JP2003066051A - 自動分析装置 - Google Patents
自動分析装置Info
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- JP2003066051A JP2003066051A JP2001255439A JP2001255439A JP2003066051A JP 2003066051 A JP2003066051 A JP 2003066051A JP 2001255439 A JP2001255439 A JP 2001255439A JP 2001255439 A JP2001255439 A JP 2001255439A JP 2003066051 A JP2003066051 A JP 2003066051A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】試料測定中に発生した不具合の摘出を、ユーザ
の知識や技術力に頼ることなく、特別な試料の測定など
の作業を追加せずに実現し、ユーザのレベルに関係なく
正確な測定結果を得ることができる自動分析装置を実現
する。 【解決手段】測定された反応過程吸光度について測定値
の算出に不適切な吸光度の有無を判定し、測定値の算出
に不適切な吸光度が複数成分または複数試料で検出され
たら、それらの測定条件について吸光度の測定に関与す
る部位の中で、共通する部位を検索する。共通する部位
がある場合は、操作部にある画面などから、不具合発生
および不具合発生部位をユーザに知らせる。
の知識や技術力に頼ることなく、特別な試料の測定など
の作業を追加せずに実現し、ユーザのレベルに関係なく
正確な測定結果を得ることができる自動分析装置を実現
する。 【解決手段】測定された反応過程吸光度について測定値
の算出に不適切な吸光度の有無を判定し、測定値の算出
に不適切な吸光度が複数成分または複数試料で検出され
たら、それらの測定条件について吸光度の測定に関与す
る部位の中で、共通する部位を検索する。共通する部位
がある場合は、操作部にある画面などから、不具合発生
および不具合発生部位をユーザに知らせる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液,尿等の生体
試料を自動分析する臨床検査用自動分析装置に係り、特
に異常の発生原因を容易に特定できる自動分析装置に関
する。
試料を自動分析する臨床検査用自動分析装置に係り、特
に異常の発生原因を容易に特定できる自動分析装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】試料中の成分を分析する自動分析装置に
おいて、試料中の成分を定量分析する場合には、経時的
に測定された複数の吸光度から吸光度変化率や吸光度変
化量を計算し測定結果の算出を行っている。(以下、経
時的に測定された複数の吸光度を反応過程といい、吸光
度変化率を用いて測定結果を算出することをレート分析
といい、吸光度変化量を用いて測定結果を算出すること
をエンド分析という。)一般に、自動分析装置を使用し
た測定では測定前にオペレータが装置を点検し不具合の
ないことを確認してから試料測定を行い、測定終了後に
再度装置の点検を行い、問題がなければ試料測定中に装
置不具合は発生しなかったと判断する。ただし、この不
具合が測定終了後の装置状態確認作業時まで継続してい
る場合は問題ないが、一時的な不具合で測定終了後の点
検時には正常な状態に戻ってしまった場合は点検作業で
は原因究明は不可能である。
おいて、試料中の成分を定量分析する場合には、経時的
に測定された複数の吸光度から吸光度変化率や吸光度変
化量を計算し測定結果の算出を行っている。(以下、経
時的に測定された複数の吸光度を反応過程といい、吸光
度変化率を用いて測定結果を算出することをレート分析
といい、吸光度変化量を用いて測定結果を算出すること
をエンド分析という。)一般に、自動分析装置を使用し
た測定では測定前にオペレータが装置を点検し不具合の
ないことを確認してから試料測定を行い、測定終了後に
再度装置の点検を行い、問題がなければ試料測定中に装
置不具合は発生しなかったと判断する。ただし、この不
具合が測定終了後の装置状態確認作業時まで継続してい
る場合は問題ないが、一時的な不具合で測定終了後の点
検時には正常な状態に戻ってしまった場合は点検作業で
は原因究明は不可能である。
【0003】また、測定中の測定した吸光度の良否を確
認する方法として、特開平11−94746号公報に記
載されているように、測定した吸光度が測定値の算出に
適しているか否かを判別し、測定結果の算出において不
適切な吸光度を除外することで測定結果の正確性を向上
し、測定結果を出力するときに不適切な吸光度を除外し
たデータであることを知らせるといった方法がある。し
かし、反応過程に不適切な吸光度があったことを知らせ
ることはその発生原因を調査するための情報を与えるだ
けであり、ユーザに高度な技術力がなければ不具合部位
の判定はできなかった。
認する方法として、特開平11−94746号公報に記
載されているように、測定した吸光度が測定値の算出に
適しているか否かを判別し、測定結果の算出において不
適切な吸光度を除外することで測定結果の正確性を向上
し、測定結果を出力するときに不適切な吸光度を除外し
たデータであることを知らせるといった方法がある。し
かし、反応過程に不適切な吸光度があったことを知らせ
ることはその発生原因を調査するための情報を与えるだ
けであり、ユーザに高度な技術力がなければ不具合部位
の判定はできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動分析装置で
は装置の状態確認と試料分析の測定とは別の作業であっ
たため、試料分析のために吸光度を測定しているとき
に、装置に不具合が発生した場合、特に一時的に発生し
た場合には原因を究明することが困難であるという問題
点があった。これは、自動分析装置が測定を行っている
ときは各部位が動作中なので、点検時の接触によるけが
や動作停止の恐れがあり、また、測定動作を常時監視し
続けることは不可能なため、試料測定中の装置状態確認
作業ができないことが原因である。
は装置の状態確認と試料分析の測定とは別の作業であっ
たため、試料分析のために吸光度を測定しているとき
に、装置に不具合が発生した場合、特に一時的に発生し
た場合には原因を究明することが困難であるという問題
点があった。これは、自動分析装置が測定を行っている
ときは各部位が動作中なので、点検時の接触によるけが
や動作停止の恐れがあり、また、測定動作を常時監視し
続けることは不可能なため、試料測定中の装置状態確認
作業ができないことが原因である。
【0005】また、既知濃度試料のような正常な状態で
の反応過程の分かっている試料を測定し正常な状態の反
応過程と比較する方法もあるが、この既知濃度試料の吸
光度測定中に発生した不具合以外は検出できないため、
測定対象とするすべての試料について測定開始から終了
までの状態を監視することにはならない。
の反応過程の分かっている試料を測定し正常な状態の反
応過程と比較する方法もあるが、この既知濃度試料の吸
光度測定中に発生した不具合以外は検出できないため、
測定対象とするすべての試料について測定開始から終了
までの状態を監視することにはならない。
【0006】本発明の目的は、試料測定時に発生した装
置の不具合を装置の不具合によって生じた測定値の算出
に不適切な吸光度を含む反応過程から推定することによ
り、試料測定中に発生した不具合を精度管理試料の測定
などの作業追加を必要とせず、ユーザの知識や技術力に
関係なく摘出することを実現し、正確な測定結果を得る
ことができる自動分析装置を実現することにある。
置の不具合を装置の不具合によって生じた測定値の算出
に不適切な吸光度を含む反応過程から推定することによ
り、試料測定中に発生した不具合を精度管理試料の測定
などの作業追加を必要とせず、ユーザの知識や技術力に
関係なく摘出することを実現し、正確な測定結果を得る
ことができる自動分析装置を実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ためには、ユーザには確認できない試料の測定中に装置
状態の不具合を検出する必要がある。
ためには、ユーザには確認できない試料の測定中に装置
状態の不具合を検出する必要がある。
【0008】そこで、本発明では測定した反応過程吸光
度について装置に記憶した情報や分析条件から所定の関
係にない吸光度すなわち測定値の算出に不適切な吸光度
がないか調べ、検出された場合は不適切な吸光度を含む
反応過程としてデータベースに記憶する。そして、複数
の成分または試料でこのような反応過程が検出された場
合、記憶装置に記憶された情報,分析条件,反応過程吸
光度から、測定に使用した部位の中から不適切な吸光度
の発生した測定にのみ共通する部位を絞り込むことで、
その原因となった不具合部位を特定し、操作部にある画
面などから、不具合発生および不具合発生部位をユーザ
に知らせる。これにより、試料測定中の装置の不具合摘
出においてユーザの知識や技術力は無関係とすることが
できる。
度について装置に記憶した情報や分析条件から所定の関
係にない吸光度すなわち測定値の算出に不適切な吸光度
がないか調べ、検出された場合は不適切な吸光度を含む
反応過程としてデータベースに記憶する。そして、複数
の成分または試料でこのような反応過程が検出された場
合、記憶装置に記憶された情報,分析条件,反応過程吸
光度から、測定に使用した部位の中から不適切な吸光度
の発生した測定にのみ共通する部位を絞り込むことで、
その原因となった不具合部位を特定し、操作部にある画
面などから、不具合発生および不具合発生部位をユーザ
に知らせる。これにより、試料測定中の装置の不具合摘
出においてユーザの知識や技術力は無関係とすることが
できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を実施可能な生化学自動分
析装置の例を図1に示す。本装置は複数のサンプルカッ
プ1が架設でき採取位置に移動する機能を有するサンプ
ルディスク2,試料を所定量採取するサンプルプローブ
3を備えたサンプリング機構4,複数の試薬分注を行う
試薬ピペッティング機構5a,5bおよび試薬ボトルの
架設および分注位置に移動する機能を有する試薬ディス
ク6a,6b,複数の直接測光用反応容器7を保持した
反応ディスク8,攪拌機構9a,9b,反応容器洗浄機
構10,光度計11,機構系全体の制御を行わせるため
の中央処理装置(マイクロコンピュータ)12などを主
要に構成されている。複数の反応容器を保持した反応デ
ィスク8は、反応容器を試料採取位置および試薬分注位
置への搬送と、反応容器内の反応液の吸光度を測定する
ために光度計11の光軸上に移動するための回転動作を
行う。光度計11は複数の検知器を有する多波長光度計
が用いられており、光源ランプ13と相対し反応ディス
ク8が回転状態にあるとき反応容器7の列が光源ランプ
13からの光束14を通過するように構成されている。
光束14の位置と試料吐出位置15の間には反応容器洗
浄機構10が配備されており、反応容器7を洗浄する。
さらに波長を選択するマルチプレクサ16,対数変換増
幅器17,A/D変換器18,プリンタ19,CRT2
0,試薬分注機構駆動回路21などから構成され、これ
らはいずれもインターフェース22を経て中央処理装置
12に接続されている。この中央処理装置は機構系全体
の制御を含めた装置全体の制御と濃度あるいは酵素活性
値演算などのデータ処理も行う。
析装置の例を図1に示す。本装置は複数のサンプルカッ
プ1が架設でき採取位置に移動する機能を有するサンプ
ルディスク2,試料を所定量採取するサンプルプローブ
3を備えたサンプリング機構4,複数の試薬分注を行う
試薬ピペッティング機構5a,5bおよび試薬ボトルの
架設および分注位置に移動する機能を有する試薬ディス
ク6a,6b,複数の直接測光用反応容器7を保持した
反応ディスク8,攪拌機構9a,9b,反応容器洗浄機
構10,光度計11,機構系全体の制御を行わせるため
の中央処理装置(マイクロコンピュータ)12などを主
要に構成されている。複数の反応容器を保持した反応デ
ィスク8は、反応容器を試料採取位置および試薬分注位
置への搬送と、反応容器内の反応液の吸光度を測定する
ために光度計11の光軸上に移動するための回転動作を
行う。光度計11は複数の検知器を有する多波長光度計
が用いられており、光源ランプ13と相対し反応ディス
ク8が回転状態にあるとき反応容器7の列が光源ランプ
13からの光束14を通過するように構成されている。
光束14の位置と試料吐出位置15の間には反応容器洗
浄機構10が配備されており、反応容器7を洗浄する。
さらに波長を選択するマルチプレクサ16,対数変換増
幅器17,A/D変換器18,プリンタ19,CRT2
0,試薬分注機構駆動回路21などから構成され、これ
らはいずれもインターフェース22を経て中央処理装置
12に接続されている。この中央処理装置は機構系全体
の制御を含めた装置全体の制御と濃度あるいは酵素活性
値演算などのデータ処理も行う。
【0010】上記の構成における動作原理を以下に説明
する。
する。
【0011】操作パネル23にあるスタートスイッチを
押すと反応容器洗浄機構10により反応容器7の洗浄が
開始され、さらに水ブランクの測定が行われる。この値
は反応容器7で以後測定される吸光度の基準となる。反
応ディスク8が反回転して一時停止すると試料吐出位置
15まで進み、サンプルカップ1はサンプリング位置に
移動する。同様に2つの試薬ディスク6a,6bも試薬
ピペッティング位置に移動する。この間にサンプリング
機構4が動作し、サンプルカップ1から、例えば分析項
目A測定用の試料をサンプルプローブ3で吸引しその
後、反応容器7に吐出する。試料の吐出が完了すると反
応ディスク8が半回転し停止する。一方試薬ピペッティ
ング機構はサンプリング機構が反応容器7に試料の吐出
を行っているとき、試薬ピペッティング機構5aが動作
を開始し試薬ディスク6aに架設した分析項目Aの第一
試薬を試薬プローブ24aによって吸引する。反応ディ
スク8が停止すると試薬プローブ24aは反応容器7上
に移動して吸引した試薬を吐出した後、攪拌機構9aが
作動して試料と試薬を攪拌する。試薬プローブ24aは
プローブ洗浄槽でプローブの内壁と外壁が洗浄され、次
の分析項目Bの第一試薬分注に備える。試薬の吐出が完
了すると反応ディスク8が半回転+1反応容器分回転す
る。測光は反応ディスク8の回転時、反応容器7が光束
14を横切ったときに行われる。第一試薬が添加されて
から反応ディスクが1回転+1反応容器分回転すると攪
拌機構9aが作動して試料と試薬を攪拌する。反応容器
7が試料分注位置から10回転+10反応容器分回転し
た位置、すなわち第二試薬分注位置まで進むと第二試薬
が試薬プローブ24bから添加されその後攪拌機構9b
により攪拌が行われる。反応ディスク8によって反応容
器7は次々と光束14を横切りそのつど吸光度が測定さ
れる。これらの吸光度は10分の反応時間において計2
0回の測光が行われる。測光を終えた反応容器7は反応
容器洗浄機構10により洗浄され次の試料の測定に備え
る。測定した吸光度は中央処理装置12で濃度あるいは
酵素活性値に換算されプリンタ19から分析結果が出力
される。
押すと反応容器洗浄機構10により反応容器7の洗浄が
開始され、さらに水ブランクの測定が行われる。この値
は反応容器7で以後測定される吸光度の基準となる。反
応ディスク8が反回転して一時停止すると試料吐出位置
15まで進み、サンプルカップ1はサンプリング位置に
移動する。同様に2つの試薬ディスク6a,6bも試薬
ピペッティング位置に移動する。この間にサンプリング
機構4が動作し、サンプルカップ1から、例えば分析項
目A測定用の試料をサンプルプローブ3で吸引しその
後、反応容器7に吐出する。試料の吐出が完了すると反
応ディスク8が半回転し停止する。一方試薬ピペッティ
ング機構はサンプリング機構が反応容器7に試料の吐出
を行っているとき、試薬ピペッティング機構5aが動作
を開始し試薬ディスク6aに架設した分析項目Aの第一
試薬を試薬プローブ24aによって吸引する。反応ディ
スク8が停止すると試薬プローブ24aは反応容器7上
に移動して吸引した試薬を吐出した後、攪拌機構9aが
作動して試料と試薬を攪拌する。試薬プローブ24aは
プローブ洗浄槽でプローブの内壁と外壁が洗浄され、次
の分析項目Bの第一試薬分注に備える。試薬の吐出が完
了すると反応ディスク8が半回転+1反応容器分回転す
る。測光は反応ディスク8の回転時、反応容器7が光束
14を横切ったときに行われる。第一試薬が添加されて
から反応ディスクが1回転+1反応容器分回転すると攪
拌機構9aが作動して試料と試薬を攪拌する。反応容器
7が試料分注位置から10回転+10反応容器分回転し
た位置、すなわち第二試薬分注位置まで進むと第二試薬
が試薬プローブ24bから添加されその後攪拌機構9b
により攪拌が行われる。反応ディスク8によって反応容
器7は次々と光束14を横切りそのつど吸光度が測定さ
れる。これらの吸光度は10分の反応時間において計2
0回の測光が行われる。測光を終えた反応容器7は反応
容器洗浄機構10により洗浄され次の試料の測定に備え
る。測定した吸光度は中央処理装置12で濃度あるいは
酵素活性値に換算されプリンタ19から分析結果が出力
される。
【0012】このような生化学自動分析装置における本
発明の実施例を、生体試料5検体について分析項目A,
B,Cの3項目を測定した場合を例に説明する。
発明の実施例を、生体試料5検体について分析項目A,
B,Cの3項目を測定した場合を例に説明する。
【0013】自動分析装置では、1回の試料分注で1項
目分の試料を分注する。よって、試料の分注は図2に示
す順番で行われる。反応ディスク8が1回転+1セル分
回転する動作を1サイクルと数えると、1サイクル目に
試料番号1の分析項目Aを測定するための試料を分注
し、第1試薬を分注し、攪拌を行い、測光ポイント1の
吸光度を測定する。2サイクル目は分析項目Bを測定す
るための試料を分注し、第1試薬を分注し、攪拌を行
い、測光ポイント1の吸光度を測定するとともに、試料
番号1の分析項目Aの測定で測光ポイント2の吸光度を
測定する。この動作サイクルを繰り返し、分注した試料
ごとに10分間の反応で吸光度を20回測定する。よっ
て、各動作サイクルで測定する吸光度の測光ポイントは
図3のようになる。
目分の試料を分注する。よって、試料の分注は図2に示
す順番で行われる。反応ディスク8が1回転+1セル分
回転する動作を1サイクルと数えると、1サイクル目に
試料番号1の分析項目Aを測定するための試料を分注
し、第1試薬を分注し、攪拌を行い、測光ポイント1の
吸光度を測定する。2サイクル目は分析項目Bを測定す
るための試料を分注し、第1試薬を分注し、攪拌を行
い、測光ポイント1の吸光度を測定するとともに、試料
番号1の分析項目Aの測定で測光ポイント2の吸光度を
測定する。この動作サイクルを繰り返し、分注した試料
ごとに10分間の反応で吸光度を20回測定する。よっ
て、各動作サイクルで測定する吸光度の測光ポイントは
図3のようになる。
【0014】ここで、図3の測光ポイントのうち、試料
番号3の分析項目Bの測光ポイント12および16,試
料番号4の分析項目Aの測光ポイント15で、測定値の
算出に不適切な吸光度が検出されたと仮定したときの処
理方法について、図4の処理フローを用いて説明する。
まず測定を開始し、反応過程吸光度が出力されたら、S
1−1で不適切な吸光度の有無を判定する。S1−1で
不適切な吸光度なしの場合はS1−2で測定値の算出が
行われる。不適切な吸光度ありの場合は、S1−3で不
具合部位判定処理のためにその反応過程を記憶し、さら
にデータベースに記憶する(S1−4)。そして、S1
−5でデータベースで不適切な吸光度ありと判定された
反応過程が他にも登録されているかを検索する。他にな
い場合は、S1−6で不適切な吸光度を除外して測定値
を算出するが、他にも登録されている場合はS1−7で
不具合部位判定処理を行ったのち、不適切な吸光度を除
外して測定値を算出する。
番号3の分析項目Bの測光ポイント12および16,試
料番号4の分析項目Aの測光ポイント15で、測定値の
算出に不適切な吸光度が検出されたと仮定したときの処
理方法について、図4の処理フローを用いて説明する。
まず測定を開始し、反応過程吸光度が出力されたら、S
1−1で不適切な吸光度の有無を判定する。S1−1で
不適切な吸光度なしの場合はS1−2で測定値の算出が
行われる。不適切な吸光度ありの場合は、S1−3で不
具合部位判定処理のためにその反応過程を記憶し、さら
にデータベースに記憶する(S1−4)。そして、S1
−5でデータベースで不適切な吸光度ありと判定された
反応過程が他にも登録されているかを検索する。他にな
い場合は、S1−6で不適切な吸光度を除外して測定値
を算出するが、他にも登録されている場合はS1−7で
不具合部位判定処理を行ったのち、不適切な吸光度を除
外して測定値を算出する。
【0015】ここで、S1−1の判定において吸光度が
測定値の算出に適切か不適切かを判断する方法の例とし
て、生体試料中のLD(乳酸脱水素酵素)の反応過程吸光
度を例に説明する。図1に示した自動分析装置で生体試
料中のLDを分析したときの反応過程例を図5に示す。
LDの分析方法は、LDが補酵素NAD(β−ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチド酸化型)の存在下で基質
である乳酸をピルビン酸に変換する反応を触媒すると
き、同時に、波長340nmに吸収のないNADが還元
されて波長340nmに吸収のあるNADH(β−ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチド還元型)に変換され
ることを利用し、340nmの吸光度上昇速度を測定し
てLDの活性値を求める方法である。通常、分析試薬は
2試薬で構成されており、第1試薬には補酵素のNAD
が、第2試薬に基質の乳酸が含まれている。LDの分析
は、第2試薬分注後の340nmの吸光度上昇が一定速
度であることが前提となるレート分析の条件を利用して
いるので、図3の反応過程吸光度の内、第2試薬分注後
の測光ポイント11〜20までの吸光度は以下の条件1
を満たす。
測定値の算出に適切か不適切かを判断する方法の例とし
て、生体試料中のLD(乳酸脱水素酵素)の反応過程吸光
度を例に説明する。図1に示した自動分析装置で生体試
料中のLDを分析したときの反応過程例を図5に示す。
LDの分析方法は、LDが補酵素NAD(β−ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチド酸化型)の存在下で基質
である乳酸をピルビン酸に変換する反応を触媒すると
き、同時に、波長340nmに吸収のないNADが還元
されて波長340nmに吸収のあるNADH(β−ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチド還元型)に変換され
ることを利用し、340nmの吸光度上昇速度を測定し
てLDの活性値を求める方法である。通常、分析試薬は
2試薬で構成されており、第1試薬には補酵素のNAD
が、第2試薬に基質の乳酸が含まれている。LDの分析
は、第2試薬分注後の340nmの吸光度上昇が一定速
度であることが前提となるレート分析の条件を利用して
いるので、図3の反応過程吸光度の内、第2試薬分注後
の測光ポイント11〜20までの吸光度は以下の条件1
を満たす。
【0016】Ai≦Ai+1≦Ai+2 …… 条件1(Aは吸光
度値、iは測光ポイントを示す。) よって、測光ポイント11〜20の吸光度において、条
件1を満たさない吸光度は測定値の算出に不適切な吸光
度となる。このような判定方法によって測定した吸光度
が測定値の算出に適切か不適切かを判断する。
度値、iは測光ポイントを示す。) よって、測光ポイント11〜20の吸光度において、条
件1を満たさない吸光度は測定値の算出に不適切な吸光
度となる。このような判定方法によって測定した吸光度
が測定値の算出に適切か不適切かを判断する。
【0017】図6に、不具合部位判定の処理フロー例を
示す。分析項目A,B,Cの分析条件は図7に示す。
示す。分析項目A,B,Cの分析条件は図7に示す。
【0018】ここで、この自動分析装置における吸光度
測定に関与する部位は、試料分注機構4,第1試薬分注
機構5a,攪拌機構9a,第2試薬分注機構5b,攪拌
機構9b,光源ランプ13,検知器11,マルチプレク
サ16,対数変換増幅器17,A/D変換器18があ
る。S2−1の判定では、分析項目AとBは図3から測
定波長が異なるので検知器11は除外される(S2−
2)。これは、分析項目A,Bでは検知器11はそれぞ
れの波長のものを使用するため共通部位ではないからで
ある。次にS2−3の判定では、図6にあるように測定
値の算出に不適切な吸光度が検出された動作サイクルが
異なっているため、光源ランプ13は除外される(S2
−4)。これは、光源ランプ13の不具合(光量変動な
ど)はその動作サイクルに測定した吸光度に共通に影響
するからである。次にS2−5では、不適切な吸光度の
ある反応過程が連続して検出されたかどうかを判定す
る。非連続の場合は、間に測定した不適切な吸光度のな
い測定で使用した部位に不具合はないので除外できる。
試料番号3の分析項目Bと試料番号4の分析項目Aの間
に測定された試料番号3の分析項目Cでは測定値の算出
に不適切な吸光度がないことから、分析項目Cの測定で
使用する試料分注機構4,第1試薬分注機構5a,攪拌
機構9a,検知器11,マルチプレクサ16,対数変換
増幅器17,A/D変換器18には不具合がなかったと
して除外される(S2−6)。S2−7では、不適切な
吸光度試料番号3の分析項目Bの測光ポイント12およ
び16,試料番号4の分析項目Aの測光ポイント15で
あることから除外される部位はない。よって、第2試薬
分注機構5bまたは攪拌機構9bに不具合が発生したこ
とが分かり、図7に示すようにCRT20に不具合の発
生と発生部位が表示される(S2−8)。
測定に関与する部位は、試料分注機構4,第1試薬分注
機構5a,攪拌機構9a,第2試薬分注機構5b,攪拌
機構9b,光源ランプ13,検知器11,マルチプレク
サ16,対数変換増幅器17,A/D変換器18があ
る。S2−1の判定では、分析項目AとBは図3から測
定波長が異なるので検知器11は除外される(S2−
2)。これは、分析項目A,Bでは検知器11はそれぞ
れの波長のものを使用するため共通部位ではないからで
ある。次にS2−3の判定では、図6にあるように測定
値の算出に不適切な吸光度が検出された動作サイクルが
異なっているため、光源ランプ13は除外される(S2
−4)。これは、光源ランプ13の不具合(光量変動な
ど)はその動作サイクルに測定した吸光度に共通に影響
するからである。次にS2−5では、不適切な吸光度の
ある反応過程が連続して検出されたかどうかを判定す
る。非連続の場合は、間に測定した不適切な吸光度のな
い測定で使用した部位に不具合はないので除外できる。
試料番号3の分析項目Bと試料番号4の分析項目Aの間
に測定された試料番号3の分析項目Cでは測定値の算出
に不適切な吸光度がないことから、分析項目Cの測定で
使用する試料分注機構4,第1試薬分注機構5a,攪拌
機構9a,検知器11,マルチプレクサ16,対数変換
増幅器17,A/D変換器18には不具合がなかったと
して除外される(S2−6)。S2−7では、不適切な
吸光度試料番号3の分析項目Bの測光ポイント12およ
び16,試料番号4の分析項目Aの測光ポイント15で
あることから除外される部位はない。よって、第2試薬
分注機構5bまたは攪拌機構9bに不具合が発生したこ
とが分かり、図7に示すようにCRT20に不具合の発
生と発生部位が表示される(S2−8)。
【0019】また、図6には記載しなかったが、不適切
な吸光度の発生した動作サイクルが同一の場合は、光源
ランプ13の不具合が、特定の試料でのみ不適切な吸光
度が発生した場合は試料の問題が、特定の分析項目のみ
で不適切な吸光度が発生した場合は試薬の不具合が推定
されるので、これらを判定に加えることもできる。
な吸光度の発生した動作サイクルが同一の場合は、光源
ランプ13の不具合が、特定の試料でのみ不適切な吸光
度が発生した場合は試料の問題が、特定の分析項目のみ
で不適切な吸光度が発生した場合は試薬の不具合が推定
されるので、これらを判定に加えることもできる。
【0020】
【発明の効果】上記実施例のように、不具合が発生した
時点で不具合発生部位を判別し、ユーザに知らせること
で、ユーザが不具合発生部位を検索するという作業が不
要となる。
時点で不具合発生部位を判別し、ユーザに知らせること
で、ユーザが不具合発生部位を検索するという作業が不
要となる。
【図1】本発明を適用可能な生化学自動分析装置。
【図2】試料5検体の測定を行ったときの試料分注順
序。
序。
【図3】生体試料5検体を測定するときの各動作サイク
ルで測定する吸光度のポイント一覧。
ルで測定する吸光度のポイント一覧。
【図4】測定された反応過程吸光度の処理フロー例。
【図5】生体試料中のLD(乳酸脱水素酵素)を測定し
たときの反応過程例。
たときの反応過程例。
【図6】不具合部位判定の処理フロー例。
【図7】各分析項目の分析条件。
【図8】不具合発生の告知例。
1…サンプルカップ、2…サンプルディスク、3…サン
プルプローブ、4…サンプリング機構、5…試薬ピペッ
ティング機構、6…試薬ディスク、7…直接測光用反応
容器、8…反応ディスク、9…攪拌機構、10…反応容
器洗浄機構、11…光度計、12…中央処理装置(マイ
クロコンピュータ)、13…光源ランプ、14…光束、
15…試料吐出位置、16…マルチプレクサ、17…対
数変換増幅器、18…A/D変換器、19…プリンタ、
20…CRT、21…試薬分注機構駆動回路、22…イ
ンターフェース、23…操作パネル、24…試薬プロー
ブ。
プルプローブ、4…サンプリング機構、5…試薬ピペッ
ティング機構、6…試薬ディスク、7…直接測光用反応
容器、8…反応ディスク、9…攪拌機構、10…反応容
器洗浄機構、11…光度計、12…中央処理装置(マイ
クロコンピュータ)、13…光源ランプ、14…光束、
15…試料吐出位置、16…マルチプレクサ、17…対
数変換増幅器、18…A/D変換器、19…プリンタ、
20…CRT、21…試薬分注機構駆動回路、22…イ
ンターフェース、23…操作パネル、24…試薬プロー
ブ。
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フロントページの続き
(72)発明者 斉藤 清孝
茨城県ひたちなか市大字市毛1040番地 株
式会社日立サイエンスシステムズ内
(72)発明者 三村 智憲
茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株
式会社日立製作所計測器グループ内
Fターム(参考) 2G058 CB03 CC03 CD03 GB08 GD01
GD05 GE09 GE10
Claims (3)
- 【請求項1】試料と試薬を混合し、試料中の目的成分と
試薬を反応させ、該混合液を光学的に測定する手段を備
え、かつ上記反応の経時変化を記憶する記憶部を備えた
自動分析装置において、 前記記憶部に記憶された複数試料の反応の経時変化か
ら、各試料の測定値に共通する異常値の有無を探索する
探索手段を備え、該探索手段の探索結果に基づき、自動
分析装置の異常原因を推定する推定手段を備えたことを
特徴とする自動分析装置。 - 【請求項2】請求項1記載の自動分析装置において、前
記推定手段で推定された異常原因を表示する表示手段を
備えたことを特徴とする自動分析装置。 - 【請求項3】請求項1または2記載の自動分析装置にお
いて、 前記探索手段により探索された共通の異常値を有する反
応の経時変化を同時に表示する表示手段を備えたことを
特徴とする自動分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001255439A JP2003066051A (ja) | 2001-08-27 | 2001-08-27 | 自動分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001255439A JP2003066051A (ja) | 2001-08-27 | 2001-08-27 | 自動分析装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003066051A true JP2003066051A (ja) | 2003-03-05 |
Family
ID=19083407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001255439A Pending JP2003066051A (ja) | 2001-08-27 | 2001-08-27 | 自動分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003066051A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007071554A (ja) * | 2005-09-05 | 2007-03-22 | Hitachi High-Technologies Corp | 自動分析装置 |
JP2009204386A (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-10 | Sysmex Corp | 検体分析装置及びその異常制御方法、並びに検体分析装置用プログラム |
-
2001
- 2001-08-27 JP JP2001255439A patent/JP2003066051A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007071554A (ja) * | 2005-09-05 | 2007-03-22 | Hitachi High-Technologies Corp | 自動分析装置 |
JP4500749B2 (ja) * | 2005-09-05 | 2010-07-14 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 自動分析装置 |
US8246907B2 (en) | 2005-09-05 | 2012-08-21 | Hitachi High-Technologies Corporation | Automatic analyzer |
US8999240B2 (en) | 2005-09-05 | 2015-04-07 | Hitachi High-Technologies Corporation | Automatic analyzer |
JP2009204386A (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-10 | Sysmex Corp | 検体分析装置及びその異常制御方法、並びに検体分析装置用プログラム |
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