JP2003075797A - 記録表示材料 - Google Patents

記録表示材料

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JP2003075797A
JP2003075797A JP2001265303A JP2001265303A JP2003075797A JP 2003075797 A JP2003075797 A JP 2003075797A JP 2001265303 A JP2001265303 A JP 2001265303A JP 2001265303 A JP2001265303 A JP 2001265303A JP 2003075797 A JP2003075797 A JP 2003075797A
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JP2001265303A
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Atsushi Takahashi
敦 高橋
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Kyodo Printing Co Ltd
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Kyodo Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体を加熱・急冷するだけで、同じ画像の表
示・非表示の繰り返しが可能な記録表示材料を提供す
る。 【解決手段】 少なくとも一方が透明な部分を有する二
枚の基板間に、コレステリック液晶化合物を挟持してな
る記録表示材料であって、少なくとも一方の基板の表面
状態に応じて画像を表示する記録表示材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同じ画像の表示・
非表示の繰り返しが可能な感熱式の特定の色又はフルカ
ラーによる記録表示材料に関する。
【0002】
【従来の技術】フルカラーを記録することが可能で書き
換えが不可能な記録材料としてはカラー写真やカラーコ
ピーが知られている。書き換えが可能でフルカラーでは
ない記録材料としては、ベヘン酸等の長鎖アルキルカル
ボン酸誘導体を含む感熱記録材料やスピロピラン誘導体
等のフォトクロミック化合物を利用した光記録材料、そ
の他、磁気や光磁気等のメモリー材料が知られている。
【0003】これまでの記録材料はフルカラーと書き換
え可能な特性を両立するものではなかった。確かに表示
材料の中にはテレビや液晶表示等のように表示が変化
し、かつフルカラーのものが存在するが財布の中に収ま
る程度の薄いカードとして用いたり電源なしにいつまで
も安定に画像を表示しておくことはできないため、記録
材料の代わりに使うことはできなかった。
【0004】近年、液晶性化合物を用いる新しい方法で
書き換え可能なフルカラー記録が達成された(特開平1
1−24027号公報、特許第2946042号公報、
特開2000−7613号公報)。
【0005】しかし、上記公報の液晶化合物を用いた記
録表示材料は、サーマルヘッド等を用いて部分的に加熱
することにより画像を形成するものであり、同じ画像の
表示・非表示を繰り返すためには、その都度、同じパタ
ーンでの加熱が必要となるため、より簡単な方法で、同
じ画像の表示・非表示の繰り返しが可能な記録表示材料
が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題に鑑み、全体を加熱・急冷するだけで、同じ画像の
表示・非表示の繰り返しが可能な記録表示材料を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の記録表示材料
は、少なくとも一方が透明な部分を有する二枚の基板間
に、コレステリック液晶化合物を挟持してなる記録表示
材料であって、少なくとも一方の基板の表面状態に応じ
て画像を表示することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を用いて詳
細に説明する。
【0009】本発明の記録表示材料は、少なくとも一方
の基板の表面状態に応じて、例えばコレステリック液晶
化合物の分子配列が異なることにより、画像を表示す
る。即ち、コレステリック液晶の選択反射波長は、一般
的に角度依存性を有し、角度によって色が変化するが、
本発明の記録表示材料は、この性質を利用し、液晶を挟
持する基板の表面に予め表面処理を施し、その表面状態
を反映した色の違いによって画像を表示するものであ
る。
【0010】基板の表面状態に応じて、コレステリック
液晶化合物の分子配列を異らせる方法としては、特に限
定されないが、例えば、図1に示す様な方法が挙げられ
る。図1は、基板の表面状態に応じて、コレステリック
液晶化合物の分子配列が異なる状態を説明する模式図で
ある。同図において、1は基板、2は液晶分子、3は配
向処理、4は傾斜面、5は隔壁である。
【0011】図1(a)は、配向処理3の有無に応じ
て、配向処理を施した部分と、施していない部分とで、
液晶分子2の分子配列を異ならしめ、画像を形成する例
である。
【0012】図1(b)〜(d)は、配向処理の違いに
応じて、配向処理の異なる部分で、液晶分子2の分子配
列を異ならしめ、画像を形成する例である。図1(b)
は、例えば、配向処理3と材質の異なる配向膜を形成す
る、配向処理3と同じ材質の配向膜を形成するがラビン
グ方向を異ならしめる等、配向処理3とは異なる方法で
配向処理3aを施した例である。図1(c)は、表面処
理3と同じ材質の配向膜を形成するがラビング強度を異
ならしめる等、配向処理3とは異なる強度で配向処理3
bを施した例である。図1(d)は、配向処理3cとし
て、配向処理3とは異なって、垂直配向をするような配
向処理を施した例であり、この場合、配向処理3cを施
した部分では、全く干渉色を示さない状態になる。
【0013】図1(e)は、傾斜面4の有無に応じて、
傾斜面を形成した部分と、形成していない部分とで、液
晶分子2の分子配列を異ならしめ、画像を形成する例で
ある。
【0014】図1(f)は、傾斜面4a〜4cの傾斜角
度の違いに応じて、液晶分子2の分子配列を異ならし
め、画像を形成する例である。この例のように、傾斜面
4a〜4cの傾斜角度を徐々に変化させることにより、
グラデーションを表現することもできる。
【0015】尚、図1(g)に示すように、分子配列を
より均一にさせるために、傾斜面4を区切るように隔壁
5を設けてもよい。また、図1(a)〜(f)の様な態
様において、異なる表面状態の境目に隔壁を設けても、
同様の効果が得られる。
【0016】図2は、配向処理を施した基板を用いて画
像を表示している状態の一例を示す模式図であり、
(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図であ
る。同図において、1は基板(1aは上基板、1bは下
基板)、3は配向処理、6は液晶層である。
【0017】図2(b)に示す様に、基板1上に、表示
したい画像に応じたパターンで、配向処理3を施す。配
向処理3は、少なくとも一方の基板に施せばよいが、上
基板1aと下基板1bに、同一のパターンで同様の配向
処理を施すことにより、分子配列をより均一にすること
ができ、好ましい。
【0018】配向処理3の方法としては、例えば、ラビ
ング法、酸化硅素等の斜め蒸着法、光配向膜法などの基
板面変形配向処理法が挙げられる。
【0019】異なる材質の配向膜をパターン形成する方
法としては、例えば、版を使ってパターンをオフセット
印刷する方法、スピンコート等で基板上に塗布してか
ら、フォトリソグラフィー法によりパターンを形成する
方法等が挙げられる。
【0020】また、ラビング状態の異なる配向膜をパタ
ーン形成する方法としては、基板全面に配向膜を形成し
た後、レジストを塗布し、露光、現像してマスキング膜
を形成し、その上から一定方向にラビング処理を行い、
レジスト剥離後、未処理部分をラビングするために、再
度マスキング膜を形成し、その上から逆方向、或いは異
なる強度のラビング処理を行う方法が挙げられる。
【0021】上基板1aと、下基板1bの配向処理3を
施した側を対向させ、配向処理3のパターンが一致する
ように、両基板を貼り合わせ、その間にコレステリック
液晶化合物を挟持させて、液晶層6を形成して液晶状態
にすると、配向処理3を施した部分と施していない部分
で、分子配列が異なることにより反射色が異なり、図2
(a)に示す様に、画像が表示される。
【0022】例えば、ガラス基板上に、厚さ0.1μm
のポリイミド膜をパターニングし、ラビング処理を行っ
た上下基板間にコレステリック液晶化合物を挟持して、
液晶状態にすると、ポリイミド膜のある部分は非常にき
れいな色を示したが、ポリイミド膜のない部分は色が薄
く鮮やかさに欠けていた。反射スペクトルを測定した結
果、ポリイミド膜のある部分は半値幅が狭く、45%ほ
どの反射率を示していたが、ポリイミド膜のない部分は
スペクトルがブロード化しており、反射率も30%であ
った。これはポリイミド膜がある部分は液晶分子がきれ
いに配列しているのに対し、ポリイミド膜が無い部分は
配列の状態に乱れが生じるからである。
【0023】図3は、傾斜面を形成した基板を用いた場
合の一例を示す模式的断面図である。同図において、1
は基板(1aは上基板、1bは下基板)、4は傾斜面、
6は液晶層である。
【0024】図3に示す様に、基板1上に、表示したい
画像に応じたパターンで、傾斜面4形成する。傾斜面4
は、少なくとも一方の基板に形成すればよいが、上基板
1aと下基板1bに、両基板を貼り合わせたときに傾斜
面が対向するようなパターンで傾斜面を形成することに
より、分子配列をより均一にすることができ、好まし
い。
【0025】上基板1aと、下基板1bの傾斜面4が対
向するように、両基板を貼り合わせ、その間にコレステ
リック液晶化合物を挟持させて、液晶層6を形成して液
晶状態にすると、傾斜面4を形成した部分と形成してい
ない部分で、分子配列が異なることにより反射色が異な
り、画像が表示される。
【0026】基板1は、通常、薄いガラス板などが使わ
れるが、金属板や、高分子フィルムなどの薄膜でもよ
い。また、二枚のうち一枚は少なくとも一部の光が透過
するような透明性が必要である。また、後に述べるよう
に加熱・冷却に光を使う場合には一方の基板が光を吸収
することが望ましい。
【0027】コレステリック液晶化合物を二枚の基板間
にはさむ方法としては、まずコレステリック液晶化合物
を溶融状態かもしくは液晶状態の温度に加熱し、一方の
基板上に流延し、その上にもう一方の基板をのせるか、
平行に保たれた二枚の基板間に減圧やキャピラリー現象
を利用して挿入する方法等がある。
【0028】基板間の間隔は特に限定されるものではな
いが数μmから100μm程度が望ましい。
【0029】液晶層6は、コレステリック液晶化合物を
含んでなるが、色素、酸化防止剤等の添加剤を含むこと
ができ、2色性の染料を含むことにより、可視部に反射
色を示さないコレステリック液晶化合物も使用すること
ができる。この場合、コレステリック液晶化合物の量は
90重量%以上であることが好ましい。
【0030】コレステリック液晶化合物としては、特に
限定されないが、液晶状態で、加熱温度に応じて発色
し、該温度から急冷することで該発色した状態を保持す
るもの(色を固定できる化合物)が好ましい。
【0031】この様なコレステリック液晶化合物を用い
た本発明の記録表示材料は、全体を液晶温度範囲まで加
熱し、ガラス転移温度以下へ急冷することで、基板の表
面状態に応じた画像を記録することができる。また、除
冷した場合は反射色を示さないので、画像は記録されな
いが、この状態から、再加熱して液晶状態にし、そこか
ら急冷すれば画像が表示され、同一画像の表示・非表示
が簡単にできる。
【0032】液晶温度範囲へ加熱する方法としては、サ
ーマルヘッド、加熱ロール、レーザー光線などあらゆる
方法が可能である。また、ガラス転移温度以下へ急冷す
るためには、全体を冷媒や冷却された雰囲気中に浸漬す
る方法や、冷却されたヘッドに接触させる方法等が採用
される。
【0033】液晶状態で、加熱温度に応じて発色し、該
温度から急冷することで該発色した状態を保持するコレ
ステリック液晶化合物としては、例えば、以下の〜
に示すような化合物が挙げられる。
【0034】二塩基酸ジコレステリルエステル 具体的には、下記一般式(I)で表される二塩基酸ジコ
レステリルエステルが挙げられる。 YO−CO(CH2o−R−(CH2pCO−OY……(I) (式中、Yはコレステロールからそれに結合する水酸基
を除いて得られるコレステロール残基を示し、Rは下記
(a)〜(k)に示すいずれかの基であり、o、pは、
それぞれ同一または異なって、1〜20の整数を示す。
また、下記(f)中、lは2〜20の整数を示す。)
【0035】
【化2】
【0036】分子量が2000以下でガラス転移温度
が35℃以上のコレステリック液晶性化合物。
【0037】この化合物の分子量は、好ましくは500
〜1500、更に好ましくは700〜1200であり、
ガラス転移温度は、好ましくは50℃以上、更に好まし
くは70〜110℃である。
【0038】特に好ましいコレステリック液晶性化合物
として、下記一般式(II)で表される化合物が挙げら
れる。 Z−O−CO−Q−CO−O−Z’・・・(II) (式中Z及びZ’は各々独立してコレステリル基、水素
原子又はアルキル基を、Qは炭素数2〜20の2価の炭
化水素基を表し、Z及びZ’の少なくともいずれか一方
はコレステリル基を表す)
【0039】前記2価の炭化水素基としては例えば下記
一般式(III)で表される基が挙げられる。 −(CH2)q−C≡C−C≡C−(CH2)r−・・・(III) (式中q及びrは各々独立して1以上の整数であり、但
しqとrとの合計は30を超えないものとする)
【0040】好ましい例として、10,12−ドコサジ
インジカルボン酸ジコレステリルエステル、エイコサン
ジカルボン酸ジコレステリルエステル、10,12−ペ
ンタコサジインジカルボン酸コレステリルエステル、ド
デカジカルボン酸ジコレステリルエステル、12,14
−ヘキサコサジインジカルボン酸ジコレステリルエステ
ル等が挙げられる。
【0041】少なくとも2種のコレステリルエステル
化合物よりなり、液晶状態で可視域以外に反射ピークを
有する、または液晶状態をとることのないコレステリル
エステル化合物を含む混合物。
【0042】かかる混合物は、コレステリルエステル化
合物単体が示す液晶温度範囲とは異なる温度範囲を示
し、固定される反射波長の領域も異なるものとなり、混
合する化合物、混合割合を適宜設定することで、液晶温
度範囲、固定される反射波長の領域を任意に制御でき
る。その結果、化合物単体よりも低い温度での色の固定
も可能となる。また、色を固定できない化合物同士の混
合物の場合にも、単体が示す液晶温度範囲とは異なる温
度範囲を示し、固定される反射波長の領域も異なるもの
となった結果、色を固定できるようになる。
【0043】混合物としては、ジコレステリルエステル
化合物同士の混合物、ジコレステリルエステル化合物と
モノコレステリルエステル化合物の混合物等が挙げら
れ、色を固定できる化合物と色を固定できない化合物の
混合物、色を固定できない化合物同士の混合物のいずれ
でもよいが、色を固定できない化合物以外の化合物の少
なくとも1種は、液晶状態で、加熱温度に応じて発色
し、該温度から急冷することで該発色した状態を保持す
る、即ち色を固定する化合物であることが好ましい。
【0044】ジコレステリルエステル化合物としては、
特に限定されないが、例えば、二塩基酸ジコレステリル
エステルが挙げられ、具体的には下記一般式(IV)で
表される二塩基酸ジコレステリルエステルが挙げられ、
sが奇数の場合は色を固定できる化合物、sが偶数の場
合は色を固定できない化合物である。 YO−CO(CH2)s−O−R’−O−(CH2)sCO−OY・・・(IV) (式中、Yはコレステリル基を示し、R’はp−フェニ
レン又は4,4’−ビフェニレンを示し、sは1〜20
の数を示す)
【0045】またモノコレステリルエステル化合物とし
ては、下記一般式(V)で表される化合物が挙げられ
る。これは、色を固定できない、或いは殆ど固定できな
い化合物である。 YO−CO(CH2)t−O−R’−OH・・・(V) (式中、Yはコレステリル基を示し、R’はp−フェニ
レン又は4,4’−ビフェニレンを示し、tは1〜20
の数を示す)
【0046】これらの内でも、一般式(IV)で表され
る二塩基酸ジコレステリルエステル同士の混合物、即ち
色を固定できる化合物と色を固定できない化合物との混
合物、一般式(IV)で表される二塩基酸ジコレステリ
ルエステルのうち色を固定できる化合物と一般式(V)
で表されるモノコレステリルエステルとの混合物が好ま
しい。
【0047】混合割合としては特に限定されないが、2
種の化合物を混合する場合には、両者の重量比が1:
0.8〜1.2であることが好ましい。また、色を固定
できる化合物を20重量%以上、より好ましくは40重
量%〜60重量%含有させることが好ましい。このよう
な混合割合とすることにより、液晶温度範囲、反射波長
域を広く取ることができる。
【0048】混合方法としては、従来公知の方法を使用
することができ、例えば混合しようとする化合物を、塩
化メチレン等のこれらを溶解する溶媒に溶解し、溶媒分
を留去した後に、真空乾燥することにより粉末状の混合
物を得ることができる。
【0049】分子間水素結合が可能な基を少なくとも
一つ有し、ステロイド骨格を有する基、炭素数3〜20
のアルキレン基を有する超構造物質を含有するコレステ
リック液晶。
【0050】ここで、超構造物質とは、超分子構造を取
るタイプの化合物、すなわち、分子間に働く弱い力の相
互作用、具体的には水素結合により、幾何学的な秩序を
有する構造を持った集合体を形成(自己組織化、自己集
積化)する物質である。
【0051】分子間水素結合が可能な基としては、特に
限定されないが、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシ
ル基、アミド基、アミノ基、イミノ基、ニトリロ基、窒
素を有する複素環基、例えば、ピリジル基、イミダゾリ
ル基、アミノピリジル基、ウラシル基などが挙げられ
る。
【0052】また、形成される分子間水素結合として
は、特に限定されないが、カルボキシル基同士、ヒドロ
キシル基同士、アミド基同士、カルボキシル基とピリジ
ル基等の窒素を有する複素環基、ヒドロキシル基とピリ
ジル基等の窒素を有する複素環基、カルボキシル基とニ
トリロ基、ジアミノピリジル基とウラシル基により形成
される分子間水素結合が挙げられる。
【0053】また、ステロイド骨格を有する基として
は、特に限定されないが、コレステロールからそれに結
合する水酸基を除いて得られるコレステロール残基、ジ
ヒドロコレステロールからそれに結合する水酸基を除い
て得られるジヒドロコレステロール残基、コール酸から
それに結合する水酸基を除いて得られるコール酸残基、
β−シトステロールからそれに結合する水酸基を除いて
得られるβ−シトステロール残基、α−スピナステロー
ルからそれに結合する水酸基を除いて得られるα−スピ
ナステロール残基等が挙げられ、これらのうちでも様々
な色を呈することが可能であるため、コレステロール残
基、ジヒドロコレステロール残基が好ましい。
【0054】また、アルキレン基の炭素数は3〜20、
好ましくは3〜11である。炭素数が20を越えると、
超構造の液晶状態での粘性が増加して温度変化への応答
が遅くなるおそれがあり、炭素数が3未満では超構造の
液晶状態からの急冷操作によるコレステリック反射色の
固定化が難しいので好ましくない。
【0055】超構造物質の分子量は、好ましくは385
〜900、より好ましくは500〜800である。分子
量が900を越えると超構造の液晶状態での粘性が増加
して温度変化への応答が遅くなるおそれがあり、分子量
が385未満では超構造の液晶状態からの急冷操作によ
るコレステリック反射色の固定化が難しいおそれがあ
る。
【0056】超構造物質として具体的には、以下に示す
コレステリルエステル化合物が挙げられる。
【0057】
【化3】
【0058】
【化4】
【0059】(式中、Yはコレステロールからそれに結
合する水酸基を除いて得られるコレステロール残基を示
し、nは3〜20の整数を示す。また、Xは、−OH,
−Me,−OMe,−NO2,−Cl,−Br,−I,
−CNを示し、mは0〜2の整数を示し、m=2の場合
には、同一の置換基でも異なる置換基でもよい。)
【0060】コレステリック液晶の具体例としては、上
記一般式(1)〜(1”)で示される化合物同士、上記
一般式(2)〜(2”)で示される化合物同士、上記一
般式(3)で示されnが偶数である化合物同士またはn
が偶数と奇数の組み合わせにより形成される超分子化合
物が挙げられ、炭素数nが同じもの単独でもよいし、炭
素数nが異なるものを組み合わせてもよい。後者の場合
には、炭素数n、混合比率を適宜設定することにより、
液晶温度、固定できる波長域を調整することができる。
【0061】また、上記一般式(1)〜(4)の何れか
で示される化合物と上記一般式(5)〜(5”)の何れ
かでで示される化合物との組み合わせ、上記一般式
(1)〜(4)の何れかで示される化合物と4,4’−
ビピリジルとの組み合わせ、上記一般式(5)〜
(5”)の何れかでで示される化合物とテレフタル酸と
の組み合わせにより形成される超分子化合物が挙げられ
る。これらの場合には、両者の混合比率を適宜設定する
ことにより、液晶温度、固定できる波長域を調整するこ
とができる。両者の混合比は特に限定されないが、水素
供与部と水素受容部が1:2〜2:1となるモル比で混
合することがが好ましい。
【0062】本発明の記録表示材料は、例えば、カー
ド、ラベル、チケット等として用いることができ、反射
色を出さない状態で潜像画像としておけば、熱を加える
ことで、偽造防止や真贋判定などにも応用できる。
【0063】また、必要に応じ、保護層、裏面層等を更
に設けてもよい。例えば、ラベルの場合、記録表示材料
の裏面に接着剤層を介して台紙が設けられる。磁気チケ
ットの場合、上記台紙に代えて、バインダーと強磁性紛
体からなる磁気記録層が設けられる。
【0064】
【発明の効果】以上説明のように、本発明によれば、基
板の表面状態に応じて、特定の色又はフルカラーによる
画像を表示することができる。特に、液晶状態で、加熱
温度に応じて発色し、該温度から急冷することで該発色
した状態を保持するコレステリック液晶化合物を用いた
場合には、全体を加熱・急冷するだけで、同じ画像の表
示・非表示の繰り返しが可能であるし、反射色を出さな
い状態で潜像画像としておけば、熱を加えることで、偽
造防止や真贋判定などにも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板の表面状態に応じて、コレステリック液晶
化合物の分子配列が異なる状態を説明する模式図であ
る。
【図2】配向処理を施した基板を用いて画像を表示して
いる状態の一例を示す模式図である。
【図3】傾斜面を形成した基板を用いた場合の一例を示
す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 液晶分子 3 配向処理 4 傾斜面 5 隔壁 6 液晶層

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明な部分を有する二
    枚の基板間に、コレステリック液晶化合物を挟持してな
    る記録表示材料であって、少なくとも一方の基板の表面
    状態に応じて画像を表示することを特徴とする記録表示
    材料。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方の基板の表面状態に応じ
    て、コレステリック液晶化合物の分子配列が異なること
    により画像を表示することを特徴とする請求項1に記載
    の記録表示材料。
  3. 【請求項3】 基板への配向処理の有無、または配向処
    理の違いによって、コレステリック液晶化合物の分子配
    列が異なることを特徴とする請求項2に記載の記録表示
    材料。
  4. 【請求項4】 基板上の傾斜面の有無、または該傾斜面
    の傾斜角度の違いによって、コレステリック液晶化合物
    の分子配列が異なることを特徴とする請求項2に記載の
    記録表示材料。
  5. 【請求項5】 前記コレステリック液晶化合物が、液晶
    状態で、加熱温度に応じて発色し、該温度から急冷する
    ことで該発色した状態を保持するコレステリック液晶化
    合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の記録表示材料。
  6. 【請求項6】 前記コレステリック液晶化合物が、二塩
    基酸ジコレステリルエステルであることを特徴とする請
    求項5に記載の記録表示材料。
  7. 【請求項7】 前記二塩基酸ジコレステリルエステル
    が、下記一般式(I)で表されることを特徴とする請求
    項6に記載の記録表示材料。 YO−CO(CH2o−R−(CH2pCO−OY……(I) (式中、Yはコレステロールからそれに結合する水酸基
    を除いて得られるコレステロール残基を示し、Rは下記
    (a)〜(k)に示すいずれかの基であり、o、pは、
    それぞれ同一または異なって、1〜20の整数を示す。
    また、下記(f)中、lは2〜20の整数を示す。) 【化1】
  8. 【請求項8】 前記コレステリック液晶化合物が、分子
    量が2000以下でガラス転移温度が35℃以上のコレ
    ステリック液晶性化合物であることを特徴とする請求項
    5に記載の記録表示材料。
  9. 【請求項9】 前記コレステリック液晶性化合物が、下
    記一般式(II)で表される化合物であることを特徴と
    する請求項8に記載の記録表示材料。 Z−O−CO−Q−CO−O−Z’・・・(II) (式中Z及びZ’は各々独立してコレステリル基、水素
    原子又はアルキル基を、Qは炭素数2〜20の2価の炭
    化水素基を表し、Z及びZ’の少なくともいずれか一方
    はコレステリル基を表す。)
  10. 【請求項10】 前記2価の炭化水素基が、下記一般式
    (III)で表される基であることを特徴とする請求項
    9に記載の記録表示材料。 −(CH2)q−C≡C−C≡C−(CH2)r−・・・(III) (式中q及びrは各々独立して1以上の整数であり、但
    しqとrとの合計は30を超えないものとする)
  11. 【請求項11】 前記コレステリック液晶化合物が、少
    なくとも2種のコレステリルエステル化合物よりなり、
    液晶状態で可視域以外に反射ピークを有する、または液
    晶状態をとることのないコレステリルエステル化合物を
    含む混合物であることを特徴とする請求項5に記載の記
    録表示材料。
  12. 【請求項12】 前記液晶状態で可視域以外に反射ピー
    クを有する、または液晶状態をとることのないコレステ
    リルエステル化合物以外のコレステリルエステル化合物
    の少なくとも1種が、液晶状態で、加熱温度に応じて発
    色し、該温度から急冷することで該発色した状態を保持
    する化合物であることを特徴とする請求項11に記載の
    記録表示材料。
  13. 【請求項13】 前記混合物が、ジコレステリルエステ
    ル化合物の混合物であることを特徴とする請求項11ま
    たは12に記載の記録表示材料。
  14. 【請求項14】 前記混合物が、ジコレステリルエステ
    ル化合物とモノコレステリルエステル化合物の混合物で
    あることを特徴とする請求項11または12に記載の記
    録表示材料。
  15. 【請求項15】 前記コレステリック液晶化合物が、分
    子間水素結合が可能な基を少なくとも一つ有し、ステロ
    イド骨格を有する基、炭素数3〜20のアルキレン基を
    有する超構造物質を含有するコレステリック液晶である
    ことを特徴とする請求項5に記載の記録表示材料。
  16. 【請求項16】 分子間水素結合が可能な基がカルボキ
    シル基であり、カルボキシル基同士で分子間水素結合を
    形成していることを特徴とする請求項15に記載の記録
    表示材料。
  17. 【請求項17】 分子間水素結合が可能な基がカルボキ
    シル基及び窒素を有する複素環基であり、両者間で分子
    間水素結合を形成していることを特徴とする請求項16
    に記載の記録表示材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016002691A1 (ja) * 2014-06-30 2016-01-07 日産化学工業株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP2018070836A (ja) * 2016-11-02 2018-05-10 コニカミノルタ株式会社 複合樹脂

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