JP2003071538A - パイプ状加工品の製法 - Google Patents
パイプ状加工品の製法Info
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- JP2003071538A JP2003071538A JP2001267781A JP2001267781A JP2003071538A JP 2003071538 A JP2003071538 A JP 2003071538A JP 2001267781 A JP2001267781 A JP 2001267781A JP 2001267781 A JP2001267781 A JP 2001267781A JP 2003071538 A JP2003071538 A JP 2003071538A
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- shaped
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コストが安価で、しかも、面粗度が良くて強度
的にも強く、しかも、加工工程の簡素化を図ることので
きるパイプ状加工品の製法を提供する。 【解決手段】金属製のパイプ状素材を下型12で起立保
持し、上型11を下型12に対して下降させることによ
り、パイプ状素材の底部外周面にセレーション部を鍛造
形成する方法であって、下型12が、パイプ状素材の底
部を挿通しうる貫通孔22の内周面にセレーション状凹
凸部23aが形成された型部15と、セレーション状凹
凸部23aに対応する貫通孔22の部分に配設されたガ
イドピン18を備え、ガイドピン18とセレーション状
凹凸部23a間に環状隙間が形成され、上型11を下降
させることにより、パイプ状素材5の底部を上記環状隙
間に案内し、パイプ状素材5の底部外周面にセレーショ
ン部を鍛造形成している。
的にも強く、しかも、加工工程の簡素化を図ることので
きるパイプ状加工品の製法を提供する。 【解決手段】金属製のパイプ状素材を下型12で起立保
持し、上型11を下型12に対して下降させることによ
り、パイプ状素材の底部外周面にセレーション部を鍛造
形成する方法であって、下型12が、パイプ状素材の底
部を挿通しうる貫通孔22の内周面にセレーション状凹
凸部23aが形成された型部15と、セレーション状凹
凸部23aに対応する貫通孔22の部分に配設されたガ
イドピン18を備え、ガイドピン18とセレーション状
凹凸部23a間に環状隙間が形成され、上型11を下降
させることにより、パイプ状素材5の底部を上記環状隙
間に案内し、パイプ状素材5の底部外周面にセレーショ
ン部を鍛造形成している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セレーション等の
ギア部が鍛造により形成されているパイプ状加工品の製
法に関するものである。
ギア部が鍛造により形成されているパイプ状加工品の製
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気洗濯機の回転駆動部等の各部におい
て、セレーション等のギア部が形成されたシャフトやパ
イプが用いられている。例えば、電気洗濯機の回転駆動
部において、脱水槽,パルセータ等を回転させるための
ギヤシャフト等として、図11(c)に示すような形状
のものが用いられている。
て、セレーション等のギア部が形成されたシャフトやパ
イプが用いられている。例えば、電気洗濯機の回転駆動
部において、脱水槽,パルセータ等を回転させるための
ギヤシャフト等として、図11(c)に示すような形状
のものが用いられている。
【0003】このようなギヤシャフト等は、通常、つぎ
のようにして製造されている。すなわち、まず、図11
(a)に示すように、棒状の鋼材(S35C等)を所定
長に切断したのち、図11(b)に示すように切削加工
して、上端部に大径部51を形成し、中間部52の下側
に第1の小径部53と第2の小径部54を形成する。そ
して、上下両端面の中央にセンター穴55,56を穿設
する。つぎに、図11(c)に示すように、上記大径部
51の外周面に、転造もしくは切削によってねじ部57
を形成するとともに、上記第1の小径部53の外周面に
ギヤ歯を刻設してギヤ部58を形成する。そして、焼入
れ後、中間部52を研磨仕上げして、目的とするギヤシ
ャフト等を得ることができる。
のようにして製造されている。すなわち、まず、図11
(a)に示すように、棒状の鋼材(S35C等)を所定
長に切断したのち、図11(b)に示すように切削加工
して、上端部に大径部51を形成し、中間部52の下側
に第1の小径部53と第2の小径部54を形成する。そ
して、上下両端面の中央にセンター穴55,56を穿設
する。つぎに、図11(c)に示すように、上記大径部
51の外周面に、転造もしくは切削によってねじ部57
を形成するとともに、上記第1の小径部53の外周面に
ギヤ歯を刻設してギヤ部58を形成する。そして、焼入
れ後、中間部52を研磨仕上げして、目的とするギヤシ
ャフト等を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
製法では、切削代が多いため材料コストおよび加工コス
トが高いという問題がある。しかも、上記の製法で形成
されたねじ部57,ギヤ部58は面粗度が悪いため、相
手歯車の摩耗が著しいという問題や、噛み合い時に騒音
が生じやすいという問題がある。また、上記の製法で形
成されたねじ部57,ギヤ部58は強度的に弱いという
問題もある。しかも、上記の製法では、センター穴5
5,56の穿設加工等が必要になり、加工工程が複雑化
するという問題もある。
製法では、切削代が多いため材料コストおよび加工コス
トが高いという問題がある。しかも、上記の製法で形成
されたねじ部57,ギヤ部58は面粗度が悪いため、相
手歯車の摩耗が著しいという問題や、噛み合い時に騒音
が生じやすいという問題がある。また、上記の製法で形
成されたねじ部57,ギヤ部58は強度的に弱いという
問題もある。しかも、上記の製法では、センター穴5
5,56の穿設加工等が必要になり、加工工程が複雑化
するという問題もある。
【0005】そこで、これらの問題を解決するため、本
出願人は、上記のギアシャフトを鍛造形成により製造す
ることを提案している(特開平7−308728号公
報)。一方、ギア部が形成されたパイプについても、ギ
ヤ部を切削加工等により形成する場合には、上記の問題
と同様の問題が発生しているが、鍛造技術を用いてギヤ
部を形成することが行われていないのが実情である。
出願人は、上記のギアシャフトを鍛造形成により製造す
ることを提案している(特開平7−308728号公
報)。一方、ギア部が形成されたパイプについても、ギ
ヤ部を切削加工等により形成する場合には、上記の問題
と同様の問題が発生しているが、鍛造技術を用いてギヤ
部を形成することが行われていないのが実情である。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、鍛造技術を用いてギヤ部を形成することによ
り、材料コストおよび加工コストが安価で、しかも、面
粗度が良くて強度的にも強く、しかも、加工工程の簡素
化を図ることのできるパイプ状加工品の製法の提供をそ
の目的とする。
もので、鍛造技術を用いてギヤ部を形成することによ
り、材料コストおよび加工コストが安価で、しかも、面
粗度が良くて強度的にも強く、しかも、加工工程の簡素
化を図ることのできるパイプ状加工品の製法の提供をそ
の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のパイプ状加工品の製法は、金属製パイプ
状素材をメス下金型で起立保持し、オス上金型をメス下
金型に対して下降させることにより、上記金属製パイプ
状素材の底部外周面に軸方向に沿って直線状凹凸部を鍛
造形成する方法であって、上記オス上金型が、昇降自在
な昇降押圧部を備え、上記メス下金型が、金属製パイプ
状素材の底部を挿通しうる穴部の内周面に直線状凹凸部
用成形手段が形成された型部と、上記直線状凹凸部用成
形手段に対応する穴部の部分に配設されたガイドピンと
を備え、上記ガイドピンと直線状凹凸部用成形手段との
間に、金属製パイプ状素材の底部を挿通しうる環状隙間
が形成され、上記昇降押圧部を下降させることにより、
金属製パイプ状素材の底部を上記ガイドピンと直線状凹
凸部用成形手段との間に形成される環状隙間に案内し、
金属製パイプ状素材の底部外周面に軸方向に沿って直線
状凹凸部を鍛造形成するようにしたという構成をとる。
めに、本発明のパイプ状加工品の製法は、金属製パイプ
状素材をメス下金型で起立保持し、オス上金型をメス下
金型に対して下降させることにより、上記金属製パイプ
状素材の底部外周面に軸方向に沿って直線状凹凸部を鍛
造形成する方法であって、上記オス上金型が、昇降自在
な昇降押圧部を備え、上記メス下金型が、金属製パイプ
状素材の底部を挿通しうる穴部の内周面に直線状凹凸部
用成形手段が形成された型部と、上記直線状凹凸部用成
形手段に対応する穴部の部分に配設されたガイドピンと
を備え、上記ガイドピンと直線状凹凸部用成形手段との
間に、金属製パイプ状素材の底部を挿通しうる環状隙間
が形成され、上記昇降押圧部を下降させることにより、
金属製パイプ状素材の底部を上記ガイドピンと直線状凹
凸部用成形手段との間に形成される環状隙間に案内し、
金属製パイプ状素材の底部外周面に軸方向に沿って直線
状凹凸部を鍛造形成するようにしたという構成をとる。
【0008】すなわち、本発明のパイプ状加工品の製法
は、金属製パイプ状素材をメス下金型で起立保持し、オ
ス上金型をメス下金型に対して下降させることにより、
上記金属製パイプ状素材の底部外周面に軸方向に沿って
直線状凹凸部を鍛造形成する方法であり、上記オス上金
型が、昇降自在な昇降押圧部を備えている。また、上記
メス下金型が、金属製パイプ状素材の底部を挿通しうる
穴部の内周面に直線状凹凸部用成形手段が形成された型
部と、上記直線状凹凸部用成形手段に対応する穴部の部
分に配設されたガイドピンとを備えており、上記ガイド
ピンと直線状凹凸部用成形手段との間に、金属製パイプ
状素材の底部を挿通しうる環状隙間が形成されている。
そして、上記昇降押圧部を下降させることにより、金属
製パイプ状素材の底部を上記ガイドピンと直線状凹凸部
用成形手段との間に形成される環状隙間に案内し、金属
製パイプ状素材の底部外周面に軸方向に沿って直線状凹
凸部を鍛造形成するようにしている。このとき、ガイド
ピンにより、金属製パイプ状素材の底部が内径側に膨ら
むのを防止することができる。このように、本発明で
は、メス下金型を構成する型部の穴部の直線状凹凸部用
成形手段により、ガイドピンと直線状凹凸部用成形手段
との間に形成される環状隙間を下降する金属製パイプ状
素材の底部外周面を塑性変形させることで、直線状凹凸
部を成形しているため、直線状凹凸部の成形が上記塑性
変形によって精度よく行われる。したがって、直線状凹
凸部の面粗度が、切削加工等によって得られたものに比
べて良好で、これらの部分と噛み合う相手部品の摩耗が
少なくなり、耐久性が向上する。しかも、上記塑性変形
により、金属製パイプ状素材の底部の内部密度が緻密に
なって、強度が向上する。しかも、上記直線状凹凸部
が、金属製パイプ状素材の底部を塑性変形することによ
り得られるため、切削代が最小限で済み、材料に無駄が
ない。しかも、切削加工等に比べ、加工工程が簡素化す
る。
は、金属製パイプ状素材をメス下金型で起立保持し、オ
ス上金型をメス下金型に対して下降させることにより、
上記金属製パイプ状素材の底部外周面に軸方向に沿って
直線状凹凸部を鍛造形成する方法であり、上記オス上金
型が、昇降自在な昇降押圧部を備えている。また、上記
メス下金型が、金属製パイプ状素材の底部を挿通しうる
穴部の内周面に直線状凹凸部用成形手段が形成された型
部と、上記直線状凹凸部用成形手段に対応する穴部の部
分に配設されたガイドピンとを備えており、上記ガイド
ピンと直線状凹凸部用成形手段との間に、金属製パイプ
状素材の底部を挿通しうる環状隙間が形成されている。
そして、上記昇降押圧部を下降させることにより、金属
製パイプ状素材の底部を上記ガイドピンと直線状凹凸部
用成形手段との間に形成される環状隙間に案内し、金属
製パイプ状素材の底部外周面に軸方向に沿って直線状凹
凸部を鍛造形成するようにしている。このとき、ガイド
ピンにより、金属製パイプ状素材の底部が内径側に膨ら
むのを防止することができる。このように、本発明で
は、メス下金型を構成する型部の穴部の直線状凹凸部用
成形手段により、ガイドピンと直線状凹凸部用成形手段
との間に形成される環状隙間を下降する金属製パイプ状
素材の底部外周面を塑性変形させることで、直線状凹凸
部を成形しているため、直線状凹凸部の成形が上記塑性
変形によって精度よく行われる。したがって、直線状凹
凸部の面粗度が、切削加工等によって得られたものに比
べて良好で、これらの部分と噛み合う相手部品の摩耗が
少なくなり、耐久性が向上する。しかも、上記塑性変形
により、金属製パイプ状素材の底部の内部密度が緻密に
なって、強度が向上する。しかも、上記直線状凹凸部
が、金属製パイプ状素材の底部を塑性変形することによ
り得られるため、切削代が最小限で済み、材料に無駄が
ない。しかも、切削加工等に比べ、加工工程が簡素化す
る。
【0009】このような本発明では、上記直線状凹凸部
として、例えば、セレーション部を形成することができ
る。
として、例えば、セレーション部を形成することができ
る。
【0010】本発明において、上記穴部の内周面に、上
方に向かって拡径するテーパー面が形成されている場合
には、製品(鍛造形成後の金属製パイプ状素材)をメス
下金型から取り出す際に、上記穴部の内周面と製品の外
周面との間に僅かな隙間があることから、製品を上記穴
部から取り出しやすくなる。特に、金属製パイプ状素材
が長い場合には、上記穴部の穴径と製品の外径が同じに
設定されていると、製品をメス下金型から非常に取り出
しにくくなるため、上記隙間を設けることは、効果的で
ある。このようなテーパー面のテーパー角度は、0.0
2〜0.03°に、好適には、0.025°に設定され
ている。
方に向かって拡径するテーパー面が形成されている場合
には、製品(鍛造形成後の金属製パイプ状素材)をメス
下金型から取り出す際に、上記穴部の内周面と製品の外
周面との間に僅かな隙間があることから、製品を上記穴
部から取り出しやすくなる。特に、金属製パイプ状素材
が長い場合には、上記穴部の穴径と製品の外径が同じに
設定されていると、製品をメス下金型から非常に取り出
しにくくなるため、上記隙間を設けることは、効果的で
ある。このようなテーパー面のテーパー角度は、0.0
2〜0.03°に、好適には、0.025°に設定され
ている。
【0011】本発明において、上記ガイドピンの外周面
に、上方に向かって縮径するテーパー面が形成されてい
る場合には、製品をメス下金型から取り出す際に、上記
ガイドピンの外周面と製品の内周面との間に僅かな隙間
があることから、製品をガイドピンの外周部から取り出
しやすくなる。特に、製品の直線状凹凸部が長い場合に
は、上記ガイドピンの外径と製品の内径が同じに設定さ
れていると、製品をメス下金型から非常に取り出しにく
くなるため、上記隙間を設けることは、効果的である。
このようなテーパー面のテーパー角度は、0.022〜
0.032°に、好適には、0.027°に設定されて
いる。
に、上方に向かって縮径するテーパー面が形成されてい
る場合には、製品をメス下金型から取り出す際に、上記
ガイドピンの外周面と製品の内周面との間に僅かな隙間
があることから、製品をガイドピンの外周部から取り出
しやすくなる。特に、製品の直線状凹凸部が長い場合に
は、上記ガイドピンの外径と製品の内径が同じに設定さ
れていると、製品をメス下金型から非常に取り出しにく
くなるため、上記隙間を設けることは、効果的である。
このようなテーパー面のテーパー角度は、0.022〜
0.032°に、好適には、0.027°に設定されて
いる。
【0012】本発明において、上記ガイドピンが直線状
凹凸部用成形手段より上方に突出している場合には、直
線状凹凸部を成形する際に、金属製パイプ状素材の底部
が内径側に膨らむのを確実に防止することができる。す
なわち、金属製パイプ状素材の底部を、ガイドピンと直
線状凹凸部用成形手段との間に形成される環状隙間に案
内してここで絞りながら直線状凹凸部を成形する際に、
絞り込み入口(すなわち、上記環状隙間の上面開口)で
絞り込み力が一番かかり、金属製パイプ状素材を内径側
に膨らませようとするが、少しでも内径側に膨らむと、
直線状凹凸部を精度よく成形することができなくなる。
このため、ガイドピンを絞り込み入口より上方に突出さ
せ、金属製パイプ状素材が絞り込み入口で内径側に膨ら
まないようにする必要がある。
凹凸部用成形手段より上方に突出している場合には、直
線状凹凸部を成形する際に、金属製パイプ状素材の底部
が内径側に膨らむのを確実に防止することができる。す
なわち、金属製パイプ状素材の底部を、ガイドピンと直
線状凹凸部用成形手段との間に形成される環状隙間に案
内してここで絞りながら直線状凹凸部を成形する際に、
絞り込み入口(すなわち、上記環状隙間の上面開口)で
絞り込み力が一番かかり、金属製パイプ状素材を内径側
に膨らませようとするが、少しでも内径側に膨らむと、
直線状凹凸部を精度よく成形することができなくなる。
このため、ガイドピンを絞り込み入口より上方に突出さ
せ、金属製パイプ状素材が絞り込み入口で内径側に膨ら
まないようにする必要がある。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を、全自動電気洗
濯機の回転駆動部におけるギヤ部付きパイプ(パイプ状
加工品)を製造するのに適用した実施の形態を説明す
る。
濯機の回転駆動部におけるギヤ部付きパイプ(パイプ状
加工品)を製造するのに適用した実施の形態を説明す
る。
【0014】この実施の形態において、目的とするギヤ
部付きパイプ1の形状は、図1および図2に示すような
形状とする。すなわち、上記ギヤ部付きパイプ1は、S
TKM(機械構造用炭素鋼鋼管)16Cからなる外径φ
25.4mm,内径φ17.6mm,全長138mmの
パイプ形状の素材5(図7参照)を用いて製造されたも
のであり、その下端部の小径部の外周面にセレーション
部(直線状凹凸部)2が形成されている。このセレーシ
ョン部2の長さは23.5mmで、外径はφ24mmで
ある。
部付きパイプ1の形状は、図1および図2に示すような
形状とする。すなわち、上記ギヤ部付きパイプ1は、S
TKM(機械構造用炭素鋼鋼管)16Cからなる外径φ
25.4mm,内径φ17.6mm,全長138mmの
パイプ形状の素材5(図7参照)を用いて製造されたも
のであり、その下端部の小径部の外周面にセレーション
部(直線状凹凸部)2が形成されている。このセレーシ
ョン部2の長さは23.5mmで、外径はφ24mmで
ある。
【0015】一方、図3に示すような特殊な金型10を
準備した。この金型10は、上型(オス上金型)11と
下型(メス下金型)12とで構成されている。上記上型
11は、昇降手段(図示せず)により昇降自在に構成さ
れた昇降可動部13と、この昇降可動部13の段付き状
中央貫通孔13aに固定された押しピン14とを有して
おり、これら昇降可動部13と押しピン14とで昇降押
圧部が構成されている。また、上記押しピン14は、丸
棒状に形成されたピン部14aと、このピン部14aの
上端部の外周面から突出形成された段部14bとからな
り、上記ピン部14aの外径が、上記パイプ形状の素材
5および後述する下型12の貫通孔22の上側小径部2
2aの穴径と同一径に形成されている。なお、上記「同
一径」とは、文字通りの「同一径」に限らず、互いに嵌
め合うことのできる程度に公差が設けられた寸法の径を
も含むものであり、以下の「同一径」も同様の趣旨で用
いている。
準備した。この金型10は、上型(オス上金型)11と
下型(メス下金型)12とで構成されている。上記上型
11は、昇降手段(図示せず)により昇降自在に構成さ
れた昇降可動部13と、この昇降可動部13の段付き状
中央貫通孔13aに固定された押しピン14とを有して
おり、これら昇降可動部13と押しピン14とで昇降押
圧部が構成されている。また、上記押しピン14は、丸
棒状に形成されたピン部14aと、このピン部14aの
上端部の外周面から突出形成された段部14bとからな
り、上記ピン部14aの外径が、上記パイプ形状の素材
5および後述する下型12の貫通孔22の上側小径部2
2aの穴径と同一径に形成されている。なお、上記「同
一径」とは、文字通りの「同一径」に限らず、互いに嵌
め合うことのできる程度に公差が設けられた寸法の径を
も含むものであり、以下の「同一径」も同様の趣旨で用
いている。
【0016】また、上記下型12は、型部15と支受部
16と昇降手段17とガイドピン18とを備えている。
上記型部15は、基台20もしくは他の構造体(図示せ
ず)に取り付け手段(図示せず)により取り付けられた
円筒形状の外枠部21に、上方への移動を阻止された状
態で、上記基台20もしくは他の構造体に固定されてい
る。また、上記型部15には、その中央部に、上側小径
部22aと下側大径部22bとからなる貫通孔22が上
下方向に穿設されている。この貫通孔22の上側小径部
22aは、上記パイプ形状の素材5の外径および上記押
しピン14のピン部14aの外径と同一径に形成されて
おり、かつ、上記上側小径部22aの内周面は、上方に
向かって拡径するテーパー面に形成されている(図4参
照)。この実施の形態では、上記テーパー面の下端開口
の穴径はφ25.4mmに、上端開口の穴径はφ25.
5mmに形成されており、テーパー角度α1 (図4参
照)で表わすと、0.025°になる。
16と昇降手段17とガイドピン18とを備えている。
上記型部15は、基台20もしくは他の構造体(図示せ
ず)に取り付け手段(図示せず)により取り付けられた
円筒形状の外枠部21に、上方への移動を阻止された状
態で、上記基台20もしくは他の構造体に固定されてい
る。また、上記型部15には、その中央部に、上側小径
部22aと下側大径部22bとからなる貫通孔22が上
下方向に穿設されている。この貫通孔22の上側小径部
22aは、上記パイプ形状の素材5の外径および上記押
しピン14のピン部14aの外径と同一径に形成されて
おり、かつ、上記上側小径部22aの内周面は、上方に
向かって拡径するテーパー面に形成されている(図4参
照)。この実施の形態では、上記テーパー面の下端開口
の穴径はφ25.4mmに、上端開口の穴径はφ25.
5mmに形成されており、テーパー角度α1 (図4参
照)で表わすと、0.025°になる。
【0017】一方、上記貫通孔22の下側大径部22b
には、その上側部分に円筒形状のセレーション型23
が、その下側部分に円筒形状の載置板24の上半部分が
それぞれ内嵌,固定されている。また、上記セレーショ
ン型23の内周面は、その上端部(上記貫通孔22の上
側小径部22aの下端開口の穴径と同一径に形成された
大径部)を除いた部分が小径部に形成されており、この
小径部に、上記ギヤ部付きパイプ1のセレーション部2
を成形するためのセレーション状凹凸部(直線状凹凸部
用成形手段)23aが形成されている。
には、その上側部分に円筒形状のセレーション型23
が、その下側部分に円筒形状の載置板24の上半部分が
それぞれ内嵌,固定されている。また、上記セレーショ
ン型23の内周面は、その上端部(上記貫通孔22の上
側小径部22aの下端開口の穴径と同一径に形成された
大径部)を除いた部分が小径部に形成されており、この
小径部に、上記ギヤ部付きパイプ1のセレーション部2
を成形するためのセレーション状凹凸部(直線状凹凸部
用成形手段)23aが形成されている。
【0018】上記支受部16は、上記基台20に形成さ
れた凹部20aに収容されており、円筒形状の下側支受
板25と、上面中央部に上記ガイドピン18が載置,固
定される円盤形状の中間支受板26と、上面に上記型部
15の載置板24が載置される円筒形状の上側支受板2
7とで構成されている。そして、これら各支受板25〜
27の外径は上記基台20の凹部20aの穴径と同一径
に形成されている。また、上記下側支受板25は、その
中央貫通孔25aが、後述する昇降手段17の円盤部3
0の直径と同一径に形成されており、上記中央貫通孔2
5aに、上記昇降手段17の円盤部30が昇降自在に収
容されている。また、上記中間支受板26には、後述す
る昇降手段17の各押し上げピン31に対応する部分
に、これら各押し上げピン31を昇降自在に挿通しうる
貫通孔26aがそれぞれ穿設されている。一方、上側支
受板27の中央貫通孔27aには、その中央部に上記ガ
イドピン18の底部が配設されているとともに、その外
周部に上記各押し上げピン31の上端部が昇降自在に配
設されている。図3において、28は中間支受板26お
よび上側支受板27に穿設された貫通孔に内嵌状に固定
される位置決め・固定ピンである。なお、上記各支受板
25〜27は、それぞれれ異なる材料で造られている。
れた凹部20aに収容されており、円筒形状の下側支受
板25と、上面中央部に上記ガイドピン18が載置,固
定される円盤形状の中間支受板26と、上面に上記型部
15の載置板24が載置される円筒形状の上側支受板2
7とで構成されている。そして、これら各支受板25〜
27の外径は上記基台20の凹部20aの穴径と同一径
に形成されている。また、上記下側支受板25は、その
中央貫通孔25aが、後述する昇降手段17の円盤部3
0の直径と同一径に形成されており、上記中央貫通孔2
5aに、上記昇降手段17の円盤部30が昇降自在に収
容されている。また、上記中間支受板26には、後述す
る昇降手段17の各押し上げピン31に対応する部分
に、これら各押し上げピン31を昇降自在に挿通しうる
貫通孔26aがそれぞれ穿設されている。一方、上側支
受板27の中央貫通孔27aには、その中央部に上記ガ
イドピン18の底部が配設されているとともに、その外
周部に上記各押し上げピン31の上端部が昇降自在に配
設されている。図3において、28は中間支受板26お
よび上側支受板27に穿設された貫通孔に内嵌状に固定
される位置決め・固定ピンである。なお、上記各支受板
25〜27は、それぞれれ異なる材料で造られている。
【0019】上記昇降手段17は、鍛造形成後のパイプ
形状の素材5を下型12から脱型する際に用いるもので
あり、昇降可動部材29と、この昇降可動部材29に支
受される円筒体32とを備えている。上記昇降可動部材
29は、下側支受板25の中央貫通孔25aに昇降自在
に収容される円盤部30と、この円盤部30の上面外周
部から立設される複数本の押し上げピン31とからな
り、これら各押し上げピン31の上端面に円筒体32の
下端面が載置,支受されている。この円筒体32には、
その下端部の外周面から、上記型部15の載置板24の
中央貫通孔24aの穴径(この穴径は、上記支受部16
の上側支受板27の中央貫通孔27aの穴径より大径に
形成されている)と同一径に形成された鍔部32aが突
設されており、上記中央貫通孔24aの内周面に昇降自
在に摺接している。また、上記円筒体32は、その外径
がセレーション型23のセレーション状凹凸部23aの
内径より小さく形成されており、これにより、上記円筒
体32の上側部分がセレーション状凹凸部23a内に進
入しうるようにしている。また、上記円筒体32は、そ
の内径がガイドピン18の外径と同一径に形成されてお
り、これにより、上記円筒体32がガイドピン18の外
周面に沿って昇降しうるようにしている。
形状の素材5を下型12から脱型する際に用いるもので
あり、昇降可動部材29と、この昇降可動部材29に支
受される円筒体32とを備えている。上記昇降可動部材
29は、下側支受板25の中央貫通孔25aに昇降自在
に収容される円盤部30と、この円盤部30の上面外周
部から立設される複数本の押し上げピン31とからな
り、これら各押し上げピン31の上端面に円筒体32の
下端面が載置,支受されている。この円筒体32には、
その下端部の外周面から、上記型部15の載置板24の
中央貫通孔24aの穴径(この穴径は、上記支受部16
の上側支受板27の中央貫通孔27aの穴径より大径に
形成されている)と同一径に形成された鍔部32aが突
設されており、上記中央貫通孔24aの内周面に昇降自
在に摺接している。また、上記円筒体32は、その外径
がセレーション型23のセレーション状凹凸部23aの
内径より小さく形成されており、これにより、上記円筒
体32の上側部分がセレーション状凹凸部23a内に進
入しうるようにしている。また、上記円筒体32は、そ
の内径がガイドピン18の外径と同一径に形成されてお
り、これにより、上記円筒体32がガイドピン18の外
周面に沿って昇降しうるようにしている。
【0020】上記ガイドピン18は、図5および図6に
示すように、略円柱形状に形成されており、その下端面
が上記中間支受板26の上面中央部に載置されていると
ともに、その上端面が上記セレーション型23より上方
に(この実施の形態では、20mm上方に)突出してい
る(図3参照)。また、上記ガイドピン18の上半部分
18a(この上半部分18aは、上記セレーション型2
3のセレーション状凹凸部23aに略対応する部分と、
上記セレーション型23より上方に突出する部分とから
なる)は、上記パイプ形状の素材5の内径と同一径に形
成されており、かつ、上記上半部分18aの外周面は、
上方に向かって縮径するテーパー面が形成されている。
この実施の形態では、上記テーパー面の下端部の外径は
φ17.6mmに、上端部の外径はφ17.45mmに
形成されており、テーパー角度α 2 (図4参照)で表わ
すと、0.027°になる。このようなガイドピン18
の上半部分18aと上記セレーション状凹凸部23aと
の間にはリング状の環状隙間が形成されている。
示すように、略円柱形状に形成されており、その下端面
が上記中間支受板26の上面中央部に載置されていると
ともに、その上端面が上記セレーション型23より上方
に(この実施の形態では、20mm上方に)突出してい
る(図3参照)。また、上記ガイドピン18の上半部分
18a(この上半部分18aは、上記セレーション型2
3のセレーション状凹凸部23aに略対応する部分と、
上記セレーション型23より上方に突出する部分とから
なる)は、上記パイプ形状の素材5の内径と同一径に形
成されており、かつ、上記上半部分18aの外周面は、
上方に向かって縮径するテーパー面が形成されている。
この実施の形態では、上記テーパー面の下端部の外径は
φ17.6mmに、上端部の外径はφ17.45mmに
形成されており、テーパー角度α 2 (図4参照)で表わ
すと、0.027°になる。このようなガイドピン18
の上半部分18aと上記セレーション状凹凸部23aと
の間にはリング状の環状隙間が形成されている。
【0021】上記の構成において、まず、パイプ形状の
素材5を準備し、その下端部を面取りする(図7参
照)。ついで、上記パイプ形状の素材5をボンデ(モリ
ブデン系黒ボンデ)処理する。つぎに、金型10の下型
12の貫通孔22内に上記パイプ形状の素材5を挿入
し、その上端部を下型12から上方に突出させた状態
で、下型12に装着する(図8参照)。つぎに、図9に
示すように、上方から上記金型10の上型11を下降さ
せることにより、上型11の押しピン14のピン部14
aの下端面で上記パイプ形状の素材5の上端面を押圧
し、上記パイプ形状の素材5を下型12の貫通孔22内
に進入させる。この進入により、上記パイプ形状の素材
5の下端部を絞りながら、ガイドピン18の上半部分1
8aとセレーション型23のセレーション状凹凸部23
a間に形成される環状隙間に押し込む。この押し込み
は、上記パイプ形状の素材5の下端面が円筒体32の上
端面に当たり、上記パイプ形状の素材5をそれ以上押し
下げることができなくなるまで、行う。そして、この押
し込み動作により、上記パイプ形状の素材5の下端部が
小径に形成されるとともに、この下端部の外周面がセレ
ーション状凹凸部23aで塑性変形され、セレーション
部2が鍛造形成される。この鍛造形成の際に、ガイドピ
ン18により、上記パイプ形状の素材5の底部が内径側
に膨らむのを防止することができる。
素材5を準備し、その下端部を面取りする(図7参
照)。ついで、上記パイプ形状の素材5をボンデ(モリ
ブデン系黒ボンデ)処理する。つぎに、金型10の下型
12の貫通孔22内に上記パイプ形状の素材5を挿入
し、その上端部を下型12から上方に突出させた状態
で、下型12に装着する(図8参照)。つぎに、図9に
示すように、上方から上記金型10の上型11を下降さ
せることにより、上型11の押しピン14のピン部14
aの下端面で上記パイプ形状の素材5の上端面を押圧
し、上記パイプ形状の素材5を下型12の貫通孔22内
に進入させる。この進入により、上記パイプ形状の素材
5の下端部を絞りながら、ガイドピン18の上半部分1
8aとセレーション型23のセレーション状凹凸部23
a間に形成される環状隙間に押し込む。この押し込み
は、上記パイプ形状の素材5の下端面が円筒体32の上
端面に当たり、上記パイプ形状の素材5をそれ以上押し
下げることができなくなるまで、行う。そして、この押
し込み動作により、上記パイプ形状の素材5の下端部が
小径に形成されるとともに、この下端部の外周面がセレ
ーション状凹凸部23aで塑性変形され、セレーション
部2が鍛造形成される。この鍛造形成の際に、ガイドピ
ン18により、上記パイプ形状の素材5の底部が内径側
に膨らむのを防止することができる。
【0022】つぎに、昇降手段17の昇降可動部材29
を上昇させ、これにより、昇降可動部材29の各押し上
げピン31の上端面で円筒体32の下端面を押し上げて
円筒体32を上昇させ、この円筒体32の上端面で、セ
レーション部2が鍛造形成されたパイプ形状の素材5の
下端面を押し上げ(図10参照)、セレーション部2が
鍛造形成されたパイプ形状の素材5を下型12の貫通孔
22から取り出し、脱型する。そののち、セレーション
部2が形成されたパイプ形状の素材5に対し、焼入れ・
研磨仕上げをして、図1および図2に示すような、目的
とするギヤ部付きパイプ1を得ることができる。この実
施の形態では、下型12の貫通孔22からの取り出しを
容易にするために、下型12に上記パイプ形状の素材5
を装着する前に、これに油を塗布しておく。
を上昇させ、これにより、昇降可動部材29の各押し上
げピン31の上端面で円筒体32の下端面を押し上げて
円筒体32を上昇させ、この円筒体32の上端面で、セ
レーション部2が鍛造形成されたパイプ形状の素材5の
下端面を押し上げ(図10参照)、セレーション部2が
鍛造形成されたパイプ形状の素材5を下型12の貫通孔
22から取り出し、脱型する。そののち、セレーション
部2が形成されたパイプ形状の素材5に対し、焼入れ・
研磨仕上げをして、図1および図2に示すような、目的
とするギヤ部付きパイプ1を得ることができる。この実
施の形態では、下型12の貫通孔22からの取り出しを
容易にするために、下型12に上記パイプ形状の素材5
を装着する前に、これに油を塗布しておく。
【0023】上記のように、この実施の形態では、塑性
変形によりセレーション部2が鍛造形成されているた
め、切削加工等が不要となり、加工工程が簡単になる。
また、得られるセレーション部2の面粗度が良好とな
る。ちなみに、切削加工等によるセレーション部2の面
粗度が5〜6Sであるところ、上記実施の形態の方法に
よるギヤ部付きパイプ1のそれは3Sとなり、使用に際
し、この部分と噛み合う相手部品(遊星歯車群)の摩擦
が少なくなり耐久性が向上する。また、がたつきも少な
いため、騒音防止効果も高い。しかも、上記塑性変形に
より内部密度が緻密になるため、強度が向上する。
変形によりセレーション部2が鍛造形成されているた
め、切削加工等が不要となり、加工工程が簡単になる。
また、得られるセレーション部2の面粗度が良好とな
る。ちなみに、切削加工等によるセレーション部2の面
粗度が5〜6Sであるところ、上記実施の形態の方法に
よるギヤ部付きパイプ1のそれは3Sとなり、使用に際
し、この部分と噛み合う相手部品(遊星歯車群)の摩擦
が少なくなり耐久性が向上する。また、がたつきも少な
いため、騒音防止効果も高い。しかも、上記塑性変形に
より内部密度が緻密になるため、強度が向上する。
【0024】なお、上記実施の形態では、ギヤ部付きパ
イプ1の材料として、STKM16Cからなるパイプ形
状の素材5を用いたが、これに限定するものではなく、
各種のパイプ形状のものが用いられる。
イプ1の材料として、STKM16Cからなるパイプ形
状の素材5を用いたが、これに限定するものではなく、
各種のパイプ形状のものが用いられる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明のパイプ状加工品
の製法によれば、メス下金型を構成する型部の穴部の直
線状凹凸部用成形手段により、ガイドピンと直線状凹凸
部用成形手段との間に形成される環状隙間を下降する金
属製パイプ状素材の底部外周面を塑性変形させること
で、直線状凹凸部を成形しているため、直線状凹凸部の
成形が上記塑性変形によって精度よく行われる。したが
って、直線状凹凸部の面粗度が、切削加工等によって得
られたものに比べて良好で、これらの部分と噛み合う相
手部品の摩耗が少なくなり、耐久性が向上する。しか
も、上記塑性変形により、金属製パイプ状素材の底部の
内部密度が緻密になって、強度が向上する。しかも、上
記直線状凹凸部が、金属製パイプ状素材の底部を塑性変
形することにより得られるため、切削代が最小限で済
み、材料に無駄がない。しかも、切削加工等に比べ、加
工工程が簡素化する。
の製法によれば、メス下金型を構成する型部の穴部の直
線状凹凸部用成形手段により、ガイドピンと直線状凹凸
部用成形手段との間に形成される環状隙間を下降する金
属製パイプ状素材の底部外周面を塑性変形させること
で、直線状凹凸部を成形しているため、直線状凹凸部の
成形が上記塑性変形によって精度よく行われる。したが
って、直線状凹凸部の面粗度が、切削加工等によって得
られたものに比べて良好で、これらの部分と噛み合う相
手部品の摩耗が少なくなり、耐久性が向上する。しか
も、上記塑性変形により、金属製パイプ状素材の底部の
内部密度が緻密になって、強度が向上する。しかも、上
記直線状凹凸部が、金属製パイプ状素材の底部を塑性変
形することにより得られるため、切削代が最小限で済
み、材料に無駄がない。しかも、切削加工等に比べ、加
工工程が簡素化する。
【0026】本発明において、上記穴部の内周面に、上
方に向かって拡径するテーパー面が形成されている場合
には、製品(鍛造形成後の金属製パイプ状素材)をメス
下金型から取り出す際に、上記穴部の内周面と製品の外
周面との間に僅かな隙間があることから、製品を上記穴
部から取り出しやすくなる。特に、金属製パイプ状素材
が長い場合には、上記穴部の穴径と製品の外径が同じに
設定されていると、製品をメス下金型から非常に取り出
しにくくなるため、上記隙間を設けることは、効果的で
ある。
方に向かって拡径するテーパー面が形成されている場合
には、製品(鍛造形成後の金属製パイプ状素材)をメス
下金型から取り出す際に、上記穴部の内周面と製品の外
周面との間に僅かな隙間があることから、製品を上記穴
部から取り出しやすくなる。特に、金属製パイプ状素材
が長い場合には、上記穴部の穴径と製品の外径が同じに
設定されていると、製品をメス下金型から非常に取り出
しにくくなるため、上記隙間を設けることは、効果的で
ある。
【0027】本発明において、上記ガイドピンの外周面
に、上方に向かって縮径するテーパー面が形成されてい
る場合には、製品をメス下金型から取り出す際に、上記
ガイドピンの外周面と製品の内周面との間に僅かな隙間
があることから、製品をガイドピンの外周部から取り出
しやすくなる。特に、製品の直線状凹凸部が長い場合に
は、上記ガイドピンの外径と製品の内径が同じに設定さ
れていると、製品をメス下金型から非常に取り出しにく
くなるため、上記隙間を設けることは、効果的である。
に、上方に向かって縮径するテーパー面が形成されてい
る場合には、製品をメス下金型から取り出す際に、上記
ガイドピンの外周面と製品の内周面との間に僅かな隙間
があることから、製品をガイドピンの外周部から取り出
しやすくなる。特に、製品の直線状凹凸部が長い場合に
は、上記ガイドピンの外径と製品の内径が同じに設定さ
れていると、製品をメス下金型から非常に取り出しにく
くなるため、上記隙間を設けることは、効果的である。
【0028】本発明において、上記ガイドピンが直線状
凹凸部用成形手段より上方に突出している場合には、直
線状凹凸部を成形する際に、金属製パイプ状素材の底部
が内径側に膨らむのを確実に防止することができる。す
なわち、金属製パイプ状素材の底部を、ガイドピンと直
線状凹凸部用成形手段との間に形成される環状隙間に案
内してここで絞りながら直線状凹凸部を成形する際に、
絞り込み入口(すなわち、上記環状隙間の上面開口)で
絞り込み力が一番かかり、金属製パイプ状素材を内径側
に膨らませようとするが、少しでも内径側に膨らむと、
直線状凹凸部を精度よく成形することができなくなる。
このため、ガイドピンを絞り込み入口より上方に突出さ
せ、金属製パイプ状素材が絞り込み入口で内径側に膨ら
まないようにする必要がある。
凹凸部用成形手段より上方に突出している場合には、直
線状凹凸部を成形する際に、金属製パイプ状素材の底部
が内径側に膨らむのを確実に防止することができる。す
なわち、金属製パイプ状素材の底部を、ガイドピンと直
線状凹凸部用成形手段との間に形成される環状隙間に案
内してここで絞りながら直線状凹凸部を成形する際に、
絞り込み入口(すなわち、上記環状隙間の上面開口)で
絞り込み力が一番かかり、金属製パイプ状素材を内径側
に膨らませようとするが、少しでも内径側に膨らむと、
直線状凹凸部を精度よく成形することができなくなる。
このため、ガイドピンを絞り込み入口より上方に突出さ
せ、金属製パイプ状素材が絞り込み入口で内径側に膨ら
まないようにする必要がある。
【図1】本発明のパイプ状加工品の製法の一実施の形態
により得られるギヤ部付きパイプの正面図である。
により得られるギヤ部付きパイプの正面図である。
【図2】上記ギヤ部付きパイプの断面図である。
【図3】金型の説明図である。
【図4】下型の要部の断面図である。
【図5】ガイドピンの断面図である。
【図6】上記ガイドピンの正面図である。
【図7】パイプ形状の素材の断面図である。
【図8】上記金型の動作説明図である。
【図9】上記金型の動作説明図である。
【図10】上記金型の動作説明図である。
【図11】(a),(b),(c)はいずれも従来のギ
ヤシャフトの製法の説明図である。
ヤシャフトの製法の説明図である。
11 上型
12 下型
15 型部
18 ガイドピン
22 貫通孔
23a セレーション状凹凸部
Claims (7)
- 【請求項1】 金属製パイプ状素材をメス下金型で起立
保持し、オス上金型をメス下金型に対して下降させるこ
とにより、上記金属製パイプ状素材の底部外周面に軸方
向に沿って直線状凹凸部を鍛造形成する方法であって、
上記オス上金型が、昇降自在な昇降押圧部を備え、上記
メス下金型が、金属製パイプ状素材の底部を挿通しうる
穴部の内周面に直線状凹凸部用成形手段が形成された型
部と、上記直線状凹凸部用成形手段に対応する穴部の部
分に配設されたガイドピンとを備え、上記ガイドピンと
直線状凹凸部用成形手段との間に、金属製パイプ状素材
の底部を挿通しうる環状隙間が形成され、上記昇降押圧
部を下降させることにより、金属製パイプ状素材の底部
を上記ガイドピンと直線状凹凸部用成形手段との間に形
成される環状隙間に案内し、金属製パイプ状素材の底部
外周面に軸方向に沿って直線状凹凸部を鍛造形成するよ
うにしたことを特徴とするパイプ状加工品の製法。 - 【請求項2】 上記直線状凹凸部がセレーション部であ
る請求項1記載のパイプ状加工品の製法。 - 【請求項3】 上記穴部の内周面に、上方に向かって拡
径するテーパー面が形成されている請求項1または2記
載のパイプ状加工品の製法。 - 【請求項4】 上記穴部のテーパー面のテーパー角度
が、0.02〜0.03°である請求項3記載のパイプ
状加工品の製法。 - 【請求項5】 上記ガイドピンの外周面に、上方に向か
って縮径するテーパー面が形成されている請求項1〜4
のいずれか一項に記載のパイプ状加工品の製法。 - 【請求項6】 上記ガイドピンのテーパー面のテーパー
角度が、0.022〜0.032°である請求項5記載
のパイプ状加工品の製法。 - 【請求項7】 上記ガイドピンが直線状凹凸部用成形手
段より上方に突出している請求項1〜6のいずれか一項
に記載のパイプ状加工品の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001267781A JP2003071538A (ja) | 2001-09-04 | 2001-09-04 | パイプ状加工品の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001267781A JP2003071538A (ja) | 2001-09-04 | 2001-09-04 | パイプ状加工品の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003071538A true JP2003071538A (ja) | 2003-03-11 |
Family
ID=19093869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001267781A Pending JP2003071538A (ja) | 2001-09-04 | 2001-09-04 | パイプ状加工品の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003071538A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100888255B1 (ko) * | 2007-07-03 | 2009-03-10 | 주식회사 코우 | 중공관 내외부 성형장치 |
KR101431955B1 (ko) | 2013-01-09 | 2014-08-19 | 에어보스 에어 툴 컴퍼니 리미티드 | 공압공구용 샤프트를 제작하는 방법 및 동일하게 만들어진 샤프트 |
CN107008843A (zh) * | 2017-05-16 | 2017-08-04 | 浙江东瑞机械工业有限公司 | 杆端开口槽冷镦模具 |
CN108326220A (zh) * | 2018-04-20 | 2018-07-27 | 盐城市金洲机械制造有限公司 | 一种齿轮轴精锻成形模具及成形方法 |
US10639694B2 (en) | 2015-01-07 | 2020-05-05 | Seki Press Co. Ltd. | Method for machining outer circumference of metal end cross-section and method for joining metal component obtained by the machining method with another member |
-
2001
- 2001-09-04 JP JP2001267781A patent/JP2003071538A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100888255B1 (ko) * | 2007-07-03 | 2009-03-10 | 주식회사 코우 | 중공관 내외부 성형장치 |
KR101431955B1 (ko) | 2013-01-09 | 2014-08-19 | 에어보스 에어 툴 컴퍼니 리미티드 | 공압공구용 샤프트를 제작하는 방법 및 동일하게 만들어진 샤프트 |
US10639694B2 (en) | 2015-01-07 | 2020-05-05 | Seki Press Co. Ltd. | Method for machining outer circumference of metal end cross-section and method for joining metal component obtained by the machining method with another member |
CN107008843A (zh) * | 2017-05-16 | 2017-08-04 | 浙江东瑞机械工业有限公司 | 杆端开口槽冷镦模具 |
CN108326220A (zh) * | 2018-04-20 | 2018-07-27 | 盐城市金洲机械制造有限公司 | 一种齿轮轴精锻成形模具及成形方法 |
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