JP2003069118A - レーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工装置

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JP2003069118A
JP2003069118A JP2001259040A JP2001259040A JP2003069118A JP 2003069118 A JP2003069118 A JP 2003069118A JP 2001259040 A JP2001259040 A JP 2001259040A JP 2001259040 A JP2001259040 A JP 2001259040A JP 2003069118 A JP2003069118 A JP 2003069118A
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Takashi Akaha
崇 赤羽
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 パルスレーザ光のパルス幅を短くして熱影響
を少なくし、また、加工対象に応じてパルスレーザ光の
パルス幅やピーク出力を調整することが可能なレーザ加
工装置を提供する。 【解決手段】 パルスレーザ発振装置11から出力した
パルスレーザ光を光伝送手段で伝送してワークに照射す
ることにより同ワークを加工するレーザ加工装置におい
て、パルスレーザ発振装置は、レーザ媒質1の両側に高
反射率ミラーを配設してなる共振器間にQスイッチ素子
及びキャビティダンプ素子を配設し、レーザ光を共振器
内に完全に閉じ込めた状態でQスイッチ発振を行わせ、
共振器内に蓄積されたパルスレーザ光のピークレベル近
傍で、続けてキャビティダンプ素子を動作させてキャビ
ティダンプを行なわせることにより、共振器内部に蓄積
されたエネルギーを瞬間的に外部に取り出すように構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ加工装置に関
し、パルスレーザ光による薄膜加工などに適用して有用
なものである。
【0002】
【従来の技術】透明電極などに利用されるITO膜やA
l膜等の金属膜などの加工を行う現状のレーザ加工装置
においては、レーザ発振装置として低出力用には音響光
学素子を用いたAO−Qスイッチを、高出力用には電気
光学結晶を用いたEO−Qスイッチを1台又は2台用い
たパルスレーザ発振装置が用いられている。
【0003】例えば半導体レーザを励起光源としたYA
Gレーザ発振装置などの固体レーザ装置では、半導体レ
ーザの励起パワーが小さいため、Qスイッチ発振を用い
て大きなピークパワーのパルスレーザ光を得ている。即
ち、レーザ媒質を励起媒体で励起し続けると、反転分布
が大きくなり、共振器の損失をレーザの利得が上回った
ときにレーザ発振が起こるが、このレーザ発振が起こる
前に共振器の損失をさらに大きくしておくと、反転分布
(反転分布密度)は増大するが、損失が大きくてレーザ
発振を起こす迄には至らない。この状態で急激に短時間
の間に損失を小さくすると、レーザの利得が大きくなっ
ているので、短時間でレーザ発振が起こり、パルス幅が
小さくて大きなエネルギーをもつパルスレーザ出力とな
る。これをQスイッチ発振と呼んでいる。
【0004】図15はQスイッチ発振を行う現状のパル
スレーザ発振装置の構成図である。図15に示すパルス
レーザ発振装置は半導体レーザ励起固体レーザ発振装置
であり、YAGレーザロッド等のレーザ媒質1に対し
て、励起光源である半導体レーザ2から、励起光として
半導体レーザ光を照射する。レーザ媒質1の両端面側に
はそれぞれ高反射率ミラー3及び部分反射ミラー4が配
設してあり、これらで共振器を形成している。共振器で
挟まれた空間(キャビティ)内には、電気光学結晶で形
成したQスイッチ素子5が偏光ビームスプリッタ6及び
1/4波長(以下、λと表記する)板7とともに配設し
てある。ここで、半導体レーザ2は駆動電源8によりC
W(連続波)動作又はQ−CW(準連続波)動作され
る。また、Qスイッチ素子5は高電圧パルサ9で1/4
λのパルス電圧が供給されたとき、1/4λ板として機
能する。また、偏光ビームスプリッタ6はP偏光を透過
し、S偏光を反射するものを用いている。
【0005】かかるパルスレーザ発振装置において、半
導体レーザ2の励起光によりレーザ媒質1を励起する
と、このレーザ媒質1から光が放射される。この放射光
のうちS偏光成分は偏光ビームスプリッタ6で反射され
て外部に排出される。一方、直線偏光のうちP偏光成分
はQスイッチ素子5及び1/4λ板7を介して高反射率
ミラー3に入射し、この高反射率ミラー3で反射され、
再度1/4λ板7及びQスイッチ素子5を介して偏光ビ
ームスプリッタ6に至る。ここで、Qスイッチ素子5に
電圧が印加されていないときには、偏光ビームスプリッ
タ6を透過したP偏光は単にここを通過するだけである
ため、高反射率ミラー3で反射されて1/4λ板7を往
復することによりS偏光となる。このS偏光はQスイッ
チ素子5を介して偏光ビームスプリッタ6に至り、ここ
で反射されて外部に排出される。すなわち、かかる状態
ではキャビティ内の損失が大きいためレーザ発振は行わ
れない。
【0006】一方、高圧パルサ9で1/4λ電圧のパル
ス電圧(その波形を図16(a)に示す)を印加すると
Qスイッチ素子5は1/4λ板として機能する。この結
果、偏光ビームスプリッタ6を透過したP偏光はQスイ
ッチ素子5及び1/4λ板7を往復することにより一回
転してP偏光となる。このP偏光は偏光ビームスプリッ
タ6を透過してレーザ媒質1に入射し共振器内で往復増
幅される。この結果、急激に損失が小さくなるので、そ
の分レーザの利得が大きくなって、レーザ媒質1内の損
失等で決まる一定の遅延時間の経過後、大きなピークを
もつ短パルスのレーザ光(その波形を図16(b)に示
す)が部分反射ミラー4を透過して外部に取り出され
る。即ち、Qスイッチ発振により大きなピーク値の短パ
ルスレーザ光を得る。このときのパルスレーザ光のパル
ス幅は例えば図16(b)に示すように数10ns〜1
00nsとなる。そして、このパルスレーザ光をワーク
に照射して所定の加工を行う。例えば、ITO膜の所定
位置にパルスレーザ光を照射して当該部分を剥離するこ
とにより、所定の形状の透明電極を形成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】現状のパルスレーザ発
振装置は上記のようにQスイッチを用いた構成となって
おり、その出力特性はQスイッチに依存したものとなっ
ている。これに対して、一般的に薄膜加工などではパル
スレーザ光の平均出力とピーク出力及びパルス幅(レー
ザ光照射時間)をパラメータにして、その加工性や加工
品質が決まる。このため、加工対象によっては、パルス
レーザ発振装置のもつQスイッチに依存した出力特性で
は剥離等の加工が困難なものもあり、特にパルス幅は加
工対象に熱影響を及ぼす点で大きな問題となっている。
【0008】即ち、加工対象に対する照射時間を短くし
て熱影響を少なくするためにパルスレーザ光のパルス幅
を例えば10ns程度に短くしようとしても、現状のQ
スイッチを用いたパルスレーザ発振装置では対応するこ
とができない。また、加工対象(薄膜等)の種類によっ
て最適なパルス幅やピーク出力は異なるため、単にパル
ス幅を短くするだけでなく、加工対象に応じてパルスレ
ーザ光のパルス幅やピーク出力が最適となるように調整
できることが望まれる。
【0009】従って、本発明は上記の事情に鑑み、パル
スレーザ光のパルス幅を短くして熱影響を少なくするこ
とができ、また、加工対象に応じてパルスレーザ光のパ
ルス幅やピーク出力を調整して、更に熱影響が少なく・
品質の良い加工ができるレーザ加工装置を提供すること
を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する第1
発明のレーザ加工装置は、パルスレーザ発振装置を有
し、このパルスレーザ発振装置から出力したパルスレー
ザ光を光伝送手段で伝送して加工対象のワークに照射す
ることにより同ワークを加工するように構成したレーザ
加工装置において、パルスレーザ発振装置は、レーザ媒
質、これを励起する励起用光源及びレーザ媒質が放射し
た光を往復増幅する共振器を有してパルスレーザ光を得
る構成であって、レーザ媒質の両側に高反射率ミラーを
それぞれ配設してなる共振器間にQスイッチ素子及びキ
ャビティダンプ素子を配設し、レーザ光を共振器内に完
全に閉じ込めた状態でQスイッチ発振を行わせ、共振器
内に蓄積されたパルスレーザ光のピークレベル近傍で、
続けてキャビティダンプ素子を動作させてキャビティダ
ンプを行なわせることにより、共振器内部に蓄積された
エネルギーを瞬間的に外部に取り出すように構成したこ
とを特徴とする。
【0011】また、第2発明のレーザ加工装置は、第1
発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、Qスイッチ素子とキャビティダンプ素子をレーザ媒
質の両側に振り分けて配設する一方、Qスイッチ素子と
キャビティダンプ素子とのそれぞれに隣接させて偏光ビ
ームスプリッタを配設し、Qスイッチ発振により増幅さ
れたレーザ光をキャビティダンプして外部に出力するこ
とができるように構成したことを特徴とする。
【0012】また、第3発明のレーザ加工装置は、第2
発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、Qスイッチ素子とキャビティダンプ素子とを何れも
電気光学結晶で形成したことを特徴とする。
【0013】また、第4発明のレーザ加工装置は、第2
発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、Qスイッチ素子を音響光学結晶で形成したことを特
徴とする。
【0014】また、第5発明のレーザ加工装置は、第2
発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、当該発振装置の出力レーザ光のスペクトル幅よりも
狭い連続波レーザ光を放射する種光レーザを追加し、こ
の種光レーザが出力する種光を偏光ビームスプリッタで
共振器側に反射して取り込むように構成したことを特徴
とする。
【0015】また、第6発明のレーザ加工装置は、第2
発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、半導体レーザ励起固体レーザ装置であることを特徴
とする。
【0016】また、第7発明のレーザ加工装置は、第1
発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、Qスイッチ素子、キャビティダンプ素子及び偏光ビ
ームスプリッタをレーザ媒質の片側に配設する一方、Q
スイッチ発振により増幅されたレーザ光をキャビティダ
ンプして外部に出力することができるように構成したこ
とを特徴とする。
【0017】また、第8発明のレーザ加工装置は、第1
発明又は第7発明の何れか一つに記載するレーザ加工装
置において、パルスレーザ発振装置は、Qスイッチ素子
とキャビティダンプ素子とを何れも電気光学結晶で形成
したことを特徴とする。
【0018】また、第9発明のレーザ加工装置は、第1
発明又は第7発明の何れか一つに記載するレーザ加工装
置において、パルスレーザ発振装置は、Qスイッチ素子
を音響光学結晶で形成したことを特徴とする。
【0019】また、第10発明のレーザ加工装置は、第
1発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装
置は、Qスイッチ素子及びキャビティダンプ素子を一個
の電気光学結晶で形成し、この電気光学結晶に供給する
パルス電圧の立ち上がりでQスイッチ発振を行わせると
ともに、その立ち下がりでキャビティダンプを行わせる
ように構成したことを特徴とする。
【0020】また、第11発明のレーザ加工装置は、第
8発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装
置は、キャビティダンプ素子に印加する電圧の大きさ、
又はこの電圧の立ち上がり時間を可変とすることによ
り、印加する電圧に対応して出力レーザ光のパルス幅を
調節することができるように構成したことを特徴とす
る。
【0021】また、第12発明のレーザ加工装置は、第
10発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振
装置は、キャビティダンプ素子に印加するパルス電圧の
立ち下がり時間を可変とすることにより、印加するパル
ス電圧に対応して出力レーザ光のパルス幅を調節するこ
とができるように構成したことを特徴とする。
【0022】また、第13発明のレーザ加工装置は、第
1発明又は第7発明乃至第12発明の何れか一つに記載
するレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、当該発振装置の出力レーザ光のスペクトル幅よりも
狭い連続波レーザ光を放射する種光レーザを追加し、こ
の種光レーザが出力する種光を偏光ビームスプリッタで
共振器側に反射して取り込むように構成したことを特徴
とする。
【0023】また、第14発明のレーザ加工装置は、第
1発明又は第7発明乃至第13発明の何れかに一つに記
載するレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、半導体レーザ励起固体レーザ装置であることを特徴
とする。
【0024】また、第15発明のレーザ加工装置は、第
1発明又は第7発明乃至第14発明の何れかに一つに記
載するレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、当該発振装置の出力レーザ光のスペクトル幅よりも
狭い連続波レーザ光を放射する種光レーザと、この種光
レーザが出力する種光を共振器側に反射する偏光ビーム
スプリッタと、この偏光ビームスプリッタで反射した種
光を所定角度回転するとともに、上記出力レーザ光が上
記偏光ビームスプリッタを介して外部に透過するように
この出力レーザ光も所定角度回転する光回転手段とを有
し、出力レーザ光と同一光路を介して種光を共振器内に
入射させることができるように構成したことを特徴とす
る。
【0025】また、第16発明のレーザ加工装置は、第
15発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振
装置の光回転手段はファラデローテータ及び1/2波長
板で形成したことを特徴とする。
【0026】また、第17発明のレーザ加工装置は、第
1発明乃至第16発明の何れか一つに記載するレーザ加
工装置において、パルスレーザ発振装置から出力したパ
ルスレーザ光を1つ又は複数の波長変換素子で所定の波
長に変換し、この波長変換したパルスレーザ光を光伝送
手段で伝送して加工対象のワークに照射することにより
同ワークを加工するように構成したことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。なお、各図中、図15と同一
部分には同一番号を付し、また、各図において相互に同
一な部分にも同一番号を付して重複する説明は省略す
る。
【0028】<実施の形態1>図1は本発明の実施の形
態1に係るレーザ加工装置の構成図である。同図に示す
ように、本実施の形態1のレーザ加工装置ではパルスレ
ーザ発振装置11を備えており、このパルスレーザ発振
装置11は、詳細は後述するが、短いパルス幅のパルス
レーザ光2を出力することができ、また、そのパルス幅
やピーク出力の調整を行うこともできるものである。パ
ルスレーザ発振装置11から出力されたパルスレーザ光
12は、集光レンズ等を備えてなる入射光学系13によ
って光ファイバ14に入射し、この光ファイバ4によっ
てXYテーブル16の近傍に配設されている加工光学系
15まで伝送される。そして、光ファイバ14から出た
パルスレーザ光12は、集光レンズ等を備えてなる加工
光学系15により集光されて、XYテーブル16に搭載
された加工対象のワーク17へ照射される。
【0029】かくして、ワーク17には点状のレーザ加
工(薄膜の剥離等)が施され、この点状のレーザ加工を
等ピッチで行うことにより、全体として線状の加工を施
すことができる。例えば図2に示すようにワーク17の
A点からB点まで等ピッチΔxで点状のレーザ加工を行
うことにより、これらの点状加工部12が連続して線状
となる。なお、図2では矢印D方向がXYテーブル16
によるワーク17の移動方向であり、その逆の矢印C方
向が加工方向である。
【0030】図1に示すようにXYテーブル16は走行
系としてリニアモータ等の駆動装置19を備えており、
この駆動装置19によって水平面内をX軸方向及びY軸
方向に高速移動可能となっている。このXYテーブル6
(ワーク17)のX軸方向及びY軸方向の移動位置は、
それぞれの移動方向に沿って配設した位置検出手段とし
ての2台のリアルタイムエンコーダ18によって検出す
る。このリアルタイムエンコーダ18は、微細な位置情
報が得られる高分解能のリニアエンコーダ(リニアスケ
ール)である。リアルタイムエンコーダ18の位置検出
信号はコントローラ20に入力され、コントローラ20
では、このリアルタイムエンコーダ18からの位置検出
信号に基づいて駆動装置19の駆動制御を行うことによ
り、XYテーブル16(ワーク17)の位置決めを行
う。
【0031】ここで図3及び図4に基づき、パルスレー
ザ発振装置11について詳細に説明する。図3はパルス
レーザ発振装置の構成図、図4はパルスレーザ発振装置
の各部の波形図である。
【0032】図3に示すように、パルスレーザ発振装置
11は、図15に示す従来のパルスレーザ発振装置の共
振器間にキャビティダンプ用のキャビティダンプ素子3
0及び偏光ビームスプリッタ31を追加したものであ
る。キャビティダンプ素子30及び偏光ビームスプリッ
タ31はレーザ媒質1に対してQスイッチ素子5及び偏
光ビームスプリッタ6の反対側に配設してある。即ち、
Qスイッチ素子5とキャビティダンプ素子30とをレー
ザ媒質1の両側に振り分けて配設し、Qスイッチ素子5
とキャビティダンプ素子30とのそれぞれに隣接させて
偏光ビームスプリッタ6,31を配設している。キャビ
ティダンプ素子30はQスイッチ素子5と同様の電気光
学結晶で形成してあり、偏光ビームスプリッタ31は偏
光ビームスプリッタ6と同様にP偏光を透過してS偏光
を反射するものである。
【0033】キャビティダンプ素子30には高電圧パル
サ9と同様の高電圧パルサ32でパルス状の1/4λ電
圧が印加される。1/4λ電圧が印加されたキャビティ
ダンプ素子30は1/4λ板として機能する。電気光学
結晶は結晶への電圧印加に比例して内部の屈折率が変化
する一次電気効果を有するものであり、この特性によっ
てレーザ光のx方向及びy方向成分に位相差が生じる。
したがって、印加電圧を適当な大きさに設定することに
より上記位相差を制御して、偏光状態を変化させること
ができる。
【0034】高電圧パルサ9,32がQスイッチ素子5
及びキャビティダンプ素子30にパルス状の1/4λ電
圧を印加するタイミングは、マスタパルサ33が出力す
るトリガパルスで制御する。具体的には、Qスイッチ素
子5を動作させてQスイッチ発振を行った後、その発振
パルスレーザ光がピークレベルに達したときキャビティ
ダンプ素子30を動作させてキャビティダンプを行なう
ようなタイミングに制御する。これは、例えば共振器内
を往復するレーザ光を、フォトダイオード等で検出する
ことにより容易に制御することができる。このときの検
出光は、例えばフォトダイオードを高反射率ミラー3,
14の裏面等に配設することにより、これらから漏出す
るレーザ光を利用し得る。また、Qスイッチ発振による
発振パルスレーザ光が、Qスイッチ素子5の動作時点か
らピークレベルに達するまでの時間は素子に固有のもの
であり、一度これを実測しておけば、高電圧パルサ9,
30に供給するトリガパルス間の遅延時間は一義的に決
定される。従って、この遅延時間を回路的に確保してや
れば良い。
【0035】また、本実施の形態1においては、共振器
間を往復する光が急激に立ちあがるように共振器ミラー
は何れも反射率が100%の高反射率ミラー3、14で
形成している。
【0036】かかる構成のパルスレーザ発振装置11で
は、マスタパルサ33のトリガパルスで高電圧パルサ9
を動作させることによりQスイッチ素子5にパルス状の
1/4λ電圧(図4(a)参照)を印加すれば、図15
に示す従来のパルスレーザ発振装置と同様の態様で高反
射率ミラー3,34間をレーザ光が往復して増幅され
る。すなわち、Qスイッチ発振が起こる。この結果、一
定の遅延時間の経過後、共振器内のレーザ光(図4
(b)参照、なお、この図4(b)中の点線はキャビテ
ィダンプがない場合の当該レーザ光の波形である)は急
激に立ち上がるパルスレーザ光となる。
【0037】次に、このパルスレーザ光のレベルがピー
クになった時点でマスタパルサ33のトリガパルスによ
り高電圧パルサ32を動作してキャビティダンプ素子3
0にパルス状の1/4λ電圧(図4(c)参照)を印加
する。このことにより、Qスイッチ発振により共振器内
に閉じ込められていたレーザ光が偏光ビームスプリッタ
31を介して一気に外部に取り出される。すなわち、キ
ャビティダンプにより高いピークを有する短パルス幅
(例えば10nS程度)のパルスレーザ光(図4(d)
参照)を得る。このパルスレーザ光の波長は例えばレー
ザ媒質1がYAGレーザロッドの場合には1064nm
となる。
【0038】更に詳言すると、レーザ光はQスイッチ発
振により共振器間で往復増幅を始め、ある程度の増幅時
間後には共振器間のレーザ出力が充分大きくなり、その
間に溜め込んだ利得を使い一気に出力が増幅される。従
来は、共振器ミラーの片方を部分反射ミラー4(図15
参照)として共振器間のレーザ光の一部をレーザ光とし
て取り出していたが、本実施の形態1ではレーザ光の損
失を減らし、一気に共振器間の光強度を増幅するため、
100%に近い反射率の高反射率ミラー3,34を用い
ており、高反射率ミラー3,34間でレーザ光を往復増
幅する。
【0039】レーザ光が共振器間で往復増幅を行ってい
る間はキャビティダンプ素子30である電気光学結晶は
何の動作も行わない。この結果、レーザ光はこの電気光
学結晶(キャビティダンプ素子30)により何の変化も
受けず、共振器間で往復する。そして、共振器間で光強
度が最大となった時点でこの電気光学結晶(キャビティ
ダンプ素子30)に1/4λ電圧に等しい高電圧パルス
が印加されると、これによりレーザ媒質1から高反射率
ミラー34に向かうレーザ光は偏光が変化し、高反射率
ミラー34で折り返して電気光学結晶(キャビティダン
プ素子30)を通過することでこの電気光学結晶(キャ
ビティダンプ素子30)が1/2λ板として機能する。
【0040】この結果、P偏光であったレーザ光は90
°回転してS偏光になる。このS偏光のレーザ光は偏光
ビームスプリッタ31で反射されて外部に出力される。
このときの電気光学結晶(キャビティダンプ素子30)
の動作はレーザ媒質1側からみれば、大きな損失になる
ため、光の増幅はこの動作でストップし、このときに共
振器間の空間に存在したレーザ光が外部に取り出される
ことになる。従って、取り出されるレーザ光のパルス幅
は t=2L/c L:共振器間隔 c:光速 で規定される短いものになり、その分大きなピークレベ
ルを有するものとなる。なお、実際には電気光学結晶に
印加する電圧の有限の時間から上記時間tに較べパルス
幅は長くなる。
【0041】図5,図6及び図7はキャビティダンプ素
子30に印加する電圧の大きさ、又はこの電圧の立ち上
がり時間を可変とすることにより、印加する電圧に対応
して出力パルスレーザ光のパルス幅を調節することがで
きることを示してたものである。図6乃至図8中、
(a)はキャビティダンプ素子30に印加する電圧の波
形、(b)はQスイッチ発振によるレーザ光の波形(な
お、図中の点線はキャビティダンプがない場合の当該レ
ーザ光の波形である)、(c)はキャビティダンプによ
る出力パルスレーザ光の波形をそれぞれ示している。
【0042】そして、図5がキャビティダンプ素子30
に急峻に立ち上がる1/4λ電圧を印加した場合、図6
がキャビティダンプ素子10に急峻に立ち上がる1/4
λ電圧未満の電圧を印加した場合、図7がキャビティダ
ンプ素子30に緩やかに立ち上がる1/4λ電圧を印加
した場合のそれぞれの波形を示している。図5の場合に
は、同図(c)に示すようにパルス幅が10nS未満で
急峻に立ち上がるピーク値が最も大きい出力パルスレー
ザ光を得ている。これに対し、図6及び図7の場合に
は、それぞれの(c)に示すようにパルス幅が10nS
を越え、ピーク値もその分低下した出力パルスレーザ光
を得ている。
【0043】キャビティダンプにより得る出力パルスレ
ーザ光のピーク値(パルス幅)を、図5乃至図7に示す
ように制御する原理は次の通りである。この原理を図8
に基づき説明する。なお、図8の下部に示す(1)〜
(4)の各偏光は、図8の上部に示す構成図中において
同一の番号を付した各部分の偏光である。
【0044】電気光学結晶であるキャビティダンプ素子
30は、結晶への電圧印加に比例して内部の屈折率が変
化し、レーザ光のxy各方向成分に位相差を生じさせる
ことができるので、印加電圧を適当な大きさに設定する
ことによってこの位相差を制御し、偏光状態を変化させ
ることができる。従って、キャビティダンプ素子30に
1/4λ電圧を印加した場合には、このキャビティダン
プ素子30は、これを往復するレーザ光に対して1/2
λ板として機能し、P偏光(図8の(1)参照)であっ
たレーザ光を90°回転したS偏光(図8の(3)参
照)とする。このため、この場合には全成分が偏光ビー
ムスプリッタ31で外部に反射される。
【0045】一方、キャビティダンプ素子30への印加
電圧が1/4λ電圧に満たない場合、又は、1/4λ電
圧に向けて緩やかに上昇している過渡期の場合には、だ
円偏光(図8の(2)参照)となり、このだ円偏光のS
偏光成分(図8の(3)参照)のみが、偏光ビームスプ
リッタ31で反射されて、外部に取り出される。このと
きのP偏光成分(図8の(4)参照)は偏光ビームスプ
リッタ31を透過して再度レーザ媒質1(図3参照)に
入射する。ここで、だ円偏光のP偏光成分とS偏光成分
の割合はキャビティダンプ素子30に対する印加電圧に
比例し、また外部に取り出したレーザ光のピーク値(パ
ルス幅)はS偏光成分の大きさに比例するので、キャビ
ティダンプ素子30に印加する電圧の調整により出力パ
ルスレーザ光のピーク値(パルス幅)を連続的に変化さ
せることができる。
【0046】以上のことから、本実施の形態1によれ
ば、パルスレーザ光12のパルス幅を10ns程度に短
くして加工対象に対する熱影響を少なくすることがで
き、また、加工対象に合ったパルス幅やピーク出力のパ
ルスレーザ光12によって加工できるため、これまでに
加工できなかった加工対象も加工できるようになり、更
に熱影響の少ない・品質のよい加工が可能となる。
【0047】<実施の形態2>図9は本発明の実施の形
態2に係るパルスレーザ発振装置の構成図である。同図
に示すように、本実施の形態2に係るパルスレーザ発振
装置11は、図3に示す実施の形態1のパルスレーザ発
振装置11とはキャビティダンプ素子30の位置が異な
るだけである。即ち、キャビティダンプ素子30は、共
振器内におけるレーザ媒質1と高反射率ミラー3との間
で、Qスイッチ素子5と偏光ビームスプリッタ6との間
に配設してある。かかる配置とすることにより、偏光ビ
ームスプリッタ6に、図1に示す偏光ビームスプリッタ
11と同様の機能を兼備させることができる。
【0048】つまり、偏光ビームスプリッタ6は、Qス
イッチ発振時にはレーザ光の往復増幅のための光路を確
保するための素子として、また、キャビティダンプ時に
はレーザ光を外部へ反射するための素子として機能す
る。出力パルスレーザ光のパルス幅やピーク出力は上記
実施の形態1と同様に調整することができる。なお、レ
ーザ加工装置の全体的な構成については、上記実施の形
態1と同様であるため(図1参照)、ここでの説明及び
図示は省略する。
【0049】本実施の形態2においても、上記実施の形
態1と同様にパルスレーザ光12のパルス幅を10ns
程度に短くして加工対象に対する熱影響を少なくするこ
とができ、また、加工対象に合ったパルス幅やピーク出
力のパルスレーザ光12によって加工できるため、これ
までに加工できなかった加工対象も加工できるようにな
り、更に熱影響の少ない・品質のよい加工が可能とな
る。また、本実施の形態2ではQスイッチ素子5、キャ
ビティダンプ素子30及び偏光ビームスプリッタ6をレ
ーザ媒質1の片側に配設したことにより、上記実施の形
態1と同様の機能を1個の偏光ビームスプリッタ6で実
現することができる。
【0050】<実施の形態3>図10は本発明の実施の
形態3に係るパルスレーザ発振装置の構成図である。同
図に示すように、本実施の形態3に係るパルスレーザ発
振装置11は、図9に示す実施の形態2のパルスレーザ
発振装置11においてキャビティダンプ素子30を除去
し、その代わりにQスイッチ素子5にキャビティダンプ
素子30の機能も兼備させたものである。
【0051】即ち、Qスイッチ素子5は電気光学結晶で
形成しているため、1/4λ電圧を印加すれば1/4λ
板として機能し、電圧の印加がない場合には単に光を通
過させるだけの素子である。そこで、パルス状の1/4
λ電圧の立ち上がりで1/4λ板として機能させること
により、Qスイッチ発振を行わせて上記実施の形態1及
び2と同様にレーザ光の往復増幅を行う。その後、この
1/4λ電圧を急激に立ち下げることができれば、その
立ち下がり以降にQスイッチ素子5を通過するレーザ光
はS偏光となるので、偏光ビームスプリッタ6を介して
一気に外部に取り出すことができる。つまり、共振器内
に閉じ込められたレーザ光をキャビティダンプして外部
に取り出すことができる。
【0052】このため、本実施の形態3では高電圧矩形
波パルサ35を設け、この高電圧矩形波パルサ35によ
り1/4λ電圧の矩形波パルス電圧をQスイッチ素子5
に供給するように構成している。このときの矩形パルス
電圧の立ち上がりと立下がりの間隔は、図3及び図9に
示す実施の形態1及び2のパルスレーザ発振装置におけ
るマスタパルサ13から送出する2個のトリガパルスの
間隔に対応させてある。かくして、Qスイッチ発振によ
り急激に立ち上がったパルスレーザ光のピークレベルで
キャビティダンプを行うことができる。
【0053】かかるパルスレーザ発振装置11において
は、高電圧矩形波パルサ35から図11(a)に示すよ
うな矩形波パルス電圧がQスイッチ素子5に供給され
る。この矩形波パルス電圧の立ち上がり以降にQスイッ
チ素子5を通過する光はP偏光となり共振器間で往復増
幅される。すなわち、Qスイッチ発振が起こり、共振器
間のレーザ光が一定時間の遅延の後、図11(b)(な
お、図中の点線はキャビティダンプがない場合の当該レ
ーザ光の波形である)に示すように立ち上がる。その
後、このレーザ光がピークに達した時点で上記矩形波パ
ルスを立ち下げる。この結果、Qスイッチ素子5から偏
光ビームスプリッタ6に供給されるレーザ光はS偏光と
なり偏光ビームスプリッタ6で外部に反射される。即
ち、キャビティダンプが起こり、図11(c)に示すよ
うな高ピーク値を持つ短パルス幅のS偏光であるパルス
レーザ光が外部に出力される。
【0054】この場合には、高電圧矩形波パルサ35か
らQスイッチ素子5に供給する矩形パルスの立下がりを
緩やかにして共振器内のレーザ光をだ円偏光とすること
によって出力パルスレーザ光のパルス幅やピーク出力を
調整することができる。なお、レーザ加工装置の全体的
な構成については、上記実施の形態1と同様であるため
(図1参照)、ここでの説明及び図示は省略する。
【0055】本実施の形態3においても、上記実施の形
態1と同様にパルスレーザ光12のパルス幅を10ns
程度に短くして加工対象に対する熱影響を少なくするこ
とができ、また、加工対象に合ったパルス幅やピーク出
力のパルスレーザ光12によって加工できるため、これ
までに加工できなかった加工対象も加工できるようにな
り、更に熱影響の少ない・品質のよい加工が可能とな
る。
【0056】また、本実施の形態3ではQスイッチ素子
及びキャビティダンプ素子を一個の電気光学結晶(Qス
イッチ素子5)で形成し、この電気光学結晶に供給する
パルス電圧の立ち上がりでQスイッチ発振を行わせると
ともに、その立ち下がりでキャビティダンプを行わせる
ように構成したため、上記実施の形態1と同様のQスイ
ッチ発振と、それに続くキャビティダンプとを一個の電
気光学結晶で行うとができる。この結果、所定のQスイ
ッチ発振機能及びキャビティダンプ機能を最小の素子数
で実現できるため、装置コストを低減することができ
る。
【0057】<実施の形態4>図12は本発明の実施の
形態4に係るパルスレーザ発振装置の構成図である。同
図に示すように、本実施の形態4に係るパルスレーザ発
振装置は、図10に実施の形態3のパルスレーザ発振装
置11に種光レーザ36を追加したものである。出力パ
ルスレーザ光のスペクトル幅を可及的に狭くすること
は、当該パルスレーザ発振装置を露光装置の光源として
適用する場合や、波長変換装置に適用する場合に特に重
要な要件となる。かかる用途にも供し得るようするた
め、出力パルスレーザ光と同一の光路を用いて共振器内
に種光を入射し得るようにしたものが本実施の形態4の
パルスレーザ発振装置である。なお、レーザ加工装置の
全体的な構成については上記実施の形態1と同様である
ため(図1参照)、ここでの説明及び図示は省略する。
【0058】図12に示すように、本実施の形態4のパ
ルスレーザ発振装置11は、種光となる連続波のスペク
トル幅の狭いレーザ光の入射機構、及び、当該パルスレ
ーザ発振装置の共振器間でこの種光レーザが共振を維持
するように共振器ミラーの間隔を維持、制御する機能を
追加したものである。入射機構は、種光となる連続波の
スペクトル幅の狭いレーザ光を出力する種光レーザ3
6、偏光ビームスプリッタ37、ファラデローテータ3
8及び1/2λ板39からなる。ここで、種光レーザ3
6は、種光となる連続波のスペクトル幅の狭いS偏光で
あるレーザ光を偏光ビームスプリッタ37に向けて出力
する。偏光ビームスプリッタ37はS偏光を共振器に向
けて反射する。ファラデローテータ38及び1/2λ板
39は入射レーザ光を所定の回転方向に45°回転す
る。また、高反射率ミラー34(高反射率ミラー3でも
良い)は共振器間隔制御装置20でその位置を移動可能
に形成してあり、種光レーザ36が共振を維持するよう
に高反射率ミラー3との間の距離を調整するように構成
してある。
【0059】この結果、図13(a)に示すように種光
レーザ36から出力されたS偏光は偏光ビームスプリッ
タ37で反射されて共振器に向かう。このS偏光はファ
ラデローテータ38で45°回転され、1/2λ板39
で45°逆方向に回転されてS偏光に戻され、偏光ビー
ムスプリッタ6で反射されて共振器内に入射される。一
方、偏光ビームスプリッタ6を介して共振器内から出射
したS偏光である出力パルスレーザ光は、図13(b)
に示すように1/2λ板39で45°、ファラデローテ
ータ38で45°回転されてP偏光となり偏光ビームス
プリッタ37に入射するので、この偏光ビームスプリッ
タ37を透過して外部に取り出される。このようにすれ
ば偏光ビームスプリッタ6,37間の光路で種光と出力
パルスレーザ光との偏光方向が一致することはない。し
たがって、同一光路であっても2種類のレーザ光が相互
に干渉することはない。
【0060】かかるパルスレーザ発振装置11において
は、種光を共振器内に導入してレーザ発振を行っている
ので、その出力パルスレーザ光は種光の波長に規定され
る狭帯域のスペクトル幅をもつ良質のレーザ光となる。
しかも、このとき偏光ビームスプリッタ6の手前に直線
偏光のレーザ光の偏光方向を90°回転させる1/2λ
板39、偏光方向を45°回転させるファラデローテー
タ38と、もうひとつの偏光ビームスプリッタ37から
なる光分離機構を出力パルスレーザ光の光路に配設して
いるので、種光及び出力パルスレーザ光の偏光状態を変
えることで両者が干渉しないように分離することができ
る。
【0061】なお、本実施の形態4は、上記実施の形態
3のパルスレーザ発振装置に種光入射機構を追加したも
のであるが、これと全く同様の態様で上記実施の形態2
のパルスレーザ発振装置に種光入射機構を追加すること
もできる。即ち、1/2λ板39を出た種光を偏光ビー
ムスプリッタ6を介して共振器内に取り込むようにすれ
ば良い。この場合には、本実施の形態4と全く同様に出
力パルスレーザ光と同軸の光路で種光を共振器内に導入
することができるとともに狭スペクトル幅の出力パルス
レーザ光を得ることができる。また、種光入射機構を上
記実施の形態1のパルスレーザ発振装置に追加すること
も勿論可能であり、このことにより狭スペクトル幅の出
力パルスレーザ光を得ることができる。但し、この場合
の種光の共振器内への入射は出力パルスレーザ光を出射
する偏光ビームスプリッタ31とは別に設けられた偏光
ビームスプリッタ6を介して行われるので、種光と出力
パルスレーザ光とを同軸光路上で分離するための機構は
必要なくなる。
【0062】また、上記実施の形態1乃至4においてQ
スイッチ素子及びキャビティダンプ素子は電気光学結晶
で形成したが、同様の機能を実現し得るものであれば、
当然これらに代えて用いることができる。特に、Qスイ
ッチ素子としては音響光学素子を用いることもできる。
また、偏光ビームスプリッタ6,31はP偏光を透過さ
せS偏光を反射するものを用いたが、このように限定す
る必要もない。P偏光を反射させS偏光を透過するもの
でも良い。要は、Qスイッチ発振とこれに続くキャビテ
ィダンプ動作を実現する構成となっていればよい。
【0063】<実施の形態5>図14は本発明の実施の
形態5に係るレーザ加工装置の要部構成図である。本実
施の形態5では波長変換素子を用いることにより、上記
実施の形態1,2,3又は4のパルスレーザ発振装置1
1から出力される基本波のパルスレーザ光を波長変換し
て所望の波長のパルスレーザ光を生成し、このパルスレ
ーザ光を加工対象のワークに照射して加工する。
【0064】図14(a)では、パルスレーザ発振装置
11から出力された基本波となる波長1064nmのパ
ルスレーザ光12を、SHG(second harmonic genera
tor)の波長変換素子として設けた非線形光学結晶素子5
1によって532nmの波長に変換している。図14
(b)では、パルスレーザ発振装置11から出力された
基本波となる波長1064nmのパルスレーザ光12
を、非線形光学結晶素子51によって532nmの波長
に変換し、これを更にTHG(third harmonic generat
or) の波長変換素子として設けた非線形光学結晶素子5
2によって355nmの波長に変換している。図14
(c)では、パルスレーザ発振装置11から出力された
基本波となる波長1064nmのパルスレーザ光12
を、非線形光学結晶素子51によって532nmの波長
に変換し、これを更にFHG(fourth harmonic genera
tor)の波長変換素子として設けた非線形光学結晶素子5
3によって266nmの波長に変換している。これらの
他、図示は省略するが、波長変換素子(非線形光学結晶
素子)の組み合わせによって、その他の波長に変換する
こともできる。
【0065】なお、532nmの波長のパルスレーザ光
は光ファイバを光伝送手段として用いることができる
が、355nmや266nmの波長のパルスレーザ光の
場合には光ファイバでは損失が大きくて伝送できないた
め、図14(b),(c)に示すようにレンズ54で集
光し、ミラー55で伝送する。光伝送手段の他、レーザ
加工装置の全体的な構成については上記実施の形態1と
同様であるため(図1参照)、ここでの説明及び図示は
省略する。
【0066】本実施の形態5によれば、加工対象に応じ
た最適な波長のパルスレーザ光を得ることができるた
め、例えばLSIメモリの製造などに用いられる露光装
置として適用できるなど、基本波のパルスレーザ光では
加工できなかった加工対象の加工もできるようになり、
多様な加工が可能となる。
【0067】
【発明の効果】以上、発明の実施の形態とともに具体的
に説明したように、第1発明のレーザ加工装置は、パル
スレーザ発振装置を有し、このパルスレーザ発振装置か
ら出力したパルスレーザ光を光伝送手段で伝送して加工
対象のワークに照射することにより同ワークを加工する
ように構成したレーザ加工装置において、パルスレーザ
発振装置は、レーザ媒質、これを励起する励起用光源及
びレーザ媒質が放射した光を往復増幅する共振器を有し
てパルスレーザ光を得る構成であって、レーザ媒質の両
側に高反射率ミラーをそれぞれ配設してなる共振器間に
Qスイッチ素子及びキャビティダンプ素子を配設し、レ
ーザ光を共振器内に完全に閉じ込めた状態でQスイッチ
発振を行わせ、共振器内に蓄積されたパルスレーザ光の
ピークレベル近傍で、続けてキャビティダンプ素子を動
作させてキャビティダンプを行なわせることにより、共
振器内部に蓄積されたエネルギーを瞬間的に外部に取り
出すように構成したことを特徴とする。
【0068】従って、本発明によれば、Qスイッチ発振
により発振し、共振器で挟まれた空間(キャビティ)内
で往復増幅されながらキャビティ内に閉じ込められてい
るレーザ光が、十分大きくなった時点で、このレーザ光
をキャビティダンプにより瞬時に外部へ取り出すことが
できる。この結果、出力パルスレーザ光は例えば10n
m程度の短パルス幅となる。このため、加工対象に対す
る熱影響を少なくすることができる。
【0069】また、第2発明のレーザ加工装置は、第1
発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、Qスイッチ素子とキャビティダンプ素子をレーザ媒
質の両側に振り分けて配設する一方、Qスイッチ素子と
キャビティダンプ素子とのそれぞれに隣接させて偏光ビ
ームスプリッタを配設し、Qスイッチ発振により増幅さ
れたレーザ光をキャビティダンプして外部に出力するこ
とができるように構成したことを特徴とする。
【0070】従って、本発明においては、Qスイッチが
動作していないときは、偏光ビームスプリッタで共振器
間でのレーザ光の往復を遮断する一方、Qスイッチの動
作により、共振器間でのレーザ光の往復増幅が行わせ、
このことによりキャビティに閉じ込められているレーザ
光が十分大きくなったときキャビティダンプ素子を動作
させてキャビティダンプにより共振器内のレーザ光を一
気に外部に取り出すことができる。この結果、上記第1
発明と同様の効果を奏する。
【0071】また、第3発明のレーザ加工装置は、第2
発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、Qスイッチ素子とキャビティダンプ素子とを何れも
電気光学結晶で形成したことを特徴とする。
【0072】従って、本発明によれば、Qスイッチ発振
及びキャビティダンプは、何れも電気光学結晶への印加
電圧に比例して生じるレーザ光のX軸及びY軸方向成分
に生じる位相差を介して偏光状態を変化させることによ
り実現することができる。この結果、所定のQスイッチ
発振機能及びキャビティダンプ機能を固体結晶で実現で
き、装置構成が容易になる。そして、加工対象に合った
パルス幅やピーク出力のパルスレーザ光によって加工で
きるため、これまでに加工できなかった加工対象も加工
できるようになり、更に熱影響の少ない・品質のよい加
工が可能となる。
【0073】また、第4発明のレーザ加工装置は、第2
発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、Qスイッチ素子を音響光学結晶で形成したことを特
徴とする。
【0074】従って、本発明によれば、Qスイッチ発振
は、音響光学結晶により光軸を屈折させることにより実
現することができる。この結果、音響光学結晶を用いた
装置でも、上記第1発明及び第2発明の効果を奏するこ
とができる。
【0075】また、第5発明のレーザ加工装置は、第2
発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、当該発振装置の出力レーザ光のスペクトル幅よりも
狭い連続波レーザ光を放射する種光レーザを追加し、こ
の種光レーザが出力する種光を偏光ビームスプリッタで
共振器側に反射して取り込むように構成したことを特徴
とする。
【0076】従って、本発明によれば、種光の入射によ
りスペクトル幅の狭い出力パルスレーザ光を得ることが
できる。この結果、特にスペクトル幅の狭いパルスレー
ザ光が要求される露光等の用途に適したものとなる。
【0077】また、第6発明のレーザ加工装置は、第2
発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、半導体レーザ励起固体レーザ装置であることを特徴
とする。
【0078】従って、本発明によれば、従来技術におい
ては、特に高ピークレベルのパルスレーザ光が得られ難
かった半導体レーザ励起固体レーザ装置であっても、そ
の出力パルスのピークレベルを容易に所望の高ピークレ
ベルにすることができる。この結果、ハンドリングの容
易性等の多くの利点を活かして、アブレーション加工
等、半導体レーザ励起固体レーザ装置の更なる用途の拡
大を図ることができる。
【0079】また、第7発明のレーザ加工装置は、第1
発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、Qスイッチ素子、キャビティダンプ素子及び偏光ビ
ームスプリッタをレーザ媒質の片側に配設する一方、Q
スイッチ発振により増幅されたレーザ光をキャビティダ
ンプして外部に出力することができるように構成したこ
とを特徴とする。
【0080】従って、本発明によれば、上記第2発明と
同様の機能を、1個の偏光ビームスプリッタで実現する
ことができる。この結果、上記第2発明の装置と同様の
効果を、1個の偏光ビームスプリッタで、即ち、少ない
数の素子で実現し得る。従って、その分、装置コストの
低廉化を図ることができる。
【0081】また、第8発明のレーザ加工装置は、第1
発明又は第7発明の何れか一つに記載するレーザ加工装
置において、パルスレーザ発振装置は、Qスイッチ素子
とキャビティダンプ素子とを何れも電気光学結晶で形成
したことを特徴とする。
【0082】従って、本発明によれば、Qスイッチ発振
及びキャビティダンプは、何れも電気光学結晶への印加
電圧に比例して生じるレーザ光のX軸及びY軸方向成分
に生じる位相差を介して偏光状態を変化させることによ
り実現することができる。この結果、所定のQスイッチ
発振機能及びキャビティダンプ機能を固体結晶で実現で
き、装置構成が容易になる。
【0083】また、第9発明のレーザ加工装置は、第1
発明又は第7発明の何れか一つに記載するレーザ加工装
置において、パルスレーザ発振装置は、Qスイッチ素子
を音響光学結晶で形成したことを特徴とする。
【0084】従って、本発明によれば、Qスイッチ発振
は、音響光学結晶により光軸を屈折させることにより実
現することができる。この結果、音響光学結晶を用いた
装置でも、上記第1発明乃至第3発明の効果を奏するこ
とができる。
【0085】また、第10発明のレーザ加工装置は、第
1発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装
置は、Qスイッチ素子及びキャビティダンプ素子を一個
の電気光学結晶で形成し、この電気光学結晶に供給する
パルス電圧の立ち上がりでQスイッチ発振を行わせると
ともに、その立ち下がりでキャビティダンプを行わせる
ように構成したことを特徴とする。
【0086】従って、本発明によれば、上記第1発明又
は第2発明と同様のQスイッチ発振と、それに続くキャ
ビティダンプを一個の電気光学結晶で行わせることがで
きる。この結果、所定のキャビティダンプ発振機能及び
キャビティダンプ機能を最小限の素子数で実現でき、装
置コストは廉価なものとなる。
【0087】また、第11発明のレーザ加工装置は、第
8発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装
置は、キャビティダンプ素子に印加する電圧の大きさ、
又はこの電圧の立ち上がり時間を可変とすることによ
り、印加する電圧に対応して出力レーザ光のパルス幅を
調節することができるように構成したことを特徴とす
る。
【0088】従って、本発明によれば、キャビティダン
プ素子により得るパルスレーザ光が楕円偏光となり、外
部にはそのうちの何れかの偏光成分が選択されて出力さ
れる。この結果、外部に取り出す偏光成分を印加電圧に
より調節して出力レーザ光のピーク値を調節することが
でき、加工対象に応じた最適なパルス幅及びピーク値を
有するレーザ光を容易に得ることができる。因みに、高
いピーク値のパルスレーザ光が要求される場合であって
も、これが高すぎるとワークにダメージを与えることが
あるため、これへの対策が必要とされる場合があるが、
このような場合にも対応することができる。
【0089】また、第12発明のレーザ加工装置は、第
10発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振
装置は、キャビティダンプ素子に印加するパルス電圧の
立ち下がり時間を可変とすることにより、印加するパル
ス電圧に対応して出力レーザ光のパルス幅を調節するこ
とができるように構成したことを特徴とする。
【0090】従って、本発明によれば、キャビティダン
プ素子により得るパルスレーザ光が楕円偏光となり、外
部にはそのうちの何れかの偏光成分が選択されて出力さ
れる。加工対象に合ったパルス幅やピーク出力のパルス
レーザ光によって加工できるため、これまでに加工でき
なかった加工対象も加工できるようになり、更に熱影響
の少ない・品質のよい加工が可能となる。
【0091】また、第13発明のレーザ加工装置は、第
1発明又は第7発明乃至第12発明の何れか一つに記載
するレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、当該発振装置の出力レーザ光のスペクトル幅よりも
狭い連続波レーザ光を放射する種光レーザを追加し、こ
の種光レーザが出力する種光を偏光ビームスプリッタで
共振器側に反射して取り込むように構成したことを特徴
とする。
【0092】従って、本発明によれば、種光の入射によ
りスペクトル幅の狭い出力パルスレーザ光を得ることが
できる。この結果、特にスペクトル幅の狭いレーザ光が
要求される露光等の加工に適したものとなる。
【0093】また、第14発明のレーザ加工装置は、第
1発明又は第7発明乃至第13発明の何れかに一つに記
載するレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、半導体レーザ励起固体レーザ装置であることを特徴
とする。
【0094】従って、本発明によれば、従来技術におい
ては、特に高ピークレベルのパルスレーザ光が得られ難
かった半導体レーザ励起固体レーザ装置であっても、そ
の出力パルスのピークレベルを容易に所望の高ピークレ
ベルにすることができる。この結果、ハンドリングの容
易性等の多くの利点を活かして、アブレーション加工
等、半導体レーザ励起固体レーザ装置の更なる用途の拡
大を図ることができる。
【0095】また、第15発明のレーザ加工装置は、第
1発明又は第7発明乃至第14発明の何れかに一つに記
載するレーザ加工装置において、パルスレーザ発振装置
は、当該発振装置の出力レーザ光のスペクトル幅よりも
狭い連続波レーザ光を放射する種光レーザと、この種光
レーザが出力する種光を共振器側に反射する偏光ビーム
スプリッタと、この偏光ビームスプリッタで反射した種
光を所定角度回転するとともに、上記出力レーザ光が上
記偏光ビームスプリッタを介して外部に透過するように
この出力レーザ光も所定角度回転する光回転手段とを有
し、出力レーザ光と同一光路を介して種光を共振器内に
入射させることができるように構成したことを特徴とす
る。
【0096】従って、本発明によれば、相互に反対方向
に向かう種光と出力レーザ光を光回転手段で所定角度そ
れぞれ回転することができ、しかもこの回転の結果種光
及び出力レーザ光が同一光軸上で相互に干渉しないよう
にすることができる。この結果、種光の入力のための光
路と出力レーザ光の出力のための光路とを兼用でき、最
も少ない素子構成で、種光をレーザ共振器内に導入する
ことができる。
【0097】また、第16発明のレーザ加工装置は、第
15発明のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振
装置の光回転手段はファラデローテータ及び1/2波長
板で形成したことを特徴とする。
【0098】従って、本発明によれば、相互に反対方向
に向かう種光と出力レーザ光をファラデローテータ及び
1/2波長板で所定角度それぞれ回転することができ、
しかもこの回転の結果種光及び出力レーザ光が同一光軸
上で相互に干渉しないようにすることができる。この結
果、種光の入力のための光路と出力レーザ光の出力のた
めの光路とを兼用でき、ファラデローテータ及び1/2
波長板という最も少ない素子構成で、種光をレーザ共振
器内に導入することができる。
【0099】また、第17発明のレーザ加工装置は、第
1発明乃至第16発明の何れか一つに記載するレーザ加
工装置において、パルスレーザ発振装置から出力したパ
ルスレーザ光を1つ又は複数の波長変換素子で所定の波
長に変換し、この波長変換したパルスレーザ光を光伝送
手段で伝送して加工対象のワークに照射することにより
同ワークを加工するように構成したことを特徴とする。
【0100】本発明によれば、波長変換素子による波長
変換によって所望の波長のパルスレーザ光が得られる。
この結果、加工対象に応じた最適な波長のパルスレーザ
光を得ることができるため、例えばLSIメモリの製造
などに用いられる露光装置となるなど、基本波のパルス
レーザ光では加工できなかった加工対象の加工もできる
ようになり、多様な加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るレーザ加工装置の
構成図である。
【図2】レーザ加工の状態を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るパルスレーザ発振
装置の構成図である。
【図4】前記パルスレーザ発振装置の各部の波形図であ
る。
【図5】図3に示すパルスレーザ発振装置のキャビティ
ダンプ素子に急峻に立ち上がる1/4λ電圧を印加した
場合の各部の波形を示す波形図である。
【図6】図3に示すパルスレーザ発振装置のキャビティ
ダンプ素子に急峻に立ち上がる1/4λ電圧未満の電圧
を印加した場合の各部の波形を示す波形図である。
【図7】図3に示す装置のキャビティダンプ素子に急峻
に立ち上がる1/4λ電圧未満の電圧を印加した場合の
各部の波形を示す波形図である。
【図8】キャビティダンプ素子に対する印加電圧を図5
(a)、図6(a)及び図7(a)に示すようにした場
合のキャビティダンプ素子及び偏光ビームスプリッタ部
分における偏光の態様を概念的に示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るパルスレーザ発振
装置の構成図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係るパルスレーザ発
振装置の構成図である。
【図11】図10に示すパルスレーザ発振装置の各部の
波形を示す波形図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係るパルスレーザ発
振装置の構成図である。
【図13】図10に示すパルスレーザ発振装置における
レーザ光の偏光の態様を概念的に示しており、(a)は
その種光、(b)はその出力パルスレーザ光の偏光を示
す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態5に係るレーザ加工装置
の要部構成図である。
【図15】現状のパルスレーザ発振装置の構成図であ
る。
【図16】図15に示すパルスレーザ発振装置の各部の
波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 レーザ媒質 2 半導体レーザ 3 高反射率ミラー 4 部分反射ミラー 5 Qスイッチ素子 6 偏光ビームスプリッタ 7 1/4λ板 8 駆動電源 9 高電圧パルサ 11 パルスレーザ発振装置 12 パルスレーザ光 13 入射光学系 14 光ファイバ 15 加工光学系 16 XYテーブル 17 ワーク 18 リアルタイムエンコーダ 19 駆動装置 20 コントローラ 30 キャビティダンプ素子 31 偏光ビームスプリッタ 32 高電圧パルサ 33 マスタパルサ 34 高反射率ミラー 35 高電圧矩形波パルサ 36 種光レーザ 37 偏光ビームスプリッタ 38 ファラデローテータ 39 1/2λ板 40 共振器間隔制御装置 51,52,53 波長変換素子(非線形光学結晶素
子) 54 レンズ 55 ミラー

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルスレーザ発振装置を有し、このパル
    スレーザ発振装置から出力したパルスレーザ光を光伝送
    手段で伝送して加工対象のワークに照射することにより
    同ワークを加工するように構成したレーザ加工装置にお
    いて、 パルスレーザ発振装置は、レーザ媒質、これを励起する
    励起用光源及びレーザ媒質が放射した光を往復増幅する
    共振器を有してパルスレーザ光を得る構成であって、レ
    ーザ媒質の両側に高反射率ミラーをそれぞれ配設してな
    る共振器間にQスイッチ素子及びキャビティダンプ素子
    を配設し、レーザ光を共振器内に完全に閉じ込めた状態
    でQスイッチ発振を行わせ、共振器内に蓄積されたパル
    スレーザ光のピークレベル近傍で、続けてキャビティダ
    ンプ素子を動作させてキャビティダンプを行なわせるこ
    とにより、共振器内部に蓄積されたエネルギーを瞬間的
    に外部に取り出すように構成したことを特徴とするレー
    ザ加工装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するレーザ加工装置にお
    いて、 パルスレーザ発振装置は、Qスイッチ素子とキャビティ
    ダンプ素子をレーザ媒質の両側に振り分けて配設する一
    方、Qスイッチ素子とキャビティダンプ素子とのそれぞ
    れに隣接させて偏光ビームスプリッタを配設し、Qスイ
    ッチ発振により増幅されたレーザ光をキャビティダンプ
    して外部に出力することができるように構成したことを
    特徴とするレーザ加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載するレーザ加工装置にお
    いて、 パルスレーザ発振装置は、Qスイッチ素子とキャビティ
    ダンプ素子とを何れも電気光学結晶で形成したことを特
    徴とするレーザ加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載するレーザ加工装置にお
    いて、 パルスレーザ発振装置は、Qスイッチ素子を音響光学結
    晶で形成したことを特徴とするレーザ加工装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載するレーザ加工装置にお
    いて、 パルスレーザ発振装置は、当該発振装置の出力レーザ光
    のスペクトル幅よりも狭い連続波レーザ光を放射する種
    光レーザを追加し、この種光レーザが出力する種光を偏
    光ビームスプリッタで共振器側に反射して取り込むよう
    に構成したことを特徴とするレーザ加工装置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載するレーザ加工装置にお
    いて、 パルスレーザ発振装置は、半導体レーザ励起固体レーザ
    装置であることを特徴とするレーザ加工装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載するレーザ加工装置にお
    いて、 パルスレーザ発振装置は、Qスイッチ素子、キャビティ
    ダンプ素子及び偏光ビームスプリッタをレーザ媒質の片
    側に配設する一方、Qスイッチ発振により増幅されたレ
    ーザ光をキャビティダンプして外部に出力することがで
    きるように構成したことを特徴とするレーザ加工装置。
  8. 【請求項8】 請求項1又は請求項7の何れか一つに記
    載するレーザ加工装置において、 パルスレーザ発振装置は、Qスイッチ素子とキャビティ
    ダンプ素子とを何れも電気光学結晶で形成したことを特
    徴とするレーザ加工装置。
  9. 【請求項9】 請求項1又は請求項7の何れか一つに記
    載するレーザ加工装置において、 パルスレーザ発振装置は、Qスイッチ素子を音響光学結
    晶で形成したことを特徴とするレーザ加工装置。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載するレーザ加工装置に
    おいて、 パルスレーザ発振装置は、Qスイッチ素子及びキャビテ
    ィダンプ素子を一個の電気光学結晶で形成し、この電気
    光学結晶に供給するパルス電圧の立ち上がりでQスイッ
    チ発振を行わせるとともに、その立ち下がりでキャビテ
    ィダンプを行わせるように構成したことを特徴とするレ
    ーザ加工装置。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載するレーザ加工装置に
    おいて、 パルスレーザ発振装置は、キャビティダンプ素子に印加
    する電圧の大きさ、又はこの電圧の立ち上がり時間を可
    変とすることにより、印加する電圧に対応して出力レー
    ザ光のパルス幅を調節することができるように構成した
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載するレーザ加工装置
    において、 パルスレーザ発振装置は、キャビティダンプ素子に印加
    するパルス電圧の立ち下がり時間を可変とすることによ
    り、印加するパルス電圧に対応して出力レーザ光のパル
    ス幅を調節することができるように構成したことを特徴
    とするレーザ加工装置。
  13. 【請求項13】 請求項1又は請求項7乃至請求項12
    の何れか一つに記載するレーザ加工装置において、 パルスレーザ発振装置は、当該発振装置の出力レーザ光
    のスペクトル幅よりも狭い連続波レーザ光を放射する種
    光レーザを追加し、この種光レーザが出力する種光を偏
    光ビームスプリッタで共振器側に反射して取り込むよう
    に構成したことを特徴とするレーザ加工装置。
  14. 【請求項14】 請求項1又は請求項7乃至請求項13
    の何れかに一つに記載するレーザ加工装置において、 パルスレーザ発振装置は、半導体レーザ励起固体レーザ
    装置であることを特徴とするレーザ加工装置。
  15. 【請求項15】 請求項1又は請求項7乃至請求項14
    の何れかに一つに記載するレーザ加工装置において、 パルスレーザ発振装置は、 当該発振装置の出力レーザ光のスペクトル幅よりも狭い
    連続波レーザ光を放射する種光レーザと、 この種光レーザが出力する種光を共振器側に反射する偏
    光ビームスプリッタと、 この偏光ビームスプリッタで反射した種光を所定角度回
    転するとともに、上記出力レーザ光が上記偏光ビームス
    プリッタを介して外部に透過するようにこの出力レーザ
    光も所定角度回転する光回転手段とを有し、 出力レーザ光と同一光路を介して種光を共振器内に入射
    させることができるように構成したことを特徴とするレ
    ーザ加工装置。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載するレーザ加工装置
    において、 パルスレーザ発振装置の光回転手段はファラデローテー
    タ及び1/2波長板で形成したことを特徴とするレーザ
    加工装置。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至請求項16の何れか一つ
    に記載するレーザ加工装置において、 パルスレーザ発振装置から出力したパルスレーザ光を1
    つ又は複数の波長変換素子で所定の波長に変換し、この
    波長変換したパルスレーザ光を光伝送手段で伝送して加
    工対象のワークに照射することにより同ワークを加工す
    るように構成したことを特徴とするレーザ加工装置。
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