JP2003057369A - 電子時計 - Google Patents

電子時計

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JP2003057369A
JP2003057369A JP2001249445A JP2001249445A JP2003057369A JP 2003057369 A JP2003057369 A JP 2003057369A JP 2001249445 A JP2001249445 A JP 2001249445A JP 2001249445 A JP2001249445 A JP 2001249445A JP 2003057369 A JP2003057369 A JP 2003057369A
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crystal panel
packing
glass
recess
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Akira Ebi
明 海老
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Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部からの衝撃により液晶パネルが損傷を受
ける虞れを最小限に抑えつつ液晶パネルを安定に保持し
得る電子時計を提供すること 【解決手段】 前面14に液晶パネル収容凹部15を備
えた外装ケース10と、凹部15に配置された液晶パネ
ル40と、液晶パネル40の表面を覆うように液晶パネ
ル収容凹部15の表面側開口16に設けられた板状の外
装ガラス30と、外装ガラス30の外周面31と外装ケ
ース10の液晶パネル収容凹部15の周面との間隙7に
装着され外装ガラス30と外装ケース10との間をシー
ルするリング状のパッキン本体部61、及び液晶パネル
40の表面の外縁部45、47とこの外縁部に対面する
外装ガラス30の裏面部との間に位置するようにパッキ
ン本体部61の裏面側においてパッキン本体部61から
中心Cに向かって延びた液晶パネル保持部70を備えた
パッキン60とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子時計に係り、よ
り詳しくは、電子時計の液晶パネルの保持構造に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】ウォッチの形態の電子時計について、外
装ケースのサイズの範囲内で液晶表示領域を最大限に拡
げ得るようにいわゆる狭額縁構造を採用した電子時計は
知られている。すなわち、この狭額縁構造の電子時計で
は、外装ケースの前面から液晶パネルを外装ケースに組
付けるようにすることによって、外装ケースの裏面近傍
の周壁に予め組込まれた押しボタンの半径方向内側突出
端の位置にかかわらず、液晶パネルのサイズを大きくし
得る。
【0003】この種の従来の電子時計100は、例え
ば、図5の(a)に示したように、前面に液晶パネル収
容凹部101を備えた外装ケース102と、前記凹部1
01に配置された液晶パネル103と、前記液晶パネル
103の表面104を覆うように液晶パネル収容凹部1
01の表面側開口105に設けられた板状の外装ガラス
106と、外装ガラス106の外周面107と外装ケー
ス102の液晶収容凹部101の周面108との間隙1
09に装着され外装ガラス106と外装ケース102と
の間をシールするリング状のパッキン110とを有す
る。111は肩部111aで外装ケース102のムーブ
メント収容凹部102aの底面102bに当接する状態
で凹部102a内に収容されたムーブメントないしモジ
ュール、112は周縁部で外装ケース102に固定され
ムーブメント111の剛性ブロックの肩部111aを外
装ケース102の面102bに押付けて固定している裏
蓋であり、液晶パネル103は、底面103a側におい
て、裏蓋112で支持されたモジュール111の頂面1
11bに当接し、前記モジュール111の剛性ブロック
を介して裏蓋112により支持されている。
【0004】ここで、液晶パネル103は、外装ケース
102によって、より詳しくは外装ケース102の上側
及び下側胴体102a、102bの間の凹部113にお
いて上側胴体102aと下側胴体102bとの間に挟ま
れて保持されている。
【0005】しかしながら、この種の電子時計100で
は、液晶パネル103が電子時計100の外装ケース1
02と直接接触しているので、電子時計100に外部か
ら衝撃や押圧力がかかると、その衝撃や押圧力が、外装
ガラス106から(前記ガラス106に当接した外装ケ
ース102を介して)又は外装ケース102から直接、
液晶パネル103に伝わって、液晶パネル103が損傷
を受ける虞れがある。なお、液晶パネル103の端縁と
比較して凹部113を大きくして外装ケース102と液
晶パネル103との間に隙間を残すと、液晶パネル10
3の保持が不充分になる。
【0006】一方、液晶パネル103の保持を確実に行
うべく、図5の(b)に示したように、ウレタンなどか
らなる干渉ないし緩衝部材114を介して液晶パネル1
03を厚さ方向に押えて保持するようにした電子時計1
20も提案されている。
【0007】しかしながら、この電子時計120では、
パッキン110を介して外装ガラス106を外装ケース
102の凹部101の前面開口部105に打込む際ウレ
タンなどの緩衝部材114を厚さ方向に圧縮変形させる
ので、組付け後において緩衝部材114から外装ガラス
106に常時抜け方向Aの応力がかかった状態になる。
従って、電子時計120に外部から衝撃等がかかったと
き、外装ガラス106がA方向に外れ易かったりズレ易
く、液晶パネル103の保持も不充分になり易い。な
お、このタイプの電子時計120の場合、圧縮変形され
て液晶パネルを押え得る緩衝部材114のためにある程
度の厚さを要することから、外装ガラス106の表面か
ら液晶パネル106の表面104までの距離が大きくな
り易く、液晶表示が奥に見えることになる不都合もあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記諸点に
鑑みなされたものであって、その目的とするところは、
外装ケースの前面に液晶パネル収容凹部が形成されてい
るタイプの電子時計であって、外部からの衝撃により液
晶パネルが損傷を受ける虞れを最小限に抑えつつ液晶パ
ネルを安定に保持し得る電子時計を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電子時計は、前
記目的を達成すべく、前面に液晶パネル収容凹部を備え
た外装ケースと、前記凹部に配置された液晶パネルと、
前記液晶パネルの表面を覆うように液晶パネル収容凹部
の表面側開口に設けられた板状の外装ガラスと、外装ガ
ラスの外周面と外装ケースの液晶パネル収容凹部の周面
との間隙に装着され外装ガラスと外装ケースとの間をシ
ールするリング状のパッキン本体部、及び液晶パネルの
表面の外縁部と前記外縁部に対面する外装ガラスの裏面
部との間に位置するようにパッキン本体部の裏面側にお
いて前記パッキン本体部からリングの中心に向かって延
びた液晶パネル保持部を備えたパッキンとを有する。
【0010】本発明の電子時計では、パッキンが、「外
装ガラスの外周面と外装ケースの液晶パネル収容凹部の
周面との間隙に装着され外装ガラスと外装ケースとの間
をシールするリング状のパッキン本体部」を有するの
で、外装ガラスの外周面と外装ケースの液晶収容凹部の
周面との間が水密にシールされると共に外装ガラスがパ
ッキン本体部を介して外装ケースに固定される。また、
本発明の電子時計では、パッキンが「液晶パネルの表面
の外縁部と前記外縁部に対面する外装ガラスの裏面部と
の間に位置するようにパッキン本体部の裏面側において
前記パッキン本体部からリングの中心に向かって延びた
液晶パネル保持部」するので、パッキン本体部で実際状
固定されたパッキンの液晶パネル保持部によって液晶パ
ネルのガタツキが最小限に抑えられ得るだけでなく、外
装ガラス等に衝撃がかかっても前記衝撃がパッキンの液
晶パネル保持部で緩和されるから、液晶パネルが損傷を
受ける虞れが少ない。
【0011】すなわち、本発明の電子時計では、外装ガ
ラスと外装ケースとの間のシールを行うべく外装ガラス
や外装ケースよりも軟らかい乃至弾力性のある材料から
なるパッキンの一部である液晶パネル保持部が液晶パネ
ルの表面の外縁部と前記外縁部に対面する外装ガラスの
裏面部との間に位置するようにパッキン本体部の裏面側
において前記パッキン本体部からリングの中心に向かっ
て延びているので、外装ガラスを圧入ないし打込む際、
パッキンの液晶パネル保持部を液晶パネル収容凹部の表
面側開口の奥に押込むことになるからパッキンの装着な
いし組込みが確実に行われ得るだけでなく、液晶パネル
を相対的に軟らかく弾力性のあるパッキン素材(液晶パ
ネル保持部)で押えることになるから、液晶パネル保持
部と液晶パネルとの間の間隙を最小限にして液晶パネル
保持部により液晶パネルを支えるようにしても、外部衝
撃に対して液晶パネル保持部が圧縮されたり曲げられた
りして液晶パネルに過度な衝撃が直接伝達される虞れが
少ない。
【0012】典型的には、外装ケースがポリアリレート
樹脂の如き樹脂やステンレス項の如き金属からなり、外
装ガラスや液晶パネルのガラス基板が半硬質ガラスなど
からなり、パッキンがEPFE(4ふっ化エチレンエチ
レン共重合)の如きフッ素樹脂等からなるけれども、パ
ッキンの素材が、外装ケースと外装ガラスとの間を水密
にシールすべく外装ケースと外装ガラスとの間において
圧縮変形され得るものである限り、パッキンや外装ケー
スや外装ガラスの材料は、どのような素材ないし前記素
材の組合せであってもよい。
【0013】ここで、パッキン本体部について「リング
状」とは、典型的には円形であるけれども、閉ループを
作る限り、楕円形や長方形など他の形状でもよい。
【0014】また、本発明の電子時計では、外装ガラス
をパッキン本体部に圧入する際、過度に押込もうとして
も、外装ガラスを方向に支えているのは、すなわち、図
5の(b)のウレタン樹脂の如き緩衝材料よりも硬いパ
ッキン材料製の液晶パネル保持部であるから、前記液晶
パネル保持部が通常の圧入の際に圧縮変形される程度は
小さいので、図5の(b)の電子時計の場合と異なり、
外装ガラスを抜く方向への応力がパッキンに残留する虞
れが少ない。
【0015】本発明の電子時計では、典型的には、液晶
パネル保持部が、パッキン本体部の裏面側において前記
パッキン本体部の内周面から液晶パネルの外周面に近接
するところまでリングの中心に向かって延び表面側にお
いて外装ガラスの裏面の外周縁に接し裏面側において外
装ケースの液晶パネル収容凹部の底面に接するリング状
のフランジ部と、前記フランジ部の表面側において液晶
パネルの表面の外縁部と前記外縁部に対面する外装ガラ
スの裏面部との間に位置するように前記フランジ部のリ
ングの内周面からリングの中心に向かって延びた舌片部
とを有する。
【0016】その場合、液晶パネルの拡がり方向への位
置ズレやガタもパッキンのフランジ部により実際上禁止
され得る。また、その場合、パッキンの舌片部が「フラ
ンジ部の表面側において液晶パネルの表面の外縁部と前
記外縁部に対面する外装ガラスの裏面部との間に位置す
るように前記フランジ部のリングの内周面からリングの
中心に向かって延びている」ので、液晶パネルの厚さ方
向へのガタツキが舌片部により最小限に抑えられ得、ま
た、外装ガラスに衝撃がかかっても前記衝撃がパッキン
の舌片部で緩和されて液晶パネルに伝わるから、液晶パ
ネルが損傷を受ける虞れも少ない。
【0017】ここで、パッキンのフランジ部について
「リング状」とは、典型的には円形であるけれども、閉
ループを作る限り、楕円形や長方形など他の形状でもよ
く、フランジ部の内縁の形状が、パッキン本体部の平面
形状と同一でも異なっていてもよい。
【0018】舌片部は実質的に一平面を規定して液晶パ
ネルの対向面を平面状に支持し得る限りどのような形状
や配置でもよく、例えば、フランジ部の内周縁の全周に
あって閉ループを形成するリング状であっても、フラン
ジ部の内周縁の一部に離散的に形成されていてもよく、
後者の場合、舌片部は、例えば、周方向の三箇所に又は
それ以上の箇所に周方向に間隔をおいて形成されてもよ
いけれども、典型的には、舌片部が、直径方向に向合っ
た箇所に形成される。ここで、直径方向とは、リングが
円の場合には円の中心を通る狭義の直径の延在方向を
し、リングが非円形の場合には、リングの中心又は重
心、換言すればリングの外周と同一の外周を備えた仮想
的な板の中心又は重心を通る線に沿った方向をいう。
【0019】また、舌片部の表面とフランジ部の表面と
は同一平面上に位置していてもよいけれども、好ましく
は、「舌片部の表面と外装ガラスの裏面との間に間隙が
形成されるように舌片部の表面とフランジ部の表面との
間に段差が形成されている」。その場合、外部から外装
ガラスに衝撃や押圧力がかかっても、前記衝撃や押圧力
の影響が液晶パネルに直接伝わることを避け得る。すな
わち、前記衝撃は、外装ガラスからパッキンのフランジ
部を介して舌片部に伝わる。この舌片部は、フランジ部
により実質的に片持ち支持されていることになるので、
曲げ変形され易い。従って、衝撃エネルギは、フランジ
部を曲げ変形させつつ液晶パネルに伝達される。その結
果、液晶パネルが受ける衝撃は小さくなる。
【0020】本発明の電子時計において、外装ケースが
液晶パネル収容凹部の底壁に少なくとも一つの窪みを備
え、パッキンが前記窪みに嵌り込む突起部をフランジ部
の裏面に備えていたり、外装ケースが液晶パネル収容凹
部の底壁に少なくとも一つの突起部を備え、パッキンが
前記突起部を受容する窪みをフランジ部の裏面に備えて
いてもよい。
【0021】このような場合には、外装ケースの凹部の
周面の形状、換言すればパッキンの外周の形状が円形等
の回転対称性のある形状であっても、パッキンの配置な
いし向きの位置決めが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態のいくつかを添付図面に示した好ましい実施例に基づ
いて説明する。
【0023】
【実施例】図1及び図2には、本発明による好ましい一
実施例の電子時計1が示されている。この電子時計1の
外装ケース10は、前記外装ケース10の中央部におい
て裏面11で開口したモジュール収容孔部ないし凹部1
2、13と、前面14で開口した液晶パネル収容孔部な
いし凹部15とを有する。なお、液晶パネル収容凹部1
5は、外装ガラスないしケースガラス30をも収容可能
な大径孔部ないし凹部16とこれより小さい小径凹部1
6とを有する。
【0024】この明細書において、通常は、時計10の
外装ガラス30がある側を表といい、反対側を裏又は底
という。また、説明の簡明化のために、図1の(b)や
図2で表した状態を念頭において、表側を上、裏側を下
ともいう。但し、当然ながら、この上下は、時計10の
使用されるべき向きを限定しようとするものではない。
【0025】外装ケース10のモジュール収容凹部1
2、13は、典型的には、電子時計1のモジュール2が
収容可能な大きさ及び形状を有する。以下では、説明の
簡明化のために、凹部12、13及びモジュール2の夫
々について、時計1の厚さ方向Zに垂直な断面形状が円
形であるとし、Cがその中心軸線で、外装ケース10の
中心軸線であると仮定する。但し、通常は、多くの場合
円形からずれている。なお、モジュール収容凹部12の
底面12aには、周縁部で外装ケース10の裏面11に
固定された裏蓋8で支持された実質上剛性ブロックの形
態のモジュール2の肩部2aが当接して、C方向に関す
るモジュール2の位置決めが行われている。
【0026】液晶パネル40は、一対のほぼ正八角形の
ガラス基板41、42及び一対の八角形の偏向板43、
44を備え、偏向板43、44は、ガラス基板41、4
2の直径方向に対向する直線状で幅広の帯状縁部45、
46及び47、48(図示せず)以外の部分では、ガラ
ス基板41、42の八角形の細い外周縁部49、50を
除いて、隣接するガラス基板41、42に重なってい
る。液晶パネル40は、反射面を含む偏向板44の下面
51においてモジュール2の頂面3に当接し前記頂面3
によって支持されている。
【0027】液晶パネル収容凹部15を構成する大径及
び小径凹部16、17のうち小径の凹部17は、図示の
例では、図1の(a)の平面図で見て、円弧部18、1
9及び直線状部20、21により規定される周面形状を
備え、前記凹部17には、液晶パネル40の低部側の偏
向板部44がほぼ完全に収容される。凹部17の厚さ
は、偏向板44の厚さと同程度かそれよりも少し大き
く、偏向板部44の下面44aは、例えば0.2〜0.
3mm程度の間隙D1を介して凹部17の底面17aに
軸線Cの延在方向に対面し、同程度の間隙D2を介して
凹部17の直線状周面部20に対面している。なお、凹
部17の円弧状周面部19と液晶パネル40の対向周面
部との間には、この例では、大きな隙間がある。
【0028】液晶パネル収容凹部15を構成する大径及
び小径凹部16、17のうち大径の凹部16は、図示の
例では、図1の(a)の平面図で見て円形で、軸線Cの
延在方向の長さが小さい円柱状ないし円筒状であり、こ
の凹部16には、外装ガラス30をその周面31で支え
るパッキン60が嵌着されている。
【0029】パッキン60は、円環状のパッキン本体部
61と、前記パッキン本体部61の内周縁62の下端部
から半径方向内向きに延在したリング状ないしほぼ環状
のフランジ部73と、前記フランジ部73の表面73a
側において液晶パネル40のガラス板41の帯状外縁部
45、47の表面45a、47aと外装ガラス30の裏
面32のうち前記外縁部45、47に対面する部分3
3、34(図示せず)との間に位置するようにリング状
フランジ部73のうち直径方向に向合った箇所の内周面
84、85(図示せず)からリングの中心Cに向かって
延びた一対の舌片部74、75とを有する。この例で
は、液晶パネル保持部70は、フランジ部73と舌片部
74、75とからなる。パッキン60の液晶パネル保持
部70及びこれに保持される液晶パネル40のうち図1
の(a)において上下に位置する部分のうち上側部分は
図1の(b)の左半分に詳細が示され各部の符号が付さ
れているけれども、図1の(a)の下側部分は図示され
ていないことから、「図示せず」と記載しているけれど
も、この例では、下側部分は上側部分と同一の形状・構
造を有する(以下同)。
【0030】外装ケース10の凹部16と外装ガラス3
0との間に本体部61で嵌着されたパッキン60は、外
周面60aで外装ケース10の凹部16の周面に密接
し、本体部61の内周面62で外装ガラス30の外周面
31に密接し、更に底面60bで、外装ケース10の凹
部16の底面16aに当接している。従って、パッキン
60の液晶パネル保持部70のフランジ部73は、パッ
キン60の裏面ないし底面60bに一致する裏面ないし
底面で凹部16の底面16aに当接し、更に、表面73
aで外装ガラス30の裏面ないし底面32の外縁部32
aに当接している。パッキン60のフランジ部73の表
面73aは、ガラス基板41の表面45a、47aでパ
ッキン60の舌片部74、75の裏面74a、75a
(図示せず)に当接した液晶パネル40の頂面(偏光板
43の表面)40bよりもわずかに表面側に位置し、液
晶パネル40の表面40bが外装ガラス30の裏面32
に当るのを防ぐ。
【0031】なお、パッキン60の裏面ないし底面60
bから舌片部74、75の裏面ないし底面74a、75
a(図示せず)までの高さは、液晶パネル40のガラス
板部分45、46の厚さよりも僅かに大きく、液晶パネ
ルガラス基板41の表面45a、47aでパッキン60
の舌片部74、75の裏面74a、75a(図示せず)
に当接した液晶パネル40のガラス基板42のガラス板
部分46、48(図示せず)の裏面ないし底面46a、
48aと凹部16の底面16aとの間には、僅かな間隙
D3が形成されている。この間隙D3は、極めて小さく
(例えば、0.05mm程度、但しより大きくてもより
小さくてもよい)、パッキン60の舌片部74、75
は、外装ケース10の凹部16と協働して液晶パネル4
0に対してC方向のガタを実質的に生じさせることな
く、液晶パネル40をC方向に位置決めしている。
【0032】パッキン60の液晶パネル保持部70の舌
片部74、75の表面76、77とフランジ部73の表
面73aで支持された外装ガラス30の裏面32のうち
外縁部32a近傍の対面部分33、34(図示せず)と
の間に間隙78、79(図示せず)が形成されるように
舌片部74、75の表面76、77とフランジ部73の
表面73aとの間には、段差80、81(図示せず)が
設けられている。従って、フランジ部73にC1方向の
衝撃が加えられると、舌片部74、75は、B方向に撓
んで、液晶パネル40へのC1方向衝撃を緩和し得る。
【0033】すなわち、舌片部74、75の表面側は、
段差部80、81を周縁とし表面76、77を底面とす
る凹部82、83(図示せず)が形成されている。この
例では、舌片部74、75の凹部82、83(図示せ
ず)の周面80、81は、フランジ部73の内周面84
と同一面内にある。但し、舌片部74、75のB方向の
撓みを許容するように、図2において、面80が液晶パ
ネル40の周面40aよりも径方向外側(左側)に位置
する限り、面84よりも径方向内側(右側)にあっても
径方向外側(左側)にあってもよい。
【0034】図1に示した例では、舌片部74、75及
びその表面側凹部82、83は、夫々、液晶パネル収容
凹部15のうちの小径凹部17の直線状部分20、21
と実際上ほぼ一直線の直線状内縁部86、87及び面8
4によって規定され液晶パネル60の外縁部45、47
の外周縁とほぼ重なり合う外縁88、89を備える。但
し、舌片部74、75の撓みをより容易にすべく、外縁
88、89が、図1の(a)において想像線88a、8
9aで示したように、外に凸の部分のみからなっていて
いもよい。外縁88、89の位置や形状は、求められる
べき舌片部74、75の撓み易さの程度を考慮して適宜
選択され得る。
【0035】外装ガラスないしケースガラス30は、そ
の外周面31がパッキン本体部61の内周面62と密接
し裏面ないし底面32の外周縁部32aがパッキン60
のフランジ部73の表面73aと密接するようにパッキ
ン60によって支持された状態で、パッキン60の本体
部61内に圧入されている。外装ガラス30の外周面3
1は、パッキン60が単独である場合におけるパッキン
本体部61の内周面62とほぼ相似形で且つパッキン本
体部61の内周面よりも幾分(例えば、10%程度、但
し、より大きくてもより小さくてもよい)大きく、パッ
キン本体部61を径方向に圧縮変形させてパッキン本体
部61内に圧入されることにより、パッキン60の本体
部61による外装ケース10の凹部16の内表面60a
と外装ガラスないしケースガラス30の外周面31との
間のシールを確実にしている。
【0036】以上の如き構成を備えた電子時計1の組立
に際しては、例えば、パッキン60の所定位置に液晶パ
ネル60を係合させた状態でパッキン60を外装ケース
10の凹部16に嵌め込み、次に、外装ガラス30をパ
ッキン60に打込んで嵌着させる。次に、モジュール2
をフレキシブルケーブル(図示せず)等で液晶パネル4
0に電気接続しておいて、モジュール2を外装ケース1
0の凹部12内に載置し、裏蓋8を外装ケース10の裏
面11に固定して、裏蓋8によりモジュール2の肩部2
aを凹部12の底面12aに押付けると共に、モジュー
ル2の頂面3で液晶パネル40の裏面51を押して、液
晶パネル40のガラス板41の表面部45a、47aを
パッキン60の舌片部74、75の裏面74a、75a
(図示せず)に軽く押し当てる。なお、以上のような組
立手順は単なる一例であって、所望ならば、液晶パネル
40などを組付ける前に、モジュール2を組付けたり、
外装ガラス30をパッキン60に取付けた後、その全体
を外装ケース10に打込む等、組付け手順は、所望に応
じて、変更してもよい。
【0037】以上の如く構成された電子時計1では、パ
ッキン60の本体部61が、外装ケース10の凹部16
の内表面と外装ガラスないしケースガラス30の外周面
31との間隙7に充填されていることになるから、前記
間隙7を水密にシールし得る。一方、外装ガラス30
は、実質的に、パッキン本体部61による径方向の強い
復元力を受けるので、外装ガラス30の軸線Cに沿うC
2方向の位置ズレや抜けは前記復元力に起因してパッキ
ン本体部61の内周面62と外装ガラス30の外周面3
1との間に働く摩擦力などの保持力により規制されるか
ら、外装ガラス30は圧入位置で実際上パッキン本体部
61により保持される。
【0038】また、外装ガラス30をパッキン60の本
体部61に圧入する際、過度にC1方向に押込もうとし
ても、この電子時計1では、外装ガラス30をC2方向
に支えているのは、例えばフッ素樹脂等からなるパッキ
ン60の液晶パネル保持部70のフランジ部73である
から、前記フランジ部73が通常の圧入の際に圧縮変形
される程度は小さいので、図5の(b)の電子時計の場
合と異なり、外装ガラス30をC2方向の抜こうとする
応力がパッキン60に残留する虞れが少ない。
【0039】なお、この電子時計1では、フランジ部7
3がパッキン本体部61の内周に一体に形成され外周面
60aで外装ケース10の凹部16に密接していること
も、フランジ部73をC2方向に圧縮変形され難くして
いる。その結果、この電子時計1では、例えば、図5の
(b)に示した従来例とは異なり、外部衝撃を受けても
パッキン60が外装ガラス30に抜け方向C2の応力を
及ぼす虞れがない。
【0040】また、この電子時計1では、外装ケース1
0と外装ガラス30との間に保持されたパッキン本体部
61を備えたパッキン60が、液晶パネル40のガラス
板45、47の外縁部45、47の表面45a、47a
と前記外縁部45、47に対面する外装ガラス30の裏
面部33、34(図示せず)との間に位置するようにパ
ッキン本体部61の裏面側においてパッキン本体部61
から中心に向かって延びた液晶パネル保持部70を有す
るので、外装ガラス30を圧入ないし打込む際、パッキ
ン60の液晶パネル保持部70を液晶パネル収容凹部1
5の表面側開口16の奥に押込むことになるからパッキ
ン60の凹部16内への装着ないし組込みが確実に行わ
れ得るだけでなく、液晶パネル40を相対的に軟らかく
弾力性のあるパッキン素材(液晶パネル保持部70)で
押えることになるから、液晶パネル保持部70と外装ケ
ース10の凹部16の底面16aとの間に配置される液
晶パネル40の部分45、46との間の間隙D3を最小
限にして液晶パネル保持部70により液晶パネル40を
支えるようにしても、C1方向の外部衝撃に対して液晶
パネル保持部70が圧縮されたり曲げられたりして液晶
パネル40に過度な衝撃が直接伝達される虞れが少な
い。
【0041】より詳しくは、この電子時計1では、液晶
パネル保持部70が、パッキン本体部61の裏面側にお
いてパッキン本体部61の内周面62から液晶パネル4
0の外周面40aに近接するところまで中心Cに向かっ
て延び表面73a側において外装ガラス30の裏面32
の外周縁32aに接し裏面60b側において外装ケース
10の液晶パネル収容凹部16の底面16aに接するリ
ング状のフランジ部73に加えて、前記フランジ部73
の表面73a側において液晶パネル40の外縁部45、
47の表面45a、47aと前記外縁部45、47に対
面する外装ガラス30の裏面部33、34(図示せず)
との間に位置するようにパッキン本体部61の裏面側に
おいてパッキン本体部61から中心に向かって延びた舌
片部74、75を有し、舌片部74、75の表面76、
77と外装ガラス30の裏面32の対向面部33、34
(図示せず)との間に間隙78、79(図示せず)がで
きるように舌片部74、75の表面76、77とフラン
ジ部73の表面73aとの間に段差80、81(図示せ
ず)が形成されているので、外部から外装ガラス30に
C1方向の衝撃や押圧力がかかっても、前記衝撃や押圧
力の影響が液晶パネル40に直接伝わることを避け得
る。すなわち、間隙78、79(図示せず)があるの
で、前記衝撃は、外装ガラス30から舌片部74、75
に直接的には伝わらず、外装ガラス30からパッキン6
0のフランジ部73を介して舌片部74、75に伝わ
る。この舌片部74、75は、フランジ部73により実
質的に片持ち支持されているから、比較的曲げ変形され
易い。従って、衝撃エネルギは、舌片部74、75を曲
げ変形させつつ液晶パネル40のガラス板45、47の
外縁部45、47に伝達される。従って、液晶パネル4
0が受けるC1方向の衝撃は小さくなる。従って、液晶
パネル40がC1、C2方向に大きくガタツク虞れなく
C方向に保持され得る。
【0042】また、パッキン60の舌片部74及び75
が、外装ケース10の凹部16の底面16aと協働し
て、液晶パネル40のガラス板41、42の外縁部4
5、46及び47、48(図示せず)の厚さよりも僅か
に厚い収容領域65、66を形成しているから、液晶パ
ネル40は、前記領域65、66内に保持され得る。
【0043】更に、電子時計1では、パッキン60のフ
ランジ部73の周面84が液晶パネル40の周面40a
の近傍まで延びているので、軸線Cに垂直な面に沿う方
向への液晶パネル40の位置ズレなどに対しては、フラ
ンジ部73の周面84が液晶パネル40の変位を規制す
るから、前記垂直面内での液晶パネル40の位置ズレな
どが生じる虞れも少ない。
【0044】電子時計1では、一体成形され得るパッキ
ン60に各種部分61、73、74、75を形成してい
るから、部品点数を増大させることなく、上記のような
種々のメリットを享受し得る。また、電子時計1では、
狭額縁構造で液晶パネル40や外装ガラス30の安定な
保持を可能にしているので、狭額縁構造に関連する関連
部品の数の低減や金型構造の単純化なども図り得る。
【0045】パッキン60は、電子時計1の外装ケース
10の凹部16の形状、すなわち軸線Cに垂直な断面で
見た凹部16の形状に応じた任意の形状を有し得る。図
1の(a)に示したように、パッキンの内周面の平面形
状が円形でないにもかかわらず凹部16が円筒状でパッ
キン60の外周面60aが円筒状である場合、軸線Cの
まわりにおけるパッキン60の向きがずれる液晶パネル
40の向きもずれてしまう虞れがある。このような不具
合を避けるためには、例えば、図1の(a)において符
号91で指す想像線で示し且つ図3において断面図で示
したように、裏面ないし底面60bに突起部ないし凸部
91を少なくとも一つ(図示の例では二つ)設けると共
に、前記突起部91が嵌合される窪みないし凹部92を
外装ケース10の対応する部位に設けておいても、図1
の(a)において符号93で指す想像線で示し且つ図4
において断面図で示したように、裏面ないし底面60b
に窪みないし凹部93を少なくとも一つ(図示の例では
二つ)設けると共に、前記凹部93に嵌合される突起部
ないし凸部94を外装ケース10の対応する部位に設け
ておいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい一実施例の電子ウォッチ
の形態の電子時計を示したもので、(a)は平面説明図
(但し外装ガラスのない状態)、(b)は(a)のIB
−IB線断面説明図。
【図2】図1の電子時計についての図1の(b)の一部
拡大説明図。
【図3】図1の電子時計の変形例についての図1の
(b)の左半分の部分と同様な断面説明図。
【図4】図1の電子時計の別の変形例についての図1の
(b)の左半分の部分と同様な断面説明図。
【図5】従来の二つのタイプの電子時計についての断面
説明図。
【符号の説明】
1 電子時計 2 モジュール 8 裏蓋 10 外装ケース 11 裏面 12、13 モジュール収容凹部 14 前面 15 液晶パネル収容凹部 16、17 凹部 30 外装ガラス(ケースガラス) 31 外周面 32 裏面 40 液晶パネル 41、42 ガラス基板 43、44 偏光板 60 パッキン 61 パッキン本体部 70 液晶パネル保持部 73 フランジ部 74、75 舌片部 80 段差部 91、93 突起部(凸部) 92、94 窪み(凹部)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面に液晶パネル収容凹部を備えた外装
    ケースと、 前記液晶パネル収容凹部に配置された液晶パネルと、 前記液晶パネルの表面を覆うように前記液晶パネル収容
    凹部の表面側開口に設けられた板状の外装ガラスと、 前記外装ガラスの外周面と前記外装ケースの前記液晶パ
    ネル収容凹部の周面との間隙に装着され前記外装ガラス
    と前記外装ケースとの間をシールするリング状のパッキ
    ン本体部、及び前記液晶パネルの表面の外縁部と前記外
    縁部に対面する前記外装ガラスの裏面部との間に位置す
    るように前記パッキン本体部の裏面側において前記パッ
    キン本体部からリングの中心に向かって延びた液晶パネ
    ル保持部を備えたパッキンとを有する電子時計。
  2. 【請求項2】 前記液晶パネル保持部が、前記パッキン
    本体部の裏面側において前記パッキン本体部の内周面か
    ら前記液晶パネルの外周面に近接するところまでリング
    の中心に向かって延び表面側において前記外装ガラスの
    裏面の外周縁に接し裏面側において前記外装ケースの前
    記液晶パネル収容凹部の底面に接するリング状のフラン
    ジ部と、前記フランジ部の表面側において前記液晶パネ
    ルの表面の外縁部と前記外縁部に対面する前記外装ガラ
    スの裏面部との間に位置するように前記フランジ部のリ
    ングの内周面からリングの中心に向かって延びた舌片部
    とを有する請求項1に記載の電子時計。
  3. 【請求項3】 前記舌片部が、直径方向に向合った箇所
    に形成されている請求項2に記載の電子時計。
  4. 【請求項4】 前記舌片部の表面と前記外装ガラスの裏
    面との間に間隙が形成されるように前記舌片部の表面と
    前記フランジ部の表面との間に段差が形成されている請
    求項2又は3に記載の電子時計。
  5. 【請求項5】 前記外装ケースが前記液晶パネル収容凹
    部の底壁に少なくとも一つの窪みを備え、パッキンが前
    記窪みに嵌り込む突起部をフランジ部の裏面に備える請
    求項1から4までのいずれか一つの項に記載の電子時
    計。
  6. 【請求項6】 前記外装ケースが前記液晶パネル収容凹
    部の底壁に少なくとも一つの突起部を備え、パッキンが
    前記突起部を受容する窪みをフランジ部の裏面に備える
    請求項1から5までのいずれか一つの項に記載の電子時
    計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114077190A (zh) * 2020-08-20 2022-02-22 卡西欧计算机株式会社 外壳以及钟表

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