JP2003061427A - 耕耘装置の施用装置 - Google Patents

耕耘装置の施用装置

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JP2003061427A
JP2003061427A JP2001258386A JP2001258386A JP2003061427A JP 2003061427 A JP2003061427 A JP 2003061427A JP 2001258386 A JP2001258386 A JP 2001258386A JP 2001258386 A JP2001258386 A JP 2001258386A JP 2003061427 A JP2003061427 A JP 2003061427A
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fertilizer
rotary
tiller
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JP2001258386A
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Yoshiki Maniwa
芳樹 馬庭
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Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耕耘装置に資材タンク及びポンプ駆動ケース
等を簡潔な構成を以てバランスよく設置すると共に、後
方の視界を良好にして耕耘作業状態及び施用作業状態等
を視認することができ、一連の作業を能率よく円滑に行
うことができるトラクタ耕耘装置の施用装置を提供す
る。 【解決手段】 ロータリー部3aをロータリーカバー3
3及び該ロータリーカバー33の後部に回動可能に支持
したリヤカバー34で覆った耕耘装置3を、トラクタ1
の昇降機構10にトップマスト36を介して装着すると
共に、肥料等の資材を収容した資材タンク51から、施
用ポンプ部52及び管路50aを介しロータリー部3a
の後部に設置した施用ノズル50から、耕起された耕土
に資材を供給する施用装置5を備えたものにおいて、前
記耕耘装置3のロータリーカバー33上でトップマスト
36の両側に資材タンク51を配設すると共に、資材タ
ンク51の施用ポンプ部52を駆動せしめるポンプ駆動
ケース8を、前記トップマスト36に近接させて設置す
るトラクタ耕耘装置の施用装置にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタに装着し
た耕耘装置に施用装置の資材タンク等を設けて、耕起さ
れた耕土に肥料等の資材を供給する耕耘装置の施用装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トラクタに装着した耕耘装置の後
部に畝立器と施肥装置の施用ノズルを設け、耕起された
耕土を畝立成形すると共に、畝中に肥料を供給施用する
畝立て施肥装置は、特開2001─61319号公報に
示されるように既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報で示されるよ
うな構成によるトラクタの畝立て施肥装置は、ボンネッ
ト前部側の走行機体に資材タンクと施肥ポンプ部を取付
支持し、施肥ポンプ部から長い管路を延長させて、耕耘
装置後方の施用ノズルに肥料を送給するように連結して
いるので、トラクタ前部において資材タンク等を取付る
ための特別な取付枠構造を要すること、及び長い管路を
用いるのでコスト高になると共に、管路の詰まりが発生
し易い等の欠点がある。また、資材タンクを走行機体の
前部に設けたトラクタは、資材タンクに肥料を補給する
際に足場がないので、補給タンクを持ち上げて行う補給
作業が困難であり、その際に肥料をこぼし易く付着した
肥料が美麗に仕げ塗装されているボンネットや走行機体
の表面を腐食したりする弊害を伴うと共に、またフロン
トローダ等のフロント作業機を走行機体の前部に装着す
るとき、資材タンクが邪魔になってこれ取外さなければ
ならない等の煩雑な装着作業を要する課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明によるトラクタ耕耘装置の施用装置は、第1
に、ロータリー部3aをロータリーカバー33及び該ロ
ータリーカバー33の後部に回動可能に支持したリヤカ
バー34で覆った耕耘装置3を、トラクタ1の昇降機構
10にトップマスト36を介して装着すると共に、肥料
等の資材を収容した資材タンク51から、施用ポンプ部
52及び管路50aを介しロータリー部3aの後部に設
置した施用ノズル50から、耕起された耕土に資材を供
給する施用装置5を備えたものにおいて、前記耕耘装置
3のロータリーカバー33上でトップマスト36の両側
に資材タンク51を配設すると共に、資材タンク51の
施用ポンプ部52を駆動せしめるポンプ駆動ケース8
を、前記トップマスト36に近接させて設置することを
特徴としている。
【0005】第2に、施用装置5による資材の供給を、
耕耘装置3のリヤカバー34の垂れ下がり姿勢に基づい
て停止せしめるように構成することを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。符号1は前後に車輪1aを有する走行機
体1bの後部に3点リンク方式の昇降機構10を備えた
トラクタであり、上記昇降機構10の後部に形成したヒ
ッチ部11に本発明に係わる作業機1cを着脱可能に装
着している。尚、上記昇降機構10は従来のものと同様
に、図示しない油圧式のリフトシリンダによって上下回
動するリフトアーム12と、該リフトアーム12に連結
されて上下回動する左右のロアーリンク13と、該ロア
ーリンク13の中間部上方で揺動回動可能に枢支したト
ップリンク14等からなり、ヒッチ部11は上記トップ
リンク14と左右のロアーリンク13を位置決め連結す
るように閉成枠に形成し、該閉成枠の中央部と両側下部
には、図6で後述する耕耘装置取付用の係脱機構を有す
るフック支持部15と係止支持部16を設け、作業機1
cをワンタッチ状に着脱できる構成にしている。
【0007】そして本実施形態の作業機1cは、上記ヒ
ッチ部11に対する取付部を有して装着されるロータリ
式の耕耘装置3と、その耕耘機枠30から後方に向けて
延設したツールバー31に対し、着脱可能に取付固定す
るように構成した畝立装置4aと、耕起された耕土中に
供給施用する資材としての、ペースト状の肥料を供給施
肥(施用)する施肥装置(施用装置)5等で構成してい
る。また、上記施肥装置5は、畝立装置4aに設けた複
数本の施用ノズル50と、耕耘装置3に載置されて肥料
を収容する資材タンク51と、該資材タンク51内の肥
料を管路50aを介して施用ノズル50側に送給する施
用ポンプ部52とから構成している。
【0008】以下各部の構成について詳述する。先ず図
1〜図7を参照し耕耘装置3について説明すると、この
耕耘装置3は、円筒状の耕耘機枠30の両端に垂下した
伝動ケース30aと支持枠30bによって、複数の耕耘
爪32aを植設したロータ軸32の両側を回転駆動可能
に軸支したロータリー部3aと、該ロータリー部3aの
上方に沿って設けたロータリーカバー33と、該ロータ
リーカバー33の後端縁で横支軸33aによって回動可
能に設けたリヤカバー34で構成していると共に、後述
する施肥装置5の施用制御機構6と連繋せしめるように
設けた押均し機構6aによって、ロータリー部3aで耕
起された耕土の表面をリヤカバー34で上下動可能に押
圧付勢し、耕土表面の凹凸を均しながら略平坦面状に均
し形成するようにしている。
【0009】また、耕耘機枠30の中央部には、走行機
体1b側からPTO軸によって入力伝動される入力軸3
0cを有すると共に、該入力軸30cから伝動ケース3
0aを介してロータリー部3aを駆動せしめる耕耘部ケ
ース35を設け、該耕耘部ケース35の上部には、前記
ヒッチ部11に形成しているフック支持部15に係合す
る係合ピン36aを有したトップマスト36を立設して
いる。
【0010】また、トップマスト36の両側で耕耘機枠
30の前側には、前記ヒッチ部11の係止支持部16に
係脱可能に係止される係止ピン36bを設けている。そ
して、トップマスト36は、その基部側にツールバー3
1の基部側を回動可能に軸支すると共に、トップマスト
36の後部上方側にハンドル付きのネジ杆からなるツー
ルバー昇降調節機構37を設け、該ネジ杆の下端をツー
ルバー31の中途部に連結枢支することにより、ツール
バー31を介してこれに装着する畝立装置4aと施用ノ
ズル50等の作業部を上下高さ調節可能に支持してい
る。
【0011】また、前記押均し機構6aは、ロータリー
カバー33の上部両側に突設した取付ブラケット33b
と、リヤカバー34の各中途部とを、連杆6bと張りス
プリング6cによって下方側に向けて付勢可能に連結す
ることにより、ロータリー部3a後方の耕土を、リヤカ
バー34の湾曲内側面で滑かな平坦面状に押均し形成す
るようにしている。
【0012】次に、図1〜図4及び図9を参照し畝立装
置4aについて説明する。図示例の畝立装置4aは、前
記ツールバー31の後端に横設している横ツールバー3
8に、後述する構成からなる緩衝支持構造7を介し、複
数個(図示例では4個)の畝立器4を所定の等間隔を有
して着脱可能に取付支持することにより、ロータリー部
3aによる耕土巾内で、4条の畝溝を形成しながら3条
分の畝を形成するようにし、各畝巾の中程に後述する構
成によって2条分の施用ノズル50を臨設せしめ、2条
分の土中施肥を所定深さに同時に行うようにしている。
【0013】即ち、上記緩衝支持構造7は同図及び図9
で示すように、横ツールバー38の中央部に取付部材7
0を介して着脱可能に取着される固定横杆71と、該固
定横杆71の両側に構成した平行リンク支持構造72
と、該平行リンク支持構造72によって上下揺動可能に
付勢支持される可動横杆73とから構成している。そし
て、上記可動横杆73は、その両側に内側一側にのみ畝
成形板40を有する畝立器4を取付け、且つその間に畝
成形板40を左右一対に拡開状に設けた2つの畝立器4
を所定間隔を有して取付けると共に、各畝立器4の中央
部において後述する構成によって施用ノズル50を取付
けている。尚、リヤカバー34と畝立装置4aの両外側
には、両者間で耕土の飛散を防止するサイドカバー45
を、畝立装置4aの可動横杆73側に取付支持して設置
していると共に、各畝立器4の間には成形される畝の上
面を押し均し成形する畝均板46を着脱可能に設置する
ようにしている。
【0014】また、緩衝支持構造7の平行リンク支持構
造72は図9で示すように、固定横杆71と可動横杆7
3とを上下2本のリンク杆75で平行状リンクを形成す
るように連結枢支することにより、可動横杆73を固定
横杆71側を支点とし略平行状に上下揺動させることが
できるようにし、固定横杆71側と可動横杆73側間
に、可動横杆73側の自重による下降下限位置を規制す
るロッド76aと、可動横杆73側を下降側に付勢する
緩衝付勢用のスプリング76bからなる、緩衝ロッド機
構76を介装している。
【0015】そして、上記各畝立器4は、畝成形板40
側からその補強枠構造体を兼ねるように設けた取付腕ブ
ラケット41を、可動横杆73に着脱及び横方向の取付
位置調節を可能とするように取着していると共に、該取
付腕ブラケット41の後部に、接地支持用の転輪42を
畝成形板40の底面と略同接地面となるように設けるこ
とにより、この作業部の自重を安定よく接地支持しなが
ら、耕土の耕盤面の凹凸等の形状に倣って、畝立作業及
び施肥作業を円滑に行うことができるようにしている。
また、図示例の平行リンク支持構造72を備えた固定横
杆71は、横ツールバー38に設けたハンドル付きのネ
ジ杆等からなる支持角度調節機構79によって、側面視
における畝立器4の支持角を調節可能に支持している。
【0016】一方、前記施用ノズル50は同図に示すよ
うに、金属等耐摩耗性部材からなる管体を、側面視にお
いて前側に向けて逆つ字状となる滑らかな湾曲形状に屈
曲形成し、その上端側を前記施肥装置5の管路50aと
着脱可能に連結せしめ、下端側を略水平状に延長し施用
ノズル50の吐出口50bとして後方に向けて開口させ
ている。そして、施用ノズル50の吐出口50b位置
は、以下のような取付構造によって図1,図2で示すよ
うに、畝成形板40の中途部高さで、且つ長さ方向の中
途部前側寄りに位置させており、これにより畝立器4に
よる畝成形作業の初期において、成形中途の畝内への施
肥を行うことを可能にしている。
【0017】これによれば施用ノズル50は、従来のも
ののように成形後の固く締められた畝に侵入して施肥を
行うことなく、予め未成形の畝内に臨んだ状態で施肥を
行うので、施用ノズル50に過大な負荷をかけることな
く、安定よく簡潔な構成を以て支持することができると
共に、畝巾の略中央部で畝表面近傍の適正深さ位置への
施肥を円滑に行い、施肥効果を向上せしめて作物の栽培
を良好に行うことができる等の特徴がある。
【0018】また、上記施用ノズル50の取付構造は、
湾曲形成した施用ノズル50の内側形状と略同形状に形
成した厚肉板状体からなる取付座53を内嵌した状態
で、その上部と前部と下部を一体的に接合取着すると共
に、上記取付座53の上側部を前記可動横杆73側から
前方に向けて突出せしめた支持腕55の先端に、取付ネ
ジ56によって着脱可能に取付固定するようにしてい
る。そして、上記支持腕55は、その基部側を可動横杆
73に対して、前記畝立器4の取付腕ブラケット41と
同様に、着脱及び横方向の取付位置調節可能に取着して
いる。
【0019】尚、この実施形態の支持腕55は、その先
端部の両側に施肥間隔を調節可能とする取付座55aを
設け、該両側の取付座55aに左右一対の上記施用ノズ
ル50を所定の施肥間隔を有して安定よく併設するよう
に構成していると共に、これにより畝に植立する植物の
両側に、肥料を適正位置に簡単に施用することができる
等の利点がある。
【0020】以上のように、畝立器4を備えた可動横杆
73側から、支持腕55及び取付座53を介して支持し
た施用ノズル50は、その前側部を耕耘装置5と畝立器
4間で形成される空間部において、リヤカバー34の揺
動回動を妨げることなく、該リヤカバー34に可及的に
接近させて設置しながら、施用ノズル50を安定よく支
持することができるので、耕耘装置4と畝立装置4a及
び施用ノズル50を近接させた作業機1cを、まとまり
よくコンパクトに構成することができる。また、作業機
1cの重心を走行機体1b側に近づけた状態で、耕耘及
び畝立て並びに施肥等の一連の作業を円滑に行うことが
できる等の特徴がある。
【0021】また施用ノズル50は、その屈曲した前部
をリヤカバー34側に可及的に近接させた上方部位か
ら、吐出口50b側に至る長さを緩やかな後退角を有す
る長い傾斜管部50cにすることができるので、この施
用ノズル50が耕土中を進行する際の抵抗を大きく低減
することができると共に、施用ノズル50が耕土中に混
在している硬くて大きい土塊や石、又は木屑等の異物
(以下これらを抵抗物体という)に接当した場合でも、
傾斜管部50bがこれを滑らかに乗り越えることを可能
にする。
【0022】またこの際、施用ノズル50はその支持構
造の取付座53を補強部材に兼用し、施用ノズル50を
剛性構造となるように構成しているので、上記抵抗物体
と接当した大きな負荷が下方から上方に向けて加わった
場合でも、施用ノズル50の変形を防止することができ
ると共に、施用ノズル50はこの負荷を緩衝支持構造7
に伝えて平行リンク支持構造72を介し、その緩衝ロッ
ド機構76の付勢力に抵して上方に速やかに退避移動せ
しめるので、施用ノズル50及びその支持構造部材等の
破損や変形等を簡単且つ的確に防止することができる等
の利点がある。
【0023】そして、上記のような負荷が解除される
と、施用ノズル50はこの部の自重及び緩衝ロッド機構
76の付勢力によって元の位置に速やかに復帰作動する
から、耕土内抵抗の大小や畝立器4が接触する耕盤面に
対しても、両者を円滑に倣い追動させることができる。
さらに、作業機1cが昇降機構10を介して図2で示す
ように、上昇した位置から急激に下降接地した場合に、
畝立器4並びに施用ノズル50が受ける抵抗も、両者は
上記のような支持構造によって接地衝撃を緩衝し緩和さ
せることができる等の利点もある。また、施用ノズル5
0は取付座53によって補強されるから、必要以上の剛
性パイプにすることなく、屈曲加工の行い易い廉価な小
径管の採用を可能にして、土壌抵抗を軽減することがで
きる等の利点もある。
【0024】次に、施肥装置5の構成について説明す
る。この施肥装置5は、左右一対で同形状の資材タンク
51を、径大パイプからなる耕耘機枠30の両側中途部
において、前記トップマスト36から左右略等距離とな
る位置に、取付台座51aを介してバランスよく着脱可
能に載置している。また、施用ポンプ部52は、トップ
マスト36の左側に近接設置し、耕耘部ケース35から
ポンプ駆動ケース(変速クラッチ伝動機構)8を介して
入力するようにしており、その伝動下手側で両側から突
出せしめた伝動軸80によって、資材タンク51の下部
に設置している施用ポンプ部52を駆動することによ
り、資材タンク51内の肥料を繰出し左右の施用ポンプ
部52に3本づつ設けた管路50aを介し、各管路50
aの端部に接続している前記施用ノズル50から、既述
の態様で土中施肥を行うようにしている。尚、上記各管
路50aはその中途部に、施肥の吐出停止選択を自由に
行うと共に、施肥の液垂れを防止する肥料停止切換バル
ブ50dを介装していると共に、該肥料停止切換バルブ
50dを前記横ツールバー38に一括して取付支持する
ようにしている。
【0025】また、前記可動横杆73に取着した3本の
支持腕55は、その両側に左右一対の施用ノズル50を
取着していることから、各支持腕55に取着される一方
の施用ノズル50は、左側の資材タンク51の施用ポン
プ部52と接続し、また他方の施用ノズル50は右方の
資材タンク51の施用ポンプ部52と接続せしめ、これ
により、繰り出し吐出性能を微妙に異にしたりする左右
の資材タンク51の施用ポンプ部52から、両施用ノズ
ル50を介して吐出供給される3条の各畝に対する施肥
を、略均等に供給施用するようにしている。尚、上記の
配管構造にしたことにより、左右の資材タンク51には
異なる資材、例えば通常肥料と遅効肥料或いは一般肥料
と消毒剤との組み合わせ等を以て、それぞれを個別に収
容させることもでき、異なる働きの両資材を各畝に対し
等量づづ同時供給することができる等の利点がある。
【0026】次に、図5〜図8を参照し、施肥装置5の
伝動構成及び施用制御機構6等について説明する。この
施肥装置5の伝動構成は図6で示すように、ポンプ駆動
ケース8の入力軸81に耕耘部ケース35から後部に突
出させた入力軸30cから、チェン伝動機構82を介し
て入力伝動するようにしており、施用ポンプ部52に駆
動する左右の伝動軸80のクラッチ入り切作動を、図8
のクラッチ制御回路で示す、走行機体1bの操縦部側に
配設されたクラッチスイッチ60と、施用制御機構6の
リヤカバースイッチ61のON,OFFに連繋せしめ
て、ポンプ駆動ケース8側に取付固定したクラッチモー
タ6Mを、正逆回転作動及び停止をさせることによって
行うようにしている。また、図6で示すようにクラッチ
モータ6Mの回転軸に設けた作動片6Hは、連杆62に
よってポンプ駆動ケース8内の変速クラッチ機構を断接
するクラッチ軸83のクラッチアーム85を押し引き作
動せしめるように連結している。
【0027】そして上記施用制御機構6は、同図及び図
5,図7で示すように、ロータリーカバー33の取付ブ
ラケット33b内に軸支したセンサ軸63のセンサアー
ム64と、リヤカバー34の中途部とを長さ調節可能な
連杆65によって連結していると共に、上記センサアー
ム64の接当作動によってON,OFFされる、触片6
1aを有した前記リヤカバースイッチ61を取付ブラケ
ット33bの側部に取着している。またクラッチモータ
6Mの前側で上下位置には、クラッチ入側のリミットス
イッチ66とクラッチ切側のリミットスイッチ67を配
設し、モータ軸から突設した作動片6Lの所定の回転作
動で、クラッチ入側のリミットスイッチ66とクラッチ
切側のリミットスイッチ67を各別にON,OFFさせ
るようにしており、これによりクラッチモータ6Mの正
回転と逆回転に伴い、作動片6H,連杆62,クラッチ
アーム85を介して、クラッチ軸83を押し引き回動す
るクラッチ入り切り位置の規定をしている。
【0028】また図8で示す回路中の68は、前記クラ
ッチスイッチ60,リヤカバースイッチ61及びリミッ
トスイッチ66,67の作動に伴い関連動作するクラッ
チリレー68であり、該クラッチリレー68は一方のリ
レー68aがON作動すると、クラッチモータ6Mを正
回転せしめ、他方のリレー68bがON作動するとクラ
ッチモータ6Mを逆回転させるように、クラッチモータ
6Mと連繋配線している。尚、69は施肥装置5の作動
状況を表示するモニターランプである。
【0029】従って、以上のように構成したことにより
施肥装置5は、作業機1cが昇降機構10を介して下降
接地し、入力軸30cを介し耕耘装置3のロータリー部
3aを回転駆動した状態において、前記クラッチスイッ
チ60がONされると、リミットスイッチ66,クラッ
チリレー68を介してクラッチモータ6Mが正回転し、
前記クラッチ軸83を入り作動させたのち、作動片6L
がリミットスイッチ66を接当作動させクラッチモータ
6Mを停止することによって、施用ポンプ部52が前記
伝動構造を介して駆動され、施肥作業(施用作業)を前
記の施肥態様によって行う。
【0030】またこのとき、リヤカバー34はロータリ
ー部3aで耕起された耕土の表面上に図1の点線、図5
の実線で示すように押接し、押均し機構6aを介して上
下しながら耕土面の凹凸を押し均して略均平状に仕上げ
るが、例えば耕耘装置3が上昇された場合や畝が形成さ
れていないことに伴い、リヤカバー34が耕土から離間
方向に回動し実線のような垂れ下がり姿勢になると、こ
れに基づいて図5の点線で示すようにセンサアーム64
が、連杆65で引かれ下向き回動してその触片61aに
接当し、リヤカバースイッチ61をOFF作動し前記の
制御回路によってクラッチモータ6Mを即時逆回転さ
せ、施肥装置5を停止せしめるので、作業機1cの上昇
に伴う非作業状態等における、肥料の無駄な施用や漏出
を自動的に防止する。
【0031】またこの非作業状態から作業機1cが下降
操作されて、センサアーム64と触片61aの接当が解
除されると、クラッチモータ6Mを正回転させて施肥装
置5を再び駆動することが可能な施肥待機状態になり、
作業者は畝立器4による畝形成及び該畝内に施用ノズル
50が進入したことを確認した後、施肥作業を開始する
ようにし、これにより畝が形成されていない状態の畝外
の耕土に対し、肥料を無駄に吐出し露出させることによ
る不具合を防止することができる。従って、リヤカバー
34と施用制御機構6を介して連繋させた施肥装置5
は、供給資材の節約を図りながら施肥等の施用作業を能
率よく行うことができる等の特徴がある。尚、この実施
形態で耕耘装置3は耕深制御も可能にしており、図示し
ない耕深制御装置の耕深検知センサ6Sは、図7で示す
前記施用制御機構6のセンサ軸63の軸端に取着するこ
とにより、この部の構成部材を上記両制御装置となるよ
うに兼用化せしめて、コストの低減を図るようにしてい
る。
【0032】次に、作業機1cの耕耘装置3上に設置さ
れる施肥装置5の詳細な設置構造、及びその特徴等につ
いて説明する。図1〜図4及び図6で示すように、既述
の左右の資材タンク51は、平面視においてトップマス
ト36の両側において耕耘機枠30に取付支持するにあ
たり、ロータリーカバー33上に設けられたツールバー
31や押均し機構6aの取付ブラケット33b等の突設
物の外側で、且つロータリーカバー33の外側端から作
業者が足を乗せて乗り上がることができる、所定の足乗
距離を有して形成した乗降空間部の内側に配置し、前記
資材タンク51を載置固定した取付台座51aを、U字
状の取付具57によって下側から耕耘機枠30を抱持す
るように締着することにより、資材タンク51の重心部
位を安定よく簡単に取付支持していると共に、取付台座
51aの前部を耕耘部ケース35或いはロータリーカバ
ー33側に補強連結支持した構成にしている。
【0033】また、資材タンク51は、その後部寄りに
供給口を開閉可能に閉鎖する蓋56を設けることによ
り、作業機1cが最上昇されるとき前傾姿勢になる資材
タンク51の蓋56部からの液漏れを防止するようにし
ている。そして、この際左右の資材タンク51の施用ポ
ンプ部52を駆動する前記ポンプ駆動ケース8は、耕耘
装置部重心近傍となるトップマスト36の側方に近接さ
せて取付固定しているので、両者の後部に形成される開
放状の空間部から、簡単な構造のチェン伝動機構82に
よって、コンパクトにまとまりよく伝動することができ
るようにしている。尚、左右の資材タンク51は、その
取付位置を耕耘装置全体の重心がトップマスト36の位
置と一致するように調節設定可能となるようにしてい
る。
【0034】以上のように構成したトラクタの作業機1
cは、耕耘装置3をトラクタ1の昇降機構10にトップ
マスト36を介して装着すると共に、肥料等の資材を収
容した資材タンク51から、施用ポンプ部52及び管路
50aを介しロータリー部3aの後部に設置した施用ノ
ズル50から、耕起された耕土に資材を供給する施用装
置5を備え、前記耕耘装置3のロータリーカバー33上
でトップマスト36の両側に資材タンク51を配設する
と共に、資材タンク51の施用ポンプ部52を駆動せし
めるポンプ駆動ケース8を、前記トップマスト36に近
接させて設置するようにしたことにより、背丈の高い資
材タンク51はロータリーカバー33の両側に配置し
て、操縦部の背後を視界障害物を存在せしめることなく
可及的に広くしているので、操縦部13側からの視界が
良好にして作業者は無理な姿勢をとることなく、耕耘作
業状態及び畝立作業状態並びに施肥作業状態を良好に視
認することができ、一連の作業をトラブルを防止しなが
ら能率よく円滑に行うことができる。
【0035】また上記の作業において肥料の補給作業を
行う際には、作業機1c耕耘装置3を下降接地させた状
態において、前記資材タンク51の外側でロータリーカ
バー33上に形成した乗降空間部に簡単に乗降すること
ができるから、作業者は蓋56の開閉及び図示しない補
給タンクを持ち上げて行う、肥料の補給作業を安定姿勢
で能率よく簡単に行うことができる。またこれにより、
補給作業時の液こぼれや液垂れ等の資材損失も的確に防
止することができる等の特徴がある。
【0036】従って、以上のように構成したトラクタに
装着した作業機1cは、耕耘装置3に重量構造の資材タ
ンク51及びポンプ駆動ケース8等を簡潔な構成を以て
バランスよく設置することができて、耕耘作業を安定よ
く行うと共に耕起された耕土をリヤカバー34で均した
のち、畝立装置4aの畝立器4によって複数の畝を的確
に形成しながら,施肥装置5のポンプ駆動ケース8の駆
動によって、資材タンク51内の肥料を施用ポンプ部5
2によって繰出し、各施用ノズル50から畝の所定の位
置に同時施肥するので、一連の作業を円滑に行うことが
できると共に、所定の形状に形成されて肥料が施用され
た畝に対し、播種又は苗の植付が行われた作物を良好に
栽培することができる。尚、この実施形態では施用装置
5に用いる供給資材(施用資材)としてペースト状の肥
料を用いたが、これに限ることなく、液状肥料や薬剤、
又は消毒剤、或いは保水用ゲル材等の資材を適宜用いて
もよいものである。
【0037】
【発明の効果】本発明は以上のようにトラクタ耕耘装置
の施用装置を構成したことにより、以下に記載するよう
な効果を奏する。 (1)ロータリー部をロータリーカバー及び該ロータリ
ーカバーの後部に回動可能に支持したリヤカバーで覆っ
た耕耘装置を、トラクタの昇降機構にトップマストを介
して装着すると共に、肥料等の資材を収容した資材タン
クから、施用ポンプ部及び管路を介しロータリー部の後
部に設置した施用ノズルから、耕起された耕土に資材を
供給する施用装置を備えたものにおいて、前記耕耘装置
のロータリーカバー上でトップマストの両側に資材タン
クを配設すると共に、資材タンクの施用ポンプ部を駆動
せしめるポンプ駆動ケースを、前記トップマストに近接
させて設置するようにしたことにより、耕耘装置に資材
タンク及びポンプ駆動ケース等を簡潔な構成を以てバラ
ンスよく設置することができると共に、操縦部の背後の
視界を遮ることなく資材タンクをロータリーカバーの両
側に設置しているので、作業者は操縦部側から無理な姿
勢をとることなく後方の視界を良好にして、耕耘作業状
態及び施用作業状態等を視認することができ、一連の作
業をトラブルを防止しながら能率よく円滑に行うことが
できる。また肥料等の資材の補給作業を行う際に、作業
者はロータリーカバー上に乗降することができ、蓋の開
閉及び補給タンクを持ち上げて行う補給作業を能率よく
簡単に行うことができる。
【0038】(2)施用装置による資材の供給を、耕耘
装置のリヤカバーの垂れ下がり姿勢に基づいて停止せし
めるように構成することにより、耕起された耕土の表面
を押し均すリヤカバーが、垂れ下がり姿勢になると施用
装置を確実に停止せしめるので、畝外の耕土に肥料の無
駄な施用や漏出を簡単に防止することができると共に、
施肥等の施用作業を能率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる作業機をトラクタに装着した作
業状態を示す側面図。
【図2】図1の作業機を上昇させた状態を示す側面図。
【図3】作業機の平面図。
【図4】耕耘装置と施用装置の構成を示す背面図。
【図5】施用制御機構の構成を示す側面図。
【図6】資材タンクの取付構造及び伝動構造を示す側面
図。
【図7】施用制御機構の構成を示す平面図。
【図8】クラッチ制御回路図。
【図9】施用ノズル及び緩衝支持構造の構成を示す斜視
図。
【符号の説明】
1 トラクタ 1b 走行機体 3 耕耘装置 3a ロータリー部 4 畝立器 4a 畝立装置 5 施用装置(施肥装置) 6 施用制御機構 7 緩衝支持構造 8 ポンプ駆動ケース(変速クラッチ伝動機構) 10 昇降機構 33 ロータリーカバー 34 リヤカバー 36 トップマスト 50 施用ノズル 50a 管路 51 資材タンク 52 施用ポンプ部 53 取付座 55 支持腕

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータリー部(3a)をロータリーカバ
    ー(33)及び該ロータリーカバー(33)の後部に回
    動可能に支持したリヤカバー(34)で覆った耕耘装置
    (3)を、トラクタ(1)の昇降機構(10)にトップ
    マスト(36)を介して装着すると共に、肥料等の資材
    を収容した資材タンク(51)から、施用ポンプ部(5
    2)及び管路(50a)を介しロータリー部(3a)の
    後部に設置した施用ノズル(50)から、耕起された耕
    土に資材を供給する施用装置(5)を備えたものにおい
    て、前記耕耘装置(3)のロータリーカバー(33)上
    でトップマスト(36)の両側に資材タンク(51)を
    配設すると共に、資材タンク(51)の施用ポンプ部
    (52)を駆動せしめるポンプ駆動ケース(8)を、前
    記トップマスト(36)に近接させて設置することを特
    徴とするトラクタ耕耘装置の施用装置。
  2. 【請求項2】 施用装置(5)による資材の供給を、耕
    耘装置(3)のリヤカバー(34)の垂れ下がり姿勢に
    基づいて停止せしめるように構成する請求項1記載の耕
    耘装置の施用装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006101786A (ja) * 2004-10-06 2006-04-20 Mitsubishi Agricult Mach Co Ltd 農用作業機
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