JP2003077824A - 基板処理装置 - Google Patents

基板処理装置

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JP2003077824A
JP2003077824A JP2001270858A JP2001270858A JP2003077824A JP 2003077824 A JP2003077824 A JP 2003077824A JP 2001270858 A JP2001270858 A JP 2001270858A JP 2001270858 A JP2001270858 A JP 2001270858A JP 2003077824 A JP2003077824 A JP 2003077824A
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ozone
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fluid
nozzle
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Application number
JP2001270858A
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English (en)
Inventor
Kazumi Kanemoto
和己 金本
Naotada Maekawa
直嗣 前川
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Weting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板表面の膜を効率よくかつ短時間で除去す
ることができる基板処理装置を提供することである。 【解決手段】 図1に示す基板処理装置は、処理チャン
バ7を備える。処理チャンバ7内には、処理対象となる
基板100を保持するための基板保持部6、2流体ノズ
ル1、オゾンノズル2、エアーノズル3、過酸化水素水
ノズル4およびスチームノズル5が設けられている。そ
れぞれのノズル1〜5は、処理チャンバ7内の基板保持
部6に保持された基板100の表面に流体(気体および
液体)を均一に供給できるように配設されている。処理
チャンバ7の上部には、処理チャンバ7内に紫外線を供
給するための紫外線ランプ22が設けられている。この
紫外線ランプ22が照射する紫外線の働きにより処理チ
ャンバ7内に供給されるオゾン(O3)からオゾンより
も酸化力の強いOHラジカルが生成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ、液
晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、
光ディスク用基板などの基板に所定の処理を行う基板処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基
板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の
基板に種々の処理を行うために基板処理装置が用いられ
ている。この種々の処理の一つとして、基板上に配線パ
ターンを形成するために塗布されたレジスト膜を除去す
るレジスト剥離処理がある。
【0003】このレジスト剥離処理においては、基板表
面上を灰化処理(アッシング)することにより基板表面
上のレジスト膜の除去が行われる。ここで、灰化処理と
は、主に炭素、水素、酸素からなるレジスト膜を気相中
で反応性ガスと反応させて揮発性の反応生成物にするこ
とをいい、灰化処理に用いられる反応性ガスとしては、
酸化力の強いオゾン(O3)などが主に用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】効率よくかつ短時間で
基板表面上のレジスト剥離処理を行うためには、オゾン
に加えて、十分な温度および適度な水分の供給が必要で
あると考えられている。
【0005】そこで、従来のレジスト剥離処理において
は、温水中にオゾンガスを気泡化(バブリング)させて
基板表面に供給する方法、水蒸気(スチーム)を基板表
面に供給する方法、またはノズルを用いて霧を発生させ
て基板表面に供給する方法などが用いられている。
【0006】しかしながら、従来のレジスト剥離処理で
は、基板表面に適量のオゾン、十分な温度および適度な
水分を供給することが困難である。
【0007】例えば、温水中にオゾンガスを気泡化させ
て基板表面に供給する方法では、基板表面の全体に気泡
化されたオゾンを均一に供給することが困難である。ま
た、水蒸気を基板表面に供給する方法では、高温の水蒸
気を与え過ぎると、基板の温度上昇が発生し、基板表面
において水分の凝集が進まなくなることが懸念される。
この水分の凝集が進まない状態とは、基板表面上に水分
を供給しても基板表面の温度が高いため水分が蒸発し基
板表面が乾燥してしまう状態である。したがって、基板
表面上に適度な水分の供給が困難となる。
【0008】さらに、ノズルを用いて霧を発生させて基
板表面に供給する方法では、適度な水分を供給できるが
基板表面に均一な薄い水膜を形成させることが難しく、
さらにオゾンガスは常温で供給されるため基板表面の温
度低下も問題となる。
【0009】本発明の目的は、基板表面の膜を効率よく
かつ短時間で除去することができる基板処理装置を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
に係る基板処理装置は、基板を収容する収容部と、収容
部内に収容された基板に水蒸気を含む流体を供給する第
1の供給手段と、収容部内に収容された基板にオゾンを
含む流体を供給する第2の供給手段と、第1および第2
の供給手段による流体の供給前に収容部内に収容された
基板に過酸化水素を含む流体を供給する第3の供給手段
とを備えるものである。
【0011】本発明に係る基板処理装置においては、第
1の供給手段により収容部内に収容された基板に水蒸気
を含む流体が供給され、第2の供給手段により収容部内
に収容された基板にオゾンを含む流体が供給され、第1
および第2の供給手段による流体の供給前に、第3の供
給手段により収容部内に収容された基板に過酸化水素を
含む流体が供給される。
【0012】この場合、オゾンの働きにより基板上の膜
を分解し、基板から膜が剥離される。特に、オゾンおよ
び水蒸気の供給前に供給される過酸化水素を含む流体に
よりオゾンによる膜の分解反応を促進させる促進酸化物
が生成される。さらに、基板上の膜の剥離に必要なオゾ
ンに加えて、水蒸気により基板上に薄い水膜が最適に形
成され、かつ基板の温度が上昇する。したがって、オゾ
ン、適度な水分および十分な温度を基板に供給すること
ができ、効率よくかつ短時間で基板上の膜の剥離を行う
ことが可能となる。
【0013】第2の発明に係る基板処理装置は、第1の
発明に係る基板処理装置の構成において、第1の供給手
段による流体の供給と第2の供給手段による流体の供給
とがほぼ同時に行われるものである。
【0014】この場合、オゾンと適度な水分および十分
な温度とをほぼ同時に基板に供給することができる。
【0015】第3の発明に係る基板処理装置は、第1の
発明に係る基板処理装置の構成において、第1の供給手
段による流体の供給と第2の供給手段による流体の供給
とが交互に行われるものである。
【0016】この場合、オゾンと適度な水分および十分
な温度とが交互に基板に供給される。したがって、水分
の供給量を制御することにより基板上の水膜の厚さを制
御することができる。
【0017】第4の発明に係る基板処理装置は、第1〜
第3のいずれかの発明に係る基板処理装置の構成におい
て、第2の供給手段は、収容部内に収容された基板に霧
状の水分およびオゾンを含む流体を供給する2流体構造
体を有するものである。
【0018】この場合、オゾンを水分中に溶解させる必
要がない。そのため、水分の温度を高くした場合でも、
オゾンの供給量が低下しない。したがって、基板上の膜
の剥離に必要なオゾンに加えて、適度な水分と十分な温
度とを基板に供給することができる。
【0019】第5の発明に係る基板処理装置は、第1〜
第4のいずれかの発明に係る基板処理装置の構成におい
て、第1および第2の供給手段による流体の供給後、収
容部内に収容された基板に洗浄水を供給する洗浄水供給
手段をさらに備えるものである。
【0020】この場合、基板上の膜の剥離を行った後
に、洗浄水を基板に供給することにより基板の洗浄処理
を容易に行うことができる。
【0021】第6の発明に係る基板処理装置は、第1〜
第5のいずれかの発明に係る基板処理装置の構成におい
て、第1および第2の供給手段による流体の供給後、収
容部内に収容された基板に気体を供給する気体供給手段
をさらに備えるものである。
【0022】この場合、基板上の膜の剥離を行った後
に、気体を基板に供給することにより基板の乾燥処理を
容易に行うことができる。
【0023】第7の発明に係る基板処理装置は、第1〜
第6のいずれかの発明に係る基板処理装置の構成におい
て、第1および第2の供給手段による流体の供給の際
に、収容部内に収容された基板に光を照射する光照射手
段をさらに備えるものである。
【0024】この場合、第1および第2の供給手段によ
る流体の供給の際に、光照射手段により基板に光エネル
ギーが照射される。したがって、光エネルギーによりオ
ゾンによる基板上の膜の分解反応をさらに促進させるこ
とができる。
【0025】第8の発明に係る基板処理装置は、第1〜
第7のいずれかの発明に係る基板処理装置の構成におい
て、光照射手段により照射される光は、紫外線である。
【0026】この場合、光照射手段により基板に紫外線
が照射される。したがって、紫外線によりオゾンによる
基板上の膜の分解反応をさらに促進させることができ
る。
【0027】第9の発明に係る基板処理装置は、第1〜
第8のいずれかの発明に係る基板処理装置の構成におい
て、収容部に収容された基板を回転させる回転手段をさ
らに備えたものである。
【0028】この場合、第1および第2の供給手段によ
る流体の供給の際に、基板を回転させることにより、基
板全体に水蒸気およびオゾンを均一に供給することがで
きる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態にお
ける基板処理装置の構成の一例を示す模式図である。
【0030】図1に示す基板処理装置は、処理チャンバ
7を備える。処理チャンバ7内には、処理対象となる基
板100を保持するための基板保持部6、2流体ノズル
1、オゾンノズル2、エアーノズル3、過酸化水素水ノ
ズル4およびスチームノズル5が設けられている。ま
た、それぞれのノズル1〜5は、処理チャンバ7内の基
板保持部6に保持された基板100の表面に流体(気体
および液体)を均一に供給できるように配設されてい
る。
【0031】さらに、処理チャンバ7の上部には、処理
チャンバ7内に紫外線を供給するための紫外線ランプ2
2が設けられている。この紫外線ランプ22が照射する
紫外線の働きにより処理チャンバ7内に供給されるオゾ
ン(O3)からオゾンよりも酸化力の強いOHラジカル
が生成される。この紫外線ランプ22の紫外線により処
理チャンバ7内に生成されるOHラジカルについての詳
細は後述する。
【0032】次に、処理チャンバ7内に設けられたそれ
ぞれのノズル1〜5に接続される配管について説明す
る。スチーム配管201の一端は外部のスチーム供給源
(図示せず)に接続され、スチーム配管201の他端は
合流部Hに接続されている。スチーム配管201には開
閉弁20が介挿されている。合流部Hは、スチームノズ
ル配管202を介してスチームノズル5に接続されてい
る。
【0033】添加剤配管203の一端は外部の添加剤供
給源(図示せず)に接続され、他端は合流部Eに接続さ
れている。添加剤配管203には開閉弁18が介挿され
ている。また、過酸化水素水配管204の一端は外部の
過酸化水素水供給源(図示せず)に接続され、過酸化水
素水配管204の他端は合流部Eに接続されている。過
酸化水素水配管204には開閉弁19が介挿されてい
る。合流部Eは、過酸化水素水ノズル配管205を介し
て過酸化水素水ノズル4に接続されている。
【0034】純水配管206の一端は外部の純水供給源
(図示せず)に接続され、純水配管206の他端は2流
体ノズル1に接続されている。純水配管206には開閉
弁11が介挿されている。
【0035】エアー供給配管207の一端は外部のエア
ー供給源(図示せず)に接続され、エアー供給配管20
7の他端は合流部Fに接続されている。エアー供給配管
207には分岐部Dおよび分岐部Aが設けられ、かつ開
閉弁12が介挿されている。合流部Fは、2流体ノズル
配管209を介して2流体ノズル1に接続されている。
【0036】オゾン供給配管208の一端は外部のオゾ
ン供給源(図示せず)に接続され、オゾン供給配管20
8の他端は合流部Fに接続されている。オゾン供給配管
208には分岐点Bが設けられ、かつ開閉弁13が介挿
されている。
【0037】エアー供給配管207aの一端はエアー供
給配管207の分岐部Aに接続され、エアー供給配管2
07aの他端は合流部Gに接続されている。エアー供給
配管207aには開閉弁15が介挿されている。また、
合流部Gは、オゾンノズル配管210を介してオゾンノ
ズル2に接続されている。
【0038】オゾン供給配管208aの一端はオゾン供
給配管208の分岐部Bに接続され、オゾン供給配管2
08aの他端は合流部Gに接続されている。オゾン供給
配管208aには分岐部Cが設けられ、かつ開閉弁14
が介挿されている。
【0039】エアー供給配管207bの一端はエアー供
給配管207の分岐部Dに接続され、エアー供給配管2
07bの他端はエアーノズル3に接続されている。エア
ー供給配管207bには開閉弁16が介挿されている。
【0040】オゾン供給配管208bの一端はオゾン供
給配管208aの分岐部Cに接続され、オゾン供給配管
208bの他端は合流部Hに接続されている。オゾン供
給配管208bには開閉弁17が介挿されている。
【0041】排気配管211の一端は処理チャンバ7に
接続され、排気配管211の他端は外部の排気処理部
(図示せず)に接続されている。排気配管211には開
閉弁21が介挿されている。
【0042】本発明の実施の形態においては、2流体ノ
ズル1が2流体構造体に相当し、オゾンノズル2が第2
の供給手段に相当し、過酸化水素水ノズル4が第3の供
給手段に相当し、スチームノズル5が第1の供給手段に
相当し、処理チャンバ7が収容部に相当し、紫外線ラン
プ22が光照射手段に相当する。
【0043】次いで、処理チャンバ7内に供給される流
体の流れについて説明を行う。スチーム配管201に設
けられた開閉弁20を開くことにより、スチームが、ス
チーム配管201、合流部Hおよびスチームノズル配管
202を通してスチームノズル5に供給される。そし
て、スチームノズル5から処理チャンバ7内にスチーム
が供給される。また、オゾン供給配管208bに設けら
れた開閉弁17を開くことにより、オゾンが、オゾン供
給配管208、分岐部B、オゾン供給配管208a、分
岐部Cおよびオゾン供給配管208bを通して合流部H
に供給される。それにより、合流部Hにてオゾンとスチ
ームとが混合され、スチームノズル配管202を通して
オゾンとスチームとの混合流体がスチームノズル5に供
給される。そして、スチームノズル5から処理チャンバ
7内にオゾンとスチームとの混合流体が供給される。
【0044】過酸化水素水配管204の開閉弁19を開
くことにより、過酸化水素水が、合流部Eおよび過酸化
水素水ノズル配管205を通して過酸化水素水ノズル4
に供給される。そして、過酸化水素水ノズル4から処理
チャンバ7内に過酸化水素水が供給される。また、添加
剤配管203に設けられた開閉弁18を開くことによ
り、添加剤が、添加剤配管203を通して合流部Eに供
給される。それにより、合流部Eにて添加剤と過酸化水
素水とが混合され、過酸化水素水ノズル配管205を通
して添加剤と過酸化水素水との混合流体が過酸化水素水
ノズル4に供給される。そして、過酸化水素水ノズル4
から処理チャンバ7内に添加剤と過酸化水素水との混合
流体が供給される。
【0045】純水配管206に設けられた開閉弁11を
開くことにより、純水が、純水配管206を通して2流
体ノズル1に供給される。そして、2流体ノズル1から
処理チャンバ7内に純水が供給される。この2流体ノズ
ル1の働きの詳細については後述する。
【0046】また、エアー供給配管207に設けられた
開閉弁12を開くことにより、エアーが、エアー供給配
管207、分岐部D、分岐部A、合流部Fおよび2流体
ノズル配管209を通して2流体ノズル1に供給され
る。さらに、オゾン供給配管208に設けられた開閉弁
13を開くことにより、オゾンが、オゾン供給配管20
8、分岐部B、合流部Fおよび2流体ノズル配管209
を通して2流体ノズル1に供給される。それにより、合
流部Fにてエアーおよびオゾンが混合され、2流体ノズ
ル配管209を通して2流体ノズル1に供給される。そ
して、2流体ノズル1からオゾンとエアーとからなる混
合流体が純水とさらに混合され、2流体ノズル1から処
理チャンバ7内に供給される。
【0047】次に、オゾン供給配管208aに設けられ
た開閉弁14を開くことにより、オゾンが、オゾン供給
配管208、分岐部B、オゾン供給配管208a、分岐
部C、合流部Gおよびオゾンノズル配管210を通して
オゾンノズル2に供給される。そして、オゾンノズル2
からオゾンが処理チャンバ7内に供給される。一方、エ
アー供給配管207aに設けられた開閉弁15を開くこ
とにより、エアーがエアー供給配管207、分岐部A、
エアー供給配管207aを通して合流部Gに供給され
る。そして、エアーは、オゾンノズル配管210を通し
てオゾンノズル2に供給され、オゾンノズル2からエア
ーが処理チャンバ7内に供給される。
【0048】また、エアー供給配管207bに設けられ
た開閉弁16を開くことにより、エアーが、エアー供給
配管207およびエアー供給配管207bを通してエア
ーノズル3に供給される。そして、エアーノズル3から
処理チャンバ7内にエアーが供給される。
【0049】一方、処理チャンバ7内において余分また
は不必要となる使用済みの流体は、排気配管211の開
閉弁21を開くことにより、排気配管211を通して外
部に排出される。
【0050】次に、処理チャンバ7内に設けられた2流
体ノズル1の内部構造について説明を行う。
【0051】図2(a)は2流体ノズル1の構造の一例
を示す模式的断面図であり、図2(b)は2流体ノズル
1の構造の他の例を示す模式的断面図である。
【0052】図2(a)に示すように、2流体ノズル1
は、吸入口501,502および噴出口503を有す
る。図1の開閉弁11を開くことにより純水が吸入口5
01に供給され、図1の開閉弁12および開閉弁13を
開くことによりエアーおよびオゾンの混合流体が吸入口
502に供給される。そして、2流体ノズル1の内部の
混合部J近傍において、純水およびエアーとオゾンとの
混合流体が混合され、純水がエアーおよびオゾンを含む
混合流体中に浮遊するミスト(液状粒子:mist)として
噴出口503から噴出される。
【0053】また、図2(b)に示す2流体ノズル1
は、吸入口511,512および噴出口513,514
を有する。図1の開閉弁11を開くことにより、純水が
吸入口511に供給され、図1の開閉弁12および開閉
弁13を開くことによりエアーとオゾンを含む混合流体
が吸入口512に供給される。そして、図2(a)のノ
ズルと異なり、純水とエアーおよびオゾンを含む混合流
体とは、噴出口513,514の外部の合流部Kにおい
て混合され、純水がエアーおよびオゾンを含む混合流体
中に浮遊するミスト(液状粒子)として噴出される。
【0054】このように、純水中に溶解されるオゾンの
量に制限があっても、2流体ノズル1を用いることによ
りオゾンおよびエアーを含む混合流体と純水とが混合さ
れるため、本来、純水中に溶解されないオゾンを2流体
ノズル1から噴出させることができる。これにより、エ
アーおよび大量のオゾンを含む混合流体と純水とを混合
させ、処理チャンバ7に供給することができる。
【0055】なお、図1の2流体ノズル1に用いる2流
体ノズル1の構造は、図2(a)または図2(b)の例
に限定されず、その他の構造を有する2流体ノズルを用
いてもよい。
【0056】続いて、基板100を保持する基板保持部
6について図を用いて説明する。図3は基板100を保
持する基板保持部6の模式的斜視図であり、図4は図3
に示す基板保持部6の模式的側面図であり、図5は図4
に示す基板保持部6の模式的X−X線断面図である。
【0057】図3および図4に示すように、基板保持部
6は、固定板61,62、固定棒63,64,65、可
動棒66およびモータ部67を含む。
【0058】図3および図4に示すように、固定棒6
3,64,65の両端に固定板61,62がそれぞれ固
定されている。図3に示すように、可動棒66は、固定
板61,62に対して矢印Qの方向に移動可能に設けら
れている。この可動棒66は、基板100が基板保持部
6に保持される際に矢印Qの方向に移動し、基板100
が基板保持部6に投入できるスペースを確保する。そし
て、可動棒66は、基板100が基板保持部6に投入さ
れた後に矢印Qと逆方向に移動して基板100の外周4
点を保持する位置で停止する。これにより、基板100
は固定棒63,64,65および可動棒66により保持
される。また、固定板61の外側には、モータ部67が
設けられている。モータ部67は、基板100を保持し
た基板保持部6全体を基板100の中心(図4または図
5中の軸RA)を回転軸として所定の回転数で矢印Rの
方向に回転させる。
【0059】次いで、基板100のレジスト剥離処理を
行う図1の基板処理装置の処理シーケンスについて説明
を行う。
【0060】図6は図1の基板処理装置の処理シーケン
スの例を示す図である。図6の横方向に促進剤添加処
理、剥離処理T1〜T4、水洗処理および乾燥処理を時
系列に示している。また、図6の縦方向に基板処理装置
内の各処理の内容を示している。矢印は、該当する処理
の内容が行われることを示している。
【0061】まず、図6(a)の処理シーケンスについ
て説明を行う。図6(a)に示すように、促進剤添加処
理において、図1の開閉弁19を開くことにより、過酸
化水素水が、過酸化水素水配管204、合流部Eおよび
過酸化水素水ノズル配管205を通して過酸化水素水ノ
ズル4に供給される。そして、過酸化水素水ノズル4か
ら処理チャンバ7内に過酸化水素水が供給される。処理
チャンバ7内に供給された過酸化水素水は、基板保持部
6に保持された基板100に供給される。ここで、促進
剤添加処理では、図3および図4に示すモータ部67の
働きにより基板保持部6および基板100を所定の回転
数で回転させる。基板100を回転させることにより基
板100の表面の全体に過酸化水素水が均一に供給され
る。
【0062】次に、剥離処理T1〜T4では、図1の開
閉弁14を開くことにより、オゾンガスが、オゾン供給
配管208、分岐部B、オゾン供給配管208a、分岐
部C、合流部Gおよびオゾンノズル配管210を通して
オゾンノズル2に供給される。そして、オゾンノズル2
から処理チャンバ7内にオゾンガスが供給される。同時
に紫外線ランプ22により紫外線が処理チャンバ7内に
照射される。紫外線の照射による効果については後述す
る。
【0063】さらに、剥離処理T1〜T4では、図1の
開閉弁20を開くことにより、スチームが、スチーム配
管201、合流部Hおよびスチームノズル配管202を
通してスチームノズル5に供給される。そして、スチー
ムノズル5から処理チャンバ7内にスチームが噴出され
る。また、剥離処理T1〜T4においてもモータ部67
の働きにより基板保持部6および基板100が保持され
つつ回転させられる。この剥離処理T1〜T4における
基板100の表面状態については後述する。
【0064】続いて、水洗処理が行われる。この水洗処
理では、図1の開閉弁11を開くことにより、純水が、
純水配管206を通して2流体ノズル1に供給される。
さらに、図1の開閉弁12を開くことにより、エアー
が、エアー供給配管207、分岐部D、分岐部A、合流
部Fおよび2流体ノズル配管209を通して2流体ノズ
ル1に供給される。そして、2流体ノズル1は、純水お
よびエアーを混合して純水のミストおよびエアーからな
る流体を処理チャンバ7内に供給する。また、モータ部
67の働きにより基板保持部6および基板100が保持
されつつ回転させられる。それにより、供給された純水
のミストおよびエアーの混合流体が基板100の表面の
全体に均一に供給される。また、水洗処理においては、
図1の開閉弁16を開くことにより、エアーが、エアー
供給配管207、分岐部Dおよびエアー供給配管207
bを通してエアーノズル3に供給される。そして、図1
の開閉弁21を開くことにより、処理チャンバ7内がさ
らにパージされ、基板保持部6の基板100を洗浄し終
えた流体がメイン排気口110から排出される。
【0065】乾燥処理においては、水洗処理に続いて、
図1の開閉弁16を開くことにより、エアーが、エアー
供給配管207、分岐部Dおよびエアー供給配管207
bを通してエアーノズル3に供給される。また、モータ
部67の働きにより基板保持部6の基板100が保持さ
れつつ回転される。そして、エアーノズル3により処理
チャンバ7内の基板100に対してエアーが噴出される
ことにより、基板100の表面の全体の乾燥が行われ
る。水洗処理および乾燥処理においては、紫外線ランプ
22をオフする。
【0066】このように、スチームおよびオゾンが供給
される前に基板100上のレジスト膜を効率よく剥離す
るために過酸化水素水が供給される。過酸化水素水によ
りオゾンによるレジスト膜の分解反応を促進させる促進
酸化物が生成される。この促進酸化物については後述す
る。その後、スチームおよびオゾンが供給される。スチ
ームにより基板100の表面に後述する薄い水膜が最適
に形成され、かつ基板100の温度が上昇される。した
がって、オゾンに加えて、適度な水分および十分な温度
を同時に基板に供給することができ、効率よくかつ短時
間で基板100の表面上のレジスト剥離処理を行うこと
ができる。
【0067】なお、エアーノズル3によりエアーを噴出
する際には、図1の開閉弁21を開くことにより、余分
なエアーを排気配管211を通して排出させてもよい。
さらに、乾燥処理のエアー圧は、水洗処理のエアー圧と
同じ圧力である必要はなく、エアー圧をさらに高く、ま
たはエアー圧を可変に変化させてもよい。
【0068】次に、図6(b)の処理シーケンスについ
て説明を行う。図6(b)の処理シーケンスが図6
(a)の処理シーケンスと異なるのは、剥離処理T1〜
T4の内容である。
【0069】図6(b)に示すように、剥離処理T1に
おいては、図1の開閉弁20を開くことにより、スチー
ムが、スチーム配管201、合流部Hおよびスチームノ
ズル配管202を通してスチームノズル5に供給され
る。そして、スチームノズル5から処理チャンバ7内に
スチームが供給される。それにより、処理チャンバ7内
の基板保持部6に保持されつつ回転されている基板10
0にスチームが供給される。
【0070】次いで、剥離処理T2においては、図1の
開閉弁14を開くことにより、オゾンが、オゾン供給配
管208、分岐部B、オゾン供給配管208a、分岐部
C、合流部Gおよびオゾンノズル配管210を通してオ
ゾンノズル2に供給される。そして、オゾンノズル2か
ら処理チャンバ7内にオゾンが供給される。そして、処
理チャンバ7内の基板保持部6に保持されつつ回転され
ている基板100にオゾンが供給される。
【0071】続いて、剥離処理T3においては、図6
(b)の剥離処理T1と同様の処理内容を繰り返し行
い、剥離処理T4においては、図6(b)の剥離処理T
2と同様の処理内容を繰り返し行う。
【0072】これにより、オゾンと適度な水分および十
分な温度とが交互に基板100に供給される。したがっ
て、スチームの供給量を制御することにより、後述する
基板100の表面上に形成される水膜の厚みを最適な厚
みにすることができる。
【0073】次に、図6(c)の処理シーケンスについ
て説明を行う。図6(c)の処理シーケンスが図6
(a)の処理シーケンスと異なるのは、剥離処理T1,
T3の内容である。
【0074】図6(c)に示すように、剥離処理T1に
おいては、オゾンガスおよびスチームに加えて、さらに
純水のミストとオゾンを含む混合流体を処理チャンバ7
内の基板100に供給する。図1の開閉弁13を開くこ
とにより、オゾンが、オゾン供給配管208、分岐部
B、合流部F、2流体ノズル配管209を通して2流体
ノズル1に供給される。一方、開閉弁11を開くことに
より、純水が、純水配管206を通して2流体ノズル1
に供給される。純水とオゾンとが、2流体ノズル1の内
部で混合され、純水のミストおよびオゾンを含む流体が
処理チャンバ7内に供給される。
【0075】これにより、純水のミストおよびオゾンを
含む流体を処理チャンバ7内に供給することができる。
そして、高温のスチームを与え過ぎた際にも、基板10
0の温度上昇が発生し、基板100の表面において水分
の凝集が進まなくなることを防止することができる。
【0076】最後に、図6(d)の処理シーケンスにつ
いて説明を行う。図6(d)の処理シーケンスが図6
(a)の処理シーケンスと異なるのは、剥離処理T1〜
T4の内容である。
【0077】図6(d)に示すように、剥離処理T1〜
T4においては、オゾンガスの代わりに,純水のミスト
とオゾンを含む混合流体を処理チャンバ7内の基板10
0に供給する。図1の開閉弁13を開くことにより、オ
ゾンが、オゾン供給配管208、分岐部B、合流部Fお
よび2流体ノズル配管209を通して2流体ノズル1に
供給される。そして、開閉弁11を開くことにより、純
水が、純水配管206を通して2流体ノズル1に供給さ
れる。純水およびオゾンが、2流体ノズル1の内部で混
合され,純水のミストおよびオゾンを含む流体が処理チ
ャンバ7内に供給される。
【0078】これにより、オゾンを純水中に溶解させる
必要がない。そのため、純水の温度を高くした場合でも
2流体ノズル1を用いることによりオゾンの供給量が減
少しない。したがって、本来、純水中に溶解されない量
のオゾンを2流体ノズル1から噴出させることができ
る。さらに、スチームが基板100の表面に供給される
ことにより適度な水分および十分な温度を供給すること
ができる。したがって、オゾンに加えて、十分な温度お
よび適度な水分の供給が可能となり、効率よくかつ短時
間で基板100の表面上のレジスト剥離処理を行うこと
ができる。
【0079】なお、上記実施の形態においては、剥離処
理が4段階(剥離処理T1〜T4)に分かれているが、
これに限らず、4段階以外の1または複数の段階に分け
てもよい。
【0080】次に、図1の基板処理装置を用いて処理シ
ーケンスを行う際の基板100の表面状態について説明
を行う。
【0081】図7は図1の基板処理装置を用いてレジス
ト剥離処理を行う際の基板100の表面状態を説明する
ための模式的拡大図である。図7(a)は基板100に
ノズルにより水分を霧状にして供給し、さらにオゾンを
供給した際の基板100の表面状態を示し、図7(b)
は図1の基板処理装置を用いてレジスト剥離処理を行う
際の基板100の表面状態を示す。
【0082】ここで、基板100の表面のレジスト膜1
01の剥離処理について説明する。レジスト膜101の
剥離処理においては、オゾンによる促進酸化プロセスを
利用している。この促進酸化プロセスとは、オゾンおよ
び過酸化水素水、オゾンおよび紫外線、オゾンおよび放
射線、オゾンおよび熱処理等により生成されるOHラジ
カルを利用して有機物を分解するプロセスである。すな
わち、オゾン、過酸化水素水、紫外線または熱などを複
合的に組み合わせることによって生成される酸化力の強
いOHラジカルを利用し、有機物であるレジスト膜10
1を化学反応により分解するものである。また、この促
進酸化プロセスは、一般的にAOP(Advanced Oxidatio
n Process)とも呼ばれている。本実施の形態のレジスト
膜101の剥離処理においては、酸化力の強いOHラジ
カルの一種であるヒドロキシカルラジカルを使用する。
しかし、このヒドロキシカルラジカルは、オゾンよりも
酸化力が強いが自己分解が非常に速く寿命が短いという
特徴を有する。
【0083】図7(a)に示すように、基板100上の
レジスト膜101の表面には、ノズルにより純水のミス
トが供給され所定の厚みL1の水膜102が形成され
る。そして、水膜102の外側をオゾンガス105が流
れる。ここで、図1の紫外線ランプ22により紫外線1
04が照射されて、オゾンガス105からヒドロキシカ
ルラジカル103が生成される。生成されたヒドロキシ
カルラジカル103は、水膜102に浸透しレジスト膜
101に向かって移動する。しかし、図7(a)に示す
水膜102がノズルによる純水のミストの供給により形
成されるため、水膜102の厚みL1が大きくなり、ヒ
ドロキシカルラジカル103は、レジスト膜101に到
達する前に自己分解を起こして寿命が尽きてしまう場合
が多い。そして、自己分解を起こさなかった一部のヒド
ロキシカルラジカル103がレジスト膜101に到達し
て、有機物であるレジスト膜101を化学反応により分
解する。それにより、基板100のレジスト膜101が
剥離処理される。
【0084】一方、図7(b)に示すように、図1の基
板処理装置においては、まず、過酸化水素水が過酸化水
素水ノズル4により処理チャンバ7内に供給される。続
いて、オゾンガス105が図1のオゾンノズル2により
処理チャンバ7内に供給される。さらに、スチームが図
1のスチームノズル5により処理チャンバ7内に供給さ
れる。これにより、処理チャンバ7内の基板保持部6に
保持された基板100上のレジスト膜101の表面に
は、スチームにより薄い水膜102が形成され、さらに
オゾンガス105、スチームによる熱、過酸化水素水お
よび紫外線104が複合的に組み合わせられてOHラジ
カルであるヒドロキシカルラジカル103が大量に生成
される。ヒドロキシカルラジカル103は、水膜102
に浸透してレジスト膜101に向かって移動する。ここ
で、図7(b)に示す水膜102はスチームにより形成
されるため、水膜102の厚みL2は小さくなり、ヒド
ロキシカルラジカル103は、レジスト膜101に到達
する前に自己分解を起こして寿命が尽きてしまうことが
少ない。そのため、ヒドロキシカルラジカル103は、
自己分解を起こす前にレジスト膜101に到達して有機
物であるレジスト膜101を化学反応により分解するこ
とができる。それにより、効率よくかつ短時間で基板1
00のレジスト膜101を剥離処理することができる。
【0085】なお、上記実施の形態においては、処理チ
ャンバ7内に供給されるスチームの供給量を制御し、基
板100の表面において水分の凝集が進まなくなること
を防止するものとする。その一例として、図6(b)に
示すように、オゾンガスおよびスチームを交互に供給し
てもよい。
【0086】これにより、水膜102の厚みL2を小さ
くすることができるとともに水分の凝集を防止すること
ができる。したがって、ヒドロキシラジカル103が基
板100の表面のレジスト膜101に到達する量がさら
に増加するため、効率よくかつ短時間でレジスト膜10
1の剥離処理を行うことが可能となる。
【0087】また、図6(c)に示すように、オゾンガ
ス、スチーム、ミストとオゾンガスを含む混合流体を処
理チャンバ7内の基板100にさらに供給することによ
り、基板100の表面において水分の凝集が進まなくな
ることを防止することができる。すなわち、基板100
の表面が乾燥することを防ぐために、適度なミストとオ
ゾンガスを含む混合流体を基板100に供給して、効率
よくかつ短時間でレジスト膜101の剥離処理を行うこ
とが可能となる。また、この際、加熱させた適度なミス
トを2流体ノズル1を用いて処理チャンバ7内に供給さ
せてもよい。これにより、基板100をヒドロキシカル
ラジカル103の生成されやすい適切な温度にすること
ができる。
【0088】このように、図1の基板処理装置において
は、基板100のレジスト剥離処理を行うために用いる
OHラジカルを大量に生成するために過酸化水素水を含
む流体を予め処理チャンバ7内に供給し、その後、オゾ
ンガスおよびスチームを適度に供給することにより基板
100の表面に薄い水膜102を形成して、効率よくか
つ短時間で基板100のレジスト膜101を剥離するこ
とができる。
【0089】また、スチームの温度による基板100の
表面の水分の凝集を防ぐため、スチームとオゾンガスと
を交互に供給する、またはスチーム、オゾンガスおよび
ミストとオゾンガスを含む混合流体を供給することがで
きる。これにより、さらに基板100の表面に均一に薄
い水膜102を形成することができる。そして、OHラ
ジカルであるヒドロキシカルラジカルが自己分解を起こ
して寿命が尽きる前に、ヒドロキシカルラジカル103
がレジスト膜101に到達して、レジスト膜101とヒ
ドロキシカルラジカル103との化学反応により基板1
00の表面のレジスト膜101の剥離処理を効率よくか
つ短時間で行うことができる。
【0090】次に、図6(d)に示した処理シーケンス
の際の基板100の表面状態について説明を行う。
【0091】図8は図1の基板処理装置を用いてレジス
ト剥離処理を行う際の基板100の表面状態の他の例を
説明するための模式的拡大図である。図8(a)は基板
100にノズルにより水分を霧状にして供給し、かつオ
ゾンを含むミストを供給した際の基板100の表面状態
を示し、図8(b)は図1の基板処理装置を用いて図6
(d)に示すレジスト剥離処理を行う際の基板100の
表面状態を示す。
【0092】ここで、純水のミスト107を基板100
に供給する場合または液体中に基板100を浸漬する場
合などには、図8(a)および図8(b)に示すよう
に、レジスト膜101の表面には、オゾンまたはヒドロ
キシカルラジカル103を含む液体の置換があまり行わ
れない層106(以下、置換減少層と呼ぶ。)が発生す
る。
【0093】図8(a)に示すように、まず、置換減少
層106は所定の厚みL3を有しており、その外側をオ
ゾンを含むミスト107が流れる。図1に示す紫外線ラ
ンプ22の紫外線104が照射され、このミスト107
に含まれるオゾンからヒドロキシカルラジカル103が
生成され、置換減少層106に所定の量だけ浸透する。
そして、置換減少層106に浸透したヒドロキシカルラ
ジカル103は、レジスト膜101に向かって移動す
る。しかし、図8(a)に示す置換減少層106の厚み
L3が大きい場合には、ヒドロキシカルラジカル103
は、紫外線104が照射された際に生成されてレジスト
膜101に到達する前に自己分解を起こして寿命が尽き
てしまう場合が多い。そして、早期に自己分解を起こさ
なかった一部のヒドロキシカルラジカル103がレジス
ト膜101に到達して、有機物であるレジスト膜101
を化学反応により分解する。それにより、基板100の
レジスト膜101が剥離される。
【0094】一方、図8(b)に示すように、図1の基
板処理装置においては、まず、処理チャンバ7内に添加
剤または過酸化水素水が過酸化水素水ノズル4により供
給される。この添加剤については後述する。
【0095】続いて、スチームが図1のスチームノズル
5により処理チャンバ7内に供給される。さらに、オゾ
ンを含むミスト107が2流体ノズル1から処理チャン
バ7内に供給される。
【0096】これにより、処理チャンバ7内の基板保持
部6に保持された基板100の置換減少層106の表面
には、スチームによる熱、オゾン、過酸化水素水、添加
剤および紫外線104が複合的に組み合わせられてOH
ラジカルであるヒドロキシカルラジカル103を生成す
ることができる。
【0097】また、オゾンは、液体中に一定の量しか溶
解することができない。例えば、オゾンを液体に溶解さ
せて供給する場合には、常温で60ppmのオゾンの溶
解量があった場合でも、オゾンを溶解させた液体の温度
上昇に伴いオゾンの溶解量は5ppmなどに急激に減少
する場合がある。そのため、基板100に供給するため
の十分な温度の大部分はスチームにより供給され、2流
体ノズル1により常温のオゾンガスを含む温水のミスト
107が処理チャンバ7内に供給される。これにより、
オゾンに加えて、十分な温度および適度な水分を基板1
00に供給することができる。
【0098】また、上述したように、本実施の形態で
は、添加剤を用いる。ここで、添加剤とは、酢酸、カル
ボン酸またはリン酸等をいう。これらは、オゾンが紫外
線により、またはオゾンが過酸化水素水により、または
オゾンが熱によりヒドロキシカルラジカル103として
生成されることを抑制する働きを有しており、オゾンが
置換減少層107に到達する直前まで紫外線104、熱
または過酸化水素水によりヒドロキシカルラジカル10
3が生成されないように抑制する。それにより、レジス
ト膜101に到達するヒドロキシカルラジカル103の
量が多くなる。
【0099】このようにして、図8(b)に示すよう
に、オゾンは添加剤の働きにより、置換減少層107に
浸透した際にヒドロキシカルラジカル103が生成さ
れ、さらにレジスト膜101に向かって移動する。そし
て、ヒドロキシカルラジカル103は寿命が尽きる前に
レジスト膜101に到達して、有機物であるレジスト膜
101を化学反応により分解することができる。これに
より、効率よくかつ短時間で基板100のレジスト膜1
01を剥離することができる。
【0100】なお、上記実施の形態においては、2流体
ノズル1、オゾンノズル2、エアーノズル3、過酸化水
素水ノズル4およびスチームノズル5をそれぞれ1個ず
つ処理チャンバ7内に配設することとしたが、これに限
定されず、それぞれ1個または複数個ずつ処理チャンバ
7内に配設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における基板処理装置の
構成の一例を示す模式図である。
【図2】(a)は2流体ノズルの構造の一例を示す模式
的断面図であり、(b)は2流体ノズルの構造の他の例
を示す模式的断面図である。
【図3】基板を保持する基板保持部の模式的斜視図であ
る。
【図4】図3に示す基板保持部の模式的側面図である。
【図5】図4に示す基板保持部の模式的X−X線断面図
である。
【図6】図1の基板処理装置の処理シーケンスの例を示
す図である。
【図7】図1の基板処理装置を用いてレジスト剥離処理
を行う際の基板の表面状態を説明するための模式的拡大
図である。
【図8】図1の基板処理装置を用いてレジスト剥離処理
を行う際の基板の表面状態の他の例を説明するための模
式的拡大図である。
【符号の説明】
1 2流体ノズル 2 オゾンノズル 3 エアーノズル 4 過酸化水素水ノズル 5 スチームノズル 6 基板保持部 7 処理チャンバ 100 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/306 Z R (72)発明者 前川 直嗣 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA24 AA25 AA27 JA04 LA02 LA03 5F043 AA40 BB30 CC16 DD08 DD13 EE27 EE35 GG10 5F046 MA03 MA05 MA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を収容する収容部と、 前記収容部内に収容された基板に水蒸気を含む流体を供
    給する第1の供給手段と、 前記収容部内に収容された基板にオゾンを含む流体を供
    給する第2の供給手段と、 前記第1および第2の供給手段による流体の供給前に前
    記収容部内に収容された基板に過酸化水素を含む流体を
    供給する第3の供給手段とを備えることを特徴とする基
    板処理装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の供給手段による流体の供給と
    前記第2の供給手段による流体の供給とがほぼ同時に行
    われることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の供給手段による流体の供給と
    前記第2の供給手段による流体の供給とが交互に行われ
    ることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の供給手段は、前記収容部内に
    収容された基板に霧状の水分およびオゾンを含む流体を
    供給する2流体構造体を有することを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の基板処理装置。
  5. 【請求項5】 前記第1および第2の供給手段による流
    体の供給後、前記収容部内に収容された基板に洗浄水を
    供給する洗浄水供給手段をさらに備えることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理装置。
  6. 【請求項6】 前記第1および第2の供給手段による流
    体の供給後、前記収容部内に収容された基板に気体を供
    給する気体供給手段をさらに備えることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の基板処理装置。
  7. 【請求項7】 前記第1および第2の供給手段による流
    体の供給の際に、前記収容部内に収容された基板に光を
    照射する光照射手段をさらに備えることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載の基板処理装置。
  8. 【請求項8】 前記光照射手段により照射される光は、
    紫外線であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    に記載の基板処理装置。
  9. 【請求項9】 前記収容部に収容された基板を回転させ
    る回転手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜
    8のいずれかに記載の基板処理装置。
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