JP2003071663A - マシニングセンタおよび加工ライン - Google Patents

マシニングセンタおよび加工ライン

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JP2003071663A JP2001263148A JP2001263148A JP2003071663A JP 2003071663 A JP2003071663 A JP 2003071663A JP 2001263148 A JP2001263148 A JP 2001263148A JP 2001263148 A JP2001263148 A JP 2001263148A JP 2003071663 A JP2003071663 A JP 2003071663A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 たとえば卓上において使用することなどもで
きるような小型化したマシニングセンタを提供する。 【解決手段】 マシニングセンタ本体Mの主軸室3に、
加工ヘッド15とともに主軸13がZ軸方向に移動可能
に設けられている。主軸室3の前方には、加工室4が形
成されており、筐体1には加工室4を閉塞する開閉扉2
1が設けられている。開閉扉21には、ワークを保持す
るワークテーブル23が設けられており、ワークテーブ
ル23は、X軸駆動手段24およびY軸駆動手段25に
よって、それぞれ主軸13の移動方向であるZ軸方向に
直交する方向に移動可能とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マシニングセンタ
およびこのマシニングセンタを用いた加工ラインに係
り、さらには、小型化され、たとえば卓上でも使用可能
なマシニングセンタ、およびこのマシニングセンタを用
いた加工ラインに関する。
【0002】
【従来の技術】マシニングセンタは、工作機械として広
く知られており、各種機械の部品を製造するためなどに
用いられている。従来におけるマシニングセンタは、機
体内部にワークの加工のための移動空間やワークの取り
付け、取り外しのための作業空間を大きく必要とする構
造となっており、ワークの大きさに比し工作機械全体が
かなり大型化されているものが多かった。このため、工
場のフロアなどに設置して使用され、これらを加工ライ
ン化した場合に、相当の広いスペースを確保しなければ
ならなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが近年、機械部
品の多様化が高まってきており、各工場内に限らず、た
とえば事務所の一室のスペースを用いて、いかなる機械
部品をも省エネルギーと省スペースで手軽に低コストで
製造することができる工作機械が要請されるようになっ
た。そして、ライン化しても小さいスペースに設置で
き、工作機械1台1台の移動や加工ラインの組付けを容
易にできるようにするため、マシニングセンタとして
も、小型化されたものが要望されるようになってきてい
る。
【0004】そこで、本発明の課題は、たとえば卓上に
おいても使用できるように小型化して、省スペース、省
エネルギー、低コスト化を実現できるマシニングセンタ
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明に係るマシニングセンタは、加工ヘッドに主軸を介し
て取り付けられた工具によってワークを加工する加工室
が形成された筐体を備えるマシニングセンタ本体を有
し、前記加工室を塞ぐ開閉扉が前記筐体に設けられ、前
記開閉扉は、閉塞時に前記主軸の先端に対向する位置に
配置されており、閉塞時の前記開閉扉における前記主軸
に対向する面に、ワークテーブルが配設され、前記ワー
クテーブルにワークが取り付けられることを特徴とす
る。
【0006】請求項1に係る発明においては、ワークを
加工する加工室を開閉扉で塞いでいるが、その開閉扉に
ワークテーブルが設けられている。このため、加工室内
にワークテーブルを設ける据え付けタイプのベッドや移
動機構などが必要とならず、さらに、ワークの取り付
け、取り外し作業は、開閉扉を開けた状態でマシニング
センタの外の空間で行えるため、その分加工室を小さく
することができ、マシニングセンタ全体として小型化を
図ることができる。この小型化により、省スペース、省
エネルギー、低コスト化を実現することができる。
【0007】請求項2に係る発明は、前記筐体の内部が
仕切板によって仕切られており、前記加工ヘッドおよび
主軸が配設される主軸室と、前記加工ヘッドに取り付け
られた工具が前記仕切板を貫通して突出される前記加工
室と、が形成されていることを特徴とする請求項1に記
載のマシニングセンタである。
【0008】請求項2に係る発明では、加工ヘッドおよ
び主軸が配設される主軸室と、ワークが取り付けられる
加工室とが仕切板によって仕切られている。このため、
加工室においてワークを加工する際に発生する加工液や
切屑が加工ヘッドや主軸に飛散するのを防止することが
できる。また、加工室を狭くすることができるので、加
工室のみに必要な、たとえば耐濡れ性材料をコーティン
グする場合などには、耐濡れ性材料を少量で済ませるこ
とができる。
【0009】請求項3に係る発明は、前記主軸の軸方向
に沿って前記加工ヘッドを進退させるヘッド移動手段
と、ワークが取り付けられた前記ワークテーブルを前記
主軸の軸方向に直交する方向に移動させるワークテーブ
ル移動手段と、が設けられていることを特徴とする請求
項1または請求項2に記載のマシニングセンタである。
【0010】請求項3に係る発明では、開閉扉の内側の
面に沿って移動することができるので、その分さらにマ
シニングセンタ全体としての小型化を図ることができ
る。
【0011】請求項4に係る発明は、前記ワークテーブ
ル移動手段が、前記ワークテーブルを前記主軸の軸方向
と直交する直線的な方向に移動させる直線移動手段と、
前記ワークテーブルを前記主軸の軸線周りに回転させる
回転駆動手段とを備えることを特徴とする請求項3に記
載のマシニングセンタである。
【0012】請求項4に係る発明において、たとえばY
軸方向にのみ直線移動可能とする。このとき、回転駆動
手段が設けられていることから、X軸方向にずれた加工
位置は、ワークテーブルを回転させることによって、調
整することができる。このように、同じ大きさのワーク
を加工する際にも、直線移動については、その距離を短
くすることができるので、その分通常のX−Y軸直線移
動手段に比べて、さらなるマシニングセンタの小型化を
図ることができる。そして、移動ストロークが少なくて
よい分、省エネルギー化が可能となる。
【0013】請求項5に係る発明は、前記加工ヘッドに
対し、複数の工具を交換可能な工具交換装置を備えてい
ることを特徴とする請求項1からせ4のうちのいずれか
1項に記載のマシニングセンタである。
【0014】請求項5に係る発明は、複数の工具を交換
可能な工具交換装置を備えている。このため、ワークを
加工する際に、異なる工具を要する場合でも、1つのマ
シニングセンタで済ませることができる。
【0015】請求項6に係る発明は、割出し回転可能な
タレット式工具マガジンを備え、前記タレット式工具マ
ガジンの回転方向に所定間隔で複数の工具ホルダが収容
され、前記工具ホルダはそれぞれ主軸を有し、前記主軸
の一端に工具が取り付けられ、前記主軸の他端に主軸駆
動用モータを構成するロータが設けられており、前記加
工ヘッドには、前記タレット式工具マガジンの割り出し
位置における前記主軸の他端側に対向する位置に、前記
ロータとともに主軸駆動用モータを構成し、かつ前記主
軸の軸線上にステータを備えることを特徴とする請求項
5に記載のマシニングセンタである。
【0016】請求項6に係る発明では、工具マガジンに
おいて、主軸駆動用のモータを構成するロータを備える
主軸を複数用意し、加工ヘッド側において、割り出し位
置に割り出しされた工具マガジン上の前記主軸の軸線上
にステータを備えている。このため、加工ヘッド側に主
軸を設けておく必要がなく、工具を主軸に取り付けるた
めの脱着機構を省略でき、ヘッド側の簡素化、小サイズ
を図ることができる。また、前記複数の主軸を用意する
際に、それぞれの主軸に対してモータおよび制御装置を
必要とすることがないので、コストを低減することがで
きるとともに、主軸を設けるためのマガジンスペースを
縮小することができる。このため、前記複数の主軸を設
けた場合でも、マシニングセンタ全体としての大型化を
抑制することができる。
【0017】請求項7に係る発明は、前記開閉扉が複数
枚設けられており、前記各開閉扉がそれぞれ異なる方向
に開閉可能とされていることを特徴とする請求項1から
請求項6のうちのいずれか1項に記載のマシニングセン
タである。
【0018】請求項7に係る発明では、たとえば開閉扉
が複数設けられているマシニングセンタを利用して連続
的に製品を製造する場合、一方の開閉扉に取り付けられ
たワークを加工室で加工している間に、他の開閉扉に取
り付けられた加工後のワークを開閉扉から取り外し、一
方の開閉扉を開き、他方の開閉扉で加工室を閉鎖するこ
とができる。このため、ワークの段取り時間が省略で
き、複数のワークを連続的に加工することができ、全体
の加工時間の短縮を図ることができる。しかも、ワーク
の段取り作業中、開閉扉を閉鎖しているので、作業環境
もよくなる。
【0019】請求項8に係る発明は、前記筐体を形成す
るフレームが、ハニカム構造またはトラス構造を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれ
か1項に記載のマシニングセンタである。
【0020】請求項8に係る発明では、筐体を形成する
フレームがハニカム構造またはトラス構造を有してい
る。このため、フレーム自体を、強度を維持しながら軽
量化することができるので、筐体全体としての軽量化を
図ることができる。
【0021】請求項9に係る発明は、前記筐体を形成す
るフレームには、冷却液を通過させる冷却液流路が形成
されていることを特徴とする請求項1から請求項5のう
ちのいずれか1項に記載のマシニングセンタである。
【0022】請求項9に係る発明では、筐体に冷却液を
通過させる冷却液流路が形成されている。このため、マ
シニングセンタが高温となった場合に、冷却液流路に冷
却液を流通させることにより、マシニングセンタを好適
に冷却することができる。さらには、冷却液の充填によ
り、筐体にウエイトをかけ、加工時の剛性を高めること
ができる。
【0023】請求項10に係る発明は、前記開閉扉を開
閉させる扉開閉手段が設けられていることを特徴とする
請求項1から請求項9のうちのいずれか1項に記載のマ
シニングセンタである。
【0024】請求項10に係る発明では、把手やヒンジ
機構などの扉開閉手段が設けられている。このため、扉
の開閉を容易に行うことができる。
【0025】請求項11に係る発明は、前記扉開閉手段
が、アクチュエータを有することを特徴とする請求項1
0に記載のマシニングセンタである。
【0026】請求項11に係る発明では、扉開閉手段
が、アクチュエータとしてのシリンダやモータなどを備
えている。このため、扉開閉に人力を要さず、たとえば
マシニングセンタを並べて使用する場合に自動化を図る
ことができる。
【0027】請求項12に係る発明は、前記加工室が密
閉されるとともに、前記加工室にミストを供給するミス
ト供給手段が設けられ、前記加工室内の圧力を調整する
圧力調整手段が設けられていることを特徴とする請求項
1から請求項11のうちのいずれか1項に記載のマシニ
ングセンタである。
【0028】請求項12に係る発明では、加工室が密閉
され、かつミスト供給手段が設けられている。このた
め、ミスト環境下におけるワークの加工を行うことがで
きる。また、加工室内の圧力を調整する圧力調整手段が
設けられている。このため、ワークの加工後に開閉扉を
開けたとき、加工室を大気圧よりも低圧に調整すること
でミストを加工室の外に排出させないようにすることが
できる。
【0029】請求項13に係る発明は、前記加工室が、
耐濡れ性材料でコーティングされていることを特徴とす
る請求項12に記載のマシニングセンタである。
【0030】請求項13に係る発明では、加工室が耐濡
れ性材料、たとえばテフロン(R)でコーティングされ
ている。このため、ミスト環境下における加工室に筐体
の内面やワークテーブルの移動機構部などに、ミストと
ともに切屑が壁面に付着して除去できなくなる事態を防
ぐことができる。
【0031】請求項14に係る発明は、前記マシニング
センタ本体の全体を包囲するが包囲手段を有し、前記包
囲手段によって前記マシニングセンタ本体を包囲した状
態で加工することを特徴とする請求項1から請求項13
のうちのいずれか1項に記載のマシニングセンタであ
る。
【0032】請求項14に係る発明では、マシニングセ
ンタ本体の全体を包囲する包囲手段を有している。この
ため、マシニングセンタ本体に対する防塵性を高めるこ
とができ、外部の環境を汚すことがなくなる。また、マ
シニングセンタ本体から発生するモータ音などの騒音が
マシニングセンタと包囲手段の間で減衰されるので、マ
シニングセンタから発せられる騒音を小さく抑えること
ができる。また、マシニングセンタ本体から発せられた
熱を外に出しにくくすることができる。
【0033】請求項15に係る発明は、前記包囲手段内
の圧力を調整する包囲手段内圧力調整手段が設けられて
いることを特徴とする請求項14に記載のマシニングセ
ンタである。
【0034】請求項15に係る発明では、包囲手段内を
大気圧よりも低い圧力に調整することにより、マシニン
グセンタ本体から発せられるモータ音などの音をさらに
減衰することができ、マシニングセンタから発せられる
騒音をさらに小さくすることができる。また、熱伝導性
も低下するので、マシニングセンタから発せられる熱を
さらに低く抑えることができる。
【0035】請求項16に係る発明は、請求項1から請
求項15のうちのいずれか1項に記載のマシニングセン
タが水平方向に沿って複数併設されているとともに、前
記複数のマシニングセンタ間にワークを搬送する水平方
向搬送手段が設けられていることを特徴とする加工ライ
ンである。
【0036】請求項16に係る発明では、複数のマシニ
ングセンタが水平方向に沿って併設されている。このた
め、各々のマシニングセンタで所定の加工を施して製品
を完成するラインを構築することができる。したがっ
て、工場にこのラインを設けた場合にも、その設置面積
を狭い範囲にすることができる。
【0037】請求項17に係る発明は、請求項1から請
求項15のうちのいずれか1項に記載のマシニングセン
タが鉛直方向に沿って複数設けられているとともに、前
記複数のマシニングセンタ間にワークを搬送する鉛直方
向搬送手段が設けられていることを特徴とする加工ライ
ンである。
【0038】請求項17に係る発明では、複数のマシニ
ングセンタを鉛直方向に沿って設けている。このため、
複数のマシニングセンタを水平方向に沿って併設した場
合よりもさらに狭い設置面積で加工ラインを構築するこ
とができる。
【0039】請求項18に係る発明は、請求項1から請
求項15のうちのいずれか1項に記載のマシニングセン
タが水平方向および鉛直方向にそれぞれ複数配列され、
前記各マシニングセンタ間にワークを搬送する搬送手段
が設けられていることを特徴とする加工ラインである。
【0040】請求項18に係る発明においては、マシニ
ングセンタが水平方向および鉛直方向にそれぞれ複数配
列されている。このため、工場における加工ラインの設
置面積や高さなどに応じて、種々の形態でラインを構築
することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本発明に
係るマシニングセンタ本体の斜視図、図2はその内部構
造を示す斜視図、図3はその側断面図である。
【0042】図1に示すように、マシニングセンタ本体
Mは、筐体1を備えている。筐体1の内部は、図2およ
び図3に示すように、仕切板2によって仕切られてお
り、後方に主軸室3が形成され、前方に加工室4が形成
されている。筐体1は、複数のフレーム5,5…を有し
ており、各フレーム5,5…は、ハニカム構造やトラス
構造のものを用い、フレーム内部に空洞を形成してお
り、フレーム強度を高めると同時にフレーム自体の軽量
化を図り、マシニングセンタ全体としての強度の向上お
よび軽量化を図っている。また、筐体1の下面にはキャ
スタ6,6が設けられている。このキャスタ6,6…に
より、マシニングセンタ本体Mの移動が容易となるよう
にしている。また、キャスタ6,6…には、それぞれ図
示しない回転止めが設けられており、この回転止めを使
うことにより、キャスタ6,6…が回転しないようにす
ることができる。マシニングセンタ本体Mの上面には、
マシニングセンタ駆動用ノート型パーソナルコンピュー
タ(以下「ノート型パソコン」という)PCが載置され
ている。
【0043】主軸室3における前方上方位置には割出し
回転可能なタレット式工具マガジン(以下「工具マガジ
ン」という)11が設けられている。工具マガジン11
は、その回転方向に所定間隔をおいて工具ホルダ12,
12…がそれぞれ保持アーム11A,11A…を介して
設けられていいる。工具マガジン11には、図示しない
割出しモータが設けられており、この割出しモータによ
って使用する工具ホルダ12が所定の割り出し位置にく
るように、工具マガジン11を回転させる。
【0044】工具ホルダ12には、図4(a)に示すよ
うに、ベアリングB,B…を介して主軸13が取り付け
られている。主軸13の先端には、ワークを加工するた
めの工具Tが取り付けられており、主軸13の後端に
は、主軸駆動用モータを構成するロータ14が設けられ
ている。前記割り出し位置における主軸13の後方には
加工ヘッド15が設けられている。加工ヘッド15に
は、主軸駆動用モータを構成するステータ15Aが設け
られており、割り出し位置における主軸13のロータと
ステータ15Aとが同軸状に配置される。そして、加工
ヘッド15に工具ホルダ12が取り付けられたとき、ロ
ータ14の周囲をステータ15Aが覆って主軸駆動用モ
ータとなって主軸13を回転させる。
【0045】加工ヘッド15は、図2に示すように、本
発明のヘッド移動手段であるZ軸移動手段17上に載置
されている。Z軸移動手段17は、移動台17Aを備え
ており、この移動台17Aの上に加工ヘッド15が載置
されている。さらに、Z軸移動手段17は、モータ17
Bと、図示しないボールねじ機構を備えている。したが
って、モータ17Bを駆動することにより、ボールねじ
機構を介して移動台17Aが前後方向(図3の左右方
向、以下「Z軸方向」という)に移動し、移動台17A
とともに加工ヘッド15がZ軸方向に移動するようにな
っている。仕切板2における主軸13と対向する位置に
は、工具ホルダ12とほぼ同径の工具通過孔2Aが形成
されている。工具ホルダ12は、加工ヘッド15ととも
に前進移動したときにはこの工具通過孔2Aを貫通し
て、主軸室3から加工室4に向けて突出するようになっ
ている。この工具通過孔2Aの内周部には、弾性を有す
る図示しない密着部材が設けられており、工具通過孔2
Aに工具ホルダ12が貫通している際、工具通過孔2A
と工具ホルダ12との間は密閉状態となっている。
【0046】また、加工ヘッド15の前面側には、図4
に示すように、真空吸着手段16が設けられている。真
空吸着手段16は、吸着溝16Aと真空エア流通孔16
Bを備えている。吸着溝16Aは、加工ヘッド15の周
方向に沿って形成されており、その一部が切り欠かれて
いる。真空エア流通孔16Bは、その一端が吸着溝16
Aに繋がれており、他端が図示しない真空ポンプに接続
されている。加工ヘッド15に工具ホルダ12を取り付
ける際には、工具ホルダ12のフランジ部と加工ヘッド
15の前面を接触させる。この状態で、真空ポンプによ
ってエアを吸引することにより、吸着溝16A内に空気
を除去して真空状態とし、真空ポンプの吸引力で工具ホ
ルダ12のフランジ部を加工ヘッド15の表面に吸着さ
せる。また、工具ホルダ12を加工ヘッド15から取り
外す際には、真空ポンプからエアを若干噴き出し、真空
破壊をするとともに、加工ヘッド15から工具ホルダ1
2を外しやすい状態を形成する。
【0047】さらに、主軸室3には、ミストを生成する
ミスト生成装置18および後に説明するミストコレクタ
26が回収したミスト(ミスト生成液)から切屑や切粉
を分離除去するミスト分離装置19が設けられている。
また、加工ヘッド15および工具ホルダ12には、ミス
トを流通させるミスト流路15B,12Aがそれぞれ形
成されており、工具ホルダ12の前面上方位置、すなわ
ち工具Tの上方位置にはミストを噴射するミスト噴射ノ
ズル20が設けられている。加工ヘッド15に形成され
たミスト流路15Bの一端は、図示しない配管を介して
ミスト生成装置18に接続されており、他端は工具ホル
ダ12に形成されたミスト流路12Aの一端に繋がれて
いる。また、工具ホルダ12に形成されたミスト流路1
2Aの他端は、ミスト噴射ノズル20に接続されてい
る。ミスト生成装置18で生成したミストは、ミスト流
路15B,12Aを介してミスト噴射ノズル20に供給
され、ミスト噴射ノズル20から噴射される。ミストコ
レクタ26からミストを供給されたミスト分離装置19
では、ミスト(ミスト生成液)から切屑や切粉を分離除
去し、ミストを生成するための材料としてミスト生成装
置18に循環供給する。なお、ミスト生成液は、油性ま
たは水性のものが用いられる。
【0048】主軸室3の下方位置には、マシニングセン
タ本体Mの全体を統括制御する制御装置Cが設けられて
いる。制御装置Cは、パソコンPCに接続されており、
パソコンPCに入力された情報に基づいて、ワークを所
定の形状に加工するように、マシニングセンタ本体Mを
制御する。
【0049】筐体1における加工室4の前面には、加工
室4を閉塞する開閉扉21が設けられている。開閉扉2
1は、閉塞時に加工ヘッド15に取り付けられた主軸1
3の先端に対向する位置に配置されており、閉塞時の開
閉扉21における前記主軸13に対向する面には、ワー
ク保持移動手段22が設けられている。また、開閉扉2
1の表面には、作業員が開閉扉21を開閉する際に把持
する本発明の扉開閉手段である把手21Aが設けられて
いる。
【0050】ワーク保持移動手段22は、ワークをクラ
ンプして保持するワークテーブル23、ワークテーブル
23を主軸13の軸方向、すなわちZ軸方向と直交する
X軸方向(図3の紙面を貫く方向)に移動させるX軸駆
動手段24、およびY軸方向(図3の上下方向)に移動
させるY軸駆動手段25を備えている。もちろん、X軸
とY軸は直交するものである。これらX軸駆動手段24
およびY軸駆動手段25は、いずれも本発明のワークテ
ーブル移動手段を構成する。
【0051】ワークテーブル23は、図5に示すよう
に、治具23Aを備えており、この治具23Aにワーク
が取り付けられる。治具23Aには、その左端辺および
下端辺に沿って、それぞれ基準片23B,23Bが設け
られており、治具23Aの上方位置および下方位置に
は、それぞれエア圧によるクランパ23C,23C…が
設けられている。加工されるワークは、治具23Aに取
り付けられて固定されるが、その際、まず基準片23
B,23Bに押し付けられて位置決めがなされる。位置
決めがなされたら、クランパ23C,23C…を締める
ことにより、ワークが治具23Aに取り付けられて固定
される。なお、前記基準片23Bやクランパ23Cによ
ることなく、ロケートピンやねじ止めによるワーク固定
方法をとることもできる。
【0052】X軸駆動手段24は、X軸移動台24Aを
備えており、このX軸移動台24Aの表面にワークテー
ブル23が固定されている。また、X軸駆動手段24
は、X軸モータ24B、X軸レール24Cを備えてい
る。X軸モータ24Bにはボールねじ機構を構成するボ
ールねじ24Dの一端が接続されている。X軸移動台2
4Aには、X軸方向に沿った2本の溝が形成されてお
り、それらの溝にそれぞれX軸レール24Cがはめ込ま
れている。さらに、X軸移動台24Aの裏面には、図示
しないボールナットが設けられており、このボールナッ
トにボールねじ24Dがねじ込まれてボールねじ機構が
形成されている。したがって、X軸モータ24Bを駆動
することにより、ボールねじ24Dが回転する。このボ
ールねじの回転に伴い、ボールナットが固定されたX軸
移動台24AがX軸レール24Cに沿って移動するよう
に構成されている。
【0053】Y軸駆動手段25は、Y軸移動台25Aを
備えており、このY軸移動台25Aの表面にX軸駆動手
段24が固定されている。また、Y軸駆動手段25は、
Y軸モータ25B、Y軸レール25Cを備えている。Y
軸モータ25Bにはボールねじ機構を構成するボールね
じ25Dの一端が接続されている。Y軸移動台25Aに
は、Y軸方向に沿った2本の溝が形成されており、それ
らの溝にそれぞれY軸レール25Cがはめ込まれてい
る。さらに、Y軸移動台25Aの裏面には、図示しない
ボールナットが設けられており、このボールナットにボ
ールねじ25Dがねじ込まれてボールねじ機構が形成さ
れている。したがって、Y軸モータ25Bを駆動するこ
とにより、ボールねじ25Dが回転する。このボールね
じの回転に伴い、ボールナットが固定されたX軸移動台
25AがX軸レール25Cに沿って移動するように構成
されている。
【0054】また、加工室4には、図2および図3にも
示すように、ミストコレクタ26が設けられている。ミ
ストコレクタ26は、ミスト噴射ノズル20から噴射さ
れたミストを回収する装置であり、主軸室3内における
ミスト分離装置19に接続されている。そして、回収し
たミスト(ミスト生成液)をミスト分離装置19に供給
する。また、筐体1には、加工室4内の圧力を調整する
図示しない圧力調整手段が設けられている。この圧力調
整手段を用いることにより、密閉状態にある加工室4内
を大気圧以下にすることができるようになっている。
【0055】さらに、加工室4の側方位置下方には、引
出状の切粉回収部材27が設けられている。切粉回収部
材27は、表面板27Aと、表面板27Aの表面に形成
された把手27Bを有している。表面板27Aの裏面側
には、本体27Cが設けられており、本体27Cは、筐
体1の側方に形成された挿入口27Dから加工室4内に
収納されている。切粉回収部材27の表面板27Aは、
挿入口27Dよりも一回り大きく形成されており、その
裏面側の周囲には、弾力性を有するシール材が貼着され
ている。したがって、切粉回収部材27を加工室4に収
納した際には、挿入口27Dは密閉状態となるようにさ
れている。また、表面板27Aの表面には把手27Bが
設けられている。本体27Cに切粉や切屑が溜まった
ら、作業者は、この把手27Bを把持して、切粉回収部
材27を引き出すことができるようになっている。
【0056】さらに、筐体1および開閉扉21には、図
6にも示すように、開閉扉21の着座の完了を感知する
着座センサ28が設けられている。着座センサ28は、
筐体1に取り付けられたエア噴射部28Aと開閉扉21
に取り付けられたエアパッド28Bを備えている。エア
噴射部28Aは、筐体1のフレーム5に形成されたエア
流路28Cの一側に接続されており、エア流路28Cの
他側は図示しないエア供給ポンプに接続されている。ま
た、エア流路28Cは、圧力スイッチ28Dに接続され
ている。圧力スイッチ28Dは、常時(開閉扉21が開
放している時)はOFFとなっており、圧力スイッチ2
8DがOFFのときには、開閉扉21の閉塞が感知され
ていないので、主軸13が回転しないようにされてい
る。また、圧力スイッチ28DがONとなったときに主
軸13が回転可能となるように構成されている。
【0057】開閉扉21が開放しているときには、エア
供給ポンプから供給されるエアはエア噴射部28Aから
噴出されるので、圧力スイッチ28Dに規定値以下のエ
ア圧が作用し、圧力スイッチ28DはOFFのままとな
る。開閉扉21が閉塞すると、エア噴射部28Aがエア
パッド28Bによって閉鎖される。そのため、エア供給
ポンプから供給されたエアは、エア流路28C内でエア
圧が急上昇し、規定値を超えたエア圧で圧力スイッチ2
8Dを作用し、圧力スイッチ28DがONとなる。圧力
スイッチ28DがONとなることにより、開閉扉21の
着座完了が感知され、主軸13の回転が可能となるよう
に構成されている。
【0058】筐体1における各フレーム5,5…には、
ハニカム構造やトラス構造による内部空洞により、たと
えば図7に示すような冷却液流路1A,1Aが形成され
ており、これらの冷却液流路1A,1Aは、隣接するフ
レーム5,5…間で接続されている。また、図8に示す
ように、筐体1における前方上端部には、冷却液をフレ
ーム5内に供給するための冷却液投入口1Bが形成さ
れ、筐体1の後方下端部には、冷却液を排出するための
冷却液排出口1Cが形成されている。冷却液投入口1B
から冷却液を投入することにより、冷却液は、図8に概
略的に示すように、筐体1のフレーム5,5…の冷却液
流路1A,1A内に全体的に行き渡るように供給され
る。冷却液排出口1Cを開放すると冷却液流路1A,1
A内の冷却液が排出されるようになっている。なお、ワ
ークテーブル23や加工ヘッド15の移動台17A、そ
の他の構成部品などにもハニカム構造やトラス構造を採
用して、軽量化するとともに、内部に空洞を形成し、こ
の空洞を冷却液流路1Aとすることもできる。この内部
空洞を冷却液流路1Aとすることにより、フレーム5と
同様にワークテーブル23や移動台17A等にも冷却液
を供給することにより、機械全体としての冷却効果を一
層向上させることができる。
【0059】マシニングセンタ本体Mは、使用時には、
図9に示すように、本発明の包囲手段となる上箱31お
よび下敷部材32によって密閉される。上箱31は、開
閉扉21が閉塞した状態のマシニングセンタ本体Mより
も一回り大きい矩形である中空の箱であり、マシニング
センタ本体Mを完全に覆うことができるものである。下
敷部材32は、上箱31の平面よりもさらに一回り大き
い表面積を有しており、その表面には、上箱31の下四
辺が嵌合するための嵌合溝33が形成されている。下敷
部材32は弾性を有しており、上箱31の下四辺が嵌合
溝33に嵌合することにより、上箱31の内部は密閉状
態となる。また、上箱31には、本発明の包囲手段内圧
力調整手段である図示しないエアポンプが設けられてお
り、上箱31内の空気を外部に排出することができるよ
うになっている。下敷部材32の嵌合溝33に嵌合され
た上箱31の内部のマシニングセンタ本体Mを配置し、
エアポンプによって上箱31の内部の空気を排出するこ
とにより、上箱31の内部を大気圧よりも低い状態とす
ることができるようになっている。
【0060】かかる構成を有するマシニングセンタの動
作・作用について、主に図3、図5、および図10を参
照して説明する。なお、必要に応じて他の図面について
も適宜参照する。ワークを加工する際には、まず、図9
に示すように、マシニングセンタ本体Mを下敷部材32
の上に載置する。次に、作業員が把手21Aを把持して
開閉扉21を開放し、開閉扉21に設けられたワークテ
ーブル23にワークWを取り付ける。このとき、キャス
タ6,6…が不意に回転しないように、図示しない回転
止めでキャスタ6,6…の回転を止めておく。ワークW
の取り付けにあたっては、図5に示す基準片23B,2
3BにワークWを当接させて位置決めをする。位置決め
が済んだら、クランパ23C,23CでワークWをクラ
ンプする。その一方、ワークWの加工を開始する前に、
冷却液投入口1Bから筐体1内に冷却液を投入し、筐体
1の冷却液流路1A,1A内に冷却液を満たしておく。
また、切粉回収部材27の本体27Cは、加工室4内に
収納しておき、挿入口27Dは密閉した状態としてお
く。
【0061】こうして、ワークWの取り付けや冷却液の
投入などが済んだら、開閉扉21を閉じて着座させる。
開閉扉21を閉じたときに、着座センサ28によって開
閉扉21の着座の完了を感知する。着座センサ28によ
って開閉扉21の着座の完了が感知されたら、ワークW
の加工の準備が完了する。
【0062】これらの準備が済んだら、マシニングセン
タ本体Mに上箱31を被せ、上箱31の下四辺を下敷部
材32の嵌合溝33に嵌合させる。それから、図示しな
いエアポンプによって、上箱31の内部からエアを排出
し、上箱31の内部を大気圧よりも低い状態とする。
【0063】それから、ワークWの加工が開始される。
ワークWの加工が開始される前は、図10に示すよう
に、加工ヘッド15は後方に下がっている。このとき、
工具マガジン11を割出し回転させて、加工に用いる所
定の工具Tが取り付けられた主軸13を有する工具ホル
ダ12を加工ヘッド15のステータ15Aと同軸上にあ
る割り出し位置に配置する。続いて、Z軸移動手段17
によって加工ヘッド15をZ軸方向に沿って前進移動さ
せ、工具ホルダ12側のロータ14に加工ヘッド15側
のステータ15Aを嵌合させて加工ヘッド15の前面に
工具ホルダ12のフランジ部を当接させる。加工ヘッド
15の前面に工具ホルダ12のフランジ部が当接した
ら、工具ホルダ12を保持する保持アーム11Aを上方
に退避させる。また、真空吸着手段16における図示し
ない真空ポンプによって真空エア流通孔16Bを介して
吸着溝16A内の空気を吸引する。こうして、吸着溝1
6A内の空気を吸引することにより、加工ヘッド15に
工具ホルダ12のフランジ部を真空吸着させて、工具ホ
ルダ12を加工ヘッド15に取り付ける。工具ホルダ1
2を加工ヘッド15に取り付けることにより、主軸13
に設けられたロータ14の周囲が加工ヘッド15に設け
られたステータ15Aに覆われ、主軸駆動用モータとな
って主軸13を回転させる。
【0064】このまま、さらにZ軸移動手段17によっ
て加工ヘッド15をZ軸方向に沿って前進移動させる
と、やがて工具ホルダ12の先端が仕切板2の工具通過
孔2Aを通過する。工具ホルダ12が仕切板2を通った
ら、加工室4内は密閉され、ミスト生成装置18でミス
トの生成を開始するとともに、ミスト流路15B,12
Aを介して、ミスト噴射ノズル20に対してミストを供
給し、ミスト噴射ノズル20から主軸13に取り付けら
れた工具Tに向けてミストが噴射される。そして、さら
にZ軸移動手段17によって加工ヘッド15および工具
ホルダ12をZ軸方向に沿って前進移動させて工具Tが
ワークWに当接し始める時点で、ワークWの加工が開始
される。ワークWの加工が開始されると、あらかじめノ
ート型パソコンPCから入力された情報に基づいて、ワ
ークテーブル23および加工ヘッド15が移動しなが
ら、ワークWを所定の形状に加工していく。このとき、
ワークWに対するZ軸方向の移動は、Z軸移動手段17
によって工具T側を移動させることにより行われる。ま
た、工具Tに対するX軸方向およびY軸方向の移動は、
ワークテーブル23におけるX軸駆動手段24およびY
軸駆動手段25によってそれぞれ行われる。また、ワー
クWの加工が行われている間、ミスト噴射ノズル20か
らは工具TおよびワークWに対してミストが噴射されて
いる。このとき、ミストコレクタ26では、加工室4内
におけるミストから切屑や切粉を分離除去し、分離後の
ミストをミスト分離装置19に供給している。ミスト分
離装置19では、供給されたミストを空気と分離し、ミ
スト生成装置18に供給している。
【0065】加工が行われている間、マシニングセンタ
本体Mは、上箱31および下敷部材32によって密閉状
態に保たれている。また、この状態で上箱31とマシニ
ングセンタ本体Mの間は大気圧よりも低い圧力に維持さ
れているので、加工により生じる騒音が外部に漏れる量
が少なくなる。したがって、加工を行っている間、静寂
を保つことができる。また、ワークWの加工によりマシ
ニングセンタ本体Mに生じる熱も外部に伝達しないよう
にすることができる。マシニングセンタ本体Mには、筐
体1における冷却液流路1A,1Aに冷却液が満たされ
ているので、マシニングセンタ本体Mを好適に冷却する
ことができる。
【0066】かくしてワークWの所定の加工が済んだ
ら、Z軸移動手段17により、加工ヘッド15をZ軸方
向に沿って後退させる。そして、加工ヘッド15に装着
した工具ホルダ12が割り出し位置に到達したら、工具
マガジン11の保持アーム11Aを下降させ、保持アー
ム11Aに工具ホルダ12を保持させる。保持アーム1
1Aによって工具ホルダ12が保持されたら、真空吸着
手段16における図示しないエアポンプによる吸引を終
了すると同時に、わずかにエアを噴出する。エアを噴出
することにより、エアが吸着溝16Aに供給され、真空
吸着により加工ヘッド15に取り付けられていた工具ホ
ルダ12を円滑に取り外すことができる。
【0067】工具ホルダ12が加工ヘッド15から吸着
解除された状態でZ軸移動手段17により、加工ヘッド
15をさらにZ軸方向後方に移動させ、工具ホルダ12
を保持アーム11Aに受け渡す。こうして、ワークWの
所定の加工が終了する。
【0068】このまま、工具マガジン11に設けられた
他の工具Tを用いて加工を継続する場合には、工具マガ
ジン11を割出し回転させ、所定の主軸13を割り出し
位置に配置し、同様の工程を経てワークWの加工を継続
する。一方、このまま加工を終了する場合には、筐体1
に設けられた図示しない圧力調整手段によって、加工室
4内を大気圧以下の圧力に調整する。その一方で、上箱
31の内部を大気圧以下にしているエアポンプから逆に
エアを噴出して、上箱31が下敷部材32から取り外し
やすいようにして、上箱31を下敷部材32から取り外
し、マシニングセンタ本体Mを外部に出す。
【0069】マシニングセンタ本体Mを外部に出した
ら、作業員は、把手21Aを把持して開閉扉21を開放
する。このとき、加工室4内は大気圧よりも低い気圧に
調整されているので、加工室4内のミストはほとんど外
部に排出することがない。また、切粉回収部材27の本
体27Cに切粉や切屑がある程度溜まっていたら、切粉
回収部材27を挿入口27Dから引き出して、溜まった
切粉や切屑を廃棄することもできる。
【0070】また、加工が終了した後、たとえばマシニ
ングセンタ本体Mを持ち運ぶ際には、冷却液排出口1C
を開けて、冷却液流路1A,1A内の水を排出して軽量
化するのが好適である。冷却液流路1A,1A内の冷却
液を排出することにより、マシニングセンタ本体Mが軽
量化され、運搬が非常に容易になる。
【0071】このように、本実施形態に係るマシニング
センタでは、ワークを取り付けるワークテーブル23が
開閉扉21に設けられていることから、加工室4内にワ
ークテーブルを設けるためのベッドや移動機構などを必
要としない。したがって、マシニングセンタ全体として
の小型化を図ることができる。また、ワークテーブル2
3は開閉扉21の内面に沿って移動するものであるた
め、ワークテーブル23がZ軸方向に移動する必要がな
い。したがって、その分マシニングセンタ全体として小
型化を図ることができる。
【0072】このマシニングセンタは、たとえば工場の
フロアに設置して使用することができるが、たとえば図
11に示すように、机Dの上にマシニングセンタ本体M
を載置した状態で使用することなどもできる。図11に
示す例では、マシニングセンタ本体Mを駆動するための
入力手段として、デスクトップ型のパーソナルコンピュ
ータDPCが載置されている。このように、マシニング
センタをいわば卓上型として使用することもできる。も
ちろん、マシニングセンタを卓上に載置する場合であっ
ても、図9に示すような上箱31および下敷部材32を
備える包囲手段を用いることもできる。
【0073】また、前記実施形態では、ワークテーブル
23をZ軸方向と直交する方向に移動させるために、X
軸駆動手段24およびY軸駆動手段25を図12に示す
ような、回転駆動手段50およびY軸駆動手段25を用
いる態様とすることもできる。図12に示す態様では、
X軸駆動手段24に変えて回転駆動手段50が設けられ
ている点のみが前記実施形態と異なり、開閉扉21、ワ
ークテーブル23、およびY軸駆動手段25などは、前
記実施形態と同一の構成を有しているので、その詳細な
説明は省略する。
【0074】回転駆動手段50は、Y軸駆動手段25に
おけるY軸移動台25A上に載置されており、旋回テー
ブル51と、旋回テーブル51の裏側に配設された図示
しない旋回モータを備えている。旋回テーブル51の上
には、ワークテーブル23が載置されている。かかる回
転駆動手段50とY軸駆動手段25を備えることによ
り、X軸方向への移動を行うための駆動手段がなくと
も、ワークを平面的に加工することができる。
【0075】この場合の制御を具体的に説明すると、た
とえば、図13(a)に示すように、X−Y座標軸上の
加工点P(X1,Y1)の点を加工する場合を考える。
このとき、原点O(0,0)と加工点P(X1,Y1)
とを結ぶ直線とY軸とのなす角をθとし、その直線の距
離の長さをLとする。なお、L=√(X12+Y12)で
ある。このとき、図13(b)に示すように、原点Oを
中心として角度θ分だけ、加工点PをY軸方向に回転さ
せる。そして、Y軸上のP′(0,L)の点を加工する
ことにより、加工点P(X1,Y1)を加工するのと同
じことになる。このような制御を行うことにより、回転
駆動手段50およびY軸駆動手段25による移動だけ
で、X−Y平面上のすべての点を加工することができ
る。かかる構成により、X軸方向への移動が不要となる
ので、X軸方向の幅を減少させることができる。なお、
もちろん、Y軸駆動手段25に変えて、X軸駆動手段2
4を設け、その上に回転駆動手段50を設けることもで
きる。この場合には、Y軸方向、すなわち高さを減少さ
せることができる。また、Y軸駆動手段25、X軸駆動
手段24に回転駆動手段50を設けるのではなく、開閉
扉21に回転駆動手段を設け、そこにY軸駆動手段25
またはX軸駆動手段を設ける態様とすることもできる。
【0076】また、図示はしないが、X軸駆動手段2
4、Y軸駆動手段25、および回転駆動手段50をすべ
て開閉扉21に取り付ける態様とすることもできる。こ
の場合には、回転と直線運動を組み合わせることによ
り、狭い移動範囲内でワークを広く加工することができ
る。このときの加工方法について、図14に模式的に示
して説明すると、いま、図14(a)に示すワークテー
ブル23の全体を加工領域として考えると、単にX軸駆
動手段24およびY軸駆動手段が設けられているのみで
は、ワークテーブル23の上下左右の長さの範囲でワー
クテーブル23が移動する必要がある。
【0077】これに対して、回転駆動手段を組み合わせ
ることにより、たとえば図14(b)に示すように、ワ
ークテーブル23の右下1/4の範囲であるエリアE4
だけ加工することができれば、他のエリアE1〜E3に
ついてもこの範囲で加工するすることができる。すなわ
ち、回転駆動手段50を用いて、回転中心O′を中心と
してワークテーブル23を時計周りに90°回転させる
と、エリアE4があった領域にエリアE1が移動する。
このとき、エリアE1が加工可能な領域となる。同様に
時計周りに180°回転させることにより、エリアE2
が加工可能な領域となり、270°回転させることによ
りエリアE3が加工可能な領域になる。したがって、加
工領域が正方形である場合には、X軸駆動手段24およ
びY軸駆動手段25でワークテーブル23を移動させる
距離は、回転駆動手段50を用いない場合の1/2で済
む。よって、その分、マシニングセンタの小型化を図る
ことができる。
【0078】以上、説明したマシニングセンタを用い
て、たとえば加工ラインを構成することもできる。図1
5は、マシニングセンタを水平方向に並べた例を示す斜
視図である。図15に示すラインでは、4つのマシニン
グセンタM1〜M4が水平方向に1列に配列されてい
る。これらのマシニングセンタM1〜M4は、いずれも
同一のマシニングセンタであるが、前記実施形態で示し
たマシニングセンタ本体Mとは開閉扉の開き方が異な
り、その他は同一の構成を有している。この加工ライン
で用いられているマシニングセンタM1について説明す
ると、マシニングセンタM1は、前記実施形態で示した
マシニングセンタ本体と同様の筐体を備えており、その
筐体における加工室を密閉する開閉扉56が設けられて
いる。開閉扉56は、縦開き式で、前記実施形態で示し
たマシニングセンタ本体Mが横開き式であるのと異な
る。開閉扉56には、ワークテーブル、X軸駆動機構、
およびY軸駆動機構が設けられており、開閉扉56が閉
じたときに、図示しない加工ヘッド上の主軸とワークテ
ーブルが向き合うようになっている。また、開閉扉56
を自動開閉させるためのアクチュエータとしてシリンダ
55が設けられている。シリンダ55は、図示しない空
気圧ユニットにより、制御装置からの信号に応じて、開
閉扉56を適宜開閉させるようになっている。
【0079】マシニングセンタM1〜M4の手前側に
は、ワークを搬送するワーク搬送手段60が設けられて
いる。ワーク搬送手段60は、ワーク供給手段61を備
えている。ワーク供給手段61の下流側には搬送コンベ
ア62が設けられており、搬送コンベア62の下流側に
はワーク排出手段63が設けられている。各マシニング
センタM1〜M4の手前側部には、図示しない移載ロボ
ットが設けられており、それぞれ搬送コンベア62上の
所定のワークをマシニングセンタM1〜M4に移載して
いる。本発明に係るマシニングセンタは、小型化が可能
であるので、このように複数のマシニングセンタを併設
した場合でも、広い設置面積を必要とすることなく加工
ラインを製造することができる。
【0080】また、ここで用いられるマシニングセンタ
としては、1つのマシニングセンタに2枚の開閉扉を設
け、それぞれにワークテーブルを設ける態様とするのが
好適である。2枚の開閉扉を設けることにより、一方の
開閉扉のワークテーブルにワークを保持させてワークの
加工を行っている間に、他方の開閉扉におけるワークテ
ーブルにワークを移載する作業を行うことができる。か
かる態様とすることにより、加工時間の短縮を図ること
ができる。
【0081】加工ラインの別の態様として、図16に示
すように、マシニングセンタを鉛直方向に並べて設ける
こともできる。この加工ラインには、6つのマシニング
センタM11〜M16が設けられており、3つのマシニ
ングセンタM11〜M13が積み上げられ、その側方に
やはり3つのマシニングセンタM14〜M16が積み上
げられている。そのうちの一方に配列されたマシニング
センタM11〜M13は、前記実施形態で示したマシニ
ングセンタ本体Mと同一の構造を有している。もう一方
の列に設けられたマシニングセンタM11〜M13は、
開放された開閉扉の開放の向きが前記実施形態で示した
マシニングセンタ本体Mと異なり、その他はほぼ同一の
構成とされている。
【0082】マシニングセンタM11〜M16の前方に
は、ワーク搬送装置70が設けられている。ワーク搬送
装置70は、搬入部71と搬送部72と搬出部73を備
えている。搬送部72には、図示しないバケットコンベ
アなどが配設されており、ワークをマシニングセンタM
11〜M16の並んでいる方向に沿って搬送する装置で
ある。搬入部71から搬入されたワークは、搬送部72
を通して搬送され、図示しない移載ロボットなどで適宜
マシニングセンタM11〜M16に移載される。そし
て、加工が済んだワークは搬出部73まで搬送されて、
搬出される。
【0083】図16に示す加工ラインでは、6つのマシ
ニングセンタM11〜M16が設けられている。このた
め、複数のマシニングセンタを水平に併設した場合より
も、さらに狭い設置面積の範囲内に収めることができ
る。
【0084】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるもので
はない。たとえば、仕切板2によって主軸室3と加工室
4を分割しているが、仕切板をなくして、主軸室と加工
室が一体となっている態様であってもよい。また、前記
実施形態では、複数の主軸を設けた工具ホルダによって
工具交換を行う態様としているが、加工ヘッドに主軸を
設けておき、この主軸に対し、複数の工具を取り付けた
工具マガジンから工具を選択的に取り付ける一般的な工
具交換方式の態様を用いることもできる。さらには、加
工ヘッド15、すなわち工具T側がZ軸方向に移動する
態様としているが、工具T側は移動することなく固定さ
れ、ワークテーブルがZ軸方向にも移動する態様とする
こともできる。もちろん逆に、ワークテーブルは固定さ
れ、加工ヘッド15、すなわち工具T側がX,Y,Z方
向に移動する態様とすることもできる。また、前記実施
形態において、マシニングセンタ本体Mを包囲手段であ
る上箱31で覆った状態でマシニングセンタと呼称して
いるが、包囲手段を設けない場合には、マシニングセン
タ本体Mがマシニングセンタとなるものである。
【0085】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明のうちの請
求項1に係る発明によれば、開閉扉にワークテーブルが
設けられている。このため、加工室内にワークテーブル
を設ける据え付けタイプのベッドや移動機構などが必要
とならず、さらに、ワークの取り付け、取り外し作業
は、開閉扉を開けた状態でマシニングセンタの外の空間
で行えるため、その分加工室を小さくすることができ、
マシニングセンタ全体として小型化を図ることができ
る。この小型化により、省スペース、省エネルギー、低
コスト化を実現することができる。
【0086】請求項2に係る発明によれば、加工室にお
いてワークを加工する際に発生する加工液や切屑が加工
ヘッドや主軸に飛散するのを防止することができる。ま
た、加工室を狭くすることができるので、加工室のみに
必要な、たとえば耐濡れ性材料をコーティングする場合
などには、耐濡れ性材料を少量で済ませることができ
る。
【0087】請求項3に係る発明によれば、開閉扉の内
側の面に沿って移動することができるので、その分さら
にマシニングセンタ全体としての小型化を図ることがで
きる。
【0088】請求項4に係る発明によれば、同じ大きさ
のワークを加工する際にも、直線移動については、その
距離を短くすることができるので、その分通常のX−Y
軸直線移動手段に比べて、さらなるマシニングセンタの
小型化を図ることができる。そして、移動ストロークが
少なくてよい分、省エネルギー化が可能となる。
【0089】請求項5に係る発明によれば、ワークを加
工する際に、異なる工具を要する場合でも、1つのマシ
ニングセンタで済ませることができる。
【0090】請求項6に係る発明によれば、加工ヘッド
側に主軸を設けておく必要がなく、工具を主軸に取り付
けるための脱着機構を省略でき、ヘッド側の簡素化、小
サイズを図ることができる。また、前記複数の主軸を用
意する際に、それぞれの主軸に対してモータおよび制御
装置を必要とすることがないので、コストを低減するこ
とができるとともに、主軸を設けるためのマガジンスペ
ースを縮小することができる。このため、前記複数の主
軸を設けた場合でも、マシニングセンタ全体としての大
型化を抑制することができる。
【0091】請求項7に係る発明によれば、一方の開閉
扉に取り付けられたワークを加工室で加工している間
に、他の開閉扉に取り付けられた加工後のワークを開閉
扉から取り外し、一方の開閉扉を開き、他方の開閉扉で
加工室を閉鎖することができる。このため、複数のワー
クを連続的に加工することができ、全体の加工時間の短
縮を図ることができる。しかも、ワークの段取り作業
中、開閉扉を閉鎖しているので、作業環境もよくなる。
【0092】請求項8に係る発明によれば、フレーム自
体を、強度を維持しながら軽量化することができるの
で、筐体全体としての軽量化を図ることができる。
【0093】請求項9に係る発明によれば、マシニング
センタが高温となった場合に、冷却液流路に冷却液を流
通させることにより、マシニングセンタを好適に冷却す
ることができる。さらには、冷却液の充填により、筐体
にウエイトをかけ、加工時の剛性を高めることができ
る。
【0094】請求項10に係る発明によれば、扉の開閉
を容易に行うことができる。
【0095】請求項11に係る発明によれば、扉開閉に
人力を要さず、たとえばマシニングセンタを並べて使用
する場合に自動化を図ることができる。
【0096】請求項12に係る発明によれば、ミスト環
境下におけるワークの加工を行うことができる。また、
加工室内の圧力を調整する圧力調整手段が設けられてい
るため、ワークの加工後に開閉扉を開けたとき、加工室
を大気圧よりも低圧に調整することでミストを加工室の
外に排出させないようにすることができる。
【0097】請求項13に係る発明によれば、ミスト環
境下における加工室に筐体の内面やワークテーブルの移
動機構部などに、ミストとともに切屑が壁面に付着して
除去できなくなる事態を防ぐことができる。
【0098】請求項14に係る発明によれば、マシニン
グセンタ本体に対する防塵性を高めることができ、外部
の環境を汚すことがなくなる。また、マシニングセンタ
本体から発生するモータ音などの騒音がマシニングセン
タと包囲手段の間で減衰されるので、マシニングセンタ
から発せられる騒音を小さく抑えることができる。ま
た、マシニングセンタ本体から発せられた熱を外に出し
にくくすることができる。
【0099】請求項15に係る発明によれば、包囲手段
内の圧力を低くすることにより、マシニングセンタ本体
から発せられるモータ音などの音をさらに減衰すること
ができ、マシニングセンタから発せられる騒音をさらに
小さくすることができる。また、熱伝導性も低下するの
で、マシニングセンタから発せられる熱をさらに低く抑
えることができる。
【0100】請求項16に係る発明によれば、複数のマ
シニングセンタで所定の加工を施して製品を完成するラ
インを構築することができる。したがって、工場にこの
ラインを設けた場合にも、その設置面積を狭い範囲にす
ることができる。
【0101】請求項17に係る発明によれば、複数のマ
シニングセンタを水平方向に沿って併設した場合よりも
さらに狭い設置面積で加工ラインを構築することができ
る。
【0102】請求項18に係る発明によれば、工場にお
ける加工ラインの設置面積や高さなどに応じて、種々の
形態でラインを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマシニングセンタ本体の斜視図で
ある。
【図2】その内部構造を示す斜視図である。
【図3】その側断面図である。
【図4】(a)は、加工ヘッドに取り付けられた主軸ホ
ルダ付近の断面図、(b)は、そのIV−IV線断面図であ
る。
【図5】開閉扉を開放した状態の開閉扉付近の斜視図で
ある。
【図6】着座センサの構成図である。
【図7】フレームの断面図である。
【図8】冷却水流路の形成状態を示すためのマシニング
センタ本体の概略斜視図である。
【図9】マシニングセンタ本体に包囲手段を設ける状態
を示す斜視図である。
【図10】マシニングセンタによる加工工程を説明する
ための側断面図である。
【図11】マシニングセンタの設置状態の例を示す斜視
図である。
【図12】ワークテーブル移動手段の他の例を示す斜視
図である。
【図13】ワークテーブルの移動状態を説明するための
グラフである。
【図14】(a)は、ワークテーブル移動手段の他の例
を示す正面図、(b)は、その加工範囲を示す説明図で
ある。
【図15】マシニングセンタを水平方向に並べた例を示
す斜視図である。
【図16】マシニングセンタを鉛直方向に並べた例を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 筐体 1A 冷却液流路 2 仕切板 3 主軸室 4 加工室 5 フレーム 11 工具マガジン 12 工具ホルダ 13 主軸 14 ロータ 15 加工ヘッド 15A ステータ 16 真空吸着手段 17 Z軸移動手段 18 ミスト生成装置 19 ミスト分離装置 20 ミスト噴射ノズル 21 開閉扉 22 ワーク保持移動手段 23 ワークテーブル 24 X軸駆動手段 25 Y軸駆動手段 26 ミストコレクタ 27 切粉回収部材 28 着座センサ 31 上箱(包囲手段) 32 下敷部材(包囲手段) 50 回転駆動手段 60 ワーク搬送手段 70 ワーク搬送装置 C 制御装置 M マシニングセンタ(本体) M1〜M4,M11〜M16 マシニングセンタ T 工具 W ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23Q 1/02 F (72)発明者 温井 満 富山県東砺波郡福野町100番地 株式会社 日平トヤマ富山工場内 (72)発明者 河津 知之 神奈川県横須賀市神明町1番地 株式会社 日平トヤマ技術センター内 Fターム(参考) 3C002 AA03 BB07 LL01 3C011 DD01 DD02 3C048 AA01 BB01 BB10 BB12 BB14 DD10

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工ヘッドに主軸を介して取り付けられ
    た工具によってワークを加工する加工室が形成された筐
    体を備えるマシニングセンタ本体を有し、 前記加工室を塞ぐ開閉扉が前記筐体に設けられ、前記開
    閉扉は、閉塞時に前記主軸の先端に対向する位置に配置
    されており、 閉塞時の前記開閉扉における前記主軸に対向する面に、
    ワークテーブルが配設され、前記ワークテーブルにワー
    クが取り付けられることを特徴とするマシニングセン
    タ。
  2. 【請求項2】 前記筐体の内部が仕切板によって仕切ら
    れており、前記加工ヘッドおよび主軸が配設される主軸
    室と、前記加工ヘッドに取り付けられた工具が前記仕切
    板を貫通して突出される前記加工室と、が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のマシニングセン
    タ。
  3. 【請求項3】 前記主軸の軸方向に沿って前記加工ヘッ
    ドを進退させるヘッド移動手段と、ワークが取り付けら
    れた前記ワークテーブルを前記主軸の軸方向と直交する
    方向に移動させるワークテーブル移動手段と、が設けら
    れていることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載のマシニングセンタ。
  4. 【請求項4】 前記ワークテーブル移動手段が、前記ワ
    ークテーブルを前記主軸の軸方向と直交する直線的な方
    向に移動させる直線移動手段と、前記ワークテーブルを
    前記主軸の軸線周りに回転させる回転駆動手段とを備え
    ることを特徴とする請求項3に記載のマシニングセン
    タ。
  5. 【請求項5】 前記加工ヘッドに対し、複数の工具を交
    換可能な工具交換装置を備えていることを特徴とする請
    求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のマシ
    ニングセンタ。
  6. 【請求項6】 割出し回転可能なタレット式工具マガジ
    ンを備え、前記タレット式工具マガジンの回転方向に所
    定間隔で複数の工具ホルダが収容され、 前記工具ホルダはそれぞれ主軸を有し、前記主軸の一端
    に工具が取り付けられ、前記主軸の他端に主軸駆動用モ
    ータを構成するロータが設けられており、 前記加工ヘッドには、前記タレット式工具マガジンの割
    り出し位置における前記主軸の他端側に対向する位置
    に、前記ロータとともに主軸駆動用モータを構成し、か
    つ前記主軸の軸線上にステータを備えることを特徴とす
    る請求項5に記載のマシニングセンタ。
  7. 【請求項7】 前記開閉扉が複数枚設けられており、前
    記各開閉扉がそれぞれ異なる方向に開閉可能とされてい
    ることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいず
    れか1項に記載のマシニングセンタ。
  8. 【請求項8】 前記筐体を形成するフレームが、ハニカ
    ム構造またはトラス構造を有することを特徴とする請求
    項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載のマシニ
    ングセンタ。
  9. 【請求項9】 前記筐体を形成するフレームには、冷却
    液を通過させる冷却液流路が形成されていることを特徴
    とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項に記
    載のマシニングセンタ。
  10. 【請求項10】 前記開閉扉を開閉させる扉開閉手段が
    設けられていることを特徴とする請求項1から請求項9
    のうちのいずれか1項に記載のマシニングセンタ。
  11. 【請求項11】 前記扉開閉手段が、アクチュエータを
    有することを特徴とする請求項10に記載のマシニング
    センタ。
  12. 【請求項12】 前記加工室が密閉されるとともに、前
    記加工室にミストを供給するミスト供給手段が設けら
    れ、前記加工室内の圧力を調整する圧力調整手段が設け
    られていることを特徴とする請求項1から請求項11の
    うちのいずれか1項に記載のマシニングセンタ。
  13. 【請求項13】 前記加工室が、耐濡れ性材料でコーテ
    ィングされていることを特徴とする請求項12に記載の
    マシニングセンタ。
  14. 【請求項14】 前記マシニングセンタ本体の全体を包
    囲する包囲手段を有し、 前記包囲手段によって前記マシニングセンタ本体を包囲
    した状態で加工することを特徴とする請求項1から請求
    項13のうちのいずれか1項に記載のマシニングセン
    タ。
  15. 【請求項15】 前記包囲手段内の圧力を調整する包囲
    手段内圧力調整手段が設けられていることを特徴とする
    請求項14に記載のマシニングセンタ。
  16. 【請求項16】 請求項1から請求項15のうちのいず
    れか1項に記載のマシニングセンタが水平方向に沿って
    複数併設されているとともに、前記複数のマシニングセ
    ンタ間にワークを搬送する水平方向搬送手段が設けられ
    ていることを特徴とする加工ライン。
  17. 【請求項17】 請求項1から請求項15のうちのいず
    れか1項に記載のマシニングセンタが鉛直方向に沿って
    複数設けられているとともに、前記複数のマシニングセ
    ンタ間にワークを搬送する鉛直方向搬送手段が設けられ
    ていることを特徴とする加工ライン。
  18. 【請求項18】 請求項1から請求項15のうちのいず
    れか1項に記載のマシニングセンタが水平方向および鉛
    直方向にそれぞれ複数配列され、前記各マシニングセン
    タ間にワークを搬送する搬送手段が設けられていること
    を特徴とする加工ライン。
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