JP2003070464A - 細胞培養方法、人工臓器製造方法、及び人工臓器 - Google Patents
細胞培養方法、人工臓器製造方法、及び人工臓器Info
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Abstract
組織を構築するための実用的な技術を提供する。 【解決手段】 本発明による細胞培養方法は、培養液と
培養細胞とを培養容器(2、12)に封入して、培養液
の中に培養細胞を浮遊した状態で保持するステップと、
培養容器(2、12)をn軸回転(nは2以上の整数)
するステップとを備えている。培養容器(2、12)が
n軸回転(nは2以上の整数)されることにより、培養
細胞に働く重力方向が分散され、各細胞があらゆる方向
に向けて増殖・進展することができるようになり、培養
細胞の3次元的な培養が可能になる。
Description
人工臓器製造方法に関する。本発明は、特に、3次元的
に組織を培養して構築する細胞培養装置、及び人工臓器
製造方法に関する。
ち、人工臓器を使用して、損傷した組織及び器官の機能
を修復して再生する医療手法は、将来の再生医学を担う
重要な技術である。この医療手法を実現する上では、細
胞から3次元的な立体構造を有する組織及び器官を構築
する細胞培養技術が必要不可欠である。
満たした培養容器に培養される細胞塊を封入し、その培
養容器に1軸回転を加える、振動を加える、気泡を導入
する、又は羽根車によって水流を発生することによって
細胞塊を浮遊させ、細胞塊を浮遊状態で成長する技術が
知られている。しかし、これらの公知の技術では、細胞
塊が分散し、更に、培養容器の内壁への接触により細胞
が損傷を受けるため、3次元的な組織の構築が阻害され
ると推察されている。
うな微小重力環境で細胞塊を培養する技術が検討されて
いる。微小重力環境では、細胞塊の沈降がないため、3
次元的な組織の構築が可能と考えられている。更に、微
小重力環境では、高密度の細胞集合体の形成の可能性が
示されている。しかし、宇宙で細胞塊を培養すること
は、実用性に欠ける。
平7−89798)に知られている。公知のその動植物
育成装置は、育成される動植物を定置して収納する容器
を2軸以上で回転し、動植物に多方向から重力を印加す
る。これにより、擬似的に無重力状態で動植物が育成さ
れる。特許公報(特公平7−89798)には、動植物
を育成することと共に、細胞を培養することが開示され
ている。しかし、細胞を培養するための具体的な方法は
開示されていない。
の培養によって3次元的な構造を有する組織を構築する
ための実用的な技術を提供することにある。
3次元的な構造を有する組織を構築するときに、細胞の
分散が防がれる技術を提供することにある。
って3次元的な構造を有する組織を構築するときに、長
期の細胞の培養を可能にする技術を提供することにあ
る。
って3次元的な構造を有する組織を構築するときに、細
胞の培養の環境を最適化する技術を提供することにあ
る。
うことにより、大型且つ3次元的な構造を有する組織を
構築する技術を提供することにある。
形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決す
るための手段が説明される。これらの番号・符号は、
[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載と
の対応関係を明らかにするために付加されている。但
し、付加された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載
されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならな
い。
養細胞とを培養容器(2、12)に封入して、培養液の
中に培養細胞を浮遊した状態で保持するステップと、培
養容器(2、12)をn軸回転(nは2以上の整数)す
るステップとを備えている。培養容器(2、12)がn
軸回転(nは2以上の整数)されることにより、培養細
胞に働く重力方向が分散され、各細胞があらゆる方向に
向けて増殖・進展することができるようになり、培養細
胞の3次元的な培養が可能になる。また、n軸回転によ
り発生する流体攪拌による剪断力は小さく、培養容器
(2、12)の内部に発生する液流による剪弾力が小さ
くなり、培養細胞の剥離と個々の細胞の遊離を防ぐ。
れる培養液の粘度は、前記培養容器がn軸回転されてい
る間に培養細胞が培養容器(2、12)に接触しないよ
うに調整されていることが好ましい。培養液の粘度の調
整は、培養液にメチルセルロースやコラーゲンゲルのよ
うな増粘材を添加することにより可能である。
培養細胞が付着された人工基質(45)と、人工基質
(45)を固定して保持する保持部(46、47、4
8)とを培養容器(41)に封入するステップと、培養
容器(41)をn軸回転(nは2以上の整数)するステ
ップとを備えている。培養容器(41)がn軸回転され
ることにより3次元的に重力が印加され、3次元的構造
を持つ人工基質(45)に均一に培養細胞を付着する3
次元的な培養が可能になる。また、n軸回転により発生
する流体攪拌による剪断力は小さく、付着、凝集した培
養細胞がバラバラになったり、損傷することが防がれ
る。
と培養細胞とを培養容器(2、12)に封入して、培養
液の中に培養細胞を浮遊した状態で保持するステップ
と、培養容器(2、12)をn軸回転(nは2以上の整
数)した状態で培養細胞を培養し、人工臓器を形成する
ステップとを備えている。培養容器(2、12)がn軸
回転(nは2以上の整数)されることにより、培養細胞
が3次元的に培養され、3次元的な構造を有する人工臓
器の形成が可能である。
と、培養細胞が付着された人工基質(45)と、前記人
工基質(45)を固定して保持する保持部(46、4
7、48)とを培養容器(41)に封入するステップ
と、培養容器(41)をn軸回転(nは2以上の整数)
した状態で培養細胞を培養するステップと、培養細胞が
培養された後、培養された培養細胞と人工基質(45)
とで構成される構造体を、人工臓器として取り出すステ
ップとを備えている。
本発明による細胞培養方法の実施の形態を説明する。
法の実施の第1形態では、図1に示された細胞培養装置
10が使用される。細胞培養装置10は、3次元クリノ
スタット1と培養容器2とを含む。3次元クリノスタッ
ト1は、培養容器2を2軸回転する。培養容器2の内部
には、培養液と、培養される培養細胞とが封入される。
培養細胞は、培養容器2には固定されず、培養液の中に
浮遊される。培養液には、所望の組織への分化を促進す
るために、アクチビンのような分化因子が添加される。
タ4、外側フレーム5、モーター6、及び内側フレーム
7を含む。本体3は、静止系に設置される。本体3は、
基部3aと脚3b、3cを含む。基部3aには、脚3
b、3cが接続されている。脚3bには、モータ4が設
けられている。モータ4は、外側フレーム5に接続さ
れ、回転軸4aの回りに外側フレーム5を回転する。外
側フレーム5には、モータ6が設けられている。モータ
6は、内側フレーム7に接続され、回転軸6aの回りに
内側フレーム7を回転する。回転軸6aは、回転軸4a
と概ね直交する。内側フレーム7には、既述の培養容器
2が接続される。培養容器2は、回転軸4aと回転軸6
aとの交点の近傍にある。培養容器2は、内側フレーム
7と同体に回転する。外側フレーム5と内側フレーム7
とがそれぞれ回転されると、培養容器2は、2軸回転す
る。
2に封入された培養細胞に働く重力の方向が分散され、
各細胞があらゆる方向に向けて増殖・進展することがで
きるようになり、培養細胞塊の3次元的な培養が可能に
なる。また、n軸回転により培養容器2の内部に発生す
る液流による剪断力は小さく、培養細胞塊の剥離と個々
の細胞の遊離を防ぐ。従って、培養容器2が2軸回転さ
れた状態で細胞塊を培養することにより、3次元的な構
造を有する組織の構築が実現される。
培養液に添加されることは、所望の組織の構築を適切に
行う上で好ましい。分化因子を培養液に添加すること
は、培養細胞の分化を促進し、組織の構築を適切に行う
ことを可能にする。
ゲンゲルのような増粘材が添加され、培養容器2が2軸
回転されたときに培養容器2の内壁に培養細胞が接触し
ないように培養液の粘度が調整されることが好ましい。
これにより、培養細胞塊の沈降が防がれる。
養方法により培養された細胞塊の外観写真及び断面写真
である。その細胞塊は、下記方法により培養された。ま
ず、アフリカツメカエルの雄生体の正常腎由来のA6細
胞が、培養フラスコにより23℃環境下で2週間、付着
培養された。続いて、付着フラスコの培養面に1層状態
で増殖した培養細胞の一部が剥離され、上記の培養容器
2に移された。培養容器2は、培養液で満たされた。続
いて、培養容器2が3次元クリノスタット1により回転
され、培養細胞が培養容器2の中で浮遊状態で培養され
た。培養は、23℃環境下で2週間行われた。培養細胞
が培養されて形成された細胞塊には、図2に示されてい
るように、細胞球状化が認められた。更に、形成された
細胞塊を切片化して内部状態を観察したところ、図3に
示されているように、腎管様の構造が認められた。この
実験事実は、実施の第1形態の細胞培養方法によって細
胞の培養を行うことにより、3次元的な構造を有する組
織を構築することができることを示している。
器の製造に適用可能である。この場合、培養容器2に封
入される培養細胞として、目的とする臓器に分化可能な
細胞が封入される。封入された細胞が2軸回転されなが
ら培養され、3次元的な構造を有する人工臓器が形成さ
れる。
2軸回転されているが、培養容器2は、更に多くの回転
軸の回りに回転されることも可能である。この場合で
も、2軸回転の場合と同様に、培養容器2の回転により
培養細胞塊に働く重力の方向が分散され、各細胞があら
ゆる方向に向けて増殖・進展することができるようにな
り、培養細胞塊の3次元的な培養が可能になる。また、
n軸回転により、培養容器2の内部に発生する液流の剪
断力が小さくなり、培養細胞塊の剥離と個々の細胞の遊
離を防ぐ。培養容器2が2軸よりも多くの回転軸の回り
に回転された状態で細胞塊を培養することにより、3次
元的な構造を有する組織の構築が実現される。
法の実施の第2形態では、実施の第1形態と同様に、培
養液で満たされた培養容器が2軸回転され、その培養容
器の内部で細胞塊が培養される。実施の第2形態では、
新鮮な培養液が2軸回転される培養容器に逐次に供給さ
れた状態で培養が行われ、長期間の培養が可能である。
の第2形態で使用される細胞培養装置50を示す。細胞
培養装置50は、3次元クリノスタット11、培養容器
12、培養液タンク13、及びポンプ14を備えてい
る。3次元クリノスタット11は、培養容器12を2軸
回転する。培養容器12の内部には、培養液と、培養さ
れる細胞塊とが封入される。培養される細胞塊は、培養
容器12には固定されず、培養液の中に浮遊される。培
養液には、所望の組織への分化を促進するために、アク
チビンのような分化因子が添加される。
されるべき培養液を蓄積する。ポンプ14は、培養液タ
ンク13に蓄積された培養液を、培養容器12に圧出し
て供給する。培養容器12に供給された培養液は、培養
液タンク13に戻される。細胞塊を培養する培養液は、
循環的に使用されることになる。
体の濃度を調節する気体濃度調整機能を有することが好
ましい。培養液に含まれる酸素及び二酸化炭素の濃度の
最適化は、細胞塊の培養の上で重要である。培養液に含
まれる気体、特に、酸素及び二酸化炭素の濃度を調整す
ることにより、細胞塊をより好ましい環境で培養するこ
とが可能である。より具体的には、培養液タンク13が
ガス交換可能な材質で形成され、且つ、培養液タンク1
3の周囲の雰囲気が調整される。これにより、培養液に
含まれる気体を所望の濃度に調節することが可能であ
る。
養容器12に供給するために、実施の第1形態の3次元
クリノスタット1とは異なる構成を有する。3次元クリ
ノスタット11は、本体15を備えている。本体15に
は、支柱16aと支柱16bとが接合されている。支柱
16aは、外側フレーム17を回転可能に支持する。支
柱16bには、ロータリージョイント18とモータ19
とが接合されている。ロータリージョイント18は、外
側フレーム17を回転可能に支持する。モータ19は、
ギア、ベルトのような動力伝達機構(図示されない)を
介して外側フレーム17を駆動し、外側フレーム17を
回転軸18aの回りに回転する。
ント20とモータ21とが接合されている。ロータリー
ジョイント20は、内側フレーム22を回転可能に支持
する。モータ21は、ギア、ベルトのような動力伝達機
構(図示されない)を介して内側フレーム22を駆動
し、内側フレーム22を回転軸20aの回りに回転す
る。
2が接続される。培養容器12は、回転軸18aと回転
軸20aとの交点の近傍にある。培養容器12は、内側
フレーム22と同体に回転する。外側フレーム17と内
側フレーム22とがそれぞれ回転されると、培養容器1
2は、2軸回転する。
供給は、ロータリージョイント18とロータリージョイ
ント20とを介して行われる。ポンプ14が送り出す新
鮮な培養液は、供給管23を介してロータリージョイン
ト18に到達する。ロータリージョイント18は、供給
管23から送られる培養液を、外側フレーム17と同体
に回転する供給管24に導入する。更に、ロータリージ
ョイント20は、供給管24に送られた培養液を、内側
フレーム22と同体に回転する供給管25に導入する。
供給管25は培養容器12に接続され、供給管25から
培養液が培養容器12に供給される。
3への培養液の排出は、ロータリージョイント18とロ
ータリージョイント20とを介して行われる。培養容器
12は、排出管26に培養液を排出する。排出管26に
排出された培養液は、ロータリージョイント20を介し
て、外側フレーム17と同体に回転する排出管27に導
入される。排出管27に導入された培養液は、ロータリ
ージョイント18を介して、静止系に置かれている排出
管28に導入される。排出管28を介して培養液が培養
液タンク13に戻される。
に示す。ロータリージョイント18は、固定部29と回
転部30とを含む。固定部29と回転部30とは、径の
異なる円柱体であり、回転部30は、固定部29に回転
自在に挿入されている。固定部29は支柱16bに固着
され、回転部30は外側フレーム17に固着されてい
る。
は、シール31、32により、第1液導入室33と第2
液導入室34とが形成されている。第1液導入室33と
第2液導入室34とは、シール31により分離されてい
る。第2液導入室34は、シール32により外部からの
気密が保たれている。第1液導入室33には、ポンプ1
4に接続されている供給管24が接続され、第2液導入
室34には、培養液タンク13に接続されている排出管
排出管27が接続されている。
する第1穴35と、第2液導入室34に開口する第2穴
36とが設けられている。第1穴35は、供給管24に
接続され、第2穴36は、排出管27に接続される。
ント18は、支柱16bと外側フレーム17とがなす角
度に関わらず、供給管23と供給管24とを接続し、且
つ、排出管27と排出管28とを接続する。
ジョイント18と同様の構成を有しており、外側フレー
ム17と内側フレーム22とがなす角度に関わらず、供
給管24と供給管25とを接続し、排出管26と排出管
27とを接続する。
ロータリージョイント20とを介して、3次元クリノス
タット11の外部から培養容器12に培養液が供給さ
れ、更に、培養容器12から3次元クリノスタット11
の外部に培養液が排出される。
る場合、培養液が流れ込むことにより、培養容器12の
内部で液流の乱れが発生し得る。液流の乱れは、細胞塊
の分散を招き、3次元的な組織の構築の障害になり得
る。これに対応するために、培養容器12は、この液流
の乱れによる影響を抑制するような構造を有している。
2の内部は、隔壁37により、流路室38と培養室39
とに分離されている。流路室38には、培養液を供給す
る供給管25と、培養液を排出する排出管26とが接続
されている。隔壁37には、多数の穴(図示されない)
が設けられ、その穴を通じて、流路室38と培養室39
とで培養液の交換が行われる。培養室39には、細胞塊
40が浮遊状態で収められ、細胞塊40の培養は、培養
室39の内部で行われる。
は、細胞塊40の培養が行われる培養室39には、直接
には培養液が流入しない。これにより、培養容器12に
培養液が流入することによる液流の乱れが、細胞塊40
の培養に及ぼす影響が抑制される。
態は、実施の第1形態と同様に、3次元的な構造を有す
る組織を構築することができる。実施の第2形態では、
更に、長期間にわたる細胞の培養が可能である。
れる培養液は循環されているが、培養容器12から排出
された培養液が、そのまま捨てられることも可能であ
る。この場合、培養容器12から培養液が排出される排
出管28は、培養液タンク13に接続されない。
法の実施の第3形態は、人工臓器の製造に特に好適に適
用される。
態は、培養液で満たされた培養容器が2軸回転され、そ
の培養容器の内部で細胞が培養される点では、実施の第
1形態及び第2形態と同じである。
第2形態と異なり、細胞塊は、培養容器に固定された人
工基質に付着されて培養される。実施の第3形態では、
3次元的に重力が印加され、3次元的構造をもつ人工基
質に均一に細胞付着する等の3次元的な培養が可能にな
る。また、培養容器が2軸回転されて発生する流体攪拌
による剪断力は小さく、付着・凝集した細胞がバラバラ
になることや、損傷することが防がれる。
大型の人工臓器の構築を可能にする。大型の人工臓器を
構築するためには、大型の細胞塊を培養することが必要
である。しかし、大型の細胞塊を完全な浮遊状態に保つ
ことは困難であり、細胞塊が大型化すると細胞塊に損傷
が加わりやすい。細胞塊が、培養容器に固定された人工
基質の上に培養されることにより、細胞塊の損傷が防が
れ、大型の細胞塊の培養が可能になる。このとき人工基
質は、細胞塊を固定的に支持すると共に、細胞塊の培養
の骨格となり、人工臓器の一部を構成する。
用される培養容器12の代わりに、図7に示された培養
容器41が使用される。培養容器41は、隔壁42によ
り、流路室43と培養室44とに分離される。流路室4
3には、培養液を供給する供給管25と、培養液を排出
する排出管26とが接続される。隔壁42には、多数の
穴(図示されない)が設けられ、その穴を通じて、流路
室43と培養室44とで培養液の交換が行われる。
工基質支持部46、47とが収納される。人工基質45
は、例えばスポンジコラーゲンにより形成される。人工
基質45は細胞塊(図示されない)を培養する骨格とな
り、細胞塊は、人工基質45に付着した状態で培養され
る。人工基質支持部46、47は、人工基質45を培養
容器41の内壁に固定的に保持する。人工基質45と人
工基質支持部46、47とにより、培養される細胞塊
は、培養液中に固定的に保持される。
態の他の構成は、実施の第2形態と同一でありその詳細
な説明は行われない。
織の構築が行われる。培養される細胞が、人工基質45
に付着される。人工基質45が人工基質支持部46、4
7により培養室44の内壁に固定され、更に、培養容器
41の内部は培養液で満たされる。培養容器41が、3
次元クリノスタット11により2軸回転され、培養が開
始される。培養の間、ポンプ14は、培養液タンク13
から培養液を培養容器41に供給し、培養容器41から
排出される培養液は、培養液タンク13に戻される。培
養室44の内部では、培養液が三次元的に流れ、更に、
重力が人工基質45に対して全ての方向から印加され
る。これにより、細胞が人工基質45の表面に3次元的
に増殖する。
体は、人工臓器として培養容器41から取り出される。
構築された人工臓器を、体内に移植し、或いは、体外に
設置することにより、臓器の機能の再生及び修復が可能
である。
に示されているように、人工基質管48が人工基質45
に設けられることが好ましい。この人工基質管48の一
端は、図4に示された供給管25に接続され、他端は、
排出管26に接続され、人工基質管48の内部には、培
養液が通される。人工基質45に構築される組織が大型
化すると、増殖に必要な物質を、組織の内部に供給する
ことが困難になる。その内部に培養液が通された人工基
質管48は、人工血管として作用し、組織の内部に増殖
に必要な物質が供給される。人工基質管48が設けられ
る場合、人工基質管48が人工基質45を支持すること
が可能であり、図8に示されているように、人工基質支
持部46、47は、必ずしも設けられる必要がない。
態は、実施の第1形態及び第2形態と同様に、3次元的
な構造を有する組織を構築することができる。実施の第
3形態では、更に、大型の組織の構築が可能である。
元的な構造を有する組織を構築するための実用的な技術
が提供される。
3次元的な構造を有する組織を構築するときに、細胞の
分散が防がれる技術が提供される。
3次元的な構造を有する組織を構築するときに、長期の
細胞の培養を可能にする技術が提供される。
3次元的な構造を有する組織を構築するときに、細胞の
培養の環境を最適化する技術が提供される。
て、大型、且つ、3次元的な構造を有する組織を構築す
る技術が提供される。
1形態を示す。
培養された細胞塊の外観写真である。
培養された細胞塊の断面写真である。
2形態を示す。
3形態で使用される培養容器42を示す。
Claims (9)
- 【請求項1】 培養液と培養細胞とを培養容器に封入し
て、前記培養液の中に前記培養細胞を浮遊した状態で保
持することと、 前記培養容器をn軸回転(nは2以上の整数)すること
とを備えた細胞培養方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の細胞培養方法におい
て、 前記培養液の粘度は、前記培養容器がn軸回転されてい
る間に前記培養細胞が前記培養容器に接触しないように
調整された細胞培養方法。 - 【請求項3】 培養液と、培養細胞が付着された人工基
質と、前記人工基質を固定して保持する保持部とを培養
容器に封入することと、 前記培養容器をn軸回転(nは2以上の整数)すること
とを備えた細胞培養方法。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれか一の請
求項に記載の細胞培養方法において、 更に、前記培養細胞の分化を促進することを備えた細胞
培養方法。 - 【請求項5】 培養液と培養細胞とを培養容器に封入し
て、前記培養液の中に前記培養細胞を浮遊した状態で保
持することと、 前記培養容器をn軸回転(nは2以上の整数)した状態
で前記培養細胞を培養し、人工臓器を形成することとを
備えた人工臓器製造方法。 - 【請求項6】 請求項5に記載の人工臓器製造方法にお
いて、 前記培養液の粘度は、前記培養容器がn軸回転されてい
る間に前記培養細胞が前記培養容器に接触しないように
調整された人工臓器製造方法。 - 【請求項7】 培養液と、培養細胞が付着された人工基
質と、前記人工基質を固定して保持する保持部とを培養
容器に封入することと、 前記培養容器をn軸回転(nは2以上の整数)した状態
で前記培養細胞を培養することと、 前記培養細胞が培養された後、培養された前記培養細胞
と前記人工基質とで構成される構造体を、人工臓器とし
て取り出すこととを備えた人工臓器製造方法。 - 【請求項8】 請求項5から請求項7のいずれか一の請
求項に記載の人工臓器製造方法において、 更に、前記培養細胞の分化を促進することを備えた細胞
培養方法。 - 【請求項9】 請求項4から請求項8のいずれか一の請
求項に記載の人工臓器製造方法により形成された人工臓
器。
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