JP2003073176A - セラミックス複合材料の製造方法 - Google Patents
セラミックス複合材料の製造方法Info
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Abstract
るセラミックス複合材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 3次元に配向された強化用繊維で織物2
を製作した後に、織物2を所定形状に成形する。織物2
を平板状に製作した後に、所定形状を有する治具3、4
に倣わせて成形する。
Description
舶、発電等の分野において、例えば圧縮機やタービン等
の構成部品として用いられるセラミックス複合材料の製
造方法に関するものである。
属に比べて軽量であり、耐熱性、耐摩耗性に優れること
から航空宇宙、エネルギー、環境、産業機械、素材など
の分野における高温機器、原動機などの部品材料への適
用が考えられ、例えばジェットエンジンのノズルやガス
タービンのエンジン部品などへの適用が考えられてい
る。
例えば強化用の繊維を用いて成形体を造り、成形した繊
維織物の表面にSiCマトリックス層を形成する気相含
浸法(CVI処理;Chemical Vapor Infiltration)を
行った後に、そのマトリックス層の隙間に有機珪素ポリ
マーを基材として含浸し焼成する液相含浸法(PIP処
理;Polymer Impregnaion and Pyrolysis)を行い、マ
トリックス層がPIP処理で十分な密度に達した後に、
機械加工等により製品形状に応じた成形を施すことで製
造されており、この技術では、PIP処理がCVI処理
に較べてマトリックスの形成速度が早く、かつ短時間に
繰り返して実施することができるため、これを繰り返す
ことにより、CVI処理後の隙間を完全に充填し、気密
性を高めることができる。
いられるシュラウドを構成する、図2(a)に示す平面
視円弧形状(扇形)のセグメント1を製造する際には、
図2(b)に示すように、このセグメント1の外径およ
び内径を有する円盤状の織物2を3次元円筒座標系に従
った方向に配向させた強化用繊維(r糸、θ糸、z糸)
で製作した後に、所定の角度(円弧長さ)で切断して成
形する方法が一般的である。
たような従来のセラミックス複合材料の製造方法には、
以下のような問題が存在する。織物は、z糸にテンショ
ンを掛けながら織られるが、テンションによる撓みで形
状が崩れるため、軸方向(z方向)に関しては厚さを大
きくできない、強化用繊維を多く入れることができない
という問題があった。また、円盤状の織物は、平板状の
織物に比較して、製作に係るコストが高いという問題点
もあった。
れたもので、任意の厚さが得られ、またコストを抑制で
きるセラミックス複合材料の製造方法を提供することを
目的とする。
めに本発明は、以下の構成を採用している。請求項1記
載のセラミックス複合材料の製造方法は、3次元に配向
された強化用繊維で織物を製作した後に、当該織物を所
定形状に成形する工程を含むセラミックス複合材料の製
造方法であって、前記織物を平板状に製作した後に、前
記所定形状を有する治具に倣わせて成形する工程を含む
ことを特徴とするものである。
製造方法では、平板状に織物を製作するので、任意の厚
さの織物を得ることができる。また、織物を平板状とす
ることで、円盤状にする場合に比較してコストを抑制で
きるとともに、図2の軸方向(z方向)に関しても強化
用繊維を多く入れることが可能になる。
造方法は、請求項1記載のセラミックス複合材料の製造
方法において、前記強化用繊維を3次元直交座標系で配
向することを特徴とするものである。
製造方法では、各方向の強化用繊維を直線的に配向・織
ることができるため製造が容易であり、コスト低減に寄
与できる。
造方法は、請求項1または2記載のセラミックス複合材
料の製造方法において、前記織物は、円弧形状の輪郭を
有する断面視略扇形に成形されることを特徴とするもの
である。
製造方法では、円弧形状の輪郭を有する治具に平板状の
織物を倣わせることで、断面視略扇形の織物に成形する
ことができる。
造方法は、請求項3記載のセラミックス複合材料の製造
方法において、前記強化用繊維の配向比率を前記略扇形
の中心からの距離に応じて異ならせることを特徴とする
ものである。
製造方法では、織物を略扇形の中心に対して外径となる
側を内径となる側よりも半径に応じて密に配向すること
で、平板状の織物を略扇形に成形した際に外径側が引っ
張られ、内径側が圧縮された場合でも強化用繊維の配向
密度を一定にすることができる。
材料の製造方法の実施の形態を、図1を参照して説明す
る。ここでは従来例と同様に、例えば、シュラウド用の
セグメントを円弧形状の輪郭を有する断面視略扇形に製
造する場合の例を用いて説明する。この図において、従
来例として示した図2と同一の構成要素には同一符号を
付し、その説明を省略する。
化用繊維の一部を示す斜視図である。この図に示す強化
用繊維は、3次元直交座標系で配向され、X方向に延在
する繊維2aと、これに直交するY方向に延在する繊維
2bとを積層し、これらに直交するZ方向に延在する繊
維2cで縫い合わせた3次元織物2である。なお、これ
らの繊維2a〜2cは、例えばSiC繊維で形成された
ものである。
は、多重織物、n軸−3次元織物等が考えられる。ま
た、織物2は、図2(a)に示した略扇形の中心(扇を
形成する円弧の中心)からの距離(半径)に応じて強化
用繊維の配向比率が異なるように製作されている。具体
的には、半径が小さい扇形内周側から半径が大きい扇形
外周側へ向かうに従って、強化用繊維の配向比率が漸次
大きくなる(密になる)ように製作されている。配向比
率を異ならせる強化用繊維としては、図1(b)に示す
ように、例えばY軸回りの扇形を製作する場合にはY方
向に延在する繊維2bを選択し、X軸回りの扇形を製作
する場合にはX方向に延在する繊維2aを選択すること
ができる。
2を所定の長さに切断(または予め所定の長さに製作)
したものを治具3、4間で挟持し、これら治具3、4を
ボルト等の締結手段で締結固定する。このとき、織物2
を挟持する治具3、4の各成形面3a、4aは、所定半
径を有する円弧形状の断面輪郭を有しているため、平板
状であった織物2は成形面3a、4aに倣うことで断面
視略扇形の形状で保持される。
物2に対してCVI処理を施す。すなわち、炉内で治具
3、4で固定された織物2を加熱し、減圧雰囲気にて例
えばメチルトリクロロシランを流入させてSiCを合成
させて付着させる。なお、この工程は、必要に応じて繰
り返し、CVI処理で合成されるマトリックスの体積比
率を所定値にする。
形された繊維織物2にカーボン(好ましくはグラファイ
トカーボン)又はBN等をコーティングする、いわゆる
C−CVI工程を設けてもよい。かかるコーティング層
は、特開昭63−12671号公報に開示されるよう
に、マトリックスとセラミックス繊維とを分離しセラミ
ックス複合材料のじん性を強化する役割を果たすことが
できる。
3、4を織物2から取り外し、織物2にPIP処理を施
す。このPIP処理は、CVI処理で形成したマトリッ
クス層の隙間に、例えば有機珪素ポリマーを基材として
減圧下で含浸する含浸工程とその後の焼成工程とからな
る。含浸を減圧下で行うことで、織物中の空気を脱気す
ることができポリマーの含浸が容易になる。含浸工程と
焼成工程は、所定の密度に達するまで必要に応じて繰り
返して行う。含浸工程に使用する有機珪素ポリマーは、
例えばキシレンの中にポリカルボシランが溶解したポリ
カルボシラン溶液や、ポリビニルシラン、ポリメタロカ
ルボシラン等がよい。これらの有機珪素ポリマーを用い
て含浸し焼成するPIP処理により、微細な亀裂が存在
するマトリックスを短時間に形成することができる。
漬、減圧含浸、加圧含浸のいずれか、或いはこれらの組
み合わせによるのがよい。浸漬では、大量の有機珪素ポ
リマーを短時間に含浸させることができる。また減圧含
浸では微細な隙間に有機珪素ポリマーを含浸させること
ができる。更に加圧含浸では、使用時の圧力方向に加圧
して含浸することにより、気密性を高めることができ
る。
成されたマトリックスの表面に緻密なマトリックスを形
成するコーティング処理として再度CVI処理を実施し
てもよい。
治具3、4の成形面3a、4aに倣うことで、成形面3
a、4aで規定された円弧形状の断面輪郭を有する断面
視略扇形に成形される。
複合材料の製造方法では、強化用繊維が3次元直交座標
系で配向された平板状の織物を成形するため、円弧形状
の断面輪郭を有する断面視略扇形の織物2を任意の厚さ
で得ることができるとともに、図2のz方向に関しても
強化用繊維を適宜多く入れることが可能になる。しか
も、本実施の形態では、強化用繊維を3次元直交座標系
で配向することで、各方向の強化用繊維を直線的に配向
・織ることができるため製造が容易であり、コスト低減
に寄与できる。
の中心に対して外径となる側を内径となる側よりも半径
に応じて密に配向することで、平板状の織物2を略扇形
に成形した際に外径側が引っ張られ、内径側が圧縮され
た場合でも強化用繊維の配向密度を一定にすることがで
き、特定の方向によって強度が異なる事態を防ぐことが
できる。
を異ならせる構成としたが、曲率が小さい織物を成形す
る場合等には必ずしも配向比率を異ならせる必要はな
く、一定の配向比率で製作された織物を用いて、断面視
略扇形に成形してもよい。また、織物2を断面視略扇形
に成形する場合の例を用いて説明したが、治具3、4の
成形面3a、4aを変更し、この成形面3a、4aに織
物を倣わせることで、例えば図3に示すような各種形状
(断面輪郭)の織物(セラミックス複合材料)を得るこ
とができる。さらに、上記実施形態における成形法は上
記のものに限られることなく、スラリー法、ゾルーゲル
法等の他の方法を用いてもよく、また、CVI(Chemic
al Vapor Infiltration)法とPIP(Polymer Impregn
aion and Pyrolysis)法とのいずれか一方のみを用いた
ものでもよい。
ラミックス複合材料の製造方法は、織物を平板状に製作
した後に、所定形状を有する治具に倣わせて成形する手
順となっている。これにより、このセラミックス複合材
料の製造方法では、所定形状の織物を任意の厚さで得る
ことができるとともに、任意の方向に関して強化用繊維
を適宜多く入れることが可能になるという効果を奏す
る。
造方法は、強化用繊維を3次元直交座標系で配向する構
成となっている。これにより、このセラミックス複合材
料の製造方法では、製造が容易であり、コスト低減に寄
与できるという効果を奏する。
造方法は、織物を円弧形状の輪郭を有する断面視略扇形
に成形する手順となっている。これにより、このセラミ
ックス複合材料の製造方法では、断面視略扇形の織物を
任意の厚さで得ることができるとともに、任意の方向に
関して強化用繊維を適宜多く入れることが可能になると
いう効果を奏する。
造方法は、強化用繊維の配向比率を略扇形の中心からの
距離に応じて異ならせる構成となっている。これによ
り、このセラミックス複合材料の製造方法では、強化用
繊維の配向密度を一定にすることができ、特定の方向に
よって強度が異なる事態を防ぐことができるという効果
を奏する。
(a)は3次元直交座標系で配向された強化用繊維で製
作された織物の外観斜視図であり、(b)はこの織物が
治具間で保持された正面図である。
す外観斜視図であり、(b)はこのセグメントを成形す
るための従来の織物を示す外観斜視図である。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 3次元に配向された強化用繊維で織物
を製作した後に、当該織物を所定形状に成形する工程を
含むセラミックス複合材料の製造方法であって、 前記織物を平板状に製作した後に、前記所定形状を有す
る治具に倣わせて成形する工程を含むことを特徴とする
セラミックス複合材料の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のセラミックス複合材料
の製造方法において、 前記強化用繊維を3次元直交座標系で配向することを特
徴とするセラミックス複合材料の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のセラミックス
複合材料の製造方法において、 前記織物は、円弧形状の輪郭を有する断面視略扇形に成
形されることを特徴とするセラミックス複合材料の製造
方法。 - 【請求項4】 請求項3記載のセラミックス複合材料
の製造方法において、 前記強化用繊維の配向比率を、前記略扇形の中心からの
距離に応じて異ならせることを特徴とするセラミックス
複合材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001262174A JP2003073176A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | セラミックス複合材料の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001262174A JP2003073176A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | セラミックス複合材料の製造方法 |
Publications (1)
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ID=19089110
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001262174A Pending JP2003073176A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | セラミックス複合材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003073176A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020158242A1 (ja) * | 2019-01-30 | 2020-08-06 | 株式会社豊田自動織機 | 繊維構造体及び繊維強化複合材 |
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JPH04238849A (ja) * | 1990-03-26 | 1992-08-26 | Soc Europ Propulsion (Sep) | 複合材料部品の製造に使用される強化繊維構造体を成形する方法 |
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-
2001
- 2001-08-30 JP JP2001262174A patent/JP2003073176A/ja active Pending
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JP2020122235A (ja) * | 2019-01-30 | 2020-08-13 | 株式会社豊田自動織機 | 繊維構造体及び繊維強化複合材 |
JP7052751B2 (ja) | 2019-01-30 | 2022-04-12 | 株式会社豊田自動織機 | 繊維構造体及び繊維強化複合材 |
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