JP2003058880A - クロスフィルタ処理方法、クロスフィルタ処理装置、クロスフィルタ処理プログラム、及びこれを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

クロスフィルタ処理方法、クロスフィルタ処理装置、クロスフィルタ処理プログラム、及びこれを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP2003058880A
JP2003058880A JP2001250794A JP2001250794A JP2003058880A JP 2003058880 A JP2003058880 A JP 2003058880A JP 2001250794 A JP2001250794 A JP 2001250794A JP 2001250794 A JP2001250794 A JP 2001250794A JP 2003058880 A JP2003058880 A JP 2003058880A
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Keiji Sakaimoto
啓嗣 堺本
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Noritsu Koki Co Ltd
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Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の自然さを保ちつつ、光芒画像を付加す
ることにより、デジタル画像データの臨場感やインパク
トを効果的に高める。 【解決手段】 クロスフィルタ処理方法において、デジ
タル画像データを構成する各画素データのうち、着目画
素を含む所定範囲内の輝度値を第1閾値と比較して、上
記着目画素が第1基準画素となるか否かを判定する第1
判定段階(S4)と、上記デジタル画像データを分割
し、各分割領域内で第1基準画素の存在密度が最大であ
る位置の画素を第2基準画素と判定する第2判定段階
(S5)と、上記第2基準画素が略中心となるように、
上記デジタル画像データに光芒画像データを付加する画
像付加段階(S9)とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル画像デー
タに、物体反射光などを表現する光芒画像データを付加
するクロスフィルタ処理方法、クロスフィルタ処理装
置、クロスフィルタ処理プログラム、及びこれを記録す
るコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、アナログ画像の分野では、撮影画
像に種々の効果を加えるフィルタが知られている。例え
ば光学カメラのレンズ部に取り付けられ、撮影画像に独
自の雰囲気、例えばソフトフォーカス効果を付与するレ
ンズフィルタなどである。特に、一眼レフカメラのよう
な高級カメラには、各種のフィルタを適用することが多
い。
【0003】光学カメラのフィルタとして良く知られた
ものにクロスフィルタがある。クロスフィルタとは、撮
影画像に光点を中心とする、例えば十字形状の光芒画像
を付加するものである。付加する光芒画像の形状は、十
字形状(四条形)に限られるものではなく、六条形、八
条形などクロスフィルタの設定や種類に応じて選択する
ことができる。また、光芒画像を単独ではなく、連続的
に多数付加したり、光芒画像付加とソフトフォーカス効
果の付与を同時に行うこともある。
【0004】このようなクロスフィルタは、一般に、撮
影画像に臨場感やインパクトを与えることを目的として
用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、CCD(Charge
Coupled Device )やCMOS(Complementary MetalO
xide Semiconductor )エリアセンサー等の固体撮像素
子を用いた電子スチルカメラ、イメージスキャナ、ビデ
オカメラ、あるいはパーソナルコンピュータの普及と共
に、デジタル画像データを取り扱う機会が急増してい
る。
【0006】このようなデジタル画像データにおいて
も、光学カメラの撮影画像と同様に、画像に臨場感やイ
ンパクトを与えることを目的として、光芒画像を付加し
たい場合がある。特に、デジタル画像データが点光源の
イルミネーションや、ハイライトの強い被写体画像を含
むときには、クロスフィルタ処理を行えば、画像の表現
力を飛躍的に高めることができる。
【0007】しかしながら、従来の方法によって、デジ
タル画像データにクロスフィルタ処理を行った場合、
画像の全域に画一的な大きさの光芒画像が付加された
り、付加される光芒画像が多すぎたり、実際の光色
とかけ離れた、または常に白っぽい光芒画像が付加され
ることが多かった。
【0008】この結果、デジタル画像データに光芒画像
データを付加すると、画像が却って不自然になってしま
うことが多く、デジタル画像データに対するクロスフィ
ルタ処理は必ずしも実用的なものとはなっていなかっ
た。
【0009】本発明は、これらの問題を解決するために
なされたものであり、その目的は、画像の自然さを保ち
つつ、光芒画像を付加することにより、デジタル画像デ
ータの臨場感やインパクトを効果的に高めるクロスフィ
ルタ処理方法、クロスフィルタ処理装置、クロスフィル
タ処理プログラム、及びこれを記録するコンピュータ読
み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のクロス
フィルタ処理方法は、上記の課題を解決するために、デ
ジタル画像データを構成する各画素データのうち、着目
画素を含む所定範囲内の輝度値を第1閾値と比較して、
上記着目画素が第1基準画素となるか否かを判定する第
1判定段階と、上記デジタル画像データを分割し、各分
割領域内で第1基準画素の存在密度が最大である位置の
画素を第2基準画素と判定する第2判定段階と、上記第
2基準画素が略中心となるように、上記デジタル画像デ
ータに光芒画像データを付加する画像付加段階とを備え
ることを特徴としている。
【0011】上記の構成において、デジタル画像データ
は、複数の原色画素データから構成されるカラー画像デ
ータであるか単色の画素データから構成されるモノクロ
画像であるかは問わない。着目画素を含む所定範囲につ
いても、例えば着目画素を中心とする9×9画素の正方
形範囲など任意の範囲を設定することができる。第1閾
値は、デジタル画像データの画像部分を光領域とその他
領域に区別するための値であり、デジタル画像データの
値域内で自由に設定可能である。
【0012】また、上記輝度値は、一般には画素データ
と同義であるが、デジタル画像データがネガ画像データ
であって、画像の光領域が他領域より暗くなる場合に
は、輝度値は、画素データの逆数等になることもある。
いずれにしても、上記デジタル画像データのうち第1閾
値より大きな(以上の)輝度値を持つ画素を、光芒画像
データの付加中心候補となる第1基準画素として判定す
ることになる。
【0013】上記の構成によれば、第1判定段階におい
て、着目画素を含む所定範囲内の輝度値が全て第1閾値
以上である場合に、上記着目画素が第1基準画素と判定
されるので、例えば各種ノイズに起因する孤立点が、光
芒画像の付加中心候補となる第1基準画素として判定さ
れる確率は小さくなる。
【0014】次に、第2判定段階において、上記デジタ
ル画像データが所定の複数領域に分割され、分割された
各領域毎に、第1基準画素の存在密度が最大である位置
の画素が第2基準画素と判定される。第2基準画素は、
後の段階で光芒画像データの付加中心となるものであ
る。この結果、第1基準画素が多数存在する場合であっ
ても、各領域内で第2基準画素を適度な数に抑制でき
る。したがって、画像のバランスを保ちつつ、デジタル
画像データに自然な数量の光芒画像データを付加するこ
とが可能になる。
【0015】なお、第2基準画素は、第1基準画素の存
在密度が最大であると判定される位置であれば、分割領
域内の第1基準画素から選択されてもよいし、第1基準
画素以外の画素から選択されてもよい。例えば、第1基
準画素の存在密度評価に上記分割領域より小さなフィル
タを採用する場合には、このフィルタ中心等を第2基準
画素として判定することができる。但し、光芒画像の付
加中心をデジタル画像データ中の光点と一致させるため
には、第2基準画素を第1基準画素の中から選択するこ
とが好ましい。
【0016】最後に、画像付加段階において、上記第2
基準画素が略中心となるように、上記デジタル画像デー
タに光芒画像データが付加される。この結果、付加後の
デジタル画像データにおいては、第2基準画素を光点と
する光芒画像が表現されることになる。
【0017】なお、画像付加段階の光芒画像データ付加
に際しては、上記デジタル画像データの一部を上記光芒
画像データと置換してもよいし、上記デジタル画像デー
タと上記光芒画像データとを加算すること等により重ね
合わせてもよい。
【0018】これにより、画像の自然さを保ちつつ、光
芒画像データを付加できるので、デジタル画像データの
臨場感やインパクトを効果的に高めることが可能にな
る。
【0019】請求項2に記載のクロスフィルタ処理方法
は、上記の課題を解決するために、請求項1に記載の構
成において、上記第1判定段階では、上記デジタル画像
データの各カラー画素を構成する原色輝度値のうち、最
大の輝度値を上記第1閾値と比較することを特徴として
いる。
【0020】上記の構成において、上記デジタル画像デ
ータの各カラー画素を構成する原色輝度値とは、上記デ
ジタル画像データがカラー画像データである場合におい
て、個々のカラー画素を構成する、例えば三原色のR
(赤)G(緑)B(青),C(シアン)M(マゼンタ)
Y(イエロー)等の輝度値のことをいう。
【0021】上記の構成によれば、上記デジタル画像デ
ータの各カラー画素を構成する、例えばR,G,Bの輝
度値の大きさが比較され、最大の輝度値を有する画素デ
ータが選ばれる。続いて、この最大輝度値のみが上記第
1閾値と比較されることにより、前記着目画素が第1基
準画素となるか否かが判定される。
【0022】上記デジタル画像データに例えば青色の光
画像が含まれる場合、Bの輝度値は大きいが、カラー画
素全体としての輝度値は大きいとは限らない。このよう
な場合であっても、上記の構成によって、例えばR,
G,Bの画素データのうちの最大輝度値を上記第1閾値
と比較することにより、周辺に輝度値の大きな原色画素
を含む前記着目画素を第1基準画素として適切に判定す
ることができる。
【0023】これにより、請求項1の作用効果に加え
て、デジタル画像データに含まれる光画像の色にかかわ
りなく、光芒画像データを付加すべき光点を適切に判定
することができる。
【0024】請求項3に記載のクロスフィルタ処理方法
は、上記の課題を解決するために、請求項1または2に
記載の構成に加えて、上記デジタル画像データにおい
て、第2基準画素を含み、第2閾値以上の輝度値をとる
連続領域の大きさを判定し、判定した連続領域の大きさ
に応じて、上記光芒画像データの画像形態を設定する画
像形態設定段階を備えることを特徴としている。
【0025】上記の構成によれば、まず、上記デジタル
画像データにおいて、第2基準画素を含みつつ輝度値が
第2閾値以上である連続的なデジタル画像データの領域
が判定される。判定すべき連続領域の形状は特に限定さ
れるものではなく、正方形状でもよいし、第2閾値以上
の輝度値を有する隣接画素を連結した不定形領域であっ
てもよい。第2閾値は、前記第1閾値と同様、上記デジ
タル画像データの画像部分を光領域とその他領域に区別
するための値であり、該デジタル画像データの値域内で
自由に設定可能である。第2閾値は、第1閾値と同一で
あってもよいし、第1閾値と異なる値であってもよい。
【0026】このように判定された連続領域の大きさ
は、上記デジタル画像データにおける光画像のあらわす
光強度を反映しており、例えば、上記連続領域が大きい
ほど上記光強度が大きいものとして、デジタル画像デー
タに長く太い光芒線をあらわす光芒画像データを付加す
ることができる。
【0027】これにより、請求項1または2の作用効果
に加えて、デジタル画像データの画像に含まれる光点毎
に、その光強度に応じた形態の光芒画像データを付加す
ることができる。
【0028】請求項4に記載のクロスフィルタ処理方法
は、上記の課題を解決するために、請求項1乃至3のい
ずれか1項に記載の構成に加えて、上記デジタル画像デ
ータが上記第2基準画素を含む所定範囲内において、画
素色別の平均輝度値を算出する平均値算出段階と、上記
所定範囲内の各色輝度値のうち、対応色の上記平均輝度
値に次ぐ大きさの輝度値を、上記光芒画像データの各色
輝度値として設定する光芒画像色設定段階とを備えるこ
とを特徴としている。
【0029】上記の構成によれば、平均値算出段階にお
いて、上記デジタル画像データのうち、上記第2基準画
素を含む所定範囲内の画素データについて、画素色別に
平均値が算出される。続いて、光芒画像色設定段階にお
いて、上記所定範囲内の各色輝度値のうち、対応色の上
記平均輝度値に次ぐ大きさの輝度値が、上記光芒画像デ
ータの各色輝度値として設定される。
【0030】これにより、請求項1乃至3のいずれか1
項の作用効果に加えて、光芒画像データの各色輝度値と
して単に画素色別の平均輝度値を採用する場合と比較し
て、光芒画像が常に白っぽくなることを回避しながら、
デジタル画像データの画像に含まれる光点に応じた色の
光芒画像データを付加することができる。
【0031】請求項5に記載のクロスフィルタ処理装置
は、上記の課題を解決するために、デジタル画像データ
を入力する画像データ入力手段と、上記画像データ入力
手段によって入力したデジタル画像データに対して、請
求項1乃至4のいずれか1項に記載のクロスフィルタ処
理方法を実行する演算手段とを備えることを特徴として
いる。
【0032】上記の構成によれば、スキャナや各種記録
媒体の読み取り装置である画像データ入力手段を通じて
デジタル画像データが入力され、上記演算手段により、
該デジタル画像データに対して請求項1乃至4のいずれ
か1項に記載のクロスフィルタ処理方法が実行される。
【0033】これにより、請求項1乃至4のいずれか1
項に記載のクロスフィルタ処理方法と同じ作用効果を奏
することができる。
【0034】請求項6に記載のクロスフィルタ処理プロ
グラムは、上記の課題を解決するために、コンピュータ
に、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクロスフィ
ルタ処理方法を実行させることを特徴としている。
【0035】また、請求項7に記載のコンピュータ読み
取り可能な記録媒体は、請求項6に記載のクロスフィル
タ処理プログラムを記録したことを特徴としている。
【0036】上記の構成によれば、クロスフィルタ処理
プログラムをコンピュータに読み取り実行させることに
よって、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクロス
フィルタ処理方法と同じ作用効果を奏することができ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図面に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0038】本実施形態に係るデジタル露光システム
(クロスフィルタ処理装置)は、図2に示すように、フ
ィルムスキャナ1(画像データ入力手段)、パーソナル
コンピュータ2、及び写真焼付装置3から構成されてい
る。同図では、フィルムスキャナ1とパーソナルコンピ
ュータ2との間、パーソナルコンピュータ2と写真焼付
装置3との間は、それぞれ図略のインタフェース及び接
続ケーブルによって接続されている。
【0039】フィルムスキャナ1は、例えば、写真フィ
ルムであるネガフィルムを介して得られる光をCCD
(Charge Coupled Device )等で受光することにより、
ネガフィルムに記録された画像を読み取ると共に、上記
画像に応じたデジタル画像データをパーソナルコンピュ
ータ2に供給するものである。
【0040】写真焼付装置3は、パーソナルコンピュー
タ2からの画像データに基づいて感光材料である印画紙
を露光することにより、印画紙上に画像を焼き付けるデ
ジタルプリンタである。印画紙を露光する露光部として
は、デジタル画像データに応じて印画紙への照射光を変
調できるものであればよく、例えばPLZT露光ヘッ
ド、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)、LC
D(液晶表示装置)、LEDパネル、レーザー、FOC
RT(Fiber Optic Cathode Ray Tube)、CRT(Cath
ode Ray Tube)等で構成される。
【0041】なお、写真焼付装置3は、ネガフィルムの
スキャニングと印画紙の露光とを両方行うことができる
構成であってもよい。つまり、デジタル露光システムと
して、フィルムスキャナ1,パーソナルコンピュータ
2,写真焼付装置3の一体的な構成を採用することによ
り、システムの簡素化を図ることができる。
【0042】パーソナルコンピュータ2は、フィルムス
キャナ1からのデジタル画像データに対して色補正や濃
度補正、階調変換等の画像処理を行い、写真焼付装置3
に供給するものであり、図2に示すように、CPU4
(Central Processing Unit ,演算手段)、メモリ部
5、表示部6、指示入力部7が備えられている。
【0043】CPU4は、その演算機能に基づいて、情
報の収集・加工や各種制御回路への命令指示を行うもの
である。これにより、CPU4は、パーソナルコンピュ
ータ2全体の制御を司っている。
【0044】メモリ部5は、RAM(Random Access Me
mory)やROM(Read Only Memory)などの半導体メモ
リや、磁気ディスクドライブや光ディスクドライブなど
を記録媒体とする情報記録デバイスによって構成されて
おり、CPU4の制御のもとで各種の情報を記憶するも
のである。メモリ部5は、外部から供給される記録媒体
等、他のコンピュータやデータベース等から収集した情
報を記憶するだけでなく、CPU4に各種制御や演算を
行わせるためのプログラムやデータを記憶している。本
実施形態において、メモリ部5は、CPU4に実行させ
るためのクロスフィルタ処理プログラムを記憶してい
る。
【0045】表示部6は、CPU4の制御に基づいて、
フィルムスキャナ1からのデジタル画像データ、メモリ
部5に記憶された情報、CPU4の処理結果などを画像
として表示するディスプレイであって、CRTやLCD
(Liquid Crystal Display)等から構成されている。
【0046】指示入力部7は、パーソナルコンピュータ
2の操作者が各種指示や情報を入力するためのユーザイ
ンタフェースであり、文字情報を入力するためのキーボ
ード、ポインティングデバイスとしてのマウスなどから
構成されている。
【0047】次に、図1を用いて、クロスフィルタ処理
プログラムに基づき、CPU4が、フィルムスキャナ1
から供給されたデジタル画像データに行うクロスフィル
タ処理の内容について説明する。
【0048】図1は、上記クロスフィルタ処理の手順を
示すフローチャートである。同図に示されるように、上
記クロスフィルタ処理の内容は、大きく分けて、デジタ
ル画像データの準備段階(S1)、光芒画像データの付
加位置決定段階(S2〜S5)、光芒画像データの形態
設定段階(S6〜S8)、光芒画像データの付加処理段
階(S9〜S10)から構成されている。各段階におけ
る処理の詳細について順次説明する。
【0049】[1.デジタル画像データの準備段階]最
初のステップでは、CPU4は、フィルムスキャナ1か
ら供給されたデジタル画像データD1を、指定したフォ
ーマットで読み込み、これをメモリ部5上にビットマッ
プとして展開する(S1)。デジタル画像データD1の
データ形式としては、JPEG(Joint Photographic E
xperts Group)形式など任意のものを採用することがで
きる。
【0050】[2.光芒画像データの付加位置決定段
階]次のステップでは、CPU4は、デジタル画像デー
タD1を表示部6に画像表示させる(S2)。本実施形
態では、デジタル画像データD1は、R,G,Bの各色
画素データ(0〜255の8ビット値)から構成されて
おり、これに基づいて表示部6にはカラー画像が表示さ
れるものとする。もちろん、デジタル画像データD1は
カラー画像データに限られるものではなく、モノクロ画
像データであってもよい。
【0051】また、CPU4は、デジタル画像データD
1を縮小処理してから表示部6に画像表示させることも
好ましい。これにより、比較的小さな解像度を有する表
示部6であっても、デジタル画像データD1を適度な大
きさで画像表示できるため、パーソナルコンピュータ2
の操作者(以下、単に「操作者」という)の画像確認や
各種操作が容易になる。
【0052】次のステップでは、CPU4は、表示部6
へのメッセージ表示により、操作者に、クロスフィルタ
処理の対象領域として、デジタル画像データD1におけ
る一部領域の選択を促し、これに対する応答を受け付け
る(S3)。例えば、操作者は、指示入力部7を構成す
るマウスのドラッグ・ドロップ操作で表示部6に表示さ
れた画面上で長方形を指定することにより、クロスフィ
ルタ処理の対象となるデジタル画像データD1の一部領
域を選択する。
【0053】このように、デジタル画像データD1の一
部領域のみをクロスフィルタ処理の対象とする理由は、
クロスフィルタ処理におけるCPU4の計算負担、およ
び後の操作における操作者の確認負担の軽減を図るため
である。選択されたクロスフィルタ処理の対象データを
デジタル画像データD2と呼ぶことにする。
【0054】次に、CPU4は、デジタル画像データD
2を構成する各画素データのうち、着目画素を含む所定
範囲内の輝度値を第1閾値C1と比較することにより、
該着目画素が第1基準画素となるか否かを判定する(S
4)。なお、本実施形態においては、全てのデジタル画
像データはポジ画像データであって、その画素データは
輝度値に等しい。また、着目画素は、デジタル画像デー
タD2を構成する各画素データを順次対象とするように
移動するものとする。
【0055】ここで、第1閾値C1とは、デジタル画像
データD2の画像部分を光領域とその他領域に区別する
ための値であり、デジタル画像データD2の値域である
0〜255の範囲内で自由に設定できる。ここでは、着
目画素を含む所定範囲として、着目画素を中心とする9
×9画素(カラー画素)の正方形範囲を、第1閾値C1
として200を設定した。
【0056】本実施形態では、次の手順によって、上記
9×9画素(カラー画素)の正方形範囲に含まれるRG
B各色画素(9画素×9画素×3色=計243色画素)
の全輝度値を第1閾値C1と比較するのではなく、デジ
タル画像データD2の各カラー画素を構成するRGB各
色輝度値のうち、最大の輝度値を第1閾値C1と比較す
るものとしている。
【0057】まず、デジタル画像データD2において、
カラー画素を構成するRGB各色輝度値のうち、最大の
輝度値を上記カラー画素に対応する画素データとして採
用する。これにより、上記カラー画素に対して単数の輝
度値が割り当てられ、デジタル画像データD2と比較し
て1/3のデータ量になったデジタル画像データD3が
作成される。このようなデジタル画像データD3の輝度
値を、第1閾値C1と比較することにより、デジタル画
像データD2に含まれる原色光画像を的確に検出すると
共に、CPU4の計算負担を軽減し、高速処理を実現す
ることができる。
【0058】具体的には、デジタル画像データD3の輝
度値を第1閾値C1と比較することにより、デジタル画
像データD3を二値化処理したデジタル画像データD4
を作成するものとした。具体的には、デジタル画像デー
タD3の輝度値が第1閾値C1以上であれば、その輝度
値をV1で置換すると共に、デジタル画像データD3の
輝度値が第1閾値C1未満であれば、その輝度値をV2
で置換する(V1>V2)。
【0059】この結果、デジタル画像データD4の輝度
値V1を有する画素は、デジタル画像データD2におけ
る光画像領域に対応したものとなる。つまり、第1閾値
C1を大きく設定すれば、輝度値V1を付与される領域
が小さくなる一方、第1閾値C1を小さく設定すれば、
輝度値V1を付与される領域が大きくなる。第1閾値C
1は、例えば操作者が任意の値を入力設定してもよい
し、操作者が予め用意された数種類(例えば3種類)の
値から選択してもよい。
【0060】続いて、デジタル画像データD4の着目画
素を移動しながら、この着目画素を中心とする9×9画
素の正方形領域内の全輝度値がV1であるか否かを判定
する。判定の結果、正方形領域内の全輝度値がV1であ
れば、上記着目画素を第1基準画素として判定する。こ
のような第1基準画素は、デジタル画像データD2にお
ける光画像のクラスタ中心である。したがって、これに
より、デジタル画像データD4における、各種ノイズ等
に起因する孤立点を第1基準画素であると判定する確率
が小さくなる。
【0061】次のステップでは、CPU4は、デジタル
画像データD4を複数領域に分割し、各分割領域内で第
1基準画素の存在密度が最大である位置を特定すること
により、第2基準画素を定める(S5)。
【0062】本実施形態では、デジタル画像データD4
を27×27画素の第1領域に分割した後、各第1領域
において、いわゆるパターンマッチング法で第1基準画
素の存在密度が高い領域を特定することにより、第2基
準画素を定めた。上記パターンマッチング法について説
明しておく。デジタル画像データD4の各第1領域内
に、18×18画素からなる正方形パターンを適用し
て、該正方形パターン内に存在する第1基準画素を計数
する。この計数値をメモリ部5に順次記録しながら、正
方形パターンの適用位置を1画素分ずつ移動させて、第
1基準画素の数が最大となる領域を判定する。もちろ
ん、パターンマッチングに用いる正方形パターンの大き
さは上記の18×18画素に限られるものではなく、任
意の大きさのものを採用することができる。
【0063】第2基準画素は、第1基準画素の存在密度
が最大であると判定される位置であれば、第1領域内の
第1基準画素から選択されてもよいし、上記正方形パタ
ーンの中心に位置する画素を第2基準画素としてもよ
い。本実施形態では、各第1領域内で第1基準画素の数
が最大となる適用位置の正方形パターンにおいて、該正
方形パターンの中心位置の最も近い第1基準画素を第2
基準画素として特定した。それゆえ、後の光芒画像デー
タの付加段階において、光芒画像データの中心をデジタ
ル画像データ中の光点と一致させることができる。
【0064】また、第1領域内で正方形パターンを移動
させるときの移動量や順番などに起因して、正方形パタ
ーンのマッチングによる第1基準画素の存在密度が高い
領域の判定に誤差を生じる場合には、あらかじめ、この
誤差をキャンセルするような補正手順を加えて、第2基
準画素を定めることが好ましい。
【0065】このような手順で定めた第2基準画素は、
光芒画像データの付加段階において、デジタル画像デー
タD2に光芒画像データを付加する基準位置を示す画素
として用いられる。なお、デジタル画像データD2〜D
4の各画素は1対1に対応しているので、上記結果に基
づいて、デジタル画像データD2における第1基準画素
及び第2基準画素の位置も一義的に定められる。
【0066】図面を用いて、実際のデジタル画像データ
に上記手順を適用した場合の処理結果を示しておく。
【0067】図3は、クロスフィルタ処理の対象範囲を
限定する前のデジタル画像データ(原画像データ)をあ
らわす画像例であって、上記説明におけるデジタル画像
データD1に相当するものである。
【0068】図4(a)〜(d)は、前記処理手順の適
用結果を、時系列に従って模式的に示す説明図である。
【0069】図4(a)は、クロスフィルタ処理の対象
領域として、図3に示した原画像データの一部を選択し
た結果の画像を模式的に示すものであって、前記デジタ
ル画像データD2に相当するものである。
【0070】図4(b)は、同図(a)の画像データに
おいて第1閾値C1以上の輝度値を有する画素領域をハ
ッチ領域としてあらわしたものであって、前記デジタル
画像データD4に相当するものである。
【0071】図4(c)は、同図(b)の画像データに
おいて着目画素を移動しながら、この着目画素を中心と
する9×9画素の正方形領域内の全輝度値が第1閾値C
1以上であれば、上記着目画素を第1基準画素として判
定した結果の画像を模式的に示すものである。図4
(c)のハッチ領域が第1基準画素をあらわしている。
【0072】図4(d)は、同図(c)の画像データを
複数領域に分割し、各分割領域内で第1基準画素の存在
密度が最大である位置を特定することにより、特定され
た第2基準画素をハッチ領域として模式的に示すもので
ある。
【0073】以上、図4(a)〜(d)をみれば、前記
処理手順によって、画像のバランスを保ちつつ、原画像
データにおける光画像領域からバランス良く、適度な数
量の第2基準画素が特定されている様子がわかる。
【0074】[3.光芒画像データの形態設定段階]続
いて、光芒画像データの形態設定段階について説明す
る。
【0075】光芒画像データの形態設定段階における最
初のステップでは、光芒画像データの画像形状、及びデ
ジタル画像データD2に対する回転軸を設定する(S
6)。例えば、CPU4は、表示部6へのメッセージ表
示により、光芒画像データの形状を例えば十字形状(四
条形)、六条形、八条形のうちから、さらに、その回転
軸を例えば0〜180度の範囲から選択するように操作
者を促し、これに対する応答を受け付ける。操作者は、
指示入力部7を通じて上記応答を行う。
【0076】ここでは、上記各種形状(四条形、六条
形、八条形)の光芒画像データの標本は、あらかじめメ
モリ部5に記憶されており、CPU4は、操作者の選択
に応じて、採用する標本画像データを決定する。また、
CPU4は、この標本画像データに操作者の選択した回
転軸に応じた回転処理を行う必要がある。
【0077】なお、上記標本画像データのようなデジタ
ル画像データは、一般に、格子配列された画素データか
ら構成されている。したがって、回転させる角度によっ
ては、回転処理前に異なる位置の画素データが回転処理
後には同一位置に重複したり、回転処理の前後で位置の
変化しない画素データが生じる。本実施形態では、標本
画像の変形を避けるために、回転による画素の縮退を禁
じる一方、回転後の画像データにすき間画素データが生
じた場合には、このすき間画素データに近傍の画素デー
タの平均を代入することにより、回転画像にすき間が生
じることを回避している。
【0078】次のステップでは、光芒画像データの画像
形態のうち、光芒画像の光芒長さ、光芒太さ、背景混合
比率を定める(S7)。本実施形態では、デジタル画像
データD2において、第2基準画素を含み、第2閾値C
2以上の輝度値をとる連続領域の大きさを判定し、判定
した連続領域の大きさに応じて、光芒画像の光芒長さ、
光芒太さ、背景混合比率を設定する。
【0079】まず、CPU4は、デジタル画像データD
2において、第2基準画素を含み、第2閾値C2以上の
輝度値をとる連続領域の大きさを判定する。第2閾値C
2は、第1閾値C1と同様、デジタル画像データD2の
画像部分を光領域とその他領域に区別するための値であ
り、デジタル画像データD2の値域内で自由に設定可能
である。第2閾値C2は、第1閾値C1と同一であって
もよいし、第1閾値C1と異なる値であってもよい。こ
こでは、第2閾値C2として、第1閾値C1と同じ20
0を採用した。
【0080】本実施形態では、次の手順で、デジタル画
像データD2において、第2基準画素を含み、輝度値が
200以上である連続領域の大きさを判定している。す
なわち、第2基準画素が中心となるように、デジタル画
像データD2に9×9画素の正方形パターンを適用す
る。その後、この正方形パターン内の輝度値が全て第2
閾値C2以上であるか否かを判定し、正方形パターン内
の輝度値が全て第2閾値C2以上であると判定されれ
ば、上記正方形パターンの一辺を一画素ずつ大きくしな
がら上記判定を繰り返す。上記正方形パターン内に第2
閾値C2未満の輝度値が生じた時点で上記繰り返し判定
を中断し、このときの上記正方形パターンの大きさを上
記連続領域の大きさとしてメモリ部5に記録する。
【0081】なお、上記の手順を採用した場合、上記連
続領域の形状は常に正方形状となるが、上記連続領域の
形状はこれに限られるものではなく、不定形領域であっ
てもよい。上記連続領域を不定形領域として認識する場
合には、適宜他の判定アルゴリズムを採用することにな
る。
【0082】このように判定された連続領域の大きさ
は、デジタル画像データD2における光画像のあらわす
光強度を反映しているので、例えば、上記連続領域が大
きいほど上記光強度が大きいものとして、デジタル画像
データD2に長く太い光芒線をあらわす光芒画像データ
を付加する。
【0083】本実施形態では、光芒画像の光芒長さは、
予め三段階用意されており、CPU4は、上記連続領域
の大きさを2つの閾値C3,C4と比較することによ
り、上記三段階の中から着目する第2基準画素に適した
光芒長さを選択する。なお、上記三段階の光芒長さのう
ち、最長の長さは、他の2つの長さに比較して特に長く
設定することが好ましい。これにより、光芒画像データ
の付加によって、デジタル画像の臨場感やインパクトを
効果的に高めることが可能になる。
【0084】但し、デジタル画像データD2の画像内容
によっては、例えば光芒長さが長すぎて不自然になる可
能性もあるので、このような場合には、操作者は、上記
閾値C3,C4の設定変更により、光芒長さを変化させ
ることが好ましい。
【0085】CPU4は、光芒画像の光芒太さについて
も、上記光芒長さと同様、上記連続領域の大きさを2つ
の閾値C3,C4(または異なる閾値C5,C6)と比
較することにより、予め三段階用意された太さから、着
目する第2基準画素に適した光芒太さを選択する。
【0086】続いて、CPU4は、上記連続領域の大き
さに応じて、背景混合比率を設定する。ここで、背景混
合比率とは、光芒画像データをデジタル画像データD2
と加算すること等により重ね合わせる場合における、光
芒画像データと、背景となるデジタル画像データD2と
の混合比率のことである。
【0087】上記背景混合比率は、付加した光芒画像の
質感を左右する重要な要素となる。例えば、第2基準画
素から離れる程、背景となるデジタル画像データD2の
比率が大きくなるように、上記背景混合比率を設定すれ
ば、光芒が光点から離れる程薄れて背景に溶け込んでい
く様子を表現することができる。
【0088】但し、第2基準画素からの距離と、背景と
なるデジタル画像データD2の比率が単なる線形関係と
なるように、上記背景混合比率を設定したのでは、光芒
画像の質感が非現実的になってしまう。そこで、本実施
形態では、図5に示されるように、上記第2基準画素か
らの距離と上記背景混合比率との相関を非線形なものと
することにより、光芒が背景色に埋もれるのが遅い様子
を表現している。
【0089】CPU4は、上記連続領域の大きさに応じ
て、上記相関を変化させることによって、着目する第2
基準画素に適した背景混合比率を設定し、光芒画像の質
感を表現することができる。
【0090】次のステップでは、光芒画像データの画像
形態のうち、光芒画像の色を定める(S8)。
【0091】従来のクロスフィルタ処理では、光芒画像
の色は、どのような画像でも比較的自然に溶け込む濃黄
色に固定されたり、光点画像の周囲画素における平均色
として定められていた。しかしながら、前者の方法で
は、画像によってはどうしても不自然さが拭いきれず、
後者の方法では、常に白っぽい色となりがちで第2基準
画素に応じた自然な色にならないという問題点があっ
た。
【0092】そこで、本実施形態では、デジタル画像デ
ータD2が第2基準画素を含む所定範囲内において、画
素色別の平均輝度値を算出し、上記所定範囲内の各色輝
度値のうち、対応色の上記平均輝度値に次ぐ大きさの輝
度値を上記光芒画像データの各色輝度値として設定する
ものとしている。
【0093】例えば、CPU4は、まず、デジタル画像
データD2において、第2基準画素を中心とする9×9
画素の領域において、画素色別の平均輝度値を算出す
る。上記領域における9×9画素のR画素の輝度値が小
さい順に180,201,210,212,218,2
18,220,228,232であるとすれば、その平
均輝度値は213.2であるから、上記の輝度値のう
ち、213.2に次ぐ大きさの212を光芒画像のR画
素輝度値として採用する。他のG,B画素についても同
様の処理を行う。
【0094】これにより、光芒画像データの各色輝度値
として単に画素色別の平均輝度値を採用する従来手法と
比較すると、光芒画像が常に白っぽくなることを回避し
ながら、光点画像(第2基準画素)に応じた色の光芒画
像データを付加することができる。
【0095】[4.光芒画像データの付加処理段階]次
に、光芒画像データの付加処理段階について説明する。
【0096】まず、第2基準画素が略中心となるよう
に、デジタル画像データD2(D1)に光芒画像データ
が付加される。これにより、付加後のデジタル画像デー
タにおいては、第2基準画素を光点とする光芒画像が表
現されることになる(S9)。
【0097】画像付加段階の光芒画像データ付加に際し
ては、デジタル画像データD2(ここでは、デジタル画
像データD2に光芒画像データを付加してから、これを
デジタル画像データD1に反映させるものとして説明す
るが、直接、デジタル画像データD1に光芒画像データ
を付加してもよい。以下同じ。)の一部を光芒画像デー
タと置換してもよいし、デジタル画像データD2(D
1)と上記光芒画像データとを加算すること等により重
ね合わせてもよい。本実施形態では、前記背景混合比率
に基づいて、デジタル画像データD2(D1)と光芒画
像データとを加算するものとする。
【0098】これにより、画像の自然さを保ちつつ、光
芒画像データを付加できるので、デジタル画像データD
2(D1)の臨場感やインパクトを効果的に高めること
が可能になる。
【0099】最後に、光芒画像データを付加したデジタ
ル画像データD2(D1)の画像に生じる画像のつなぎ
目をぼかして、デジタル画像データD2(D1)の画像
を滑らかにするために、平滑化フィルタによる処理を施
す(S10)。ここで、平滑化フィルタとしては、メデ
ィアンフィルタ、ガウシアンフィルタなど任意のものを
採用することができる。それぞれについて簡単に説明し
ておけば、メディアンフィルタは、所定範囲内の画像デ
ータを小さいほうから並べたときに、注目画素のデータ
を、並んでいる画像データの中央値で置換するフィルタ
であり、ガウシアンフィルタは、例えば3×3画素のフ
ィルタであって、各画素のデータに所定の係数を掛け、
その総和を当該係数の合計で割ったものを注目画素の画
像データとするフィルタである。
【0100】図6に、本発明のクロスフィルタ処理結果
を示しておく。図6は、図3に示した原画像データの一
部に対して、本クロスフィルタ処理を施した結果を示す
画像例である。図3において、高強度の光点を中心とす
る光芒画像は特に大きく太いのに対し、低強度の光点
を中心とする光芒画像は特に短く細い。つまり、本発
明のクロスフィルタ処理によれば、光点の性質に応じた
自然な光芒画像を付与することができる。すなわち、本
クロスフィルタ処理結果は、画像の自然さを保ちつつ、
臨場感やインパクトを効果的に高めている様子がわか
る。
【0101】なお、以上で説明したように、本発明のク
ロスフィルタ処理は、メモリ部5に記憶され、CPU4
によって実行されるクロスフィルタ処理プログラムで実
現されるものである。
【0102】このクロスフィルタ処理プログラムは、コ
ンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されてい
る。本実施形態では、上記クロスフィルタ処理プログラ
ムは、メモリ部5に記憶されているものとしたが、上記
クロスフィルタ処理プログラムは、例えば、外部記憶装
置として設けられたドライブ装置で読み取られるプログ
ラムメディアに記録されていてもよい。
【0103】上記プログラムメディアとは、本体と分離
可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセッ
トテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディス
クやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/
MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、IC
カード(メモリカードを含む)/光カード等のカード
系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPRO
M、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固
定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0104】また、上記クロスフィルタ処理プログラム
は、インターネットを含む通信ネットワークを通じて、
本デジタル露光システムにダウンロードされるものであ
ってもよい。通信ネットワークから上記クロスフィルタ
処理プログラムをダウンロードする場合には、そのダウ
ンロード用プログラムは予め本デジタル露光システムに
格納されていてもよいし、別の記録媒体からインストー
ルされてもよい。なお、記録媒体に格納されている内容
としてはプログラムに限定されず、データであってもよ
い。
【0105】このように、本発明のクロスフィルタ処理
プログラムのファイル等を任意の記録媒体に収録するこ
とにより、様々なプラットフォームに対応した実行ファ
イルを生成、記録、配布することができ、これによっ
て、ユーザ個々の使用環境および目的に適したクロスフ
ィルタ処理を実行することができる。
【0106】
【発明の効果】請求項1に記載のクロスフィルタ処理方
法は、以上のように、デジタル画像データを構成する各
画素データのうち、着目画素を含む所定範囲内の輝度値
を第1閾値と比較して、上記着目画素が第1基準画素と
なるか否かを判定する第1判定段階と、上記デジタル画
像データを分割し、各分割領域内で第1基準画素の存在
密度が最大である位置の画素を第2基準画素と判定する
第2判定段階と、上記第2基準画素が略中心となるよう
に、上記デジタル画像データに光芒画像データを付加す
る画像付加段階とを備える構成である。
【0107】それゆえ、第1判定段階において、着目画
素を含む所定範囲内の輝度値が全て第1閾値以上である
場合に、上記着目画素が第1基準画素と判定されるの
で、例えば各種ノイズに起因する孤立点が、光芒画像の
付加中心候補となる第1基準画素として判定される確率
は小さくなる。
【0108】また、第2判定段階において、上記デジタ
ル画像データが所定の複数領域に分割され、分割された
各領域毎に、第1基準画素の存在密度が最大である位置
の画素が第2基準画素と判定される。この結果、第1基
準画素が多数存在する場合であっても、各領域内で第2
基準画素を適度な数に抑制できる。
【0109】最後に、画像付加段階において、上記第2
基準画素が略中心となるように、上記デジタル画像デー
タに光芒画像データが付加される。この結果、付加後の
デジタル画像データにおいては、第2基準画素を光点と
する光芒画像が表現されることになる。
【0110】これにより、画像の自然さを保ちつつ、光
芒画像データを付加できるので、デジタル画像データの
臨場感やインパクトを効果的に高めることが可能になる
という効果を奏する。
【0111】請求項2に記載のクロスフィルタ処理方法
は、以上のように、請求項1に記載の構成において、上
記第1判定段階では、上記デジタル画像データの各カラ
ー画素を構成する原色輝度値のうち、最大の輝度値を上
記第1閾値と比較する構成である。
【0112】それゆえ、上記デジタル画像データの各カ
ラー画素を構成する、例えばR,G,Bの輝度値の大き
さが比較され、最大の輝度値を有する画素データが選ば
れる。続いて、この最大輝度値のみが上記第1閾値と比
較されることにより、前記着目画素が第1基準画素とな
るか否かが判定される。
【0113】これにより、請求項1の作用効果に加え
て、デジタル画像データに含まれる光画像の色にかかわ
りなく、光芒画像データを付加すべき光点を適切に判定
することができる。
【0114】請求項3に記載のクロスフィルタ処理方法
は、以上のように、請求項1または2に記載の構成に加
えて、上記デジタル画像データにおいて、第2基準画素
を含み、第2閾値以上の輝度値をとる連続領域の大きさ
を判定し、判定した連続領域の大きさに応じて、上記光
芒画像データの画像形態を設定する画像形態設定段階を
備える構成である。
【0115】それゆえ、上記連続領域の大きさ、つまり
上記デジタル画像データにおける光画像のあらわす光強
度に応じて、例えば、上記連続領域が大きいほど、デジ
タル画像データに長く太い光芒線をあらわす光芒画像デ
ータを付加することができる。
【0116】これにより、請求項1または2の作用効果
に加えて、デジタル画像データの画像に含まれる光点毎
に、その光強度に応じた形態の光芒画像データを付加す
ることができるという効果を奏する。
【0117】請求項4に記載のクロスフィルタ処理方法
は、以上のように、請求項1乃至3のいずれか1項に記
載の構成に加えて、上記デジタル画像データが上記第2
基準画素を含む所定範囲内において、画素色別の平均輝
度値を算出する平均値算出段階と、上記所定範囲内の各
色輝度値のうち、対応色の上記平均輝度値に次ぐ大きさ
の輝度値を、上記光芒画像データの各色輝度値として設
定する光芒画像色設定段階とを備える構成である。
【0118】それゆえ、平均値算出段階において、上記
デジタル画像データのうち、上記第2基準画素を含む所
定範囲内の画素データについて、画素色別に平均値が算
出される。続いて、光芒画像色設定段階において、上記
所定範囲内の各色輝度値のうち、対応色の上記平均輝度
値に次ぐ大きさの輝度値が、上記光芒画像データの各色
輝度値として設定される。
【0119】これにより、請求項1乃至3のいずれか1
項の作用効果に加えて、光芒画像データの各色輝度値と
して単に画素色別の平均輝度値を採用する場合と比較し
て、光芒画像が常に白っぽくなることを回避しながら、
デジタル画像データの画像に含まれる光点に応じた色の
光芒画像データを付加することができるという効果を奏
する。
【0120】請求項5に記載のクロスフィルタ処理装置
は、以上のように、デジタル画像データを入力する画像
データ入力手段と、上記画像データ入力手段によって入
力したデジタル画像データに対して、請求項1乃至4の
いずれか1項に記載のクロスフィルタ処理方法を実行す
る演算手段とを備える構成である。
【0121】それゆえ、スキャナや各種記録媒体の読み
取り装置である画像データ入力手段を通じてデジタル画
像データが入力され、上記演算手段により、該デジタル
画像データに対して請求項1乃至4のいずれか1項に記
載のクロスフィルタ処理方法が実行される。
【0122】これにより、請求項1乃至4のいずれか1
項に記載のクロスフィルタ処理方法と同じ効果を奏する
ことができる。
【0123】請求項6に記載のクロスフィルタ処理プロ
グラムは、以上のように、コンピュータに、請求項1乃
至4のいずれか1項に記載のクロスフィルタ処理方法を
実行させる構成である。
【0124】また、請求項7に記載のコンピュータ読み
取り可能な記録媒体は、請求項6に記載のクロスフィル
タ処理プログラムを記録した構成である。
【0125】上記の構成によれば、クロスフィルタ処理
プログラムをコンピュータに読み取り実行させることに
よって、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクロス
フィルタ処理方法と同じ効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロスフィルタ処理の内容について説明するフ
ローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態に係るデジタル露光システ
ム(クロスフィルタ処理装置)の概略構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】クロスフィルタ処理の対象範囲を限定する前の
デジタル画像データ(原画像データ)をあらわす画像例
を示す写真である。
【図4】(a)〜(d)は、クロスフィルタ処理手順の
適用結果を、時系列に従って模式的に示す説明図であ
る。
【図5】第2基準画素からの距離と背景混合比率との相
関を示すグラフである。
【図6】図3に示した原画像データの一部に対して、本
発明のクロスフィルタ処理を施した結果の画像例を示す
写真である。
【符号の説明】
1 フィルムスキャナ 2 パーソナルコンピュータ 3 写真焼付装置 4 CPU 5 メモリ部 6 表示部 7 指示入力部 C1 第1閾値 C2 第2閾値 D1〜D4 デジタル画像データ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 AA20 BA02 CA01 CA02 CA08 CA16 CB01 CB02 CB08 CB16 CB19 CE03 CE16 CH01 CH09 CH11 DA07 DB05 DB06 DB09 DC23 5C022 AA13 AB68 AC69 CA02 5C076 AA14 BA06 CA02 5L096 AA02 AA03 AA06 BA18 DA01 FA14 FA37 FA45 GA19 GA40 GA41 GA49 GA51 LA05 MA03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】デジタル画像データを構成する各画素デー
    タのうち、着目画素を含む所定範囲内の輝度値を第1閾
    値と比較して、上記着目画素が第1基準画素となるか否
    かを判定する第1判定段階と、 上記デジタル画像データを分割し、各分割領域内で第1
    基準画素の存在密度が最大である位置の画素を第2基準
    画素と判定する第2判定段階と、 上記第2基準画素が略中心となるように、上記デジタル
    画像データに光芒画像データを付加する画像付加段階と
    を備えることを特徴とするクロスフィルタ処理方法。
  2. 【請求項2】上記第1判定段階では、上記デジタル画像
    データの各カラー画素を構成する原色輝度値のうち、最
    大の輝度値を上記第1閾値と比較することを特徴とする
    請求項1に記載のクロスフィルタ処理方法。
  3. 【請求項3】上記デジタル画像データにおいて、第2基
    準画素を含み、第2閾値以上の輝度値をとる連続領域の
    大きさを判定し、判定した連続領域の大きさに応じて、
    上記光芒画像データの画像形態を設定する画像形態設定
    段階を備えることを特徴とする請求項1または2に記載
    のクロスフィルタ処理方法。
  4. 【請求項4】上記デジタル画像データが上記第2基準画
    素を含む所定範囲内において、画素色別の平均輝度値を
    算出する平均値算出段階と、 上記所定範囲内の各色輝度値のうち、対応色の上記平均
    輝度値に次ぐ大きさの輝度値を、上記光芒画像データの
    各色輝度値として設定する光芒画像色設定段階とを備え
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記
    載のクロスフィルタ処理方法。
  5. 【請求項5】デジタル画像データを入力する画像データ
    入力手段と、 上記画像データ入力手段によって入力したデジタル画像
    データに対して、請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    のクロスフィルタ処理方法を実行する演算手段とを備え
    ることを特徴とするクロスフィルタ処理装置。
  6. 【請求項6】コンピュータに、 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクロスフィルタ
    処理方法を実行させることを特徴とするクロスフィルタ
    処理プログラム。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のクロスフィルタ処理プロ
    グラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取
    り可能な記録媒体。
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