JP2003075073A - 放射性廃棄物溶融炉およびその運転方法 - Google Patents

放射性廃棄物溶融炉およびその運転方法

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JP2003075073A
JP2003075073A JP2001262849A JP2001262849A JP2003075073A JP 2003075073 A JP2003075073 A JP 2003075073A JP 2001262849 A JP2001262849 A JP 2001262849A JP 2001262849 A JP2001262849 A JP 2001262849A JP 2003075073 A JP2003075073 A JP 2003075073A
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waste
melting furnace
gas
stirring
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JP2001262849A
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Nobuki Uta
信喜 宇多
Akira Ogawa
亮 小川
Shozo Hirai
章三 平井
Yasumasa Oya
泰昌 大家
Masaya Ito
雅哉 伊藤
Tetsuhiko Kodama
徹彦 児玉
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物を溶融して減容する炉において、容器
の損耗を防止する。 【解決手段】 導電性材料を少なくとも一部に用いた容
器1と、前記容器を加熱するための高周波電源15に接
続された高周波コイル2と、溶融廃棄物3を前記容器内
で攪拌する攪拌ガスを導入するための攪拌ガス導入手段
19と、前記容器1全体を格納する格納器10と、前記
格納器10内の雰囲気を不活性ガスで置換するための雰
囲気ガス置換手段8とを備えてなる廃棄物溶融炉。不活
性ガスを攪拌ガス導入手段19と、雰囲気ガス置換手段
8に用いることや、内張り4、導電板7、外張り13、
内壁保護ガスノズル14を用いて容器1が保護される。
また、溶融物に還元性物質が投入されて、容器の酸化が
防止され、容器の損耗が防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、廃棄物溶融炉に関
し、特に、放射性廃棄物を減容するための溶融炉に関す
る。本発明は、また、廃棄物溶融炉の運転方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】さまざまな産業現場、家庭等から排出さ
れる固形廃棄物は、最終処分に際し、化学的に安定で無
害な状態にまで変換されて処分されるのが理想である。
この際、廃棄物の容積を減じて(減容して)処分するこ
とがしばしば行われている。この減容に対する要求は、
特に放射性廃棄物の処分に対しては、その処分地や保管
区域の立地の困難さ、および厳格に管理された区域での
保管を要することから、非常に強いものである。
【0003】従来、このような減容の方法として有望な
ものに、溶融炉によって溶融して、冷却後にガラス状の
安定状態になるスラグにする方法がある。このときの加
熱方法としては、様々な加熱方法が用いられるが、加熱
の制御性に優れた誘導加熱が適するものの一つである。
【0004】誘導加熱を用いる場合、導体に発生する誘
導電流をジュール熱に変換する加熱手法であるために、
必然的に、被加熱体の少なくとも一部に導電性の物質を
用いる必要がある。廃棄物を収容する容器を導電性物質
で作製すると、誘導加熱が利用可能となり、余分な加熱
媒体がなく効率のよい加熱処理工程が実現できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記処理に際して廃棄
物から発生したガスには、廃棄物の分解等によって発生
した気体成分が含まれており、化合物として、あるいは
単体として酸素が含まれていることがある。また、容器
全体の周囲の雰囲気に含まれていたり、廃棄物から発生
する酸素と可燃性廃棄物とによって、溶融した廃棄物表
面に火炎が生じうる。雰囲気が酸素を含んでいたり、火
炎が生じることは、容器にとっては、非常に過酷な条件
である。つまり、容器の内壁面は酸化や高熱によって損
傷を受ける。その結果、容器は厚みが減じる(減肉す
る)。容器の外壁についても、雰囲気に同様のガスや残
存した酸素が含まれることがあり、容器が高温なため、
同様に損傷されて減肉を引き起こす。
【0006】さらに、投入する廃棄物は、容器内で加熱
されるため、投入量を増やすと、廃棄物の熱容量によっ
て容器各部の温度にむらが生じる。つまり、廃棄物に接
していない部分が異常過熱するが、一方、廃棄物に接し
ている部分では、加熱不足となる。また、廃棄物の種類
によっては、廃棄物同士や雰囲気と発熱反応して、かえ
って、廃棄物に接した部分が加熱されることもある。こ
の場合にも温度のむらとなる。本発明は上記従来技術の
持つ問題の少なくともいくつかを解決することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性材料を
少なくとも一部に用いた容器と、前記容器を加熱するた
めの高周波電源に接続された高周波コイルと、前記容器
全体を格納する格納器よりなる高周波溶融炉において、
溶融廃棄物を前記容器内で攪拌する攪拌ガスを導入する
ための攪拌ガス導入手段、または、前記格納器内の雰囲
気を不活性ガスで置換するための雰囲気ガス置換手段
の、少なくともどちらか一方を備えてなる廃棄物溶融炉
である。雰囲気ガスによって容器の損耗の進行を遅らせ
ることができ、格納器内の残留酸素が容器に及ぼす影響
を低減できる。また、攪拌ガスによって溶融が効率よく
進行する。
【0008】また、この雰囲気ガス置換手段は、容器の
周囲にガスを吹き付けることができる。不活性ガスは、
容器の保護に特に有効であり、容器の周囲が効率的に保
護される。
【0009】また、この雰囲気ガス置換手段は、容器の
内面にガスを吹き付けることができる。不活性ガスは、
容器の保護に特に有効であり、これを容器内面に吹き付
けることによって、廃棄物からのガスや容器の局所過熱
による劣化が進みやすい、容器の内面が効率的に保護さ
れる。
【0010】また、雰囲気ガス置換手段を可動式にする
ことができる。これにより、例えば、雰囲気ガス置換手
段の位置を上下または容器の周方向に変更することで、
容器の損耗の激しい部分に適切に置換ガスを吹き付ける
ことができる。
【0011】また、酸素濃度測定手段と、酸素濃度測定
手段からの信号により雰囲気ガス置換手段による置換ガ
ス導入量を制御する制御手段とをさらに備える。これに
より、導入するガス量を最適化して、溶融炉からの排出
ガスの量を抑制できる。
【0012】また、本発明は、攪拌ガス導入手段によっ
て容器に導入される攪拌ガスが不活性ガスであることを
特徴とする。攪拌ガスが不活性ガスであることは、廃棄
物から発生するガス(可燃性であることがある)を希釈
する効果があり、容器保護に適する。
【0013】本発明の別の態様によれば、導電性材料を
少なくとも一部に用いた容器と、前記容器を加熱するた
めの高周波電源に接続された高周波コイルと、溶融廃棄
物を前記容器内で攪拌する攪拌ガスを導入するための攪
拌ガス導入手段と、前記容器全体を格納する格納器と、
前記容器の内面に配置された耐熱性部材とを備えてなる
廃棄物溶融炉が提供される。容器の内面は、火炎や溶融
物からの発生ガスにさらされて損耗が生じやすく、耐熱
性のある部材で保護することが特に有効である。また、
耐熱性部材で容器の内面を保護することにより、容器の
素材を耐熱性が若干低いより安価なものとすることがで
きる。
【0014】この耐熱性部材には、耐熱性材料をコーテ
ィングすることができる。この追加のコーティングによ
り、容器内面の保護がさらに適切に行える。そして、好
ましくは、容器の外面にこの耐熱性材料を配置するよう
にする。この容器の外面からの劣化を防止するために
は、このような耐熱性材料の配置が有利である。
【0015】容器と高周波コイルの間に導電板を移動可
能にさらに配置することが好ましい。導電板を配置する
ことにより、その配置した部分における容器の発熱量を
抑制することができ、容器の異常過熱を防止し、容器の
損耗が効果的に防止できる。
【0016】また、本発明の別の態様によれば、導電性
材料を少なくとも一部に用いた容器と、前記容器を加熱
するための高周波電源に接続された高周波コイルと、溶
融廃棄物を前記容器内で攪拌する攪拌ガスを導入するた
めの攪拌ガス導入手段と、前記容器全体を格納する格納
器とを備えてなる廃棄物溶融炉前記容器であって、前記
高周波コイルは独立した複数の高周波コイルからなり、
前記高周波電源は前記複数の高周波コイルのそのそれぞ
れに電力を独立して供給可能に接続されている廃棄物溶
融炉が提供される。これにより、容器の各部分における
独立した温度制御が可能となる。
【0017】複数の温度測定手段と、複数の温度測定手
段の信号に応じて複数の高周波コイルそれぞれへの供給
電力を制御する制御手段とをさらに備えることが好まし
い。これらにより、容器の各部位における温度に応じた
発熱量の部位毎の調節が可能となり、容器の部分的な異
常過熱を防止でき、容器の保護が適切に行える。
【0018】また、本発明の別の態様によれば、導電性
材料を少なくとも一部に用いた容器と、前記容器を加熱
するための高周波電源に接続された高周波コイルと、溶
融廃棄物を前記容器内で攪拌する攪拌ガスを導入するた
めの攪拌ガス導入手段と、前記容器全体を格納する格納
器とを備えてなる廃棄物溶融炉を運転する運転方法であ
って、前記容器を加熱する際に、前記溶融廃棄物に加え
て還元性物質を溶融炉中に投入する廃棄物溶融炉の運転
方法が提供される。この還元性物質は溶融状態にある廃
棄物からの酸素の発生を抑制できるので、容器に酸素が
作用せず、容器の保護が図れる。
【0019】この還元性物質として、有機化合物を溶融
炉中に投入することができる。有機化合物の分解物は、
炉内で良好な還元性物質として作用し、容器に酸素が作
用しないようにすることができる。
【0020】また、本発明の別の態様によれば、導電性
材料を少なくとも一部に用いた容器と、前記容器を加熱
するための高周波電源に接続された高周波コイルと、溶
融廃棄物を前記容器内で攪拌する攪拌ガスを導入するた
めの攪拌ガス導入手段と、前記容器全体を格納する格納
器とを備えてなる廃棄物溶融炉を運転する運転方法であ
って、前記容器を加熱する際に、前記溶融廃棄物に加え
て、アルカリ土類金属系及びホウ素化合物を、又はホウ
素化合物を、溶融助剤として溶融炉中に投入する廃棄物
溶融炉の運転方法が提供される。これにより、融点が高
い廃棄物であっても、その融点を下げることができ、溶
融がより容易になる。融点が下がることにより、有害物
質の発生が防止できるという効果もある。
【0021】
【実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施の形態
について説明する。本発明の装置実施の形態に説明する
廃棄物溶融炉100の断面図を図1に示す。本発明にお
いては、コイル2に高周波電流を流すことによって、回
転体形状で、導電性容器1が誘導加熱により高温にな
る。この容器1が高温に加熱され、そこに廃棄物3が投
入される。この廃棄物3は、不燃物または可燃物であ
る。この廃棄物3は、容器1が不燃物の融点程度にまで
加熱されるため、導電性容器1の内部で溶融し、体積を
大幅に減らす。この容器1全体は、断熱性と気密性とを
備えた格納器10によって覆われ、発生したガス5等の
拡散放出が防止される。なお、廃棄物3の投入機構・搬
出機構については、周知の各種技術が利用できるため、
ここで特に記載することはしない。
【0022】[実施の形態1]本発明の実施の形態の一
つとして、廃棄物溶融炉100について説明する。廃棄
物溶融炉100を用いて、容器を内張りによって保護し
たり、導電板によって保護したり、あるいはガス置換に
よって保護する方法や、ガス攪拌によって効率を改善す
る方法を説明する。
【0023】(内張りの使用)本実施の形態では、ガス
5や火炎6によって容器1の内壁が損傷するのを防止す
るため、内張り4を用いる。内張り4は、十分な耐熱性
を備えた材料であれば任意であるが、例えば特殊鋼やセ
ラミックスなどを用いることができる。
【0024】また、容器1やその内張り4に、断熱性材
料によるコーティングを施しても良い。この断熱性材料
は、アルミナ、ジルコニア等のコーティング剤が使用可
能である。
【0025】(ガス攪拌作用)また、溶融物3は、溶融
しているが、対流による攪拌作用では、熱にむらが生じ
たり、新たに投入した廃棄物が十分に溶融物に混ざらず
に、特に比重の軽い廃棄物等は溶融物表面に浮いてしま
う。この場合には、効率よく処理が進まない。
【0026】これを解決するために、溶融物の中に攪拌
するためのガスを導入するバブリングライン19で強制
的に気体を送り込み、バブリングによって攪拌すること
が有効である。バブリングによる攪拌作用によって、新
たに投入した廃棄物も溶融物内部にともに攪拌され、効
率よく溶融する。また、気体を不活性ガスとすることに
より発生ガス5が希釈され、腐蝕性ガスや酸素の濃度が
低下し、容器1の損耗が抑制できる。不活性ガスは、窒
素の場合を図示しているが、ほかにも、既燃ガス(燃焼
によって作られるガス)や、その他の酸化作用がないガ
スであってよい。
【0027】(導電板)容器1は、高周波電源15によ
ってコイル2に高周波電流を通電し、それによる誘導電
流で加熱される。この容器1の下部は溶融された廃棄物
3に接しているが、上部は容器のみが加熱される。この
ため、容器1とコイル2の間に、円筒状の導電板7を、
昇降機18で可動できるようにして配置するのが有効で
ある。これにより、例えば図1に示したように、導電板
7が溶融物のない容器1の上部に重なるように配置され
ると、導電板7がある部分の容器は加熱が弱くなり、異
常過熱が防止できる。導電板7として使用できるのは、
一般の導電性を備えた耐熱材料であり、容器と同材質
や、その他の材料が使用できる。また、導電板7は適当
な形状であってよい。
【0028】この導電板7を、昇降機18によって、容
器1とコイル2にはさまれた空間で、上下に移動する
と、適宜、誘導加熱による加熱部位や程度を調整するこ
とができて、廃棄物3の増減に対応して容器の保護が適
切に図れる。
【0029】(雰囲気パージノズル)容器1は誘導加熱
されそれ自身が熱源となっている。このため、容器の外
壁も高温に達し、ここに酸素等があると劣化する。これ
を防止するため、リング状で容器1の外壁に向かってガ
スを噴出するようにした雰囲気パージノズル8を容器1
近くに設け、格納器10内のガスの置換を実施した。こ
こで、不活性ガスを用いることが有効である。このよう
にノズルを容器の近くに設けることによって、容器周り
の酸素分圧を特に選択的に低下させることができ、不活
性ガスの供給量を抑制できる。
【0030】また、雰囲気パージノズル8は、図示しな
いが、可動式にされていても良い。この場合、容器の特
定部位での酸素濃度を選択的に低下させることも可能と
なる。また、供給気体の温度やノズルの噴出し方向の工
夫によって、冷却効果も期待でき、前述の容器の過熱防
止効果も期待できる。
【0031】この雰囲気パージノズル8の効果をさらに
高めるため、図2に示すように、容器1には、その外側
をくるむように、外張り13を設けても良い。外張り1
3は、例えばセラミックファイバー断熱シールド材であ
る。このような外張り13を用いた場合には、雰囲気パ
ージノズル8による冷却効果は期待できないが、酸素遮
断効果が期待できるために、容器1の外部からの劣化が
防止でき、雰囲気パージノズル8の効果をより高めるも
のである。
【0032】(酸素濃度計測による制御)本発明におい
ては、格納器10内からの排出ガスは、排出路9によっ
て排出される。このとき、排出路9で酸素濃度計20に
よって酸素濃度を測定し、その値に応じて、制御コンピ
ュータ11で、雰囲気パージノズル8への不活性ガス供
給量を制御することが有効である。これは、電磁バルブ
12の開度を制御して容易に実行可能である。廃棄物3
から放出されるガス5が、例えば酸素が少なくて、容器
の耐久性に影響しないような場合には、適宜不活性ガス
の供給量を調整することが可能となる。このときに、そ
の他の運転条件を同時にモニターして、より精密な制御
が可能なことは言うまでもない。また、酸素以外のガス
についても、同様にモニターすることができ、それに従
って不活性ガスの供給量を調整できる。
【0033】[実施の形態2]さらに、いくつかの手段
を用いた別の実施の形態である廃棄物溶融炉200につ
いて、図3を参照して説明する。廃棄物溶融炉200で
は、コイルを分割して容器温度の部分的な制御をするこ
と、容器内壁の保護手段として不活性ガスを利用するこ
とを説明する。
【0034】(温度計)容器の耐久性を確保する手段と
して、異常過熱を防止することが有効であることは既に
述べたが、この点に着目し、容器の複数の箇所の温度を
個別にモニターすることが有効である。特に、容器1で
廃棄物3に内壁が接している部分と接していない部分と
では、温度上昇の程度が異なっているために、典型的に
は、容器1の上部と下部を別々にモニターするのが望ま
しい。
【0035】温度計は、1000度を超える温度をモニ
ターすることや、誘導加熱されること等の条件の下で使
用可能な任意の温度計が使用できるが、赤外線を検知し
て温度を求める放射温度計等が望ましい。図3に、放射
温度計16a、16bで容器1の外壁面をモニターして
いる様子を図示した。
【0036】(分割コイル)上述の、容器1の異常過熱
防止のため、容器1を上下部分に分けて複数のコイル2
a、2bによって加熱することができる。これは、図3
に示すように、上下の2分割であっても良いが、それ以
上に分割されていても良い。このように、分割されてい
ることで、容器1の部分ごとに加熱の制御が可能とな
り、上述の内張り4や導電板7とは異なる手段を用い
て、容器1の耐久性を向上させることができる。コイル
2a、2bは、それぞれ個別に制御可能な電源である高
周波電源15a、15bによって駆動される。
【0037】(制御)以上のように、部分加熱手段、温
度測定手段が備えられた場合には、これらを制御して、
容器1の温度分布の制御が可能となる。制御用コンピュ
ータ17は、温度計16a、16bによる温度をモニタ
ーし、コイル2a,2bへの通電状態を電源15a、1
5bによって制御する。このとき、容器1の温度が適正
となるように、例えばPID制御であったり、ファジー
制御であったり、あるいは、容器各部のそれぞれの制御
系が完全には独立していない相互作用を考慮するなど、
任意の制御アルゴリズムに従って制御可能される。
【0038】(内壁保護ガスノズル)本発明では、容器
内壁の保護を目的に、容器内壁の局部ガス置換を行うこ
ともできる。つまり、図3に示す内壁保護ガスノズル1
4を配置し、ここから不活性ガスなど、容器に対して活
性がないガスを噴出させて、発生ガス5や、雰囲気に含
まれる酸素等が内壁に触れるのを防止することができ
る。
【0039】[実施の形態3]以上の実施の形態では、
容器1の素材は、実施の形態1および2に挙げた適切な
保護手段をほどこせば、より耐久性の低い材料も使用で
きる。このため、より安価な材料が利用でき、処理コス
トの削減が実現できる。
【0040】[実施の形態4]さらに、これまで説明し
てきた装置構成の工夫とは異なり、廃棄物3に還元剤を
添加して、容器の保護を図る実施の形態について説明す
る。容器の酸化を防止するために、還元性の強い材料、
例えば、炭素を主成分とする炭やコークス、あるいは、
FeSi、Al等は、この還元剤として適切である。こ
れら材料は、加熱された廃棄物3中に意図的に混ぜ込ま
れ、廃棄物3中の離脱酸素の捕獲等の作用がある。ま
た、発熱反応によって酸素を捕獲するために、加熱の役
割もあり、外部から投入する電力の削減にも資する。
【0041】還元性の程度は、容器1の内壁に生成され
る酸化膜の酸化ポテンシャルより大きいことが望まし
い。不活性ガスを利用した場合には、この還元性の強い
材料の代わりに、炭素を含んだ有機物を用いると、この
有機物が乾留されて、溶融炉で還元性の強い材料が生成
される。この場合には、各種の廃棄物で特にプラスティ
ック類が利用できるため、還元剤として廃棄物の使用が
可能となる。
【0042】上記2項のような還元剤を用いた過程を導
入することで、被溶融物中に有害な物質が元来含有する
場合でも、有害酸化物の還元による消滅が可能となる。
また、高い融点の不燃物を溶融する場合、溶融助剤を用
いることが有効である。この際の溶融助剤としては、ア
ルカリ土類金属系及びホウ素化合物、又はホウ素化合物
が使用可能であり、これらを用いることで被溶融物中に
有害な物質が元来含有する場合でもガラスを安定化し、
溶出等の低減が図れる。
【0043】以上の各実施の形態にて説明した各種構成
要件は、その組み合わせは任意に組み合わせて実施可能
である。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の工夫に
よって、廃棄物溶融炉における容器の耐久性が向上し、
容器の交換周期も長期化できるだけでなく、連続運転時
間が増大し、これらの効果により、処理コストが低減す
る。また、被溶融物中に有害な物質が元来含有する場合
であっても、これら還元剤を用いることで、有害酸化物
を還元することにより消滅することが可能になる。さら
に、容器の温度制御が適切に行われることにより、使用
エネルギーの低減も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る廃棄物溶融炉の構造
を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る廃棄物溶融炉の容器
と外張りの構造を示す概略断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る廃棄物溶融炉の
構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 容器、導電性容器 2、2a、2b コイル 3 廃棄物(溶融物) 4 内張り 5 ガス 6 火炎 7 導電板 8 雰囲気パージノズル 9 排出路 10 格納器 11、17 制御コンピュータ 12 電磁バルブ 13 外張り 14 内壁保護ガスノズル 15、15a、15b 高周波電源 16a、16b 放射温度計 18 昇降機 19 バブリングライン 20 酸素濃度計 100、200 廃棄物溶融炉
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27D 7/06 F27D 7/06 C 11/06 11/06 A G21F 9/30 551 G21F 9/30 551J H05B 6/06 393 H05B 6/06 393 6/26 6/26 6/34 6/34 6/44 6/44 (72)発明者 平井 章三 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 大家 泰昌 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 伊藤 雅哉 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 児玉 徹彦 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 3K059 AA08 AB16 AC33 AD07 AD08 AD12 CD18 CD63 CD74 4K046 AA01 BA10 CB03 CB06 CC03 CC05 CD12 EA01 4K063 AA04 AA12 AA15 BA13 CA05 CA06 DA05 DA34 FA34 FA43

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性材料を少なくとも一部に用いた容
    器と、前記容器を加熱するための高周波電源に接続され
    た高周波コイルと、前記容器全体を格納する格納器より
    なる高周波溶融炉において、溶融廃棄物を前記容器内で
    攪拌する攪拌ガスを導入するための攪拌ガス導入手段、
    または、前記格納器内の雰囲気を不活性ガスで置換する
    ための雰囲気ガス置換手段の、少なくともどちらか一方
    を備えてなる廃棄物溶融炉。
  2. 【請求項2】 前記雰囲気ガス置換手段が前記容器の周
    囲にガスを吹き付けるようにされていることを特徴とす
    る請求項1に記載の廃棄物溶融炉。
  3. 【請求項3】 前記雰囲気ガス置換手段が前記容器の内
    面にガスを吹き付けるようにされていることを特徴とす
    る請求項1に記載の廃棄物溶融炉。
  4. 【請求項4】 前記雰囲気ガス置換手段が可動式である
    ことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物溶融炉。
  5. 【請求項5】 酸素濃度測定手段と、前記酸素濃度測定
    手段からの信号により前記雰囲気ガス置換手段による置
    換ガス導入量を制御する制御手段とをさらに備えること
    を特徴とする請求項1に記載の廃棄物溶融炉。
  6. 【請求項6】 前記攪拌ガス導入手段によって前記容器
    に導入される前記攪拌ガスが不活性ガスであることを特
    徴とする請求項1に記載の廃棄物溶融炉。
  7. 【請求項7】 導電性材料を少なくとも一部に用いた容
    器と、前記容器を加熱するための高周波電源に接続され
    た高周波コイルと、溶融廃棄物を前記容器内で攪拌する
    攪拌ガスを導入するための攪拌ガス導入手段と、前記容
    器全体を格納する格納器と、前記容器の内面に配置され
    た耐熱性部材とを備えてなる廃棄物溶融炉。
  8. 【請求項8】 前記耐熱性部材に耐熱性材料がコーティ
    ングされていることを特徴とする請求項7に記載の廃棄
    物溶融炉。
  9. 【請求項9】 前記容器の外面に耐熱性材料をさらに配
    置することを特徴とする請求項7に記載の廃棄物溶融
    炉。
  10. 【請求項10】 前記容器と前記高周波コイルの間に導
    電板を移動可能に配置することを特徴とする請求項7に
    記載の廃棄物溶融炉。
  11. 【請求項11】 導電性材料を少なくとも一部に用いた
    容器と、前記容器を加熱するための高周波電源に接続さ
    れた高周波コイルと、溶融廃棄物を前記容器内で攪拌す
    る攪拌ガスを導入するための攪拌ガス導入手段と、前記
    容器全体を格納する格納器とを備えてなる廃棄物溶融炉
    前記容器であって、前記高周波コイルは独立した複数の
    高周波コイルからなり、前記高周波電源は前記複数の高
    周波コイルのそのそれぞれに独立して電力を供給可能に
    接続されている廃棄物溶融炉。
  12. 【請求項12】 複数の温度測定手段と、前記複数の温
    度測定手段の信号に応じて前記複数の高周波コイルそれ
    ぞれへの供給電力を制御する制御手段とをさらに備えて
    いることを特徴とする請求項11に記載の廃棄物溶融
    炉。
  13. 【請求項13】 導電性材料を少なくとも一部に用いた
    容器と、前記容器を加熱するための高周波電源に接続さ
    れた高周波コイルと、溶融廃棄物を前記容器内で攪拌す
    る攪拌ガスを導入するための攪拌ガス導入手段と、前記
    容器全体を格納する格納器とを備えてなる廃棄物溶融炉
    を運転する運転方法であって、前記容器を加熱する際
    に、前記溶融廃棄物に加えて還元性物質を溶融炉中に投
    入する廃棄物溶融炉の運転方法。
  14. 【請求項14】 前記還元性物質が有機化合物である請
    求項13に記載の廃棄物溶融炉の運転方法。
  15. 【請求項15】 導電性材料を少なくとも一部に用いた
    容器と、前記容器を加熱するための高周波電源に接続さ
    れた高周波コイルと、溶融廃棄物を前記容器内で攪拌す
    る攪拌ガスを導入するための攪拌ガス導入手段と、前記
    容器全体を格納する格納器とを備えてなる廃棄物溶融炉
    を運転する運転方法であって、前記容器を加熱する際
    に、前記溶融廃棄物に加えて、アルカリ土類金属系及び
    ホウ素化合物を、又はホウ素化合物を、溶融助剤として
    溶融炉中に投入する廃棄物溶融炉の運転方法。
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