JP2004342986A - 太陽電池モジュール及び太陽電池モジュール設置構造体 - Google Patents
太陽電池モジュール及び太陽電池モジュール設置構造体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】光起電力素子に接続されたバイパスダイオードの効果的な冷却を低コストで可能にする太陽電池モジュール構造を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の太陽電池素子を直列化した太陽電池素子集合体、該太陽電池素子集合体を封止材で封止した太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池素子それぞれに一個以上のバイパスダイオードを太陽電池素子の外側に位置するよう接続し、前記太陽電池素子集合体の外側に外部配線と直接接続される単一の電気配線部材を設け、前記バイパスダイオードすべてに接するように配する構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の太陽電池素子を直列化した太陽電池素子集合体、該太陽電池素子集合体を封止材で封止した太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池素子それぞれに一個以上のバイパスダイオードを太陽電池素子の外側に位置するよう接続し、前記太陽電池素子集合体の外側に外部配線と直接接続される単一の電気配線部材を設け、前記バイパスダイオードすべてに接するように配する構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、逆流電流防止用バイパスダイオードを内蔵した太陽電池モジュールに係わり、特に、バイパスダイオードの放熱性を向上させて信頼性を改善した太陽電池モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光起電力素子を直列に接続し、それを封止材によって封止した太陽電池モジュールは、一部の光起電力素子への入射光が遮光されて発電しなくなると、その素子に逆バイアスが印加されてしまう。そして、逆バイアスが素子の耐圧以上になると素子が破壊され、太陽電池モジュールの性能低下につながる。このような故障を防止するために、従来より各光起電力素子に逆バイアスをバイパスするためのバイパスダイオードを接続することが行われている。図5はこのような太陽電池モジュールの概略平面図である。図5において、1は光起電力素子、3はバイパスダイオード、12はダイオードのリード線、13は素子を接続するためのインターコネクタ、6は封止材である。この図において、バイパスダイオードは各素子と並列に接続され、素子に逆バイアスが生じた場合はダイオードを通って電流が流れ、素子が故障することがないようになっている。
【0003】
また、複数の光起電力素子を接続して所望の電圧・電流を得られるようにした光起電力素子群はこのままでは屋外の過酷な環境下での使用に耐えることができない。そこで、封止材による封止を行い太陽電池モジュールとする必要がある。封止材にはエチレン―ビニルアセテート(EVA)樹脂が一般的に用いられ、受光面側の最表面にはガラスやフッ素樹脂フィルムなどの耐候性・透光性に優れる部材が配される。一方、裏面側には電気絶縁性に優れるポリエステルフィルムなどが配される。光起電力素子は封止材中に埋設され、受光面部材及び裏面部材が貼り付けられることによって太陽電池モジュールが構成される。
【0004】
しかしながら、上述したような従来の太陽電池モジュールの構成には以下のような問題があった。
【0005】
近年の光起電力素子の性能向上及び大面積化に伴い、バイパスダイオードに流れる電流がますます大きくなってきており、場合によっては5Aを超えることも珍しくない。このような大電流がダイオードに流れるとダイオードが発熱して150℃を超えることもあり、これが長時間続くとダイオードが故障する可能性が高まる。また、ダイオードだけでなく、周辺の封止材樹脂や素子への影響もある。例えば封止材樹脂が熱によって黄変したり熱分解して気泡が発生したりする、あるいは素子がアモルファスシリコンにように比較的耐熱温度が低い場合には、素子への悪影響もある。
【0006】
一方、近年においては太陽電池モジュールのコストダウンが叫ばれており、そのような流れにあって、従来よりも格段に薄く簡易な封止形態の試みもなされているが、そのためにはバイパスダイオードをなるべく小型化するほうが望ましいが、小型化すれば容量が小さくなり、発熱の問題は一層深刻となる。
【0007】
バイパスダイオードの放熱性を向上させた太陽電池モジュールが特開2001−298134号公報(特許文献1)に記載されている。ここでリード付きバイパスダイオードに放熱フィンを半田で取り付けて太陽電池モジュールに内蔵するかもしくは封止材を介して放熱フィンを枠材に連結することによってバイパスダイオードを冷却することが開示されている。また、素子間のインターコネクタを放熱フィンとして用いることも図示されている。しかしながら、この構成では十分な放熱効果を得ることができないことがある。すなわち、インターコネクタを放熱フィンとした場合、熱はインターコネクタの熱伝導によって排熱されるが、太陽電池モジュール外に排熱する際には、インターコネクタに接続された別のバイパスダイオードが熱伝導の障害になって、放熱が妨げられる。その一方で、インターコネクタは素子に半田などの熱伝導性接着剤で接続されているので、バイパスダイオードの発熱が非常に大きい時には光起電力素子が加熱されてしまい、素子にダメージを与える恐れがある。さらに、前記放熱フィンを封止材を介して枠材に連結しても、封止材の熱伝導性が金属ほど高くないので、期待したほど効果が上がらない。一方、個々のバイパスダイオードに専用の放熱フィンを取り付け、これらをモジュールの外に露出させれば、冷却性能の向上を図ることは可能であるが、太陽電池モジュールのコストアップを招くので望ましくない。
【0008】
特開平5−152596号公報(特許文献2)では熱伝導性のよい金属層を裏面層の外気側に含む構成とすることによって放熱効果を向上させ、バイパスダイオードの高温化を抑制することが開示されている。しかしながら、この構成では裏面に通常必要のない金属箔等を設ける必要があり、コストアップとなる。
【0009】
したがって、従来の太陽電池モジュールは、バイパスダイオードの効果的な冷却を低コストで実現しなければならないという課題を有していた。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−298134号公報
【特許文献2】
特開平5−152596号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、光起電力素子に接続されたバイパスダイオードの効果的な冷却を低コストで可能にする太陽電池モジュール構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究開発を重ねた結果、次のような発明が極めて効果的であることを見いだした。
【0013】
即ち、上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、複数の太陽電池素子を直列化した太陽電池素子集合体、該太陽電池素子集合体を封止材で封止した太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池素子それぞれに一個以上のバイパスダイオードを太陽電池素子の外側に位置するよう接続し、前記太陽電池素子集合体の外側に外部配線と直接接続される電気配線部材を設け、前記バイパスダイオードすべてに接するように配されていることを特徴とする。
【0014】
これによって、バイパスダイオードを冷却するための特別な部材を必要とすることなく、低コストでバイパスダイオードの冷却を行うことが可能となる。また、電気配線部材によって放熱を行うことで、光起電力素子へのダイオード発熱の影響を避けることができる。さらに、電気配線部材が部材から成り、その一端が外部配線と直接接続されることによって、ダイオードの熱を効果的に太陽電池モジュールの外に放熱することができる。その結果、定格電流の小さなダイオードの使用が可能となるので、太陽電池モジュール製造コストの一層の抑制を図ることができる。また、インターコネクターによる放熱の場合と異なり、ダイオードと光起電力素子との距離の設計自由度が大きく、十分な距離を確保することが可能となるため、光起電力素子への熱伝達を小さくすることが可能である。
【0015】
前記電気配線部材の片端が封止材より外へ導出されていることによって、バイパスダイオードの冷却効果が向上する。すなわち、放熱が封止材を介してのみならず、封止材の外につながれた電気配線に直接熱伝導することにより行われるため、電気配線部材が一層冷却されやすくなる。
【0016】
前記バイパスダイオードと前記電気配線部材との間に熱伝導性樹脂層を設けることによって、バイパスダイオードと電気配線部材との密着性が高まり、より効率的にダイオードを冷却することができる。
【0017】
前記太陽電池素子集合体が太陽電池素子を一列に並べて直列化したものであることによって、電気配線部材の配設構造を簡単にすることができる。
【0018】
前記電気配線部材が前記太陽電池素子集合体の直列方向に平行して太陽電池モジュール周縁部に配されていることによって、電気配設部材からの放熱をより効率よく行うことができる。
【0019】
前記太陽電池素子集合体の受光面側を透光性の表面部材と封止材で封止し、非受光面側をプラスチックフィルムからなる裏面部材と封止材のみで封止すれば、ダイオードの冷却性能に優れた太陽電池モジュールをさらに低コストで製造することが可能となる。
【0020】
複数の太陽電池素子を直列化した太陽電池素子集合体、該太陽電池素子集合体を封止材で封止した太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池素子それぞれに一個以上のバイパスダイオードを太陽電池素子の外側に位置するよう接続し、前記太陽電池素子集合体の外側に外部配線と直接接続される電気配線部材を設け、前記バイパスダイオードすべてに接するように配されており、前記電気配線部材配設部を金属部材で狭持するように太陽電池モジュールを構造体に固定したことを特徴とする太陽電池モジュール設置構造体とすることによって、屋外暴露中に太陽電池モジュールの一部が影となってバイパスダイオードに電流が流れたとしても、電気配線部材及び金属部材によってダイオードの昇温が抑制され、バイパスダイオードの故障による電気性能の低下のない、長期信頼性に優れた太陽電池モジュール設置構造体を提供することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1に本発明を実施した太陽電池モジュールの一実施態様を表す概略平面図を示す。図1において、1は光起電力素子、2はバスバー電極、3はバイパスダイオード、4、5は金属箔材、6は封止材である。
【0022】
本発明においては、太陽電池素子を一列に並べて直列化した太陽電池素子集合体の受光面側を透光性の表面部材と封止材で封止し、非受光面側をプラスチックフィルムからなる裏面部材と封止材で封止した太陽電池モジュールであって、前記太陽電池素子それぞれに一個以上のバイパスダイオードが素子の外側に位置するように接続され、前記太陽電池素子集合体の直列方向に平行して外部配線と直接接続される金属箔材からなる電気配線部材がバイパスダイオードに接するように配されていることが主な特徴である。
【0023】
光起電力素子1は図1に示すように複数枚が一列に並べられて直列に接続されている。光起電力素子上には集電電極(不図示)が設けられており、その集電電極はバスバー電極2に接続されている。そして、バスバー電極が隣接する光起電力素子の裏面側の電極に接続されることによって、直列化が行われている。
【0024】
各光起電力素子には、素子に逆バイアスが印加されたときにダイオードを通して電流が流れるようにバイパスダイオード3が並列に接続されている。すなわち、バイパスダイオードの二つのリードのうち一方がバスバー電極に、もう一方が同じ素子の裏面電極に接続されている。また、バイパスダイオードの接合部は光起電力素子の外側に位置するように配されている。
【0025】
バイパスダイオードとしては、チップダイオードに銅箔などからなるリードを取り付けたものや、接合部が樹脂によってあらかじめ封止されており、リード線が樹脂より導出されている、いわゆるモールド型ダイオードなどが好適に用いられる。モールド型ダイオードには放熱のための金属板が設けられているものがあるが、もちろんそれでも構わない。モールド型ダイオードの場合は、後述する金属箔材との接触面積を大きくするために、モールドの一部が平面状になっているものが望ましい。チップダイオードの場合は金属箔材と電気的に接触するのを防止する目的で、チップダイオードと金属箔材との間に薄い絶縁層を設けることもできる。
【0026】
バイパスダイオードの厚さは封止材中に埋設されうる限り、特に限定はされないが、モジュールをなるべく平坦化し、かつ封止材の使用量を少なくしてモジュールのコストダウンを図るために薄いほうがよい。具体的には、3mm以下であることが望ましく、2mm以下であることがより望ましい。また、バイパスダイオードの大きさも特に限定されるものではないが、あまり大きいとモジュール外形が大きくなってしまうし、小さいと金属箔材との接触面積が小さくなり放熱が十分に行われなくなる。したがって、3mm角以上、10mm角以下程度が好適である。
【0027】
バイパスダイオードの光起電力素子への接続は、半田付け、レーザー溶接、導電性ペーストによる方法など従来公知なものを種々選択して行われる。
【0028】
複数の光起電力素子を直列接続して光起電力素子集合体としたものから電気出力を取り出すために金属箔材4、5が設けられている。図1において、金属箔材5は光起電力素子集合体の直列接続端光起電力素子のバスバー電極に接続されており、金属箔材4はもう一方の直列接続端光起電力素子の裏面電極に接続されている。そして金属箔材4は、前述したバイパスダイオードと接するように光起電力素子集合体の直列方向に平行して配設されている。
【0029】
バイパスダイオードと金属箔材4の間には効率的に放熱を行うために、熱伝導性樹脂層を設けることが好ましい。熱伝導性樹脂層としては、アルミナ、アルミニウムナイトライド、ボロンナイトライドなどの熱伝導性の無機化合物微粒子を分散させた耐熱性の樹脂が好適に用いられる。耐熱性の樹脂としてシリコーン樹脂を用いるのが好ましい構成であり、シリコーン樹脂の性状がゴム状、あるいはグリース状であればバイパスダイオードと金属箔材との密着性を高めることができるので、より好ましい。
【0030】
金属箔体の材質は特に限定されるものではないが、通常、銅箔あるいは錫、ニッケル、銀などをメッキした銅箔が高熱伝導性と低コストを両立できるので好適に用いられる。
【0031】
一方、金属箔材4はバイパスダイオードの熱を効率的に放熱するために、外部配線と直接接続される構造となっている。また、金属箔材4は単一の部材からなることが好ましい。単一の部材であることで、熱伝導が妨げられることがなく、また、外部配線と接続されることで、外部配線へも放熱することが可能となるからである。なお、ここで単一部材というのは同じ材料からなる部材で構成されているということであり、同一の材料からなる複数の部材を半田付けや溶接などによって接合したものも含まれる。
【0032】
なお、ここでは金属箔材4がバイパスダイオードに接する構造となっているが、代わりに逆側の極性の電気出力取り出し用部材である金属箔材5を光起電力素子集合体の直列方向に平行して配設してバイパスダイオードに接するようにすることも無論可能である。
【0033】
バイパスダイオード、金属箔材を接続した光起電力素子集合体はEVA樹脂など従来公知の封止材6によって封止され、さらに表面に透光性の表面部材、裏面にプラスチックフィルムが貼り合わされて太陽電池モジュールが構成される。この際、バイパスダイオードに接している金属箔材4が封止材から導出され太陽電池モジュールの外部に延在していることによって、モジュール外部にも放熱することができる。
【0034】
このように作製した太陽電池モジュールを屋外に設置して発電に供する場合には、構造体に固定する必要がある。その際、図4のように、バイパスダイオードとそれに接する金属箔材を金属のカバー部材で覆うようにすると本発明の効果が一層発揮されるので好ましい。カバー部材によってバイパスダイオード及び金属箔材への太陽光の照射が遮断されるので、ダイオードの温度上昇が一層抑制されるとともに、カバー部材の熱伝導による放熱効果も加わるので、更にダイオードの昇温は抑制される。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
【0036】
(実施例1)
導電性基板上に裏面反射層、半導体光活性層、透明電極層を順次形成し、透明電極層の上に櫛型の集電電極とそれに接続したバスバー電極を有するアモルファスシリコン太陽電池(光起電力素子)を用いて本発明の第一の実施例に従う太陽電池モジュールを製作する方法を図2を用いて以下に説明する。
【0037】
まず、光起電力素子1にバイパスダイオード3を取り付ける。バイパスダイオードはモールド型ダイオードで、定格電流5A、逆耐圧20V、順方向電圧最大0.45V、接合部温度最大125℃、パッケージサイズは3mm×5mm、厚さ2mmの直方体形状のものを使用する。ダイオードのカソード側が素子の正極側に、アノード側が素子の負極側に接続されるようにダイオードの2本のリードをそれぞれバスバー電極2と導電性基板に半田付けする。モールド部は素子の外側に配置する。
【0038】
バイパスダイオードを取り付けた複数の光起電力素子を直列に接続し、直列接続された光起電力素子の一端の光起電力素子上に設けられているバスバー電極に錫メッキ銅箔8を半田にて取り付ける。
【0039】
同様に、直列接続された光起電力素子の他の一端の光起電力素子裏面の導電性基板にも錫メッキ銅箔7を半田にて接続する。錫メッキ銅箔7は光起電力素子の直列方向に沿ってバイパスダイオードに接するように配設される。このとき、銅箔と接するバイパスダイオードのモールドパッケージ面には熱伝導性を高めるためにあらかじめ熱伝導性のシリコーングリースを塗布しておく。
【0040】
この後、厚さ100マイクロメートルのポリエステルフィルムの上に、太陽電池用封止材樹脂であるエチレンビニルアセテート(EVA)樹脂の厚さ0.5ミリメートルのシート、バイパスダイオード及び銅箔を取り付けた光起電力素子直列接続体、厚さ0.5ミリメートルのEVA樹脂シート、厚さ50マイクロメートルの透明なフッ素樹脂フィルムを順次積層し、真空ラミネーターにて加熱圧着することによって光起電力素子を封止して太陽電池モジュールとする。
【0041】
ここで、錫メッキ銅箔の端部がEVA樹脂シートよりも外へはみ出るように積層することによって封止材端部より銅箔を導出し、導出部にリード線を半田付けすることによって出力を取り出す。
【0042】
このようにして作製した太陽電池モジュールについて、25℃の雰囲気下で光起電力素子の出力電圧とは逆方向になるようにバイアス電圧を印加して、バイパスダイオードに光起電力素子の短絡電流と同じ4Aの電流を流し、30分後のダイオードモールド表面の温度を測定する。その結果、モールド表面の温度は100℃以下であり、接合部温度の絶対最大定格である125℃に比べて十分余裕のある値であった。
【0043】
(比較例1)
実施例の効果を明確にするために、以下の第一の比較例に従う太陽電池モジュールを作製する。作製方法を図3を用いて説明する。
バイパスダイオードを取り付けた光起電力素子1を直列接続して、錫メッキ銅箔7を取り付けるまでは実施例1と同様であるが、錫メッキ銅箔7を接続する際にバイパスダイオードとは離して配設する点が実施例1と異なる。その後は実施例1と全く同様に封止を行い太陽電池モジュールとする。
【0044】
実施例1と同じバイパスダイオードへの通電試験を行った結果、モールド表面の温度は100℃を超えてしまい、屋外暴露で雰囲気温度が上昇した場合、ジャンクション温度が125℃を超えてダイオード破損の恐れがあることが分かった。
【0045】
(実施例2)
実施例1において、フッ素樹脂フィルムに代えて厚さ3.3ミリメートルの白板強化ガラス板を用いて、受光面側の最表面をガラスで覆う、いわゆるスーパーストレート構造の太陽電池モジュールとする。それ以外は実施例1と全く同様である。
【0046】
バイパスダイオードへの通電試験の結果、モールド表面の温度は100℃以下であった。
【0047】
(比較例2)
比較例1において、フッ素樹脂フィルムに代えて厚さ3.3ミリメートルの白板強化ガラス板を用いて、受光面側の最表面をガラスで覆う、いわゆるスーパーストレート構造の太陽電池モジュールとする。それ以外は比較例1と全く同様である。
【0048】
バイパスダイオードへの通電試験の結果、モールド表面の温度は110℃を超えてしまい、ダイオード破損の可能性は比較例1よりさらに大きいものであった。比較例1よりも昇温が大きかった原因としては、ガラスによる断熱効果が考えられる。
【0049】
(実施例3)
実施例1で作製したモジュールを太陽電池用の架台に設置して、屋外での暴露を行う。図4に示すように、太陽電池モジュールを架台9上に置き、ダイオード及び錫メッキ銅箔が配設されているモジュール長辺側端部をステンレス板10で狭持することによって架台に固定する。この太陽電池モジュールにAM1.5、1SUNの太陽光が照射されている状態で雰囲気温度25℃でのバイパスダイオードへの通電試験を行う。
【0050】
その結果、光起電力素子の温度は50℃程度であって、太陽光照射によって雰囲気温度より25℃の温度上昇があったが、ダイオードモールド表面の温度は100℃以下であり、光照射していない実施例1と比べて大差のない値であった。ステンレス板によって遮光されている上に、ダイオードが光起電力素子より離れて接続されているために、光起電力素子の熱の影響を受けることがなく、効果的に錫メッキ銅箔への放熱が行われ、さらに、ステンレス板による冷却効果も加わったためだと考えられる。
【0051】
以上のように、最表面部材としてフィルムあるいはガラスのいずれを用いた場合でも、本発明を実施した太陽電池モジュールとすることによって、十分なバイパスダイオード冷却効果が得られる。したがって、太陽電池モジュールが部分的に影になって特定の光起電力素子に逆方向のバイアスが生じてバイパスダイオードに電流が流れたとしても、接合部温度が絶対最大定格を超えるようなことがなく、バイパスダイオードの故障のない信頼性の高い太陽電池モジュールを提供することが可能となる。
【0052】
また、十分な冷却効果が得られるので従来よりも定格電流の小さなバイパスダイオードを用いることができるようになるので、モジュール製造コストを下げることができる。そして、定格電流を下げてダイオードの外形寸法を小さくすれば封止材の厚みを薄くすることもできるので、さらに製造コストを下げることが可能となる。
【0053】
一方、太陽電池モジュールを構造体に設置する場合に、モジュール端部のバイパスダイオード及び金属箔材配設部を金属板で狭持して固定することで、ダイオードの冷却効果を高めた太陽電池モジュール設置構造体を簡単に提供することができる。
【0054】
なお、本発明は以上の実施例に何等限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変更することができる。例えば、上記実施例では光起電力素子としてアモルファスシリコン太陽電池を用いたが、それに代えて結晶シリコン、多結晶シリコン太陽電池を用いることも無論可能である。
【0055】
【発明の効果】
複数の太陽電池素子を直列化した太陽電池素子集合体、該太陽電池素子集合体を封止材で封止した太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池素子それぞれに一個以上のバイパスダイオードを太陽電池素子の外側に位置するよう接続し、前記太陽電池素子集合体の外側に外部配線と直接接続される電気配線部材を設け、前記バイパスダイオードすべてに接するように配されていることによって、光起電力素子に接続されたバイパスダイオードの効果的な冷却を低コストで可能にする太陽電池モジュール構造を提供することができる。すなわち、太陽電池モジュールが部分的に影になって特定の光起電力素子に逆方向のバイアスが生じてバイパスダイオードに電流が流れたとしても、接合部温度が絶対最大定格を超えるようなことがなく、バイパスダイオードの故障のない信頼性の高い太陽電池モジュールを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した太陽電池モジュールの一実施形態の概略平面図である。
【図2】実施例1の太陽電池モジュールの概略平面図である。
【図3】比較例1の太陽電池モジュールの概略平面図である。
【図4】本発明を実施した太陽電池モジュール設置構造体の一実施形態を表す模式図である。
【図5】従来の太陽電池モジュールのバイパスダイオード取り付け構造の一例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 光起電力素子
2 バスバー電極
3 バイパスダイオード
4、5 金属箔材
6 封止材
7、8 錫メッキ銅箔
9 架台
10 金属板
11 ビス
【発明の属する技術分野】
本発明は、逆流電流防止用バイパスダイオードを内蔵した太陽電池モジュールに係わり、特に、バイパスダイオードの放熱性を向上させて信頼性を改善した太陽電池モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光起電力素子を直列に接続し、それを封止材によって封止した太陽電池モジュールは、一部の光起電力素子への入射光が遮光されて発電しなくなると、その素子に逆バイアスが印加されてしまう。そして、逆バイアスが素子の耐圧以上になると素子が破壊され、太陽電池モジュールの性能低下につながる。このような故障を防止するために、従来より各光起電力素子に逆バイアスをバイパスするためのバイパスダイオードを接続することが行われている。図5はこのような太陽電池モジュールの概略平面図である。図5において、1は光起電力素子、3はバイパスダイオード、12はダイオードのリード線、13は素子を接続するためのインターコネクタ、6は封止材である。この図において、バイパスダイオードは各素子と並列に接続され、素子に逆バイアスが生じた場合はダイオードを通って電流が流れ、素子が故障することがないようになっている。
【0003】
また、複数の光起電力素子を接続して所望の電圧・電流を得られるようにした光起電力素子群はこのままでは屋外の過酷な環境下での使用に耐えることができない。そこで、封止材による封止を行い太陽電池モジュールとする必要がある。封止材にはエチレン―ビニルアセテート(EVA)樹脂が一般的に用いられ、受光面側の最表面にはガラスやフッ素樹脂フィルムなどの耐候性・透光性に優れる部材が配される。一方、裏面側には電気絶縁性に優れるポリエステルフィルムなどが配される。光起電力素子は封止材中に埋設され、受光面部材及び裏面部材が貼り付けられることによって太陽電池モジュールが構成される。
【0004】
しかしながら、上述したような従来の太陽電池モジュールの構成には以下のような問題があった。
【0005】
近年の光起電力素子の性能向上及び大面積化に伴い、バイパスダイオードに流れる電流がますます大きくなってきており、場合によっては5Aを超えることも珍しくない。このような大電流がダイオードに流れるとダイオードが発熱して150℃を超えることもあり、これが長時間続くとダイオードが故障する可能性が高まる。また、ダイオードだけでなく、周辺の封止材樹脂や素子への影響もある。例えば封止材樹脂が熱によって黄変したり熱分解して気泡が発生したりする、あるいは素子がアモルファスシリコンにように比較的耐熱温度が低い場合には、素子への悪影響もある。
【0006】
一方、近年においては太陽電池モジュールのコストダウンが叫ばれており、そのような流れにあって、従来よりも格段に薄く簡易な封止形態の試みもなされているが、そのためにはバイパスダイオードをなるべく小型化するほうが望ましいが、小型化すれば容量が小さくなり、発熱の問題は一層深刻となる。
【0007】
バイパスダイオードの放熱性を向上させた太陽電池モジュールが特開2001−298134号公報(特許文献1)に記載されている。ここでリード付きバイパスダイオードに放熱フィンを半田で取り付けて太陽電池モジュールに内蔵するかもしくは封止材を介して放熱フィンを枠材に連結することによってバイパスダイオードを冷却することが開示されている。また、素子間のインターコネクタを放熱フィンとして用いることも図示されている。しかしながら、この構成では十分な放熱効果を得ることができないことがある。すなわち、インターコネクタを放熱フィンとした場合、熱はインターコネクタの熱伝導によって排熱されるが、太陽電池モジュール外に排熱する際には、インターコネクタに接続された別のバイパスダイオードが熱伝導の障害になって、放熱が妨げられる。その一方で、インターコネクタは素子に半田などの熱伝導性接着剤で接続されているので、バイパスダイオードの発熱が非常に大きい時には光起電力素子が加熱されてしまい、素子にダメージを与える恐れがある。さらに、前記放熱フィンを封止材を介して枠材に連結しても、封止材の熱伝導性が金属ほど高くないので、期待したほど効果が上がらない。一方、個々のバイパスダイオードに専用の放熱フィンを取り付け、これらをモジュールの外に露出させれば、冷却性能の向上を図ることは可能であるが、太陽電池モジュールのコストアップを招くので望ましくない。
【0008】
特開平5−152596号公報(特許文献2)では熱伝導性のよい金属層を裏面層の外気側に含む構成とすることによって放熱効果を向上させ、バイパスダイオードの高温化を抑制することが開示されている。しかしながら、この構成では裏面に通常必要のない金属箔等を設ける必要があり、コストアップとなる。
【0009】
したがって、従来の太陽電池モジュールは、バイパスダイオードの効果的な冷却を低コストで実現しなければならないという課題を有していた。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−298134号公報
【特許文献2】
特開平5−152596号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、光起電力素子に接続されたバイパスダイオードの効果的な冷却を低コストで可能にする太陽電池モジュール構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究開発を重ねた結果、次のような発明が極めて効果的であることを見いだした。
【0013】
即ち、上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、複数の太陽電池素子を直列化した太陽電池素子集合体、該太陽電池素子集合体を封止材で封止した太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池素子それぞれに一個以上のバイパスダイオードを太陽電池素子の外側に位置するよう接続し、前記太陽電池素子集合体の外側に外部配線と直接接続される電気配線部材を設け、前記バイパスダイオードすべてに接するように配されていることを特徴とする。
【0014】
これによって、バイパスダイオードを冷却するための特別な部材を必要とすることなく、低コストでバイパスダイオードの冷却を行うことが可能となる。また、電気配線部材によって放熱を行うことで、光起電力素子へのダイオード発熱の影響を避けることができる。さらに、電気配線部材が部材から成り、その一端が外部配線と直接接続されることによって、ダイオードの熱を効果的に太陽電池モジュールの外に放熱することができる。その結果、定格電流の小さなダイオードの使用が可能となるので、太陽電池モジュール製造コストの一層の抑制を図ることができる。また、インターコネクターによる放熱の場合と異なり、ダイオードと光起電力素子との距離の設計自由度が大きく、十分な距離を確保することが可能となるため、光起電力素子への熱伝達を小さくすることが可能である。
【0015】
前記電気配線部材の片端が封止材より外へ導出されていることによって、バイパスダイオードの冷却効果が向上する。すなわち、放熱が封止材を介してのみならず、封止材の外につながれた電気配線に直接熱伝導することにより行われるため、電気配線部材が一層冷却されやすくなる。
【0016】
前記バイパスダイオードと前記電気配線部材との間に熱伝導性樹脂層を設けることによって、バイパスダイオードと電気配線部材との密着性が高まり、より効率的にダイオードを冷却することができる。
【0017】
前記太陽電池素子集合体が太陽電池素子を一列に並べて直列化したものであることによって、電気配線部材の配設構造を簡単にすることができる。
【0018】
前記電気配線部材が前記太陽電池素子集合体の直列方向に平行して太陽電池モジュール周縁部に配されていることによって、電気配設部材からの放熱をより効率よく行うことができる。
【0019】
前記太陽電池素子集合体の受光面側を透光性の表面部材と封止材で封止し、非受光面側をプラスチックフィルムからなる裏面部材と封止材のみで封止すれば、ダイオードの冷却性能に優れた太陽電池モジュールをさらに低コストで製造することが可能となる。
【0020】
複数の太陽電池素子を直列化した太陽電池素子集合体、該太陽電池素子集合体を封止材で封止した太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池素子それぞれに一個以上のバイパスダイオードを太陽電池素子の外側に位置するよう接続し、前記太陽電池素子集合体の外側に外部配線と直接接続される電気配線部材を設け、前記バイパスダイオードすべてに接するように配されており、前記電気配線部材配設部を金属部材で狭持するように太陽電池モジュールを構造体に固定したことを特徴とする太陽電池モジュール設置構造体とすることによって、屋外暴露中に太陽電池モジュールの一部が影となってバイパスダイオードに電流が流れたとしても、電気配線部材及び金属部材によってダイオードの昇温が抑制され、バイパスダイオードの故障による電気性能の低下のない、長期信頼性に優れた太陽電池モジュール設置構造体を提供することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1に本発明を実施した太陽電池モジュールの一実施態様を表す概略平面図を示す。図1において、1は光起電力素子、2はバスバー電極、3はバイパスダイオード、4、5は金属箔材、6は封止材である。
【0022】
本発明においては、太陽電池素子を一列に並べて直列化した太陽電池素子集合体の受光面側を透光性の表面部材と封止材で封止し、非受光面側をプラスチックフィルムからなる裏面部材と封止材で封止した太陽電池モジュールであって、前記太陽電池素子それぞれに一個以上のバイパスダイオードが素子の外側に位置するように接続され、前記太陽電池素子集合体の直列方向に平行して外部配線と直接接続される金属箔材からなる電気配線部材がバイパスダイオードに接するように配されていることが主な特徴である。
【0023】
光起電力素子1は図1に示すように複数枚が一列に並べられて直列に接続されている。光起電力素子上には集電電極(不図示)が設けられており、その集電電極はバスバー電極2に接続されている。そして、バスバー電極が隣接する光起電力素子の裏面側の電極に接続されることによって、直列化が行われている。
【0024】
各光起電力素子には、素子に逆バイアスが印加されたときにダイオードを通して電流が流れるようにバイパスダイオード3が並列に接続されている。すなわち、バイパスダイオードの二つのリードのうち一方がバスバー電極に、もう一方が同じ素子の裏面電極に接続されている。また、バイパスダイオードの接合部は光起電力素子の外側に位置するように配されている。
【0025】
バイパスダイオードとしては、チップダイオードに銅箔などからなるリードを取り付けたものや、接合部が樹脂によってあらかじめ封止されており、リード線が樹脂より導出されている、いわゆるモールド型ダイオードなどが好適に用いられる。モールド型ダイオードには放熱のための金属板が設けられているものがあるが、もちろんそれでも構わない。モールド型ダイオードの場合は、後述する金属箔材との接触面積を大きくするために、モールドの一部が平面状になっているものが望ましい。チップダイオードの場合は金属箔材と電気的に接触するのを防止する目的で、チップダイオードと金属箔材との間に薄い絶縁層を設けることもできる。
【0026】
バイパスダイオードの厚さは封止材中に埋設されうる限り、特に限定はされないが、モジュールをなるべく平坦化し、かつ封止材の使用量を少なくしてモジュールのコストダウンを図るために薄いほうがよい。具体的には、3mm以下であることが望ましく、2mm以下であることがより望ましい。また、バイパスダイオードの大きさも特に限定されるものではないが、あまり大きいとモジュール外形が大きくなってしまうし、小さいと金属箔材との接触面積が小さくなり放熱が十分に行われなくなる。したがって、3mm角以上、10mm角以下程度が好適である。
【0027】
バイパスダイオードの光起電力素子への接続は、半田付け、レーザー溶接、導電性ペーストによる方法など従来公知なものを種々選択して行われる。
【0028】
複数の光起電力素子を直列接続して光起電力素子集合体としたものから電気出力を取り出すために金属箔材4、5が設けられている。図1において、金属箔材5は光起電力素子集合体の直列接続端光起電力素子のバスバー電極に接続されており、金属箔材4はもう一方の直列接続端光起電力素子の裏面電極に接続されている。そして金属箔材4は、前述したバイパスダイオードと接するように光起電力素子集合体の直列方向に平行して配設されている。
【0029】
バイパスダイオードと金属箔材4の間には効率的に放熱を行うために、熱伝導性樹脂層を設けることが好ましい。熱伝導性樹脂層としては、アルミナ、アルミニウムナイトライド、ボロンナイトライドなどの熱伝導性の無機化合物微粒子を分散させた耐熱性の樹脂が好適に用いられる。耐熱性の樹脂としてシリコーン樹脂を用いるのが好ましい構成であり、シリコーン樹脂の性状がゴム状、あるいはグリース状であればバイパスダイオードと金属箔材との密着性を高めることができるので、より好ましい。
【0030】
金属箔体の材質は特に限定されるものではないが、通常、銅箔あるいは錫、ニッケル、銀などをメッキした銅箔が高熱伝導性と低コストを両立できるので好適に用いられる。
【0031】
一方、金属箔材4はバイパスダイオードの熱を効率的に放熱するために、外部配線と直接接続される構造となっている。また、金属箔材4は単一の部材からなることが好ましい。単一の部材であることで、熱伝導が妨げられることがなく、また、外部配線と接続されることで、外部配線へも放熱することが可能となるからである。なお、ここで単一部材というのは同じ材料からなる部材で構成されているということであり、同一の材料からなる複数の部材を半田付けや溶接などによって接合したものも含まれる。
【0032】
なお、ここでは金属箔材4がバイパスダイオードに接する構造となっているが、代わりに逆側の極性の電気出力取り出し用部材である金属箔材5を光起電力素子集合体の直列方向に平行して配設してバイパスダイオードに接するようにすることも無論可能である。
【0033】
バイパスダイオード、金属箔材を接続した光起電力素子集合体はEVA樹脂など従来公知の封止材6によって封止され、さらに表面に透光性の表面部材、裏面にプラスチックフィルムが貼り合わされて太陽電池モジュールが構成される。この際、バイパスダイオードに接している金属箔材4が封止材から導出され太陽電池モジュールの外部に延在していることによって、モジュール外部にも放熱することができる。
【0034】
このように作製した太陽電池モジュールを屋外に設置して発電に供する場合には、構造体に固定する必要がある。その際、図4のように、バイパスダイオードとそれに接する金属箔材を金属のカバー部材で覆うようにすると本発明の効果が一層発揮されるので好ましい。カバー部材によってバイパスダイオード及び金属箔材への太陽光の照射が遮断されるので、ダイオードの温度上昇が一層抑制されるとともに、カバー部材の熱伝導による放熱効果も加わるので、更にダイオードの昇温は抑制される。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
【0036】
(実施例1)
導電性基板上に裏面反射層、半導体光活性層、透明電極層を順次形成し、透明電極層の上に櫛型の集電電極とそれに接続したバスバー電極を有するアモルファスシリコン太陽電池(光起電力素子)を用いて本発明の第一の実施例に従う太陽電池モジュールを製作する方法を図2を用いて以下に説明する。
【0037】
まず、光起電力素子1にバイパスダイオード3を取り付ける。バイパスダイオードはモールド型ダイオードで、定格電流5A、逆耐圧20V、順方向電圧最大0.45V、接合部温度最大125℃、パッケージサイズは3mm×5mm、厚さ2mmの直方体形状のものを使用する。ダイオードのカソード側が素子の正極側に、アノード側が素子の負極側に接続されるようにダイオードの2本のリードをそれぞれバスバー電極2と導電性基板に半田付けする。モールド部は素子の外側に配置する。
【0038】
バイパスダイオードを取り付けた複数の光起電力素子を直列に接続し、直列接続された光起電力素子の一端の光起電力素子上に設けられているバスバー電極に錫メッキ銅箔8を半田にて取り付ける。
【0039】
同様に、直列接続された光起電力素子の他の一端の光起電力素子裏面の導電性基板にも錫メッキ銅箔7を半田にて接続する。錫メッキ銅箔7は光起電力素子の直列方向に沿ってバイパスダイオードに接するように配設される。このとき、銅箔と接するバイパスダイオードのモールドパッケージ面には熱伝導性を高めるためにあらかじめ熱伝導性のシリコーングリースを塗布しておく。
【0040】
この後、厚さ100マイクロメートルのポリエステルフィルムの上に、太陽電池用封止材樹脂であるエチレンビニルアセテート(EVA)樹脂の厚さ0.5ミリメートルのシート、バイパスダイオード及び銅箔を取り付けた光起電力素子直列接続体、厚さ0.5ミリメートルのEVA樹脂シート、厚さ50マイクロメートルの透明なフッ素樹脂フィルムを順次積層し、真空ラミネーターにて加熱圧着することによって光起電力素子を封止して太陽電池モジュールとする。
【0041】
ここで、錫メッキ銅箔の端部がEVA樹脂シートよりも外へはみ出るように積層することによって封止材端部より銅箔を導出し、導出部にリード線を半田付けすることによって出力を取り出す。
【0042】
このようにして作製した太陽電池モジュールについて、25℃の雰囲気下で光起電力素子の出力電圧とは逆方向になるようにバイアス電圧を印加して、バイパスダイオードに光起電力素子の短絡電流と同じ4Aの電流を流し、30分後のダイオードモールド表面の温度を測定する。その結果、モールド表面の温度は100℃以下であり、接合部温度の絶対最大定格である125℃に比べて十分余裕のある値であった。
【0043】
(比較例1)
実施例の効果を明確にするために、以下の第一の比較例に従う太陽電池モジュールを作製する。作製方法を図3を用いて説明する。
バイパスダイオードを取り付けた光起電力素子1を直列接続して、錫メッキ銅箔7を取り付けるまでは実施例1と同様であるが、錫メッキ銅箔7を接続する際にバイパスダイオードとは離して配設する点が実施例1と異なる。その後は実施例1と全く同様に封止を行い太陽電池モジュールとする。
【0044】
実施例1と同じバイパスダイオードへの通電試験を行った結果、モールド表面の温度は100℃を超えてしまい、屋外暴露で雰囲気温度が上昇した場合、ジャンクション温度が125℃を超えてダイオード破損の恐れがあることが分かった。
【0045】
(実施例2)
実施例1において、フッ素樹脂フィルムに代えて厚さ3.3ミリメートルの白板強化ガラス板を用いて、受光面側の最表面をガラスで覆う、いわゆるスーパーストレート構造の太陽電池モジュールとする。それ以外は実施例1と全く同様である。
【0046】
バイパスダイオードへの通電試験の結果、モールド表面の温度は100℃以下であった。
【0047】
(比較例2)
比較例1において、フッ素樹脂フィルムに代えて厚さ3.3ミリメートルの白板強化ガラス板を用いて、受光面側の最表面をガラスで覆う、いわゆるスーパーストレート構造の太陽電池モジュールとする。それ以外は比較例1と全く同様である。
【0048】
バイパスダイオードへの通電試験の結果、モールド表面の温度は110℃を超えてしまい、ダイオード破損の可能性は比較例1よりさらに大きいものであった。比較例1よりも昇温が大きかった原因としては、ガラスによる断熱効果が考えられる。
【0049】
(実施例3)
実施例1で作製したモジュールを太陽電池用の架台に設置して、屋外での暴露を行う。図4に示すように、太陽電池モジュールを架台9上に置き、ダイオード及び錫メッキ銅箔が配設されているモジュール長辺側端部をステンレス板10で狭持することによって架台に固定する。この太陽電池モジュールにAM1.5、1SUNの太陽光が照射されている状態で雰囲気温度25℃でのバイパスダイオードへの通電試験を行う。
【0050】
その結果、光起電力素子の温度は50℃程度であって、太陽光照射によって雰囲気温度より25℃の温度上昇があったが、ダイオードモールド表面の温度は100℃以下であり、光照射していない実施例1と比べて大差のない値であった。ステンレス板によって遮光されている上に、ダイオードが光起電力素子より離れて接続されているために、光起電力素子の熱の影響を受けることがなく、効果的に錫メッキ銅箔への放熱が行われ、さらに、ステンレス板による冷却効果も加わったためだと考えられる。
【0051】
以上のように、最表面部材としてフィルムあるいはガラスのいずれを用いた場合でも、本発明を実施した太陽電池モジュールとすることによって、十分なバイパスダイオード冷却効果が得られる。したがって、太陽電池モジュールが部分的に影になって特定の光起電力素子に逆方向のバイアスが生じてバイパスダイオードに電流が流れたとしても、接合部温度が絶対最大定格を超えるようなことがなく、バイパスダイオードの故障のない信頼性の高い太陽電池モジュールを提供することが可能となる。
【0052】
また、十分な冷却効果が得られるので従来よりも定格電流の小さなバイパスダイオードを用いることができるようになるので、モジュール製造コストを下げることができる。そして、定格電流を下げてダイオードの外形寸法を小さくすれば封止材の厚みを薄くすることもできるので、さらに製造コストを下げることが可能となる。
【0053】
一方、太陽電池モジュールを構造体に設置する場合に、モジュール端部のバイパスダイオード及び金属箔材配設部を金属板で狭持して固定することで、ダイオードの冷却効果を高めた太陽電池モジュール設置構造体を簡単に提供することができる。
【0054】
なお、本発明は以上の実施例に何等限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変更することができる。例えば、上記実施例では光起電力素子としてアモルファスシリコン太陽電池を用いたが、それに代えて結晶シリコン、多結晶シリコン太陽電池を用いることも無論可能である。
【0055】
【発明の効果】
複数の太陽電池素子を直列化した太陽電池素子集合体、該太陽電池素子集合体を封止材で封止した太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池素子それぞれに一個以上のバイパスダイオードを太陽電池素子の外側に位置するよう接続し、前記太陽電池素子集合体の外側に外部配線と直接接続される電気配線部材を設け、前記バイパスダイオードすべてに接するように配されていることによって、光起電力素子に接続されたバイパスダイオードの効果的な冷却を低コストで可能にする太陽電池モジュール構造を提供することができる。すなわち、太陽電池モジュールが部分的に影になって特定の光起電力素子に逆方向のバイアスが生じてバイパスダイオードに電流が流れたとしても、接合部温度が絶対最大定格を超えるようなことがなく、バイパスダイオードの故障のない信頼性の高い太陽電池モジュールを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した太陽電池モジュールの一実施形態の概略平面図である。
【図2】実施例1の太陽電池モジュールの概略平面図である。
【図3】比較例1の太陽電池モジュールの概略平面図である。
【図4】本発明を実施した太陽電池モジュール設置構造体の一実施形態を表す模式図である。
【図5】従来の太陽電池モジュールのバイパスダイオード取り付け構造の一例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 光起電力素子
2 バスバー電極
3 バイパスダイオード
4、5 金属箔材
6 封止材
7、8 錫メッキ銅箔
9 架台
10 金属板
11 ビス
Claims (7)
- 複数の太陽電池素子を直列化した太陽電池素子集合体、該太陽電池素子集合体を封止材で封止した太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池素子それぞれに一個以上のバイパスダイオードを太陽電池素子の外側に位置するよう接続し、前記太陽電池素子集合体の外側に外部配線と直接接続される電気配線部材を設け、前記バイパスダイオードすべてに接するように配されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
- 前記電気配線部材の片端が封止材より外へ導出されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記バイパスダイオードと前記電気配線部材との間に熱伝導性樹脂層を設けてなることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
- 前記太陽電池素子集合体が太陽電池素子を一列に並べて直列化したものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
- 前記電気配線部材が前記太陽電池素子集合体の直列方向に平行して太陽電池モジュール周縁部に配されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
- 前記太陽電池素子集合体の受光面側を透光性の表面部材と封止材で封止し、非受光面側をプラスチックフィルムからなる裏面部材と封止材のみで封止したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
- 複数の太陽電池素子を直列化した太陽電池素子集合体、該太陽電池素子集合体を封止材で封止した太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池素子それぞれに一個以上のバイパスダイオードを太陽電池素子の外側に位置するよう接続し、前記太陽電池素子集合体の外側に外部配線と直接接続される電気配線部材を設け、前記バイパスダイオードすべてに接するように配されており、前記電気配線部材配設部を金属部材で狭持するように太陽電池モジュールを構造体に固定したことを特徴とする太陽電池モジュール設置構造体。
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