JP2003070499A - cAMP及びcGMPの同時高感度測定法 - Google Patents

cAMP及びcGMPの同時高感度測定法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞や組織等の生物学的試料における同一試
料中のcAMP及びcGMP量を同時に高感度で定量で
きる測定方法を提供すること。 【解決手段】 生物学的試料中のGMP、AMP、AD
P及びATPを、アピラーゼ、アルカリホスファターゼ
及びアデノシンデアミナーゼを用いて分解し、次いで、
試料中のGDPを、クレアチンキナーゼ及びクレアチン
−1リン酸を用いてGTPに変換し、反応液中に残存す
るGTPをカラム吸着処理した後、選択的に溶出させた
cAMP及びcGMPをを、環状ヌクレオチド選択性ホ
スホジエステラーゼを用いて、それぞれAMP及びGM
Pに変換し、次にADP及びGDPに変換して、続いて
酵素増幅反応システムによりATP及びGTPに変換す
る際に生成する各ピルビン酸を2−ヒドロキシニコチン
アルデヒドに変換して、蛍光強度を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物学的試料中に
内在する非環状アデニンヌクレオチド類及び非環状グア
ニンヌクレオチド類を除去し、環状ヌクレオチド類であ
るcAMP及びcGMPを同時に分離する方法や、該分
離方法により分離された同一サンプルにおけるcAMP
及びcGMPの測定方法や、該測定方法に用いる同一サ
ンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定用キットに
関する。
【0002】
【従来の技術】細胞内cAMP及びcGMPは、いずれ
も細胞内シグナリングの起点となる物質であり、細胞内
二次メッセンジャーといわれている。また、心筋細胞な
どではcAMPのシグナリング経路とcGMPのシグナ
リング経路が、陰陽の関係にあると考えられている。従
って、両環状ヌクレオチドによって調節を受ける細胞機
能発現や遺伝子発現を研究する際には、細胞レベルでこ
れらの量的変化を高感度にかつ正確に比較検討する必要
がある。
【0003】従来、cAMP、cGMPの定量には、こ
れらに特異的な抗体を用いた高感度なラジオイムノアッ
セイ法やエンザイムイムノアッセイ法が開発されてきた
が、被爆の可能性や検量線が対数的で微細な変化をとら
えるのが困難であり、また同時に測定することができな
いといった問題を抱えてきた。また、精度が悪く、かつ
多大な時間を要する等の欠点があった。最近、酵素増幅
法を用いた高感度蛍光測定法が開発され、cAMPの定
量法については杉山ら(Anal. Biochem., 218,20-25, 1
994)が、cGMPの定量法については瀬谷ら(Anal. B
iochem., 272,243-249, 1999)が既に報告している。こ
れらの方法では検量線が直線的に得られるため、微細な
変化をとらえることができる。しかし、細胞内cAMP
やcGMPは、ホスホジエステラーゼで迅速に分解され
るため、基底状態ではそれぞれ平均50fmol/m
g、5fmol/mgとごく微量しか存在しない。従っ
て、前処理や測定手法が異なると、夾雑物などによる影
響も異なるため、cAMPやcGMPの微細な変化を同
時にかつ正確にとらえ、比較検討するには困難が生じて
いた。
【0004】また、内因性の非環状アデニンヌクレオチ
ド類を含む生物学的試料中のcAMP量またはアデニル
酸シクラーゼ活性を、放射性試薬を使用することなく迅
速に測定する方法として、特開2000−262296
号公報には、内因性アデニル酸シクラーゼによって生成
されるcAMPと、ATP、AMP、ADPおよびこれ
らの混合物からなる群から選択される内因性の非環状ア
デニンヌクレオチド類を含む生物学的試料中のcAMP
量またはアデニル酸シクラーゼ活性を測定するため、
(1)上記試料中のcAMP以外の内因性非環状アデニン
ヌクレオチドおよびグルコース-6-リン酸を酵素的に除
去するためにアピラーゼ、アデノシンデアミナーゼおよ
びアルカリフォスファターゼの有効量を混合し、(2)c
AMPをAMPに酵素的に変換し、(3)放射性物質を用
いることなくAMPの量を測定する方法が記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】細胞機能発現や遺伝子
発現に関与する細胞内シグナリング物質であるcAMP
やcGMPは、細胞内に極微量しか存在しないので、こ
れまではラジオイムノアッセイ法とかエンザイムイムノ
アッセイ法で測定されていたが、検量線が対数的であり
微細な変化を正確に捉えることが難しく、また、同一試
料中のcAMP及びcGMPの両者を同時に測定できな
いという問題があった。本発明の課題は、細胞や組織等
の生物学的試料における同一試料中のcAMP及びcG
MP量を同時に高感度で定量できる測定方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討し、同一試料中のcAMP及び
cGMP量を同時に高感度で定量する方法として、酵素
蛍光法に注目したが、この酵素蛍光法の適用における最
大の問題は、試料中に混在するcAMPやcGMP以外
の非環状アデニン及びグアニンヌクレオチド類等の測定
妨害物質の効率的除去の点にあり、この問題は酵素反応
と弱アニオン性イオン交換カートリッジを組み合わせる
ことにより解決することができ、cAMPとcGMPを
同時に精製できることを見い出した。また、cAMPと
cGMPを同時に定量するために、それぞれ酵素増幅法
で増幅された結果生成するピルビン酸量を同時に蛍光定
量することにより、cAMPは1fmol、cGMPは
5fmolから直線的に検量線を引くことができ、cA
MPは0.1×1018mol(0.1amol)、cG
MPは0.5×1018mol(0.5amol)という
高感度で正確に定量することができることを見い出し
た。本発明はこれら知見に基づいて完成するに至ったも
のである。
【0007】すなわち本発明は、生物学的試料中に内在
する非環状アデニンヌクレオチド類及び非環状グアニン
ヌクレオチド類を除去し、環状ヌクレオチド類であるc
AMP及びcGMPを同時に分離する方法であって、試
料中のGMP、AMP、ADP及びATPを、アピラー
ゼ、アルカリホスファターゼ及びアデノシンデアミナー
ゼを含むクリーニング1反応液を用いて分解し、次い
で、試料中のGDPを、クレアチンキナーゼ及びクレア
チン−1リン酸を含むクリーニング2反応液を用いてG
TPに変換し、反応液中に残存するGTPをカラム吸着
処理した後、cAMP及びcGMPを選択的に溶出させ
ることを特徴とするcAMP及びcGMPの同時分離方
法(請求項1)や、クリーニング1反応液を用いての分
解反応を、塩化マグネシウムを含むトリス塩酸緩衝液中
で行うことを特徴とするcAMP及びcGMPの同時分
離方法(請求項2)や、クリーニング2反応液を用いて
のGTPへの変換反応を、トリス塩酸緩衝液中で行うこ
とを特徴とするcAMP及びcGMPの同時分離方法
(請求項3)や、カラム吸着処理に弱アニオン性イオン
交換カートリッジを用いることを特徴とする請求項1〜
3のいずれか記載のcAMP及びcGMPの同時分離方
法(請求項4)や、選択的に溶出されたcAMP及びc
GMP含有画分を、遠心濃縮することを特徴とする請求
項1〜4のいずれか記載のcAMP及びcGMPの同時
分離方法(請求項5)や、生物学的試料に、ホスホジエ
ステラーゼ阻害剤の存在下に前処理を施すことを特徴と
する請求項1〜5のいずれか記載のcAMP及びcGM
Pの同時分離方法(請求項6)に関する。
【0008】また本発明は、請求項1〜6のいずれか記
載のcAMP及びcGMPの同時分離方法により得られ
るcAMP及びcGMP含有試料を、環状ヌクレオチド
選択性ホスホジエステラーゼを用いて、それぞれAMP
及びGMPに変換するStep1、Step1で生成す
るAMP及びGMPをそれぞれADP及びGDPに変換
するStep2、Step2で生成するADP及びGD
PをそれぞれATP及びGTPに変換するStep3、
Step3の酵素増幅法により生成する各ピルビン酸を
2−ヒドロキシニコチンアルデヒドに変換するStep
4、Step4で生成する2−ヒドロキシニコチンアル
デヒドの蛍光強度を測定することを特徴とする同一サン
プルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法(請求項
7)や、Step1でそれぞれカルモジュリン及び3,
5−サイクリックヌクレオチド選択性ホスホジエステラ
ーゼを用い、Step2でミオキナーゼ又はグアニル酸
キナーゼを用い、Step3でそれぞれホスホエノール
ピルビン酸、ピルビン酸キナーゼを用い、Step4で
それぞれ乳酸脱水素酵素を用いることを特徴とする請求
項7記載の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMP
の測定方法(請求項8)や、失活させた環状ヌクレオチ
ド選択性ホスホジエステラーゼを用いて測定した蛍光強
度をバックグラウンドとすることを特徴とする請求項7
又は8記載の同一サンプルにおけるcAMP及びcGM
Pの測定方法(請求項9)に関する。
【0009】さらに本発明は、請求項7〜9のいずれか
記載の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測
定方法に用いることができ、前記クリーニング1反応液
及びクリーニング2反応液調製用試薬、並びに前記St
ep1〜4の各反応液調製用試薬を含有することを特徴
とする同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測
定用キット(請求項10)や、アピラーゼ、アルカリホ
スファターゼ及びアデノシンデアミナーゼ、並びに塩化
マグネシウムを含むトリス塩酸緩衝液からなるクリーニ
ング1反応液調製用試薬と、クレアチンキナーゼ及びク
レアチン−1リン酸を含むトリス塩酸緩衝液からなるク
リーニング2反応液調製用試薬と、塩化マグネシウム、
塩化カルシウム、カルモジュリン及び3,5−サイクリ
ックヌクレオチドホスホジエステラーゼを含むトリス塩
酸緩衝液からなるStep1反応液調製用試薬と、塩化
マグネシウム、塩化カリウム、ATP、クレアチン−1
リン酸、ミオキナーゼ及びクレアチンキナーゼを含むト
リス塩酸緩衝液、並びに、塩化マグネシウム、塩化カリ
ウム、ATP及びグアニル酸キナーゼを含むトリス塩酸
緩衝液からなるStep2反応液調製用試薬と、塩化マ
グネシウム、フルクトース、ホスホエノールピルビン
酸、ジチオスレイトール、ヘキソキナーゼ及びピルビン
酸キナーゼを含むトリス塩酸緩衝液、並びに、塩化マグ
ネシウム、コハク酸、ホスホエノールピルビン酸、ジチ
オスレイトール、補酵素A、ピルビン酸キナーゼ及びコ
ハク酸チオキナーゼを含むトリス塩酸緩衝液からなるS
tep3反応液調製用試薬と、NADH及び乳酸脱水素
酵素を含むイミダゾール緩衝液からなるStep4反応
液調製用試薬とを含有することを特徴とする請求項10
記載の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測
定用キット(請求項11)に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のcAMP及びcGMPの
同時分離方法としては、各種動物細胞や生体組織等の生
物学的試料中に内在するAMP、ADP、ATP等の非
環状アデニンヌクレオチド類やGMP、GDP、GTP
等の非環状グアニンヌクレオチド類を除去し、環状ヌク
レオチド類であるcAMP及びcGMPを同一試料から
同時に分離する方法であって、試料中のGMP、AM
P、ADP、ATP等をアピラーゼ、アルカリホスファ
ターゼ及びアデノシンデアミナーゼを含むクリーニング
1反応液を用いて分解し、次いで、試料中のGDPをク
レアチンキナーゼ及びクレアチン−1リン酸を含むクリ
ーニング2反応液を用いてGTPに変換し、生成したG
TPを含め反応液中に残存するGTPをカラム吸着処理
した後、cAMP及びcGMPを選択的に溶出させるc
AMP及びcGMPの同時分離方法であれば特に制限さ
れるものではない。
【0011】上記生物学的試料としては細胞や生体組織
等を例示することができ、これら生物学的試料に、イソ
ブチルメチルキサンチン(IBMX)、ペントキシフィ
リン、テオフィリン等のキサンチン誘導体、フェノチア
ジン、ビンポセチン、シロスタミド、ミルリノン、トレ
キンシン、インドリダン、クアジノン、ロリプラム、ザ
プリナスト、ジピリダモール、パパベリンなどのホスホ
ジエステラーゼ阻害剤の存在下にあらかじめ前処理を施
すことが好ましく、かかる前処理としてはcAMP及び
cGMPの分解を防ぐ上記ホスホジエステラーゼ阻害剤
又はトリクロロ酢酸(TCA)を含む生理溶液中でのイ
ンキュベーションを挙げることができる。また上記生理
溶液としては、体液と等張の塩類混合液で、血漿に極く
近い、イオン、浸透圧、pHが調整された、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリ
ウムの混合液であるリンガー(リンゲル)液、該リンガ
ーにブドウ糖等が添加されたタイロード液等を用いるこ
とができる。さらに、生体試料中のcAMP及びcGM
P含量を亢進させる目的で、一酸化窒素(NO)ドナ
ー、例えば、三硝酸グリセリン(GTN)、四硝酸ペン
タエリトリチル(PETN)、一硝酸−5−イソソルビ
トール(ISMN)、二硝酸イソソルビトール(ISD
N)、六硝酸マンニトール、六硝酸イノシトール、硝酸
プロパチル、硝酸トロール、ニコランジル等の有機硝酸
エステル、亜硝酸イソアミル、チオ亜硝酸エステル、チ
オ硝酸エステル等の有機亜硝酸エステル、S−ニトロソ
−N−アセチル−D,L−ペニシラミン(SNAP)等
のS−ニトロソチオール、ニトロソタンパク質、一酸化
窒素放出性フロキサン誘導体、メソカルブ、モルシドミ
ン等の一酸化窒素放出性シドノニミン誘導体、鉄−ニト
ロシル化合物、ニトロプルシッド−ナトリウム等のニト
ロシル錯体化合物で処理したり、カテコールアミンの一
種で交感神経刺激剤としての作用が確立しているイソプ
ロテレノールで処理することもできる。
【0012】上記クリーニング1反応液を用いての分解
反応は、アピラーゼ、アルカリホスファターゼ、アデノ
シンデアミナーゼに加えて塩化マグネシウムを含むトリ
ス塩酸緩衝液(pH8.0)中で行うことが好ましく、
かかる酵素による分解反応後に、例えば90℃10分間
の加熱により酵素類を失活させることが好ましい。ま
た、上記クリーニング2反応液を用いてのGDPのGT
Pへの変換は、クレアチンキナーゼ及びクレアチン−1
リン酸を含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)中で行う
ことが好ましく、かかる酵素による変換反応後に加熱に
より酵素類を失活させることが好ましい。クリーニング
1反応液により試料中のGMP、AMP、ADP、AT
P等を分解した後、クリーニング2反応液を用いて試料
中のGDPをGTPに変換し(化1参照)、生成したG
TPを含め反応液中に残存するGTPはカラム吸着処理
により除去されるが、かかるカラム吸着処理としてはG
TPを選択的に吸着し、cAMP及びcGMPを溶出し
うる処理であれば特に制限されず、例えばSEP−PA
K NH2カートリッジ等の弱アニオン性イオン交換カー
トリッジを用いる処理を挙げることができる。このよう
に、選択的に溶出されたcAMP及びcGMP含有画分
は、cAMP及びcGMPが分解されない温度、例えば
60℃で遠心濃縮することが好ましい。
【0013】
【化1】
【0014】上記本発明のcAMP及びcGMPの同時
分離方法により得られるcAMP及びcGMPを含有す
るサンプル中のcAMP及びcGMPは、本発明の同一
サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法によ
り、cAMPは0.1×10 18mol(0.1amo
l)、cGMPは0.5×1018mol(0.5amo
l)という高感度で正確に定量することができる。かか
る本発明の測定方法としては、同一サンプル中に含まれ
るcAMP及びcGMPを、3,5−サイクリックヌク
レオチドホスホジエステラーゼ等の環状ヌクレオチド選
択性ホスホジエステラーゼを用いて、それぞれAMP及
びGMPに変換するStep1(化2参照)と、Ste
p1で生成するAMP及びGMPをそれぞれADP及び
GDPに変換するStep2(化3参照)と、Step
2で生成するADP及びGDPをそれぞれATP及びG
TPに変換するStep3(酵素増幅反応;化4参照)
と、Step3の酵素増幅法により生成する各ピルビン
酸を2−ヒドロキシニコチンアルデヒドに変換するSt
ep4(化5参照)と、Step4で生成する2−ヒド
ロキシニコチンアルデヒドの蛍光強度を測定する方法で
あれば特に制限されるものではなく、蛍光強度を励起波
長(em)370nm、蛍光波長(ex)460nmで
測定して蛍光定量することにより、cAMPは1fmo
l、cGMPは5fmolから直線的に検量線を引くこ
とができる。
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】また、上記Step1でcAMP測定及び
cGMP測定の場合とも、カルモジュリン及び3,5−
サイクリックヌクレオチド選択性ホスホジエステラー
ゼ、好ましくはさらに塩化マグネシウム、塩化カルシウ
ム等を含むトリス塩酸緩衝液を用い、Step2のcA
MP測定の場合に、ミオキナーゼ好ましくはさらに塩化
マグネシウム、塩化カリウム、ATP、クレアチン−1
リン酸、クレアチンキナーゼ等を含むトリス塩酸緩衝液
を用い、Step2のcGMP測定の場合に、グアニル
酸キナーゼ好ましくはさらに塩化マグネシウム、塩化カ
リウム、ATP等を含むトリス塩酸緩衝液を用い、St
ep3のcAMP測定の場合に、ホスホエノールピルビ
ン酸、ピルビン酸キナーゼ好ましくはさらに塩化マグネ
シウム、フルクトース、ジチオスレイトール、ヘキソキ
ナーゼ等を含むトリス塩酸緩衝液を用い、Step3の
cGMP測定の場合に、ホスホエノールピルビン酸、ピ
ルビン酸キナーゼ好ましくはさらに塩化マグネシウム、
コハク酸、ジチオスレイトール、補酵素A、コハク酸チ
オキナーゼ等を含むトリス塩酸緩衝液を用い、Step
4でcAMP測定及びcGMP測定の場合とも、乳酸脱
水素酵素好ましくはさらにNADH等を含むイミダゾー
ル緩衝液を用いることが望ましい。
【0020】また、本発明の同一サンプルにおけるcA
MP及びcGMPの測定方法において、上記3,5−サ
イクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ等の環状
ヌクレオチド選択性ホスホジエステラーゼに代えて、加
熱等により失活させた環状ヌクレオチド選択性ホスホジ
エステラーゼを用いて測定した蛍光強度をバックグラウ
ンドとして検量線を作成することにより、より一層正確
に同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPを測定す
ることができる。
【0021】本発明の同一サンプルにおけるcAMP及
びcGMPの測定用キットとしては、上記本発明の同一
サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法に用
いることができ、前記クリーニング1反応液及びクリー
ニング2反応液調製用試薬、並びに前記Step1〜4
の各反応液調製用試薬を含有するものであればどのよう
なものでもよく、例えば、アピラーゼ、アルカリホスフ
ァターゼ及びアデノシンデアミナーゼ、並びに塩化マグ
ネシウムを含むトリス塩酸緩衝液からなるクリーニング
1反応液調製用試薬と、クレアチンキナーゼ及びクレア
チン−1リン酸を含むトリス塩酸緩衝液からなるクリー
ニング2反応液調製用試薬と、塩化マグネシウム、塩化
カルシウム、カルモジュリン及び3,5−サイクリック
ヌクレオチドホスホジエステラーゼを含むトリス塩酸緩
衝液からなるStep1反応液調製用試薬と、塩化マグ
ネシウム、塩化カリウム、ATP、クレアチン−1リン
酸、ミオキナーゼ及びクレアチンキナーゼを含むトリス
塩酸緩衝液、並びに、塩化マグネシウム、塩化カリウ
ム、ATP及びグアニル酸キナーゼを含むトリス塩酸緩
衝液からなるStep2反応液調製用試薬と、塩化マグ
ネシウム、フルクトース、ホスホエノールピルビン酸、
ジチオスレイトール、ヘキソキナーゼ及びピルビン酸キ
ナーゼを含むトリス塩酸緩衝液、並びに、塩化マグネシ
ウム、コハク酸、ホスホエノールピルビン酸、ジチオス
レイトール、補酵素A、ピルビン酸キナーゼ及びコハク
酸チオキナーゼを含むトリス塩酸緩衝液からなるSte
p3反応液調製用試薬と、NADH及び乳酸脱水素酵素
を含むイミダゾール緩衝液からなるStep4反応液調
製用試薬とを含有する、同一サンプルにおけるcAMP
及びcGMPの測定用キットを具体的に挙げることがで
きる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定さ
れるものではない。 実施例1(本発明のcAMP、cGMPの同時測定) 1−1 非環状アデニン及びグアニンヌクレオチドの除
去 各種濃度のcAMP、cGMPに、濃度5〜10nmo
lのそれぞれAMP、ADP、ATPからなる非環状ア
デニンヌクレオチド類、及びそれぞれGMP、GDP、
GTPからなる非環状グアニンヌクレオチド類を含む試
料を作製し、本発明のcAMP及びcGMPの検出限界
を調べてみた。まず各試料を、20mMのトリス緩衝液
(10μl)に溶かした後、10μlのクリーニング1
反応液(20mMのトリス緩衝液(pH8.0)、2m
Mの塩化マグネシウム、4U/mlのアピラーゼ、40
U/mlのアルカリホスファターゼ、20U/mlのア
デノシンデアミナーゼ)を加え、30℃で3時間インキ
ュベーションすることによりGMP、AMP、ADP及
びATPを分解させ、反応終了後90℃で10分間加熱
して酵素類を失活させた。加熱した各反応溶液に10μ
lのクリーニング2反応液(20mMのトリス緩衝液
(pH8.0)、2mMの塩化マグネシウム、1mMの
クレアチンリン酸、80U/mlのクレアチンキナー
ゼ)を加え、30℃で1時間インキュベーションするこ
とによりGDPをGTPに誘導させ、反応終了後、90
℃で5分間加熱して失活させた。
【0023】上記前処理及びクリーニング反応を行った
各試料に純水を加えて総量500μlとし、SEP−P
AK NH2カートリッジカラム(0.5g;ウォータ
ーズ製)に吸着させ、0.5mlの純水で洗浄した後、
3mlの純水でcAMP及びcGMPを濃縮用チューブ
に溶出させた。溶出したcAMP及びcGMP画分を減
圧濃縮装置(大洋化学工業社製)を用いてそれぞれ60
℃にて減圧濃縮し、測定に使用するまで−80℃で保存
した。
【0024】2−2 cAMP及びcGMPの同時酵素
蛍光測定 (ステップ1)上記減圧濃縮した各試料のcAMP及び
cGMP画分を、20mMのトリス緩衝液(pH8.
0)40μlに溶かし、10×75mmガラスチューブ
に8μlずつ4本に分けてcGMPアッセイ用とし、残
りの8μlに20mMのトリス緩衝液(pH8.0)を
加えて10倍希釈した溶液から2μlずつ4本に分けc
AMPアッセイ用とした。cGMPアッセイ用チューブ
2本と、cAMPアッセイ用チューブ2本にそれぞれS
tep1(PDE+)反応液[20mMのトリス緩衝液
(pH7.5)、5mMの塩化マグネシウム、0.1m
Mの塩化カルシウム、300U/mlのカルモジュリ
ン、0.1U/mlの環状ヌクレオチド選択性ジホスホ
エステラーゼ]5μlを加えて30℃で1時間インキュ
ベーションし、cAMP、cGMPからAMP、GMP
へと誘導した。また、残りのcGMPアッセイ用チュー
ブ2本と、cAMPアッセイ用チューブ2本にStep
1(PDE−)反応液[Step1(PDE+)反応液
を90℃15分加熱し、生体由来cAMP、cGMPが
AMP、GMPに変換されないので、バックグラウンド
として用いた。]5μlを加えて上記と同様にインキュ
ベーションした。
【0025】(ステップ2)インキュベーション後、各
cAMPアッセイ用チューブ中の環状ヌクレオチド由来
AMPをStep2(cAMP)反応液[20mMのト
リス緩衝液(pH7.5)、5mMの塩化マグネシウ
ム、100mMの塩化カリウム、10nMのATP、
0.1mMのクレアチン−1リン酸、120U/mlの
ミオキナーゼ、40U/mlのクレアチンキナーゼ]中
で、一方、各cGMPアッセイ用チューブ中の環状ヌク
レオチド由来GMPをStep2(cGMP)反応液
[20mMのトリス緩衝液(pH7.5)、5mMの塩
化マグネシウム、100mMの塩化カリウム、50μM
のATP、1U/mlのグアニル酸キナーゼ]中で、3
0℃,1時間反応させてADPやGDPを導き、反応
後、各チューブを90℃で5分間加熱して酵素を失活さ
せた。
【0026】(ステップ3)上記得られた環状ヌクレオ
チド由来ADP、GDPを、酵素増幅反応システムによ
り2時間の増幅反応処理し、ADPは最大約50000
倍、GDPは約10000倍に増幅した。各cAMPア
ッセイ用チューブには、Step3(cAMP)反応液
[20mMのトリス緩衝液(pH7.5)、5mMの塩
化マグネシウム、8mMのフルクトース、1mMのホス
ホエノールピルビン酸、0.5mMのジチオスレイトー
ル、30.8U/mlのヘキソキナーゼ、70U/ml
のピルビン酸キナーゼ]25μlを加え、各cGMPア
ッセイ用チューブには、Step3(cGMP)反応液
[20mMのトリス緩衝液(pH7.5)、5mMの塩
化マグネシウム、1mMのコハク酸、1mMのホスホエ
ノールピルビン酸、0.5mMのジチオスレイトール、
0.5mMの補酵素A、80U/mlのピルビン酸キナ
ーゼ、2U/mlのコハク酸チオキナーゼ]25μlを
加え、30℃で2時間インキュベーションした後、各チ
ューブに0.5MのEDTA水溶液10μlを加えて反
応を停止させた。
【0027】(ステップ4)Step3の酵素増幅反応
が終了した各チューブにStep4反応液(100mM
のイミダゾール緩衝液(pH6.0)、5mMのNAD
H、4U/mlの乳酸脱水素酵素)10μlを加え、常
温下に10分間放置し反応させた。次に2NのHCl水
溶液10μlを加えて常温下に10分静置し、未反応N
ADHを分解した後、6NのNaOH水溶液10μlを
加え、60℃で10分間反応させた(この反応でNAD
+が2−ヒドロキシニコチンアルデヒドに分解され
る。)。室温静置20分後に2−ヒドロキシニコチンア
ルデヒドの蛍光強度を蛍光分光光度計(日本分光社製)
を用いてem:370nm、ex:460nmで測定し
た。その結果、蛍光定量の検出限界は約50pmolで
あることがわかった。従って、cAMP、cGMPの測
定感度はそれぞれ1及び5fmolとなり、100fm
olまで直線検量線を作ることができることが明らかと
なり、cAMP、cGMP以外のアデニンおよびグアニ
ンヌクレオチドによる影響はいずれも10nmolまで
受けないことが確認された。また、この方法の開発によ
り、測定時間は従来の2分の1(約7時間)に短縮され
た。以上のことから、cAMP、cGMP同時測定法は
高感度かつ簡便であることから、cAMPとcGMP量
の同時比較が必要な細胞を含む幅広い生体試料への適用
が期待できる。
【0028】実施例2(ラット大動脈平滑筋細胞内cA
MP及びcGMP量の測定) 上記実施例1の方法を用いて細胞内又は組織内のcAM
P、cGMP量の測定が可能かどうかを、ラット大動脈
平滑筋細胞内におけるcAMP及びcGMP量の測定を
行うことにより調べてみた。35mmディッシュ中でセ
ミコンフルエントに達したラット大動脈平滑筋細胞を
0.2mMのIBMX(ホスホジエステラーゼ阻害薬)
含有又は非含有のタイロード液に置き換えて15分間イ
ンキュベートし、その後、かかる細胞溶液に100μM
のSNAP(S−ニトロソ N−アセチルペニシラミ
ン、NOドナー)又は10μMのイソプロテレノール
(ISP)を加えて更にインキュベーションし、5分後
に10%のトリクロロ酢酸水溶液を加えて反応を終了さ
せた。得られた細胞溶液に氷冷した10%のトリクロロ
酢酸水溶液500μlを加え、氷冷下に30分静置し
た。得られた上澄み液に5倍量の水飽和エーテルを加え
て洗浄し、トリクロロ酢酸を取り除く操作を4回繰り返
し行った。洗浄した上澄み液を60℃で遠心濃縮し、測
定に使用するまで−80℃で保存した。
【0029】上記測定試料を実施例1記載の方法と同様
に試料における非環状アデニン及びグアニンヌクレオチ
ドの除去し、cAMP及びcGMPの同時酵素蛍光測定
を行った。なお、試料における非環状アデニン及びグア
ニンヌクレオチドの除去する際、同時に検量線作成用の
cAMPスタンダード溶液(0、50、100fmol
のcAMP溶液)又はcGMPスタンダード溶液(0、
50、100fmolのcGMP溶液)も並行して反応
を行い、cAMP及びcGMPの同時酵素蛍光測定を行
った。検量線を図1に、酵素蛍光測定の結果を図2に示
す。なお、35mmディッシュ中の培養平滑筋細胞に含
まれるタンパク量は平均83.5±7.5μg/ディッ
シュであった。これらのことから、IBMX(イソブチ
ルメチルキサンチン)を存在せしめることによりcAM
P、cGMP量の増加が認められた。また、イソプロテ
レノールを含有したものは細胞内cAMP量を著しく上
昇させたが、cGMP量を変化させなかった。一方、S
NAP(NOドナー)は細胞内cGMP量を著しく上昇
させたが、cAMP量には影響しなかった。以上のこと
から、本発明のcAMP、cGMP同時測定法は高感度
かつ簡便に細胞内cAMPとcGMP量を同時測定でき
ることがわかった。
【0030】実施例3(ラット心筋組織内cGMP量の
測定) 次に まず、ラット大動脈平滑筋細胞内におけるcAM
P及びcGMP量の測定を行った。エーテル麻酔したラ
ットから心臓を摘出し、左心房、左心室乳頭筋標本を作
製し、マグヌス装置に装着した後、心房筋には0.5g
の、心室筋には1gの張力をかけ、1Hz閾値の1.5
〜2倍の電圧をかけて等尺性収縮を測定した。1時間か
けて安定化させ、その間15分ごとにタイロード液で洗
浄した。洗浄後、100μMのSNAP(NOドナー)
存在下又は非存在下で90秒間インキュベーションし、
その後標本を迅速に液体窒素で凍結して−80℃で保存
した。
【0031】上記凍結粉状の組織に10倍量の氷冷した
10%のトリクロロ酢酸水溶液を加えてホモジナイズ
し、4℃で2000g×15分間遠心した。遠心後、上
澄み液を採取し、残渣に再度、同量の10%のトリクロ
ロ酢酸水溶液を加えて強く撹拌洗浄して4℃で2000
g×15分間遠心し上澄み液を採取した。得られた上澄
み液を2mlの水飽和エーテルで4回洗浄した後(洗浄
のたびにエーテルを除く)、洗浄した上澄み液を60℃
で遠心濃縮し、測定に使用するまで−80℃で保存し
た。その後、試験例1記載の方法と同様に試料における
非環状アデニン及びグアニンヌクレオチドの除去し、c
AMP及びcGMPの同時酵素蛍光測定を行い、cGM
Pの量を測定した。その結果、ペーシング下でのラット
心筋標本中cGMP量は左心房が29±22.5、左心
室が18.9±13.0fmol/mg−protei
nであったが、SNAP(NOドナー)存在下ではそれ
ぞれ、189.3±34.4、124.8±23.5f
mol/mg−proteinに上昇することがわかっ
た。
【0032】実施例4(ガスクロマトグラフィー質量分
析によるピルビン酸の超高感度測定) 実施例1記載のStep3で得られた反応液をシリカゲ
ルカートリッジに吸着させ、クロロホルム−メタノール
−酢酸(1:1:0.04)混合液でピルビン酸を選択
的に溶出し、反応液中に存在する妨害物質、ホスホエノ
ールピルビン酸やコハク酸を取り除いた。溶出されたピ
ルビン酸をガスクロマトグラフィー質量分析計(日本電
子社製)で定量した。この結果、ガスクロマトグラフィ
ー質量分析計を用いることにより5fmolの感度で測
定できることがわかった。以上のことより、cAMP、
cGMPの測定感度はそれぞれ0.1及び0.5amo
lとなる。従って、単一細胞内cAMP、cGMPを介
するシグナリングの動態を調べることができると考えら
れる。
【0033】
【発明の効果】本発明によると、細胞や組織等の生物学
的試料における同一試料中のcAMP及びcGMP量を
同時に高感度で定量することができ、本発明の測定方法
によると、脳や心臓などの細胞内のcAMPやcGMP
を介したシグナリングによる細胞機能発現、遺伝子発現
研究におけるcAMPやcGMP動態を知ることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】cAMP、cGMP標準物質を用いた場合の蛍
光強度変化(n=5)を示す図である。
【図2】ラット大動脈平滑筋細胞内cAMP及びcGM
P両の各種薬物による変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 CB01 DA80 FB01 FB12 GC15 4B063 QA01 QQ02 QQ63 QR04 QR07 QR13 QR19 QR20 QR43 QR50 QS20 QX02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物学的試料中に内在する非環状アデニ
    ンヌクレオチド類及び非環状グアニンヌクレオチド類を
    除去し、環状ヌクレオチド類であるcAMP及びcGM
    Pを同時に分離する方法であって、試料中のGMP、A
    MP、ADP及びATPを、アピラーゼ、アルカリホス
    ファターゼ及びアデノシンデアミナーゼを含むクリーニ
    ング1反応液を用いて分解し、次いで、試料中のGDP
    を、クレアチンキナーゼ及びクレアチン−1リン酸を含
    むクリーニング2反応液を用いてGTPに変換し、反応
    液中に残存するGTPをカラム吸着処理した後、cAM
    P及びcGMPを選択的に溶出させることを特徴とする
    cAMP及びcGMPの同時分離方法。
  2. 【請求項2】 クリーニング1反応液を用いての分解反
    応を、塩化マグネシウムを含むトリス塩酸緩衝液中で行
    うことを特徴とするcAMP及びcGMPの同時分離方
    法。
  3. 【請求項3】 クリーニング2反応液を用いてのGTP
    への変換反応を、トリス塩酸緩衝液中で行うことを特徴
    とするcAMP及びcGMPの同時分離方法。
  4. 【請求項4】 カラム吸着処理に弱アニオン性イオン交
    換カートリッジを用いることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか記載のcAMP及びcGMPの同時分離方
    法。
  5. 【請求項5】 選択的に溶出されたcAMP及びcGM
    P含有画分を、遠心濃縮することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか記載のcAMP及びcGMPの同時分離
    方法。
  6. 【請求項6】 生物学的試料に、ホスホジエステラーゼ
    阻害剤の存在下に前処理を施すことを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか記載のcAMP及びcGMPの同時分
    離方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載のcAMP
    及びcGMPの同時分離方法により得られるcAMP及
    びcGMP含有試料を、環状ヌクレオチド選択性ホスホ
    ジエステラーゼを用いて、それぞれAMP及びGMPに
    変換するStep1、Step1で生成するAMP及び
    GMPをそれぞれADP及びGDPに変換するStep
    2、Step2で生成するADP及びGDPをそれぞれ
    ATP及びGTPに変換するStep3、Step3の
    酵素増幅法により生成する各ピルビン酸を2−ヒドロキ
    シニコチンアルデヒドに変換するStep4、Step
    4で生成する2−ヒドロキシニコチンアルデヒドの蛍光
    強度を測定することを特徴とする同一サンプルにおける
    cAMP及びcGMPの測定方法。
  8. 【請求項8】 Step1でそれぞれカルモジュリン及
    び3,5−サイクリックヌクレオチド選択性ホスホジエ
    ステラーゼを用い、Step2でミオキナーゼ又はグア
    ニル酸キナーゼを用い、Step3でそれぞれホスホエ
    ノールピルビン酸、ピルビン酸キナーゼを用い、Ste
    p4でそれぞれ乳酸脱水素酵素を用いることを特徴とす
    る請求項7記載の同一サンプルにおけるcAMP及びc
    GMPの測定方法。
  9. 【請求項9】 失活させた環状ヌクレオチド選択性ホス
    ホジエステラーゼを用いて測定した蛍光強度をバックグ
    ラウンドとすることを特徴とする請求項7又は8記載の
    同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれか記載の同一サ
    ンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法に用い
    ることができ、前記クリーニング1反応液及びクリーニ
    ング2反応液調製用試薬、並びに前記Step1〜4の
    各反応液調製用試薬を含有することを特徴とする同一サ
    ンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定用キット。
  11. 【請求項11】 アピラーゼ、アルカリホスファターゼ
    及びアデノシンデアミナーゼ、並びに塩化マグネシウム
    を含むトリス塩酸緩衝液からなるクリーニング1反応液
    調製用試薬と、クレアチンキナーゼ及びクレアチン−1
    リン酸を含むトリス塩酸緩衝液からなるクリーニング2
    反応液調製用試薬と、塩化マグネシウム、塩化カルシウ
    ム、カルモジュリン及び3,5−サイクリックヌクレオ
    チドホスホジエステラーゼを含むトリス塩酸緩衝液から
    なるStep1反応液調製用試薬と、塩化マグネシウ
    ム、塩化カリウム、ATP、クレアチン−1リン酸、ミ
    オキナーゼ及びクレアチンキナーゼを含むトリス塩酸緩
    衝液、並びに、塩化マグネシウム、塩化カリウム、AT
    P及びグアニル酸キナーゼを含むトリス塩酸緩衝液から
    なるStep2反応液調製用試薬と、塩化マグネシウ
    ム、フルクトース、ホスホエノールピルビン酸、ジチオ
    スレイトール、ヘキソキナーゼ及びピルビン酸キナーゼ
    を含むトリス塩酸緩衝液、並びに、塩化マグネシウム、
    コハク酸、ホスホエノールピルビン酸、ジチオスレイト
    ール、補酵素A、ピルビン酸キナーゼ及びコハク酸チオ
    キナーゼを含むトリス塩酸緩衝液からなるStep3反
    応液調製用試薬と、NADH及び乳酸脱水素酵素を含む
    イミダゾール緩衝液からなるStep4反応液調製用試
    薬とを含有することを特徴とする請求項10記載の同一
    サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定用キッ
    ト。
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US9677117B2 (en) 2014-10-08 2017-06-13 Promega Corporation Bioluminescent succinate detection assay

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