
属化合物としてPb、ZrおよびTiから選ばれる1ま
たは2種以上の構成元素からなるものを1または2種以
上組み合わせて用いる。さらに、La、Nb、Mg、C
a、SrおよびBaから選ばれる1または2種以上の構
成元素からなる1または2種以上の有機金属化合物をさ
らに用いることができる。本発明の別の態様では有機金
属化合物として、Ta、BiおよびSrから選ばれる1
または2種以上の構成元素からなるものを1または2種
以上組み合わせて用いる。さらに、Nb、Ba、Pb、
CaおよびCdから選ばれる1または2種以上の構成元
素からなる1または2種以上の有機金属化合物をさらに
用いることもできる。
【0013】本発明の強誘電性薄膜形成用塗布溶液は、
白金、イリジウム、酸化イリジウムなどの基板上に塗布
され、乾燥、中間焼成、本焼成することで均一性に優れ
た強誘電体薄膜を形成することができる。この場合の塗
布方法としてはスピンコート法のほかに、ディップ法な
ども使用できる。また、乾燥、中間焼成、本焼成の加熱
方法としてはホットプレート加熱、オーブンや拡散炉に
よる熱風加熱、赤外線加熱、急速加熱(RTA法)など
をあげることができる。乾燥時の加熱温度は100℃以
上、好ましくは12O℃以上である。中間焼成、本焼成
時の加熱温度は、それぞれ300〜550℃、550〜
800℃であるが、強誘電体の種類により最適な加熱温
度が異なるので適宜選択する必要がある。
【0014】
【実施例】比較例および実施例により本発明をさらに詳
細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるも
のでないことはいうまでもない。 実施例1 (1)2−エチルヘキサン酸ビスマス14.76mmo
l、2−エチルヘキサン酸ストロンチウム4.92mm
olおよびタンタルペンタエトキシド12.30mmo
lをジプロピレングリコールモノエチルエーテル20g
中に加えて、115℃、4時間撹拌反応、濃縮して室温
まで冷却した。その後、水0.58g、アセチルアセト
ン0.32gおよびジプロピレングリコールモノエチル
エーテル2.5gを添加して100℃、2時間、部分加
水分解反応を行い、室温まで冷却した後、ジプロピレン
グリコールモノノルマルエチルエーテルで希釈し、金属
酸化物換算で、固形分濃度17重量%になるように塗布
液1を調製した。次いで、塗布溶液をPt/SiO2/
Si基板上にスピンコートし、クリーンオーブン中で1
50℃、30分間乾燥したところ、ストリエーションの
無い均一な塗布膜が得られた。その後、拡散炉中で40
0℃、60分間中間焼成した。その後、拡散炉中で酸素
雰囲気下、800℃、60分間本焼成を行って膜厚10
0nmのストリエーションの無い均一なSBT薄膜が得
られた。この薄膜をX線回折分析したところ、図1に示
すX線回折パターンが得られ、強誘電体特有のビスマス
層状ペロブスカイト構造の膜であることが確認された。
【0015】実施例2 (1)ビスマストリt−アミロキシド7g中に2−エチ
ルヘキサン酸 5.8gを添加し、4時間150℃で加
熱還流させた後、減圧濃縮し、室温まで冷却しビスマス
溶液(a)を調製した。一方、ストロンチウムジイソプ
ロポキシド1.14g およびタンタルペンタエトキシ
ド 5g中に2−エチルヘキサン酸 4.71gを添加
し、4時間150℃で加熱還流させた後、減圧濃縮し、
室温まで冷却しストロンチウムタンタル溶液(b)を調
製した。このビスマス溶液(a)およびストロンチウム
タンタル溶液(b)をストロンチウム/タンタル/ビス
マスモル比が0.9/2.1/2.0になるように調製
した。この溶液をジプロピレングリコールモノノルマル
プロピルエーテルで希釈し、金属酸化物換算で、固形分
濃度17重量%となるように塗布液2を調製し、さらに
ポリエーテル変性シリコーンオイルを溶液中の有機金属
化合物の金属酸化物換算の固形分に対して、0.1重量
%加えた。 (2)次いで、塗布溶液をPt/SiO2/Si基板上
にスピンコートし、クリーンオーブン中で150℃,3
0分間乾燥したところ、ストリエーションの無い均一な
塗布膜が得られた。その後、拡散炉中で400℃、60
分間中間焼成した。その後、拡散炉中で酸素雰囲気下、
800℃、60分間本焼成を行って膜厚160nmのス
トリエーションの無い均一なSBT薄膜が得られた。こ
の薄膜をX線回折分析したところ、図2に示すX線回折
パターンが得られ、強誘電体特有のビスマス層状ペロブ
スカイト構造の膜であることが確認された。
【0016】実施例3 (1)ビスマストリt−アミロキシド7g中に2−エチ
ルヘキサン酸 5.8gを添加し、4時間150℃で加
熱還流させた後、減圧濃縮し、室温まで冷却しビスマス
溶液(a)を調製した。一方、ストロンチウムジイソプ
ロポキシド1.14g およびタンタルペンタエトキシ
ド 5g中に2−エチルヘキサン酸 4.71gを添加
し、4時間150℃で加熱還流させた後、減圧濃縮し、
室温まで冷却しストロンチウムタンタル溶液(b)を調
製した。このビスマス溶液(a)およびストロンチウム
タンタル溶液(b)をストロンチウム/タンタル/ビス
マスモル比が0.9/2.1/2.0になるように調製
した。この溶液を乳酸エチルで希釈し、金属酸化物換算
で、固形分濃度17重量%となるように塗布液2を調製
しさらにポリエーテル変性シリコーンオイルを溶液中の
有機金属化合物の金属酸化物換算の固形分に対して、
0.1重量%加えた。 (2)次いで、塗布溶液をPt/SiO2/Si基板上
にスピンコートし、クリーンオーブン中で150℃,3
0分間乾燥したところ、ストリエーションの無い均一な
塗布膜が得られた。その後、拡散炉中で400℃、60
分間中間焼成した。その後、拡散炉中で酸素雰囲気下、
800℃、60分間本焼成を行って膜厚160nmのス
トリエーションの無い均一なSBT薄膜が得られた。こ
の薄膜をX線回折分析したところ、図3に示すX線回折
パターンが得られ、強誘電体特有のビスマス層状ペロブ
スカイト構造の膜であることが確認された。
【0017】比較例1 (1)ビスマストリt−アミロキシド7g中に2−エチ
ルヘキサン酸 5.8gを添加し、4時間150℃で加
熱還流させた後、減圧濃縮し、室温まで冷却しビスマス
溶液(a)を調製した。一方、ストロンチウムジイソプ
ロポキシド1.14g およびタンタルペンタエトキシ
ド 5g中に2−エチルヘキサン酸 4.71gを添加
し、4時間150℃で加熱還流させた後、減圧濃縮し、
室温まで冷却しストロンチウムタンタル溶液(b)を調
製した。この溶液(a)および溶液(B)をストロンチ
ウム/タンタル/ビスマスモル比が0.9/2.1/
2.0になるように調製した。この溶液をキシレンで希
釈し、金属酸化物換算で、固形分濃度17重量%となる
ように塗布液3を調製した。 (2)次いで、塗布溶液をPt/SiO2/Si基板上
にスピンコートし、クリーンオーブン中で150℃、3
0分間乾燥したところ、塗布膜にはストリエーションが
確認された。その後、拡散炉中で400℃、60分間中
間焼成した。さらに、再びスピンコート、乾燥、中間焼
成した後、拡散炉中で酸素雰囲気下、800℃、60分
間本焼成を行ったが、ストリエーションが見られ、表面
が均一なSBT薄膜は得られなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明の強誘電体薄膜形成用塗布溶液
は、塗布特性が良く、スピンコート法でも一度の塗布・
焼成で強誘電体薄膜が得られるという利点を有す。さら
に廃棄物の観点からも溶剤の使用量が減少し、作業環境
が改善されることより、基板上に強誘電体薄膜を形成さ
せるための塗布溶液として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1(2)で得られた強誘電体薄膜のX線
回折を示すグラフ。
【図2】実施例2(2)で得られた強誘電体薄膜のX線
回折を示すグラフ。
【図3】実施例3(2)で得られた強誘電体薄膜のX線
回折を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 欣司 東京都中央区築地二丁目11番24号ジェイエ スアール株式会社内 Fターム(参考) 5F058 BA11 BA20 BC20 BF46 BH01 BJ01 5F083 FR00 JA06 JA12 PR23

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表される溶剤 R1O(CHCH3CH2O)22 ・・・・・(1) (R1およびR2は、それぞれ独立して水素原子、炭素数
    1〜4のアルキル基またはCH3CO−から選ばれる1
    価の有機基を表す。)および有機金属化合物を含有する
    ことを特徴とする強誘電体薄膜形成用塗布溶液。
  2. 【請求項2】乳酸エチルおよび有機金属化合物を含有す
    ることを特徴とする強誘電体薄膜形成用塗布溶液。
  3. 【請求項3】 有機金属化合物が、Pb、ZrおよびT
    iから選ばれる構成元素を有することを特徴とする請求
    項1または2に記載の強誘電体薄膜形成用塗布溶液。
  4. 【請求項4】 La、Nb、Mg、Ca、SrおよびB
    aから選ばれる構成元素を有する有機金属化合物をさら
    に含有することを特徴とする請求項3に記載の強誘電体
    薄膜形成用塗布溶液。
  5. 【請求項5】 有機金属化合物が、Ta、BiおよびS
    rから選ばれる構成元素有することを特徴とする請求項
    1または2に記載の強誘電体薄膜形成用塗布溶液。
  6. 【請求項6】 Nb、Ba、Pb、CaおよびCdから
    選ばれる構成元素を有する有機金属化合物をさらに含有
    することを特徴とする請求項5に記載の強誘電体薄膜形
    成用塗布溶液。
  7. 【請求項7】 請求項1または2に記載の強誘電体薄膜
    形成用塗布液にポリエーテル変性シリコーンオイルを含
    有することを特徴とする強誘電体薄膜形成用塗布液。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載の強誘電体薄膜
    形成用塗布液を塗布し、加熱して得られる強誘電体膜。
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WO2018074257A1 (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 東レ・ダウコーニング株式会社 ポリエーテル変性シリコーン組成物、それを含む界面活性剤、整泡剤、ポリウレタン発泡体形成組成物、化粧料およびその製造方法

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