JP4697212B2 - 超音波流量計 - Google Patents

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Description

本発明は、流体の流量を計測する超音波流量計に関するものである。
従来、この種の流量計101は、図13に示すような構成であった。図13は、断面図を示し、液体あるいは気体などの流体が流れる流路102内に、上流側および下流側とに一対の超音波変換器103、104を、流体を介し対向して設置する構成としていた。また、105は流路102の側断面図を示し、高さH、幅Wの矩形断面としていた。この一対の超音波変換器103、104間を伝搬する超音波の伝搬時間から流体の流速を計測し、流量を演算し、流量計としていた。なお、図中の片矢印106(実線)は流体の流れる方向を示し、両矢印107(破線)は超音波の伝搬する方向を示している。なお、流体の流れる方向と、超音波の伝搬する方向とは角θで交叉させていた。通常、交叉角θは15〜75度程度としていた。また、流路の高さHは、図に示したように、流路の幅Wよりも小さくし、流体が安定して流れ、流速分布が上下(Hの方向)の面で規制されるように設定していた。なお、側断面図105において、下流側の超音波変換器104を図示したが、上流側の超音波変換器103は、図面が煩雑になるため省略した。
このような構成の従来の流量計101では、高精度の計測をするために、流路102内を流れる流体を空間的、時間的に安定にすることが必要である。また、一対の超音波変換器103、104間を伝搬する超音波は、一方の超音波変換器から送信され、他方の超音波変換器で受信される以外は、空間的、時間的に減衰する必要があった。特に、矩形流路においてシングアラウンドの様な長時間にわたる高精度な計測の場合、超音波変換器から送信された超音波が、超音波変換器の超音波送出面と矩形流路の側壁とが平行であるため、この側壁間で何度も反射を繰り返し、吸収されることなく流路内に音響残響として残留することがあった。このため、伝搬時間を決定する零クロス点が、音響残響により不安定となり、高精度の計測ができないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、音響残響の少ない矩形流路を提供し、高精度な超音波流量計を実現することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の超音波流量計は、流体が流れる流路と、この流路を斜めに交差し相対向して設けられた一対の超音波変換器と、前記流路の上流側に設けられ、流体を一時的に蓄える流体バッファ部と、を備え、前記流路の上面と下面とを水平に配置し前記一対の超音波変換器が配置された側面を傾斜させて配置することで前記流路の断面形状を台形とし、かつ、前記台形の上底の長さは下底の長さより大きいものとし、前記流体バッファ部は、鉛直方向から流入する流体の流れ方向を水平方向に変更させた後に前記流路へと流体を流す構成したものである。
この構成により、超音波変換器から送信された超音波が、矩形流路の側面で反射しても、超音波変換器の超音波放出面と、矩形流路の側面とが平行でないため、反射した超音波は、反射の度に方向が変化し、何度も反射を繰り返すことができないため、流路内に音響残響として残留することがなくなり、伝搬時間を決定する零クロス点が、音響的に安定し、高精度の計測を実現できる。
本発明によれば、流量計測に不要な超音波を減衰させることができ、シングアラウンドなどの長時間にわたる計測においても、高精度な流量計測が実現できる。
請求項1記載の発明は、流体が流れる流路と、この流路を斜めに交差し相対向して設け
られた一対の超音波変換器と、前記流路の上流側に設けられ、流体を一時的に蓄える流体バッファ部と、を備え、前記流路の上面と下面とを水平に配置し前記一対の超音波変換器が配置された側面を傾斜させて配置することで前記流路の断面形状を台形とし、かつ、前記台形の上底の長さは下底の長さより大きいものとし、前記流体バッファ部は、鉛直方向から流入する流体の流れ方向を水平方向に変更させた後に前記流路へと流体を流す構成としているので、音響的な残響が残留することがなくなり、高精度な流量計測が実現できる。また、上方から矩形流路に流入する流体の流速分布を上方を小さく、下方を大きくするように働き、偏った流速分布が得られ、流量係数が1.0に近づき、さらに計測精度が向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中の同一番号を付けているものは、同一構成要素を示し、説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における流量計1の断面図を示し、流体の流れる流路2の上流側と下流側とに一対の超音波変換器3、4を対向して設置した。流量計測部の超音波変換器3、4間の距離Ldは、約100[mm]、流路2の断面積Srは約30[mm^2]とした。また、超音波変換器3、4の有効高さは、6[mm]のものを用いた。なお、図中の片矢印6(実線)は流体の流れる方向を示し、両矢印7(破線)は超音波の伝搬する方向を示している。なお、流体の流れる方向は、超音波の伝搬する方向とは角θ(45度)で交叉するようにした。
図2は、流量計1の側断面図を示し、3は上流側超音波変換器、4は下流側超音波変換器、HおよびWは流路2の高さ、幅をそれぞれ示す。なお、幅Wは高さHよりも大きく設定した。流路2の上面、下面は、超音波変換器3、4の超音波放出面3a、4aと垂直とし、流路2の前記超音波変換器を配置し他方の超音波変換器に対向している側面8は、超音波変換器3、4の超音波放出面3a、4aとは平行とならないように構成した。図2に示すように、流路2の側断面の形状は平行四辺形とした。なお、側面の傾斜角は、超音波変換器の中央部から出た超音波が、側面で反射し、超音波変換器の送出面に到達しえない角度(本発明の構成であれば、約1.7度)以上であれば、流路2内に残留する超音波が急激に減少することが実験により確認されている。
図3にシングアラウンド計測回路のブロック図を示す。計測開始信号がトリガ−9から発信されると、回数設定部10でシングアラウンド回数Nsを設定し、駆動回路11は、バ−スト信号からなる駆動信号を送信側切換スイッチ(SW)12に接続されている上流側の超音波変換器3に供給する。上流側の超音波変換器3から超音波が流路2内に送信され、下流側の超音波変換器4で受信される。この受信信号は受信側切換SW13を介して増幅器14に伝達される。この信号は、遅延回路15を介して駆動回路11へ伝達されるとともに、回数設定部にも伝達されシングアラウンド回数がモニタ−される。また、遅延
回路15からの信号は時間計測回路16にも伝達されるが、回数設定部10からシングアラウンド回数Nsを越えたという信号が伝達されるまで、時間計測回路16は動作しない。時間計測回路16が動作し、時間計測した結果は、演算部17に伝達され、流量演算が実施される。以下に数字を用いてより具体的に説明する。
図3に示したように、上流側の超音波変換器3を送信側、下流側の超音波変換器4を受信側とする場合のシングアラウンド回数Ns、遅延回路15での遅延時間Td、超音波の音速Vs、流路2を流れる流体の流速をVf、時間計測結果をT(34)とした時の、それぞれの関係は、以下のようになる。
T(34)={Ld/[Vs+Vf×cos(θ)]}×Ns+Td×(Ns−1)
同様にして、下流側の超音波変換器4を送信側、上流側の超音波変換器3を受信側とする場合の時間計測結果をT(43)とすると、以下のようになる。
T(43)={Ld/[Vs−Vf×cos(θ)]}×Ns+Td×(Ns−1)
これらより、
[T(34)−Td×(Ns−1)]/Ns=Ld/[Vs+Vf×cos(θ)]
[T(43)−Td×(Ns−1)]/Ns=Ld/[Vs−Vf×cos(θ)]
従って、
Vs+Vf×cos(θ)=(Ns×Ld)/[T(34)−Td×(Ns−1)]
Vs−Vf×cos(θ)=(Ns×Ld)/[T(43)−Td×(Ns−1)]
これらより、上の式から下の式の両辺を引き算すると、超音波の音速Vsの項を消去することができ、以下のようになる。
2×Vf×cos(θ)=(Ns×Ld)/[T(34)−Td×(Ns−1)]
−(Ns×Ld)/[T(43)−Td×(Ns−1)]
この結果より、シングアラウンド回数Ns、超音波変換器間の距離Ld、遅延時間Tdは、それぞれ既知であるので、右辺は簡単に計算することができる。このようにして流体の流速Vfが得られる。
また、同様に上の式と下の式の両辺を足し算すると、流体の流速Vfの項が消去され、以下のようになる。
2×Vs=(Ns×Ld)/[T(34)−Td×(Ns−1)]
+(Ns×Ld)/[T(43)−Td×(Ns−1)]
この結果においてもまた、シングアラウンド回数Ns、超音波変換器間の距離Ld、遅延時間Tdは、それぞれ既知であるので、右辺は簡単に計算することができる。このようにして超音波の音速Vsが得られる。
例えば、流体が水の場合は、超音波の伝搬速度は約1500[m/sec]であり、流体が空気の場合には、超音波の伝搬速度は約340[m/sec]である。
シングアラウンド回数Nsを100とし、流体が空気の場合に計測時間を概算すると、流体の流速は高々10[m/sec]であり、無視することができる。超音波変換器間の距離Ldが約100[mm]であるので、超音波の伝搬時間Tpは、
Tp=(100[mm])/(340[m/sec])=294[μsec]
となる。
また、遅延時間Tdを超音波の伝搬時間と同程度とすると、
計測時間 T(34)およびT(43)は、
T(34) ≒ T(43) ≒ Tp×Ns+Td×(Ns−1)
≒ 58 [msec] となる。
このようにシングアラウンド法で計測すると、伝搬時間約294[μsec]を、シングアラウンド回数Ns(100回)、即ち、約58[msec]にわたって積算して計測することに相当する。このように、時間計測におけるクロックなどの時間分解能が低くても精度良く正確に計測することができる。例えば、流体の流速が数[mm/sec]程度の場合には、T(34)およびT(43)の時間差は、数[nsec]程度であり、時間分解能は数[nsec]程度必要となる。しかし、シングアラウンド回数を、例えば、100回とすると、時間分解能は数100[nsec]程度で良いことに相当する。時間計測の分解能は用いるクロック回路に依存し、より高分解能が要求される場合、シングアラウンド回数が大きく設定される。なお、通常の場合、シングアラウンド回数は、時間計測のクロック時間分解能、計測精度等により決定され、数回〜数百回程度に設定されることが多い。
図4に、超音波変換器の駆動波形と、受信波形とを示す。18は複数の矩形波からなる超音波変換器の駆動波形を示し、19は超音波を超音波変換器で受信した波形を示す。即ち、駆動波形18を送信側超音波変換器(例えば、上流側超音波変換器3)に印加すると、超音波送出面3aから超音波が流路2内に送信され、受信側超音波変換器、例えば下流側超音波変換器4で受信される。受信された信号は、増幅回路14で、例えば、受信波形のピ−ク値が一定となるよう成形される。このとき予め決められた参照レベル(破線20)を越えた時点21の次の零クロス点22において超音波が到達したと判断される。従って、駆動波形18のスタ−ト時点23から零クロス点22までの時間が超音波の伝搬時間Tpとして計測される。シングアラウンド計測の場合、駆動・受信が、数回から数百回程度連続して繰り返される。従って、駆動・受信を複数回繰り返した場合には、例えば、流路2内に音響的残響が残っている場合、その音響的残響が受信側超音波変換器で受信される場合が発生する。この場合には、受信波形が図5に示すようになり受信波形25の前方部26が雑音により太くなり、S/Nの悪い波形となる。この場合には、雑音により零クロス点が時間的に不安定となり、その結果、計測流量値の精度が低下することになる。
このような流量計おいて、超音波送出面3a、4aと流路2の側面8とを平行でなくすることにより、超音波変換器から送信された超音波は、流路2内に長時間にわたって音響的雑音として残留することがなくなり、S/Nの良い受信波形が得られ、計測精度が大幅に向上し、高精度な超音波流量計を実現することができる。
(実施の形態2)
図6および図7に、実施の形態2における流路の台形状の側断面を示す。図6は、上辺が長い場合の、図7は下辺が長い場合の台形をそれぞれ示す。流路側面をこのようにすることにより、側面で反射する超音波は、2回程度の反射により、急激に減衰する。従って、長時間にわたるシングアラウンド計測においても、受信波形のS/Nは殆ど劣化することがなくなり、高精度な計測が可能となる。
なお、図6および図7に流路断面が台形状の場合を示したが、相対向する流路側面が平行でなければ、側面で反射した超音波は、反射の度に、散乱される、急速に減衰することになる。このため、上記と同様の効果が得られる。
なお、流路断面を台形状としたので、切削加工、あるいは、鋳型加工が容易になり、生産性が向上するという効果も得られた。本発明の構成では、台形状の傾斜角が約1.7度以上となり、流路を構成する材料、例えば、アルミダイキャスト、樹脂などの場合には、切削加工、あるいは、鋳型加工が大いに容易となった。
(実施の形態3)
図8(a)に、流体の流入孔および流出孔を含む流量計27の外観図を示す。28、29は流体の流入孔および流出孔を示し、30および31は流入側および流出側の流体バッファ部を示す。32は流体の流速を計測する流路部を示す。図8(b)に、図8(a)のC−C’断面33を示す。流路断面33は、上面を長辺とする台形状とした。なお、流路側面に設置されている上流側および下流側の超音波変換器は、図面が煩雑になるため省略した。流体流入孔28から流入した流体は、上流側流体バッファ部30を通り、断面形状が台形状の矩形流路を流れ、下流側流体バッファ部31を通り、流体流出孔29から流出する。
この構成により、上述したように、超音波変換器から送信された超音波は、側面での反射数回で大いに散乱され、音響残響として流路内に長時間にわたって残留しなくなり、高精度の超音波流量計を実現することができた。さらに、計測された流量値がより安定するという予期しなかった効果も得られた。その効果について、以下に説明する。図8(a)に示すように、上方から流体を流し、水平方向に流れ方向を変更させた場合、水平方向の流路32内での上下方向の流速分布は、正弦分布よりも下方部の方が若干大きくなることが知られている。図9に、流路32内の上下方向の流速が小さい場合の流速分布を示す。34および35は断面が台形状流路33の上面および下面を示し、実線36は下方に大きく偏った正弦状流速分布を示す。
なお、一点鎖線37は流路32の上下方向の中心線を示す。また、破線38は、側面が平行である場合の、流速分布を示し、正弦状の分布が若干下方に偏っている分布を示す。一般に、超音波流量計の超音波変換器は、流路の上下方向の中央部に設置され、ある一定幅の領域(超音波変換器の有効高さ)を流れる流体の平均的な流速を計測する。従って、正弦状の流速分布の場合には、最も流速の大きい部分を計測するため、計測した流速Vmは、流路を流れる流体の平均流速Va、に比べ、非常に大きくなる。一方、大きく下方に偏った流速分布の場合には、最も流速の大きい部分が下方に偏っているため、計測した流速Vmは、正弦状の流速分布の場合に比べ、かなり小さくなる。このため、流量係数の変動が小さくなる結果となり、計測した流量値が安定することになる。なお、流量係数(R)は、平均流速(Va)の計測流速(Vm)に占める割合、R=Va/Vm、として定義される。すなわち、計測した流速(Vm)に、流量係数(R)を乗じ、平均流速(Va)を算出し、この値に流路32の有効断面を積算して流量値を得ている。
従って、流速が小さい場合(正弦状の流速分布38)、最も流速の大きな部分の平均的な流速を計測するため、流量係数は小さくなる。一方、本発明に示したように下方に大きく偏った流速分布である場合には、平均流速が同じであっても、中央部の計測流速(Vm)が小さくなるので、流量係数は若干大きくなる。また、流速が大きい場合、流路32内の流体は乱流状態となり、流速分布は上下方向に対し、概ねフラット状になるため、流量係数は1.0に収束することになる。
図10に流量に対する流量係数を示す。横軸に流量、縦軸に流量係数を示す。実線39は、本発明の流路に見られる下方に大きく偏った流速分布を示す場合の結果を、破線40は、通常の若干下方に偏った正弦状流速分布の場合の流量係数を示す。本発明の流量係数(実線:39)は、低流量域での0.85から高流量域の1.00へと、約0.15の変化を示すが、従来の下方に若干偏った流速分布での流量係数(破線:40)は、0.70から1.00へと、約0.30程度変化する。このように、本発明の流路では、流路を流れる流量により、流量係数の変化幅が小さいので、例えば、流体の温度が変化しても計測された流量値が安定であるという結果になる。また、流体の種類、例えば、空気に可燃性ガスなど混入し、組成が変動した場合にも、計測された流量値が安定であるという結果に
なる。このように、断面が台形状の流路の場合、下方に大きく偏った流速分布をも実現できるので、流量係数の変動幅の小さい、かつ、安定した流量値の得られる高精度な超音波流量計を実現することができる。
(実施の形態4)
図11(a)に、流体の流入孔および流出孔を含む流量計41の外観図を示す。42、43は流体の流入孔および流出孔を示し、44および45は流入側および流出側の流体バッファ部を示す。46は流体の流速を計測する流路部を示す。図11(b)に、図11(a)のD−D’断面47を示す。流路断面47は、下面を長辺とする台形状とした。なお、流路側面に設置されている上流側および下流側の超音波変換器は、図面が煩雑になるため省略した。流体流入孔42から流入した流体は、上流側流体バッファ部44を通り、断面形状が台形状の矩形流路を流れ、下流側流体バッファ部45を通り、流体流出孔43から流出する。
この構成により、上述したように、超音波変換器から送信された超音波は、側面での数回の反射で大いに散乱され、音響残響として流路内に長時間にわたって残留しないため、高精度の超音波流量計を実現することができた。さらに、計測された流量値が、低流量領域において、より安定するという予期しなかった効果も得られた。その効果について、以下に説明する。図11(a)に示すように、上方から流体を流し、水平方向に流れ方向を変更させた場合、水平方向の流路46内での上下方向の流速分布は、正弦分布よりも下方部の方が若干大きくなることが知られている。
しかし、流路の断面が下方部を長辺とする台形状であるため、若干流速が大きい下方部の横断面が広いため、流速が低下することになり、正弦分布よりも下方部の方が若干大きくなる傾向にある流速分布が、断面形状により補正されることになる。従って、流路の中央部を最大流速とする正弦状の流速分布が得られ、低流量域において、流速分布が安定する結果となり、低流量域において、高精度な流量計を実現することができる。
(実施の形態5)
図12に、流量計測部の上流側および下流側に不要な超音波を吸収する超音波吸収体48、49を設けた超音波流量計50の断面図を示す。超音波吸収体は、流体に対し抵抗の小さいメッシュ状、あるいはハニカム状の格子で構成した。このため、流路側面で反射を繰り返す不要な超音波は、上流側もしくは下流側の方へ拡散し、超音波吸収体に衝突し、吸収される。即ち、メッシュ状、あるいはハニカム状の格子により、より強力に散乱さて、流量計測部から、超音波を放出することになる。この放出された超音波は、流路側面で反射する場合に比べ、より大きく散乱するため、超音波減衰効果が大きくなる。従って、流量計測部内に残留する不要な超音波が超音波吸収体を設けることにより、急速に少なくなり、シングアラウンドなどの高精度な計測を実現することができる。
(実施の形態6)
図12に示した超音波吸収体は、流量計測部から順に、メッシュ、ハニカムとした。通常の場合、メッシュは線を編んで構成される。また、ハニカムは、平面を組合せて構成される。従って、超音波がメッシュに衝突する場合、断面が円状の線に衝突するため、散乱効果が非常に大きくなる。一方、ハニカムは、平面を組合せた構成であるため、断面は小さいながらも平面であるため、超音波に対する散乱効果はメッシュに比べ小さい。このため、超音波に対する大きな散乱効果を得るために、超音波吸収体は、流量計測部から順にメッシュ、ハニカムとした。ハニカム、メッシュとする場合に比べ、散乱効果が若干大きくなり、より高精度な超音波流量計を実現できる。なお、この場合、流体に対する整流効果も、この順に構成する方が大きくなった。この相乗効果により、より高精度な超音波流量計を実現できた。
(実施の形態7)
実施の形態6に示した超音波吸収体を、超音波反射係数のより小さい材料で構成した。即ち、ナイロン、テトロンなどの樹脂繊維でメッシュを構成するとともに、樹脂成形体でハニカムを構成した。このため、金属で構成した場合に比べ、超音波の反射係数をより小さくすることができた。なお、メッシュに用いる繊維は、単芯からなる繊維で構成するより、多芯からなる繊維で構成するほうが、より大きい効果が得られた。
本発明の実施の形態1における超音波流量計のB−B線断面図 図1のA−A線側断面図 同流量計における計測回路ブロック図 同流量計における送信・受信波形図 同流量計における雑音時の受信波形図 本発明の実施の形態2における超音波流量計の側断面図 同流量計の上下を逆にした場合の側断面図 (a)本発明の実施の形態3における超音波流量計の外観図(b)同流量計のC−C線断面図 同流量計における流速分布図 同流量計における流量係数図 (a)本発明の実施の形態4における超音波流量計の外観図(b)同流量のD−D線断面図 同流量計の平面断面図 従来の超音波流量計の平面及び側面断面図
符号の説明
1 超音波流量計
2 流路
3 上流側の超音波変換器
4 下流側の超音波変換器
8 側面
18 駆動波形
24 受信波形

Claims (1)

  1. 流体が流れる流路と、
    この流路を斜めに交差し相対向して設けられた一対の超音波変換器と
    前記流路の上流側に設けられ、流体を一時的に蓄える流体バッファ部と、を備え、
    前記流路の上面と下面とを水平に配置し前記一対の超音波変換器が配置された側面を傾斜させて配置することで前記流路の断面形状を台形とし、かつ、前記台形の上底の長さは下底の長さより大きいものとし、
    前記流体バッファ部は、鉛直方向から流入する流体の流れ方向を水平方向に変更させた後に前記流路へと流体を流す超音波流量計。
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