JP2003074546A - フラットベアリング - Google Patents

フラットベアリング

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JP2003074546A
JP2003074546A JP2001269078A JP2001269078A JP2003074546A JP 2003074546 A JP2003074546 A JP 2003074546A JP 2001269078 A JP2001269078 A JP 2001269078A JP 2001269078 A JP2001269078 A JP 2001269078A JP 2003074546 A JP2003074546 A JP 2003074546A
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flat
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Yoshimasa Kimura
嘉昌 木村
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Topy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動抵抗が小で、移動範囲が大きいフラット
ベアリングの提供。 【解決手段】 対向して配置され互いに平行を保持した
まま所定可動範囲内での2次元相対動が可能な一対の皿
11、12と、該一対の皿間に配置された球体13と、
からなり、前記一対の皿の各皿は平面部11a、12a
と該平面部の周囲で対向皿方向に突出する縁部11b、
12bとを有し、前記所定可動範囲の径Aが、皿の平面
部の径をL、球体の直径をdとした場合に、A=2(L
−d)によって定まる、フラットベアリング。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2次元相対動する
2部品間に配置されて2部品の2次元相対動を円滑にす
るベアリング(以下、フラットベアリングという)に関
する。
【0002】
【従来の技術】イ.水平移動機構には、従来、以下のも
のがある。 (A) ボールローラー 図44のように、硬球101を、半球形のケース102
に埋め込んだもの。ケース102は球101より若干大
きな直径をもち、一方の口が開いていて、この口から硬
球の一部が覗いている。軸力はこの覗いている部分で受
け、球101が転がることにより、軸直角方向に自在に
移動できる。図45に示すように、これを裏返しにして
定盤103上に置き、重量物104の搬送に使う。この
機構は安価で使いやすいが、荷重を球とケースの接触摩
擦で受けるので、軸荷重が大きい場合には移動抵抗が大
きい。 (B) 転がり式ボールローラー 図46に示すように、ボールローラーの裏側に小さいボ
ール105を並べることによって、ケース106とボー
ル107の間も「転がり」で受け、抵抗を減らした方
式。この方式は小さいボール105が循環するので、そ
の分の抵抗が若干加わるが、(A)に比べれば1/10
0程度の抵抗で済む。しかし、小ボールを受けるケース
内面に精密な球面加工が必要で、製造コストが高くつ
く。 (C) 循環式ボールローラー 図47に示すように、(B)の大径ボール107を無く
し、小径ボール105を循環して使った方式。これによ
ってケース108の荷重受け面が平面となり、(B)の
ような球面加工が不要になるので、コストが削減でき
る。この機構では永久磁石109によって小ボール10
5の逸散を防止している。この方式の移動抵抗は(B)
とほぼ同じで非常に小さい。この方式は(B)よりシン
プルだが、機構上ケース108外枠が大きくなる。ま
た、部品点数が多いため高価である。
【0003】ロ.軸直角方向に移動する範囲が狭くても
よい水平移動機構としてはつぎがある (D) 潤滑方式 最も単純なのは、図48に示す潤滑方式である。摺動面
110を平滑に仕上げ潤滑油111によって滑りを良く
する。抵抗は、乾燥時の1/2以下で済む。移動範囲が
限られていると、潤滑必要範囲が限定できるので、この
方式の採用が可能になる。しかし、潤滑面112が水平
でない場合は、図49に示すように、潤滑油113を保
持できないので成り立たない。この方式は、元々摺動方
式なので、摩擦力が大きく移動抵抗がさほど減らない。
また、摩耗や発熱の問題がある。さらに、潤滑油の補充
や交換が必要など、メンテナンスの問題もある。 (E) 剪断方式 微小範囲の軸直角移動の場合、図50に示すように、ゴ
ムなどの弾性体114の剪断変形を利用する方法があ
る。弾性体114は双方の物体115、116に接着ま
たは圧着して滑らないように保持しておく。この方式
は、建造物の免震装置などによく用いられる。剪断方式
は弾性体114のひずみが大きいと疲労破壊しやすい。
また、剪断反力が剪断ひずみに比例して増える性質があ
る。よって、移動量は小さくならざるを得ない。しか
し、移動量がごく小さくてすむ場合は、安価で有効な方
法である。
【0004】ハ.接触水平移動抵抗について 2物体が接触しながら水平に相対移動する時の移動抵抗
はつぎの通りである。指標としては、接触荷重W、移動
抵抗Dとした時の摩擦係数μ=D/Wを用いる。 ★ 滑り摩擦移動 図51に示すように、2物体117、118が金属で、
互いが平滑面で接する時、滑り摩擦係数は、 μ=0.15〜0.20 である。 ★ 潤滑摩擦移動 2物体の間を潤滑すると、滑り摩擦係数は、 μ=0.06〜0.08 程度である(滑り摩擦の半分以下)。 ★ 転がり摩擦移動 図52に示すように、物体119が球か円筒で、転がっ
て移動する時の転がり摩擦係数は、2物体119、12
0が鋼鉄製の時、 μ=0.0005〜0.001 である(滑り摩擦の1/300〜1/200)。したが
って、移動抵抗の減少のためには、上下面ともに「転が
り」で作動する「ころ」がもっとも有効である。 ★ ころ 図53に示すように、2物体121、122の間に球か
円筒の「ころ」123を挟んで、転がりを利用して移動
抵抗を下げる仕掛けである。転がり力は、物体A、Bと
の2箇所の接点で発生するので、単純な転がりの2倍に
なる。 μ=0.001〜0.002 である(滑り摩擦の1/100以下)。 ★ 複数ころ 図54に示すように、複数ころ124の場合、荷重が分
散されるので、接点は増えるが、移動抵抗は「ころ」の
場合と同じである。 D=Wμ/3+Wμ/3+Wμ/3=Wμ ★ ボールローラー 図55に示すように、ボールローラー125はケース1
26との接触部で滑りが生じる。したがって、転がりで
はなく「滑り摩擦」になる。ただし、接点は球面間の1
点だけなので、滑り摩擦としては最小レベルに収まる、
したがって、 μ=0.15 程度である(条件の良い滑り摩擦)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】先に示した従来の水平
移動機構(A〜E)の問題点を整理すると、つぎの通り
である。 移動抵抗が大きい。………………………………
(A)、(D)、(E) 高価な機構である。………………………………
(B)、(C) 大きくて使いにくい。……………………………
(B)、(C) 移動範囲が小さすぎる。…………………………
(E) 移動抵抗が大きいと、水平移動機構の機能が落ち、用途
が限られてくる。また、移動範囲が小さすぎると、用途
が限られてくる。本発明の目的は、移動抵抗が小で、移
動範囲が大きいフラットベアリングを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明はつぎの通りである。 (1) 対向して配置され互いに平行を保持したまま所
定可動範囲内での2次元相対動が可能な一対の皿と、該
一対の皿間に配置された球体と、からなり、前記一対の
皿の各皿は平面部と該平面部の周囲で対向皿方向に突出
する縁部とを有し、前記所定可動範囲の径Aが、皿の平
面部の径をL、球体の直径をdとした場合に、A=2
(L−d)によって定まる、フラットベアリング。 (2) 前記皿の縁部の高さは、球体の直径の1/3以
上である(1)記載のフラットベアリング。 (3) 前記一対の皿は、前記フラットベアリングを相
手装置に組み付け完了するまでは、互いに中心を合わせ
て仮留め部材によって仮留めされている(1)記載のフ
ラットベアリング。 (4) 前記球体は、前記皿に対して、滑りと転がりの
複合動作でセンタリングされる、(1)記載のフラット
ベアリング。 (5) 前記フラットベアリングと相手構造物との間に
弾性部材を挿入した(1)記載のフラットベアリング。
【0007】上記(1)のフラットベアリングでは、こ
ろが使われているので、移動抵抗が減少する。本発明で
は、2次元的(平面上)な移動が要求されているので、
「ころ」は円筒形ではなく、球形である。フラットベア
リングの可動範囲は、A=2(L−d)であり、L>d
であるから、可動範囲は皿の平面部の径Lに比べて広
い。上記(2)のフラットベアリングでは、皿の縁部の
高さは、球体の直径の1/3以上であるため、球体が皿
の縁部を乗り越えることがなく、球体の可動範囲は皿の
縁部によって規制できる。上記(3)のフラットベアリ
ングでは、一対の皿は仮留め部材によって仮留めされて
いるので、皿、球体は組み付けまではばらばらではな
く、搬送、組み付けが便利である。仮留め部材は一対の
皿が相対移動した時に損傷して外れる構造となってい
る。上記(4)のフラットベアリングでは、球体は縁部
まで移動すると皿に対して自動的にセンタリングされ
る。上記(5)のフラットベアリングでは、フラットベ
アリングと相手構造物との間に弾性部材を挿入したの
で、与圧のコントロールが容易である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のフラットベアリングを図
1〜図43を参照して説明する。本発明のフラットベア
リングでは、移動抵抗を低減するために、「ころ」を用
いている。ただし、2次元の移動が要求されているの
で、「ころ」は円筒形ではなく、球形とする。具体的に
は、図1に示すように、球1を2枚の平面板2、3で挟
んだ構造とする。ただし、図1の構造のままでは、つぎ
の問題がある(図1の構造は、本発明に含まず)。 i)球が板からはずれると成立しない(ころにならな
い)ので、移動範囲が規制されるべきである。 ii) 3つの部品がばらばらである。これらの問題を解決
する構造として、図2、図3のフラットベアリング10
(本発明)とした。図2、図3の構造は、 (イ)対向して配置され互いにほぼ平行を保持したまま
所定可動範囲内での2次元相対動が可能な一対の皿1
1、12と、該一対の皿間に配置された球体13(硬
球)と、からなる。球体の「ころ」により移動抵抗小の
フラットベアリングが得られる。 (ロ)一対の皿の各皿11、12は平面部11a、12
aと該平面部の周囲で対向皿方向に突出する縁部11
b、12bとを有する。縁部により球体が皿から外れる
のを防止できる。上記i)の問題を解決できる。 (ハ)前記所定可動範囲の径Aが、皿の平面部の径を
L、球体の直径をdとした場合に、A=2(L−d)に
よって定まる。移動範囲が大きい。 (ニ)皿の縁部11b、12bの高さは、球体の直径の
1/3以上である。これによって、球体が皿の縁部を乗
り越えることがなく、球体の可動範囲は皿の縁部によっ
て規制できる。上記i)の問題を解決できる。
【0009】(ホ) 図2、図3に示すように、一対の
皿11、12は、フラットベアリング10を相手装置に
組み付け完了するまでは、互いに中心を合わせて仮留め
部材14によって仮留めされている。これによって、皿
11、12、球体13は相手装置への組み付けまではば
らばらではなく、搬送、組み付けが便利である。仮留め
部材14は一対の皿が相対移動した時に損傷して外れる
構造となっている。さらに、詳しくは、仮留め部材14
は皿11、12の縁に嵌め込まれた樹脂ケースからな
り、一対の皿11、12を仮留めしている。樹脂ケース
にはノッチ15を入れ、一対の皿11、12が水平移動
すれば容易に破損して、外れる構造となっている。これ
で、上記ii) の問題が解決される。なお、仮留め部材1
4は、グリース封入用および砂、水等の侵入防止用のゴ
ム製の蛇腹からなっていてもよい。これによって上記
i)、ii) の問題は解決する。このフラットベアリング
10を、図4、図5に示すように、たとえば相手部材で
ある重量物16と床17との間に適宜挿入すると、重量
を支えながら重量物16を水平移動させることが容易に
できる。移動可能範囲は球体13が皿11、12の縁部
に到達する間である。樹脂ケースからなる仮留め部材1
4はベアリングの最初の作動で外れるので、その後の動
きを制約しない。フラットベアリング10は、安価、小
型、移動範囲がかなり大きい、という条件を満足してい
るので、前記の 移動抵抗が大きい、 高価な機構
である、 大きくて使いにくい、 移動範囲が小さ
すぎる、という従来装置の問題点を全て解決している。
【0010】本発明のフラットベアリング10の可動範
囲について定量的に説明する。 皿の直径=L 皿の高さ(縁部の平面部からの高さ)=h 球体の直径=d 球体が皿の縁部に当たった時の球体中心からの水平距離
をSとすると、 S=〔(d/2)2 −(d/2−h)2 1/2 =(dh
−h)1/2 図6で、上の皿11の左右への移動量をTL、TRとす
ると、 TR=TL=L−2S=L−2(dh−h)1/2 皿の縁hが球体13の径に対して十分高い位置(h>d
/3)にあるので、(d/2−h)≒0であると考えて
もよく、S≒d/2、したがって、ベアリング10の可
動範囲Tは、左右の移動量をたして、 T=TL+TR≒2L−2d つまり、上皿の可能移動量は、近似的には、皿の直径の
2倍から、球の直径の2倍を引いた量となる。図6から
わかるように、球体13の移動量はその半分の、L−
d、である。たとえば、皿の直径が30mm、球体の直
径が10mmなら、ベアリング移動量は、ほぼ40m
m、球体の移動量は、20mmである。
【0011】(ヘ) 球体13は、皿11、12に対し
て、滑りと転がりの複合動作でセンタリングされる。 フラットベアリング10は、相手装置に組み込まれた後
は仮留め部材14が外れるので、一対の皿11、12と
球体13間の連結がなくなる。その結果、ベアリングに
軸力がかからなくなると、皿11、12に球体13の動
きを押さえる働きが無くなり、球体13は勝手に移動す
る。しかし、縁部によって遮られるので、皿からはみ出
すことはない。たとえば、図7の場合、横力18が図示
の方向に働くと、左側の球体13は動きを拘束されなく
なり、遠心力で上縁へと動く。この状態で横力が反対向
き(左向き)に変わると、球体の位置が偏った状態から
フラットベアリングがスタートすることになる。球体の
位置が偏った状態からフラットベアリング10が作動し
始めると、図8に示す経過をたどって、球体13は中心
位置に戻る。図8において、 球体が偏った位置:上皿11は右にも左にも、転がり
では動けない。 滑って移動:上皿11を左に引くと、球体13の上面
は転がり、下面は滑って動く。 皿の縁部でロック:滑りで上皿の縁部に球体13が当
たる所まで来ると、動けなくなりロックする。ここが、
フラットベアリング10の作動限界なので、この後皿を
右に引く。 転がりで移動:右に引くと、引っ掛かるものがないの
で、上下面とも転がりで動く。引張り力は、2面の転が
りなので、μ=0.002程度となる。 球体13は中央に収まる:上皿11が中央に来ると、
球体13は中央に収まる。 以上のメカニズムにより、当初は「滑り」の移動力が1
00倍位と重くなるが、その後は球体13が中央に収ま
って、「転がり式ベアリング」に戻る。
【0012】本発明のフラットベアリング10の具体的
な実施例を説明する。 〔1〕丸形フラットベアリング 〔1−1〕 鉄板製丸形ケース 図9〜図11に示すように、皿11、12が、外形丸形
で、鉄板の成形品からなる。成形はプレスである。硬球
13が皿11、12間に配置される。縁部は平面部から
湾曲して立ち上がっている。皿11、12は相手部材1
6、17に窪みを付けて埋め込んである。仮留め部材1
4は樹脂製で、皿11、12を連結している。仮留め部
材14にはノッチ15が入っていて、最初の作動時に分
断されて外れる。プレス成形のため、コストは安いが製
品直径が若干大きくなる。 〔1−2〕 冷鍛製丸形ケース 図12〜図14に示すように、皿11、12が、外形丸
形で、冷間鍛造品からなる。冷間鍛造とすることによ
り、小型、低コスト化する。また、背面に角形周り止め
11c、12cの設置が可能である。仮留め部材14に
はノッチ15が入っていて、最初の作動時に分断されて
外れる。仮留め部材14にはノッチ15が入っていて、
最初の作動時に分断されて外れる。コストは若干高い
が、サイズがコンパクトにできる。 〔1−3〕 ミニタイプ 図15〜図17に示すように、皿11、12が、外形丸
形で、ミニタイプとされており、後述の弾性ホイール等
に使用できる。
【0013】〔2〕角形フラットベアリング(4角形) 図18〜図22に示すように、皿11、12が、外形角
形のフランジ部11d、12dを有する。フランジ部1
1d、12dの内周縁部が縁部11b、12bを兼ね
る。平面部11a、12aは円形である。皿11、12
間に球体13が配置される。角形とすることで4隅に留
め穴11e、12eが設定でき、ゴムあるいは樹脂の仮
留め部材14で留めることができ、コスト、作業性とも
に、向上する。仮留め部材14はフラットベアリング1
0を相手装置15、16に組み付け後、切断する。ま
た、図22に示すように、フラットベアリング10を複
数個を隙間なく敷き詰めて使うと、回り止め機能を果た
すことができる。
【0014】〔3〕マルチフラットベアリング 図23〜図26に示すように、皿11、12が、複数
(図示例は4個の場合を示す)の円形の平面部11a、
12aと縁部11b、12bを四角格子状に有する。各
平面部11a、12aに球体13を配置する。仮留め部
材14を格子配列の平面部11a、12a間のフランジ
部11d、12dに配置すると、1箇所をクランプする
だけで仮留めできる。仮留め部材14はフラットベアリ
ング10を相手装置15、16に組み付け後、切断す
る。平面部11a、12aを格子配列するため、スペー
ス効率がよい。
【0015】本発明のフラットベアリング10の応用例
を、以下に説明する。 〔応用例1〕 弾性ホイールのリム、ディスク間ベアリ
ング 図27、図28に示すように、フラットベアリング10
を自動車用弾性ホイール20に使用する。弾性ホイール
20はリム21とディスク22を別体に構成し、リム2
1とディスク22とを弾性部材、たとえばばね23を介
して、またはばね23とアブソーバー24を介して、連
結する。リム21とディスク22とは、ホイール軸方向
と直交方向には所定移動範囲内で2次元の相対移動が可
能であるが、ホイール軸方向には相対移動を拘束され
る。リム21とディスク22とをホイール軸方向の相対
移動を拘束するために、リム21とディスク22との間
にフラットベアリング10を使用する。すなわち、リム
21から半径方向内側にリム側ブラケット25を延ば
し、該リム側ブラケットのホイール軸方向両側にディス
ク22から半径方向外側にディスク側ブラケット26を
延ばし、リム側ブラケットの軸方向両側に、リム側ブラ
ケットとディスク側ブラケットとの間にフラットベアリ
ング10を配置する。皿11、12は平面部11a、1
2aを、ホイール軸方向と直交する方向に向けてホイー
ル20に組み付けられる。車両が平坦路走行中、フラッ
トベアリング10の球体13は皿11、12に対して、
皿中心まわりに円運動する。
【0016】〔応用例2〕 フライホイール 図29、図30に示すように、フラットベアリング10
をフライホール30の横ぶれ防止に使用する。フライホ
ール30と軸31とはばね33を介して連結される。フ
ライホール30と軸31とは高速回転するので、横ぶれ
を押さえないと、振動が発散して危険である。横ぶれを
起こす垂直荷重を受けながら、フライホイール30の回
転中心ずれにともなう横力支持部の相対動きを吸収する
ため、フラットベアリング10を使用する。
【0017】〔応用例3〕 建造物の免震構造(その
1) 図31〜図33に示すように、フラットベアリング10
を建造物40の免震構造に使用する。建造物の土台と柱
の間、橋脚と橋梁の間、などには、建造物40の荷重を
支えながら、地震の横揺れを吸収して建造物40にダメ
ージを与えない機能が求められる。これを果たすため
に、フラットベアリング10を用いることができる。土
台41と建造物40の一方にフラットベアリング10の
皿11を取付け、他方に皿12を取付け、一対の皿1
1、12間に球体13を配して、土台41と建造物40
が水平方向に相対移動可能にする。また、土台41と建
造物40間に水平方向にばね42とアブソーバー43を
配置する。図32、図33は土台41と建造物40間に
丸形フラットベアリング10を複数配置したものを示し
ている。
【0018】〔応用例4〕 建造物の免震構造(その
2) 図34、図35は、フラットベアリング10を建造物4
0の免震構造に使用したもう一つの例を示す。図34、
図35の例は、フラットベアリング10として角形フラ
ットベアリングを用いた場合で、その他は図32、図3
3に準じる。
【0019】〔応用例5〕 与圧コントロールが容易な
フラットベアリング 図36〜図43は、与圧コントロールに関する問題と与
圧コントロールが容易なフラットベアリングを示す。フ
ラットベアリング10の使用法を分類するとつぎの2種
類がある。 支持対象物の自重を支えながら水平移動するタイプ 橋脚や建築物の防振構造、重量物の水平移動機構、等が
これにあたる。 支持対象物の回転時横振れ力等の、変動荷重を支え
るタイプ 弾性ホイールに用いられたものは、垂直荷重が横ぶれ力
に従って変動するので、これにあたる。
【0020】上記のタイプの使用時には、フラットベ
アリングにかかる垂直荷重は自重なので常に一定であ
り、移動抵抗が変動する問題は発生しない。また、ベア
リングにあらかじめ与圧する必要はない。上記のタイ
プの使用時には、ベアリング組み付け時に、あらかしめ
圧力Pをかけておく必要がある(図36)。このPは、
構造物の弾性変形によって保たれ、静定時は安定してい
る。しかし、横ぶれ力Qがかかると、右側のベアリング
にはP+Q、左側のベアリングにはP−Qの圧力がかか
る。Qが増大して、Q>Pとなると、左側のベアリング
の垂直荷重は無くなるため、球体は拘束されずに遠心力
や重力で移動し、所定の位置からずれてしまう。この位
置ずれは自律的にセンタリング機能で修復されるが、修
復過程で一時的に移動抵抗が増大するために好ましくは
ない。したがって、横ぶれ力がQの場合、Q<Pに設定
しておくことが望ましい。
【0021】しかし、与圧する場合、その荷重のコント
ロールが難しいという問題がある。ベアリングの移動抵
抗を減らし、耐久性を増すためには、ベアリングケース
の球体も皿も固いほうがよいので、固い材料が使われ
る。したがって、その接触面での弾性変形はほとんど期
待できず、与圧に必要な弾性変形はベアリング以外の部
分、つまり構造物全体での弾性変形に期待しなければな
らない。一般に、構造物は多くの部品の集合体なので、
その剛性のコントロールは非常に難しい。ベアリング組
み付け時の与圧のコントロールは、「組み付け位置のコ
ントロール」に置き換えるのが現実的方法だが、構造物
の剛性が高いと、位置に対する感度が高くなり、調整す
べき位置がピンポイントになって、与圧のコントロール
が困難である。実際には、構造物は剛性が高いことが多
く、「位置コントロール法」は採用しにくい。一方、
「押し込み力コントロール法〕を採ると、経時変化など
で構造物剛性が下がった時に、図37に示すように、与
圧力がPからP’に急激に低下して、与圧が必要圧力以
下に落ちてしまう。したがって、上記のタイプの場
合、 (A)組み付け時に与圧をかける必要がある。必要与圧
力P>Q(Qは横ぶれ力) (B)与圧は、相手構造物の剛性に依存するため、定ま
りにくい。
【0022】上記の問題を解決するには、与圧コントロ
ールをしたい領域の剛性は低くし、全体としての剛性は
高くする方法をとればよい。すなわち、図38に示すよ
うに、与圧する領域では剛性が低く、それ以上の領域で
は剛性が高くなるような非線型特性をもつ構造にすれば
よい。このような非線型特性は、図39、図40に示す
ように、ゴム50を圧縮で使うことで得られる。
【0023】これを具現化するために、図41〜図42
に示すように、フラットベアリング10の皿11、12
の少なくとも一方の相手構造物への取付け部に、適度な
厚さと固さを有するゴム部材19を貼付ける構造として
もよい。組み付け方法は、ゴム部材19との間の滑り防
止のために、相手構造物に埋め込むか、接着することが
望ましいが、組み付け圧力Pが十分大きければ、圧着で
もよい。
【0024】
【発明の効果】請求項1のフラットベアリングによれ
ば、ころが使われているので、移動抵抗が減少する。ま
た、フラットベアリングの可動範囲は、A=2(L−
d)であり、皿の平面部の径Lに比べて相当に広い。請
求項2のフラットベアリングによれば、皿の縁部の高さ
は、球体の直径の1/3以上であるため、球体が皿の縁
部を乗り越えることがなく、球体の可動範囲を皿の縁部
によって規制できる。請求項3のフラットベアリングに
よれば、一対の皿は仮留め部材によって仮留めされてい
るので、皿、球体は組み付けまではばらばらではなく、
搬送、組み付けが便利である。請求項4のフラットベア
リングによれば、球体が縁部まで移動すると皿に対して
自動的にセンタリングされる。請求項5のフラットベア
リングによれば、フラットベアリングと相手構造物との
間に弾性部材を設けたので、フラットベアリングへの与
圧のコントロールが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】平面板にコロを挟んだ構造の断面図である。
【図2】本発明実施例の基本構成のフラットベアリング
の断面図である。
【図3】図2のフラットベアリングの半分を断面図で、
残り半分を平面図で示したものである。
【図4】図2のフラットベアリングを重量物支持に用い
た時の断面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】図2のフラットベアリングの可動範囲を示す、
フラットベアリングの断面図である。
【図7】図2のフラットベアリングの球体のセンタリン
グ機能を示す、フラットベアリングの断面図である。
【図8】図7のフラットベアリングの球体のセンタリン
グ機能を示す、球体の各位置でのフラットベアリングの
断面図である。
【図9】本発明実施例の一つの鉄板製丸形皿をもつフラ
ットベアリングの断面図である。
【図10】図9のフラットベアリングの半分を断面図
で、残り半分を平面図で示したものである。
【図11】図9のフラットベアリングを相手物に組み付
けた状態の断面図である。
【図12】本発明実施例のもう一つの冷鍛製丸形皿をも
つフラットベアリングの断面図である。
【図13】図12のフラットベアリングの断面図であ
る。
【図14】図12のフラットベアリングを相手物に組み
付けた状態の断面図である。
【図15】本発明実施例のもう一つのミニタイプのフラ
ットベアリングの断面図である。
【図16】図15のフラットベアリングの断面図であ
る。
【図17】図15のフラットベアリングを相手物に組み
付けた状態の断面図である。
【図18】本発明実施例のもう一つの角形皿をもつフラ
ットベアリングの断面図である。
【図19】図18のフラットベアリングの半分を断面図
で、残り半分を平面図で示したものである。
【図20】図18のフラットベアリングを相手物に組み
付けた状態の断面図である。
【図21】図19のフラットベアリングのA線に沿った
断面図である。
【図22】図18のフラットベアリングを複数敷き詰め
たものの平面図である。
【図23】本発明実施例のもう一つの、複数の球体をも
ちかつ角形皿をもつフラットベアリングの断面図であ
る。
【図24】図23のフラットベアリングの半分を断面図
で、残り半分を平面図で示したものである。
【図25】図23のA−A断面図である。
【図26】図23のフラットベアリングを相手物に組み
付けた状態の断面図である。
【図27】本発明実施例のフラットベアリングの一つ応
用例である、弾性ホイールの断面図である。
【図28】図27の弾性ホイールの正面図である。
【図29】本発明実施例のフラットベアリングのもう一
つ応用例である、フライホイールの断面図である。
【図30】図29のフライホイールの半正面図である。
【図31】本発明実施例のフラットベアリングのもう一
つ応用例である、建造物の免震機構の断面図である。
【図32】図31の免震機構に用いられたフラットベア
リングの平面図である。
【図33】図32のフラットベアリングの断面図であ
る。
【図34】本発明実施例のフラットベアリングのもう一
つ応用例である、建造物の免震機構に用いられたフラッ
トベアリングの正面図である。
【図35】図34のフラットベアリングの断面図であ
る。
【図36】荷重変動タイプのフラットベアリングにかか
る圧力を示す、フラットベアリングの断面図である。
【図37】荷重変動タイプのフラットベアリングにかか
る圧力の変化を示すグラフである。
【図38】荷重変動タイプのフラットベアリングにかか
る望ましい圧力と位置との関係を示すグラフである。
【図39】図38の関係を示すことができるゴム付きフ
ラットベアリングの断面図である。
【図40】図39のゴム付きフラットベアリングの圧力
と撓みの関係を示すグラフである。
【図41】両皿にゴムを付けたフラットベアリングの断
面図である。
【図42】片皿にゴムを付けたフラットベアリングの断
面図である。
【図43】図41のゴムを付けたフラットベアリングを
相手物に取り付けた時の断面図である。
【図44】従来のボールローラーの断面図である。
【図45】従来のボールローラーを取り付けた定盤の断
面図である。
【図46】従来の転がり式ボールローラーの断面図であ
る。
【図47】従来の循環式ボールローラーの断面図であ
る。
【図48】従来の潤滑方式移動機構の断面図である。
【図49】図48の機構を縦にして使用した時の断面図
である。
【図50】図48の剪断方式移動機構の断面図である。
【図51】従来の滑り移動機構の荷重と抵抗を示す移動
機構の断面図である。
【図52】従来の転がり移動機構の荷重と抵抗を示す移
動機構の断面図である。
【図53】従来のころ移動機構の荷重と抵抗を示す移動
機構の断面図である。
【図54】従来の複数ころ移動機構の荷重と抵抗を示す
移動機構の断面図である。
【図55】従来のボールローラー移動機構の荷重と抵抗
を示す移動機構の断面図である。
【符号の説明】
10 フラットボールベアリング 11 皿 11a 平面部 11b 縁部 12 皿 12a 平面部 12b 縁部 13 球体 14 仮留め部材 15 ノッチ 16 相手部材 17 相手部材 19 ゴム部材 20 弾性ホイール 30 フライホイール 40 建造物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置され互いに平行を保持した
    まま所定可動範囲内での2次元相対動が可能な一対の皿
    と、該一対の皿間に配置された球体と、からなり、 前記一対の皿の各皿は平面部と該平面部の周囲で対向皿
    方向に突出する縁部とを有し、 前記所定可動範囲の径Aが、皿の平面部の径をL、球体
    の直径をdとした場合に、A=2(L−d)によって定
    まる、フラットベアリング。
  2. 【請求項2】 前記皿の縁部の高さは、球体の直径の1
    /3以上である請求項1記載のフラットベアリング。
  3. 【請求項3】 前記一対の皿は、前記フラットベアリン
    グを相手装置に組み付け完了するまでは、互いに中心を
    合わせて仮留め部材によって仮留めされている請求項1
    記載のフラットベアリング。
  4. 【請求項4】 前記球体は、前記皿に対して、滑りと転
    がりの複合動作でセンタリングされる、請求項1記載の
    フラットベアリング。
  5. 【請求項5】 前記フラットベアリングと相手構造物と
    の間に弾性部材を挿入した、請求項1記載のフラットベ
    アリング。
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