JP2003057125A - 光ファイバ温度センサヘッド - Google Patents

光ファイバ温度センサヘッド

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JP2003057125A
JP2003057125A JP2001242484A JP2001242484A JP2003057125A JP 2003057125 A JP2003057125 A JP 2003057125A JP 2001242484 A JP2001242484 A JP 2001242484A JP 2001242484 A JP2001242484 A JP 2001242484A JP 2003057125 A JP2003057125 A JP 2003057125A
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Japan
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optical fiber
housing
temperature sensor
sheet
sensor head
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JP2001242484A
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English (en)
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Makoto Miyatsu
信 宮津
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性、特性をより向上させ得るよう内部構
造を改善した光ファイバ温度センサヘッドを提供するこ
と。 【解決手段】 筐体1と、その内部に外部光ファイバと
の接続が可能なように収容された光ファイバ温度センサ
2とを有する光ファイバ温度センサであって、該温度セ
ンサがシートファイバであることを特徴とする。道路な
どの構造物の表層部分に埋設して用いるときは、上記筐
体の少なくとも上面部に、該構造物の表面部分の材料よ
りも熱伝導率の高い材料を用い、該筐体の少なくとも底
面部に、前記熱伝導率以下の熱伝導率の材料を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ温度セ
ンサに関するものであり、より具体的には、光ファイバ
温度センサを用いて測定対象物の温度をスポット的に測
定するためのセンサヘッドの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ温度センサは、光ファイバ
を、測定対象物に配置し温度センサとして用いるもので
あって、該光ファイバは光ファイバ温度計に接続され、
光ファイバ温度計から該光ファイバにレーザ光が送られ
ると、該光ファイバにはそのときの温度に応じた後方散
乱光が発生する。この後方散乱光を光ファイバ温度計で
測定することによって、後方散乱光が発生した部分の温
度(後方散乱光の解析による)と、それが光ファイバ温
度センサのどの位置か(往復時間の測定による)を知る
ことができる。
【0003】光ファイバ温度センサは、温度分布の測定
用途では測定対象物に沿って設置されるが、機械など小
規模な測定対象物に対しては、スポット的なセンサヘッ
ドとして用いる態様がある。このセンサヘッドの態様
は、図8に示すように、金属製の筐体20内に光ファイ
バ40を所定の長さだけループ状に巻いて収容し、単一
のセンサヘッドとした態様である。光ファイバ40は、
筐体20の一部として該筐体内(例えば、蓋の内面な
ど)に設けられた巻芯30の周りに電磁コイルのように
巻線されて筐体内に収容されている。測定対象物の熱
は、筐体内に入り、巻線の外側から、あるいは、巻芯3
0を通じて巻線の内側から光ファイバに伝わる。
【0004】上記センサヘッドの態様では、必要長さの
光ファイバが1つの筐体内に集中して収められているの
で、ファイバ上での位置決定に誤差が生じても、必ずそ
の筐体内の温度として認識することができ、また、光フ
ァイバの長手方向の平均値として温度測定がされるので
平均化による誤差が少なくなるという利点がある。筐体
は全体が熱伝導性の良好な材料(強度等の点から、通
常、金属材料)で形成されており、例えば、ステンレ
ス、アルミニウム合金などが用いられている。この筐体
を測定対象物の表面に装着することによって、その表面
の温度を該筐体内部の光ファイバ温度センサ30によく
伝え得る構造となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が上記のような従来のセンサヘッドの構造と製造工程
を検討したところ、次のような改善すべき内容を含んで
いることがわかった。先ず、センサとなる光ファイバの
表面に損傷などの局所的な異常が生じていると、温度セ
ンサとしての特性に悪影響を及ぼすため、該光ファイバ
の取扱い、配置状態には細心の注意が必要である。この
ような注意は、光ファイバを電磁コイルの如く筐体内の
巻芯に巻きつける際にも必要であって、巻き付けから筐
体内に収容するまでの全工程にわたって、光ファイバに
は細心の注意を払わねばならず、そのことが生産効率の
向上の障害となっている。また、光ファイバの表面損傷
などに起因する特性不良が後の工程検査で発見された場
合、筐体内巻芯を回収するためには、巻かれた光ファイ
バを解くという困難な作業を行なうか、筐体内巻芯(通
常、筐体の蓋部品)と共に処分しなければならないとい
う問題も含んでいる。また、センサとなる該光ファイバ
保護のために、ステンレスパイプなどの保護管が用いら
れる場合があるが、その場合には、該保護管を整列巻き
しなければならず、その際の金属パイプ曲げ加工も困難
である。また、保護管が介在することで路面温度の伝搬
性が悪化し、温度分布が均一になり難いという問題もあ
る。
【0006】本発明の課題は、上記問題を解決し、生産
性、特性をより向上させ得るよう内部構造を改善した光
ファイバ温度センサヘッドを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の特徴を有
するものである。 (1)筐体と、その内部に外部光ファイバとの接続が可
能なように収容された光ファイバ温度センサとを有し、
該光ファイバ温度センサが、必要長さの光ファイバを該
筐体に収容し得る外形寸法となるよう湾曲させシート状
に固めてなるシートファイバであることを特徴とする、
光ファイバ温度センサヘッド。
【0008】(2)上記シートファイバが、必要長さの
光ファイバを平面渦巻き状に巻回しシート状に固めた構
造を有するものである、上記(1)記載の光ファイバ温
度センサヘッド。
【0009】(3)当該光ファイバ温度センサヘッド
が、構造物の表面部分に埋設して用いられるものであっ
て、上記筐体の少なくとも上面部が、該構造物の表面部
分の材料よりも熱伝導率の高い材料からなり、該筐体の
少なくとも底面部が、該構造物の表面部分の材料の熱伝
導率以下の熱伝導率を有する材料からなるものである、
上記(1)記載の光ファイバ温度センサヘッド。
【0010】(4)上記構造物の表面部分が、道路の路
面部分である、上記(3)記載の光ファイバ温度センサ
ヘッド。
【0011】(5)筐体の外形が、円柱状であって、そ
の円柱の2つの端部が、該筐体の上面部および底面部で
ある上記(3)記載の光ファイバ温度センサヘッド。
【0012】(6)筐体の上面部が、筐体の内側に突き
出した軸部を有しており、上記シートファイバは、シー
ト中央部分に貫通孔を有しており、この貫通孔に前記軸
部を通して、該シートファイバが筐体内に収容されてい
る、上記(3)記載の光ファイバ温度センサヘッド。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明による光ファイバ温度セン
サヘッド(以下、「当該センサヘッド」ともいう)は、
図1に断面を示すように、筐体1と、光ファイバ温度セ
ンサ2とを有し、該光ファイバ温度センサ2は、外部光
ファイバとの接続が可能なように、該筐体1に収容され
ている。ここで重要な点は、該光ファイバ温度センサ2
としてシートファイバが用いられていることである。該
シートファイバは、光ファイバ温度センサとして必要な
長さの光ファイバf1を、筐体内に収容し得る外形寸法
となるようシート状に湾曲させて固め、シート状物とし
たものである。f2は、光ファイバf1に接続され、筐
体内から引き出された光ファイバである。
【0014】上記構成とすることによって、次のような
作用効果が得られる。 シートファイバとした時点で、光ファイバが充分に保
護されるので、光ファイバに対する慎重な取扱いはシー
トファイバ製造工程だけでよく、光ファイバ温度センサ
ヘッドの組立て工程ではファイバユニットとして取扱い
が容易になり、組立て作業性が向上する。 シートファイバ単体でのセンサとしての良否の判定が
でき、また組立て後、特性不良が分かっても、不良のシ
ートファイバだけを良品と交換するだけでよく、他の筐
体部品が無駄になることがない。 ステンレスパイプなどの保護管を用いなくとも、よく
保護されているので、保護管を整列巻きするといった困
難なパイプ曲げ加工も必要なくなる。
【0015】またさらには、保護管が無いので温度分布
がより均一になるという利点や、熱によって光ファイバ
が膨張・収縮しようとしてもシートファイバがそれを阻
止するためにストレスが発生するが、従来の巻線ブロッ
クに比べて幾何学的に簡単な構造であるため、より正確
に温度補正ができるという利点もある。
【0016】シートファイバの構造・製造方法は限定さ
れず、従来、回路基板の分野などで用いられている公知
の技術を参照してよい。図2(a)に例示する態様は、
シート状基材S1の上に、必要長さの光ファイバf1を
所定の湾曲パターンにて密に配置し、その上を他方のシ
ート状基材S2で覆い、全体を一体化してシートファイ
バとしたものである。同図中、S3は接着剤であって、
必要に応じて介在させればよく、基材S1、S2自体に
接着性、熱可塑性を持たせてもよい。図2(b)に例示
する態様は、片側の基材S1だけを用いて、配置した光
ファイバf1に液状の硬化性樹脂材料S4などを塗布し
固化した態様である。図2(c)に例示する態様は、シ
ート状金型キャビティーの内部に、光ファイバf1を所
定の湾曲パターンにて密に配置し、型内に樹脂S5を注
入してシート状に固めた態様である。図2(d)に例示
する態様は、光ファイバf1の胴体外周に、接着性を有
する被覆層S6を設け、湾曲パターンにて密に配置した
状態で、隣接した被覆層同士を接合させ、固めた態様で
ある。これらの態様は、いずれも湾曲パターンの好まし
い態様として平面渦巻き状のパターンとした例であっ
て、図2(a)に示すように、シートファイバ全体の形
状は回転中心軸線Xを中心とした円板状となっている
が、これに限定されるものではない。
【0017】シートファイバ内の光ファイバと基材との
間に微小な隙間(空気層)が存在すると熱伝導性が低下
するので、熱伝導率の高い充填剤・接着剤などを用い
て、前記の微小な隙間を充填した態様が好ましい。
【0018】シートファイバに用いられる上記シート状
基材、接着剤、充填剤などの各々の材料は限定されず、
従来公知のシートファイバの材料であってもよいが、温
度センサという特殊な用途からは、いずれも熱伝導率が
高い材料が好ましい。例えば、エポキシやポリウレタン
などの樹脂材料100重量部に対し、熱伝導率の高い材
料の粉末10〜100重量部を分散させたものなどが挙
げられる。粉末として分散させる熱伝導率の高い材料と
しては、銅、アルミニウム、鉄などの種々の金属(各
々、合金であってもよい)、カーボンなどが挙げられ
る。
【0019】シートファイバ中の光ファイバの湾曲パタ
ーンは限定されないが、スペースのロスがなく光ファイ
バを高密度に密集させ得る点から、平面渦巻き状の湾曲
パターンが好ましい。筐体への組込み容易性の点から
は、図3(a)、(b)に示すように、光ファイバの両
端が光ファイバ温度計及び/もしくは他のファイバ(信
号伝送用)に接続される態様が好ましい。図3(a)
は、光ファイバf1が一端e1から平面渦巻き部分を経
て中心に至り、該渦巻きを横切りながら外側の他端e2
に至るパターンである。図3(b)は、光ファイバf1
が一端e1から平面渦巻き部分を経て、中心部分で反転
し、該渦巻きに沿って逆戻りしながら外側の他端e2に
至るパターンである。図3(c)の例は、光ファイバの
他端e2が該渦巻きの中心部分で終止するパターンであ
る。
【0020】シートファイバの各部の仕様は、特に限定
されず、光ファイバ温度センサとして利用可能なもので
あればよいが、光ファイバを平面渦巻き状に巻いた態様
としての好ましい一例を次に挙げる。光ファイバf1の
好ましい湾曲パターンが平面渦巻きであることから、シ
ートファイバの全体形状も直径50mm〜190mm程
度の円形シートであることが好ましく、シートとしての
総厚は0.5mm〜1mm程度が好ましい。また、熱伝
導経路の確保や中心部のスペース利用(曲率の制限によ
って光ファイバを中心点まで巻けないため)の点から
は、中心部に内径15mm〜80mm程度の貫通孔を有
するドーナッツ型のシートとし、後述の筐体内の軸部に
はめ込む態様が好ましい。
【0021】シートファイバに用いられる光ファイバ
は、従来の光ファイバ温度センサに用いられる光ファイ
バと同様のものを用いてよい。クラッド部の外径は12
5μm〜250μm程度、湾曲(好ましくは平面渦巻
き)する部分の総延長は限定されないが、1m〜20m
程度であればよい。1つのファイバシート内でこの長さ
を確保できない場合には、複数枚のシートファイバを重
ね、1本の光ファイバとなるように接続して用いてもよ
い。また、図4に例示するように、1つのファイバシー
ト内に、光ファイバf1による平面渦巻きが複数段重な
ったものを有する構造であってもよい。ただし、従来の
シートファイバ製造技術が利用でき、1本1本の光ファ
イバが両側から基材に挟まれ、保護されている点から
は、図2に示すような、1層の平面渦巻きのパターンが
好ましい。
【0022】筐体の外形は限定されないが、シートファ
イバの好ましい湾曲パターンが平面渦巻きであることか
ら、筐体の全体としての外形も、円筒状が好ましい形状
となる。筐体の外形を円筒状とするときの外径は80m
m〜200mm程度が好ましく、また、高さは20mm
〜100mm程度が好ましい。筐体の材料は、特殊な埋
設用途に関しては後述するが、光ファイバ温度センサと
しての一般的な用途では金属材料が好ましく、ステンレ
ス、銅合金、アルミ合金などが好ましいものとして挙げ
られる。めっきや塗装などの表面処理は適宜施してよ
い。
【0023】図1に示すように、光ファイバ温度センサ
(シートファイバ)2の中央に貫通孔を設け、筐体の内
側に該貫通孔とハメアイ関係となる軸部6を設ける態様
が好ましい。この軸部6は、シートファイバへその中央
孔側から外部の熱を伝えるとともに、シートファイバの
位置決め用の軸としても機能し得る。
【0024】当該センサヘッドの重要な用途として、道
路などの構造物に埋設して、該構造物の表面温度を測定
するという用途が挙げられる。例えば、道路の路面温度
は、路面の凍結などに関する正確な情報を報じるために
も、また、凍結を防止乃至は緩和させるためのシステム
などを制御するためにも重要である。
【0025】しかし、道路のように、表面から深層に向
かうに従って温度が急激に変化するような構造物の場
合、全体が同じ材料で形成された筐体のままでは、埋設
して表面温度を正確に測定することは困難である。例え
ば、冬季のアスファルト道路において、路面温度が降下
し0℃に達したとしても、路中はそれよりも暖かい状態
となっている。よって、筐体の路面部側が路面温度に追
従しても、筐体の底面部側が路中との熱のやり取りを行
なうために、筐体内部の光ファイバ温度センサの部分は
路面温度と同等にはなり難いという問題が生じる。
【0026】そこで、本発明では、当該センサヘッドを
構造物に埋設して該構造物の表面温度または表面付近の
外気温度を測定する用途(以下、この用途を「埋設用
途」という)のために、より好ましい筐体の態様を提案
している。以下にその態様を説明する。
【0027】図1は、埋設用途に好ましい形態とした当
該センサヘッドの構造を示す断面図である。筐体1に
は、構造物の表面部分に埋設する際の配置方向が、該構
造物に対して定められている。即ち、該構造物の表面側
に位置させるべき部分(本明細書では、この部分を「上
面部」と呼んでいる)3と、該構造物の深層側に位置さ
せるべき部分(本明細書では、この部分を「底面部」と
呼んでいる)4が定められている。これら、上面部、底
面部という呼称は、当該筐体の配置姿勢を、重力方向
(上下方向)に限定するものではない。
【0028】該筐体1の少なくとも上面部(上面1aを
含む壁部)3を、構造物の表面部分の材料よりも熱伝導
率の高い材料によって形成し、一方、少なくとも底面部
(底面1bを含む壁部)4を、構造物の表面部分の材料
の熱伝導率以下の熱伝導率を有する材料によって形成す
る。
【0029】上記構成とすることによって、構造物の深
層部分と筐体内との熱のやりとりを抑制しながら、構造
物の表面部分側からの筐体内への熱伝導を優先させるこ
とが可能となり、該表面温度または該表面と接する外界
の温度をより正確に測定することができるようになる。
【0030】埋設用途において、当該センサヘッドを構
造物の表面部分に埋設するとは、図5(a)に示すよう
に筐体1の上面1aと構造物の表面とを略同一面とする
か、または図5(b)に示すように筐体1の上面1aを
構造物の表面よりも低くして、上面1aを外界に露出さ
せる埋設、または、図5(c)に示すように上面1aを
該表面部分の材料で微小な厚さ(30mm程度)だけ覆
う埋設を意味する。例えば、アスファルト舗装された路
面の場合、アスファルト合材表層の厚さは通常40〜6
0mm程度であるが、路面温度との応答性・同等性を考
慮すると、筐体の上面1aをアスファルト合材が覆う厚
さは15mmまでとすることが好ましい。構造物の表面
の方向は、水平面だけでなく、斜面、垂直面、天井面の
ように、構造物に応じて種々存在する。
【0031】当該センサヘッドを埋設すべき構造物は、
人造物、天然物を問わないが、表面部分の熱が速やかに
深層方向に伝達されないような低い熱伝導率の材料を少
なくとも表層部分に有する構造物であれば、本発明の作
用効果は特に顕著に示される。そのような構造物として
は、例えば、道路、橋梁、トンネル、ビル、家屋、産業
用各種プラントなどの他、人の加工がなされていない地
面や、山、崖、岩、海底や川底などの水中底部などが挙
げられる。これらの構造物のなかでも、特に、道路は、
アスファルト合材、コンクリートなど低い熱伝導率の材
料で舗装されており、しかも、車両や人の通行があるた
め、他の構造物と違って表面に温度センサを設置するこ
とが困難であり、路面温度を正確に測定し難いという特
殊な問題を有している。このような点から、本発明によ
る光ファイバ温度センサヘッドの適用対象物として、道
路は最も重要な構造物である。
【0032】構造物が道路である場合、表面部分の材料
(路面材料)としては、アスファルト合材(アスファル
トに骨材が含まれたアスファルト混合物)、コンクリー
ト、レンガ、土、石(石畳など)、砂利などが挙げられ
るが、路面温度の測定が必要であるような重要な幹線道
路では、通常、路面材料はアスファルト合材またはコン
クリートである。
【0033】構造物の表面部分の材料の熱伝導率は、例
えば路面材料の例を挙げると、水分等の含有量や空隙の
有無によっても異なるが、アスファルト合材が0.7〜
2.0W/(m・K)程度、コンクリートが0.5〜
1.5W/(m・K)程度、土が0.1〜2.0W/
(m・K)程度である。
【0034】埋設用途では、筐体の少なくとも上面部
を、構造物の表面部分の材料よりも熱伝導率の高い材料
で形成すればよいが、上面部のより好ましい熱伝導率
は、10〜400W/(m・K)程度である。上面部
は、高精度な温度測定のために高い熱伝導率が求められ
るが、路面への適用では保護板として車両などの荷重に
耐え、耐磨耗性、耐食性なども求められる。そのような
材料としては金属が挙げられ、特に好ましいものとして
は、ステンレス、アルミニウム合金、銅合金(特に黄
銅)などが挙げられる。
【0035】また埋設用途では、筐体の少なくとも底面
部は、構造物の表面部分の材料の熱伝導率以下の熱伝導
率を有する材料で形成すればよいが、構造物の深層側と
の熱のやりとりをより遮断するには、熱伝導率は十分に
低い方がよく、0.5W/(m・K)程度以下が好まし
い。これに筐体の耐熱性、機械的強度などを考慮すれ
ば、ABS樹脂(0.1W/(m・K)以下)、エポキ
シ樹脂(0.2〜0.7W/(m・K))などが好まし
い材料として挙げられる。
【0036】埋設用途において、図2(a),(b)に
示すような積層構造を有するシートファイバを用いる場
合、シート状基材の材料として、上面側となる基材の材
料に高い熱伝導率のものを用い、底面側となる基材の材
料に低い熱伝導率のものを用い、筐体の場合と同様、上
面側からの熱伝導を優先させる構成としてもよい。
【0037】埋設用途では、筐体の少なくとも底面部の
一部に高い熱伝導率の材料が用いられていてもよく、全
体として構造物の表面部分の材料の熱伝導率以下であれ
ばよい。例えば、断熱材料と高い熱伝導率の金属材料と
のラミネート構造であっても良い。
【0038】埋設用途では、筐体の上面部の温度上昇
を、構造物表面の温度上昇と同様にする目的で、また
は、構造物表面の外観を良好に保つ目的で、筐体の上面
に、構造物の表面部分の材料等を構造物表面サンプルと
してコーティングしておいてもよい。
【0039】埋設用途では、路中など構造物内部との断
熱の点から、筐体の側面部のうち、底面側から半分以上
を、底面部と同様の低い熱伝導率の材料とすることが好
ましい。よって、筐体全体を熱伝導率で区分すると、高
い熱伝導率を示す上面部側と、低い熱伝導率を示す底面
部側とに分けられるから、これら上面部側と底面部側と
を、図1に示すように材料の境界で分離可能とし、容器
と蓋との関係のように着脱可能な構造とするのが好まし
い態様である。これによって、筐体パーツの製造や、筐
体内へのシートファイバの組み込みが容易になる。
【0040】図1の態様では、上面部3が天板状の蓋と
なっており、底面部4と側面部5とが低熱伝導材料から
なる容器となっている。蓋を容器の開口内・外にはめ込
み可能とする構造や、種々の段差を設ける構造など、容
器開口の外周縁部における蓋と容器との接続部分の構造
は、自由に設計してよい。また、この接続部分のシール
性を高めるよう、ガスケットやOリングを装着するため
の、または充填材を入り込ませるための溝・段差を、該
接続部分に設けてもよい。
【0041】筐体内に生じる隙間には、空気よりも熱伝
導率の高い充填材を充填し、筐体からの熱を速やかに光
ファイバに伝え、防食性を高める態様とすることが好ま
しい。しかし、埋設用途においては、上面部および軸部
から充分速やかにシートファイバへ熱伝導し得る状態な
らば、空気が満たされた空間をそのまま断熱材として用
いるか、該空間に断熱性の高い充填材を満たし、路中と
の熱のやり取りを遮ってもよい。このような断熱材は、
少なくとも充填作業時には流体状であることが好まし
く、例えば、発泡ポリエチレン、発泡ウレタン、エポキ
シ樹脂などが挙げられる。
【0042】筐体内の空間に充填材を注入するために、
筐体の側面や底面などの適当な部位に、注入孔を設けて
おいてもよい。該封入孔は、ネジや封止用の樹脂などで
封止すればよい。
【0043】筐体に出入りする光ファイバを保護するた
め、図1に示すように、保護配管P1を筐体に設けるの
が好ましい。保護配管P1は、構造物の表面に近づいて
露出しないよう、図5(a)、(b)に示すように、構
造物の表面が拡張する方向または深層方向へ向かうよう
に設ける態様が好ましい。保護配管P1は、例えば、信
号伝送用ファイバと接続する場所まで、光ファイバ温度
計を設置する部屋あるいは盤までなど、保護する必要の
ある部位まで設ければよい。図5(c)では、保護配管
P1は筐体1の底面から深層方向に垂直に突き出すよう
に固定されている。また、筐体内に充填材を満たす場合
には、保護配管P1から上記充填材が漏れないよう、保
護配管の内部に、ブッシングなどの封止部を設けるのが
好ましい。
【0044】当該センサヘッドを構造物の表面部分に埋
設した後、外力(例えば、路面に埋設した場合の車両の
通過などによる力)が加わり当該センサヘッドが構造物
から外れてしまう事故が起こり得る。このような事故を
防ぎ、当該センサヘッドの埋設姿勢を安定させるため、
筐体の側面に、外側へ張り出した鍔(図6(a))およ
び/または突起(図6(b))を設けることが好まし
い。鍔は、全周連続、全周断続、または一部のみであっ
てもよい。突起は等間隔に複数設けるのが好ましい。外
力により発生するモーメントを考慮すると、小さい(短
い)ものであってもより大きな支持力(モーメント)を
発生することが可能となる点から、これら鍔・突起の位
置は、筐体の底面に近いほど好ましい。
【0045】上記各部の寸法・材料などを選択して、図
1に示す光ファイバ温度センサヘッドを埋設用途に適す
る態様として実際に製作した場合の一例を挙げる。当該
センサヘッド全体の外観は、図7に示すとおりである。 筐体全体の外形寸法:外径150mm、全高50mmの
円筒形。 上面部3:材料(ステンレス)、厚さ12mm、内側に
外径100mmの軸部6を一体的に有する(削り出しに
よる加工)。 底面部4、側面部5からなる容器部分:材料(エポキシ
による成形)。 光ファイバ温度センサ(シートファイバ):光ファイバ
の湾曲パターンを図3(a)に示す平面渦巻きパターン
とし、ファイバ本体の外径(クラッドの外径)125μ
m、センサとする部分の全長約10m。
【0046】
【発明の効果】当該センサヘッドは、光ファイバ温度セ
ンサとしてシートファイバを用い、スポット測定用とし
て筐体内に収めている。これによって、光ファイバの取
扱い性や筐体部品の歩留りを改善でき、また、保護管を
必要としないことから従来よりも温度の伝搬性を向上さ
せることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】当該センサヘッドの構造を模式的に示す断面図
である。
【図2】本発明に用いられるシートファイバの構造を例
示する断面図である。
【図3】本発明に用いられるシートファイバ中の光ファ
イバの平面渦巻きパターンを例示する模式図である。
【図4】本発明に用いられるシートファイバの他の構造
例を示す断面図である。
【図5】埋設用途における、当該センサヘッドの埋設状
態を示す図である。
【図6】当該センサヘッドの埋設状態を安定させるため
の構造例を示す図である。
【図7】当該センサヘッドの外観の一例を示す斜視図で
ある。
【図8】従来において、光ファイバ温度センサをスポッ
ト的なセンサヘッドとした態様を示す図である。
【符号の説明】
1 筐体 2 光ファイバ温度センサ(シートファイバ) 3 上面部 4 底面部 5 側面部 6 軸部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体と、その内部に外部光ファイバとの
    接続が可能なように収容された光ファイバ温度センサと
    を有し、 該光ファイバ温度センサが、必要長さの光ファイバを該
    筐体に収容し得る外形寸法となるよう湾曲させシート状
    に固めてなるシートファイバであることを特徴とする、
    光ファイバ温度センサヘッド。
  2. 【請求項2】 上記シートファイバが、必要長さの光フ
    ァイバを平面渦巻き状に巻回しシート状に固めた構造を
    有するものである、請求項1記載の光ファイバ温度セン
    サヘッド。
  3. 【請求項3】 当該光ファイバ温度センサヘッドが、構
    造物の表面部分に埋設して用いられるものであって、上
    記筐体の少なくとも上面部が、該構造物の表面部分の材
    料よりも熱伝導率の高い材料からなり、該筐体の少なく
    とも底面部が、該構造物の表面部分の材料の熱伝導率以
    下の熱伝導率を有する材料からなるものである、請求項
    1記載の光ファイバ温度センサヘッド。
  4. 【請求項4】 上記構造物の表面部分が、道路の路面部
    分である、請求項3記載の光ファイバ温度センサヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 筐体の外形が、円柱状であって、その円
    柱の2つの端部が、該筐体の上面部および底面部である
    請求項3記載の光ファイバ温度センサヘッド。
  6. 【請求項6】 筐体の上面部が、筐体の内側に突き出し
    た軸部を有しており、上記シートファイバは、シート中
    央部分に貫通孔を有しており、この貫通孔に前記軸部を
    通して、該シートファイバが筐体内に収容されている、
    請求項3記載の光ファイバ温度センサヘッド。
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