JP2003075390A - 電気化学用電極及びこれを用いるセンサー - Google Patents
電気化学用電極及びこれを用いるセンサーInfo
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Abstract
かったり、他の成分により影響されたりして実用的なO
2 -測定用として使用できなかった。本発明は、他の成分
が共存しても該成分に影響されることなくO2 -濃度測定
ができる電極及びセンサーを提供する。 【解決手段】 導電性部材9の表面に金下地層10及びチ
オール基を有する有機化合物薄層を介して鉄−SOD又
はマンガン−SOD12を被覆した電極及びこれを使用す
るセンサー。鉄−SOD又はマンガン−SODは他の金
属−SODと比較して約5倍の感度を有し、低濃度のO2
-であってもその濃度測定を正確かつ迅速に行える。
Description
びこれを使用する濃度測定用センサーに関し、特に生体
内の活性酸素であるスーパーオキシドイオン(O2 -)の
濃度やこのスーパーオキシドイオンの分解酵素であるス
ーパーオキシドジスムターゼ(SuperoxideDismutase、
以下SODという)の濃度測定用電気化学的電極及びこ
の電極を使用するスーパーオキシドイオン濃度及び/又
はSODの濃度測定用センサーに関し、より詳細には生
体内にインビボ(in vivo)に適用できるほど微小化が可
能なスーパーオキシドイオンやSODの濃度測定用電極
及び濃度測定用センサーに関する。
の合成、殺菌作用、老化現像などに関連して重要な役割
を有している。この活性酸素種は生体内ではキサンチン
酸化酵素(XOD)によるキサンチン及びヒポキサンチ
ンなどの尿酸への酸化、酸素のヘモグロビンによる還元
などにより生成する。活性酸素種の一種であるスーパー
オキシドイオン(O2 -)の生体内での濃度測定は各種疾
患の特定などのために重要である。従来インビトロ(in
vitro、体外) で、チトクロムC(3価、Fe3+)の
スーパーオキシドイオンによる還元反応(式)により
生ずるチトクロムC(2価)の550 nmの光吸収量を測定
することにより前記スーパーオキシドイオンの定量、及
びこれを応用するSODの濃度測定が試みられている。
SODの濃度測定はSODが活性であると式の反応が
進行せず、チトクロームC(2価)が生成しないことを
利用する。しかし、O2 -との反応特異性が十分でないこ
と、及び反応が遅くかつ操作が煩雑であるという問題が
あった。 cyt c (3価)+ O2 - → cyt c (2価)+ O2
ウム)の還元、TNM(テトラニトロメタン)の還元、
アドレナリンの酸化、ウミホタルルシフェリン誘導体
(MCLA, Cypridina luciferin analog, 2-methyl-6-[p-
methoxyphenol]-3,7,dihydroimidazo-[1,2-a] pyrazin
e-3-one), 又はCLA (2-methyl-6-phenyl-3,7,dihydroim
idazo-[1,2-a] pyrazine-3-one)) へのO2 -の付加物の
発光等を利用してスーパーオキシドイオンの濃度測定が
試みられているが、いずれもインビトロでの分光学的手
法である。
とも従来から試みられている。Cooperらは、金や白金の
表面をN−アセチルシステインで修飾し、その上にSO
DやチトクロムCなどの蛋白質をS−Au結合させた酵
素電極を作製し、チトクロムC(3価)のスーパーオキ
シドイオンによる還元で生じたチトクロムC(2価)を
該チトクロムC(2価)が酸化されうる(式)程度に
酵素電極の電位を保ち、これにより得られる酸化電流か
らスーパーオキシドイオンの濃度を測定する方法を提案
している [J. Electroanal. Chem., 347, 267-275(199
3)]。更にこの方法では間接的にSOD濃度を測定でき
る。 cyt c (2価)→ cyt c (3価)+ e
応速度が遅いため(約105M-1s-1) 、チトクロムCとO
2 -との反応を用いるこの方法は実用的でなく、又この式
の反応はスーパーオキシドイオンに特有のものでな
く、生体内の他の還元種でも還元されてスーパーオキシ
ドイオン独自の電流以上の電流が流れるため、発生する
電流とスーパーオキシドイオンとが正確に対応せず、間
接的に測定されるSODに関しても同様であるという問
題点がある。
測定方法では、SODを測定液に溶かし、式のように
測定対象であるスーパーオキシドイオンの還元反応(S
ODによる分解)により生成する過酸化水素を、該過酸
化水素が酸化分解されうる程度の電極電位に保ち(0.32
V以上)、式に示すような反応で分解させこの際に生
ずる酸化電流を測定しその測定値からスーパーオキシド
イオンの濃度を判定している〔C.J.McNeil et al., Fre
e Rad. Res. Comms., 17, 399-406(1992)]。 2O2 - + 2H+ → H2O2 + O2 H2O2 → O2+ 2H+ + 2e
〜105M-1s-1)ため、電流と濃度の対応関係は良好で
あるが、過酸化水素の濃度測定による間接的な濃度測定
となるため、例えば過酸化水素が他の生体内部位で生産
され安定に血液中に存在している場合にはスーパーオキ
シドイオンに起因しない過酸化水素の濃度分だけ濃度が
増加するため、不正確な濃度測定法になってしまうとい
う欠点がある。本発明は、O2 -濃度の検出や分解に使用
できる電気化学的電極と、該電極を使用して、高速検出
と過酸化水素等の併存物質に影響されない高精度検出を
可能にするO2 -濃度測定用センサーを提供すること、特
にインビボで安全かつ高精度で迅速にO2 -濃度を検出で
きる電気化学的電極と、O2 -濃度測定用センサーを提供
することを目的とする。
及び該導電性部材表面に薄膜状に形成したSODを含ん
で成る電気化学用電極において、該SODが鉄SOD及
び/又はマンガンSODであることを特徴とする電気化
学用電極である。更に本発明は、請求項1又は2に記載
の電気化学用電極と、対極及び参照極を、スーパーオキ
シドイオンを含有する対象溶液に浸漬し、スーパーオキ
シドイオンの酸化又は還元による電流を検出することに
より、スーパーオキシドイオン濃度を測定することを特
徴とする濃度測定用センサーである。
主としてSODを有する電極のスーパーオキシドイオン
に対する特異性を利用して、スーパーオキシドイオンの
濃度測定を行うことを意図している。そして本発明の電
極やセンサーはインビボ(in vivo 、生体内)への適用
が可能である。又本発明は、チオール基を含む有機化合
物とSODの相互作用による結合を利用してSOD濃度
を測定することもできる。そして本発明では前記SOD
が鉄SOD又はマンガンSODであることを特徴とす
る。SODのレドックス系は異なるが、生物や臓器の種
類に応じて現在までに、銅−亜鉛−SOD、マンガン−
SOD、鉄−SOD、鉄−亜鉛−SOD、EC(細胞
外)銅含有−SODなどが知られている。これらのSO
DのO2 -のH2O2及びO2への分解機構を検討したとこ
ろ、SOD中に含まれる酸化還元中心となる金属イオン
として、Fe(2+)/Fe(3+)あるいはMn(2
+)/Mn(3+)を有する鉄SODあるいはマンガン
SODでは、他のSODより反応速度が増大し、センサ
ー感度を5倍程度向上させることができた。SODは百
以上のアミノ酸が配列した分子量39500の物質であり、
SODの表面の一部には、上縁(入口)側が200〜300n
m、底部(奥部)が40nm程度の孔が存在する。SOD
の反応部位はこの孔の底部に位置し、孔内面にはカチオ
ン基が密集している。従って例えば血液中の成分のうち
アニオンのみが選択的に前記孔内を移動でき、しかもス
ーパーオキシドイオンのような小さいアニオンのみが前
記反応部位に到達でき、スーパーオキシドイオンの選択
特異的な分解反応(特に不均化反応といわれる)が起こ
ると考えられている。分解生成物である酸素と過酸化水
素は反応部位から放出される。従ってO2 -由来の電流の
みを検出して正確な濃度測定を行える。
素と過酸化水素への分解機構は、それに含まれる金属イ
オンである鉄及びマンガンが寄与していると考えられて
いる。つまりSODのM(3価)はO2 -と反応して自身
がM(2価)に還元されてO 2を放出し(式)、更に
O2 -が存在するとM(2価)はO2 -と反応して自身がM
(3価)に酸化されるとともにH+及びO2 -と反応して
H2O2を生成する(式)。 M3+ + O2 - → M2++ O2 M2+ + 2H+ + O2 - → M3+ + H2O2 溶液中にSODが存在し、これにO2 -が接触すると、M
3+−M2+対による式で示した酸化還元反応(メディエー
ション反応)が進行する。この状況を図1に示した。
る。SODを有する電極を、そのSOD中のM3+が安定
でかつO2 -が不安定な電位範囲に維持すると、陽極に到
達したO2 -は式に従って酸化されて酸素となりM 3+は
M2+となる。生成したM2+はO2 -から奪った電子を陽極
に与えて図2に示す通り再びM3+となる。このときの酸
化電流を測定すると、O2 -の濃度を知ることができる。
他方SODを有する電極を、そのSOD中のM2+が安定
でO2 -が不安定で更に過酸化水素が安定な電位範囲に維
持すると、陰極に到達したO2 -は式に従って還元され
て過酸化水素となり、M2+はMn3+になる。生成したM
n3+はO2 -に移った電子を補うため陰極から電子を奪っ
て再びM2+となる。この様子を図3に示した。
元反応で消費されるスーパーオキシドイオンの総量に比
例するため、予め流れる電流とスーパーオキシドイオン
の濃度の関係を求めておけば、電流値からスーパーオキ
シドイオンの濃度を測定できる。本発明の導電性部材表
面に薄膜状にSODを形成した電極では、酸化還元反応
に寄与するM2+及びM3+(Mは鉄又はマンガン)がSO
Dの細孔内深い箇所に存在し、スーパーオキシドイオン
とは反応するが過酸化水素とは反応しないという特質を
有するため、この酸化還元系とは別個に生体内に過酸化
水素が安定に存在してもこの過酸化水素が前記M2+及び
M3+と接触してこれに起因する電流が流れることがな
く、スーパーオキシドイオン濃度の正確な測定が可能に
なる。
面と前記SOD薄膜間に、導電性部材側から、金の下地
層及びその上にチオール基を含む有機化合物の薄膜を形
成した修飾電極を構成しても良く、前記チオール基とS
ODの相互作用による結合を利用してSOD濃度を測定
することもできる。
導電性があり安定であれば限定されず、例えばカーボ
ン、チタン、ニッケル、鉄あるいはそれらの酸化物を使
用することができ、SOD測定用電極の場合は該導電性
部材の表面は前述した通り金で被覆されて金下地層とし
て存在することが特に望ましい。金は熱分解法、樹脂に
よる固着法、蒸着法、電気めっき法、無電解めっき法等
により、10〜100 g/m2となるように形成させる。チ
オール成分を溶解させた水又は有機溶媒(例えばメタノ
ールやアセトン)に金下地層を形成した導電性部材を浸
漬し、取り出し乾燥することにより容易に形成できる。
乾燥しても金下地層に固着しなかったチオール成分は有
機溶媒のみの溶液に浸漬することにより容易に溶解除去
できる。なお金下地層を形成する代わりに導電性部材と
して金を使用しても良い。このような金下地層とチオー
ル基を有する有機化合物の薄層を形成する理由は、金下
地層とチオール基の硫黄との間に強固なAu−S結合を
形成するとともに、有機化合物の有する親油性、親水性
等により該有機化合物とSODの間にも強い相互作用を
生じさせるためである。但し導電性部材の表面に直接S
ODの薄層を形成しても良い。
次の化合物を例示できる。チオフェノール(C6H5−S
H)、4−アミノチオフェノール(p−H2N−C6H4
−SH)、4−メルカプトピリジン(p−C5H4NS
H)、ビス(4−ピリジル)ジスルフィド(p−C5H4
N−S−S−C5H4N−p)、メチオニン〔CH3−S
−CH2−CH2−CH(NH2)COOH〕、p−チオ
クレゾール(p−HS−C6H4−CH3)、2−メルカ
プトピリミジン(C4N2H3−SH)、ブタンチオール
(C3H7−SH)、2−アミノエタンチオール(HS−
CH2CH2NH2)、シスチン〔HOOC−CH(N
H2)−CH2−S−S−CH2−CH(NH2)−COO
H〕、システイン〔HS−CH2−CH(COOH)−
NH2〕、イソシステイン〔H2N−CH2−CH(S
H)−COOH〕、N−アセチルシステアミン(HS−
CH2−CH2−NH−COCH3)、N−アセチルシス
テイン〔HS−CH2−CH(COOH)−NH−CO
CH3〕、システイニルグリシン〔HS−CH2−CH
(NH2)−CO−NH−CH2−COOH〕、α−ホモ
システイン〔HS−CH2−CH2CH(NH2)−CO
OH〕、β−ホモシステイン〔HS−CH2−CH(N
H2)−CH2−COOH〕、α−メチルシステイン〔H
S−CH2−C(NH2)(CH3)−COOH〕、3−
メルカプトプロピオン酸(HS−CH2−CH2−COO
H)、メルカプト酢酸(HS−CH2−COOH)。
の薄層を形成した導電性部材を好ましくは水洗した後
に、SODの薄層を形成する。該薄層は、例えばSOD
の水溶液あるいはSODを溶解したEDC(水溶性カル
ボジイミドである1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド)溶液に前記チオール修飾
導電性部材を1時間から1日程度浸漬し、固着されなか
った分をリン酸緩衝液(pH7)で十分に浸漬して除去
して作製でき、該薄層を形成することにより特に濃度測
定用として好ましく使用できる電気化学用電極が完成す
る。この濃度測定用電極を実際に濃度測定に使用する際
には対極が必要で、該対極は生体内に入ることが多いた
め、安全性の高い材料(例えば白金、チタン及びカーボ
ン等)で構成することが好ましい。
化銀、水銀/塩化第二水銀が用いられるが、固体の基準
電極を用いることもできる。電位を好ましい範囲に維持
する際に検出限界濃度を向上させる目的で電位のパルス
を与えることも好ましい。微小電極の場合、あるいは複
数個の電極から構成される構造の場合は、濃度に対して
一定の拡散電流が観察されることを利用しても良い。こ
れらの工夫により流速の影響を排除できる。
濃度測定用電極を有する濃度測定装置及び濃度測定用セ
ンサーの一実施形態を説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。図4は、本発明のスーパーオキシ
ドイオン濃度測定用装置の一実施形態を示す概略断面
図、図5は図4の濃度測定用電極の拡大断面図である。
図4において、濃度測定用装置1は、試料室2及び該試
料室2に、スーパーオキシドイオンが溶解した試料溶液
が供給される試料供給管3及び濃度測定後の試料溶液が
排出される排出管4から成っている。試料室2内の試料
溶液5中には濃度測定用電極6、カーボン製対極7及び
基準電極8が浸漬されている。
に、カーボンやチタンからなる導電性部材9、該導電性
部材9上に被覆された金下地層10、該金下地層10の金原
子に結合したチオール基を有する有機化合物11及び該有
機化合物11と相互作用するスーパーオキシドイオン分解
酵素(スーパーオキシドジムスターゼ、SOD)12から
成っている。このような構成から成る装置1の試料室2
にスーパーオキシドイオンが溶解した試料溶液5を試料
供給管3を通して供給すると、濃度測定用電極6のSO
D12中のマンガン及び/又は鉄がMn2+又はFe2+であ
れば前述のように自身がMn 3+又はFe3+に酸化される
とともにスーパーオキシドイオンを還元して過酸化水素
を生成する。
極8を利用して測定すると、試料室2に供給された試料
溶液5中に溶解しているスーパーオキシドイオン濃度を
検出することができる。更に前記濃度測定用電極6に担
持されたSOD12のマンガンイオン又は鉄イオンは過酸
化水素とは接触しにくく過酸化水素が存在しても該過酸
化水素に起因する酸化電流が流れることは殆どなく、従
来と異なり正確な濃度測定ができる。ここに例示したス
ーパーオキシドイオンとは異なりスーパーオキシドイオ
ン分解酵素の濃度を測定する場合には、図5においてS
OD12が結合していない電極を使用する。
実施形態を示す概略断面図である。濃度測定用センサー
21は円筒状本体の下端部を縮径した中空状の形状を有
し、この縮径部に作用極22が充填され、該作用極22への
導線23がセンサー21の側壁に沿って配設されている。前
記作用極22の上方には、離間して対極24と基準極25が配
設され、それぞれ導線26、27によりセンサー本体の基部
に嵌合されたストッパ28を通って外部に導かれている。
このような構成から成るセンサー21は、人体の要所に挿
入され、図4及び5で説明した原理によりスーパーオキ
シドイオン及び/又はSODの濃度測定が行われる。
る濃度測定の実施例及び比較例を記載するが、これらは
本発明を限定するものではない。実施例1 電極直径1.6 mmの金線の先端を電極とし、側面部位はシ
ールした。更に表面を研磨し、水中で超音波洗浄した
後、硫酸中で電気化学的に酸化還元し活性処理を行って
電極cとした。メルカプトプロピオン酸を1mM溶解し
た溶液に前記電極cを10分間浸漬し、メルカプトプロピ
オン酸の修飾層を形成した。前記溶液から取り出した電
極cを純水に浸漬して電極cに固着されなかったメルカ
プトプロピオン酸を除去して電極aとした。
酵素活性3000〜6000U/mg−蛋白質]が500U/mlの濃
度になるように、5mMリン酸緩衝液(pH7)に溶解
し、この緩衝液に前記電極aを浸漬し、かつ取り出し後
に乾燥して電極bとした。電極a、b及びcのそれぞれ
を別個に、鉄−SODを含まない5mMリン酸緩衝液
(pH7)に入れ、対極を白金線、基準電極を銀/塩化
銀とし、該対極及び基準電極を前記電極a、b又はcに
近接させてセンサーを構成した。前記各電極a、b又は
cを有する各センサーに対し100mV/秒の走査速度で電
流電位測定を行った。該測定の結果(電流電位応答性)
を図7のグラフにそれぞれ曲線a、b又はcで示した。
の酸化還元に相当する電流ピークが可逆的に観察され、
SODがメルカプトプロピオン酸の修飾層の上に固定さ
れていることが示された。図8に、2mMのO2 -を含む
5mMリン酸緩衝液(pH7)での前記電極a、b及び
cの電流電位応答曲線を示した。電極bではO2 -の酸素
への酸化分解に対応する酸化電流の増大が0.2V付近で
見られたが、電極a及びcでは、これに対応する電流が
全く観察されなかった。一方、電極bでは、0.1V付近
にO2 -の還元分解に対応する電流が見られたが、電極a
及びcではこれに対応する電流は全く観察されなかっ
た。
電極b、対極及び基準電極を有する図4の装置に6ml/
分の速度で供給し、電極電位を−0.05V及び0.3Vに固
定し、そのときに観察される鉄−SOD濃度に対する定
常電流値をそれぞれ図9a及び図9bに示した。両図か
ら、鉄−SOD濃度と定常電流値は直線関係にあること
が分かった。
製、S5639、酵素活性2500〜5000U/mg−蛋白質]を用
いたこと以外は、実施例1と同様にして電極b(マンガ
ン−SODを結合した電極)を作製した。この電極bの
電流電位応答曲線性を図10に示した。図10から、0.1V
及び0.2V付近にSODの酸化還元に相当する電流ピー
クが可逆的に観察され、SODがメルカプトプロピオン
酸の修飾層の上に固定されていることが示された。O2 -
が存在すると酸素への酸化分解に対応する電流の増大が
0.2V付近に見られ、又0.1V付近では還元分解に対応す
る電流が見られたが、O2 -が存在しないときには、マン
ガン−SODそのものの酸化還元電流だけが観察され
た。
の上にチトクロムCをS−Au結合で担持させて酵素電
極とした。この電極を使用して実施例1と同一条件で電
流を観察したところ、O2 -の分解に対応する電流が見ら
れた。しかし過酸化水素を共存させたところ、電流が増
加しO2 -の定量は不可能であった。
材表面に薄膜状に形成したSODを含んで成る電気化学
用電極において、該SODが鉄SOD及び/又はマンガ
ンSODであることを特徴とする電気化学用電極であ
る。本発明の濃度測定用電極の導電性部材上に形成した
SODは、O2 -のみを選択的に酸化して酸素ガスを発生
し又は還元して過酸化水素を生成し、過酸化水素及び酸
素に対しては不活性である。従ってO2 -を含む溶液中に
前記電極を浸漬すると、過酸化水素及び酸素の存否に影
響されることなく、O2 -のみに対応する酸化又は還元電
流が流れる。この電流値を測定することにより、前記溶
液中の正確なO2 -濃度が検出できる。又生体内で安定で
ありかつ反応速度が速いため、インビボで好適に使用で
きる。そして本発明の鉄SOD及び/又はマンガンSO
Dは他の金属−SODより5倍程度の感度で電流検出が
でき、センサーとして使用する場合の機能信頼性が向上
する。又カーボンやチタン製である導電性部材表面に、
チオール基を含む有機化合物を薄膜状に修飾した金下地
層を形成しても良く、この金下地層は導電性部材とSO
DをS−Au結合を介して強固に結び付け、O2 -測定の
正確性を向上させる。
用するO2 -の酸化還元サイクルを示す説明図。
略断面図。
す概略断面図。
衝液中での電流電位応答性を示すグラフ。
含む5mMリン酸緩衝液中での電流電位応答性を示すグ
ラフ。
電位を−0.05V及び0.3Vに固定したときに観察される
鉄−SOD濃度に対する定常電流値を示すグラフ。
フ。
Claims (3)
- 【請求項1】 導電性部材、及び該導電性部材表面に薄
膜状に形成したスーパーオキシドジムスターゼを含んで
成る電気化学用電極において、該スーパーオキシドジム
スターゼが鉄スーパーオキシドジムスターゼ及び/又は
マンガンスーパーオキシドジムスターゼであることを特
徴とする電気化学用電極。 - 【請求項2】 導電性部材表面に、その表面をチオール
基を含む有機化合物で薄膜状に修飾した金下地層を有す
る請求項1に記載の電気化学用電極。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電気化学用電極
と、対極及び基準電極を、スーパーオキシドイオンを含
有する対象溶液に浸漬し、スーパーオキシドイオンの酸
化又は還元による電流を検出することにより、スーパー
オキシドイオン濃度を測定することを特徴とする濃度測
定用センサー。
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