JP2003064322A - 回路接続用接着フィルム及びそれを用いた回路板の製造方法 - Google Patents
回路接続用接着フィルム及びそれを用いた回路板の製造方法Info
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Abstract
つ、可使時間を有すると共にフィルムがリールに巻かれ
たテープ状製品を長時間保管しても転写性に支障なく使
用でき特性バランスに優れた電気・電子用の回路接続用
接着フィルム及びそれを用いた回路板の製造方法を提供
する。 【解決手段】 相対峙する回路電極間に介在され、相対
向する回路電極を加圧し加圧方向の電極間を電気的に接
続する回路接続用接着フィルムであって、前記接続フィ
ルムが加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤、ラジ
カル重合性物質、及びフィルム形成性高分子を必須と
し、前記接着フィルムのフレキシブル基板に対する仮固
定力が40〜160gf/cmである回路接続用接着フ
ィルム。
Description
ルムおよびそれを用いた回路板の製造方法に関する。
が得られ、耐水性や耐熱性に優れること等から、電気・
電子・建築・自動車・航空機等の各種用途に多用されて
いる。中でも一液型エポキシ樹脂系接着剤は、主剤と硬
化剤との混合が不必要であり使用が簡便なことから、フ
ィルム状・ペースト状・粉体状の形態で使用されてい
る。この場合、エポキシ樹脂と硬化剤及び変性剤との多
様な組み合わせにより、特定の性能を得ることが一般的
である。(例えば、特開昭62−141083号公
報)。
開昭62−141083号公報に示されるフィルム状接
着剤は、作業性に優れるものの、20秒程度の接続時間
で140〜180℃程度の加熱、10秒では180〜2
10℃程度の加熱が必要であった。この理由は、短時間
硬化性(速硬化性)と貯蔵安定性(保存性)の両立によ
り良好な安定性を得ることを目的として、常温で不活性
な触媒型硬化剤を用いているために、硬化に際して十分
な反応が得られないためである。近年、精密電子機器の
分野では、回路の高密度化が進んでおり、電極幅、電極
間隔が極めて狭くなっている。このため、従来のエポキ
シ樹脂系を用いた回路接続材料の接続条件では、配線の
脱落、剥離や位置ずれが生じるなどの問題があった。ま
た、生産効率向上のために10秒以下への接続時間の短
縮化が求められてきており、低温速硬化性が必要不可欠
となっている。本発明の目的は、従来のエポキシ樹脂系
よりも低温速硬化性に優れかつ、可使時間を有すると共
にフィルムがリールに巻かれたテープ状製品を長時間保
管しても転写性に支障なく使用でき特性バランスに優れ
た電気・電子用の回路接続用接着フィルム及びそれを用
いた回路板の製造方法を提供することにある。
路電極間に介在され、相対向する回路電極を加圧し加圧
方向の電極間を電気的に接続する回路接続用接着フィル
ムであって、前記接続フィルムが加熱により遊離ラジカ
ルを発生する硬化剤、ラジカル重合性物質、及びフィル
ム形成性高分子を必須とし、前記接着フィルムのフレキ
シブル基板に対する仮固定力が40〜160gf/cm
であることを特徴とする回路接続用接着フィルムであ
る。前記回路接続用接着フィルムには更に導電性粒子を
必須成分として含有することもできる。本発明の回路板
の製造方法は、第一の接続端子を有する第一の回路部材
と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一
の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対
向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に上記
の回路接続用接着フィルムを介在させ、加熱加圧して前
期対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気
的に接続させるものである。
ジカルを発生する硬化剤としては、過酸化化合物、アゾ
系化合物などの加熱により分解して遊離ラジカルを発生
するものであり、目的とする接続温度、接続時間、ポッ
トライフ等により適宜選定されるが、高反応性とポット
ライフの点から、半減期10時間の温度が40℃以上か
つ、半減期1分の温度が200℃以下の有機過酸化物が
好ましい。この場合、配合量は0.05〜10重量%程
度であり0.1〜5重量%がより好ましい。具体的に
は、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネー
ト、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアル
キルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイドなどから
選定できる。また、回路部材の接続端子の腐食を抑える
ために、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイ
ド、ハイドロパーオキサイドから選定されることが好ま
しく、高反応性が得られるパーオキシエステルから選定
されることがより好ましい。
ブチルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパー
オキサイド、3,5,5,-トリメチルヘキサノイルパーオキ
サイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニッ
クパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベ
ンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロ
ヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-2-エトキシ
メトキシパーオキシジカーボネート、ジ-(2-エチルヘ
キシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチル
パーオキシジカーボネート、ジ-(3-メチル-3-メトキシ
ブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
ーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,-テトラメチルブ
チルパーオキシネオデカノエート、1-シクロヘキシル-1
-メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t-ヘキシ
ルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシピ
バレート、1,1,3,3,-テトラメチルブチルパーオキシ-2-
エチルヘキサノネート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチル
ヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1-シクロヘキシル-
1-メチルエチルパーオキシ2-エチルヘキサノネート、t-
ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノネート、t-ブチ
ルパーオキシ-2-エチルヘキサノネート、t-ブチルパー
オキシイソブチレート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン、t-ヘキシルパーオキシイソプロピ
ルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリ
メチルヘキサノネート、t-ブチルパーオキシラウレー
ト、2,5-ジメチル-2,5-ジ(m-トルオイルパーオキシ)
ヘキサン、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボ
ネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカ
ーボネート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、t-ブ
チルパーオキシアセテート等が挙げられる。
ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサ
ン、1,1-ビス-(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサ
ン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチ
ルシクロヘキサン、1、1-(t-ブチルパーオキシ)シクロ
ドデカン、2,2-ビス-(t-ブチルパーオキシ)デカン等
が挙げられる。
α’ビス-(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベン
ゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ
(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルクミルパー
オキサイド等が挙げられる。
ロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド等が挙げられる。
混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を
混合して用いてもよい。また、これらの硬化剤をポリウ
レタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマ
イクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるた
めに好ましい。
は、ラジカルにより重合する官能基を有する物質であ
り、アクリレート、メタクリレート、マレイミド化合物
等が挙げられる。ラジカル重合性物質はモノマー、オリ
ゴマーいずれの状態で用いることが可能であり、モノマ
ーとオリゴマーを併用することも可能である。アクリレ
ートの具体例としては、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルア
クリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキ
シプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシメトキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリ
ロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、ジシクロペ
ンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレー
ト、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレー
ト、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレ
ート、ウレタンアクリレート及びそれらに対応するメタ
クリレート等が挙げられる。これらは単独または併用し
て用いることができ、必要によっては、ハイドロキノ
ン、メチルエーテルハイドロキノン類などの重合禁止剤
を適宜用いてもよい。また、ジシクロペンテニル基およ
び/またはトリシクロデカニル基および/またはトリア
ジン環を有する場合は、耐熱性が向上するので好まし
い。
ル重合性物質を0.1〜10重量部用いた場合、金属等
の無機物表面での接着強度が向上するので好ましく、
0.5〜5重量部がより好ましい。マレイミド化合物と
しては、分子中にマレイミド基を少なくとも2個以上含
有するもので、例えば、1−メチル−2,4−ビスマレ
イミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイ
ミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,
N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,
4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−
(3,3’−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、
N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルジフェニルメ
タン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’
−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,
N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,
N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、
N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミ
ド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレ
イミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキ
シ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチ
ル−4,8(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プ
ロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキ
シ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン
−ビス(1−(4マレイミドフェノキシ)−2−シクロ
ヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミ
ドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、な
どを挙げることができる。これらは、単独あるいは併用
して用いたり、アリルフェノール、アリルフェニルエー
テル、安息香酸アリルなどのアリル化合物と併用して用
いてもよい。
子には、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルホルマール、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンオ
キサイド、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、
キシレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂などが用いられ、
これらの中でも水酸基等の官能基を有する樹脂は接着性
が向上するためより好ましい。また、これらの高分子を
ラジカル重合性の官能基で変性したものも用いることが
できる。これら高分子の分子量は10000以上が好ま
しいが1000000以上になると混合性が悪くなる。
さらに、充填材、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色
剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤及
びフェノール樹脂やメラミン樹脂、イソシアネート類等
を含有することもできる。
上が得られるので好ましい。充填材の最大径が導電粒子
の粒径未満であれば使用でき、5〜60体積%の範囲が
好ましい。60体積%以上では信頼性向上の効果が飽和
する。カップリング剤としては、ビニル基、アクリル
基、アミノ基、エポキシ基、及びイソシアネート基含有
物が、接着性の向上の点から好ましい。また、接着剤の
応力を緩和するため、ゴム粒子を分散することもでき、
特にシリコーン微粒子が好ましく用いられる。シリコー
ン微粒子としては平均粒径が0.1〜20μmであり、
室温(25℃)での弾性率が0.1〜100MPaの微
粒子が使用できる。
Cu、はんだ等の金属粒子やカーボン等があり、十分な
ポットライフを得るためには、表層はNi、Cuなどの
遷移金属類ではなくAu、Ag、白金族の貴金属類が好
ましくAuがより好ましい。また、Niなどの遷移金属
類の表面をAu等の貴金属類で被覆したものでもよい。
また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等
に前記した導通層を被覆等により形成し最外層を貴金属
類プラスチックを核とした場合や熱溶融金属粒子の場
合、加熱加圧により変形性を有するので接続時に電極と
の接触面積が増加したり接続端子の厚みばらつきを吸収
し接続信頼性が向上するので好ましい。貴金族類の被覆
層の厚みは良好な抵抗を得るためには、100Å以上が
好ましい。しかし、Ni等の遷移金属の上に貴金属類の
層を設ける場合では、貴金属類層の欠損や導電粒子の混
合分散時に生じる貴金属類層の欠損等により生じる酸化
還元作用で遊離ラジカルが発生しポットライフ低下引き
起こすため、300Å以上が好ましい。導電性粒子は、
接着剤成分100体積に対して0.1〜30体積%の範
囲で用途により使い分ける。過剰な導電性粒子による隣
接回路の短絡等を防止するためには0.1〜10体積%
とするのがより好ましい。
2層以上に分割し、遊離ラジカルを発生する硬化剤を含
有する層と導電性粒子を含有する層に分離した場合、従
来の高精細化可能の効果に加えて、ポットライフの向上
が得られる。回路接続用接着フィルムの形成は、これら
少なくとも遊離ラジカルを発生する硬化剤、ラジカル重
合性物質、及びフィルム形成性高分子からなる組成物を
有機溶剤に溶解あるいは分散により、液状化して、PE
T(ポリエチレンテレフタレート)やポリテトラフルオ
ロエチレンのような剥離性支持フィルム上に塗布し、硬
化剤の活性温度以下で溶剤を除去することにより行われ
る。この時用いる溶剤は、芳香族炭化水素系と含酸素系
の混合溶剤が組成物の溶解性を向上させるため好まし
い。
力は、PWB(プリント配線基板)あるいはガラス基板に
接続材料を80℃、1MPa、3秒で仮圧着し、剥離性
PETフィルムを剥離後、フレキシブル基板を23℃、
0.5MPa、5秒で圧着する。引張り方向90°に
て、引張り速度50mm/minでフレキシブル基板と接続
材料の仮固定力を測定温度23±3℃で測定する。基材
の仕様は以下の通りである。 フレキシブル基板;75μmポリイミドフィルム、1/
2Oz(オンス)銅箔錫メッキ、ピッチ0.2mm、電
極幅/電極スペース=1/1 PWB基板;FR−4、厚み1.1mm、1Oz(オン
ス)銅箔、ピッチ0.2mm、電極幅/電極スペース=
1/1 ガラス基板;15〜20Ω/角、スパッタ 全面電極、
厚み1.1mm 本発明では、回路接続用接着フィルムの仮固定力は、4
0gf/cm〜160gf/cmの範囲内にある必要があ
る。仮固定力が160gf/cmを超えると粘着性が強す
ぎ、数10m以上のフィルムがリールに巻かれたテープ
状製品では、長時間室温に放置された場合、接着フィル
ム層が剥離性支持フィルムに背面転写をし、所望の接着
フィルムをリールから引き出せないという問題が発生し
やすくなる。一方、仮固定力が40gf/cmを下回ると
粘着性が弱すぎ、回路基板への転写ができないという問
題が発生する。
よるラジカル重合性物質の硬化反応に基づく発熱量は、
DSC(昇温速度:10℃/min)によって求めるこ
とができる。本発明の回路接続用接着フィルムは、発熱
量が60〜220J/gであるように硬化剤、ラジカル
重合性物質、フィルム形成性高分子などの配合量が調整
される。さらに、好ましい発熱量は、120〜210J
/gである。接着剤の発熱量が、220J/gを超える
と接着剤の硬化収縮力及び弾性率の増大等によって内部
応力が増大し、回路同士を接続した際、回路基板が反
り、接続信頼性の低下や電子部品の特性低下を引き起こ
す問題を生じる。また、発熱量が60J/gを下回ると
接着剤の硬化性が不充分であり、接着性及び接続信頼性
の低下を引き起こすという問題を生じる。
チップと基板との接着や電気回路相互の接着用のフィル
ム状接着剤として特に有用である。本発明の回路接続用
接着フィルムは、従来のエポキシ樹脂系よりも低温速硬
化性に優れかつ長い可使時間を有し、フィルムがリール
に巻かれたテープ状製品を長時間保管しても接着フィル
ム層が剥離性支持フィルムに背面転写することなく接着
フィルムをリールから引き出せないという問題が発生せ
ず、また、接着フィルムの粘着性が弱すぎ、回路基板へ
の転写ができないという問題が発生しない転写性が良好
で回路接続用接着フィルムの特性バランスに優れた電気
・電子用の回路接続材料を提供することができる。
明する。なお、それぞれの配合比は表1にまとめて示し
た。 (実施例1)フィルム形成材としてフェノキシ樹脂(ユ
ニオンカーバイド株式会社製、商品名PKHC、平均分
子量45,000)とポリウレタン樹脂を用いた。ラジ
カル重合性物質としてウレタンアクリレート、リン酸エ
ステル型アクリレート(共栄社油脂株式会社製、商品名
P−2M)を用いた。遊離ラジカル発生剤としてt−へキ
シルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート(日本油脂
株式会社製商品名:パーキュアHO、半減期10時間の
温度が70℃、半減期1分の温度が133℃)の50重
量%DOP(ジオクチルフタレート)溶液を用いた。
る粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層、このニ
ッケル層の外側に、厚み0.04μmの金層を設けた平
均粒径5μmの導電性粒子を作製し使用した。シリコー
ン微粒子として、平均粒径が2μmの微粒子を用いた。
シリコーン微粒子は、20℃でメチルトリメトキシシラ
ンを300rpmで攪拌したpH12のアルコール水溶
液に添加し、加水分解、縮合させ作製した。この球状粒
子は、25℃での弾性率が8MPaであり、平均粒径は
2μmであった。シリコーン微粒子100重量部を重量
比でトルエン/酢酸エチル=50/50の混合溶剤10
0重量部に分散した。
ウレタン樹脂25g、ウレタンアクリレート樹脂25
g、リン酸エステル型アクリレート1g、平均粒径が2μ
mのシリコーン微粒子5g、t−へキシルパーオキシ−2
−エチルヘキサノネート5gとなるように配合したメチ
ルケトン溶液を作製し、さらに導電性粒子を3体積%配
合分散させ、厚み80μmの片面を表面処理した剥離性
PETフィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、5
分の熱風乾燥により、接着剤層の厚みが35μmの回路
接続用接着フィルム(長さ50m)を得た。得られた接
着フィルムを2mm幅に裁断し、内径40mm、外径4
8mmのプラスチック製リールの側面(厚み2.5m
m)に接着フィルムを内側にして50m巻きつけ、テー
プ状の回路接続用接着フィルムを得た。得られた接着フ
ィルムの仮固定力は、120gf/cmであった。ま
た、この接着フィルムのDSCによる発熱量は170J
/gでった。
回路接続用接着フィルムを25℃、60%RHの環境下、
30日間放置した後、リールから接着フィルムを引き出
した際、接着フィルムが剥離性PETフィルムの背面に転
写するブロッキング現象が発生するか評価を行った。ブ
ロッキングがないときは、「なし」として、あるとき
は、「あり」として評価した。 (回路の接続)得られたテープ状回路接続用接着フィル
ムを用いて、ライン幅100μm、ピッチ200μm、
厚み18μmの金めっき銅回路を500本有するエポキ
シ製プリント回路板(PWB)とライン幅100μm、ピ
ッチ200μm、厚み18μmの錫めっき銅回路フレキ
シブル回路板(FPC)の接続を以下の方法で行った。
予めPWB上に、回路接続用接着フィルムの剥離性PET
フィルム反対面をPWB面に次のようにして貼り付け
た。剥離性PETフィルム側から70℃、1MPaで3
秒間加熱加圧してPWB面に回路接続用接着フィルムを
仮接続し、その後、剥離性PETフィルムを接着フィル
ム界面から剥離して、PWB上へ回路接続用接着フィル
ムの転写を行った。その後、PWBとFPCの位置合わ
せを行い、150℃、3MPa、10秒の条件で加熱加
圧を行い本接続した。 (接続抵抗の測定)回路の接続後、上記接続部を含むF
PCの隣接回路間の抵抗値を、初期と、85℃、85%
RHの高温高湿槽中に500時間保持した後にマルチメ
ータで測定した。抵抗値は隣接回路間の抵抗150点の
平均で示した。 (接着力の測定)回路の接続後、90度剥離、剥離速度
50mm/minで接着力測定を行った。接着力は100
0gf/cm程度と良好な接着力が得られた。
は良好な接続信頼性を示した。また、初期の接続抵抗も
低く、高温高湿試験後の抵抗の上昇もわずかであり、高
い耐久性を示した。比較例1の仮固定力が35gf/c
mと低い値では、回路基板への転写性に劣り、位置合わ
せが困難になった。また、比較例2の仮固定力が165
gf/cmと高い場合、背面転写リールから引き出せな
いという不具合が生じた。このように、転写性は仮固定
力を40〜160gf/cmの範囲にすれば良好な結果
が得られた。また、DSCの発熱量を比較的低くした実
施例4では、回路接続後の接着力が低くなり、また接続
信頼性試験の85℃、85%RH、500h後の接続抵
抗が高くなってしまう。リン酸エステル構造のリン酸エ
ステルアクリレートは、配合しない実施例3では、回路
接続後の接着力が低くなる。
来のエポキシ樹脂系よりも低温速硬化性に優れかつ可使
時間を有し、フィルムがリールに巻かれたテープ状製品
を長時間保管しても接着フィルム層が剥離性支持フィル
ムに背面転写することなく接着フィルムをリールから引
き出せないという問題が発生せず、また、接着フィルム
の粘着性が弱すぎ、回路基板への転写ができないという
問題が発生しない転写性が良好で回路接続用接着フィル
ムの特性バランスに優れた電気・電子用の回路接続材料
を提供することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 相対峙する回路電極間に介在され、相対
向する回路電極を加圧し加圧方向の電極間を電気的に接
続する回路接続用接着フィルムであって、前記接続フィ
ルムが加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤、ラジ
カル重合性物質、及びフィルム形成性高分子を必須と
し、前記接着フィルムのフレキシブル基板に対する仮固
定力が40〜160gf/cmであることを特徴とする
回路接続用接着フィルム。 - 【請求項2】 前記回路接続用接着フィルムのDSC
(示差走査熱量計)による発熱量が60J/g〜220
J/gであることを特徴とする請求項1に記載の回路接
続用接着フィルム。 - 【請求項3】 遊離ラジカルを発生する硬化剤の半減期
10時間の温度が40℃以上で、かつ半減期1分の温度
が200℃以下である請求項1または請求項2に記載の
回路接続用接着フィルム。 - 【請求項4】 回路接続用接着フィルムにさらに導電性
粒子を必須成分として含有する請求項1ないし請求項3
のいずれかに記載の回路接続用接着フィルム。 - 【請求項5】 ラジカル重合性物質がリン酸エステル構
造を有する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の
回路接続用接着フィルム。 - 【請求項6】 第一の接続端子を有する第一の回路部材
と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一
の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対
向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に請求
項1ないし請求項5のいずれかに記載の回路接続用接着
フィルムを介在させ、加熱加圧して前期対向配置した第
一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させる回
路板の製造方法。
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