JP2003072535A - 車両用電動ブレーキ装置の制御方法、及び車両用制動システム - Google Patents

車両用電動ブレーキ装置の制御方法、及び車両用制動システム

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JP2003072535A
JP2003072535A JP2001263497A JP2001263497A JP2003072535A JP 2003072535 A JP2003072535 A JP 2003072535A JP 2001263497 A JP2001263497 A JP 2001263497A JP 2001263497 A JP2001263497 A JP 2001263497A JP 2003072535 A JP2003072535 A JP 2003072535A
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Tomoyuki Kikuta
知之 菊田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】段差踏破時の衝撃を緩和することのできる車両
用電動ブレーキ装置の制御方法及び車両用制動システム
を提供すること。 【解決手段】車両用制動システム11は、路面の段差を
検出する路面検出センサ12と、車速を検出する車速検
出センサ13とを備えている。コンピュータ14は、路
面検出センサ12にて段差が検知されると、その段差量
及び車速とから前輪及び後輪が当該段差を乗り越す際の
各電動ブレーキ装置19a〜19dの制動量及び制動タ
イミングを決定して制御信号を油圧アクチュエータ15
に出力する。これにより、前輪が段差を踏破する際に
は、各車輪に制動力がかけられ、その制動力が解除され
た後に車体がノーズアップする状態で前輪が段差を乗り
越える。次いで、後輪が段差を踏破する際には、前輪の
みに制動力がかけられ、その制動力が解除される前に車
体がテールリフトする状態で後輪が段差を乗り越える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用電動ブレー
キ装置の制御方法、及び車両用制動システムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用電動ブレーキ装置の制御方
法の一つとして、例えば前輪及び後輪の各車輪に設けた
電動ブレーキ装置を制御装置からの信号に基づいて個別
に制御し、車両の減速度に応じて前後の各車輪に最適な
制動力(ブレーキ力)配分が得られるようにした方法が
ある。この方法は、運転者のブレーキペダルの操作量に
基づいて目標減速度を算出し、前後輪のブレーキ力配分
を予め設定されるブレーキ力配分理想曲線に対応させて
決定する。これにより、例えば低μ路(路面摩擦が小さ
い場合)または坂路等の路面においても、常に最適なブ
レーキ力配分にして安定したブレーキ状態を実現可能と
し、車輪ロック等による車両のスピンを防止するように
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両は、路
面上に例えば道路の継ぎ目や未舗装路面の凹凸等の段差
が在る場合、その段差を乗り越す際に当該段差による入
力を受けて車両が上下に揺られ、強い衝撃が加えられ
る。
【0004】このため、走行路面に段差がある場合、熟
練度の高い運転者、所謂ベテランドライバは、ブレーキ
ペダルの操作量(踏み込み量)を調節して制動力(ブレ
ーキ力)の調整を行うことで、段差踏破時の衝撃を緩和
するようにしていた。しかしながら、このようなブレー
キ操作による制動力の調整を行うことは、熟練度の低い
運転者にとっては困難な場合が生じていた。
【0005】このように、従来では段差踏破時における
制動力の調整が運転者の操作に基づいて行われるため、
熟練度の低い運転者である場合には段差踏破時の衝撃を
緩和させることができなかった。従って、車両が段差を
踏破する際に、その衝撃によって締結部や応力集中部か
ら順に劣化が進行していた。また、段差踏破時に車両が
上下に揺られることで乗員に不快感が生じ、快適な乗り
心地を得ることができなかった。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、段差踏破時の衝撃を
緩和することのできる車両用電動ブレーキ装置の制御方
法、及び車両用制動システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、制御装置からの制御信号
に基づいて各車輪に設けた電動ブレーキ装置に制動力を
発生させる車両用電動ブレーキ装置の制御方法であっ
て、前記制御装置は、路面の段差を検出する検出信号に
応答して、前記各車輪が当該段差に乗り上げる直前に、
当該段差の段差量及び車速に基づく制動量に応じた制動
力を前記電動ブレーキ装置に発生させるようにした。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
車両用電動ブレーキ装置の制御方法において、前記制御
装置は、前記段差検出時の第1の車速から算出した前輪
段差到達時間に基づいて前輪が当該段差に乗り上げる直
前に全電動ブレーキ装置を作動させるようにした。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項2記載の
車両用電動ブレーキ装置の制御方法において、前記制御
装置は、前輪が前記段差を乗り越えた後の第2の車速か
ら算出した後輪段差到達時間に基づいて後輪が当該段差
に乗り上げる直前に前輪の電動ブレーキ装置のみを作動
させるようにした。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれか一項記載の車両用電動ブレーキ装置の制御方
法において、前記制御装置は、車輪が前記段差を乗り越
え中には、全電動ブレーキ装置の作動を解除させるよう
にした。
【0011】請求項5に記載の発明は、制御装置からの
制御信号に基づいて各車輪に設けた電動ブレーキ装置に
制動力を発生させる車両用制動システムであって、路面
の段差を検出する路面検出センサと、車速を検出する車
速検出センサとを備え、前記制御装置は、前記路面検出
センサ及び前記車速検出センサからの各検出信号に基づ
いて、当該段差の段差量及び車速に応じた制動力を、前
記各車輪が当該段差に乗り上げる直前に前記電動ブレー
キ装置に発生させるべく制御信号を生成する。
【0012】(作用)請求項1又は5に記載の発明によ
れば、路面に段差が在る場合には、各車輪が当該段差に
乗り上げる直前に、当該段差の段差量及び車速に応じた
制動力が電動ブレーキ装置に発生する。これにより、各
車輪の段差踏破時の衝撃が緩和されるため、該衝撃によ
る車両の劣化を防止することができ、且つ、乗員に快適
な乗り心地を提供することができる。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、前輪が段
差に乗り上げる直前には、当該段差量及び第1の車速に
基づき算出される第1の制動量に応じた制動力が一時的
に全電動ブレーキ装置に発生する。これにより、前輪
は、一時的にノーズダイブし、直後の制動解除で前記の
反動から車体がノーズアップするときに段差を踏破する
ため、前輪の段差踏破時の衝撃が緩和され、車両劣化防
止及び乗り心地の向上に貢献できる。
【0014】請求項3に記載の発明によれば、後輪が段
差に乗り上げる直前には、当該段差量及び第2の車速に
基づき算出される第2の制動量に応じた制動力が前輪の
電動ブレーキ装置のみに発生する。これにより、後輪
は、車体がテールリフトするときに段差を踏破するた
め、後輪の段差踏破時の衝撃が緩和され、車両劣化防止
及び乗り心地の向上に貢献できる。
【0015】請求項4に記載の発明によれば、各車輪が
段差を乗り越え中には、全電動ブレーキ装置の作動が解
除されているため、該段差乗り上げ時に車輪の回転が妨
げられることはない。従って、段差をスムーズに踏破す
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図3に従って説明する。図1は、本実施形
態の車両用制動システムを示す概略配置図である。
【0017】車両用制動システム11は、路面の段差を
検出する路面検出センサ12、車両速度を検出する車速
検出センサ13、制御装置としてのコンピュータ14及
び油圧アクチュエータ15を備えている。
【0018】油圧アクチュエータ15は、ブレーキペダ
ル16の踏力をエンジン(図示略)の排気圧力を利用し
て増力させる倍力装置17と配管18を介して接続され
ている。また、油圧アクチュエータ15は、前輪及び後
輪の各車輪に設けられる電動ブレーキ装置19a〜19
dと配管20a〜20dを介して接続されている。
【0019】従って、ブレーキペダル16が踏み込まれ
ると、ブレーキ踏力は倍力装置17により増力され、油
圧アクチュエータ15に伝達される。また、油圧アクチ
ュエータ15に伝達されたブレーキ踏力は、各配管20
a〜20dを伝搬する油圧により増力され、電動ブレー
キ装置19a〜19dに伝達される。そして、各電動ブ
レーキ装置19a〜19dは、運転者のブレーキ踏力に
応じた制動力を発生させる。
【0020】尚、本実施形態では、前輪側の電動ブレー
キ装置19a,19bは例えばディスクブレーキ装置で
構成され、各ディスクブレーキ装置は、回転するディス
クの各側面にブレーキパッドを圧接させて制動力を発生
させる。また、後輪側の電動ブレーキ装置19c,19
dは例えばドラムブレーキ装置で構成され、各ドラムブ
レーキ装置は、回転するドラムの内周面にブレーキシュ
ーを圧接させて制動力を発生させる。
【0021】図2は、車両用制動システムの電気的な接
続構成を示すブロック図である。路面検出センサ12及
び車速検出センサ13の各出力信号は、コンピュータ
(制御装置)14に入力される。
【0022】路面検出センサ12は、例えば車両先端部
における左右前輪の前方位置に設置され(図1参照)、
走行路面に段差(例えば道路の継ぎ目及び未舗装路面の
凹凸等)があるか否かを検知し、段差を検知する場合に
は、その段差量を検出してコンピュータ14に出力す
る。
【0023】車速検出センサ13は、例えば前後の各車
輪に設置され(図1参照)、対応する車輪の車輪速を検
出し、該車輪速に比例したパルス信号をコンピュータ1
4に出力する。
【0024】コンピュータ14は、CPU、各種の処理
プログラムを記憶したROM、及び一時的にデータを記
憶するRAM等より構成され、車両に搭載されるバッテ
リ(図示略)等からの電源供給を受けて動作する。この
コンピュータ14は、路面検出センサ12及び車速検出
センサ13からの各出力信号に基づいて演算処理を行
い、その演算結果に基づいて油圧アクチュエータ15を
制御するための制御信号を生成する。
【0025】詳しくは、コンピュータ14は、路面検出
センサ12から出力される段差量と車速検出センサ13
から出力される車輪速とに基づいて、後述するように各
電動ブレーキ装置19a〜19dの制動量及び制動タイ
ミングを決定する。各電動ブレーキ装置19a〜19d
の制動量は車種毎に決定され、制動時の各車両の前後及
び上下のバランス位置を考慮して制動前と制動後の加速
度の変化量が予め定めた許容範囲以上となることを防止
している。尚、このような制動制御は、例えば段差量と
車速との関係を車両毎に予めマップにしてコンピュータ
14のROM等に記憶しておき、このマップを使用して
上記制動量及び制動タイミングを決定したり、後述する
制動制御の要否の判断を行ったりすることができる。
【0026】図3は、車両用制動システムの処理を説明
するフローチャートである。コンピュータ14は、路面
検出センサ12にて路面段差有りが検出されると(ステ
ップ31)、当該段差量と各車速検出センサ13から出
力される車輪速に基づいて算出した車速(第1の車速)
とに基づいて制動制御が必要か否かを判断する(ステッ
プ32)。
【0027】制動制御が必要であると判断する場合、コ
ンピュータ14は、前輪が段差に到達するまでの時間
(前輪段差到達時間)を第1の車速から演算して求め
る。また、コンピュータ14は、各車輪における電動ブ
レーキ装置19a〜19dの第1の制動量を第1の車速
及び段差量から演算して求める(ステップ33)。
【0028】油圧アクチュエータ15は、コンピュータ
14からの制御信号に基づいて、第1の車速及び段差量
から算出される上記第1の制動量となるように各車輪の
電動ブレーキ装置19a〜19dの制動力を制御する。
この際、各電動ブレーキ装置19a〜19dは、第1の
車速から算出される上記前輪段差到達時間に応じて、前
輪が段差に到達する直前に制御される(ステップ3
4)。
【0029】詳しくは、油圧アクチュエータ15は、コ
ンピュータ14からの制御信号に基づいて、前輪が段差
に乗り上げる直前に、各車輪(4輪)に設けられた電動
ブレーキ装置19a〜19dの作動及びその解除を自動
的に行い、各車輪(4輪)に一時的に制動力を作用させ
る。
【0030】ここで、車両走行中に、各電動ブレーキ装
置19a〜19dの作動に基づいて前後各車輪に制動力
が作用すると、車両の荷重分布が前輪側に移動するた
め、車体はノーズダイブする。この状態から各車輪に作
用している制動力が解除されると、その反動で前輪側に
かかっていた荷重が減少し、車体はノーズアップする。
【0031】このように、前輪が段差に乗り上げる直前
に前後の各車輪に一旦制動力をかけ、その制動力の解除
直後に車体がノーズアップしている時に前輪が段差を乗
り越えるように制動のタイミングを制御する(ステップ
35)。
【0032】即ち、車体がノーズアップする状態で前輪
が段差を乗り越えることにより、段差による入力が減少
するため、段差踏破時の衝撃が緩和される。さらに、車
体がノーズアップする時にはサスペンション(図示略)
のストロークが伸長するため、この状態で前輪が段差を
乗り越えることにより、段差踏破時の衝撃がより緩和さ
れる。
【0033】ちなみに、上記ステップ32において、第
1の車速と段差量とから制動制御を不必要と判断する場
合にはステップ35に移行し、車両が当該第1の速度を
維持したまま(即ち減速しない)で前輪が段差を乗り越
える。
【0034】前輪が段差を乗り越えると(上記ステップ
35)、コンピュータ14は、該段差を前輪が乗り越え
た後の車速(第2の車速)を、車速検出センサ13から
出力される車輪速に基づいて再度算出し、当該第2の車
速及び段差量から、後輪の段差乗り越し時に制動制御が
必要か否かを判断する(ステップ36)。
【0035】制動制御が必要であると判断する場合、コ
ンピュータ14は、後輪が段差に到達するまでの時間
(後輪段差到達時間)を第2の車速から求める。また、
コンピュータ14は、前輪側における電動ブレーキ装置
19a,19bの第2の制動量を第2の車速及び段差量
から求める(ステップ37)。
【0036】油圧アクチュエータ15は、コンピュータ
14からの制御信号に基づいて、第2の車速及び段差量
から算出される上記第2の制動量となるように前輪の電
動ブレーキ装置19a,19bの制動力を制御する。こ
の際、各電動ブレーキ装置19a,19bは、第2の車
速から算出される上記後輪段差到達時間に応じて、後輪
が段差に到達する直前に制御される(ステップ38)。
【0037】つまり、油圧アクチュエータ15は、コン
ピュータ14からの制御信号に基づいて、後輪が段差に
乗り上げる直前に、前輪に設けられた電動ブレーキ装置
19a,19dの作動を自動的に行い、前輪のみに制動
力を作用させる。
【0038】ここで、車両走行中に、各電動ブレーキ装
置19a,19dの作動に基づいて前輪のみに制動力が
作用すると、車両の荷重分布が前輪側に集中するため、
車体はテールリフトする。
【0039】このように、後輪が段差に乗り上げる直前
に前輪のみに制動力をかけ、その制動力により車体がテ
ールリフトしている時に後輪が段差を乗り越えるように
制動のタイミングを制御する(ステップ39)。そし
て、後輪が段差を乗り越えた後、制動力を解除する。
【0040】即ち、車体がテールリフトする状態で後輪
が段差を乗り越えることにより、段差による入力が減少
するため、段差踏破時の衝撃が緩和される。さらに、上
記同様に車体がテールリフトする時にはサスペンション
(図示略)のストロークが伸長するため、この状態で後
輪が段差を乗り越えることにより、段差踏破時の衝撃が
より緩和される。
【0041】ちなみに、上記ステップ36において、第
2の車速と段差量とから制動制御を不必要と判断する場
合にはステップ39に移行し、車両が当該第2の速度を
維持したまま(即ち減速しない)で後輪が段差を乗り越
える。
【0042】以上記述したように、本実施形態によれ
ば、以下の効果を奏する。 (1)車両用制動システム11は、路面の段差を検出す
る路面検出センサ12と、車速を検出する車速検出セン
サ13とを備えている。コンピュータ14は、路面検出
センサ12にて段差が検知されると、その段差量及び車
速とから前輪及び後輪が当該段差を乗り越す際の各電動
ブレーキ装置19a〜19dの制動量及び制動タイミン
グを決定して制御信号を油圧アクチュエータ15に出力
する。これにより、前輪が段差を乗り越す際には、各車
輪に制動力がかけられ、その制動力が解除された後に車
体がノーズアップする状態で前輪が段差を乗り越える。
次いで、後輪が段差を乗り越す際には、前輪のみに制動
力がかけられ、その制動力が解除される前に車体がテー
ルリフトする状態で後輪が段差を乗り越える。従って、
段差踏破時に車両が受ける衝撃を緩和することができる
ため、車両の劣化を防止することができる。
【0043】(2)車両用制動システム11は、路面に
段差が在る場合にはその段差を検知して、段差踏破時の
制動制御を自動的に行う。従って、運転者は、ブレーキ
ペダル16の操作による制動力の調整を必要としないた
め、運転熟練度に依らず、且つ、段差を意識することな
く、快適な乗り心地を得ることができる。
【0044】(3)前輪が段差乗り上げ時には、前後輪
に対する制動力が解除され、後輪が段差乗り上げ時に
は、前輪のみに対して制動力がかけられる(即ち後輪に
は制動力をかけない)ため、段差乗り上げ時に車輪の回
転を妨げずに、段差をスムーズに乗り越すことができ
る。
【0045】(4)段差踏破時の電動ブレーキ装置19
a〜19dの制動量は、制動時の車両の前後及び上下の
バランス位置を考慮し、車速と段差量との関係に基づい
て車種に応じた値に決定される。これにより、制動前と
制動後の加速度の変化量が許容範囲以上となることが防
止されるため、制動時に乗員に不快感を与えることもな
い。
【0046】尚、本実施形態は、以下のように変更して
もよい。 ○本実施形態では、段差乗り越し時に前後輪又は前輪の
みに駆動力をかけるようにしたが、段差に応じて各車輪
(4輪)の電動ブレーキ装置19a〜19dを左右独立
して制動制御するようにしてもよい。
【0047】○又、さらに高度な制動制御として、各電
動ブレーキ装置19a〜19dを、バネ上重量(ボディ
・エンジン等の重量)対バネ下重量(タイヤ・ホイール
等の重量)比、路面μ(路面の摩擦係数)、積載荷重分
布、或いは車両の挙動を考慮して制動制御するようにし
てもよい。
【0048】○本実施形態では、前輪が段差を乗り越え
る直前において、全ての車輪(4輪)に制動力をかける
ようにしたが、前輪のみに制動力をかけて、その直後に
当該前輪に対する制動力を解除するようにしてもよい。
即ち、段差量が小さい場合には、このような制動制御に
より、衝撃を緩和させるようにしてもよい。
【0049】○本実施形態では、各電動ブレーキ装置1
9a〜19dは油圧アクチュエータ15による油圧制動
としたが、油圧(液圧)を利用せずコンピュータ14
(制御装置)からの制御信号に基づいて制動力を発生さ
せる電気機械式ブレーキ装置(EMB)に応用してもよ
い。この場合には、路面検出センサ12からの検出信号
に対する応答性を向上させることができる。
【0050】○又、本実施形態では、前輪側の電動ブレ
ーキ装置19a,19bはディスクブレーキ装置で構成
され、後輪側の電動ブレーキ装置19c,19dはドラ
ムブレーキ装置で構成されるが、これに限定されない。
【0051】○路面検出センサ12及び車速検出センサ
13の設置位置は一例であって、必ずしも本実施形態に
限定されない。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
段差踏破時の衝撃を緩和することのできる車両用電動ブ
レーキ装置の制御方法、及び車両用制動システムを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の車両用制動システムを示す概略
配置図である。
【図2】 車両用制動システムの電気的接続構成を示す
ブロック図である。
【図3】 車両用制動システムの処理を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
14 制御装置としてのコンピュータ 19a〜19d 電動ブレーキ装置 12 路面検出センサ 13 車速検出センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御装置からの制御信号に基づいて各車
    輪に設けた電動ブレーキ装置に制動力を発生させる車両
    用電動ブレーキ装置の制御方法であって、 前記制御装置は、路面の段差を検出する検出信号に応答
    して、前記各車輪が当該段差に乗り上げる直前に、当該
    段差の段差量及び車速に基づく制動量に応じた制動力を
    前記電動ブレーキ装置に発生させるようにしたことを特
    徴とする車両用電動ブレーキ装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記制御装置は、前記段差検出時の第1
    の車速から算出した前輪段差到達時間に基づいて、前輪
    が当該段差に乗り上げる直前に全電動ブレーキ装置を作
    動させるとともに直後にそれを解除させるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1記載の車両用電動ブレーキ装置
    の制御方法。
  3. 【請求項3】 前記制御装置は、前輪が前記段差を乗り
    越えた後の第2の車速から算出した後輪段差到達時間に
    基づいて、後輪が当該段差に乗り上げる直前に前輪の電
    動ブレーキ装置のみを作動させるようにしたことを特徴
    とする請求項2記載の車両用電動ブレーキ装置の制御方
    法。
  4. 【請求項4】 前記制御装置は、車輪が前記段差を乗り
    越え中には、全電動ブレーキ装置の作動を解除させるよ
    うにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一
    項記載の車両用電動ブレーキ装置の制御方法。
  5. 【請求項5】 制御装置からの制御信号に基づいて各車
    輪に設けた電動ブレーキ装置に制動力を発生させる車両
    用制動システムであって、 路面の段差を検出する路面検出センサと、 車速を検出する車速検出センサと、を備え、 前記制御装置は、前記路面検出センサ及び前記車速検出
    センサからの各検出信号に基づいて、当該段差の段差量
    及び車速に応じた制動力を、前記各車輪が当該段差に乗
    り上げる直前に前記電動ブレーキ装置に発生させるべく
    制御信号を生成することを特徴とする車両用制動システ
    ム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008001302A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Aisin Aw Co Ltd 車両走行制御装置及び車両走行制御方法
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