JP2003069068A - 太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール

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JP2003069068A
JP2003069068A JP2001259245A JP2001259245A JP2003069068A JP 2003069068 A JP2003069068 A JP 2003069068A JP 2001259245 A JP2001259245 A JP 2001259245A JP 2001259245 A JP2001259245 A JP 2001259245A JP 2003069068 A JP2003069068 A JP 2003069068A
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聡 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光起電力素子の温度上昇による変換効率の低
下を防止することができ、特に高集光型の太陽電池モジ
ュールにおける光起電力素子が温度上昇して変換効率が
低下するのを防止することができる太陽電池モジュール
を提供する。 【解決手段】 集光型の太陽電池モジュールにおける光
起電力素子102を熱伝導性封止材101で封止し、こ
の封止材101を介して光起電力素子102の熱を他の
部材もしくは大気に放出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽を追尾し、集
光した太陽光を光起電力素子に照射して電力を得る集光
型の太陽電池モジュールに係り、詳しくは、集光した光
を受光することによる光起電力素子の温度上昇を抑えた
太陽電池モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池モジュールは、光起電力素子に
太陽光線を受ける方法により2種類に分類できる。すな
わち、太陽光線をそのまま光起電力素子で受光する太陽
電池モジュールと、太陽光線を集光して光起電力素子で
受光する集光型の太陽電池モジュールとがある。更に、
太陽電池モジュールは架台を固定する場合と、太陽光線
をより効率良く受光するために、太陽電池モジュールを
太陽に追尾させる場合とがある。
【0003】集光型の太陽電池モジュールは、集光によ
り変換効率が高まり、光起電力素子の面積を小さくでき
るというメリットがある。光起電力素子の出力電流は、
集光倍率に比例して増加する。これに加えて出力電圧
は、原理的に集光による出力電流の増加に伴って対数的
に増大する。したがって光変換効率は、集光倍率を増加
させることにより出力電圧の増加分だけ向上する。また
同一の出力を得るためには、光起電力素子の寸法が集光
倍率に反比例して小さくなるため、モジュールの中で光
起電力素子の占めるコストを削減することができる。そ
こで最近、太陽光線を集光し、太陽を追尾するタイプの
太陽電池モジュールが注目されている。
【0004】一方、光起電力素子は温度が上昇すると変
換効率の低下を生じる。集光型の太陽電池モジュールは
光起電力素子に集光した太陽光線が照射されるため、通
常の太陽電池モジュールに比べて、光起電力素子の温度
の上昇が顕著である。特に集光倍率を200倍以上とし
た場合には、光起電力素子は非常に高温になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような光起電力素
子の温度上昇による変換効率の低下を防ぐために、光起
電力素子の放熱性を高めることが種々提案されている
が、それぞれ後述するような課題があった。
【0006】例えば特開平6−45623号公報には、
光入射面側に凹凸構造を有する良熱伝導性の金属材料か
らなる電極を設け、更に光起電力素子の表面に凹凸を設
けることが提案されている。凹凸構造をもたせることで
表面積を増大させ、大気等との接触面積を広げて熱を効
果的に外部へ放出するものである。
【0007】しかし通常、光起電力素子は、該素子を水
分や外的な力から保護するため、封止材により封止して
使用される。そのため、光起電力素子の表面は封止材と
接触することとなり、熱は封止材へと移動することとな
るが、通常の封止材は熱伝導率が低く、放熱効果は少な
い。
【0008】また特開平11−8401号公報には、光
起電力素子の受光面に形成された電極を受光面外部に延
長し、その延長部に冷却する手段を有する太陽電池モジ
ュールが提案されている。これは、光起電力素子の裏面
側に冷却手段を設けることにより太陽電池モジュールの
厚みが厚くなることを防ぐものである。
【0009】しかし、前述の先行例と同様に受光面側に
電極を設けているので、該電極により光起電力素子に光
があたらない部分が生じてしまう。これは、太陽光線を
有効に利用しえないだけでなく、光起電力素子上に温度
差が生じ、光起電力素子が壊れてしまう可能性もある。
特に集光型の太陽電池モジュールの場合には、その可能
性が高い。
【0010】さらに特開2000−68539号公報に
は、光起電力素子の裏面にヒートシンクを貼り合わせ
て、光起電力素子を冷却する太陽電池モジュールが提案
されている。これは光起電力素子を裏面側から冷却する
ものである。
【0011】しかし、このような冷却構造の場合、光起
電力素子に封止を施した際に、光起電力素子の表面側と
裏面側に温度差が生じてしまう。このような温度差は光
起電力素子に歪を生じる場合があり、光起電力素子が壊
れてしまう場合がある。
【0012】そして特開平10−190017号公報に
は、光電変換素子の光入力側に赤外線反射性および/ま
たは赤外線吸収性の膜を設ける光電変換素子が提案され
ている。これは熱となる部分の光を遮断して、光電変換
素子の温度上昇を防ぐものである。
【0013】しかし、この場合光電変換素子の温度上昇
を防ぐことは可能であるが、光起電力素子は赤外部分の
光に感度を有する場合が多く、変換効率の低下を招く虞
れがある。
【0014】そこで本発明は、上記課題に鑑みて、光起
電力素子の温度上昇による変換効率の低下を防止するこ
とができ、特に高集光型の太陽電池モジュールの光起電
力素子が温度上昇して変換効率が低下するのを防止する
ことができる太陽電池モジュールを提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、本発明の太陽電池モジュールは、太陽光線を集光す
る集光手段と太陽を追尾する追尾手段とを有し、集光し
た太陽光線を光起電力素子で受光して出力を得る太陽電
池モジュールにおいて、光起電力素子を熱伝導性封止材
で封止し、該封止材を介して光起電力素子の熱を他の部
材もしくは大気に放出することを特徴とする。
【0016】本発明の太陽電池モジュールによれば、光
起電力素子の温度上昇を防ぎ、変換効率の低下を防ぐこ
とが可能となる。本発明の太陽電池モジュールにおいて
は、上記封止材の表面が凹凸を有することが好ましい。
これにより、特に大気への放熱性を向上せしめることが
できる。
【0017】また、上記封止材が、封止材外層と封止材
内層とからなることが好ましい。これにより、封止材の
機能、例えば耐候性や透湿度を向上せしめることができ
る。
【0018】さらに、上記封止材外層は、上記封止材内
層よりも水蒸気透過率が低いことが好ましい。これによ
り、特に前述の透湿度を向上せしめることができる。
【0019】そして、上記封止材外層には、反射防止膜
が設けられていることが好ましい。これにより、出力を
向上せしめることができる。
【0020】また、上記封止材はフィラーを含有してい
ることが好ましい。これにより、封止材を介しての熱伝
導がより速やかに行われ、また、封止樹脂の線膨張係数
を光起電力素子の線膨張係数に近づけることができ、温
度変化等による剥離の可能性を低減でき、且つ、封止樹
脂の機械的強度を向上せしめることができる。
【0021】さらに、上記フィラーの熱伝導率が、光起
電力素子の熱伝導率よりも高いことが好ましく、150
W/m・K以上であることが特に好ましい。これによ
り、光起電力素子から封止材への熱伝導性が良好とな
る。
【0022】加えて、上記フィラーが少なくとも窒化ア
ルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウムのいず
れかから選択されてなることが好ましい。これにより、
光の混和度を上昇せしめることができる。
【0023】また、上記光起電力素子は、非受光面側に
出力取り出し電極を有することが好ましい。これによ
り、電極の影による出力のロスを防ぐことが可能とな
る。
【0024】上記集光手段は、フレネルレンズを用いた
ものであることが好ましい。これにより、集光手段を小
型化できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるもので
はない。
【0026】本発明の太陽電池モジュールは、太陽光線
を集光する集光部材と、集光された光を電力に変換する
レシーバーからなる。更に、それらには太陽を追尾する
手段を有している。
【0027】図1は、本発明の太陽電池モジュールにお
けるレシーバーの構成を示す概略図である。図1におい
て、101は封止材、102は光起電力素子、103は
基板、104は冷却部材である。封止材101は、封止
材の外層105と、封止材の内層106とに分かれてい
る場合もある。
【0028】封止材101は光起電力素子102の周辺
よりも外側に延長し、基板103等に接触させる。これ
により、大気への放熱だけでなく他の部材への伝熱を利
用できるようになる。
【0029】(封止材)封止材101は、光起電力素子
102を光、水分、外力等から保護するものである。更
に、光起電力素子102と基板103との電気的接続部
分も水分等から保護する。封止材101に求められる特
性としては、熱伝導性、耐光性、耐熱性、及び耐湿性に
優れ、また光の透過率が高く、光起電力素子との密着性
に優れること等である。単独で前述した特性を満たすこ
とができない場合には、封止材外層105、封止材内層
106等の複数層にすることも可能である。
【0030】〈熱伝導性〉本発明における封止材101
に求められる熱伝導性は、光起電力素子102の熱を速
やかに大気または、他の部材へ伝熱させることである。
そのため、封止材101は熱伝導率が高いことが好まし
い。封止材101に例えばシリコーン樹脂を用いた場合
には熱伝導率は0.1〜0.3W/m・Kであるが、フ
ィラーを混合することにより例えば1.7W/m・Kに
まで向上させることが可能である。
【0031】〈耐光性〉封止材101に求められる耐光
性は、集光した太陽光線によって劣化しにくいことであ
る。本発明でいう劣化とは、透明性の低下、密着性の低
下、及び機械的強度の低下等を言う。特に集光により強
度を増した紫外線に対する耐性が必要となる。封止樹脂
自体の耐光性が不十分である場合には、紫外線吸収剤等
を添加したり、紫外線吸収膜を設ける。
【0032】一方、集光部材が例えば、アクリル樹脂、
ポリカーボネート樹脂等からなるフレネルレンズである
場合、また同様な樹脂にアルミニウムや銀の蒸着を施し
た反射鏡である場合には、それら部材自体を紫外線から
の保護するため、紫外線を吸収する機能を有している場
合がある。そのような場合には紫外線吸収剤の添加、紫
外線吸収膜を設ける必要は無い。
【0033】〈耐熱性〉封止材101に求められる耐熱
性は、集光した光を受けることによる熱よって劣化しに
くいことである。耐光性と同様に本発明でいう劣化と
は、透明性の低下、密着性の低下、及び機械的強度の低
下等をいう。特に熱に対しては耐クリープ性が必要とな
る。通常、集光型の太陽電池モジュールのレシーバーは
表面及び裏面で冷却を行うが、温度は50乃至100℃
程度になる。またレシーバーは、太陽電池モジュールが
太陽を追尾することにより、さまざまな角度となる。そ
のため封止材は前述の温度でクリープしない必要があ
る。
【0034】耐クリープ性を高めるためには融点の高い
材料を用い、融点が低い場合には架橋により流動性を抑
え、対クリープ性を高めることが可能である。封止材の
架橋の方法としては公知の方法が使用可能であるが、架
橋はガスの発生しないプロセスがより好ましい。例え
ば、シリコーンゴムの架橋の場合には、過酸化物を使用
する、白金化合物等の触媒を用いた付加反応によるも
の、加熱による縮合反応によるもの、触媒と水分を使用
する縮合反応によるもの、UV照射によるもの等が挙げ
られるが、白金化合物等の触媒を用いた付加反応による
ものが反応による副生成物が無く好ましい。特にシリコ
ーン樹脂を封止材内層とし、封止材外層にガラス等の気
体透過性の低いものを用いる場合には、副生成物を生じ
ることにより、封止材中に気泡残り等が発生してレシー
バーの信頼性を損なうことがある。
【0035】また、熱による酸化を防止するために、封
止材101には酸化防止剤を添加してもよい。
【0036】〈耐湿性〉封止材101に求められる耐湿
性は、水分等で劣化しにくいことである。また、光起電
力素子102を水分から保護するために透湿度が低いこ
とが好ましい。単独での透湿度が不十分な場合には、封
止材外層、封止材内層といった複数層の構成を採用し、
封止材外層にガラス等の透湿度の低いものを用いること
も可能である。
【0037】〈透光性〉封止材101に求められる透光
性は、使用する光起電力素子102によって異なるが、
波長300nm〜1000nmにおいて90%以上の透
過率を有することが好ましい。しかし、封止材101の
耐光性を向上させるために400nm以下の光を透過し
にくくすることはやむをえない。更に、透過率を向上さ
せるために反射防止膜を設けてもよい。
【0038】〈密着性〉封止材101に求められる密着
性は、光起電力素子102、基板103との密着性が良
いことが必要である。また、封止材が封止材内層106
と封止材外層105によって構成される場合には、これ
ら相互の密着性も良いことが必要である。密着性を高め
るためには、封止材101にシランカップリング剤等の
密着性を高める接着助剤を混合してもよい。更に、光起
電力素子102、基板103、外層105の接着面に接
着力を高める処理を施してもよい。
【0039】以上のような特性を満たす封止材101
は、例えば封止材外層105、封止材内層106の2層
構成であり、封止材内層106にフィラーを含有するも
のが挙げられる。以下にこのような構成の場合の具体的
な材料について示す。
【0040】(封止材外層)前述の特性を満たす封止材
外層105としては、ガラス、樹脂フィルム等が挙げら
れる。特に、透湿度を低く抑えるためにガラスは有効で
ある。一方樹脂フィルムとしては、アクリル、ポリエス
テル、フッ素樹脂等が挙げられるが、耐光性、耐熱性の
点でフッ素樹脂が好適に用いられる。またフッ素樹脂
は、屈折率が低く、反射を抑える観点からも有効であ
る。そうしたフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化
ビニリデン、ポリフッ化ビニル、エチレン−テトラフル
オロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロ
エチレン共重合体が挙げられる。特にポリクロロトリフ
ルオロエチレンは透湿度が低く、好適に用いられる。こ
れらは封止材内層106との密着性を向上させるため
に、封止材内層と接する面に処理を施すことが好まし
い。例えば、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、オゾ
ン処理、またはプライマーのコーティングを行なうこと
が好ましい。
【0041】また、これら封止材外層105には、凹凸
を施すことが好ましい。予め凹凸を施しておく他に、封
止工程において凹凸を転写する方法を用いることが可能
である。
【0042】さらに、その屈折率が高い場合には反射防
止膜を設けることも可能である。例えば、MgF等を蒸
着したり、フッ素樹脂系の塗料を塗布する等が挙げられ
る。
【0043】(封止材内層)前述の特性を満たす封止材
内層106としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が
挙げられる。特に、液状のシリコーン樹脂を硬化して用
いる方法では、工程が容易であり、またフィラーの混合
等も容易に行うことができる。
【0044】(フィラー)先に述べたように一般的に封
止材101が樹脂からなる場合には、その樹脂の熱伝導
率は、シリコーン樹脂の場合0.1〜0.3W/m・K
程度である。フィラーを混合することにより例えば1.
7W/m・Kまで向上させることが可能である。本発明
においてフィラーとは、粒状、繊維状、板状または無定
形状の無機化合物の粒子である。
【0045】本発明に好適に用いられるフィラーとして
は、酸化アルミニウム(熱伝導率17W/m・K)、炭
化ケイ素(熱伝導率42W/m・K)、窒化ケイ素(熱
伝導率21W/m・K)、酸化マグネシウム(熱伝導率
419W/m・K)、窒化ホウ素(熱伝導率1300〜
30W/m・K)、窒化アルミニウム(熱伝導率170
W/m・K)、酸化ベリリウム(熱伝導率230W/m
・K)、ガラス(熱伝導率1.2W/m・K)、シリカ
(熱伝導率0.5W/m・K)などの無機化合物が挙げ
られるが、無論これらに限定されるわけではない。
【0046】また、集光型の太陽電池モジュールにおい
ては、混和度を高くできるものが好ましく、酸化アルミ
ニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、
窒化ホウ素、窒化アルミニウムがより好ましい。
【0047】更に熱伝導率が150W/m・K以上であ
ることにより、封止樹脂の放熱効果は大きく高まり、中
でも熱伝導性の比較的大きな窒化アルミニウム、酸化マ
グネシウム、酸化ベリリウムなどの無機化合物が好まし
く選択される。その粒径は、具体的な粒径としては0.
1μm乃至100μmであることが好ましい。
【0048】集光型の太陽電池モジュールの場合、集光
された光の高い混和度が要求される。なぜならば、混和
度が低い場合には、光起電力素子102の表面に光強度
が著しく大きな部分と、小さな部分が存在することとな
り、光強度の非常な大きな部分においては光起電力素子
102の温度が急激に上がり、光起電力素子102が破
壊されてしまう場合がある。本発明において、酸化ベリ
リウム、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム等の熱伝
導性が極めて高く、かつ光反射性を有するものを使用す
ることで、光の混和度を上げる効果がある。
【0049】また、封止樹脂の機械的強度等の点から、
その混合量は10乃至50体積%であることが好まし
い。シリコーン樹脂の場合にはこの範囲内でシリコーン
樹脂の引っ張り強度は最大となる。一方、熱伝導性の点
からは30乃至80体積%であることが好ましい。以上
のことから、フィラーの混合量は30乃至50体積%で
あることが好ましい。
【0050】フィラーには、封止樹脂との接着力を高め
るために表面処理を施してもよい。例えばシラン系、チ
タネート系、アルミネート系等の表面処理剤で処理す
る。処理の方法としては、予めフィラーを処理する方
法、封止樹脂に処理剤を混合しておく方法等が挙げられ
る。
【0051】これらフィラーは、複数種類混合して使用
してもよく、また複数種類の粒径を持つものを混合して
もよい。
【0052】(光起電力素子)本発明に好適に用いられ
る光起電力素子102としては、結晶シリコン系(熱伝
導率140W/m・K)、GaAs(熱伝導率54W/
m・K)、CdTe、CdS、CIS(CuInSe)
等の化合物半導体系、等が挙げられる。光起電力素子1
02の出力を取り出す電極は、電極の影による入射光の
ロスを無くすために光起電力素子102の裏面に形成さ
れていることが好ましい。また、入射光を有効に利用す
るために、光起電力素子102の表面にテクスチャー構
造を形成することが好ましい。
【0053】(基板)本発明に用いられる基板103と
しては、光起電力素子102と電気的に接続される導電
性の部材と、光起電力素子102と冷却部材104を絶
縁する絶縁性の部材からなるものが挙げられる。導電性
部材は光起電力素子102の出力取り出しである、+及
び−の電極とそれぞれ電気的に接続し、外部へと出力す
る。
【0054】上記の導電性部材と電極の接続は、半田
や、導電性の接着剤等を用いることが可能である。ま
た、上記の導電性部材と絶縁性部材の接着は、予め絶縁
性部材に導電性部材を貼り合わせたものを使用すること
も可能であるが、光起電力素子102と導電性部材の接
着のあとに、接着剤等で絶縁部材を貼り合わせる事も可
能である。基板103と冷却部材104の接着も同様で
ある。
【0055】上記の導電性部材としては、抵抗が低く、
熱伝導性が高く、水分等に対して安定であることが好ま
しい。具体的な材料としては、銅等が挙げられる。
【0056】また、上記の絶縁性部材としては、絶縁性
が高く、熱伝導性が高いことが求められる。具体的な材
料としては、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム等が
挙げられる。
【0057】本発明において好適に用いられる基板10
3としては、銅/窒化アルミニウム/銅、銅/酸化アル
ミニウム/銅の積層基板等が挙げられる。
【0058】(冷却部材)本発明に用いられる冷却部材
104は、光起電力素子102の温度上昇を防ぐための
ものである。冷却手段としては、水冷、空冷等が挙げら
れるが、ペルチェ素子等の熱電素子を用いることも可能
である。
【0059】(集光部材)本発明において、集光する手
段は、公知の方法が使用可能である。例えば、フレネル
レンズを用いる方法、反射板を用いる方法等が挙げられ
る。
【0060】(追尾装置)本発明において、太陽を追尾
する手段は、公知の方法が使用可能である。
【0061】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0062】〔実施例1〕本実施例においては、評価用
モジュールを組み立てるために、図2に示す構成のレシ
ーバーを作成した。
【0063】先ず、レシーバーの構成部材として、図2
に示すように、封止材外層201、封止材内層202、
光起電力素子203、基板204、冷却部材205を用
意した。
【0064】(封止材外層)封止材外層201として、
白板ガラス(1mm厚)を用意した。
【0065】(封止材内層の作成)封止材内層202と
して2液付加型液状シリコーン100重量部と、フィラ
ーとして酸化アルミニウム(平均粒径1μm)240重
量部を用意した。以上を混合し脱気した。
【0066】(光起電力素子)光起電力素子203とし
て、単結晶シリコンの光起電力素子を用意した。
【0067】(基板)基板204として、銅/窒化アル
ミニウム/銅の三層積層構造の基板を用意した。
【0068】(冷却部材)冷却部材205として、ヒー
トシンクを用意した。
【0069】以上の部材を以下の方法で組み立てた。
【0070】基板204上の所定の位置に半田ペースト
を印刷し、光起電力素子203を所定の位置に載置し
た。これをリフロー炉を用いて加熱、冷却し、基板20
4と光起電力素子203を一体化した。
【0071】次に、冷却部材205に伝熱性の接着剤を
塗布し、基板204と光起電力素子203を一体化した
ものと貼り合わせ、熱風乾燥炉で加熱硬化した。
【0072】最後に、光起電力素子203上に封止材内
層202を滴下し、その上に封止材外層201を載せ、
真空チャンバーに入れて再度脱気を行った。その後、熱
風乾燥炉で加熱硬化した。
【0073】次に、シミュレーターを用いて、25℃に
おけるレシーバーの電気的特性を測定した。
【0074】また、得られたレシーバーを図3に示すフ
レネルレンズを用いた集光系にセットし、太陽電池モジ
ュールを組み立てた。集光倍率は250倍とした。図3
において、301はフレネルレンズ、302は筐体、3
03はレシーバーである。
【0075】そして、得られた太陽電池モジュールを以
下の手法で評価した。
【0076】(屋外曝露試験)得られた太陽電池モジュ
ールを図示しない太陽追尾装置に設置し、屋外暴露を行
い、そこで光起電力素子の温度、太陽電池モジュールの
変換効率を測定した。この変換効率の測定結果を、予め
シミュレーターを用いて測定した値に対する相対値とし
て表1に示す。
【0077】(高温高湿試験)得られたレシーバーを8
5℃、85%、5000時間の高温高湿試験を行った
後、上記屋外曝露試験と同様に変換効率の測定を行っ
た。更に外観を目視により評価した。以下の評価基準で
評価を行い、その結果を表1に示す。 ○:外観に変化を生じず、変換効率に3%以上の低下を
生じないもの △:外観に変化を生じず、変換効率に3%以上5%以下
の低下を生じたもの ×:剥離等を生じたもの
【0078】〔実施例2〕実施例1と同様にレシーバー
を作成した。得られたレシーバーを図4に示す反射鏡を
用いた太陽電池モジュールにセットした。集光倍率は2
50倍とした。図4において、401は反射鏡、402
はレシーバーである。その評価結果を表1に示す。
【0079】〔実施例3〕封止材外層を白板ガラスから
ポリクロロトリフルオロエチレンフィルム(厚み50μ
m)に変更した以外は、実施例1と同様に行った。その
評価結果を表1に示す。
【0080】〔実施例4〕封止材外層を使用しない以外
は、実施例1と同様に行った。その評価結果を表1に示
す。
【0081】〔比較例1〕封止材による封止を行わない
以外は、実施例1と同様に行った。その評価結果を表1
に示す。
【0082】
【表1】
【0083】表1から明らかなように、本発明の太陽電
池モジュールは温度上昇が少なく、変換効率の低下を抑
えることが可能である。また、光起電力素子を熱伝導性
封止材で封止することにより、光起電力素子の信頼性を
高めることが可能となった。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の太陽電池
モジュールによれば、集光型の太陽電池モジュールにお
ける光起電力素子を熱伝導性封止材で封止し、該封止材
を介して光起電力素子の熱を他の部材もしくは大気に放
出することにより、光起電力素子の温度上昇を防ぎ、変
換効率の低下を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池モジュールにおけるレシーバ
ーの積層構成を示す概略図である。
【図2】実施例に係る太陽電池モジュールにおけるレシ
ーバーの積層構成を示す概略図である。
【図3】実施例及び比較例に係る太陽電池モジュールの
構造を示す概略図である。
【図4】実施例2に係る太陽電池モジュールの構造を示
す概略図である。
【符号の説明】
101 封止材 102 光起電力素子 103 基板 104 冷却部材 105 封止材外層 106 封止材内層 201 封止材外層 202 封止材内層 203 光起電力素子 204 基板 205 冷却部材 301 フレネルレンズ 302 筐体 303 レシーバー 401 反射鏡 402 レシーバー

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽光線を集光する集光手段と太陽を追
    尾する追尾手段とを有し、集光した太陽光線を光起電力
    素子で受光して出力を得る太陽電池モジュールにおい
    て、 前記光起電力素子を熱伝導性封止材で封止し、該封止材
    を介して前記光起電力素子の熱を他の部材もしくは大気
    に放出することを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 【請求項2】 前記封止材の表面が凹凸を有することを
    特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 【請求項3】 前記封止材が、封止材外層と封止材内層
    とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の
    太陽電池モジュール。
  4. 【請求項4】 前記封止材外層は、前記封止材内層より
    も水蒸気透過率が低いことを特徴とする請求項3に記載
    の太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 前記封止材外層には、反射防止膜が設け
    られていることを特徴とする請求項3または4に記載の
    太陽電池モジュール。
  6. 【請求項6】 前記封止材はフィラーを含有しているこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の太陽
    電池モジュール。
  7. 【請求項7】 前記フィラーの熱伝導率が、光起電力素
    子の熱伝導率よりも高いことを特徴とする請求項6に記
    載の太陽電池モジュール。
  8. 【請求項8】 前記フィラーの熱伝導率が150W/m
    ・K以上であることを特徴とする請求項6または7に記
    載の太陽電池モジュール。
  9. 【請求項9】 前記フィラーが少なくとも窒化アルミニ
    ウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウムのいずれかか
    ら選択されてなることを特徴とする請求項6乃至8のい
    ずれかに記載の太陽電池モジュール。
  10. 【請求項10】 前記光起電力素子は、非受光面側に出
    力取り出し電極を有することを特徴とする請求項1乃至
    9のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  11. 【請求項11】 前記集光手段は、フレネルレンズを用
    いたものであることを特徴とする請求項1乃至10のい
    ずれかに記載の太陽電池モジュール。
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