JP2003075221A - 超音波流量計 - Google Patents

超音波流量計

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JP2003075221A JP2001270103A JP2001270103A JP2003075221A JP 2003075221 A JP2003075221 A JP 2003075221A JP 2001270103 A JP2001270103 A JP 2001270103A JP 2001270103 A JP2001270103 A JP 2001270103A JP 2003075221 A JP2003075221 A JP 2003075221A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低圧損で高精度の小型流量計を提供するこ
と。 【解決手段】 流体不連続部3に近接して流量計測部4
を構成するとともに、シングアラウンド法で流体流速を
計測する。これによって、低圧損で高精度の小型流量計
を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体の流量を計測
する超音波流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の流量計101は、図5に
示すような構成であった。図5は、断面図を示し、液体
あるいは気体などの流体が流れる流路102内で、かつ
流体不連続部103から下流側の充分離れた部分に、計
測部分104を設け、上流側と下流側とに一対の超音波
変換器105、106を流体を介し、対向して設置する
構成としていた。そしてこの一対の超音波変換器10
5、106間を伝搬する超音波の伝搬時間から流体の流
速を計測し、流量を演算し、流量計としていた。なお、
図中の片矢印107(実線)は流体の流れる方向を示
し、両矢印108(破線)は超音波の伝搬する方向を示
している。また、109は計測部分104の下流側に設
けられた流体不連続部分を示す。なお、流体の流れる方
向と、超音波の伝搬する方向とは角θで交叉し、流体不
連続部は流体の曲がり部あるいは流体の整流部などで構
成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような構成の従来
の流量計101では、高精度の計測をするために、空間
的、時間的に安定な流体を実現するために、曲がり管等
が設けられる流体の曲がり部あるいは流体の整流部など
で構成されている流体不連続部103から下流側に充分
離れた部分に計測部分104を設けていた。例えば、流
体不連続部分103が流路の曲がり部で構成されている
場合には、流路の等価直径Dh(通常、水力直径といわ
れる)の50倍以上の距離、また、曲がり部がメッシュ
や格子などの整流部で構成されている場合でも、流路の
等価直径Dhの10倍以上の距離を、離す構成としてい
た。このため、圧力損失が大きくなり、小型コンパクト
に構成できないという課題を有していた。また、時間
的、空間的に不安定な流体を計測するため、多数回の計
測を繰り返し、統計的な処理が必要となる場合もあり、
信号処理が非常に煩雑になるという課題も有していた。
【0004】本発明は、前記従来の課題を解決するもの
で、圧力損失が小さく、小型コンパクトな構成を可能と
する高精度な超音波流量計を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、本発明の超音波流量計は、流路の流体不連続
部の下流側に近接して一対の超音波変換器を上流側およ
び下流側に相対向して設置し、前記超音波変換器間の超
音波伝搬時間をシングアラウンド法で計測する構成とし
た。この構成により、流体の流れが時間的・空間的に不
安定であっても高精度な計測が可能となるので、流体不
連続部に近接して流量計測部を設けることができ、圧力
損失が小さく、小型コンパクトな構成を実現することが
できる。
【0006】また、シングアラウンド計測を採用するの
で、煩雑な信号処理も不要となり、効率的な計測を実現
することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、流路の流
体不連続部の下流側に近接して一対の超音波変換器を上
流側および下流側に相対向して設置し、前記超音波変換
器間の超音波伝搬時間をシングアラウンド法で計測して
なる構成としたので、圧力損失が小さく、小型コンパク
トな超音波流量計が実現できる。
【0008】請求項2記載の発明は、特に請求項1記載
の流体不連続部を流体の曲がり部で構成し、流路の等価
直径をDとした場合、一対の超音波変換器を50D以内
に近接させた超音波流量計とした。この構成により、圧
力損失が小さく、小型コンパクトな超音波流量計が実現
できる。
【0009】請求項3記載の発明は、特に請求項1記載
の流体不連続部を流体の整流部で構成し、一対の超音波
変換器を10D以内に近接させた超音波流量計とした。
この構成により、圧力損失がより一層小さく、より小型
コンパクトな超音波流量計が実現できる。
【0010】請求項4記載の発明は、特に請求項1記載
のシングアラウンド法に、超音波伝搬時間の0.7〜
0.9程度の遅延時間を設けた。この構成により、超音
波変換器から送信された超音波が、一対超音波変換器に
よる多重反射による雑音を非常に小さくすることがで
き、高精度な超音波流量計が実現できる。
【0011】請求項5記載の発明は、特に請求項1記載
のシングアラウンド法に、使用温度範囲内において最短
の超音波伝搬時間の0.7〜0.9程度の一定の遅延時
間を設けた。この構成により、使用温度範囲において、
超音波変換器から送信された超音波が、一対超音波変換
器による多重反射による雑音を非常に小さくすることが
でき、高精度な超音波流量計が実現できる。
【0012】請求項6記載の発明は、特に請求項1記載
のシングアラウンド法の計測において、シングアラウン
ド計測回数を可変とする構成とした。この構成により、
シングアラウンド法による計測値が安定となる回数に設
定することができ、高精度な超音波流量計が実現でき
る。
【0013】請求項7記載の発明は、特に請求項1記載
のシングアラウンド法の計測において、シングアラウン
ド計測開始時間を可変とする構成とした。この構成によ
り、シングアラウンド法による計測値が安定となるよう
計測開始時間を、例えばランダムに設定することがで
き、高安定な超音波流量計が実現できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。なお、図中の同一番号を付けているものは、
同一なものを示し、説明を省略する。
【0015】(実施例1)図1は、本発明の実施例1に
おける流量計1の断面図を示し、流体が流れる流路2の
上流側の流体不連続部3の下流側に流量計測部4を設
け、上流側と下流側とに一対の超音波変換器5、6を流
体を介し対向して設置した。流量計測部の超音波変換器
5、6間の距離Ldは、約100[mm]、流路2の断面
積Srは約30[mm^2]とした。なお、図中の片矢印
7(実線)は流体の流れる方向を示し、両矢印8(破
線)は超音波の伝搬する方向を示している。なお、流体
の流れる方向は、超音波の伝搬する方向とは角θ(45
度)で交叉するようにした。また、9は下流側に設けた
流体不連続部を示す。図2に、計測回路のブロック図を
示す。計測開始信号がトリガ−10から発信されると、
回数設定部11でシングアラウンド回数Nsを設定し、
駆動回路13は、バ−スト信号からなる駆動信号を送信
側切換スイッチ(SW)14に接続されている上流側の
超音波変換器5に供給する。上流側の超音波変換器5か
ら超音波が流路内に送信され、下流側の超音波変換器6
で受信される。この受信信号は受信側切換SW15を介
して増幅器16に伝達される。この信号は、遅延回路1
7を介して駆動回路13へ伝達されるとともに、回数設
定部にも伝達されシングアラウンド回数がモニタ−され
る。また、遅延回路17からの信号は時間計測回路18
にも伝達されるが、回数設定部11からシングアラウン
ド回数Nsを越えたという信号が伝達されるまで、時間
計測回路18は動作しない。時間計測回路18が動作
し、時間計測した結果は、演算部19に伝達され、流量
演算が実施される。以下に数字を用いてより具体的に説
明する。
【0016】図2に示したように、上流側の超音波変換
器5を送信側、下流側の超音波変換器6を受信側とする
場合のシングアラウンド回数Ns、遅延回路17での遅
延時間Td、超音波の音速Vs、流路2を流れる流体の
流速をVf、時間計測結果をT(56)とした時の、そ
れぞれの関係は、以下のようになる。
【0017】T(56)={Ld/[Vs+Vf×cos
(θ)]}×Ns+Td×(Ns−1) 同様にして、下流側の超音波変換器6を送信側、上流側
の超音波変換器5を受信側とする場合の時間計測結果を
T(65)とすると、以下のようになる。
【0018】T(65)={Ld/[Vs−Vf×cos
(θ)]}×Ns+Td×(Ns−1) これらより、 [T(56)−Td×(Ns−1)]/Ns=Ld/
[Vs+Vf×cos(θ)] [T(65)−Td×(Ns−1)]/Ns=Ld/
[Vs−Vf×cos(θ)] 従って、 Vs+Vf×cos(θ)=(Ns×Ld)/[T(5
6)−Td×(Ns−1)] Vs−Vf×cos(θ)=(Ns×Ld)/[T(6
5)−Td×(Ns−1)] これらより、上の式から下の式の両辺を引き算すると、
超音波の音速Vsの項を消去することができ、以下のよ
うになる。
【0019】2×Vf×cos(θ)=(Ns×Ld)/
[T(56)−Td×(Ns−1)]−(Ns×Ld)
/[T(65)−Td×(Ns−1)] この結果より、シングアラウンド回数Ns、超音波変換
器間の距離Ld、遅延時かTdは、それぞれ既知である
ので、右辺は簡単に計算することができる。このように
して流体の流速Vfが得られる。
【0020】また、同様に上の式と下の式の両辺を足し
算すると、流体の流速の項が消去されれて、以下のよう
になる。
【0021】2×Vs=(Ns×Ld)/[T(56)
−Td×(Ns−1)]+(Ns×Ld)/[T(6
5)−Td×(Ns−1)] この結果より、シングアラウンド回数Ns、超音波変換
器間の距離Ld、遅延時かTdは、それぞれ既知である
ので、右辺は簡単に計算することができる。このように
して超音波の音速Vsが得られる。
【0022】例えば、流体が水の場合は、超音波の伝搬
速度は約1500[m/sec]であり、流体が空気の場合
には、超音波の伝搬速度は約340[m/sec]である。
【0023】シングアラウンド回数Nsを100とし、
流体が空気の場合に計測時間を概算すると、流体の流速
は高々10[m/sec]であり、無視することができる。
超音波変換器間の距離Ldが約100[mm]であるの
で、超音波の伝搬時間Tpは、Tp=(100[mm])
/(340[m/sec])=294[μsec]となる。
【0024】また、遅延時間Tdを超音波の伝搬時間と
同程度とすると、計測時間T(56)およびT(65)
は、 T(56)≒T(65)≒Tp×Ns+Td×(Ns−
1)≒58[msec] となる。
【0025】このようにシングアラウンド法で計測する
と、伝搬時間約294[μsec]を、シングアラウンド
回数Ns(100回)、即ち、約58[msec]にわた
って平均したことに相当する。従って、流路内を流れる
流体が、時間的・空間的に不安定な流速を有していて
も、正確に計測することができる。また、一回一回計測
すると、シングアラウンド回数Ns分だけのデ−タ記憶
部が必要となり、また、計測後には平均化処理などが必
要となり、非常に煩雑な計算が不可欠となり、大変効率
が悪くなる。
【0026】また、時間計測において時間分解能が低く
て済む。例えば、流体の流速が数[mm/sec]程度の場
合には、T(56)およびT(65)の時間差は、数
[nsec]程度であり、時間分解能は数[nsec]程度必
要となる。しかし、シングアラウンド回数を、例えば、
100回とすると、時間分解能は数100[nsec]程
度で良いことに相当する。時間計測の分解能は用いるク
ロック回路に依存し、より高分解能が要求される場合、
消費電力が大きくなり、電池駆動などの場合には実現不
可能になる場合もある。また、流体が液体(水)であっ
ても、同様となり、シングアラウンドの効果が得られ
る。
【0027】このように、シングアラウンド法を適用し
て時間的・空間的に不安定な流速を計測するようにした
ので、煩雑な信号処理することなし正確な流量計測をす
ることができる。従って、流体不連続部に近接して流量
計測部を設けることができ、圧力損失の小さい、小型コ
ンパクトな流量計が実現できる。
【0028】(実施例2)図1に示した流体不連続部3
が流路の断面積に変化がなく、90度の曲がり部で構成
されている場合について説明する。この場合、流量計測
部4を、曲がり部で構成された流体不連続部の下流側、
1〜50Dh以内に設けた。図3に、流体(空気)を約
1000[L/hr]で流した場合の、シングアラウンド回
数と計測誤差との関係を示す。図3は、横軸にシングア
ラウンド回数を、縦軸に計測誤差を示し、黒丸(●)は
計測結果を示し、破線20はその傾向を示す。この計測
結果より、シングアラウンド回数を大きくすると、計測
誤差が急激に小さくなることがわかる。図中の白丸
(○)21は変曲点を示し、計測誤差がシングアラウン
ド回数とともに急激に減少していた関係が、やや鈍り始
める点を示している。この変曲点21は、シングアラウ
ンド回数は約50回、誤差は約±0.5[%]相当であ
った。これより、シングアラウンド回数を約50回以上
の設定すれば、曲がり部で構成された流体不連続部の下
流側、1〜50Dh以内に計測部分を設けても、高精度
な流量計を実現することができることがわかる。これよ
り、圧力損失が小さい、小型コンパクトな超音波流量計
が実現できる。なお、流量計測部を1D以内に近接する
ことは、物理的に困難となった。また、50D以上に設
置すると、シングアラウンドによる効果が認めれれない
ほど小さくなった。
【0029】(実施例3)図1に示した流体不連続部3
が流路の断面積に変化がなく、メッシュや格子などの整
流部で構成されている場合について説明する。この場
合、流量計測部4を、整流部で構成された流体不連続部
の下流側、1〜10Dh以内に設けた。図4に、流体
(空気)を約1000[L/hr]で流した場合の、シング
アラウンド回数と計測誤差との関係を示す。図4は、横
軸にシングアラウンド回数を、縦軸に計測誤差を示し、
黒丸(●)は計測結果を示し、破線22はその傾向を示
す。この計測結果より、シングアラウンド回数を大きく
すると、計測誤差が急激に小さくなることがわかる。図
中の白丸(○)23は変曲点を示し、計測誤差がシング
アラウンド回数とともに急激に減少していた関係が、や
や鈍り始める点を示している。この変曲点23は、シン
グアラウンド回数は約10回、誤差は約±0.5[%]
相当であった。これより、シングアラウンド回数を約1
0回以上の設定すれば、整流部で構成された流体不連続
部の下流側、1〜10Dh以内に計測部分を設けても、
高精度な流量計を実現することができることがわかる。
これより、圧力損失が小さい、小型コンパクトな超音波
流量計が実現できる。なお、流量計測部を1D以内に近
接することは、物理的に困難となった。また、10D以
上に設置すると、シングアラウンドによる効果が認めれ
れないほど小さくなった。
【0030】(実施例4)次に、遅延時間Tdについて
説明する。超音波変換器間での超音波の送信、受信時刻
について考えると、以下のようになる。送信側の超音波
変換器から超音波が送信される時刻をTtrans(i)と
し、受信側の超音波変換器で受信される時刻をTrec
(i)とする。送信側の超音波変換器から最初の送信さ
れる時刻を0、即ち、Ttrans(1)=0とすると、受
信側の超音波変換器で受信される時刻は、超音波が送信
側から受信側まで伝搬する時間経過した後になるので、
受信される時刻Trec(1)=Tpとなる。受信側で受
信された超音波は、遅延時間Td経過後、送信側に伝達
され、送信側の超音波変換器から超音波が送信される。
従って、Ttrans(2)=Tp+Tdとなり、Trec
(2)=Ttrans(2)+Tpとなる。
【0031】このようにしてi番目の超音波の送信時刻
および受信時刻は、 Ttrans(i)=(i−1)×(Tp+Td)、 Trec(i)=Ttrans(i)+Tpとなる。但し、iは
自然数。
【0032】ところで、送信側の超音波変換器から送信
された超音波は、受信側の超音波変換器ですべて吸収さ
れるということはなく、受信側の超音波変換器の表面で
反射され、送信側の超音波変換器に向かって伝搬する。
この反射した超音波は、送信側の超音波変換器の表面で
反射され、受信側の超音波変換器に伝達される。従っ
て、この反射した超音波は、受信時刻から一往復遅れと
なるため、2×Tp遅れて受信側の超音波変換器で受信
されることになる。従って、受信側の超音波変換器で
は、i番目の送信による受信時刻Trec(i)から2×
Tp遅れて反射波を受信することになる。この反射した
超音波は、反射を重ねる毎に減衰し、強度は急激に小さ
くなるが、消滅することはない。このため、i番目の送
信による、j番目の反射波の受信時刻は、Than(i,
j)=Trec(i)+j×2×Tpとなる。
【0033】このようにして受信側の超音波変換器によ
り受信される反射波は、強度は小さいが、時間計測回路
18で受信時刻を計測する際に誤差として混入する。例
えば、遅延時間Tdが、超音波の伝搬時間Tpと同じで
ある場合には、送信側の超音波変換器がi番目の超音波
を送信する時刻は、Ttrans(i)=(i−1)×(T
p+Td)=2×(i−1)×Tpとなる。
【0034】また、受信側の超音波変換器で受信される
i番目の受信時刻は、Trec(i)=Ttrans(i)+T
p=2×(i−1)×Tp+Tp=2×i×Tp−Tp
となる。
【0035】このとき、i番目の送信によるj(=1)
番目の反射波の、受信側超音波変換器による受信時刻
は、 Than(i,1)=Trec(i)+1×2×Tp =(2×i×Tp−Tp)+1×2×Tp =2×i×Tp+Tpとなる。
【0036】この受信時刻は、(i+1)番目の受信時
刻と一致することになる。 即ち、Trec(i+1)=2×(i+1)Tp−Tp =2×i×Tp+2×Tp−Tp =2×i×Tp+Tp このように、遅延時間Tdが伝搬時間Tpと同じあれ
ば、受信時刻と反射波の受信時刻とが同じとなり、受信
時間計測の誤差が入ることになる。
【0037】このため、本発明では遅延時間Tdを伝搬
時間Tpの0.7〜0.9となるように設定した。この
ように設定することにより、受信時刻と反射の受信時刻
とは、低次の反射回数では一致しなくなった。一致した
としても反射回数が大きいため、反射波の強度が充分小
さくなり、誤差とならないことを確認している。
【0038】以上説明したように遅延時間を伝搬時間の
0.7〜0.9に設定することにより、高精度のシング
アラウンド計測を実現でき、小型コンパクトな流量計が
実現できる。なお、超音波の伝搬時間Tpは、実施例1
で説明したように、超音波の音速Vsを得、超音波変換
器間の距離Ldから簡単に演算することができる。
【0039】(実施例5)実施例4では、超音波の音速
Vsから、遅延時間Tdを演算で求めるよう説明した
が、超音波の音速Vsは、流体の温度が変化すると、そ
れに伴って変化するので、常に演算する必要があり、非
常に煩雑である。このため、本実施例においては、遅延
時間を、使用温度範囲における超音波の音速の最も小さ
い値(通常の場合、最も低温での値)の時の伝搬時間の
0.7〜0.9となるように設定した。このように設定
したので、流体の温度が変化しても演算する必要がなく
なった。また、ある程度大きいな反射波が、受信時刻に
一致することなく、高精度なシングアラウンド計測を実
現することができる。
【0040】(実施例6)次に、シングアラウンド回数
について説明する。実施例2および3において説明した
ように、シングアラウンド回数をある程度大きくする
と、その回数に対する効果は、図3および図4に示した
ように、徐々に低下することになる。従って、適当な回
数に設定することにより効率良く計測誤差を低減するこ
とができる。以下にその設定手順を説明する。シングア
ラウンド回数Nsのときの流量計測結果をQ(Ns)と
し、流量計測結果100回あたりの標準偏差をSig
(Ns)、最大値をQmax(Ns)、最小値をQmin(N
s)とし、その時の流量平均値をQaver(Ns)とす
る。
【0041】例えば、予めシングアラウンド回数Ns
を、例えば100と設定し、移動平均として、流量の平
均値Qaver(Ns)、標準偏差Sig(Ns)、最大値
Qmax(Ns)、最小値Qmin(Ns)を得たとする、こ
の時の標準偏差Sig(Ns)が、流量の平均値Qaver
(Ns)の、例えば0.5[%]を越えたとすると、シ
ングアラウンド回数Nsを、Ns×1.5に再設定し、
同様に移動平均値を得るようにする。また、標準偏差S
ig(Ns)が、流量の平均値Qaver(Ns)の、例え
ば0.5[%]以下となったとすると、シングアラウン
ド回数Nsを、Ns×0.5と再設定し、移動平均値を
得るようにする。このようにすると、常に安定した計測
結果が、最適のシングアラウンド回数で得られことにな
る。また、例えば、最大値Qmax(Ns)、最小値Qmin
(Ns)の値が、平均流量値から5×Sig(Ns)以
上離れていた場合には、非常に計測結果が不安定である
と判断することができ、この場合には、再測定とするこ
ともできる。以上説明したようにして、図3および図4
に示した変曲点21あるいは23を検出ことができ、最
適なシングアラウンド回数に設定することができる。
【0042】(実施例7)次に、実施例7について説明
する。本実施例では、予め固定されたシングアラウンド
回数Nsで計測している場合に発生する不具合を回避す
る方法について説明する。例えば、シングアラウンド回
数Nsを100、流体が空気である場合、計測に必要な
時間Tmeasは、遅延時間Td=0.9×Tpであるとす
ると、上記実施例においてTp=約294[μsec]で
あるから、 Tmeas=(1.9×100×294[μsec]) =55.8[msec]となる。
【0043】上流側から下流側、下流側から上流側の両
測定が必要であるから、総計測時間Tsumは、上記の2
倍となり、約111.7[msec]となる。この計測を
順次繰り返し実施することになるので、この計測時間と
同期した流体の変動が、例えば、流体不連続部の構成部
品などにより発生した場合には、計測結果が非常に不安
定となる場合がる。従って、このような場合には、シン
グアラウンド開始時間を適当な間隔で、例えば、ランダ
ムに変化させると、回避すること出来、計測結果が安定
することになる。流路を流れる流体の流量を変化させた
場合、突如として計測結果が不安定となる場合がある。
そのような場合には、本実施例で説明したようにシング
アラウンド開始時刻をランダムに変動させると、計測結
果が安定する。
【0044】
【発明の効果】以上のように請求項1〜7に記載の発明
によれば、流路の流体不連続部に近接して流量計測部を
構成することができ、小型コンパクトで、高精度で、低
圧力損失の流量計を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における超音波流量計の断面
【図2】同流量計における計測の回路ブロック図
【図3】本発明の実施例2における超音波流量計の特性
【図4】本発明の実施例3における超音波流量計の特性
【図5】従来の流量計の断面図
【符号の説明】
1 流量計 2 流路 3 上流側の流体不連続部 4 流量計測部 5 上流側の超音波変換器 6 下流側の超音波変換器 9 下流側の流体不連続部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同種の流路の間に異種の流路である流体
    不連続部を設け、前記流体不連続部の下流側に近接して
    一対の超音波変換器のそれぞれを流れに対して平行又は
    交叉するように設置し、前記超音波変換器間の超音波伝
    搬時間をシングアラウンド法で計測してなる超音波流量
    計。
  2. 【請求項2】 流体不連続部を曲がり部で構成し、前記
    曲がり部と超音波変換器との間隔を流路の等価直径の1
    〜50倍にしてなる請求項1記載の超音波流量計。
  3. 【請求項3】 流体不連続部を整流部で構成し、前記曲
    がり部と超音波変換器との間隔を流路の等価直径の1〜
    10倍に近接してなる請求項1記載の超音波流量計。
  4. 【請求項4】 超音波伝搬時間の0.7〜0.9程度の
    遅延時間を有するシングアラウンド計測からなる請求項
    1記載の超音波流量計。
  5. 【請求項5】 使用温度範囲内の最短の超音波伝搬時間
    の0.7〜0.9程度の一定の遅延時間を有するシング
    アラウンド計測からなる請求項1記載の超音波流量計。
  6. 【請求項6】 シングアラウンド回数を可変してなる請
    求項1記載の超音波流量計。
  7. 【請求項7】 シングアラウンド計測開始時間を可変し
    てなる請求項1記載の超音波流量計。
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