JP3992467B2 - cAMP及びcGMPを高感度で測定し得るサンプルの同時調製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生物学的試料中に内在する非環状アデニンヌクレオチド類及び非環状グアニンヌクレオチド類を除去し、環状ヌクレオチド類であるcAMP及びcGMPを同時に分離する方法や、該分離方法により分離された同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法や、該測定方法に用いる同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】
細胞内cAMP及びcGMPは、いずれも細胞内シグナリングの起点となる物質であり、細胞内二次メッセンジャーといわれている。また、心筋細胞などではcAMPのシグナリング経路とcGMPのシグナリング経路が、陰陽の関係にあると考えられている。従って、両環状ヌクレオチドによって調節を受ける細胞機能発現や遺伝子発現を研究する際には、細胞レベルでこれらの量的変化を高感度にかつ正確に比較検討する必要がある。
【0003】
従来、cAMP、cGMPの定量には、これらに特異的な抗体を用いた高感度なラジオイムノアッセイ法やエンザイムイムノアッセイ法が開発されてきたが、被爆の可能性や検量線が対数的で微細な変化をとらえるのが困難であり、また同時に測定することができないといった問題を抱えてきた。また、精度が悪く、かつ多大な時間を要する等の欠点があった。最近、酵素増幅法を用いた高感度蛍光測定法が開発され、cAMPの定量法については杉山ら(Anal. Biochem., 218, 20-25, 1994)が、cGMPの定量法については瀬谷ら(Anal. Biochem., 272, 243-249, 1999)が既に報告している。これらの方法では検量線が直線的に得られるため、微細な変化をとらえることができる。しかし、細胞内cAMPやcGMPは、ホスホジエステラーゼで迅速に分解されるため、基底状態ではそれぞれ平均50fmol/mg、5fmol/mgとごく微量しか存在しない。従って、前処理や測定手法が異なると、夾雑物などによる影響も異なるため、cAMPやcGMPの微細な変化を同時にかつ正確にとらえ、比較検討するには困難が生じていた。
【0004】
また、内因性の非環状アデニンヌクレオチド類を含む生物学的試料中のcAMP量またはアデニル酸シクラーゼ活性を、放射性試薬を使用することなく迅速に測定する方法として、特開2000−262296号公報には、内因性アデニル酸シクラーゼによって生成されるcAMPと、ATP、AMP、ADPおよびこれらの混合物からなる群から選択される内因性の非環状アデニンヌクレオチド類を含む生物学的試料中のcAMP量またはアデニル酸シクラーゼ活性を測定するため、(1)上記試料中のcAMP以外の内因性非環状アデニンヌクレオチドおよびグルコース-6-リン酸を酵素的に除去するためにアピラーゼ、アデノシンデアミナーゼおよびアルカリフォスファターゼの有効量を混合し、(2)cAMPをAMPに酵素的に変換し、(3)放射性物質を用いることなくAMPの量を測定する方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
細胞機能発現や遺伝子発現に関与する細胞内シグナリング物質であるcAMPやcGMPは、細胞内に極微量しか存在しないので、これまではラジオイムノアッセイ法とかエンザイムイムノアッセイ法で測定されていたが、検量線が対数的であり微細な変化を正確に捉えることが難しく、また、同一試料中のcAMP及びcGMPの両者を同時に測定できないという問題があった。本発明の課題は、細胞や組織等の生物学的試料における同一試料中のcAMP及びcGMP量を同時に高感度で定量できる測定方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討し、同一試料中のcAMP及びcGMP量を同時に高感度で定量する方法として、酵素蛍光法に注目したが、この酵素蛍光法の適用における最大の問題は、試料中に混在するcAMPやcGMP以外の非環状アデニン及びグアニンヌクレオチド類等の測定妨害物質の効率的除去の点にあり、この問題は酵素反応と弱アニオン性イオン交換カートリッジを組み合わせることにより解決することができ、cAMPとcGMPを同時に精製できることを見い出した。また、cAMPとcGMPを同時に定量するために、それぞれ酵素増幅法で増幅された結果生成するピルビン酸量を同時に蛍光定量することにより、cAMPは1fmol、cGMPは5fmolから直線的に検量線を引くことができ、cAMPは0.1×1018mol(0.1amol)、cGMPは0.5×1018mol(0.5amol)という高感度で正確に定量することができることを見い出した。本発明はこれら知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0007】
すなわち本発明は、(1)生物学的試料中に内在する非環状アデニンヌクレオチド類及び非環状グアニンヌクレオチド類を除去し、環状ヌクレオチド類であるcAMP及びcGMPをそれぞれ0.1amol及び0.5amolで高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法であって、試料中のGMP、AMP、ADP及びATPを、アピラーゼ、アルカリホスファターゼ及びアデノシンデアミナーゼを含むクリーニング1反応液を用いて分解し、次いで、試料中のGDPを、クレアチンキナーゼ及びクレアチン−1リン酸を含むクリーニング2反応液を用いてGTPに変換し、反応液中に残存するGTPをカラム吸着処理した後、cAMP及びcGMPを選択的に溶出させることを特徴とするcAMP及びcGMPを高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法や、(2)クリーニング1反応液を用いての分解反応を、塩化マグネシウムを含むトリス塩酸緩衝液中で行うことを特徴とする上記(1)記載のcAMP及びcGMPを高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法や、(3)クリーニング2反応液を用いてのGTPへの変換反応を、トリス塩酸緩衝液中で行うことを特徴とする上記(1)又は(2)記載のcAMP及びcGMPを高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法や、(4)カラム吸着処理に弱アニオン性イオン交換カートリッジを用いることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載のcAMP及びcGMPを高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法や、(5)選択的に溶出されたcAMP及びcGMP含有画分を、遠心濃縮することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載のcAMP及びcGMPを高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法や、(6)生物学的試料に、ホスホジエステラーゼ阻害剤の存在下に前処理を施すことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか記載のcAMP及びcGMPを高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法に関する。
【0008】
また本発明は、(7)上記(1)〜(6)のいずれか記載の調製する方法により得られるcAMP及びcGMP含有試料を、環状ヌクレオチド選択性ホスホジエステラーゼを用いて、それぞれAMP及びGMPに変換するStep1、Step1で生成するAMP及びGMPをそれぞれADP及びGDPに変換するStep2、Step2で生成するADP及びGDPをそれぞれATP及びGTPに変換するStep3、Step3の酵素増幅法により生成する各ピルビン酸を2−ヒドロキシニコチンアルデヒドに変換するStep4、Step4で生成する2−ヒドロキシニコチンアルデヒドの蛍光強度を測定することを特徴とする同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法や、(8)Step1でそれぞれカルモジュリン及び3,5−サイクリックヌクレオチド選択性ホスホジエステラーゼを用い、Step2でミオキナーゼ又はグアニル酸キナーゼを用い、Step3でそれぞれホスホエノールピルビン酸、ピルビン酸キナーゼを用い、Step4でそれぞれ乳酸脱水素酵素を用いることを特徴とする上記(7)記載の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法や、(9)失活させた環状ヌクレオチド選択性ホスホジエステラーゼを用いて測定した蛍光強度をバックグラウンドとすることを特徴とする上記(7)又は(8)記載の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法に関する。
【0009】
さらに本発明は、(10)上記(7)〜(9)のいずれか記載の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法に用いることができ、前記クリーニング1反応液及びクリーニング2反応液調製用試薬、並びに前記Step1〜4の各反応液調製用試薬を含有することを特徴とする同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定用キットや、(11)アピラーゼ、アルカリホスファターゼ及びアデノシンデアミナーゼ、並びに塩化マグネシウムを含むトリス塩酸緩衝液からなるクリーニング1反応液調製用試薬と、クレアチンキナーゼ及びクレアチン−1リン酸を含むトリス塩酸緩衝液からなるクリーニング2反応液調製用試薬と、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、カルモジュリン及び3,5−サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼを含むトリス塩酸緩衝液からなるStep1反応液調製用試薬と、塩化マグネシウム、塩化カリウム、ATP、クレアチン−1リン酸、ミオキナーゼ及びクレアチンキナーゼを含むトリス塩酸緩衝液、並びに、塩化マグネシウム、塩化カリウム、ATP及びグアニル酸キナーゼを含むトリス塩酸緩衝液からなるStep2反応液調製用試薬と、塩化マグネシウム、フルクトース、ホスホエノールピルビン酸、ジチオスレイトール、ヘキソキナーゼ及びピルビン酸キナーゼを含むトリス塩酸緩衝液、並びに、塩化マグネシウム、コハク酸、ホスホエノールピルビン酸、ジチオスレイトール、補酵素A、ピルビン酸キナーゼ及びコハク酸チオキナーゼを含むトリス塩酸緩衝液からなるStep3反応液調製用試薬と、NADH及び乳酸脱水素酵素を含むイミダゾール緩衝液からなるStep4反応液調製用試薬とを含有することを特徴とする上記(10)記載の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定用キットに関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のcAMP及びcGMPの同時分離方法としては、各種動物細胞や生体組織等の生物学的試料中に内在するAMP、ADP、ATP等の非環状アデニンヌクレオチド類やGMP、GDP、GTP等の非環状グアニンヌクレオチド類を除去し、環状ヌクレオチド類であるcAMP及びcGMPを同一試料から同時に分離する方法であって、試料中のGMP、AMP、ADP、ATP等をアピラーゼ、アルカリホスファターゼ及びアデノシンデアミナーゼを含むクリーニング1反応液を用いて分解し、次いで、試料中のGDPをクレアチンキナーゼ及びクレアチン−1リン酸を含むクリーニング2反応液を用いてGTPに変換し、生成したGTPを含め反応液中に残存するGTPをカラム吸着処理した後、cAMP及びcGMPを選択的に溶出させるcAMP及びcGMPの同時分離方法であれば特に制限されるものではない。
【0011】
上記生物学的試料としては細胞や生体組織等を例示することができ、これら生物学的試料に、イソブチルメチルキサンチン(IBMX)、ペントキシフィリン、テオフィリン等のキサンチン誘導体、フェノチアジン、ビンポセチン、シロスタミド、ミルリノン、トレキンシン、インドリダン、クアジノン、ロリプラム、ザプリナスト、ジピリダモール、パパベリンなどのホスホジエステラーゼ阻害剤の存在下にあらかじめ前処理を施すことが好ましく、かかる前処理としてはcAMP及びcGMPの分解を防ぐ上記ホスホジエステラーゼ阻害剤又はトリクロロ酢酸(TCA)を含む生理溶液中でのインキュベーションを挙げることができる。また上記生理溶液としては、体液と等張の塩類混合液で、血漿に極く近い、イオン、浸透圧、pHが調整された、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウムの混合液であるリンガー(リンゲル)液、該リンガーにブドウ糖等が添加されたタイロード液等を用いることができる。さらに、生体試料中のcAMP及びcGMP含量を亢進させる目的で、一酸化窒素(NO)ドナー、例えば、三硝酸グリセリン(GTN)、四硝酸ペンタエリトリチル(PETN)、一硝酸−5−イソソルビトール(ISMN)、二硝酸イソソルビトール(ISDN)、六硝酸マンニトール、六硝酸イノシトール、硝酸プロパチル、硝酸トロール、ニコランジル等の有機硝酸エステル、亜硝酸イソアミル、チオ亜硝酸エステル、チオ硝酸エステル等の有機亜硝酸エステル、S−ニトロソ−N−アセチル−D,L−ペニシラミン(SNAP)等のS−ニトロソチオール、ニトロソタンパク質、一酸化窒素放出性フロキサン誘導体、メソカルブ、モルシドミン等の一酸化窒素放出性シドノニミン誘導体、鉄−ニトロシル化合物、ニトロプルシッド−ナトリウム等のニトロシル錯体化合物で処理したり、カテコールアミンの一種で交感神経刺激剤としての作用が確立しているイソプロテレノールで処理することもできる。
【0012】
上記クリーニング1反応液を用いての分解反応は、アピラーゼ、アルカリホスファターゼ、アデノシンデアミナーゼに加えて塩化マグネシウムを含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)中で行うことが好ましく、かかる酵素による分解反応後に、例えば90℃10分間の加熱により酵素類を失活させることが好ましい。また、上記クリーニング2反応液を用いてのGDPのGTPへの変換は、クレアチンキナーゼ及びクレアチン−1リン酸を含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)中で行うことが好ましく、かかる酵素による変換反応後に加熱により酵素類を失活させることが好ましい。クリーニング1反応液により試料中のGMP、AMP、ADP、ATP等を分解した後、クリーニング2反応液を用いて試料中のGDPをGTPに変換し(化1参照)、生成したGTPを含め反応液中に残存するGTPはカラム吸着処理により除去されるが、かかるカラム吸着処理としてはGTPを選択的に吸着し、cAMP及びcGMPを溶出しうる処理であれば特に制限されず、例えばSEP−PAK NH2カートリッジ等の弱アニオン性イオン交換カートリッジを用いる処理を挙げることができる。このように、選択的に溶出されたcAMP及びcGMP含有画分は、cAMP及びcGMPが分解されない温度、例えば60℃で遠心濃縮することが好ましい。
【0013】
【化1】
【0014】
上記本発明のcAMP及びcGMPの同時分離方法により得られるcAMP及びcGMPを含有するサンプル中のcAMP及びcGMPは、本発明の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法により、cAMPは0.1×1018mol(0.1amol)、cGMPは0.5×1018mol(0.5amol)という高感度で正確に定量することができる。かかる本発明の測定方法としては、同一サンプル中に含まれるcAMP及びcGMPを、3,5−サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ等の環状ヌクレオチド選択性ホスホジエステラーゼを用いて、それぞれAMP及びGMPに変換するStep1(化2参照)と、Step1で生成するAMP及びGMPをそれぞれADP及びGDPに変換するStep2(化3参照)と、Step2で生成するADP及びGDPをそれぞれATP及びGTPに変換するStep3(酵素増幅反応;化4参照)と、Step3の酵素増幅法により生成する各ピルビン酸を2−ヒドロキシニコチンアルデヒドに変換するStep4(化5参照)と、Step4で生成する2−ヒドロキシニコチンアルデヒドの蛍光強度を測定する方法であれば特に制限されるものではなく、蛍光強度を励起波長(em)370nm、蛍光波長(ex)460nmで測定して蛍光定量することにより、cAMPは1fmol、cGMPは5fmolから直線的に検量線を引くことができる。
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
また、上記Step1でcAMP測定及びcGMP測定の場合とも、カルモジュリン及び3,5−サイクリックヌクレオチド選択性ホスホジエステラーゼ、好ましくはさらに塩化マグネシウム、塩化カルシウム等を含むトリス塩酸緩衝液を用い、Step2のcAMP測定の場合に、ミオキナーゼ好ましくはさらに塩化マグネシウム、塩化カリウム、ATP、クレアチン−1リン酸、クレアチンキナーゼ等を含むトリス塩酸緩衝液を用い、Step2のcGMP測定の場合に、グアニル酸キナーゼ好ましくはさらに塩化マグネシウム、塩化カリウム、ATP等を含むトリス塩酸緩衝液を用い、Step3のcAMP測定の場合に、ホスホエノールピルビン酸、ピルビン酸キナーゼ好ましくはさらに塩化マグネシウム、フルクトース、ジチオスレイトール、ヘキソキナーゼ等を含むトリス塩酸緩衝液を用い、Step3のcGMP測定の場合に、ホスホエノールピルビン酸、ピルビン酸キナーゼ好ましくはさらに塩化マグネシウム、コハク酸、ジチオスレイトール、補酵素A、コハク酸チオキナーゼ等を含むトリス塩酸緩衝液を用い、Step4でcAMP測定及びcGMP測定の場合とも、乳酸脱水素酵素好ましくはさらにNADH等を含むイミダゾール緩衝液を用いることが望ましい。
【0020】
また、本発明の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法において、上記3,5−サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ等の環状ヌクレオチド選択性ホスホジエステラーゼに代えて、加熱等により失活させた環状ヌクレオチド選択性ホスホジエステラーゼを用いて測定した蛍光強度をバックグラウンドとして検量線を作成することにより、より一層正確に同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPを測定することができる。
【0021】
本発明の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定用キットとしては、上記本発明の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法に用いることができ、前記クリーニング1反応液及びクリーニング2反応液調製用試薬、並びに前記Step1〜4の各反応液調製用試薬を含有するものであればどのようなものでもよく、例えば、アピラーゼ、アルカリホスファターゼ及びアデノシンデアミナーゼ、並びに塩化マグネシウムを含むトリス塩酸緩衝液からなるクリーニング1反応液調製用試薬と、クレアチンキナーゼ及びクレアチン−1リン酸を含むトリス塩酸緩衝液からなるクリーニング2反応液調製用試薬と、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、カルモジュリン及び3,5−サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼを含むトリス塩酸緩衝液からなるStep1反応液調製用試薬と、塩化マグネシウム、塩化カリウム、ATP、クレアチン−1リン酸、ミオキナーゼ及びクレアチンキナーゼを含むトリス塩酸緩衝液、並びに、塩化マグネシウム、塩化カリウム、ATP及びグアニル酸キナーゼを含むトリス塩酸緩衝液からなるStep2反応液調製用試薬と、塩化マグネシウム、フルクトース、ホスホエノールピルビン酸、ジチオスレイトール、ヘキソキナーゼ及びピルビン酸キナーゼを含むトリス塩酸緩衝液、並びに、塩化マグネシウム、コハク酸、ホスホエノールピルビン酸、ジチオスレイトール、補酵素A、ピルビン酸キナーゼ及びコハク酸チオキナーゼを含むトリス塩酸緩衝液からなるStep3反応液調製用試薬と、NADH及び乳酸脱水素酵素を含むイミダゾール緩衝液からなるStep4反応液調製用試薬とを含有する、同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定用キットを具体的に挙げることができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
実施例1(本発明のcAMP、cGMPの同時測定)
1−1 非環状アデニン及びグアニンヌクレオチドの除去
各種濃度のcAMP、cGMPに、濃度5〜10nmolのそれぞれAMP、ADP、ATPからなる非環状アデニンヌクレオチド類、及びそれぞれGMP、GDP、GTPからなる非環状グアニンヌクレオチド類を含む試料を作製し、本発明のcAMP及びcGMPの検出限界を調べてみた。まず各試料を、20mMのトリス緩衝液(10μl)に溶かした後、10μlのクリーニング1反応液(20mMのトリス緩衝液(pH8.0)、2mMの塩化マグネシウム、4U/mlのアピラーゼ、40U/mlのアルカリホスファターゼ、20U/mlのアデノシンデアミナーゼ)を加え、30℃で3時間インキュベーションすることによりGMP、AMP、ADP及びATPを分解させ、反応終了後90℃で10分間加熱して酵素類を失活させた。加熱した各反応溶液に10μlのクリーニング2反応液(20mMのトリス緩衝液(pH8.0)、2mMの塩化マグネシウム、1mMのクレアチンリン酸、80U/mlのクレアチンキナーゼ)を加え、30℃で1時間インキュベーションすることによりGDPをGTPに誘導させ、反応終了後、90℃で5分間加熱して失活させた。
【0023】
上記前処理及びクリーニング反応を行った各試料に純水を加えて総量500μlとし、SEP−PAK NH2カートリッジカラム(0.5g;ウォーターズ製)に吸着させ、0.5mlの純水で洗浄した後、3mlの純水でcAMP及びcGMPを濃縮用チューブに溶出させた。溶出したcAMP及びcGMP画分を減圧濃縮装置(大洋化学工業社製)を用いてそれぞれ60℃にて減圧濃縮し、測定に使用するまで−80℃で保存した。
【0024】
2−2 cAMP及びcGMPの同時酵素蛍光測定
(ステップ1)
上記減圧濃縮した各試料のcAMP及びcGMP画分を、20mMのトリス緩衝液(pH8.0)40μlに溶かし、10×75mmガラスチューブに8μlずつ4本に分けてcGMPアッセイ用とし、残りの8μlに20mMのトリス緩衝液(pH8.0)を加えて10倍希釈した溶液から2μlずつ4本に分けcAMPアッセイ用とした。cGMPアッセイ用チューブ2本と、cAMPアッセイ用チューブ2本にそれぞれStep1(PDE+)反応液[20mMのトリス緩衝液(pH7.5)、5mMの塩化マグネシウム、0.1mMの塩化カルシウム、300U/mlのカルモジュリン、0.1U/mlの環状ヌクレオチド選択性ジホスホエステラーゼ]5μlを加えて30℃で1時間インキュベーションし、cAMP、cGMPからAMP、GMPへと誘導した。また、残りのcGMPアッセイ用チューブ2本と、cAMPアッセイ用チューブ2本にStep1(PDE−)反応液[Step1(PDE+)反応液を90℃15分加熱し、生体由来cAMP、cGMPがAMP、GMPに変換されないので、バックグラウンドとして用いた。]5μlを加えて上記と同様にインキュベーションした。
【0025】
(ステップ2)
インキュベーション後、各cAMPアッセイ用チューブ中の環状ヌクレオチド由来AMPをStep2(cAMP)反応液[20mMのトリス緩衝液(pH7.5)、5mMの塩化マグネシウム、100mMの塩化カリウム、10nMのATP、0.1mMのクレアチン−1リン酸、120U/mlのミオキナーゼ、40U/mlのクレアチンキナーゼ]中で、一方、各cGMPアッセイ用チューブ中の環状ヌクレオチド由来GMPをStep2(cGMP)反応液[20mMのトリス緩衝液(pH7.5)、5mMの塩化マグネシウム、100mMの塩化カリウム、50μMのATP、1U/mlのグアニル酸キナーゼ]中で、30℃,1時間反応させてADPやGDPを導き、反応後、各チューブを90℃で5分間加熱して酵素を失活させた。
【0026】
(ステップ3)
上記得られた環状ヌクレオチド由来ADP、GDPを、酵素増幅反応システムにより2時間の増幅反応処理し、ADPは最大約50000倍、GDPは約10000倍に増幅した。各cAMPアッセイ用チューブには、Step3(cAMP)反応液[20mMのトリス緩衝液(pH7.5)、5mMの塩化マグネシウム、8mMのフルクトース、1mMのホスホエノールピルビン酸、0.5mMのジチオスレイトール、30.8U/mlのヘキソキナーゼ、70U/mlのピルビン酸キナーゼ]25μlを加え、各cGMPアッセイ用チューブには、Step3(cGMP)反応液[20mMのトリス緩衝液(pH7.5)、5mMの塩化マグネシウム、1mMのコハク酸、1mMのホスホエノールピルビン酸、0.5mMのジチオスレイトール、0.5mMの補酵素A、80U/mlのピルビン酸キナーゼ、2U/mlのコハク酸チオキナーゼ]25μlを加え、30℃で2時間インキュベーションした後、各チューブに0.5MのEDTA水溶液10μlを加えて反応を停止させた。
【0027】
(ステップ4)
Step3の酵素増幅反応が終了した各チューブにStep4反応液(100mMのイミダゾール緩衝液(pH6.0)、5mMのNADH、4U/mlの乳酸脱水素酵素)10μlを加え、常温下に10分間放置し反応させた。次に2NのHCl水溶液10μlを加えて常温下に10分静置し、未反応NADHを分解した後、6NのNaOH水溶液10μlを加え、60℃で10分間反応させた(この反応でNAD+が2−ヒドロキシニコチンアルデヒドに分解される。)。室温静置20分後に2−ヒドロキシニコチンアルデヒドの蛍光強度を蛍光分光光度計(日本分光社製)を用いてem:370nm、ex:460nmで測定した。その結果、蛍光定量の検出限界は約50pmolであることがわかった。従って、cAMP、cGMPの測定感度はそれぞれ1及び5fmolとなり、100fmolまで直線検量線を作ることができることが明らかとなり、cAMP、cGMP以外のアデニンおよびグアニンヌクレオチドによる影響はいずれも10nmolまで受けないことが確認された。また、この方法の開発により、測定時間は従来の2分の1(約7時間)に短縮された。以上のことから、cAMP、cGMP同時測定法は高感度かつ簡便であることから、cAMPとcGMP量の同時比較が必要な細胞を含む幅広い生体試料への適用が期待できる。
【0028】
実施例2(ラット大動脈平滑筋細胞内cAMP及びcGMP量の測定)
上記実施例1の方法を用いて細胞内又は組織内のcAMP、cGMP量の測定が可能かどうかを、ラット大動脈平滑筋細胞内におけるcAMP及びcGMP量の測定を行うことにより調べてみた。35mmディッシュ中でセミコンフルエントに達したラット大動脈平滑筋細胞を0.2mMのIBMX(ホスホジエステラーゼ阻害薬)含有又は非含有のタイロード液に置き換えて15分間インキュベートし、その後、かかる細胞溶液に100μMのSNAP(S−ニトロソ N−アセチルペニシラミン、NOドナー)又は10μMのイソプロテレノール(ISP)を加えて更にインキュベーションし、5分後に10%のトリクロロ酢酸水溶液を加えて反応を終了させた。得られた細胞溶液に氷冷した10%のトリクロロ酢酸水溶液500μlを加え、氷冷下に30分静置した。得られた上澄み液に5倍量の水飽和エーテルを加えて洗浄し、トリクロロ酢酸を取り除く操作を4回繰り返し行った。洗浄した上澄み液を60℃で遠心濃縮し、測定に使用するまで−80℃で保存した。
【0029】
上記測定試料を実施例1記載の方法と同様に試料における非環状アデニン及びグアニンヌクレオチドの除去し、cAMP及びcGMPの同時酵素蛍光測定を行った。なお、試料における非環状アデニン及びグアニンヌクレオチドの除去する際、同時に検量線作成用のcAMPスタンダード溶液(0、50、100fmolのcAMP溶液)又はcGMPスタンダード溶液(0、50、100fmolのcGMP溶液)も並行して反応を行い、cAMP及びcGMPの同時酵素蛍光測定を行った。検量線を図1に、酵素蛍光測定の結果を図2に示す。なお、35mmディッシュ中の培養平滑筋細胞に含まれるタンパク量は平均83.5±7.5μg/ディッシュであった。これらのことから、IBMX(イソブチルメチルキサンチン)を存在せしめることによりcAMP、cGMP量の増加が認められた。また、イソプロテレノールを含有したものは細胞内cAMP量を著しく上昇させたが、cGMP量を変化させなかった。一方、SNAP(NOドナー)は細胞内cGMP量を著しく上昇させたが、cAMP量には影響しなかった。以上のことから、本発明のcAMP、cGMP同時測定法は高感度かつ簡便に細胞内cAMPとcGMP量を同時測定できることがわかった。
【0030】
実施例3(ラット心筋組織内cGMP量の測定)
次に まず、ラット大動脈平滑筋細胞内におけるcAMP及びcGMP量の測定を行った。エーテル麻酔したラットから心臓を摘出し、左心房、左心室乳頭筋標本を作製し、マグヌス装置に装着した後、心房筋には0.5gの、心室筋には1gの張力をかけ、1Hz閾値の1.5〜2倍の電圧をかけて等尺性収縮を測定した。1時間かけて安定化させ、その間15分ごとにタイロード液で洗浄した。洗浄後、100μMのSNAP(NOドナー)存在下又は非存在下で90秒間インキュベーションし、その後標本を迅速に液体窒素で凍結して−80℃で保存した。
【0031】
上記凍結粉状の組織に10倍量の氷冷した10%のトリクロロ酢酸水溶液を加えてホモジナイズし、4℃で2000g×15分間遠心した。遠心後、上澄み液を採取し、残渣に再度、同量の10%のトリクロロ酢酸水溶液を加えて強く撹拌洗浄して4℃で2000g×15分間遠心し上澄み液を採取した。得られた上澄み液を2mlの水飽和エーテルで4回洗浄した後(洗浄のたびにエーテルを除く)、洗浄した上澄み液を60℃で遠心濃縮し、測定に使用するまで−80℃で保存した。その後、試験例1記載の方法と同様に試料における非環状アデニン及びグアニンヌクレオチドの除去し、cAMP及びcGMPの同時酵素蛍光測定を行い、cGMPの量を測定した。その結果、ペーシング下でのラット心筋標本中cGMP量は左心房が29±22.5、左心室が18.9±13.0fmol/mg−proteinであったが、SNAP(NOドナー)存在下ではそれぞれ、189.3±34.4、124.8±23.5fmol/mg−proteinに上昇することがわかった。
【0032】
実施例4(ガスクロマトグラフィー質量分析によるピルビン酸の超高感度測定)
実施例1記載のStep3で得られた反応液をシリカゲルカートリッジに吸着させ、クロロホルム−メタノール−酢酸(1:1:0.04)混合液でピルビン酸を選択的に溶出し、反応液中に存在する妨害物質、ホスホエノールピルビン酸やコハク酸を取り除いた。溶出されたピルビン酸をガスクロマトグラフィー質量分析計(日本電子社製)で定量した。この結果、ガスクロマトグラフィー質量分析計を用いることにより5fmolの感度で測定できることがわかった。以上のことより、cAMP、cGMPの測定感度はそれぞれ0.1及び0.5amolとなる。従って、単一細胞内cAMP、cGMPを介するシグナリングの動態を調べることができると考えられる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によると、細胞や組織等の生物学的試料における同一試料中のcAMP及びcGMP量を同時に高感度で定量することができ、本発明の測定方法によると、脳や心臓などの細胞内のcAMPやcGMPを介したシグナリングによる細胞機能発現、遺伝子発現研究におけるcAMPやcGMP動態を知ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】cAMP、cGMP標準物質を用いた場合の蛍光強度変化(n=5)を示す図である。
【図2】ラット大動脈平滑筋細胞内cAMP及びcGMP両の各種薬物による変化を示す図である。
Claims (11)
- 生物学的試料中に内在する非環状アデニンヌクレオチド類及び非環状グアニンヌクレオチド類を除去し、環状ヌクレオチド類であるcAMP及びcGMPをそれぞれ0.1amol及び0.5amolで高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法であって、試料中のGMP、AMP、ADP及びATPを、アピラーゼ、アルカリホスファターゼ及びアデノシンデアミナーゼを含むクリーニング1反応液を用いて分解し、次いで、試料中のGDPを、クレアチンキナーゼ及びクレアチン−1リン酸を含むクリーニング2反応液を用いてGTPに変換し、反応液中に残存するGTPをカラム吸着処理した後、cAMP及びcGMPを選択的に溶出させることを特徴とするcAMP及びcGMPを高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法。
- クリーニング1反応液を用いての分解反応を、塩化マグネシウムを含むトリス塩酸緩衝液中で行うことを特徴とする請求項1記載のcAMP及びcGMPを高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法。
- クリーニング2反応液を用いてのGTPへの変換反応を、トリス塩酸緩衝液中で行うことを特徴とする請求項1又は2記載のcAMP及びcGMPを高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法。
- カラム吸着処理に弱アニオン性イオン交換カートリッジを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のcAMP及びcGMPを高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法。
- 選択的に溶出されたcAMP及びcGMP含有画分を、遠心濃縮することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のcAMP及びcGMPを高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法。
- 生物学的試料に、ホスホジエステラーゼ阻害剤の存在下に前処理を施すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のcAMP及びcGMPを高感度で測定し得るサンプルを同時に調製する方法。
- 請求項1〜6のいずれか記載の調製する方法により得られるcAMP及びcGMP含有試料を、環状ヌクレオチド選択性ホスホジエステラーゼを用いて、それぞれAMP及びGMPに変換するStep1、Step1で生成するAMP及びGMPをそれぞれADP及びGDPに変換するStep2、Step2で生成するADP及びGDPをそれぞれATP及びGTPに変換するStep3、Step3の酵素増幅法により生成する各ピルビン酸を2−ヒドロキシニコチンアルデヒドに変換するStep4、Step4で生成する2−ヒドロキシニコチンアルデヒドの蛍光強度を測定することを特徴とする同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法。
- Step1でそれぞれカルモジュリン及び3,5−サイクリックヌクレオチド選択性ホスホジエステラーゼを用い、Step2でミオキナーゼ又はグアニル酸キナーゼを用い、Step3でそれぞれホスホエノールピルビン酸、ピルビン酸キナーゼを用い、Step4でそれぞれ乳酸脱水素酵素を用いることを特徴とする請求項7記載の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法。
- 失活させた環状ヌクレオチド選択性ホスホジエステラーゼを用いて測定した蛍光強度をバックグラウンドとすることを特徴とする請求項7又は8記載の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法。
- 請求項7〜9のいずれか記載の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定方法に用いることができ、前記クリーニング1反応液及びクリーニング2反応液調製用試薬、並びに前記Step1〜4の各反応液調製用試薬を含有することを特徴とする同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定用キット。
- アピラーゼ、アルカリホスファターゼ及びアデノシンデアミナーゼ、並びに塩化マグネシウムを含むトリス塩酸緩衝液からなるクリーニング1反応液調製用試薬と、クレアチンキナーゼ及びクレアチン−1リン酸を含むトリス塩酸緩衝液からなるクリーニング2反応液調製用試薬と、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、カルモジュリン及び3,5−サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼを含むトリス塩酸緩衝液からなるStep1反応液調製用試薬と、塩化マグネシウム、塩化カリウム、ATP、クレアチン−1リン酸、ミオキナーゼ及びクレアチンキナーゼを含むトリス塩酸緩衝液、並びに、塩化マグネシウム、塩化カリウム、ATP及びグアニル酸キナーゼを含むトリス塩酸緩衝液からなるStep2反応液調製用試薬と、塩化マグネシウム、フルクトース、ホスホエノールピルビン酸、ジチオスレイトール、ヘキソキナーゼ及びピルビン酸キナーゼを含むトリス塩酸緩衝液、並びに、塩化マグネシウム、コハク酸、ホスホエノールピルビン酸、ジチオスレイトール、補酵素A、ピルビン酸キナーゼ及びコハク酸チオキナーゼを含むトリス塩酸緩衝液からなるStep3反応液調製用試薬と、NADH及び乳酸脱水素酵素を含むイミダゾール緩衝液からなるStep4反応液調製用試薬とを含有することを特徴とする請求項10記載の同一サンプルにおけるcAMP及びcGMPの測定用キット。
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