JP2003056330A - 排気ガス浄化装置、および排気ガスの浄化方法 - Google Patents

排気ガス浄化装置、および排気ガスの浄化方法

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JP2003056330A
JP2003056330A JP2001248935A JP2001248935A JP2003056330A JP 2003056330 A JP2003056330 A JP 2003056330A JP 2001248935 A JP2001248935 A JP 2001248935A JP 2001248935 A JP2001248935 A JP 2001248935A JP 2003056330 A JP2003056330 A JP 2003056330A
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Japan
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exhaust gas
filter
regeneration
exhaust
combustion chamber
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JP2001248935A
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Kazuhiko Shiratani
和彦 白谷
Naohisa Oyama
尚久 大山
Yoshimasa Kodama
好正 児玉
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Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
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  • Exhaust Silencers (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタで捕集されたススなどの浮遊微粒子
を、燃料消費効率の悪化などを抑制しつつ燃焼させる。 【解決手段】 複数の燃焼室と、該燃焼室毎に設けられ
た排気通路とを備える内燃機関の各排気通路毎に、排気
ガス中の含炭素浮遊微粒子を捕集する捕集フィルタを設
ける。捕集フィルタ上に堆積した含炭素浮遊微粒子を燃
焼させて該捕集フィルタの再生を要する再生フィルタ
を、前記複数の捕集フィルタの中から検出して、該検出
された再生フィルタについてのみ再生を行う。こうすれ
ば、再生を要する捕集フィルタのみを再生することがで
きるので、再生に伴う燃料消費効率の悪化などを抑制す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関の排気
ガスに含まれる含炭素浮遊微粒子を浄化する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関、特にディーゼル機関の排気ガ
ス中には、黒煙(スス)などの含炭素浮遊微粒子が含ま
れており、大気の汚染を防ぐために、排出される微粒子
の総量を低減させることが強く要請されている。また、
燃焼室内に直接ガソリンを噴射する方式の、いわゆる筒
内噴射ガソリン機関からも、運転条件によっては排気ガ
スとともに含炭素浮遊微粒子が排出される場合があるた
めに、同様の要請が存在する。
【0003】これら内燃機関から排出される含炭素浮遊
微粒子を大幅に低減可能な技術として、機関の排気通路
中に耐熱性のフィルタを設け、排気ガスとともに排出さ
れる浮遊微粒子を該フィルタで捕集する技術が提案され
ている。
【0004】かかる方法を用いて排気ガス中の含炭素浮
遊微粒子を捕集すれば、大気に排出される含炭素浮遊微
粒子を大幅に低減することが可能となるが、捕集した微
粒子は何らかの方法で処理してやらなければならない。
捕集した含炭素浮遊微粒子を処理する代表的な手法とし
ては、内燃機関の排気ガス温度を意図的に上昇させて、
捕集した微粒子を定期的に燃焼させる技術(特開200
0−161044号)が提案されている。
【0005】また、フィルタ上に白金などの貴金属触媒
を担持しておき、捕集した含炭素浮遊微粒子の燃焼を促
進させることで、捕集した微粒子を排気ガス中で連続的
に燃焼させる技術も提案されている(特公平7−106
290号)。もっとも、貴金属触媒を利用するこのよう
な技術においても、微粒子をフィルタ上で連続的に燃焼
させるためには、ある程度の排気ガス温度が必要である
ため、排気ガス温度が低い条件では、捕集された含炭素
浮遊微粒子がフィルタ上に堆積してしまう。こうしてフ
ィルタ上に堆積した含炭素浮遊微粒子は、排気ガスの温
度を上昇させて燃焼させてやらなければならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フィルタ上に
捕集した含炭素浮遊微粒子を燃焼させると、それに伴っ
て、内燃機関の燃料消費効率が低下してしまうという問
題がある。これは、内燃機関の動作原理が、燃料を燃や
して熱を発生させ、この熱を機械エネルギに変換して取
り出すものであるところ、排気ガス温度を上昇させるこ
とは、熱の一部を機械エネルギに変換することなく排出
していることに他ならず、その分だけ燃料消費効率が低
下してしまうためである。かといって、フィルタ上に堆
積した含炭素浮遊微粒子を燃焼させなければ、フィルタ
の通気抵抗の増加に伴って内燃機関の排気抵抗が増大す
るので、延いては機関性能の低下を引き起こしてしまう
おそれがある。
【0007】本発明は、従来技術における上述の課題を
解決するためになされたものであり、内燃機関の燃料消
費効率の低下を可能な限り抑制して、フィルタ上に堆積
した含炭素浮遊微粒子を効果的に燃焼させることが可能
な技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第
1の排気ガス浄化装置は次の構成を採用した。すなわ
ち、複数の燃焼室と、該燃焼室毎に設けられた排気通路
とを備える内燃機関に適用され、該内燃機関の排気ガス
を浄化する排気ガス浄化装置であって、前記排気通路毎
に設けられて前記排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を捕集
する捕集フィルタと、前記捕集フィルタ上に堆積した含
炭素浮遊微粒子を燃焼させて該捕集フィルタの再生を要
する再生フィルタを、前記複数の捕集フィルタの中から
検出する再生フィルタ検出手段と、前記検出された再生
フィルタの再生を行う捕集フィルタ再生手段とを備える
ことを要旨とする。
【0009】また、上記第1の排気ガス浄化方法に対応
する本発明の第2の排気ガス浄化方法は、複数の燃焼室
と、該燃焼室毎に設けられた排気通路とを備える内燃機
関に適用され、該内燃機関の排気ガスを浄化する排気ガ
ス浄化方法であって、前記排気通路毎に設けられた捕集
フィルタを用いて前記排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を
捕集するとともに、前記捕集フィルタ上に堆積した含炭
素浮遊微粒子を燃焼させて該捕集フィルタの再生を要す
る再生フィルタを、前記複数の捕集フィルタの中から検
出し、前記検出された再生フィルタの再生を行うことを
要旨とする。
【0010】かかる第1の排気ガス浄化装置および第1
の排気ガス浄化方法においては、含炭素浮遊微粒子が堆
積して再生を要する再生フィルタを、複数の捕集フィル
タの中から検出し、検出した再生フィルタの再生を行
う。こうすれば、含炭素浮遊微粒子の堆積した捕集フィ
ルタのみを適切なタイミングで再生することができる。
その結果、捕集フィルタを再生することによって生じる
内燃機関の燃料消費効率や機関性能の低下を、抑制する
ことが可能となる。
【0011】かかる排気ガス浄化装置においては、各捕
集フィルタの上流側での前記排気管内圧力と下流側での
該排気通路内圧力との圧力差を、該捕集フィルタ毎に検
出するとともに、検出した圧力差が所定値以上の前記捕
集フィルタを、前記再生フィルタとして検出することと
してもよい。
【0012】排気ガス中の含炭素浮遊微粒子が捕集フィ
ルタ上に堆積すると、それに伴って該捕集フィルタの通
気抵抗が増加し、フィルタ前後での排気管内圧力差が増
加する。従って、捕集フィルタ毎に圧力差を検出し、該
検出した圧力差が所定値以上のフィルタを検出すれば、
再生を要する捕集フィルタを適切に検出することが可能
となるので好ましい。
【0013】また、かかる排気ガス浄化装置において
は、内燃機関が所定条件で運転されているときに、前記
捕集フィルタの上流側での前記排気通路内圧力を該捕集
フィルタ毎に検出して、検出した排気通路内圧力が所定
値以上の前記捕集フィルタを、前記再生フィルタとして
検出することとしてもよい。
【0014】含炭素浮遊微粒子が捕集フィルタ上に堆積
すると、該捕集フィルタの通気抵抗が増加してフィルタ
上流側での排気管内圧力が増加する。従って、内燃機関
が所定条件で運転されているときに、フィルタ上流側の
排気管内圧力を捕集フィルタ毎に検出し、圧力が所定値
以上の捕集フィルタを再生フィルタとすれば、再生が必
要な捕集フィルタを適切に検出することができる。
【0015】あるいは、かかる排気ガス浄化装置におい
ては、内燃機関が所定条件で運転されているときに、前
記捕集フィルタの下流側での前記排気通路内圧力を該捕
集フィルタ毎に検出して、検出した排気管内圧力が所定
値以下の前記捕集フィルタを、前記再生フィルタとして
検出することとしてもよい。
【0016】含炭素浮遊微粒子が堆積した捕集フィルタ
は排気ガスが通過し難くなるので、フィルタ下流側で
は、その分だけ排気管内圧力が低下する。従って、内燃
機関が所定条件で運転されているときに、フィルタ下流
側の排気管内圧力を捕集フィルタ毎に検出し、圧力が所
定値以下の捕集フィルタを再生フィルタとすることによ
っても、再生が必要な捕集フィルタを適切に検出するこ
とができる。
【0017】上述した本発明の第1の排気ガス浄化装置
においては、内燃機関が所定条件で運転されているとき
に吸入空気量が所定の許容値以下となる燃焼室を再生燃
焼室として検出し、該再生燃焼室から排出される排気ガ
スが流入する前記捕集フィルタを、前記再生フィルタと
して検出することとしてもよい。
【0018】含炭素浮遊微粒子が堆積すると排気ガスが
捕集フィルタを通過し難くなるので、燃焼室内の排気ガ
スを排気行程中に排出することが困難となり、排気ガス
の一部が燃焼室内に残留することになる。こうして燃焼
室内に排気ガスが残留していると、続く吸気行程中にそ
の燃焼室が吸入する空気量は、排気ガスが残留している
分だけ少なくなる。このことから、内燃機関が所定条件
で運転されているときに、各燃焼室の吸入空気量が所定
値以下の燃焼室を検出して、その燃焼室の排気ガスが流
入している捕集フィルタを検出すれば、含炭素浮遊微粒
子が堆積して再生を要する捕集フィルタを適切に検出す
ることが可能となるので好ましい。
【0019】このような排気ガス浄化装置を、前記複数
の燃焼室に吸入空気を導く吸気通路を備えた内燃機関に
適用する場合には、吸入空気量の少ない燃焼室を次のよ
うにして検出してもよい。すなわち、各燃焼室が前記吸
入空気を吸引することによって前記吸気通路内に生じる
負圧を該燃焼室毎に検出して、検出した負圧の絶対値が
所定の許容値より小さな燃焼室を、吸入空気量の少ない
燃焼室として検出することとしてもよい。
【0020】内燃機関に吸気通路が設けられている場
合、燃焼室が吸入空気を吸い込むと、該吸気通路内には
それに伴う負圧が発生する。また、この負圧は、吸入空
気量が少なくなるにつれて小さくなる。そこで、内燃機
関が所定条件で運転されているときに、吸気管内に生じ
る負圧を燃焼室毎に検出し、負圧の絶対値が所定の許容
値以下の燃焼室を検出すれば、吸入空気量の少ない燃焼
室を適切に検出することが可能となるので好ましい。
【0021】こうした方法を用いて、吸入空気量の少な
い燃焼室を検出する場合、吸気通路内の負圧を、内燃機
関が無負荷状態で運転されているときに検出することと
してもよい。
【0022】吸気通路内に生じた負圧を燃焼室毎に正確
に検出しようとすると、検出中に内燃機関の運転条件が
変化することは望ましいことではないが、内燃機関が無
負荷状態で運転されているときは、比較的長い時間、一
定の運転条件に保たれることが多い。このことから、内
燃機関が無負荷条件のときに、吸気管内負圧を検出すれ
ば、吸気によって生じる負圧を燃焼室毎に正確に検出す
ることができ、延いては、吸入空気量の少ない燃焼室を
適切に検出することが可能となるので好ましい。
【0023】また、前述した従来技術における課題を解
決するために、本発明の第2の排気ガス浄化装置は、次
の構成を採用した。すなわち、複数の燃焼室と、該燃焼
室毎に設けられた排気通路とを備える内燃機関に適用さ
れ、該内燃機関の排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置
であって、前記排気通路毎に設けられて前記排気ガス中
の含炭素浮遊微粒子を捕集する捕集フィルタと、前記捕
集フィルタ上に堆積した含炭素浮遊微粒子を燃焼させて
該捕集フィルタの再生を行う再生時期を、該捕集フィル
タ毎に定められた所定の頻度に設定する再生時期設定手
段と、前記設定された再生時期に従って前記捕集フィル
タ毎に前記再生を行う捕集フィルタ再生手段とを備える
ことを要旨とする。
【0024】また、上記の排気ガス浄化装置の対応する
本発明の第2の排気ガス浄化方法は、複数の燃焼室と、
該燃焼室毎に設けられた排気通路とを備える内燃機関に
適用され、該内燃機関の排気ガスを浄化する排気ガス浄
化方法であって、前記排気通路毎に設けられた捕集フィ
ルタを用いて前記排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を捕集
するとともに、前記捕集フィルタ上に堆積した含炭素浮
遊微粒子を燃焼させて該捕集フィルタの再生を行う再生
時期を、該捕集フィルタ毎に定められた所定の頻度に設
定し、前記設定された再生時期に従って前記捕集フィル
タ毎に前記再生を行うことを要旨とする。
【0025】かかる本発明の第2の排気ガス浄化装置お
よび第2の排気ガス浄化方法においては、排気ガス中の
含炭素浮遊微粒子を、燃焼室毎に設けた捕集フィルタに
よって捕集するとともに、該捕集フィルタ上に堆積した
含炭素浮遊微粒子を該捕集フィルタ毎に定められた所定
の頻度で再生する。
【0026】複数の燃焼室から排出される排気ガスを、
複数の捕集フィルタを用いて浄化する場合、含炭素浮遊
微粒子の堆積のし易さは該捕集フィルタ毎に定まってい
る場合がある。従って、捕集フィルタ毎に適切な頻度を
予め定めておき、定められた頻度で各捕集フィルタを再
生すれば、簡便な方法を用いて、捕集フィルタ毎に適切
な時期に再生を行うことができ、延いては、内燃機関の
燃料消費効率や機関性能の低下を抑制することが可能と
なる。
【0027】上述した本発明の第1の排気ガス浄化装置
あるいは第2の排気ガス浄化装置において、内燃機関が
燃焼室内に噴射した燃料を燃焼させて動力を出力する機
関である場合は、排気通路毎に、通路抵抗を増加させる
排気絞り手段を設けておき、再生を要する捕集フィルタ
が設けられている該排気通路の通路抵抗を、前記排気絞
り手段によって増加させることとしてもよい。
【0028】このような内燃機関では、排気通路の通路
抵抗を増加させれば、いわゆる内部EGR量が増加し
て、排気ガスの温度が上昇する。従って、再生を要する
捕集フィルタが設けられている排気通路の通路抵抗を増
加させれば、該捕集フィルタに流入する排気ガス温度を
上昇させて、堆積している含炭素浮遊微粒子の燃焼を促
進させ、フィルタを再生することができるので好まし
い。
【0029】あるいは、燃焼室内に噴射した燃料を燃焼
させて動力を出力する内燃機関に、上述の第1の排気ガ
ス浄化装置あるいは第2の排気ガス浄化装置を適用する
場合、前記燃焼室に吸入空気を供給する吸気通路と、該
吸気通路の通路抵抗を増加させる吸気絞り手段とを、該
燃焼室毎に設けておき、再生を要する捕集フィルタに排
気ガスを流入させる燃焼室を、前記複数の燃焼室の中か
ら検出して、該検出した燃焼室に設けられている前記吸
気通路の通路抵抗を、前記吸気絞り手段によって増加さ
せることとしてもよい。
【0030】このような内燃機関では、吸入空気量を減
らしてやれば、それに伴って排気ガスの温度が上昇す
る。従って、再生を要する捕集フィルタに排気ガスを流
入させる燃焼室を検出し、該検出した燃焼室の吸気通路
を絞って排気ガス温度を上昇させることによっても、捕
集フィルタ上に堆積している含炭素浮遊微粒子の燃焼を
促進させ、フィルタを再生することが可能となる。
【0031】このような内燃機関に、上述した第1の排
気ガス浄化装置あるいは第2の排気ガス浄化装置を適用
する場合、燃焼室に吸入空気を供給する吸気通路と、該
吸気通路内に前記排気通路から排気ガスを還流させる還
流手段とを、該燃焼室毎に設けておき、再生を要する捕
集フィルタに排気ガスを流入させる燃焼室を、前記複数
の燃焼室の中から検出して、該検出した該燃焼室の前記
吸気通路に還流される排気ガス量を、前記還流手段を制
御して増量させることとしてもよい。
【0032】こうした内燃機関では、排気通路内から吸
気通路内に排気ガスを還流させれば、それに伴って排気
ガス温度を上昇させることができる。従って、再生を要
する捕集フィルタに排気ガスを流入させる燃焼室を検出
して、該燃焼室について排気ガスの還流量を増加させ、
排気ガス温度を上昇させれば、それによって捕集フィル
タを再生することが可能である。
【0033】こうした内燃機関に、上述した第1あるい
は第2の排気ガス浄化装置を適用する場合、再生を要す
る捕集フィルタに排気ガスを流入させる燃焼室を前記複
数の燃焼室の中から検出し、該燃焼室に噴射される燃料
を通常の噴射時期より遅らせて噴射することとしてもよ
い。
【0034】燃焼室に噴射される燃料を通常の噴射時期
よりも遅らせて噴射してやれば、排気ガスの温度を上昇
させることができる。従って、再生を要する捕集フィル
タに排気ガスを流入させる燃焼室を検出し、該燃焼室に
ついては噴射時期を遅らせてやれば、排気ガス温度を上
昇させて捕集フィルタを再生することが可能となる。
【0035】あるいは、こうした内燃機関に、上述した
第1あるいは第2の排気ガス浄化装置を適用する場合、
再生を要する捕集フィルタに排気ガスを流入させる燃焼
室を前記複数の燃焼室の中から検出し、該燃焼室に追加
の燃料を通常の噴射時期より遅れて噴射することとして
もよい。
【0036】追加の燃料を通常の噴射時期よりも遅れて
噴射することによっても、排気ガスの温度を上昇させる
ことが可能である。従って、再生を要する捕集フィルタ
に排気ガスを流入させる燃焼室を検出して、該燃焼室に
ついては追加の燃料を通常の噴射時期より遅れて噴射す
ることによっても、捕集フィルタを再生することが可能
である。
【0037】上述した第1の排気ガス浄化装置あるいは
第2の排気ガス浄化装置においては、内燃機関の運転条
件を検出して、内燃機関が所定条件で運転されていると
きに、捕集フィルタの再生を行うこととしてもよい。
【0038】こうして内燃機関が所定の運転条件にある
ことを確認してから再生を行えば、捕集フィルタを効率
よく再生することが可能となるので好ましい。
【0039】また、上述した第1の排気ガス浄化装置に
おいては、内燃機関の運転条件を検出して、内燃機関が
所定条件で運転されているときに、再生を要する捕集フ
ィルタの検出を行うこととしてもよい。
【0040】こうすれば、再生を要する捕集フィルタの
検出を、内燃機関が再生フィルタの検出に適した所定の
条件で運転されているときに行うことができるので、再
生フィルタを適切に検出することが可能となって好まし
い。
【0041】更に、上述した第1あるいは第2の排気ガ
ス浄化装置においては、排気通路に、他の燃焼室に設け
られた排気通路と合流する合流部を設けておき、捕集フ
ィルタを該合流部に設けることとしてもよい。
【0042】こうすれば、複数の燃焼室に1つの割合で
捕集フィルタを設ければよいので、捕集フィルタの必要
数が減少し、部品点数の減少を通じて、構造を簡素化す
ることができる。また、捕集フィルタを合流部に設ける
こととすれば、燃焼室毎に設ける場合に比べて、捕集フ
ィルタを広い空間に設けることができるので、捕集フィ
ルタの形状の自由度が増加し、より適切な形状とするこ
とが可能となって好適である。
【0043】あるいは、こうした第1あるいは第2の排
気ガス浄化装置においては、捕集フィルタとして、次の
ようなフィルタを用いることとしてもよい。すなわち、
排気ガス中に含まれる炭化水素系化合物および含炭素浮
遊微粒子を、該排気ガス中の酸素と接触可能に捕集する
ことにより、該捕集フィルタに流入する温度が該含炭素
浮遊微粒子の可燃温度よりも低温である排気ガスを用い
て、該捕集した炭化水素系化合物と含炭素浮遊微粒子と
を燃焼させるフィルタを、用いることとしてもよい。
【0044】このような捕集フィルタは、捕集した含炭
素浮遊微粒子を低温の排気ガス中でも燃焼させることが
できるので、フィルタに微粒子が堆積しにくく、それだ
け内燃機関の燃料消費効率や機関性能の低下を引き起こ
し難いと言える。従って、上述した第1あるいは第2の
排気ガス浄化装置の捕集フィルタとして、このようなフ
ィルタを採用し、再生を要する捕集フィルタのみを再生
することとすれば、内燃機関の燃料消費効率や機関性能
の低下を、更に抑制することが可能となるので好まし
い。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明の作用・効果をより明確に
説明するために、次のような順序に従って、本発明の実
施例を説明する。 A.第1実施例: A−1.装置構成: A−2.エンジン制御の概要: A−3.捕集フィルタの再生動作: A−4.変形例: B.第2実施例: B−1.装置構成: B−2.エンジン制御の概要: C.第3実施例: C−1.装置構成: C−2.捕集フィルタの有する自然再生機能: C−3.変形例:
【0046】A.第1実施例: A−1.装置構成:以下、本発明の排気ガス浄化装置
を、ディーゼルエンジンに適用した実施例について説明
する。もちろん、ディーゼルエンジンに限らず、燃料を
シリンダ内に直接噴射する方式のガソリンエンジンな
ど、他の内燃機関に適用することもできる。また、本発
明は、車両や船舶搭載用あるいは定置用などのあらゆる
内燃機関に適用することが可能である。
【0047】図1は、第1実施例の排気ガス浄化装置を
装着したディーゼルエンジン10の概略構成を示した説
明図である。ディーゼルエンジン10は、いわゆる4気
筒エンジンであり、#1ないし#4の4つの燃焼室を有
している。各燃焼室には燃料噴射弁14および吸気管1
2が接続されており、吸気管12の上流側にはエアクリ
ーナ26が設けられている。ディーゼルエンジン10
は、エアクリーナ26から吸気管12を介して燃焼室内
に空気を吸い込み、燃料噴射弁14から燃焼室内に噴射
した燃料を燃焼室内で燃焼させて、このとき発生する燃
焼圧力を機械的な仕事に変換して出力として取り出して
いる。燃焼室内で空気と燃料とを燃焼させることで生じ
た排気ガスは、排気管16から外部に排出される。
【0048】排気管16と吸気管12とは、EGR通路
60を介して連通しており、排気管16内から排気ガス
の一部を、吸気管12内に導入可能となっている。EG
Rとは、Exhaust Gas Recirculation の略語であって、
排気ガスの一部を吸気側に還流させることを言う。EG
R通路60にはEGR弁62が設けられており、このE
GR弁62の開度を調整することで、吸気管12内に還
流させる排気ガス量を制御することが可能である。
【0049】排気管16内には、#1ないし#4の各燃
焼室毎に捕集フィルタ100が設けられている。ディー
ゼルエンジン10の排気ガス中に含まれている含炭素浮
遊微粒子は、排気ガスが捕集フィルタ100を通過する
際にフィルタ上に捕集される。捕集フィルタ100の構
造については後述する。
【0050】排気管16内には、それぞれの捕集フィル
タ100の下流側に排気絞り弁32が設けられており、
それぞれの排気絞り弁32はアクチュエータ34に接続
されている。各アクチュエータ34を駆動して排気絞り
弁32を開閉することで、捕集フィルタ100毎に排気
通路を開閉することが可能である。また、吸気管12内
にも、各燃焼室毎に吸気絞り弁36が設けられており、
それぞれの吸気絞り弁36はアクチュエータ38に駆動
されて、各絞り弁毎に開閉可能となっている。
【0051】それぞれの捕集フィルタ100の上流側に
は圧力センサ40が設けられている。これら圧力センサ
40の出力に基づいて、捕集フィルタ100の上流側で
の排気管内圧力をフィルタ毎に検出することが可能であ
る。同様に、捕集フィルタ100の下流側にも圧力セン
サ42が設けられており、捕集フィルタ100の下流側
での排気管内圧力を検出することができる。また、アク
セルペダルにはアクセルポジションセンサ48が設けら
れており、アクセル開度θacを検出する。
【0052】エンジン制御用ECU30は、CPUや、
RAM、ROM、タイマなどがバスを介して相互にデー
タをやり取り可能に接続された構成となっている。この
ようなエンジン制御用ECU30は、エンジン回転速度
Neや、アクセル開度θacといったエンジンの運転条件
を検出し、運転条件に応じて、燃料供給ポンプ18や、
燃料噴射弁14、EGR弁62などを適切に制御してい
る。エンジン回転速度Neは、エンジンのクランクシャ
フトの先端に設けたクランク角センサ46の出力に基づ
いて検出する。排気管16に捕集フィルタ毎に装着され
た各圧力センサ40の出力や、圧力センサ42の出力
も、エンジン制御用ECU30に入力されている。
【0053】図2は、捕集フィルタ100の構造を示し
た説明図である。図2(a)は、捕集フィルタ100を
排気ガスが流入する側から見た正面図であり、図2
(b)は側断面図である。図示するように、捕集フィル
タ100は、いわゆるハニカム構造をしたコージライト
製のセラミックスフィルタである。本実施例の捕集フィ
ルタ100には、白金系の貴金属触媒(例えば白金P
t、パラジウムPd、ロジウムRhなどを活性元素とす
る触媒)が担持されている。ハニカム構造の内部には、
排気ガスが通過する多数の通路102が形成されてお
り、これら通路の上流側あるいは下流側の一端には、図
示するように互い違いに目止め104が設けられてい
る。図2では、目止め104をハッチングを付して示し
ている。
【0054】排気ガスが、図2(b)の左側から流れて
くると、上流側に目止め104が設けられていない通路
102から、捕集フィルタ100内に流入する。しか
し、その通路の下流側は目止め104で閉塞されている
ので、図2(b)に矢印で示すように、通路102の隔
壁106を通って、下流側に目止め104のされていな
い通路102に抜けて行く。コージライトは焼成持に内
部に多孔質構造が形成されており、排気ガスが隔壁10
6内の多孔質構造を通過する際に、排気ガス中の含炭素
浮遊微粒子などが捕集される。排気ガス温度がある程度
の温度に達していれば、担持された貴金属触媒に働きに
より、捕集された微粒子を燃焼させることができる。
【0055】A−2.エンジン制御の概要:図3は、エ
ンジン制御用ECU30が行うエンジン制御ルーチンの
概要を示すフローチャートである。かかる制御ルーチン
は、エンジンに始動用キーが挿入されて電源が「オン」
状態になると開始される。
【0056】エンジンに挿入されたキーが始動位置まで
回されたことを検出すると、エンジン制御用ECU30
はエンジン始動制御を開始する(ステップS10)。か
かる処理では、スタータモータでエンジンをクランキン
グしつつ、適切なタイミングで燃料を噴射してエンジン
を始動させる。エンジンの始動に際しては、吸気温度や
エンジン水温を検出し、エンジンの始動が困難なほど温
度が低い場合には、吸入空気や燃焼室をヒータで適宜加
熱する。噴射した燃料が燃焼室内で燃焼すると、大きな
トルクが発生してエンジン回転速度が上昇していき、エ
ンジン制御用ECU30は、エンジン回転速度が所定の
回転速度に達したことを検出してエンジン始動制御を終
了する。尚、本実施例では、エンジンの回転速度をクラ
ンク角センサ46の出力に基づいて算出している。
【0057】エンジンの始動制御が終了すると、エンジ
ン運転条件を検出する(ステップS12)。エンジンの
運転条件を規定する主なパラメータは、エンジン回転速
度Neおよびアクセル開度θacであり、その他の補助的
なパラメータとして、吸入空気温度やエンジン冷却水
温、燃料温度、吸気圧力などを使用している。ステップ
S12ではこれらパラメータを検出する。
【0058】エンジンの運転条件を検出すると、続い
て、堆積している含炭素浮遊微粒子を燃焼させる処理、
すなわち再生処理を行うフィルタを設定するための処理
を開始する(ステップS14)。すなわち、装着されて
いる複数の捕集フィルタ100には、含炭素浮遊微粒子
が必ずしも同じように堆積するわけではなく、従って、
すべての捕集フィルタに同時に再生処理を行う必要はな
い。そこで、ステップS14では、複数の捕集フィルタ
の中から、再生処理を行う必要のある捕集フィルタを再
生フィルタとして設定するのである。再生フィルタ設定
処理の詳細については後述する。
【0059】エンジン制御用ECU30は、こうして再
生フィルタを設定した後、燃料噴射制御を行う(ステッ
プS16)。燃料噴射制御は、エンジンの運転条件に応
じて、適切な量の燃料を、適切なタイミングで噴射する
制御であり、制御の概要は次のようなものである。先
ず、エンジン回転速度Neとアクセル開度θacとに基づ
いて基本となる燃料噴射量および燃料噴射タイミングを
算出する。次いで、この値に、吸入空気温度や、エンジ
ン冷却水温、燃料温度などの影響を考慮した補正を行っ
て、エンジン運転条件に応じた最適な噴射量と最適な噴
射タイミングとを算出する。こうして算出した噴射量お
よびタイミングで燃料を噴射するよう、燃料供給ポンプ
18と燃料噴射弁14とを制御する。
【0060】具体的には、基本燃料噴射量および基本燃
料噴射タイミングが、エンジン回転速度Neおよびアク
セル開度θacに対するマップとして、エンジン制御用E
CU30に内蔵されたROMに記憶されている。また、
吸入空気温度やエンジン冷却水温などの各種の補正係数
も、エンジン制御用ECU30内のROMにマップとし
て記憶されている。エンジン制御用ECU30は、こう
したマップを参照することにより、エンジン運転条件に
応じて適切な燃料噴射量、噴射タイミング、および各種
補正係数を取得し、これらに基づいて最適な燃料噴射量
および燃料噴射タイミングを算出し、燃料供給ポンプ1
8および燃料噴射弁14を制御する。
【0061】こうして燃料噴射制御を終了すると、続い
てエンジン制御用ECU30は、EGR制御を開始する
(ステップS18)。EGRとは、前述したように、排
気ガスの一部を吸気管内に意図的に戻してやることを言
う。排気ガスの一部を吸気管内に還流させれば燃焼室内
で燃焼する燃料の火炎温度が低下するので、排気ガス中
の窒素酸化物の濃度を減少させることができる。反面、
排気ガスの還流量が多くなると燃焼が不安定になるなど
の弊害が生じるので、エンジンの運転条件に応じて、排
気ガスの還流量が最適となるように制御してやる必要が
ある。EGR制御ではEGR弁62の開度をエンジンの
運転条件に応じて設定することにより、排気ガスの還流
量が適切な値となるように制御する。具体的には、エン
ジン制御用ECU30内のROMには、EGR弁62の
適切な開度がエンジンの運転条件に対するマップとして
記憶されており、エンジン制御用ECU30はかかるマ
ップを参照することにより、EGR弁62の開度をエン
ジン運転条件に応じた適切な開度に設定している。
【0062】以上のようにしてEGR制御を終了した
ら、エンジンに挿入されている始動用キーが「オフ」位
置まで戻されているか否かを検出し(ステップS2
0)、「オフ」位置まで戻されていなければ、再びステ
ップS12に戻ってエンジン運転条件を検出し、検出し
た運転条件に応じて、続く一連の処理を行う。エンジン
制御用ECU30は、始動用キーが「オフ」位置に戻さ
れるまで、上述した処理を繰り返す。その結果、エンジ
ンは運転条件の変化に応じて、常に最適に制御されるこ
とになる。
【0063】A−3.捕集フィルタの再生動作:図4
は、上述したエンジン制御ルーチン中で、エンジン制御
用ECU30が行う再生フィルタ設定処理の流れを示す
フローチャートである。こうした処理を行うことによ
り、堆積した含炭素浮遊微粒子を燃焼させるフィルタが
設定され、設定されたフィルタの再生が行われる。以
下、図4のフローチャートに従って説明する。
【0064】再生フィルタ設定処理を開始すると、先ず
はじめに、変数Nの値を「1」に初期化する(ステップ
S100)。ここで、変数Nの意味するところについて
説明する。前述したように、本実施例のディーゼルエン
ジン10には、複数の捕集フィルタ100が設けられて
いる。エンジン制御用ECU30は、それぞれの捕集フ
ィルタ100に通し番号を付して個々の捕集フィルタ1
00を識別している。図1に示した例では、ディーゼル
エンジン10には4つの捕集フィルタ100が装着され
ており、エンジン制御用ECU30は、それぞれの捕集
フィルタ100に「1」〜「4」までの識別番号を付与
することで個々のフィルタを識別している。変数Nは、
これら捕集フィルタの識別番号を示している。ステップ
S100では、先ず初めに識別番号「1」番の捕集フィ
ルタ100に着目して後述する処理を行うべく、変数N
を「1」に初期化しているのである。
【0065】次いで、着目している識別番号「1」番の
捕集フィルタが、再生フィルタに設定されているか否か
を判断する(ステップS102)。エンジン制御用EC
U30は、再生中の捕集フィルタの識別番号を記憶して
おり、識別番号「1」番の捕集フィルタ100が再生フ
ィルタに設定されているか否かを容易に判断することが
できる。
【0066】着目している識別番号「1」の捕集フィル
タ100が再生中でない場合は(ステップS102:n
o)、その捕集フィルタ100の前後での排気管内の差
圧を検出する(ステップS104)。図1を用いて前述
したように、各捕集フィルタ100の上流側には、それ
ぞれに圧力センサ40が設けられており、また捕集フィ
ルタ100の下流側にも圧力センサ42が設けられてい
る。ステップS104では、これらセンサの出力から捕
集フィルタ100前後での差圧を検出する。
【0067】次いで、こうして検出した差圧に基づい
て、着目している識別番号「1」番の捕集フィルタ10
0の再生が必要か否かを判断する(ステップS10
6)。すなわち、差圧が所定の閾値以上となっている場
合は、着目している捕集フィルタ上に多量の含炭素浮遊
微粒子が堆積しているものと考えられるので、これらを
微粒子を燃焼させるべく、再生処理を要すると判断す
る。逆に、着目している捕集フィルタ前後での差圧が所
定の閾値以下である場合は、その捕集フィルタ100に
ついては再生処理は不要と判断する。
【0068】こうして着目している識別番号「1」番の
捕集フィルタ100について、再生処理を要すると判断
した場合は(ステップS106:yes)、該捕集フィ
ルタ100を再生フィルタに設定した後(ステップS1
08)、識別番号「1」番の捕集フィルタ100に対応
付けられたタイマを「ON」にして、再生時間の計測を
開始する(ステップS110)。エンジン制御用ECU
30には、捕集フィルタ100毎にタイマが設けられて
おり、ステップS110では、着目している識別番号
「1」のフィルタに対応するタイマを「ON」に設定す
るのである。
【0069】次いで、着目している識別番号「1」番の
捕集フィルタ100の下流側に設けられた排気絞り弁3
2、およびその捕集フィルタ100の上流側の燃焼室に
設けられた吸気絞り弁36を、所定開度まで閉弁する
(ステップS112)。より詳しくは、エンジン制御用
ECU30からの信号に基づいてアクチュエータ34,
38が動作し、排気絞り弁32、吸気絞り弁36が所定
開度まで閉弁される。こうして排気絞り弁32および吸
気絞り弁36を閉じてやることで、後述するように、捕
集フィルタに堆積している含炭素浮遊微粒子を燃焼さ
せ、捕集フィルタを再生させることができる。
【0070】尚、本実施例では、排気絞り弁32および
吸気絞り弁36を同時に閉じるものとして説明するが、
排気絞り弁32、あるいは吸気絞り弁36いずれか一方
のみを閉弁することとしてもよい。後述するように排気
絞り弁32,あるいは吸気絞り弁36のいずれか一方を
絞るだけでも排気ガス温度を上昇させることが可能であ
る。この場合、排気絞り弁32あるいは吸気絞り弁36
のいずれか一方のみを設ければよいので、簡素な構造と
することが可能となって好ましい。
【0071】こうして、着目している捕集フィルタ10
0についての排気絞り弁32および吸気絞り弁36を閉
弁したら、変数Nが「4」に達しているか否かを判断す
る(ステップS114)。図1に示したように、本実施
例のディーゼルエンジン10では、捕集フィルタ100
を4つ備えているので、変数Nが「4」に達していれ
ば、すべての捕集フィルタ100について再生フィルタ
設定処理を終了したことになる。逆に、変数Nが「4」
に達していなければ、未だ処理を行っていない捕集フィ
ルタ100が残っていることになる。ここでは、変数N
の値は「1」であり、識別番号「2」ないし「4」番の
捕集フィルタ100については、まだ再生フィルタ設定
処理を行っていないので、変数Nの値を「1」だけ増加
させた後(ステップS116)、ステップS102に戻
って、今度は識別番号「2」番の捕集フィルタについて
続く一連の処理を開始する。尚、エンジンに、より多数
(例えばM個)の気筒が設けられている場合は、ステッ
プS114の処理では、変数Nを「4」と比較するので
はなく、「M」と比較することになるのは言うまでもな
い。
【0072】一方、ステップS102において、着目し
ている識別番号「1」番の捕集フィルタ100が、既に
再生フィルタに設定されていると判断された場合は(ス
テップS102:yes)、その捕集フィルタは現在、
再生中であることから以降の処理は省略し、変数Nが
「4」に達していないことを確認して(ステップS11
4)、変数Nの値を「1」だけ増加させた後(ステップ
S116)、今度は識別番号「2」の捕集フィルタにつ
いての処理を開始する。同様に、ステップS106で
「no」と判断された場合、すなわち識別番号「1」の
捕集フィルタ100については、再生の必要が無いと判
断された場合にも、以降の処理は省略して、変数Nが
「4」に達していないことを確認し(ステップS11
4)、変数Nの値を「1」だけ増加させて、ステップS
102に戻って続く一連の処理を繰り返す。こうして、
識別番号「4」番の捕集フィルタについての処理が終了
するまで上述した処理を繰り返し、識別番号「4」のフ
ィルタについての処理が終了したら(ステップS11
4:yes)、再生フィルタ設定処理を抜けて、前述し
たエンジン制御ルーチンに復帰する。
【0073】エンジン制御ルーチンでは、再生フィルタ
設定処理から復帰すると、図3に示したように、燃料噴
射制御(図3のステップS16)、EGR制御(ステッ
プS18)、始動用キー位置の判定(ステップS20)
を行った後、再びステップS12に戻って、始動用キー
が「オフ」にされるまで、エンジン制御ルーチンを繰り
返し実行する。すなわち、前述した再生フィルタ設定処
理中で、再生フィルタに設定された捕集フィルタ100
については、排気絞り弁32および吸気絞り弁36が所
定開度まで閉じられた状態でエンジンが運転されること
になる。こうして排気絞り弁32あるいは吸気絞り弁3
6を閉弁した状態でエンジンを運転していると、後述す
るメカニズムにより、その捕集フィルタ100に流入す
る排気ガスの温度が上昇する。その結果、フィルタ上に
堆積している含炭素浮遊微粒子の燃焼が促進されて、や
がて捕集フィルタ100の再生が完了する。
【0074】本実施例のエンジン制御用ECU30で
は、捕集フィルタを再生フィルタとして設定すると(図
4のステップS108)、同時に対応するタイマを「O
N」にして再生時間の計測を開始する。タイマは所定時
間経過したら、エンジン制御用ECU30に対して割り
込みを発生させる。この割り込みを検出するとエンジン
制御用ECU30は、割り込みを発生させたタイマに対
応付けられている捕集フィルタの再生が終了したものと
判断して、再生フィルタの設定を解除するとともに、排
気絞り弁32および吸気絞り弁36を元の全開状態に戻
してやる。こうして再生フィルタの設定が解除される
と、その捕集フィルタ100は、それ以降、再生フィル
タ設定処理が行われるたびにフィルタ前後の差圧が検出
される。差圧が次第に上昇して所定の閾値を超えると、
再び再生フィルタとして設定されて、上述した方法でフ
ィルタの再生が行われることになる。
【0075】尚、以上の説明では、エンジン制御用EC
U30に設けられたタイマを用いて、捕集フィルタの再
生時間を計測するものとして説明したが、再生時間を計
測する代わりに、エンジンのサイクル数をカウントした
り、あるいは燃料噴射量をカウントして、これらが所定
値に達したらフィルタの再生が終了したと判断すること
も可能である。
【0076】ここで、排気絞り弁32あるいは吸気絞り
弁36を所定開度に閉弁することで、排気ガス温度を上
昇させることができる理由について説明する。先ず、排
気絞り弁32を閉弁することで排気ガス温度が上昇する
のは、いわゆる「内部EGR」と呼ばれる現象によるも
のである。内部EGRとは、排気ガスが燃焼室を経由し
て吸気側に還流する現象である。通常のEGRでは、排
気ガスが排気側から燃焼室外部のEGR通路60を経由
して吸気側に還流するのに対して、外部のEGR通路で
はなく燃焼室内部を経由して排気ガスが吸気側に還流す
ることから、内部EGRと呼ばれる。このような内部E
GRは、排気管内圧力の増加に伴って顕著になる。すな
わち、エンジンには、排気バルブと吸気バルブとが同時
に開いている期間(いわゆるバルブオーバーラップ期
間)が存在しており、排気管内圧力が高くなると、この
わずかな期間に、排気管内の排気ガスが排気側から燃焼
室を経由して吸気管内に逆流する。このことから、排気
絞り弁32を所定開度まで閉じてやれば、排気管内圧力
が上昇し、その分だけ内部EGR量が増加することにな
る。
【0077】こうして内部EGR量が増加すると、次の
ようなメカニズムによって、排気ガス温度が上昇する。
すなわち、燃焼室内に燃料を噴射して空気とともに燃焼
させると、燃焼熱の一部はエンジンを動かすための機械
仕事に変換され、残りの燃焼熱は冷却水や排気ガスの温
度を上昇させて外部に排出される。ここで、燃焼熱によ
って高温となった排気ガスが吸気側に還流すれば、排気
ガスに暖められて吸気管内の空気の温度が上昇する。こ
うして暖められた空気を吸入すれば、燃焼によって生じ
た排気ガスの温度もその分だけ高温になり、高温になっ
た排気ガスを吸気側に還流させれば、吸気側の温度が更
に上昇する。その結果、排気ガス温度もより一層高くな
る。すなわち、EGRを行って排気ガスの一部を吸気に
還流させることにより、EGRを行わなければ排気ガス
とともに捨てられる燃焼熱の一部が、排気側から吸気側
に戻って再び排気されるループの中に次第に蓄積されて
いき、その結果として、排気ガス温度が上昇するのであ
る。排気ガスの還流量が多くなれば、それだけ排気ガス
の温度が上昇する度合いも大きくなる。
【0078】尚、以上の説明では、内部EGRはバルブ
オーバーラップ期間に生じるものとして説明したが、バ
ルブオーバーラップ期間が存在しない場合でも、排気管
内圧力が増加すれば内部EGRが発生する。これは、次
のように考えれば容易に理解することができる。排気管
内圧力が高い状態は、燃焼室から排気管に排気ガスが排
出され難くなっている状態と考えることができる。換言
すれば、排気バルブが開いているのに、排気管内圧力が
高い分だけ排気ガスが燃焼室内に留まっていると考える
ことができる。こうして燃焼室内に残った排気ガスは、
次の吸気行程で流入する空気を暖めるので、実質的には
内部EGRが発生しているのと同じことになる。
【0079】以上の説明から明らかなように、排気絞り
弁32を所定開度まで閉弁してやれば、排気抵抗の増加
に伴って排気管内圧力が増加するので、内部EGR量が
増加し、その結果、排気ガス温度が上昇するのである。
【0080】次に、吸気絞り弁36を所定開度に閉弁す
ることで、排気ガス温度を上昇させることができる理由
について説明する。吸気絞り弁36を閉弁することで排
気ガス温度が上昇するのは、吸入する空気量が減少する
ことによる。すなわち、前述したように、燃焼室内で燃
料が燃焼することで生じた燃焼熱は、一部が機械仕事に
変換され、変換されずに残った熱は、冷却水あるいは排
気ガスとともに捨てられる。ここで、吸気絞り弁36を
絞って燃焼室内に流入する空気量を減少させれば、発生
する排気ガス量が少なくなり、その分だけ、暖められる
ガス量が少なくなる。その結果、排気ガスの温度は高温
となるのである。
【0081】以上に説明したように、本実施例の排気ガ
ス浄化装置を適用したディーゼルエンジン10において
は、捕集フィルタ100の前後差圧を検出して(図4の
ステップS104)、捕集フィルタの再生の要否を判断
する(図4のステップS106)。そして、再生を要す
ると判断された場合には、該捕集フィルタ100の下流
側に設けられた排気絞り弁32と、該捕集フィルタ10
0に排気ガスを排出している燃焼室の吸気管内に設けら
れた吸気絞り弁36とを所定開度まで閉弁する(図4の
ステップS112)。再生を要しない捕集フィルタ10
0についての排気絞り弁32や吸気絞り弁36について
は、全開状態のままとしておく。こうすれば、再生を要
する捕集フィルタ100に流入する排気ガス温度だけを
上昇させることができる。こうして排気ガス温度を上昇
させれば、フィルタ上に堆積している含炭素浮遊微粒子
の燃焼を促進させて、捕集フィルタを再生させることが
できる。
【0082】また、通常、排気絞り弁32を閉弁すれば
排気抵抗が増加し、また吸気絞り弁36を閉弁すれば吸
気抵抗が増加するので、その分だけ機関性能あるいは燃
料消費効率の低下を引き起こす。これに対して上述した
排気ガス浄化装置においては、再生を要する捕集フィル
タについてのみ、排気絞り弁32あるいは吸気絞り弁3
6を閉弁しているので、そのことによる機関性能や燃料
消費効率の低下を最小限に抑制することが可能である。
【0083】更に、上述した実施例においては、再生す
べき捕集フィルタについての排気絞り弁32および吸気
絞り弁36を同時に閉弁しているので、排気側あるいは
吸気側のいずれか一方の絞り弁を閉弁する場合に比べ
て、排気ガス温度を速やかに上昇させることができる。
【0084】また、吸気絞り弁36を閉弁すれば、絞り
弁の下流側の吸気管12内部の圧力が減少する。このこ
とから、排気絞り弁32を閉弁して排気管内圧力を増加
させるとともに、吸気絞り弁36を閉弁して吸気管内圧
力を減少させれば、効率よく内部EGRが発生するの
で、弁開度をわずかに閉弁するだけで排気ガス温度を上
昇させることが可能となる。
【0085】A−4.変形例:上述した第1実施例には
種々の変形例が存在している。以下、これら変形例につ
いて簡単に説明する。
【0086】(1)第1の変形例:上述した第1実施例
では、捕集フィルタ100の上流側と下流側とに圧力セ
ンサ40,42を設けておき、これらの出力に基づいて
捕集フィルタ前後での差圧を検出するものとして説明し
た。もっとも、捕集フィルタ100の上流側にのみ圧力
センサ40を設けることとして、所定運転条件における
捕集フィルタ上流側の圧力を検出し、該圧力に基づいて
捕集フィルタの再生要否を判断することも可能である。
すなわち、エンジンの運転条件を固定して考えれば、捕
集フィルタ100の通気抵抗が高くなるほど、フィルタ
上流側の排気管内圧力は増加する。このことから、含炭
素浮遊微粒子が堆積していない捕集フィルタ100を装
着した状態で、所定のエンジン運転条件におけるフィル
タ上流側の排気管内圧力を、初期圧力として計測してお
き、同じエンジン運転条件で計測した捕集フィルタ上流
側での排気管内圧力が、初期圧力よりも所定値以上高く
なったときに、フィルタの再生を要すると判断すること
も可能である。こうすれば、捕集フィルタ100の下流
側には圧力センサ42を設ける必要がないので、その分
だけ簡素な構造とすることができるので好適である。
【0087】(2)第2の変形例:上述した第1実施例
の排気ガス浄化装置においては、それぞれの捕集フィル
タ100の前後差圧から、捕集フィルタ100に堆積し
ている含炭素浮遊微粒子量を推定し、推定結果に基づい
て捕集フィルタの再生要否を判断した。これに対して、
捕集フィルタ100に堆積している含炭素浮遊微粒子量
を推定するのではなく、堆積量を見込んで捕集フィルタ
の再生を行うという簡便な方法を用いることとしてもよ
い。すなわち、複数設けられた捕集フィルタ100の中
で、含炭素浮遊微粒子が堆積しやすい捕集フィルタは、
通常、決まっていることがある。例えば、いわゆる直列
4気筒エンジンでは、エンジンの両端に位置する1番気
筒あるいは4番気筒から排出される排気ガスは、エンジ
ンの中央にある2番気筒や3番気筒の排気ガスに比べて
外部からの冷却を受け易く、排気ガス温度が低くなる場
合がある。そのため1番気筒や4番気筒からの排気ガス
が流入する捕集フィルタ100は、他の捕集フィルタ1
00に比べて含炭素浮遊微粒子が堆積し易くなっている
場合がある。
【0088】このように、含炭素浮遊微粒子の堆積し易
い捕集フィルタ100が予め分かっている場合は、これ
らの捕集フィルタについては、例えばエンジンを所定時
間運転するたびに再生し、微粒子の比較的堆積し難い捕
集フィルタについては、堆積し易い捕集フィルタを所定
回数再生する毎に1回の割合で再生することとしてもよ
い。尚、微粒子が堆積し易いフィルタについては、エン
ジンの運転時間に変えて、エンジンのサイクル数をカウ
ントし所定サイクルに達する毎に再生したり、あるいは
エンジンが車両に搭載されている場合は車両の走行距離
が所定距離に達する毎に再生することとしてもよい。微
粒子の堆積し易い捕集フィルタを再生する頻度、あるい
は堆積しにくい捕集フィルタを再生する頻度は、適切な
値を実験的に予め設定しておけばよい。
【0089】このように、捕集フィルタに堆積している
含炭素浮遊微粒子量を検出せずに、単なる見込みに基づ
いて再生する場合、前述した第1実施例に比べれば、微
粒子の堆積量を検出しない分だけ、安全を見込んで捕集
フィルタの再生頻度を増やさなければならないが、その
場合でも、含炭素浮遊微粒子が堆積し易い捕集フィルタ
と堆積し難い捕集フィルタとで再生頻度に差を付けてや
れば、すべての捕集フィルタを同時に再生する場合に比
べて、機関性能あるいは燃料消費効率の低下を抑制する
ことが可能となるので好ましい。
【0090】尚、かかる第2の変形例においては、含炭
素浮遊微粒子が堆積し易い捕集フィルタについては、排
気管内圧力を検出してフィルタの再生要否を判断し、微
粒子の堆積し難いフィルタについては、堆積し易い捕集
フィルタを所定回数再生する毎に1回の割合で再生する
こととしても構わない。こうして含炭素浮遊微粒子が堆
積し易い捕集フィルタについてだけでも、排気管内圧力
を検出すれば、捕集フィルタをより適切な頻度で再生す
ることが可能となる。
【0091】(3)第3の変形例:上述した第1実施例
においては、排気ガス温度を上昇させるために、排気絞
り弁32あるいは吸気絞り弁36を所定開度まで閉弁す
ることとしたが、もちろん、燃料の噴射時期を適正な時
期から遅角させたり、あるいは内燃機関の膨張行程中に
追加の燃料を噴射することとしてもよい。すなわち、フ
ィルタ前後での差圧が所定値以上となっている捕集フィ
ルタ100が検出されたら、その捕集フィルタ100の
上流側の燃焼室に関しては、燃料の噴射時期を遅らせた
り、あるいは所定のクランク角度で追加の燃料を噴射す
る。燃料の噴射時期を適正な時期より遅らせれば、燃焼
熱が機械仕事に効率よく変換されなくなるので、その分
だけ排気ガス温度が上昇する。また、膨張行程中に追加
の燃料を噴射した場合は、追加の燃料の燃焼熱は機械仕
事に有効に変換されず、主に排気ガス温度を上昇させる
に使われる。従って、こうして燃料噴射時期を遅角させ
たり、あるいは追加の燃料を噴射することによっても、
排気ガス温度を速やかに上昇させることが可能である。
尚、噴射時期を遅角させる場合は、変換効率が低下する
結果としてディーゼルエンジン10の出力が減少するの
で、これを補うために、燃料の噴射量を増量しておくこ
とが望ましい。同様に、膨張行程中に追加の燃料を噴射
する場合は、追加の燃料による熱の一部が機械仕事に変
換されてディーゼルエンジン10の出力が増加するの
で、これを補うために、本来の燃料の噴射量を減量して
おくことが望ましい。
【0092】B.第2実施例:以下に、第2実施例の排
気ガス浄化装置をディーゼルエンジン10に適用した実
施例について説明する。第2実施例は、前述の第1実施
例に対して、再生を要する捕集フィルタの検出方法と、
各燃焼室毎にEGR通路が設けられている点が大きく異
なっている。
【0093】B−1.装置構成:図5を参照することに
より、第2実施例の排気ガス浄化装置を適用したディー
ゼルエンジン10の構成について説明する。図示するよ
うに、第2実施例のディーゼルエンジン10では、各燃
焼室毎にEGR通路64およびEGR弁66が設けられ
ている。尚、図5では、排気ガスを捕集フィルタ100
の下流側から吸気管12に還流させているが、捕集フィ
ルタ100の上流側から還流させるものとしてもよい。
【0094】第2実施例のディーゼルエンジン10で
は、前述した第1実施例とは異なって圧力センサ44
が、吸気管12に1つだけ設けられている。第2実施例
の排気ガス浄化装置では、後述するようにクランク角セ
ンサ46の出力を併用することで、吸気管12内の圧力
変動から再生を要する捕集フィルタ100を検出するこ
とが可能である。
【0095】吸気管12の上流には電動のスロットル弁
70と、スロットル弁70を駆動するためのアクチュエ
ータ72とが設けられている。また、アクセルポジショ
ンセンサ48には、アイドルスイッチが内蔵されてお
り、ディーゼルエンジン10の操作者がアクセルから足
を離すとアイドルスイッチの接点が閉じるようになって
いる。
【0096】B−2.エンジン制御の概要:図6は、第
2実施例におけるエンジン制御ルーチンの流れを示した
フローチャートである。このルーチンに従ってエンジン
制御を実行する中で、捕集フィルタの再生が行われる。
以下、図6のフローチャートに従って説明する。
【0097】第2実施例のエンジン制御ルーチンも第1
実施例と同様に、エンジンに始動用キーが挿入されて電
源が「ON」状態になると開始される。エンジン制御用
ECU30はルーチンを開始すると、先ず初めにエンジ
ン始動制御を行う(ステップS200)。エンジン始動
制御の内容は前述した第1実施例における制御内容と同
様であり、ここでは説明は省略する。
【0098】エンジンが始動されると、アイドルスイッ
チが「ON」になっているか否かを判断する(ステップ
S202)。前述したように、アイドルスイッチはアク
セルペダルから足を離したときに接点が閉じてスイッチ
が「ON」となり、エンジンがアイドリング状態で運転
されていることを検出することができる。
【0099】アイドルスイッチが「ON」である場合は
(ステップS202:yes)、エンジンはアイドリン
グ状態で運転されていると考えられるので、複数の気筒
の中から、捕集フィルタの再生を要する気筒、すなわち
下流に設けられた捕集フィルタ100が目詰まり気味で
フィルタの再生が必要な気筒(再生気筒)を検出する処
理を開始する(ステップS204)。これに対してアイ
ドルスイッチが「ON」でない場合は(ステップS20
2:no)、再生気筒検出処理はスキップする。
【0100】第2実施例の排気ガス浄化装置において
は、各気筒の下流に設けられた捕集フィルタが目詰まり
しているか否かを、次のような原理に基づいて判断して
いる。捕集フィルタ100に含炭素浮遊微粒子が堆積し
てフィルタが目詰まりし始めると、その気筒は排気ガス
の排出が困難となるので、排気行程が終わっても気筒内
に排気ガスが残留してしまう。このような状態で吸気が
開始されても、気筒内に排気ガスが残留している分だけ
吸入できる空気量は少なくなってしまい、このような吸
入空気量の減少は吸気管内圧力の変動に現れることにな
る。
【0101】一例として、1番気筒の下流に設けられた
捕集フィルタ100が目詰まり気味となっており、他の
捕集フィルタ100は目詰まりしていない場合を考え
る。ここで、1番気筒とは、図5で#1と表示された燃
焼室の気筒である。4気筒エンジンではクランクシャフ
トが回転するに伴って、1番気筒、3番気筒、4番気
筒、2番気筒の順番で吸気が行われる。このことに対応
して、吸気管12内の圧力は、各気筒の吸気時に低くな
るように変動する。図7は、各気筒の吸気に伴って吸気
管12内に発生する圧力変動を概念的に示した説明図で
ある。図7の上部には各気筒の吸気行程期間を示してい
る。図示されているように、各気筒が吸気を行うタイミ
ングで大きな負圧が発生しているが、1番気筒の吸気で
発生する負圧の絶対値は、他の気筒の吸気で発生する負
圧の絶対値よりも小さくなっている。これは、1番気筒
の下流に設けられた捕集フィルタ100が目詰まり気味
で排気ガスが気筒内に残留しているため、吸気量が減少
したことによるものである。以上の説明から明らかなよ
うに、捕集フィルタ100が目詰まりし始めると、上流
側の気筒での吸入行程期間中に発生する負圧が減少する
ので、こうした負圧の減少から、目詰まりを起こしてい
る捕集フィルタ100を検出することができるのであ
る。再生気筒を検出する処理の詳細については後述す
る。
【0102】以上のようにして再生気筒(下流に設けら
れた捕集フィルタの再生を要する気筒)を検出したら、
エンジンの運転条件を検出する(図6のステップS20
6)。ここでは、エンジン運転条件として、エンジン回
転速度Ne、およびアクセル開度θacを検出し、その他
の補助的なパラメータとして、吸入空気温度やエンジン
冷却水温、燃料温度などを検出する。次いで、再生気筒
が存在するか否かを判断する(ステップS208)。す
なわち、ステップS204の処理で再生気筒が検出され
るとエンジン制御用ECU30に記憶されるので、再生
気筒が存在するか否かは容易に判断することができる。
【0103】再生気筒が存在しない場合は(ステップS
208:no)、通常のEGR制御および通常の燃焼噴
射制御を行う(ステップS216、S218)。これら
制御の内容は、前述した第1実施例の制御とほぼ同じで
ある。ただし、第2実施例では、EGR通路64および
EGR弁66が角気筒ごとに設けられていることから、
EGR制御が気筒ごとに独立して行われる点で、第1実
施例とは異なっている。以下、簡単に説明すると、ステ
ップS216のEGR制御では、エンジン運転条件に応
じた適切なEGR弁の開度を、各気筒ごとに設定する。
エンジン運転条件に対する適切なEGR弁開度は、エン
ジン制御用ECU30内のROMにマップの形式で記憶
されている。また、ステップS218の燃料噴射制御で
は、エンジン運転条件に応じて、燃料噴射量と燃料噴射
時期とを各気筒ごとに算出する。これらの算出にも、エ
ンジン制御用ECU30のROM内にマップの形式で記
憶されている基本燃料噴射量、基本燃料噴射時期、およ
び各種補正係数を読み出して用いられる。
【0104】一方、ステップS208において再生気筒
が存在していると判断された場合は、エンジンの運転条
件が捕集フィルタの再生可能領域にあるか否かを判断す
る(ステップS210)。図8は、捕集フィルタの再生
が可能な運転領域を概念的に示した説明図である。図中
にハッチングを付して示した領域が再生可能領域であ
る。このような領域が設けられているのは、本実施例
が、EGR量を増量して排気ガス温度を上昇させること
で、捕集フィルタを再生していることによる。すなわ
ち、EGR量を増量すれば、その分だけ吸入空気量が減
少するので、エンジンの出力が低下する傾向にある。そ
こで、アクセル開度が大きく、エンジンに大きな出力が
要求されている領域では捕集フィルタの再生は行わない
こととしているのである。また、エンジン回転速度が小
さく、かつアクセル開度が小さい領域では、EGR量を
増量すると燃焼室内での燃焼が不安定となって運転フィ
ーリングを悪化させることがあるので、このような領域
でも捕集フィルタの再生は行わないこととしているので
ある。
【0105】ステップS206で検出したエンジン運転
条件が、図8に示すような再生可能領域内にない場合は
(ステップS210:no)、再生気筒が存在していて
も再生を見送って、通常のEGR制御および通常の燃料
噴射制御を行う(ステップS216,ステップS21
8)。逆に、エンジン運転条件が再生可能領域内にある
場合は(ステップS210:yes)、再生気筒につい
ては専用のEGR制御を行う(ステップS212)。す
なわち、再生気筒については、EGR弁66の開度を通
常の弁開度よりも大きな値に設定するのである。より具
体的には、エンジン制御用ECU30内のROMには、
通常制御用のEGR弁開度と、再生制御用のEGR弁開
度とが、エンジン運転条件に対するマップとしてそれぞ
れに記憶されている。再生制御用のマップに記憶された
EGR弁開度は、通常制御用のマップのEGR弁開度よ
りも大きな値が設定されている。ステップS212の処
理では、再生気筒のEGR弁66については、再生制御
用のマップに記憶されたEGR弁開度を設定し、再生気
筒でない他の気筒については、通常制御用のマップに記
憶されたEGR弁開度を設定するのである。各気筒に設
けられたEGR弁66の開度がこのように設定される結
果、再生気筒については通常の条件よりも多量の排気ガ
スが還流することになる。
【0106】こうして再生気筒とそうでない気筒につい
て、それぞれにEGR弁開度を設定したら、続いて燃料
噴射制御を行う(ステップS214)。前述したよう
に、再生気筒については多量のEGRガスを還流させる
ので、燃焼室内での燃焼状態が変化し、それに伴って最
適な燃料噴射量および燃料噴射時期も、通常の気筒の設
定とは異なったものとなる。そこで、ステップS214
においては、再生気筒については専用の燃料噴射制御を
行い、その他の気筒については通常の燃料噴射制御を行
うのである。エンジン制御用ECU30のROMには、
再生制御用のマップと、通常の燃料制御用のマップとが
記憶されており、これらマップを参照することにより、
気筒ごとにEGR量に適合した燃料噴射量および燃料噴
射時期で燃料制御を行う。
【0107】以上のようにしてEGR制御を終了した
ら、エンジンに挿入されている始動用キーが「オフ」位
置まで戻されているか否かを検出し(ステップS22
0)、「オフ」位置まで戻されていなければ、再びステ
ップS202に戻って、続く一連の処理を行う。エンジ
ン制御用ECU30は、始動用キーが「オフ」位置に戻
されるまで、上述した処理を繰り返す。その結果、エン
ジンは運転条件の変化に応じて、常に最適に制御される
ことになる。また、再生気筒については、多量のEGR
ガスが還流され、前述したメカニズムによって排気ガス
温度が上昇する。その結果、下流の捕集フィルタ100
に堆積した含炭素浮遊微粒子の燃焼が促進され、所定時
間経過後には捕集フィルタの再生が完了する。そこで、
第2実施例の排気ガス浄化装置においては、後述する再
生気筒を検出する処理の中で、再生気筒を検出されると
タイマをセットし、再生時間の計測を行っている。こう
して所定時間経過したら再生を終了したものと判断し
て、再生気筒の設定を解除する。以下、再生気筒を検出
する処理について説明する。
【0108】図9は、再生気筒を検出する処理の流れを
示したフローチャートである。前述したように、この処
理は図6のエンジン制御ルーチン中でアイドルスイッチ
が「ON」になっていることを検出したときに、エンジ
ン制御用ECU30によって行われる。
【0109】再生気筒検出処理を開始すると、先ずはじ
めに吸気管12の上流に設けられているスロットル弁7
0を所定開度まで閉弁する(ステップS300)。こう
してスロットル弁70を所定開度まで閉弁してやれば、
各気筒の吸気行程に起因して吸気管12内に生じる負圧
が増大するので、負圧の検出が容易となる。
【0110】次いで、各気筒を識別するための変数Nの
値を「1」に初期化する(ステップS302)。変数N
に「1」を設定することは、1番気筒に着目して続く処
理を行うことを意味している。こうして、1番気筒から
順番に、再生気筒を検出する処理を行うのである。
【0111】次いで、着目している1番気筒が、再生気
筒に設定されているか否かを判断する(ステップS30
4)。後述するように、検出された再生気筒はエンジン
制御用ECU30に記憶されているので、1番気筒が再
生気筒に設定されているか否かは容易に判断することが
できる。再生気筒に設定されている場合は(ステップS
304:yes)、その気筒は再生中であると考えられ
る。そこで、以降の処理は省略して、変数Nが「4」に
達していないことを確認し(ステップS314)、変数
Nの値を「1」だけ増加させた後(ステップS31
6)、今度は識別番号「2」の気筒に着目して同様の処
理を開始する。尚、エンジンに、より多数(例えばM
個)の気筒が設けられている場合は、ステップS314
の処理では、変数Nを「4」と比較するのではなく、
「M」と比較することになるのは第1実施例と同様であ
る。
【0112】ステップS304で、着目している1番気
筒が、再生気筒に設定されていないと判断された場合に
は(ステップS304:no)、1番気筒の吸気行程中
に、吸気管12内に発生した最大負圧を検出する(ステ
ップS306)。すなわち、吸気管12に設けられた圧
力センサ44によって吸気管12内に発生する負圧を検
出し、1番気筒の吸気行程期間中に生じた最大負圧を検
出するのである。エンジン制御用ECU30は、クラン
ク角センサ46の出力に基づいて各気筒毎に適切なタイ
ミングで燃料を噴射しており、各気筒の吸気行程期間に
ついても正確に把握している。尚、ここでは、吸気行程
中の最大負圧の値を検出するものとして説明するが、こ
れに限らず、例えば、吸気行程中の所定のタイミングで
検出した負圧を用いたり、あるいは吸気行程中の所定期
間での平均負圧を用いることとしてもよい。
【0113】こうして1番気筒の吸気行程によって生じ
た最大負圧を検出したら、検出した負圧の絶対値が所定
の閾値より大きいか否かを判断する(ステップS30
8)。仮に、1番気筒からの排気ガスが流入する捕集フ
ィルタ100が目詰まりしていなければ、吸気管内には
所定の大きさの負圧が発生しているはずであり、逆に捕
集フィルタ100が目詰まり気味ならそれに応じて負圧
の絶対値が小さくなるはずである。このことから、検出
した最大負圧の絶対値と所定の閾値とを比較することに
より、1番気筒の下流の捕集フィルタ100が、目詰ま
りしているか否かを判断することができる。最大負圧の
絶対値が所定の閾値より小さければ(ステップS30
8:no)、1番気筒の下流に設けられた捕集フィルタ
100は目詰まりしていると考えられる。そこで、1番
気筒を、下流の捕集フィルタの再生が必要な気筒、すな
わち再生気筒としてエンジン制御用ECU30に設定し
た後(ステップS310)、1番気筒用のタイマを「O
N」に設定する(ステップS312)。エンジン制御用
ECU30の内部には、各気筒ごとにタイマが設けられ
ており、ステップS312では、1番気筒用のタイマを
「ON」として再生時間の計測を開始する。
【0114】これに対して、ステップS308におい
て、1番気筒の最大負圧が所定の閾値よりも大きいと判
断された場合は(ステップS308:yes)、下流に
設けられた捕集フィルタ100は目詰まりしていないと
考えられるので、それ以降の処理をスキップして、変数
Nの値が「4」か否かの判断を行う(ステップS31
4)。次いで、変数Nの値を「1」だけ増加させた後
(ステップS316)、ステップS302に戻って続く
一連の処理を繰り返す。こうして、識別番号「4」番の
気筒についての処理が終了するまで上述した処理を繰り
返し、識別番号「4」の気筒についての処理が終了した
ら(ステップS314:yes)、再生気筒検出処理を
抜けて、図6に示したエンジン制御ルーチンに復帰す
る。
【0115】こうして再生気筒についてはEGR量を増
量した状態でエンジンを運転すれば、前述したように、
排気ガス温度が上昇するので、所定時間の経過後には、
該気筒の下流に設けられた捕集フィルタ100が再生さ
れたものと考えられる。そこで、エンジン制御用ECU
30は、上述の再生気筒検出処理中で設定されたタイマ
が所定時間の計時を完了したときに発生させる割り込み
を受け付けると、該当する気筒については再生気筒の設
定を解除する。こうして再生気筒の設定が解除される
と、再び再生気筒に設定されるまで、通常のEGR制御
および通常の燃料噴射制御が行われることになる。
【0116】第2実施例の排気ガス浄化装置において
は、こうして各気筒ごとに捕集フィルタ100を再生す
ることができるので、再生に伴うエンジン性能や燃焼消
費効率の低下を抑制することが可能である。
【0117】尚、以上の説明では、エンジン制御用EC
U30に設けられたタイマを用いて、エンジンの運転時
間を計時するものとして説明したが、前述した第1実施
例と同様に、運転時間を計時する代わりに、エンジンの
サイクル数をカウントしたり、あるいは燃料噴射量をカ
ウントしてもよい。
【0118】また、上述した実施例では、目詰まりして
いる捕集フィルタ100を、吸気管内の圧力変動に基づ
いて検出したが、排気管内の圧力変動から検出すること
も可能である。すなわち、捕集フィルタ100の下流側
に圧力センサを設け、排気管内圧力を計測すると、各気
筒の排気行程と同期した圧力変動が計測される。これ
は、各気筒から排気ガスが排出されることに伴って、排
気管内の圧力が増加することによる。ここで、ある気筒
の捕集フィルタ100が目詰まり気味となっている場合
は、排気ガスが通りにくくなっている分だけ、その気筒
の排気行程中に現れる正圧が小さくなる。このことか
ら、各気筒について排気行程中の排気管内圧力の最大値
を検出して所定の閾値と比較し、検出した最大圧力が所
定の閾値より小さい場合には、その気筒の捕集フィルタ
が目詰まりしていると判断することも可能である。
【0119】また、上述した実施例では、吸気管12に
圧力センサ44を設けて吸気管内の圧力変動を検出した
が、エアフローセンサなどの出力から、吸気管内の流
速、あるいは各気筒が吸い込む空気量を検出してもよ
い。捕集フィルタ100が目詰まり気味の気筒について
は、吸入空気量が減少することから、吸気行程中の吸気
管内の流速も低下する。従って、各気筒ごとに吸気管内
流速や吸入空気量を検出することで、下流に設けられた
捕集フィルタが目詰まり気味か否かを判断することが可
能である。
【0120】C.第3実施例:上述の各種実施例では、
捕集フィルタ100は、図2に示すようなセラミックフ
ィルタであるとして説明したが、もちろん、これに限ら
ず周知の耐熱性のフィルタを用いることができる。以下
に説明する第3実施例では、セラミックフィルタの代わ
りに、後述する「自然再生機能」を有する金属不織布を
用いた捕集フィルタ200を用いている。
【0121】C−1.装置構成:図10は、第3実施例
の排気ガス浄化装置に用いられている捕集フィルタ20
0の構造を示す斜視図である。理解を容易にするため
に、一部分の断面をとって内部構造を拡大して表示して
いる。第3実施例の捕集フィルタ200は、円筒状のケ
ース202と、ケース202内に挿入されて外周をケー
スに溶接されたエレメント204とから構成されてい
る。エレメント204は、耐熱金属製の不織布206
と、同じく耐熱金属製の波板208とを重ねて、中心棒
210を芯にして円筒状に巻き付けたロール構造となっ
ている。第3実施例の捕集フィルタ200で用いるエレ
メント204は、外径が約55mm、長さが約40mm
のものを使用している。もちろん、これら寸法は、ディ
ーゼルエンジンの排気量や排気管16の内径などにあわ
せて、適宜変更することができる。
【0122】不織布206は波板208とともに巻き付
けられているので、不織布206同士の間隔は、波板2
08によって所定の間隔に保たれており、不織布206
と波板208との間には、中心棒210の軸方向に沿っ
て多数の通路が形成されている。エレメント204の両
側には、封止板212が溶接されている。封止板212
は、不織布206と波板208との間に形成された通路
を互い違いに閉塞して、排気ガスが不織布206を通過
する構造を形成する。
【0123】このような構造の捕集フィルタ200に排
気ガスが流れてくると、排気ガスは、先ず封止板212
の無い通路に流入する。しかし、通路の出口側は封止板
212で閉塞されているので、排気ガスは、出口側が封
止されていない隣の通路に向かって不織布206を通過
する。こうして排気ガスが不織布206を通過する際
に、排気ガス中の含炭素浮遊部粒子が不織布206によ
って捕集される。
【0124】ここで、第3実施例の排気ガス浄化装置で
用いられている不織布206は、繊維径10μm〜20
μm(より好ましくは13μm〜18μm)、細孔径5
μm〜50μm(より好ましくは10μm〜20μm)
の範囲の諸元を有するものが採用されている。ここで言
う繊維径とは、不織布を形成する金属繊維の平均直径を
示す。金属不織布は、無数の金属繊維が複雑に絡み合っ
て形成されており、金属繊維の間には、複雑に分岐した
3次元的な通路が形成されている。また、ここで言う細
孔径とは、金属繊維間に形成された通路断面の大きさを
表す指標であり、等価な断面積を有する円形通路の内径
(直径)を示している。
【0125】細孔径の値は、細孔径が小さくなるほど液
体の表面張力によって細孔が閉塞され易くなる現象に基
づいたWashburn の式から求めることができる。かかる
方法は、このような細孔径分布の計測方法として広く使
用されているので、ここでは説明を省略する。こうした
諸元を有する金属不織布を用いて捕集フィルタ200を
形成すれば、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子や炭化水素
系化合物を、排気ガス中の酸素と接触可能に分散した状
態で捕集することができる。このように、浮遊微粒子を
3次元的に分散した状態で捕集すると、後述するよう
に、捕集した微粒子がある程度の量に達した時点で自然
に着火して燃焼させることができる。本明細書では、こ
のような機能を自然再生機能と呼ぶ。第3実施例では、
上述の諸元を有する金属不織布で形成された捕集フィル
タ200を用いている。このため、例え捕集フィルタ2
00上の含炭素浮遊微粒子が堆積した場合でも、自然再
生機能を利用して、より簡便にフィルタを再生すること
が可能である。自然再生機能については後述する。
【0126】図11は、第3実施例の排気ガス浄化装置
を適用したディーゼルエンジン10の構成を示す説明図
である。第3実施例におけるディーゼルエンジン10
は、前述した第1実施例のディーゼルエンジン10に対
して、捕集フィルタとして自然再生機能を有する捕集フ
ィルタ200が採用されている点と、第1実施例のディ
ーゼルエンジン10で採用されていた吸気絞り弁36が
設けられておらず、排気絞り弁32のみが設けられてい
る点が大きく異なっている。詳細には後述するが、自然
再生機能を有する捕集フィルタ200を再生する場合、
排気絞り弁32を用いることで、効果的に再生すること
が可能となるので特に好ましい。以下では、第3実施例
の捕集フィルタ200が有する自然再生機能について簡
単に説明し、次いで、排気絞り弁32を用いて再生する
ことで捕集フィルタ200上に堆積した含炭素浮遊微粒
子を効果的に再生可能な理由について説明する。
【0127】C−2.捕集フィルタの有する自然再生機
能:図12は、本実施例の捕集フィルタ200が自然再
生を行う様子を概念的に示した説明図である。図12
(a)は、ディーゼルエンジン10の排気管16内に捕
集フィルタ200が装着されている様子を模式的に示し
ている。図7(b)は、ディーゼルエンジン10を一定
条件で運転しながら、フィルタ前後の差圧dPおよびフ
ィルタに流れ込む排気ガス温度Tg、フィルタ温度Tf
を計測して得られた結果を概念的に示す説明図である。
【0128】ディーゼルエンジン10の運転を開始する
と、排気ガス温度Tgおよびフィルタ温度Tfが直ちに
上昇して定常温度に達する。このとき、実際には、フィ
ルタ温度Tfは排気ガス温度Tgよりも高い値となる
が、説明を簡明にする観点から、ここでは2つの温度に
有意な差は無いものとして説明する。
【0129】捕集フィルタ200が新品の場合、フィル
タ前後の差圧dPは初めの間は次第に増加して行くが、
やがて一定値に安定する。フィルタ前後の差圧が一定値
に安定するのは、本実施例の捕集フィルタ200が、排
気ガス中の浮遊微粒子をフィルタ表面だけでなく、フィ
ルタ内部に3次元的に捕集するためである。差圧が安定
する値は主にフィルタの設計諸元によって変化するが、
代表的には新品時差圧の3倍ないし4倍程度の値となる
ことが多い。説明の便宜上、ディーゼルエンジン10の
運転を開始してから、フィルタ前後の差圧が安定するま
での期間を、「第1期」と呼ぶことにする。
【0130】フィルタ前後の差圧が安定した後、ディー
ゼルエンジン10をしばらく運転していると、排気ガス
温度Tgは変化しないにも関わらず、フィルタ温度Tf
が少しずつ上昇し始める。フィルタ温度Tfと排気ガス
温度Tgとの乖離は次第に大きくなり、ついにはフィル
タ温度Tfが550℃前後に達する。この間、ススなど
の含炭素浮遊微粒子および炭化水素系化合物がフィルタ
で捕集されることに伴って、フィルタ前後の差圧dPは
ごく僅かに増加する傾向にあるが、有意な増加量を計測
できない場合もある。
【0131】フィルタ温度Tfが上昇して550℃付近
に達すると、フィルタに捕集されたススなどの含炭素浮
遊微粒子が燃焼し始め、捕集した微粒子が全て燃焼する
と、フィルタ温度Tfは排気ガス温度Tg付近の温度ま
で速やかに低下する。排気ガス中のススなどが捕集され
ることによるフィルタ前後での差圧dPの増加を検出可
能な場合には、フィルタ上でススなどが燃焼するときに
差圧dPの低下を検出することができる。第1期が終了
した後に、フィルタ温度Tfが排気ガス温度Tgから次
第に乖離していき、再び排気ガス温度Tgに低下するま
での期間を「第2期」と呼ぶことにする。尚、第1期の
期間は第2期の期間に比べてかなり短いが、図7では表
示上の理由から、第1期の期間を第2期に対して実際よ
りも長く表示している。
【0132】フィルタに捕集されたススなどが燃焼し終
わって、フィルタ温度Tfが排気ガス温度Tg付近の温
度に低下しても、しばらくすると再びフィルタ温度Tf
が上昇し始め、やがて550℃に達して捕集したススな
どが燃焼する。このように、フィルタはいつまでも第2
期の状態に保たれて、排気ガス中に含まれるススなどの
捕集と燃焼とを繰り返す。以上が、捕集フィルタ200
の有する自然再生機能の第1の形態である。
【0133】排気ガス温度Tgが高い条件では、自然再
生機能の第2の形態が発現する。図12(c)は、図1
2(b)の条件に対して排気ガス温度が若干(代表的に
は50℃)高い条件でディーゼルエンジン10を運転し
たときの、フィルタ温度Tfおよびフィルタ前後の差圧
dPの推移を概念的に示した説明図である。排気ガス温
度に限らず、図12(b)の条件に対してスス濃度が若
干高くなるように変更した場合にも、同様の結果を得る
ことができる。
【0134】排気ガス温度Tgが高い条件では、図12
(c)に示すように、第2期の終了後、フィルタ温度T
fが排気ガス温度Tg付近まで低下することなく、若干
高い温度で安定する。第2期の終了後、フィルタ温度T
fが排気ガス温度Tgよりも高い温度で安定する期間を
「第3期」と呼ぶことにする。第3期では、ススなどの
捕集と燃焼とが局所的に繰り返されているか、あるいは
同時進行的に行われているものと予想される。このよう
に、自然再生機能の第2の形態では、浮遊微粒子の捕集
と燃焼とが並行して行われている。
【0135】以上に説明したように、本実施例の捕集フ
ィルタ200は、上述した所定諸元の不織布を使用して
いるために、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子や炭化水素
系化合物を分散した状態で捕集することができ、このた
め、捕集した微粒子を、特別な操作を行うことなく自然
に燃焼させることが可能である。捕集フィルタ200が
ススなどの微粒子を分散した状態で捕集することができ
るのは、以下に説明するメカニズムによって、微粒子を
不織布内部に積極的に取り込みながら捕集するためと思
われる。以下、現時点で推定される捕集メカニズムにつ
いて、簡単に説明する。
【0136】図13は、耐熱金属製の不織布断面の構造
を概念的に示した説明図である。図中の斜線を付した丸
印は、それぞれが不織布繊維の断面を示している。不織
布は、無数の繊維が複雑に絡み合って形成されていて、
内部には複雑に連通し合う3次元的な通路が無数に形成
されている。
【0137】図13(a)は、未だ新しい不織布の断面
構造を概念的に表示したものである。排気ガスは、上方
から下方に向かって流れるものとする。繊維の分布に疎
密があるために不織布表面には種々の大きさの開口部が
形成されているが、小さな開口部であっても排気ガスの
気体分子にとっては充分に大きいので、排気ガスは不織
布全面をほぼ均等に通過すると考えられる。図13
(a)では、不織布の繊維間を通過する排気ガスを、太
い矢印を用いて模式的に表示している。
【0138】排気ガスが不織布を通過すると、排気ガス
中に含まれるススなどの含炭素浮遊微粒子が繊維の間に
捕捉されて、次第に不織布表面の開口部が閉塞してい
く。このため、図13(b)に示すように、不織布表面
の小さな開口部はススなどの微粒子で閉塞されてしま
い、排気ガスは閉塞されずに残っている比較的大きな開
口部に集中する。この結果、不織布を通過する排気ガス
の流れは、表面に閉塞されずに残った大きな開口部から
始まる流れに集約されていく。図13(b)では、スス
などの微粒子を小さな黒丸で模式的に表示している。
【0139】排気ガスが集中して流れれば、それだけ流
速が増加して、通路内に大きな圧力勾配が発生する。こ
の現象を、流れが不織布の繊維と衝突して大きな圧力が
発生していると考えてもよい。前述したように、不織布
内部に形成されている通路は、複雑に連通し合っている
ので、集約されて流れる通路の圧力が高くなれば、直ぐ
に他の通路に分岐していく。このため、不織布前後の差
圧は所定値以上に増加することなく一定範囲に保たれ
る。
【0140】図13(c)は、主流が他の通路に分岐し
て流れる様子を概念的に示している。このように、不織
布内部で排気ガスの流れが分岐する結果、排気ガス中に
含まれるススなどの含炭素浮遊微粒子は、不織布の内部
全体で捕集されることになる。仮に、不織布内部のある
箇所がススで閉塞されたとしても、通路は3次元的に複
雑に連通し合っているので、直ぐに他の通路に分岐する
ことが可能である。すなわち、不織布内部では、ある箇
所がススなどによって閉塞しても、通路が自動的に切り
替わって排気ガスが新たな通路を流れるために、ススな
どが分散した状態で捕集されるものと考えられる。
【0141】以上説明したように、本実施例の捕集フィ
ルタ200は、捕集した排気ガス中の含炭素浮遊微粒子
と炭化水素系化合物とを、特別な操作を行うことなく自
然に燃焼させることができる。
【0142】第3実施例の排気ガス浄化装置で用いられ
ている捕集フィルタ200が、自然再生機能を発現させ
るメカニズムについては、まだすべてが解明されたわけ
ではないが、現時点で次のようなメカニズムによるもの
と考えられる。
【0143】ディーゼルエンジンの排気ガス中には、含
炭素浮遊微粒子や炭化水素系化合物が、図14に示すよ
うな割合で含まれていることが分かっている。すなわ
ち、おおまかに言えば、ススなどの含炭素浮遊微粒子
と、燃料に起因する炭化水素系化合物と、潤滑油に起因
する炭化水素系化合物とが、ほぼ同じ割合で含まれてい
る。ススなどの浮遊微粒子は、酸素を含んだ排気ガス雰
囲気中でも通常は550℃以上にならないと燃焼しない
と言われている。これに対して、燃料や潤滑油に起因す
る炭化水素系化合物は、酸素さえ供給されれば、550
℃より低い温度でも何らかの酸化反応が起こり得る。
【0144】本実施例の捕集フィルタ200では、所定
範囲の細孔径分布を有する金属不織布206を使用して
おり、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子と炭化水素系化合
物とを、不織布内部に3次元的に分散した状態で捕集す
る。このため、捕集された炭化水素系化合物の一部は、
排気ガス中の酸素が十分に供給される状態で捕集されて
おり、排気ガスの温度によってゆっくりとした酸化反応
(発熱反応)を開始して、フィルタ温度を次第に上昇さ
せる。この結果、含炭素浮遊微粒子および炭化水素系化
合物がある程度フィルタに捕集された時点でフィルタ温
度が550℃以上となり、フィルタ上の微粒子と炭化水
素系化合物とを一気に燃焼させることができるのであ
る。
【0145】以上に説明したように、本実施例の捕集フ
ィルタ200は自然再生機能を有しているので、含炭素
浮遊微粒子を捕集しながら、次第にフィルタ温度が上昇
して、ついには捕集したススなどの微粒子を自然に燃焼
させることができる。もっとも、排気ガス温度がきわめ
て低い条件や、あるいは含炭素浮遊微粒子量が多く、そ
の割に排気ガス中の酸素濃度が低い条件で長時間運転さ
れた場合などには、自然再生機能が十分に機能しない場
合が起こり得る。このような場合には、フィルタ上の含
炭素浮遊微粒子が堆積してしまうので、意図的に排気ガ
ス温度を上昇させて、堆積した含炭素浮遊部粒子を燃焼
させてやる必要がある。図11を用いて説明したよう
に、第3実施例の排気ガス浄化装置においては、捕集フ
ィルタ200の下流に排気絞り弁32が設けられてお
り、再生を要する捕集フィルタの排気絞り弁32を所定
開度まで閉弁することによって、フィルタの再生を行
う。こうした方法を用いて再生すれば、以下に説明する
ように、捕集フィルタ200の備える自然再生機能を活
用して、効果的に再生することが可能となる。
【0146】図15は、排気ガス温度を上昇させるため
の各種方法について、排気ガス温度の上昇量と、それに
伴う排気ガス中の酸素濃度の減少量を概念的に示したも
のである。図から明らかなように、図中にAと表示した
排気絞り弁を閉弁する方法は、図中にBと表示した吸気
絞り弁を閉弁する方法や、EGR量を増加する方法など
に比べて、酸素濃度の減少が少なくなっている。前述し
たように、自然再生機能は、排気ガス中の含炭素浮遊微
粒子と炭化水素系化合物とを分散した状態で捕集してお
き、これらと排気ガス中の酸素とを反応させることによ
って生じる現象である。従って、排気絞り弁32を閉弁
すれば、排気ガス中の酸素濃度をさほど減少させること
なく排気ガス温度を上昇させることができるので、捕集
フィルタ200の有する自然再生機能が活性化されて、
堆積している含炭素浮遊微粒子を効果的に燃焼させるこ
とが可能となるのである。尚、以上の説明では、排気絞
り弁32を絞ることによって排気ガス温度を上昇させる
ものとしたが、膨張行程に追加の燃料を噴射することと
してもよい。こうした方法でも、酸素濃度をさほど減少
させずに排気ガス温度を上昇させることが可能であり、
捕集フィルタ200の有する自然再生機能を活性化させ
て効果的に再生することができる。
【0147】以上、各種の実施例について説明してきた
が、本発明は上記すべての実施例に限られるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実
施することができる。
【0148】例えば、上述した各種実施例では、捕集フ
ィルタ100,200は各気筒ごとに設けられているも
のとして説明したが、図16に示すように、複数気筒に
1つの割合で捕集フィルタを設けることとしてもよい。
こうすれば、各気筒ごとに設ける場合に比べて、捕集フ
ィルタを広い空間に設けることができるので、フィルタ
の形状の自由度が増大して、より適切な形状のフィルタ
形状とすることが可能となるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の排気ガス浄化装置を適用したディ
ーゼルエンジンの構成を示す説明図である。
【図2】本実施例の排気ガス浄化装置に用いられている
捕集フィルタの構造を示す説明図である。
【図3】第1実施例の排気ガス浄化装置を適用したディ
ーゼルエンジンのエンジン制御ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図4】第1実施例の排気ガス浄化装置で行われる再生
フィルタ設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第2実施例の排気ガス浄化装置を適用したディ
ーゼルエンジンの構成を示す説明図である。
【図6】第2実施例の排気ガス浄化装置を適用したディ
ーゼルエンジンのエンジン制御ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図7】吸気行程中に吸気管内に生じる圧力変動を概念
的に示す説明図である。
【図8】捕集フィルタの再生可能領域を概念的に示す説
明図である。
【図9】第2実施例の排気ガス浄化装置で行われる再生
気筒検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第3実施例の排気ガス浄化装置に用いられて
いる捕集フィルタの構造を示す説明図である。
【図11】第3実施例の排気ガス浄化装置を適用したデ
ィーゼルエンジンの構成を示す説明図である。
【図12】第3実施例で用いられる捕集フィルタの自然
再生機能を概念的に示す説明図である。
【図13】第3実施例で用いられる捕集フィルタが含炭
素浮遊微粒子を分散した状態で捕集する様子を示す説明
図である。
【図14】ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれる
浮遊微粒子や炭化水素系化合物の組成を示す説明図であ
る。
【図15】排気ガス温度を上昇させる各種手法につい
て、排気ガス昇温量と排気ガス中の酸素濃度との関係を
概念的に示す説明図である。
【図16】本実施例の排気ガス浄化装置の変形例を示す
説明図である。
【符号の説明】
10…ディーゼルエンジン 12…吸気管 14…燃料噴射弁 16…排気管 18…燃料供給ポンプ 26…エアクリーナ 30…エンジン制御用ECU 32…排気絞り弁 34…アクチュエータ 36…吸気絞り弁 38…アクチュエータ 40…圧力センサ 42…圧力センサ 44…圧力センサ 46…クランク角センサ 48…アクセルポジションセンサ 60…EGR通路 62…EGR弁 64…EGR通路 66…EGR弁 70…スロットル弁 72…アクチュエータ 100…捕集フィルタ 102…通路 106…隔壁 200…捕集フィルタ 202…ケース 204…エレメント 206…金属不織布 208…波板 210…中心棒 212…封止板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/02 F01N 3/02 321H 3G092 321Z 4D048 B01D 53/94 3/10 A 4D058 F01N 3/10 3/24 E 3/24 N R S 7/00 Z 7/00 9/00 Z 9/00 F02D 9/02 Q F02D 9/02 361J 361 9/04 C 9/04 E 21/08 301D 21/08 301 F02M 25/07 570D F02M 25/07 570 570J 570M B01D 46/42 A // B01D 46/42 B 53/36 103C (72)発明者 大山 尚久 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 児玉 好正 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 Fターム(参考) 3G004 AA01 BA00 BA06 DA00 DA15 DA25 EA00 FA01 FA04 FA07 GA00 3G062 AA01 AA03 BA04 BA05 BA06 FA06 GA01 GA02 GA04 GA05 GA06 GA09 GA16 GA22 3G065 AA01 AA04 AA09 AA10 CA12 DA04 EA07 EA10 GA01 GA06 GA46 HA03 HA06 JA04 JA09 JA11 KA02 3G090 AA01 AA02 AA03 AA04 BA01 CA00 CA01 CA02 CB25 DA00 DA01 DA02 DA04 DA09 DA11 DA14 DA18 DA20 DB03 EA04 EA06 EA07 3G091 AA02 AA11 AA18 AA28 AB02 AB13 BA00 CB02 CB03 EA01 EA05 EA06 EA07 EA08 EA09 EA16 EA17 EA18 EA32 FA12 FB02 GA06 GA08 GB05W GB06W GB07W GB17X HA14 HA36 HA37 HB05 3G092 AA02 AA13 AA17 BB06 DC03 DC09 DC12 EA01 EA02 EA04 EA08 EA17 EC09 FA01 FA18 FA24 FA50 HA04Z HA06X HB01Z HB02X HD01X HD07X HD08Z HD09X HE01Z HE03Z HE05Z HE08Z HF08Z 4D048 AA14 AB01 AC02 BB02 BB14 BD02 CC38 CD05 DA01 DA02 DA03 DA05 DA06 DA07 DA08 DA10 DA20 4D058 JA32 JB06 KB02 MA41 MA52 PA04 PA05 SA08 TA11 UA25

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の燃焼室と、該燃焼室毎に設けられ
    た排気通路とを備える内燃機関に適用され、該内燃機関
    の排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置であって、 前記排気通路毎に設けられて前記排気ガス中の含炭素浮
    遊微粒子を捕集する捕集フィルタと、 前記捕集フィルタ上に堆積した含炭素浮遊微粒子を燃焼
    させて該捕集フィルタの再生を要する再生フィルタを、
    前記複数の捕集フィルタの中から検出する再生フィルタ
    検出手段と、 前記検出された再生フィルタの再生を行う捕集フィルタ
    再生手段とを備える排気ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記再生フィルタ検出手段は、 前記捕集フィルタの上流側での前記排気管内圧力と下流
    側での該排気通路内圧力との圧力差を、該捕集フィルタ
    毎に検出するとともに、 前記検出した圧力差が所定値以上の前記捕集フィルタ
    を、前記再生フィルタとして検出する手段である排気ガ
    ス浄化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記再生フィルタ検出手段は、 前記内燃機関が所定条件で運転されているときに、前記
    捕集フィルタの上流側での前記排気通路内圧力を該捕集
    フィルタ毎に検出するとともに、 前記検出した排気通路内圧力が所定値以上の前記捕集フ
    ィルタを、前記再生フィルタとして検出する手段である
    排気ガス浄化装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記再生フィルタ検出手段は、 前記内燃機関が所定条件で運転されているときに、前記
    捕集フィルタの下流側での前記排気通路内圧力を該捕集
    フィルタ毎に検出するとともに、 前記検出した排気管内圧力が所定値以下の前記捕集フィ
    ルタを、前記再生フィルタとして検出する手段である排
    気ガス浄化装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記再生フィルタ検出手段は、 前記内燃機関が所定条件で運転されているときに吸入空
    気量が所定の許容値以下となる燃焼室を再生燃焼室とし
    て検出する再生燃焼室検出手段を備えるとともに、 前記再生燃焼室の排気ガスが流入する前記捕集フィルタ
    を、前記再生フィルタとして検出する手段である排気ガ
    ス浄化装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記内燃機関は、前記複数の燃焼室に吸入される前記吸
    入空気を導くための吸気通路を備えており、 前記再生燃焼室検出手段は、 前記燃焼室が前記吸入空気を吸引することによって前記
    吸気通路内に生じさせる負圧を該燃焼室毎に検出すると
    ともに、 前記検出した負圧の絶対値が所定の許容値より小さな燃
    焼室を、前記再生燃焼室として検出する手段である排気
    ガス浄化装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記再生燃焼室検出手段は、前記再生燃焼室の検出を、
    前記内燃機関が無負荷条件で運転されているときに行う
    手段である排気ガス浄化装置。
  8. 【請求項8】 複数の燃焼室と、該燃焼室毎に設けられ
    た排気通路とを備える内燃機関に適用され、該内燃機関
    の排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置であって、 前記排気通路毎に設けられて前記排気ガス中の含炭素浮
    遊微粒子を捕集する捕集フィルタと、 前記捕集フィルタ上に堆積した含炭素浮遊微粒子を燃焼
    させて該捕集フィルタの再生を行う再生時期を、該捕集
    フィルタ毎に定められた所定の頻度で設定する再生時期
    設定手段と、 前記設定された再生時期に従って前記捕集フィルタ毎に
    前記再生を行う捕集フィルタ再生手段とを備える排気ガ
    ス浄化装置。
  9. 【請求項9】 請求項1または請求項8に記載の排気ガ
    ス浄化装置であって、 前記内燃機関は、 前記排気通路の通路抵抗を増加させる排気絞り手段を該
    排気通路毎に備えるとともに、 前記燃焼室内に燃料を噴射して動力を出力する機関であ
    り、 前記捕集フィルタ再生手段は、前記再生を行う捕集フィ
    ルタが設けられている前記排気通路の通路抵抗を、前記
    排気絞り手段によって増加させる手段である排気ガス浄
    化装置。
  10. 【請求項10】 請求項1または請求項8に記載の排気
    ガス浄化装置であって、 前記内燃機関は、 前記燃焼室に吸入空気を供給する吸気通路と、該吸気通
    路の通路抵抗を増加させる吸気絞り手段とを、該燃焼室
    毎に備えるとともに、 前記燃焼室内に燃料を噴射して動力を出力する機関であ
    り、 前記捕集フィルタ再生手段は、 前記再生を行う捕集フィルタに排気ガスを流入させる燃
    焼室を、前記複数の燃焼室の中から検出するとともに、 前記検出した燃焼室に設けられている前記吸気通路の通
    路抵抗を、前記吸気絞り手段によって増加させる手段で
    ある排気ガス浄化装置。
  11. 【請求項11】 請求項1または請求項8に記載の排気
    ガス浄化装置であって、 前記内燃機関は、 前記燃焼室に吸入空気を供給する吸気通路と、該吸気通
    路内に前記排気通路から排気ガスを還流させる還流手段
    とを、該燃焼室毎に備えるとともに、 前記燃焼室内に燃料を噴射して動力を出力する機関であ
    り、 前記捕集フィルタ再生手段は、 前記再生を行う捕集フィルタに排気ガスを流入させる燃
    焼室を、前記複数の燃焼室の中から検出するとともに、 前記検出した該燃焼室の前記吸気通路に還流される排気
    ガス量を、前記還流手段を制御して増量させる手段であ
    る排気ガス浄化装置。
  12. 【請求項12】 請求項1または請求項8に記載の排気
    ガス浄化装置であって、 前記内燃機関は、前記燃焼室内に燃料を噴射して動力を
    出力する機関であり、 前記捕集フィルタ再生手段は、前記再生を行う捕集フィ
    ルタに排気ガスを流入させる燃焼室を前記複数の燃焼室
    の中から検出し、該燃焼室に噴射される燃料を通常の噴
    射時期より遅らせて噴射する手段である排気ガス浄化装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項1または請求項8に記載の排気
    ガス浄化装置であって、 前記内燃機関は、前記燃焼室内に燃料を噴射して動力を
    出力する機関であり、 前記捕集フィルタ再生手段は、前記再生を行う捕集フィ
    ルタに排気ガスを流入させる燃焼室を前記複数の燃焼室
    の中から検出し、該燃焼室に追加の燃料を通常の噴射時
    期より遅れて噴射する手段である排気ガス浄化装置。
  14. 【請求項14】 請求項1または請求項8に記載の排気
    ガス浄化装置であって、 前記内燃機関の運転条件を検出する運転条件検出手段を
    備え、 前記捕集フィルタ再生手段は、前記捕集フィルタの再生
    を、前記運転条件が所定範囲内にあるときに行う手段で
    ある排気ガス浄化装置。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であ
    って、 前記内燃機関の運転条件を検出する運転条件検出手段を
    備え、 前記再生フィルタ検出手段は、前記再生フィルタの検出
    を、前記運転条件が所定範囲内にあるときに行う手段で
    ある排気ガス浄化装置。
  16. 【請求項16】 請求項1または請求項8に記載の排気
    ガス浄化装置であって、 前記排気通路は、他の燃焼室に設けられた前記排気通路
    と合流する合流部を有しており、 前記捕集フィルタが、前記合流部に設けられている排気
    ガス浄化装置。
  17. 【請求項17】 請求項1または請求項8に記載の排気
    ガス浄化装置であって、 前記捕集フィルタは、排気ガス中に含まれる炭化水素系
    化合物および含炭素浮遊微粒子を、該排気ガス中の酸素
    と接触可能に捕集することにより、該捕集フィルタに流
    入する温度が該含炭素浮遊微粒子の可燃温度よりも低温
    である排気ガスを用いて、該捕集した炭化水素系化合物
    と含炭素浮遊微粒子とを燃焼させるフィルタである排気
    ガス浄化装置。
  18. 【請求項18】 複数の燃焼室と、該燃焼室毎に設けら
    れた排気通路とを備える内燃機関に適用され、該内燃機
    関の排気ガスを浄化する排気ガス浄化方法であって、 前記排気通路毎に設けられた捕集フィルタを用いて前記
    排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を捕集するとともに、 前記捕集フィルタ上に堆積した含炭素浮遊微粒子を燃焼
    させて該捕集フィルタの再生を要する再生フィルタを、
    前記複数の捕集フィルタの中から検出し、 前記検出された再生フィルタの再生を行う排気ガスの浄
    化方法。
  19. 【請求項19】 複数の燃焼室と、該燃焼室毎に設けら
    れた排気通路とを備える内燃機関に適用され、該内燃機
    関の排気ガスを浄化する排気ガス浄化方法であって、 前記排気通路毎に設けられた捕集フィルタを用いて前記
    排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を捕集するとともに、 前記捕集フィルタ上に堆積した含炭素浮遊微粒子を燃焼
    させて該捕集フィルタの再生を行う再生時期を、該捕集
    フィルタ毎に定められた所定の頻度で設定し、 前記設定された再生時期に従って前記捕集フィルタ毎に
    前記再生を行う排気ガスの浄化方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011256850A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Isuzu Motors Ltd 排気ガス浄化システム
JP2014080897A (ja) * 2012-10-16 2014-05-08 Mazda Motor Corp ターボ過給機付エンジン
JP2021032143A (ja) * 2019-08-23 2021-03-01 いすゞ自動車株式会社 ブローバイガス処理装置

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