JP2003059922A - 絶縁膜生成方法およびその装置 - Google Patents
絶縁膜生成方法およびその装置Info
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Abstract
容易に生成する。 【解決手段】 基板Wから離れて配設されたフィラメン
ト8から発せられる熱により、原料ガスを分解して基板
W上に絶縁膜を堆積させる。その後に、基板Wの周囲に
発生させたプラズマで放電ガスをイオン化し、そのイオ
ン化された放電ガスで絶縁膜表面にイオン衝撃を与える
ことにより、絶縁膜の密度を高める。
Description
生成する方法およびその装置に係り、特に低温度の基板
上に高抵抗の絶縁膜を生成する技術に関する。
において、絶縁膜を形成するのには、一般的にプラズマ
CVD法が用いられ、この場合、600°C程度での運
用が多い。これよりも低温度で基板上に絶縁膜を気相成
長させる手法としては、ECR(electron cycrotron r
esonance)−プラズマCVD法や熱触媒体CVD法が知
られている。
イクロ波を照射して高密度のプラズマを発生させて成膜
する手法で、300〜400°C程度の比較的低温度の
基板温度で酸化珪素(SiO2)や窒化珪素(Si
3N4)膜などの絶縁膜を生成することができる。
金属などに原料ガスを作用させることにより、原料ガス
を熱分解して基板上に絶縁膜を成長させる手法で、基板
自体を高温度に加熱することなく膜生成することができ
る。
た従来手法には次のような問題がある。たとえば、圧電
変換器に用いられるピエゾ素子は、300°C近くまで
加熱されると、その特性が劣化するので、ピエゾ素子の
電極部の高絶縁膜被覆を形成する工程では、基板温度を
100〜200°C程度におさえる必要がある。ところ
が、従来のECR−CVD法では、100〜200°C
程度の低温度の基板上に高品質の絶縁膜を生成すること
が困難であった。また、ECR−CVD法は、マイクロ
波を発生させるマグネトロンを備えるので、装置構成が
複雑化して高価になり、大サイズ化も難しいという難点
もある。
度の基板上に絶縁膜を生成できるが、それでも200°
C以下の低温基板では絶縁リークを引き起こすピンホー
ル等の欠陥が絶縁膜中に生じやすく、高品位の絶縁膜を
得ることができないという問題点がある。
たものであって、低温度の基板上に高品位の絶縁膜を比
較的容易に生成することができる絶縁膜生成方法および
その装置を提供することを目的としている。
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明に係る絶縁膜生成方法は、基
板から離れて配設された熱源から発せられる熱により原
料ガスを分解して基板上に絶縁膜を堆積させる膜堆積過
程と、前記基板上の絶縁膜表面にイオン衝撃を与えるイ
オン衝撃過程とを備えたことを特徴とする。
れて配設された熱源から発せられる熱により原料ガスを
分解しているので、ヒータを内蔵したサセプタに基板を
載置して基板を加熱することにより原料ガスを分解して
いる従来のCVD法に比較して、基板の温度上昇を抑え
ることができる。つまり、低温度で絶縁膜を堆積するこ
とができる。しかも、低温度で絶縁膜を堆積したことに
より、絶縁膜の密度が下がってピンホール等の欠陥が生
じても、基板上に堆積された絶縁膜にイオン衝撃を与え
ているので、ピンホール等の欠陥が埋まり高密度の絶縁
膜、つまり高抵抗の絶縁膜を生成することができる。
板周囲に発生させたプラズマで放電ガスをイオン化し、
そのイオン化された放電ガスで絶縁膜表面にイオン衝撃
を与える(請求項2に記載の発明)。比較的に弱いプラ
ズマで放電ガスをイオン化することにより、基板やチャ
ンバー内壁からスパッタ粒子(イオン化された放電ガス
によりスパッタリングされて飛散する粒子)を飛散させ
ることなく、絶縁膜の密度を上げることができる。
衝撃過程とを繰り返すことにより(請求項3に記載の発
明)、高密度で任意の膜厚の絶縁膜を生成することがで
きる。
止し、イオン衝撃過程では放電ガスを供給するようにす
れば(請求項4に記載の発明)、膜堆積過程で絶縁膜表
面にイオン衝撃が加わらないので、効率よく膜成長させ
ることができる。あるいは、これに代えて膜堆積過程で
はプラズマを発生させず、イオン衝撃過程ではプラズマ
を発生させるようにしてもよい(請求項5に記載の発
明)。あるいは、膜堆積過程では原料ガスを供給し、イ
オン衝撃過程では原料ガスの供給を停止するようにして
もよい(請求項6に記載の発明)。また、膜堆積過程と
イオン衝撃過程との間にわたり、原料ガスを継続して供
給すれば(請求項7に記載の発明)、イオン衝撃過程の
間にも幾分かの絶縁膜を成長させることができる。この
場合、イオン衝撃過程での膜成長は、遅い成膜速度では
あるが、比較的硬い高密度の膜が形成できる。
定しないが、テトラエチルオルソシリケート(TEO
S:Si(OC2H5)4)ガスが好ましい(請求項8に
記載の発明)。TEOSガスは分解速度が速く、高速度
で酸化珪素膜を堆積することができるが、従来のCVD
法によれば、低温基板上では膜質が柔らかく弱いので、
絶縁抵抗は小さくなる。しかし、本発明によれば、堆積
された酸化珪素膜表面にイオン衝撃を与えるので、硬く
て強い高抵抗の酸化珪素膜を生成することができる。
定しないが、窒素(N2)ガスを用いると(請求項9に
記載の発明)、イオン衝撃された絶縁膜表面が窒化(原
料ガスがTEOSガスの場合は、酸窒化)して、絶縁性
を一層高めることができる。
積過程の前に、基板表面にイオン衝撃を与えて基板表面
を洗浄する洗浄過程が実施される(請求項10に記載の
発明)。このような洗浄過程を置くことにより基板と絶
縁膜との密着性を向上させることができる。洗浄過程の
種類は特に限定しないが、基板周囲に発生させたプラズ
マで放電ガスをイオン化し、そのイオン化された放電ガ
スで基板表面にイオン衝撃を与えて基板表面を洗浄する
ようにすれば(請求項11に記載の発明)、洗浄過程が
上述したイオン衝撃過程と同様に実施できるので、基板
洗浄を容易に行うことができる。
0°Cの範囲内にするのが好ましい(請求項12に記載
の発明)。このように温度設定すれば、例えば高温に晒
されると特性が劣化するピエゾ素子などにも高抵抗の絶
縁膜被覆を堆積させることができる。
れた熱源から発せられる熱により原料ガスを分解して基
板上に絶縁膜を堆積させる絶縁膜生成方法において、前
記基板の温度を常温〜200°Cの範囲内にすることを
特徴とする(請求項13に記載の発明)。本発明によれ
ば、基板から離れて配設された熱源から発せられる熱に
より原料ガスを分解しているので、基板の温度上昇が抑
えられる。そして、その基板の温度を常温〜200°C
の範囲内にすることにより、熱に弱いプラスチック類や
圧電素子など、種々の基板に絶縁膜を堆積させることが
できる。
る絶縁膜生成装置であって、処理対象である基板を収容
するチャンバーと、前記チャンバー内で基板を支持する
基板支持手段と、前記チャンバー内を排気する排気手段
と、前記チャンバー内に原料ガスを導入する原料ガス導
入手段と、前記チャンバー内に放電ガスを導入する放電
ガス導入手段と、前記チャンバー内に導入された原料ガ
スを熱分解するために、基板から離れて配設される熱源
と、前記チャンバー内に導入された放電ガスをイオン化
するためのプラズマ発生手段とを備えたことを特徴とす
る(請求項14に記載の発明)。
て基板がチャンバー内で支持された後に、排気手段によ
ってチャンバー内が排気される。続いてチャンバー内に
原料ガスが導入されると、その原料ガスは熱源からの熱
により分解されて基板上に絶縁膜が堆積される。そし
て、チャンバー内に放電ガスを導入するとともに、この
放電ガスをプラズマ発生手段によってイオン化して、基
板の絶縁膜表面にイオン衝撃を与える。本発明装置によ
れば、比較的に簡単な構成でもって、低温度の基板に高
絶縁性の絶縁膜を生成することができる。なお、本発明
装置は、上記の手順で使用されるだけでなく、上述した
本発明方法の種々の実施態様にも好適に用いられる。
定しないが、通電されることにより熱を発する金属細線
で熱源を構成すれば(請求項15に記載の発明)、原料
ガスを熱分解するのに必要な高温度を容易に得ることが
できる。この場合、基板の温度を検出する温度検出手段
と、前記温度検出手段の検出信号に基づいて、金属細線
で形成された熱源への通電を制御することにより、基板
の温度を設定範囲内に維持する制御手段とを備えるのが
好ましい(請求項16に記載の発明)。このような基板
の温度制御により、基板上に堆積される絶縁膜を高品位
に維持することができる。さらに、制御手段は、金属細
線で形成された熱源への通電をオン・オフ制御するよう
に構成するのが好ましい(請求項17に記載の発明)。
熱源への通電をオン・オフ制御することにより、オン時
には熱源を高温度にして原料ガスの熱分解を促進するこ
とができ、また、熱源への通電を適宜にオフすることに
より、基板の過熱を防止することができる。
板との間に、熱源から基板への輻射熱を遮る熱遮蔽部材
が配設される(請求項18に記載の発明)。このような
熱遮蔽部材を設けることにより、基板の温度上昇を一層
効果的に抑えることができる。さらに、基板支持手段に
基板を冷却する冷却機構を備えると(請求項19に記載
の発明)、基板の温度上昇を抑える上でより一層効果的
である。
マ発生手段は、基板支持手段と基板との間に配設されて
高周波電力が供給される金属板を備える(請求項20に
記載の発明)。このように構成すれば、金属板の表裏面
が基板と基板支持手段によって遮蔽されるので、プラズ
マ発生手段の電極としての金属板が無用のイオン衝撃を
受けて汚染源となるのを避けることができる。
基板を予備加熱する予備加熱手段を備える(請求項21
に記載の発明)。このような予備加熱手段を設けること
により、膜堆積過程の当初から最適な基板温度で絶縁膜
を堆積することができ、膜質を一層向上することができ
る。
施例を説明する。図1は、本発明に係る絶縁膜生成装置
の一実施例の概略構成を示した図である。
基板Wを収容するチャンバーである。本実施例におい
て、基板WはN型シリコンウエハである。処理対象とな
る基板Wとしては、この他にピエゾ素子やプラスチック
フィルムなど、絶縁膜が堆積される種々のものがある。
チャンバー1は、その底部に設けられた排気口1aを介
して真空ポンプ2に連通接続されて、チャンバー1内が
真空排気されるようになっている。この真空ポンプ2
は、本発明装置における排気手段に相当する。
に原料ガスと放電ガスとを導入するためのガス導入ノズ
ル3が設けられている。原料ガスは、基板Wに堆積する
絶縁膜の種類に応じて適宜に選択される。本実施例で
は、基板Wに酸化珪素膜を堆積するために、テトラエチ
ルオルソシリケート(TEOS:Si(OC2H5)4)
ガスを用いている。TEOSガスの他に、シランガス
(SiH4)を用いてもよい。ただし、シランガスを用
いた場合、爆発防止対策などの措置を講ずる必要があ
る。これに対しTEOSガスの場合、安価で比較的に安
全であり、しかも分解速度が速いので、高速度で酸化珪
素膜を堆積することができる点で有利である。
表面にイオン衝撃を与えるために用いられるもので、後
述するプラズマ発生手段によりイオン化される。放電ガ
スとしては、例えば窒素ガスやアルゴンガスなどの不活
性ガスを用いることができる。原料ガスがTEOSガス
である場合に、放電ガスとして窒素ガスを用いると、イ
オン衝撃された絶縁膜(本実施例の場合、酸化珪素膜)
が窒化して、絶縁膜の絶縁性が向上するので好ましい。
上述したガス導入ノズル3は、本発明装置における原料
ガス導入手段および放電ガス導入手段に相当する。な
お、単一のガス導入ノズル3に代えて、個別のガス導入
ノズルを使って原料ガスと放電ガスとをチャンバー1内
に導入するようにしてもよい。
めの支持板4が配設されている。支持板4は銅などの金
属から形成されている。支持板4は、その内部に形成さ
れた冷却水流路4aに冷却水を流通させることにより、
支持板4に支持された基板Wを冷却するようになってい
る。支持板4は、本発明装置における基板支持手段に相
当し、冷却水流路4aは、基板Wを冷却する冷却機構に
相当する。
に電気的に接続された金属板6が配設されている。この
金属板6に高周波電力を供給することにより基板Wの周
囲にプラズマを発生させて放電ガスをイオン化し、基板
Wの表面にイオン衝撃を与えるようになっている。高周
波電源5および金属板6は、本発明装置におけるプラズ
マ発生手段に相当する。金属板6は2枚の絶縁用ガラス
板7で覆われることにより、イオン化された放電ガスで
スパッタリングされないようになっている。
ト8が基板Wに対向して配設されている。フィラメント
8は、本発明装置における熱源に相当し、チャンバー1
内に導入された原料ガスをフィラメント8から発せられ
た熱により熱分解するために用いられる。フィラメント
8は、モリブデンやタングステンなどの金属細線を、基
板Wに対向して直線状に架設して構成されている。各フ
ィラメント8は、通電制御用のスイッチ9を介してフィ
ラメント用電源10に電気的に接続されている。フィラ
メント8の配設位置が基板Wに近過ぎると、フィラメン
ト8の近傍領域で絶縁膜の膜厚が厚くなるので好ましく
ないく、また、フィラメント8の配設位置が基板Wから
離れ過ぎると、絶縁膜の堆積速度が低下する。フィラメ
ント8と基板Wとの距離は5〜10cmが好ましい。
によってオン・オフ制御される。温度調節器11には、
基板Wの表面に着脱可能に取り付けられた熱電対12か
ら温度検出信号が与えられる。つまり、温度調節器11
は、熱電対12の温度検出信号に基づいて、フィラメン
ト8への通電をオン・オフ制御することにより、基板W
の表面温度を設定範囲に維持する。温度調節器11は本
発明における制御手段に、熱電対12は本発明装置にお
ける温度検出手段に、それぞれ相当する。
することにより、フィラメント8は高温状態(点灯状
態)と、非通電状態(消燈状態)とを交互に繰り返すこ
とになる。点灯時のフィラメント8の温度は、TEOS
ガスでは1000〜2000°Cが好ましい。フィラメ
ント8が高温状態のときに原料ガスが熱分解されて、基
板Wに絶縁膜が堆積される。非通電状態のときは絶縁膜
がほとんど堆積されずに、支持板4の冷却機構の作用に
よって基板Wの温度上昇が抑制される。基板Wの設定温
度範囲は、熱により基板Wの特性が劣化せずに、しかも
良好な膜質の絶縁膜が得られる範囲が設定される。基板
Wの温度を常温〜200°Cの範囲内にすれば、種々の
基板に対して特性劣化を引き起こすことなく、良好な絶
縁膜を堆積させることができる。
維持するだけであれば、フィラメント8の通電を単純に
オン・オフ制御するよりも、フィラメント8への給電量
を連続的に増減させて調節する連続制御方式が良いと考
えられるが、そうするとフィラメント8の温度が必然的
に低下して、絶縁膜の堆積速度が低下する。そこで、本
実施例では上述のようにフィラメント8の通電をオン・
オフ制御することによって、原料ガスの熱分解に十分な
高温度を通電(オン)時に得ている。
との間に、セラミックなどから形成された熱遮蔽板13
がそれぞれ配設されている。これらの熱遮蔽板13は、
基板Wがフィラメント8からの輻射熱に直接に晒される
のを防止するために設けられている。このような熱遮蔽
板13を設けることにより、原料ガスの熱分解を極力妨
げないで、基板Wの温度上昇を抑制することができる。
備加熱するためのハロゲンランプ14が設けられてい
る。ハロゲンランプ14も温度調節器11からの信号に
よって点灯制御されている。このようなハロゲンランプ
14を設けることにより、絶縁膜の堆積過程の当初から
基板Wが最適な温度になっているので、高品位の絶縁膜
を堆積することができる。
使って基板W上に絶縁膜を生成する過程を説明する。
ローチャートである。まず、支持板4に基板Wをセット
した後、チャンバー1を閉じてチャンバー1内を真空排
気する(ステップS1)。本実施例では、チャンバー1
内を6.6661×10-3Pa(5×10-5Torr)
まで排気した。次に、ハロゲンランプ14を点灯させる
ことにより、基板Wの表面温度を105±5°Cの範囲
内に予備加熱する(ステップS2)。
導入するとともに、金属板6に高周波電力を供給(高周
波放電)することにより、基板Wの周囲にプラズマを発
生させて放電ガスをイオン化する。このイオン化された
放電ガスで基板Wの表面にイオン衝撃を与えることによ
り、基板表面を洗浄する(ステップS3)。プラズマ状
態の放電イオンは方向性が極めて弱いので、イオン銃な
どを使ってイオン衝撃を与えるものに比べて、基板表面
の細部(例えば、基板表面に形成された微細な溝の内
部)まで洗浄することができる。
び高周波電力の供給をそれぞれ停止して、チャンバー1
内に原料ガス(TEOSガス)を導入するとともに、フ
ィラメント8を点灯することにより、フィラメント8か
ら発せられた熱で原料ガスを熱分解して、絶縁膜(酸化
珪素膜)を基板上に堆積する(ステップS4)。本実施
例では、TEOSガスを3.99966Pa(3×10
-3Torr)程度になるまで導入した。フィラメント8
は、通電時に1000〜2000°Cの温度範囲内に設
定した。本実施例では、絶縁膜を30分間堆積した。こ
の間、基板Wの表面温度が熱電対12で検出され、その
検出信号が温度調節器11に与えられる。温度調節器1
1は、基板Wの表面温度が設定温度範囲(105±5°
C)を超えると、フィラメント8への通電を停止する。
フィラメント8が消燈すると、支持板4の冷却機構の作
用によって、基板温度が徐々に低下する。基板温度が設
定範囲に入ると、フィラメント8への通電を再開する。
このように、膜堆積過程では、フィラメント8は点灯と
消燈を繰り返す。
の導入およびフィラメント8への通電をそれぞれ停止し
て、チャンバー1内に放電ガス(窒素ガス)を導入する
とともに、金属板6に高周波電力を供給することによ
り、基板Wの周囲にプラズマを発生させて放電ガスをイ
オン化し、そのイオン化された放電ガスで基板Wの絶縁
膜表面にイオン衝撃を与える(ステップS5)。本実施
例では、放電ガスを1.33322Pa(1×10-2T
orr)程度まで導入した。本発明におけるイオン衝撃
の目的は、絶縁膜の表面をイオンで叩いて、その密度を
向上させることにあるので、比較的に弱いプラズマで足
りる。本実施例では、金属板6に25ワットの高周波電
力を供給し、10分間のイオン衝撃を行った。膜堆積過
程で低温度で堆積された絶縁膜は、比較的に密度が低い
が、その絶縁膜の表面がイオン化された放電ガスで衝撃
を受けることにより、密度が高められ、膜中のピンホー
ル等の欠陥を消失させることができる。また、本実施例
では、放電ガスとして窒素ガスを用いているので、絶縁
膜の表面が窒化して、薄い酸窒化膜(SiOXNY)が形
成される。その結果、酸化珪素膜だけの場合と比べて、
絶縁膜の絶縁性が向上する。
ガスのスッパタリング作用により、絶縁膜の膜厚が僅か
ではあるが減少する。したがって、比較的に厚い膜厚が
必要な場合には、上記の膜堆積過程とイオン衝撃過程と
を繰り返し行うのが好ましい(ステップS6)。膜堆積
過程で絶縁膜を厚く堆積することによって、膜堆積過程
とイオン衝撃過程とを各1回にすることも可能である
が、膜堆積過程とイオン衝撃過程とを繰り返すことによ
り、高い絶縁性能を得ることができる。本実施例では、
膜堆積過程とイオン衝撃過程とを2回繰り返して絶縁膜
を生成した。
けて、深さ方向の抵抗を絶縁抵抗測定器で測定したとこ
ろ、1012〜1013Ωcmの高絶縁抵抗を示した。な
お、基板(シリコンウエハ)Wの単独では、108Ωc
m以下であった。
に変形実施することもできる。 (1)上記の実施例では、膜堆積過程が終わると原料ガ
スの供給とフィラメント8への通電を停止してイオン衝
撃過程に移行したが、これに代えて、フィラメント8へ
の通電のみを停止し、膜堆積過程とイオン衝撃過程の間
にわたり、原料ガスを継続して供給しても良い。イオン
衝撃過程で原料ガスを供給すると、プラズマの作用で原
料ガスが分解されて絶縁膜が少し堆積される。つまり、
イオン衝撃過程では、絶縁膜堆積過程で形成された絶縁
膜(酸化珪素膜)の表面に、イオン化された放電ガス(窒
素ガス)でイオン衝撃を与えることにより、酸化珪素膜
の表面に酸窒化膜が形成されるが、この酸窒化膜の形成
過程でプラズマの作用により酸化珪素膜も少し形成され
るので、堆積過程で形成された酸化珪素膜と、イオン衝
撃過程で形成される酸窒化膜との多層構造の連続性が良
くなることが期待できる。
にイオン衝撃過程を行ったが、膜堆積過程とイオン衝撃
過程とを並行して行うようにしてもよい。この場合、絶
縁膜が堆積されると同時にイオン衝撃を受けて絶縁膜の
密度が高められる。
の電極(金属板6)を支持板4と基板Wとの間に設けた
が、この電極を熱遮蔽板13と基板Wとの間に設けても
よい。また、プラズマ発生用の電極は平板状の金属板に
限らず、コイルで形成してもよい。
は、チャンバー1内に1枚の基板Wを収納して絶縁膜を
生成するものであったが、チャンバー1内に収納した複
数枚の基板Wに同時に絶縁膜を生成するように構成して
もよい。例えば、図3の平面図に示すように、フィラメ
ント8a〜8eを多角形状に配設し、各フィラメント8
a〜8eにそれぞれ対向して基板Wを配置してもよい。
によれば、基板から離れて配設された熱源から発せられ
る熱により原料ガスを分解して基板上に絶縁膜を堆積さ
せ、この絶縁膜の表面にイオン衝撃を与えて絶縁膜の密
度を向上させているので、熱によって基板の特性を劣化
させることなく、高絶縁性の絶縁膜を容易に生成するこ
とができる。
構成を示した図である。
ローチャートである。
Claims (21)
- 【請求項1】 基板から離れて配設された熱源から発せ
られる熱により原料ガスを分解して基板上に絶縁膜を堆
積させる膜堆積過程と、 前記基板上の絶縁膜表面にイオン衝撃を与えるイオン衝
撃過程とを備えたことを特徴とする絶縁膜生成方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の絶縁膜生成方法におい
て、 前記イオン衝撃過程では、基板周囲に発生させたプラズ
マで放電ガスをイオン化し、そのイオン化された放電ガ
スで前記絶縁膜表面にイオン衝撃を与える絶縁膜生成方
法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の絶縁膜
生成方法において、前記膜堆積過程と前記イオン衝撃過
程とを繰り返し行う繰り返し過程を含む絶縁膜生成方
法。 - 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の絶縁膜
生成方法において、前記膜堆積過程では放電ガスの供給
を停止し、前記イオン衝撃過程では放電ガスを供給する
絶縁膜生成方法。 - 【請求項5】 請求項2から請求項4のいずれかに記載
の絶縁膜生成方法において、 前記膜堆積過程ではプラズマを発生させず、前記イオン
衝撃過程ではプラズマを発生させる絶縁膜生成方法。 - 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
の絶縁膜生成方法において、 前記膜堆積過程では原料ガスを供給し、前記イオン衝撃
過程では原料ガスの供給を停止する絶縁膜生成方法。 - 【請求項7】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
の絶縁膜生成方法において、 前記膜堆積過程と前記イオン衝撃過程との間にわたり、
原料ガスを継続して供給する絶縁膜生成方法。 - 【請求項8】 請求項1から請求項7のいずれかに記載
の絶縁膜生成方法において、 前記原料ガスは、テトラエチルオルソシリケート(TE
OS:Si(OC2H5)4)ガスである絶縁膜生成方
法。 - 【請求項9】 請求項2から請求項8のいずれかに記載
の絶縁膜生成方法において、 前記放電ガスは、窒素(N2)ガスである絶縁膜生成方
法。 - 【請求項10】 請求項1から請求項9のいずれかに記
載の絶縁膜生成方法において、 前記膜堆積過程の前に、前記基板表面にイオン衝撃を与
えて基板表面を洗浄する洗浄過程を備える絶縁膜生成方
法。 - 【請求項11】 請求項10に記載の絶縁膜生成方法に
おいて、 前記洗浄過程は、基板周囲に発生させたプラズマで放電
ガスをイオン化し、そのイオン化された放電ガスで基板
表面にイオン衝撃を与えて基板表面を洗浄する絶縁膜生
成方法。 - 【請求項12】 請求項1から請求項11のいずれかに
記載の絶縁膜生成方法において、 前記基板の温度が、常温〜200°Cの範囲内である絶
縁膜生成方法。 - 【請求項13】 基板から離れて配設された熱源から発
せられる熱により原料ガスを分解して基板上に絶縁膜を
堆積させる絶縁膜生成方法において、 前記基板の温度が、常温〜200°Cの範囲内であるこ
とを特徴とする絶縁膜生成方法。 - 【請求項14】 基板上に絶縁膜を生成する絶縁膜生成
装置であって、 処理対象である基板を収容するチャンバーと、 前記チャンバー内で基板を支持する基板支持手段と、 前記チャンバー内を排気する排気手段と、 前記チャンバー内に原料ガスを導入する原料ガス導入手
段と、 前記チャンバー内に放電ガスを導入する放電ガス導入手
段と、 前記チャンバー内に導入された原料ガスを熱分解するた
めに、基板から離れて配設される熱源と、 前記チャンバー内に導入された放電ガスをイオン化する
ためのプラズマ発生手段とを備えたことを特徴とする絶
縁膜生成装置。 - 【請求項15】 請求項14に記載の絶縁膜生成装置に
おいて、 前記熱源は、通電されることにより熱を発する金属細線
である絶縁膜生成装置。 - 【請求項16】 請求項15に記載の絶縁膜生成装置に
おいて、 前記装置は更に、基板の温度を検出する温度検出手段
と、 前記温度検出手段の検出信号に基づいて、金属細線で形
成された熱源への通電を制御することにより、基板の温
度を設定範囲内に維持する制御手段とを備える絶縁膜生
成装置。 - 【請求項17】 請求項16に記載の絶縁膜生成装置に
おいて、 前記制御手段は、金属細線で形成された熱源への通電を
オン・オフ制御する絶縁膜生成装置。 - 【請求項18】 請求項14から請求項17のいずれか
に記載の絶縁膜生成装置において、 前記熱源と基板との間に、熱源から基板への輻射熱を遮
る熱遮蔽部材を備えた絶縁膜生成装置。 - 【請求項19】 請求項14から請求項18のいずれか
に記載の絶縁膜生成装置において、 前記基板支持手段は、基板を冷却する冷却機構を備える
絶縁膜生成装置。 - 【請求項20】 請求項14から請求項19のいずれか
に記載の絶縁膜生成装置において、 前記プラズマ発生手段は、前記基板支持手段と基板との
間に配設されて高周波電力が供給される金属板を備える
絶縁膜生成装置。 - 【請求項21】 請求項14から請求項20のいずれか
に記載の絶縁膜生成装置において、 前記装置は更に、基板を予備加熱する予備加熱手段を備
える絶縁膜生成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011043244A1 (ja) * | 2009-10-05 | 2011-04-14 | 東京エレクトロン株式会社 | 成膜装置、成膜ヘッド及び成膜方法 |
-
2001
- 2001-08-08 JP JP2001240617A patent/JP3697482B2/ja not_active Expired - Lifetime
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