JP2003063243A - 車両計器盤における空調用空気吹出装置 - Google Patents

車両計器盤における空調用空気吹出装置

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JP2003063243A JP2001251894A JP2001251894A JP2003063243A JP 2003063243 A JP2003063243 A JP 2003063243A JP 2001251894 A JP2001251894 A JP 2001251894A JP 2001251894 A JP2001251894 A JP 2001251894A JP 2003063243 A JP2003063243 A JP 2003063243A
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instrument panel
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Koichi Ito
伊藤  公一
Haruki Ikuta
晴樹 生田
Motohiro Kitada
基博 北田
Takashi Tanaka
尚 田中
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センタフェイス吹出口からの冷風吹出による
冷房性能を損なうことなく、計器盤の上下方向の寸法を
縮小できるようにする。 【解決手段】 計器盤10において車両左右方向の中央
部付近に配置される空調用センタフェイス吹出口を、第
1センタフェイス吹出口12と第2センタフェイス吹出
口13の2つに分割し、第1センタフェイス吹出口12
を計器盤10の車両後方側の面に乗員側に向くように配
置し、第2センタフェイス吹出口13を計器盤10の上
面に配置する。これにより、第1センタフェイス吹出口
12から乗員側に向かって直接的に空気を吹き出し、同
時に、第2センタフェイス吹出口13から乗員の顔部側
に向けて空気を吹き出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室内前部の計器
盤の左右方向中央部付近に配置されるセンタフェイス吹
出口を有する空調用空気吹出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の車両では、図12、図13に示す
ように、計器盤10の左右方向中央部付近に、複数の電
気部品を集合させたセンタクラスタモジュール11を配
置している。特に、高級車においては、このセンタクラ
スタモジュール11に、CDデッキ、MDデッキ、DV
Dデッキ、ラジオ、ナビゲーション装置のディスプレー
部、空調用操作パネル等の多数の電気部品を上下方向に
積み上げている。
【0003】そして、このセンタクラスタモジュール1
1の更に上部に、車両空調装置のセンタフェイス吹出口
12を配置している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の配置
レイアウトによると、多数の電気部品を上下方向に積み
上げたセンタクラスタモジュール11の上部に更に、セ
ンタフェイス吹出口12を配置しているので、計器盤1
0の上下方向寸法がどうしても大きくなってしまい、乗
員に圧迫感を与えるという問題がある。
【0005】本発明は上記点に鑑みて、センタフェイス
吹出口からの冷風吹出による冷房性能を損なうことな
く、計器盤の上下方向の寸法を縮小できるようにするこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、車室内前部に位置する
計器盤(10)において、車両左右方向の中央部付近に
配置される空調用センタフェイス吹出口を、第1センタ
フェイス吹出口(12)と第2センタフェイス吹出口
(13)の2つに分割し、第1センタフェイス吹出口
(12)を計器盤(10)の車両後方側の面に乗員側に
向くように配置し、第2センタフェイス吹出口(13)
を計器盤(10)の上面に配置したことを特徴とする。
【0007】これにより、第1センタフェイス吹出口
(12)から乗員側に向かって直接的に空気を吹き出す
ことができると同時に、計器盤上面に位置する第2セン
タフェイス吹出口(13)から乗員の顔部側に向けて空
気を吹き出すことができる。従って、最大冷房性能の発
揮のために必要な吹出風量は、両吹出口(12、13)
の組み合わせで確保できる。
【0008】その結果、第1センタフェイス吹出口(1
2)の上下方向寸法は従来のセンタフェイス吹出口に比
較して大幅に縮小できる。しかも、第2センタフェイス
吹出口(13)は計器盤(10)の上面に位置するか
ら、計器盤(10)の上下方向寸法を拡大せずに配置で
きる。以上により、計器盤10の上下方向の寸法を縮小
でき、乗員の圧迫感を軽減できる。
【0009】請求項2に記載の発明のように、請求項1
において、第1センタフェイス吹出口(12)および第
2センタフェイス吹出口(13)に、少なくとも上下方
向の空気吹出方向を調整可能な吹出グリル(14)を備
えれば、両吹出口(12、13)からの空気吹出方向を
乗員の上下方向に対して広範に調整でき、乗員の好みに
合うように冷房フィーリングをきめ細かく調整できる。
【0010】請求項3に記載の発明では、請求項1にお
いて、第2センタフェイス吹出口(13)に設けられ、
少なくとも上下方向の空気吹出方向を調整可能な吹出グ
リル(14)と、吹出グリル(14)を駆動する駆動手
段(15)と、駆動手段(15)の作動を制御する制御
手段(40)とを備え、両吹出口(12、13)から冷
風を吹き出して車室内を冷房する際に、最大冷房能力が
必要な状態であることを判定したときは、制御手段(4
0)により駆動手段(15)を介して吹出グリル(1
4)を、空気吹出方向が乗員側に向くように設定し、車
室内の冷房が進行して、必要冷房能力が最大冷房能力よ
り小さい所定の中間冷房能力であることを判定したとき
は、制御手段(40)により駆動手段(15)を介して
吹出グリル(14)を、空気吹出方向が乗員の上方側に
向くように設定し、車室内の冷房が更に進行して、必要
冷房能力が中間冷房能力より小さい所定の小冷房能力で
あることを判定したときは、制御手段(40)により駆
動手段(15)を介して吹出グリル(14)を、空気吹
出のシャット状態に設定することを特徴とする。
【0011】これにより、冷房始動時のように最大冷房
能力が必要な時は、第2センタフェイス吹出口(13)
の吹出グリル(14)の調整により第2センタフェイス
吹出口(13)の吹出空気を乗員側に向けて冷房フィー
リングを高めことができる。また、車室内の冷房が進行
して、必要冷房能力が所定の中間冷房能力になると、第
2センタフェイス吹出口(13)の吹出空気を乗員の上
方側に向けて、吹出空気の方向を拡散できるので、車室
内の冷房の進行に適応したマイルドな冷房フィーリング
を乗員に与えることができる。更に、車室内の冷房が進
行して、必要冷房能力が所定の小冷房能力になると、第
2センタフェイス吹出口(13)の吹出空気をシャット
するから、より一層マイルドな冷房フィーリングを乗員
に与えることができる。しかも、請求項3によると、車
室内冷房の進行状況に対応して、制御手段(40)と駆
動手段(15)により第2センタフェイス吹出口(1
3)の吹出グリル(14)を調整して、第2センタフェ
イス吹出口(13)の空気吹出方向を自動調整できるか
ら、車室内冷房の進行状況に対応して吹出グリル(1
4)を手動調整するという煩雑な操作が不要であり、乗
員の操作負担を軽減できる。
【0012】請求項4に記載の発明では、請求項3にお
いて、第1センタフェイス吹出口(12)に、少なくと
も上下方向の空気吹出方向を調整可能な吹出グリル(1
4)を備え、第1センタフェイス吹出口(12)の吹出
グリル(14)の空気吹出方向を制御手段(40)によ
り駆動手段(15)または別の駆動手段を介して制御で
きるようにし、最大冷房能力が必要な状態であることを
判定したときは、制御手段(40)により駆動手段(1
5)または別の駆動手段を介して第1センタフェイス吹
出口(12)の吹出グリル(14)の空気吹出方向を、
第2センタフェイス吹出口(13)の吹出グリル(1
4)の空気吹出方向と略同一方向に向くように設定し、
車室内の冷房が進行して、必要冷房能力が最大冷房能力
より小さい所定の中間冷房能力であることを判定したと
きは、制御手段(40)により駆動手段(15)または
別の駆動手段を介して第1センタフェイス吹出口(1
2)の吹出グリル(14)の空気吹出方向を、第2セン
タフェイス吹出口(13)の吹出グリル(14)の空気
吹出方向から離れるように設定し、車室内の冷房が更に
進行して、必要冷房能力が中間冷房能力より小さい所定
の小冷房能力であることを判定したときも、制御手段
(40)により駆動手段(15)または別の駆動手段を
介して第1センタフェイス吹出口(12)の吹出グリル
(14)を所定の空気吹出方向に維持することを特徴と
する。
【0013】これによると、車室内冷房の進行状況に対
応して第2センタフェイス吹出口(13)の空気吹出方
向を自動調整する作用(請求項3の作用)に、第1セン
タフェイス吹出口(12)の空気吹出方向を自動調整す
る作用を組み合わせることができる。そのため、両吹出
口(12)からの空気吹出方向の自動調整を車室内冷房
の進行状況に対応して一層、良好に行うことができる。
【0014】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0015】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は第1実施
形態による空調用空気吹出装置を備えた車両計器盤を示
すもので、図2は計器盤における空調用空気吹出装置の
配置部位の断面図である。車室内前部に位置する計器盤
10の車両左右方向中央部付近に、複数の電気部品を集
合させた一体構造物であるセンタクラスタモジュール1
1を配置している。
【0016】このセンタクラスタモジュール11は、図
1の例では、CDデッキ、MDデッキ、DVDデッキ、
ラジオ、空調用操作パネル等の電気部品11a、11
b、11cを上下方向に積み上げ、更に、ナビゲーショ
ン装置等のディスプレー部11dを視認性向上のために
最上部に配置している。センタクラスタモジュール11
は計器盤10の車両左右方向の中央部付近に設けた取付
開口部10aに組み付けられる。なお、計器盤10の右
側の取付開口部10bはメータ組み付け用のもである。
【0017】そして、このセンタクラスタモジュール1
1の更に上部に、空調用空気吹出装置のセンタフェイス
吹出口12、13を配置している。このセンタフェイス
吹出口12、13は、計器盤10の車両左右方向の中央
部付近に配置されるものであって、第1センタフェイス
吹出口12は計器盤10の車両後方側の面に乗員の上半
身側に向くように配置してある。従って、第1センタフ
ェイス吹出口12は図12、13の従来技術におけるセ
ンタフェイス吹出口12に対応するものである。
【0018】但し、図2と図13(従来技術)との対比
から理解されるように、本実施形態の第1センタフェイ
ス吹出口12は、従来技術におけるセンタフェイス吹出
口12よりも上下方向の寸法が小さくなっている。すな
わち、2つのセンタフェイス吹出口12、13の組み合
わせで必要最大風量を確保できるので、第1センタフェ
イス吹出口12の上下方向寸法を従来技術のものより小
さくできる。
【0019】一方、第2センタフェイス吹出口13は計
器盤10の上面に配置され、乗員の顔部付近から乗員の
上方側の範囲にわたって空気を吹き出するものである。
従って、第2センタフェイス吹出口13は図12、13
の従来技術には設けられていないものである。
【0020】第1センタフェイス吹出口12および第2
センタフェイス吹出口13はそれぞれ左右方向に2つの
吹出口に分割して設けられている。そして、第1センタ
フェイス吹出口12および第2センタフェイス吹出口1
3にはそれぞれ、空気吹出方向を図3に示す上下方向A
および左右方向Bの両方向に対して調整可能な吹出グリ
ル14が備えてある。
【0021】この吹出グリル14の基本的構成は、両吹
出口12、13とも同一でよいので、吹出グリル14の
構成の具体例を図3によりまとめて説明すると、樹脂等
で横長の長方形状に成形された枠体14aを有し、この
枠体14aの内部に、車両左右方向(水平方向)に延び
る複数の横ルーバ(横風向板)14bを一体成形してい
る。また、枠体14aの左右両側面に回転軸14cを一
体成形し、この回転軸14cを両吹出口12、13のケ
ース穴部に回転可能に嵌合保持するようになっている。
そのため、複数の横ルーバ14bは枠体14aとともに
上下方向Aに回転可能となっている。
【0022】また、枠体14aの内部には、上下方向に
延びる複数の縦ルーバ(縦風向板)14dを配置し、こ
の複数の縦ルーバ14dの上下両端の回転軸を枠体14
aの上下の内側面の穴部14eに回転可能に嵌合保持す
るようになっている。また、複数の縦ルーバ14dのう
ち、中央部の1つの縦ルーバ14dに手動操作用のつま
み部14fを取り付け、このつまみ部14fにより縦ル
ーバ14dに左右方向Bの操作力を加えると、複数の縦
ルーバ14dが互いに連動して左右方向Bに回転するよ
うになっている。
【0023】本実施形態においては、第1センタフェイ
ス吹出口12の吹出グリル14および第2センタフェイ
ス吹出口13の吹出グリル14における横ルーバ14b
の回転操作を自動制御できるようにしている。このた
め、枠体14aの回転軸14cに電動モータ(駆動手
段)15の出力軸15aをリンク機構16を介して連結
し、この電動モータ15から回転駆動力を枠体14aに
与えるようになっている。
【0024】なお、第1センタフェイス吹出口12の吹
出グリル14および第2センタフェイス吹出口13の吹
出グリル14にそれぞれ専用の電動モータ15を設けて
も良いが、本例では、1個の電動モータ15の回転駆動
力をリンク機構16を介して両吹出口12、13の吹出
グリル14の枠体14aに与えるようになっている。
【0025】図2に示すように、計器盤10の上面部の
下側に吹出口ケース17を配置し、この吹出口ケース1
7から空気が上記両吹出口12、13に流れるようにな
っている。この吹出口ケース17の入口部はセンタフェ
イスダクト18を介して空調ユニット19のフェイス開
口部20に接続される。
【0026】図4は空調ユニット19の一例を示すもの
であり、その構成の概要を説明すると、空調ユニット1
9は計器盤10内部のうち車両左右方向の略中央部に配
置され、図4の矢印は車両の上下、前後、左右方向を示
している。
【0027】そして、この空調ユニット19に空調空気
を送風する送風機ユニット(図示せず)が空調ユニット
19の側方(助手席側)にオフセット配置されている。
この送風機ユニットは、周知のごとく内気または外気を
切替導入する内外気切替箱と、この内外気切替箱から吸
入した空気(内気または外気)を空調ユニット19に向
けて送風する遠心式の電動送風ファンとを備えている。
【0028】空調ユニット19は樹脂製の空調ケース2
1を有し、この空調ケース21の内部に、冷房用熱交換
器として冷凍サイクルの蒸発器22を、また、暖房用熱
交換器として車両エンジンの温水(冷却水)を熱源とす
るヒータコア23を配置している。空調ケース21にお
いて、最も車両前方側(蒸発器22の前方位置)の部位
に図示しない送風機ユニットからの送風空気が流入する
空気入口部24が形成してある。
【0029】ヒータコア23の上方部に冷風バイパス通
路25を形成し、そして、蒸発器12の直ぐ下流側(車
両後方側)には板状のエアミックスドア26が回転可能
に配置されている。このエアミックスドア26は冷風バ
イパス通路25を通過する冷風とヒータコア23を通過
する温風との風量割合を調整して車室内への吹出空気温
度を所望温度に制御する。
【0030】ヒータコア23直後の部位には上方に向か
う温風通路27が形成され、この温風通路27からの温
風と冷風バイパス通路25からの冷風が空気混合部28
で混合される。空調ケース21の空気通路下流側には複
数の吹出開口部が形成されており、この吹出開口部のう
ち、デフロスタ開口部29は図示しないデフロスタダク
トを介して計器盤10のデフロスタ吹出口31(図1)
に連通し、このデフロスタ吹出口31から車両窓ガラス
の内面に向けて空調空気を吹き出すようになっている。
デフロスタ開口部29は回動可能な板状のデフロスタド
ア30により開閉される。
【0031】次に、前述したフェイス開口部20は空調
ケース21の上面部において、デフロスタ開口部29よ
りも車両後方側の部位に開口している。このフェイス開
口部20は回動可能な板状のフェイスドア32により開
閉される。
【0032】なお、計器盤10の車両左右方向の両端部
付近にはサイドフェイス吹出口33(図1)が配置され
ている。このサイドフェイス吹出口33は、図示しない
サイドフェイスダクトを介して、上記フェイス開口部2
0の左右両側に開口しているサイドフェイス開口部(図
示せず)に連通する。このサイドフェイス開口部の開度
もフェイスドア32により調整されるが、フェイスドア
32がフェイス開口部20を全閉する時でも、フェイス
ドア32に備えた切り欠き部によりサイドフェイス開口
部の開口状態を維持できるようになっている。そのた
め、サイドフェイス吹出口33からは全吹出モードにお
いて空気を吹き出すことができる。
【0033】次に、フット開口部34は空調ケース21
において、フェイス開口部20の下方側に開口してお
り、フット開口部34の下流側は空調ケース21の左右
両側に配置されたフット吹出口35に連通し、このフッ
ト吹出口35から乗員の足元部に温風を吹き出すような
っている。フット開口部34は回動可能な板状のフット
ドア36により開閉される。
【0034】次に、第1実施形態における電気制御部の
概要を図5により説明すると、空調用制御装置40に
は、空調制御のために、内気温TR、外気温TAM、日
射量TS、蒸発器吹出温度(蒸発器冷却度合)TE、温
水温度TW等を検出する周知のセンサ群41〜45から
検出信号が入力される。
【0035】また、空調操作パネル50の操作部材51
〜55の操作信号が空調用制御装置40に入力される。
この操作部材は具体的には、吹出モード操作スイッチ5
1、車室内の設定温度信号Tsetを出す温度設定器5
2、空調用冷凍サイクルの圧縮機作動の断続信号(O
N,OFF信号)を出すエアコンスイッチ53、内外気
切替信号を出す内外気スイッチ54、空調制御のオート
状態設定信号を出すオートスイッチ55等である。
【0036】空調用電子制御装置40はCPU、RO
M、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータと、
その周辺回路にて構成されるもので、予め設定されたプ
ログラムに従って所定の演算処理を行って、前述の吹出
グリル駆動用のモータ15、送風機ユニット(図示せ
ず)の送風機駆動用モータ61、送風機ユニットの内外
気切替ドア(図示せず)の駆動用モータ62、エアミッ
クスドア26の駆動用モータ63、吹出モードドア3
1、32、36の駆動用モータ64、圧縮機作動断続用
の電磁クラッチ65等の通電制御を行うようになってい
る。
【0037】次に、上記構成において第1実施形態の作
動を説明する。空調用電子制御装置40のマイクロコン
ピュータでは、センサ群41〜44からの検出信号、空
調操作パネル50の操作部材51〜55からの操作信号
等を読み込む。そして、下記数式1に基づいて、車室内
へ吹き出される空調風の目標吹出温度TAOを算出す
る。この目標吹出温度TAOは車室内を温度設定器52
の設定温度Tset に維持するために必要な吹出温度であ
る。
【0038】
【数1】TAO=Kset ×Tset −Kr ×TR−Kam×
TAM−Ks ×TS+C 但し、TR:内気温、TAM:外気温、TS:日射量、
Tset:設定温度信号 Kset 、Kr 、Kam、Ks :制御ゲイン C :補正用の定数 そして、目標吹出温度TAOに基づいて、エアミックス
ドア26の開度制御、送風機ユニットの風量制御、内外
気切替制御、吹出モード切替制御等をオート制御する。
【0039】ここで、送風機ユニットの風量制御をより
具体的に述べると、送風機ユニットの送風機により送風
される空気の目標風量(送風機モータ印加電圧)BLW
を上記TAOに基づいて算出する。この目標送風量BL
Wの算出方法は、図6のマップに示すように、上記TA
Oの高温側(最大暖房側)および低温側(最大冷房側)
で目標風量を大きくし、上記TAOの中間温度域で目標
風量を小さくし、この目標風量となるように送風機ユニ
ットの送風機駆動用モータ61の回転数を制御する。
【0040】更に、第1実施形態では、目標吹出温度T
AOに基づいて第1センタフェイス吹出口12および第
2センタフェイス吹出口13の吹出グリル14における
横ルーバ14bの回転操作を次のように自動制御してい
る。
【0041】すなわち、(1)夏期の冷房始動時のよう
に最大冷房能力が必要な状態である時は、目標吹出温度
TAOが0℃以下の極く低い温度として算出される。従
って、TAOが冷房始動時に算出される低温度に相当す
る第1所定温度T1(図6参照)より低い時、つまり、
TAO<T1である時は最大冷房能力が必要な状態であ
ると判定できる。
【0042】そこで、この最大冷房能力が必要な状態を
判定すると、モータ15を所定の作動角だけ回転させ、
これにより、モータ15の回転駆動力をリンク機構16
を介して第1、第2センタフェイス吹出口12、13の
吹出グリル14の枠体14aに与え、両吹出口12、1
3の枠体14a、横ルーバ14bをともに空気吹出方向
が乗員の顔部側に向く位置まで回転させる。
【0043】図7は上記最大冷房能力の必要な状態にお
ける空気吹出方向を示すものであり、図中、Mは車室内
の座席に着座した乗員で、破線矢印a,b,cは乗員M
の顔部、胸部、腹部に対するそれぞれの目標空気吹出方
向(目標風向)を示す。
【0044】図7では、第1センタフェイス吹出口12
からの空気吹出方向も第2センタフェイス吹出口13
からの空気吹出方向もともに乗員Mの顔部への目標空
気吹出方向aと同一方向となり、両吹出口12、13の
吹出空気が乗員Mの顔部側に集中する。
【0045】この結果、最大冷房能力が必要な条件(T
AO<T1)の時は、車室内への吹出風量が図6の制御
特性から最大量(Hi)であるとともに、この最大風量
の吹出空気(蒸発器22で冷却された冷風)を乗員Mの
顔部側へ集中的に吹き出すことができる。それ故、夏期
の冷房始動時に乗員Mに対して最強の冷房フィーリング
を付与できる。
【0046】(2)次に、車室内の冷房が進行して、必
要冷房能力が前記最大冷房能力より小さい所定の中間冷
房能力であることを判定したときの空気吹出状態を説明
する。この判定は、具体的には、目標吹出温度TAOが
前記第1所定温度T1と、これより高い第2所定温度T
2(図6参照)との間の値まで上昇したこと、つまり、
T1≦TAO<T2を判定すればよい。
【0047】このように、T1≦TAO<T2となり、
必要冷房能力が所定の中間冷房能力である状態を判定す
ると、モータ15をさらに所定の作動角だけ回転させ、
モータ15の回転駆動力をリンク機構16を介して第
1、第2センタフェイス吹出口12、13の吹出グリル
14の枠体14aに与える。
【0048】これにより、第1センタフェイス吹出口1
2においては、吹出グリル14の枠体14aと横ルーバ
14bを図7の状態から下向きに回転させ、図8に示す
ように第1センタフェイス吹出口12の空気吹出方向
を乗員Mの胸部に対する目標空気吹出方向bとほぼ同一
方向とする。
【0049】また、第2センタフェイス吹出口13にお
いては、吹出グリル14の枠体14aと横ルーバ14b
を図7の状態から上向きに回転させ、図8に示すように
第2センタフェイス吹出口13の空気吹出方向を乗員
Mの顔部に対する目標空気吹出方向aよりも上方向とす
る。
【0050】この結果、乗員Mの上半身に対して、顔部
の上方から腹部に至る広範囲にわたって冷風を吹き当て
ることができる。従って、乗員Mの顔部に冷風が集中す
ることがなくなり、車室内の冷房の進行に適応したマイ
ルドな冷房フィーリングを乗員Mに与えることができ
る。
【0051】(3)更に、車室内の冷房が進行して、必
要冷房能力が前記中間冷房能力より小さい所定の小冷房
能力であることを判定したときの空気吹出状態を説明す
る。この判定は、具体的には、目標吹出温度TAOが前
記第2所定温度T2以上に上昇したこと、つまり、TA
O≧T2を判定すればよい。なお、夏期の冷房時におい
てTAO≧T2の領域は、車室内温度(内気温TR)が
設定温度Tset近傍の温度になっている定常状態であ
り、図6の制御特性から理解されるように、風量は最小
風量Loに制御される。
【0052】このような冷房定常状態にあっては、車室
内温度が設定温度Tset近傍の温度に到達しているの
で、第2センタフェイス吹出口13からの空気吹出が不
要となる。そこで、TAO≧T2となり、必要冷房能力
が所定の小冷房能力であることを判定すると、モータ1
5をさらに所定の作動角だけ回転させ、モータ15の回
転駆動力をリンク機構16を介して第2センタフェイス
吹出口13の吹出グリル14の枠体14aに与える。
【0053】これにより、第2センタフェイス吹出口1
3では、吹出グリル14の枠体14a、横ルーバ14b
を図9の状態より更に上向きに回転させ、吹出グリル1
4の枠体14aの下側面により第2センタフェイス吹出
口13を全閉するので、第2センタフェイス吹出口13
からの空気吹出がシャットされる。
【0054】一方、第1センタフェイス吹出口12にお
いては、TAO≧T2となったときに、リンク機構16
のアイドル機構によりモータ15の回転駆動力が吹出グ
リル14の枠体14aに伝達されない。そのため、第1
センタフェイス吹出口12の空気吹出方向は図9に示す
ように図8と同じ方向を維持する。
【0055】従って、TAO≧T2となる冷房定常状態
では、最小風量Loでもって送風される冷風を第1セン
タフェイス吹出口12のみから乗員Mの胸部方向に向か
って吹き出すことになる。そのため、図9の状態では、
乗員Mに対してより一層マイルドな冷房フィーリングを
与えることができる。
【0056】なお、第1実施形態は次のように変形して
もよい。
【0057】第1実施形態では、図9に示すTAO≧T
2となる冷房定常状態において、第1センタフェイス吹
出口12の空気吹出方向を、中間冷房能力時(図8)と
同一方向、すなわち、乗員Mの胸部に向かう方向にし
ているが、TAO≧T2となる冷房定常時に第1センタ
フェイス吹出口12の空気吹出方向を乗員Mの顔部に向
かう方向にしてもよい。
【0058】また、第1実施形態では、図9に示すTA
O≧T2となる冷房定常状態において、第2センタフェ
イス吹出口13からの空気吹出をシャットしているが、
第2センタフェイス吹出口13からの空気吹出をシャッ
トせずに、第2センタフェイス吹出口13からの空気吹
出を続行するとともに、第2センタフェイス吹出口13
からの吹出空気が後席側へ到達しやすくするようにして
もよい。
【0059】すなわち、後席側に乗員が着座しているか
どうかを検出する検出手段(座席の着座センサ等)を設
け、また、第2センタフェイス吹出口13の吹出グリル
14の縦ルーバ14dを駆動する駆動手段(電動モー
タ)を設ける。そして、TAO≧T2となる冷房定常状
態において、後席側に乗員が着座していることを検出し
たときは、第2センタフェイス吹出口13の吹出グリル
14の縦ルーバ14dを車両左右方向において中央部、
すなわち、運転席と助手席との中間部位に向ける。この
とき、第2センタフェイス吹出口13の吹出グリル14
の横ルーバ14bは、図9の破線矢印に示すように、
乗員の顔部の上方に向いている。これにより、第2セン
タフェイス吹出口13の吹出空気(冷風)は、運転席と
助手席の乗員により妨げられることなく、後席側へ容易
に到達する。
【0060】(第2実施形態)第1実施形態では、セン
タクラスタモジュール11の最上部にナビゲーション装
置等のディスプレー部11dを配置し、そして、このセ
ンタクラスタモジュール11の更に上部に、空調用空気
吹出装置の第1、第2センタフェイス吹出口12、13
を配置しているが、第2実施形態では図10に示すよう
に、センタクラスタモジュール11からナビゲーション
装置等のディスプレー部11dを切り離して、第1セン
タフェイス吹出口12の上方にディスプレー部11dを
配置し、ディスプレー部11dの上方に第2センタフェ
イス吹出口13を配置している。
【0061】第2実施形態によると、計器盤部全体の上
下方向寸法を拡大することなく、ディスプレー部11d
を第1実施形態よりも上方に位置させ乗員から見やすく
できるので、ディスプレー部11dの視認性を一層向上
できる。
【0062】(第3実施形態)第3実施形態では、図1
1に示すように、ナビゲーション装置等のディスプレー
部11dと第1センタフェイス吹出口12とを同一高さ
に配置している。すなわち、車両左右方向において中央
部にディスプレー部11dを配置し、このディスプレー
部11dの左右両側に、左側と右側の第1センタフェイ
ス吹出口12を配置している。
【0063】このような配置によっても、ディスプレー
部11dを第1実施形態に比べて上方に位置させ乗員か
ら見やすくできるので、ディスプレー部11dの視認性
を向上できる。
【0064】(他の実施形態)なお、第1実施形態で
は、第1、第2センタフェイス吹出口12、13の吹出
グリル14をモータ15の回転駆動力により回転操作す
る自動制御方式のものについて説明したが、モータ15
のような駆動手段を廃止して、第1、第2センタフェイ
ス吹出口12、13の吹出グリル14からの空気吹出方
向の調整を手動操作のみで行うものに本発明を適用して
も良いことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の計器盤部を示す分解斜
視図である。
【図2】第1実施形態の計器盤におけるセンタフェイス
吹出口部の断面図である。
【図3】第1実施形態のセンタフェイス吹出口における
吹出グリルの正面図である。
【図4】第1実施形態の空調ユニットの概略断面図であ
る。
【図5】第1実施形態の空調制御の電気ブロック図であ
る。
【図6】第1実施形態の空調風量制御の特性図である。
【図7】第1実施形態のセンタフェイス吹出口の吹出方
向の説明図である。
【図8】第1実施形態のセンタフェイス吹出口の吹出方
向の説明図である。
【図9】第1実施形態のセンタフェイス吹出口の吹出方
向の説明図である。
【図10】第2実施形態の計器盤部を示す分解斜視図で
ある。
【図11】第3実施形態の計器盤部を示す分解斜視図で
ある。
【図12】従来の計器盤部を示す分解斜視図である。
【図13】従来の計器盤におけるセンタフェイス吹出口
部の断面図である。
【符号の説明】
10…計器盤、11…センタクラスタモジュール、12
…第1センタフェイス吹出口、13…第2センタフェイ
ス吹出口、14…吹出グリル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60H 1/00 B60H 1/00 103R F24F 11/02 102 F24F 11/02 102H 13/06 13/06 A (72)発明者 北田 基博 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 田中 尚 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3L011 CP04 3L060 AA05 CC02 DD08 3L080 BA07 BA10 BA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内前部に位置する計器盤(10)に
    おいて、車両左右方向の中央部付近に配置される空調用
    センタフェイス吹出口を、第1センタフェイス吹出口
    (12)と第2センタフェイス吹出口(13)の2つに
    分割し、 前記第1センタフェイス吹出口(12)を前記計器盤
    (10)の車両後方側の面に乗員側に向くように配置
    し、 前記第2センタフェイス吹出口(13)を前記計器盤
    (10)の上面に配置したことを特徴とする車両計器盤
    における空調用空気吹出装置。
  2. 【請求項2】 前記第1センタフェイス吹出口(12)
    および前記第2センタフェイス吹出口(13)に、少な
    くとも上下方向の空気吹出方向を調整可能な吹出グリル
    (14)を備えることを特徴とする請求項1に記載の車
    両計器盤における空調用空気吹出装置。
  3. 【請求項3】 前記第2センタフェイス吹出口(13)
    に設けられ、少なくとも上下方向の空気吹出方向を調整
    可能な吹出グリル(14)と、 前記吹出グリル(14)を駆動する駆動手段(15)
    と、 前記駆動手段(15)の作動を制御する制御手段(4
    0)とを備え、 前記両吹出口(12、13)から冷風を吹き出して車室
    内を冷房する際に、最大冷房能力が必要な状態であるこ
    とを判定したときは、前記制御手段(40)により前記
    駆動手段(15)を介して前記吹出グリル(14)を、
    空気吹出方向が乗員側に向くように設定し、 車室内の冷房が進行して、必要冷房能力が前記最大冷房
    能力より小さい所定の中間冷房能力であることを判定し
    たときは、前記制御手段(40)により前記駆動手段
    (15)を介して前記吹出グリル(14)を、空気吹出
    方向が乗員の上方側に向くように設定し、 車室内の冷房が更に進行して、必要冷房能力が前記中間
    冷房能力より小さい所定の小冷房能力であることを判定
    したときは、前記制御手段(40)により前記駆動手段
    (15)を介して前記吹出グリル(14)を、空気吹出
    のシャット状態に設定することを特徴とする請求項1に
    記載の車両計器盤における空調用空気吹出装置。
  4. 【請求項4】 前記第1センタフェイス吹出口(12)
    に、少なくとも上下方向の空気吹出方向を調整可能な吹
    出グリル(14)を備え、 前記第1センタフェイス吹出口(12)の吹出グリル
    (14)の空気吹出方向を前記制御手段(40)により
    前記駆動手段(15)または別の駆動手段を介して制御
    できるようにし、 前記最大冷房能力が必要な状態であることを判定したと
    きは、前記制御手段(40)により前記駆動手段(1
    5)または別の駆動手段を介して前記第1センタフェイ
    ス吹出口(12)の吹出グリル(14)の空気吹出方向
    を、前記第2センタフェイス吹出口(13)の吹出グリ
    ル(14)の空気吹出方向と略同一方向に向くように設
    定し、 車室内の冷房が進行して、必要冷房能力が前記最大冷房
    能力より小さい所定の中間冷房能力であることを判定し
    たときは、前記制御手段(40)により前記駆動手段
    (15)または別の駆動手段を介して前記第1センタフ
    ェイス吹出口(12)の吹出グリル(14)の空気吹出
    方向を、前記第2センタフェイス吹出口(13)の吹出
    グリル(14)の空気吹出方向から離れるように設定
    し、 車室内の冷房が更に進行して、必要冷房能力が前記中間
    冷房能力より小さい所定の小冷房能力であることを判定
    したときも、前記制御手段(40)により前記駆動手段
    (15)または別の駆動手段を介して前記第1センタフ
    ェイス吹出口(12)の吹出グリル(14)を所定の空
    気吹出方向に維持することを特徴とする請求項3に記載
    の車両計器盤における空調用空気吹出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009061949A (ja) * 2007-09-07 2009-03-26 Valeo Thermal Systems Japan Corp 車両用空調装置
CN102673348A (zh) * 2011-03-14 2012-09-19 株式会社丰田自动织机 车辆空气调节设备

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