JP2003055240A - 医薬品 - Google Patents

医薬品

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JP2003055240A
JP2003055240A JP2001247263A JP2001247263A JP2003055240A JP 2003055240 A JP2003055240 A JP 2003055240A JP 2001247263 A JP2001247263 A JP 2001247263A JP 2001247263 A JP2001247263 A JP 2001247263A JP 2003055240 A JP2003055240 A JP 2003055240A
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Yorihiro Toda
順博 戸田
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負担の少ない少量の摂取により、服用した人
の健康状態を修復できる医薬品を提供する。 【解決手段】 ロドシュードモナス属カプシュラタス種
FERMBP−7434菌株とラクトバチルス属等の乳
酸菌とを、上記光合成細菌から粘性物質を生成するよう
に培養する。上記培養液に含まれる代謝産物から医薬品
を調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、健康修復が可能な
医薬品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特開昭47−25379号公報に
は、紅色光合成細菌は、汚水の浄化処理に利用できるこ
とが開示されている。このような紅色光合成細菌とは、
紅色無硫黄細菌(アシオロダーシェ、Athiorhodaceae)
や紅色硫黄細菌(シオロダーシェ、Thiorhodaceae)であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来で
は、上記紅色光合成細菌を摂取すれば、健康修復に有効
であることについて何ら開示も示唆もされていない。そ
こで、本発明者は、種々の方法にて培養した上記紅色光
合成細菌について、検討した結果、特定の培養方法にて
培養した上記紅色光合成細菌からの代謝産物が健康修復
に有効であることを見出して、本発明を完成した。
【0004】本発明は、紅色光合成細菌を用いた、健康
修復に有効な医薬品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る医薬品は、
以上の目的を達成するために、ロドシュードモナス(Rh
odopseudomonas) 属カプシュラタス(capsulatas)種FE
RMBP−7434菌株である光合成細菌と乳酸菌と
を、上記光合成細菌から粘性物質を生成するように培養
して、得られた代謝産物を有することを特徴としてい
る。
【0006】上記構成によれば、FERMBP−743
4菌株である光合成細菌と乳酸菌とを、上記光合成細菌
から粘性物質を生成するように培養して、得られた代謝
産物を有することにより、優れた健康修復機能を有する
医薬品を安定に得ることができる。
【0007】上記医薬品では、バクテリオクロロフィル
を、0.2〜3.0(重量%)の範囲にて含有すること
が好ましい。上記医薬品においては、カロチノイド類
を、0.5〜7.5(μmol/g)の範囲にて含有す
ることが望ましい。
【0008】上記医薬品では、酸加水分解物における、
グルコースの含有量(重量%)が2.4〜7.5、リボ
ースの含有量(重量%)が0.3〜1.1、ラムノース
の含有量(重量%)が1.0〜3.3、フコースの含有
量(重量%)が0.6〜2.6であることが好ましい。
【0009】上記医薬品においては、水洗後の酸加水分
解物における、グルコースの含有量(重量%)が0.8
〜3.3、リボースの含有量(重量%)が0.2〜1.
0、ラムノースの含有量(重量%)が0.4〜2.0、
フコースの含有量(重量%)が0.6以下であることが
望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
すれば、以下の通りである。
【0011】本発明の医薬品(TFK−RC)は、ロド
シュードモナス(Rhodopseudomonas) 属カプシュラタス
(capsulatas)種FERMBP−7434菌株である光合
成細菌と乳酸菌とを含む菌体溶液を、上記光合成細菌か
ら粘性物質を多量に生成するように培養して、その培養
液から得られた光合成細菌の代謝産物を有するものであ
る。
【0012】上記医薬品は、上記の培養液を、例えば遠
心分離によってろ過し、ろ液を除いた、光合成細菌の代
謝産物を有する各菌体を含む残留物である濃縮菌体を、
そのまま、あるいは水にて希釈して、または乾燥、例え
ば凍結乾燥して用いられる。
【0013】このようして得られた医薬品は、後述する
ように、毒性がなく、常時、服用しても何ら副作用を示
さなかった。その上、医薬品を、1日当たり30mg〜
360mg、より好ましくは60mg〜240mgを1
回ないし4回の何れかの回数、より望ましくは4回に分
けて(朝、昼、夕、就寝前)、非健常者が常時、例えば
1週間から6ヵ月間服用することにより、上記非健常者
の健康状態の改善が観察された。上記服用は非健常者や
担当医師の承諾を得た上で行われた。
【0014】上記非健常者としては、末期ガン患者、リ
ンパ腫患者、重度の糖尿病患者、重度のうつ病患者、重
度の心臓病患者、重度の皮膚病患者(アトピー性皮膚炎
を含む)、インポテンツ、てんかん、高血圧症(低血圧
を含む)、慢性便秘、慢性下痢、不眠症、生理痛、急性
肺炎、自律神経失調症、脳梗塞、および大腸ポリープな
どが挙げられる。
【0015】このことから、本発明の医薬品は、その作
用機序については不明であるが、患者の自己免疫機能を
向上させるものと想定され、服用した患者において、健
康状態の修復に有効性を有するものである可能性が示唆
された。また、上記医薬品は、健康人が摂取しても、健
康維持に有効であることが示唆された。
【0016】上記医薬品による健康回復(修復)の事例
を以下の表1.に示す。表1.における、◎は100%
を、○は75%以上、100%未満を、△は50%以
上、75%未満を、□は10%以下を示す。1日の服用
量としては、A.の場合、60mg〜90mg、B.の
場合、90mg〜120mg、C.の場合、120mg
〜240mgであった。
【0017】表1.から明らかなように、本発明の医薬
品の濃縮菌体は、化粧品(養毛剤、美顔料、肌理修復
剤)や医薬部外品(例えばドリンク剤)としても有用で
あることが判った。特に、本発明の医薬品の濃縮菌体
は、虫刺されや、アトピー性皮膚炎のかゆみの発生箇所
に5〜20倍程度の希釈水溶液にて塗布することで、か
ゆみ止めの効果を有しており、かゆみ止め剤としても有
用なものであった。
【0018】さらに、本発明の医薬品の濃縮菌体は、2
4時間風呂に用いたところ、有害な大腸菌やレジオネラ
菌の増殖を抑制することが判り、入浴剤としても有用で
あることが判った。
【0019】
【表1】
【0020】光合成細菌としては、紅色光合成細菌であ
る紅色無硫黄細菌−アシオロダーシェ(Athiorhodaceae)
科のロドシュードモナス属(Rhodopseudomonus) 、より
好ましくはロドシュードモナス属カプシュラタス種(Rho
dopseudomonas capsulatas)、特に好ましくは、微生物
の国際寄託当局に対し寄託した、ロドシュードモナス属
カプシュラタス種FERMBP−7434菌株が挙げら
れる。
【0021】上記国際寄託当局は、経済産業省産業技術
総合研究所生命工学工業技術研究所であり、そのあて名
が日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号(郵便番号3
05−8566)である。上記のFERMBP−743
4菌株は、1999年11月18日(原寄託日)に上記
国際寄託当局に国内寄託した微工研菌寄第P−1765
4号から、2001年1月18日に上記原寄託よりブダ
ペスト条約に基づく寄託への移管請求によって国際寄託
されたものである。寄託者の氏名はバイオケム工業株式
会社(代表取締役社長 戸田 順博)である。寄託者の
あて名は、日本国兵庫県神戸市兵庫区和田山通1丁目2
−25−D407である。
【0022】乳酸菌としては、ラクトバチルス属やスト
レプトコッカス属を挙げることができる。ラクトバチル
ス属としては、Lactobacillus bulgalicus、Lactobacil
lusacidophilus が挙げられる。ストレプトコッカス属
としてはStreptococcus lactis、Streptococcus thermo
philusが挙げられる。
【0023】以下に、上記菌体溶液の培養条件を示す。
まず、培養条件としては、主として低級脂肪酸(飽和脂
肪酸並びに不飽和脂肪酸)等の有機物を含む培養液(p
H7.0)を投入した透明培養槽に、光を3000〜1
0000ルクスにて照射しながら、温度を約30℃に
て、嫌気的に培養すれば、遅くとも約72時間にて培養
は定常期に達し、その培養液から濃縮菌体を採取する。
上記培養液には、バイオティン(Biotin) 、サイアミン
(Thiamin) 、ニコチン酸を成長因子として含んでいる。
【0024】この培養条件について、さらに詳しく説明
すると以下の通りである。まず、栄養源混合槽におい
て、(NH4)2SO4 、KH2PO4、MgSO4 ・7H2O、NaCl、NaHC
O3、酵母エキス(上記成長因子を含む)等の培養基の混
合液よりなる基礎培地を調製し、紅色無硫黄細菌を培養
する場合には、この基礎培地にさらに酢酸、プロピオン
酸、乳酸等の低級脂肪酸をNa塩として加え、培養液
(pH7.0)とする。また、紅色硫黄細菌を培養する
場合には、前述の基礎培地に、さらにNa2S・9H2Oを加
え、KOH溶液で調節して培養液(pH8.2〜8.
5)とする。
【0025】次に、この培養液を栄養源混合槽より密閉
照明式培養槽に移して、光合成細菌として、例えば紅色
無硫黄細菌−アシオロダーシェ(Athiorhodaceae)である
ロドシュードモナス属カプシュラタス種FERMBP−
7434菌株を密閉照明式培養槽に移植する。
【0026】この場合に、培養液に代えて有機酸を発生
せしめた、し尿、または焼酎廃液を直接密閉照明式培養
槽に入れてもよい。なお、この主の光合成細菌は、前記
培養液を形成する有機酸等の以外に、種々の従属栄養細
菌と共存すれば、澱粉、葡萄糖、蔗糖、アルコール、そ
の他の高分子の炭水化物も代謝してよく生育する。この
ことから、前記の培養液に、これら高分子の炭水化物を
付加すると共に、密閉照明式培養槽に光合成細菌と共に
種々の従属栄養細菌、例えば、前述の乳酸菌を移植すれ
ば、より一層効果的である。なおまた、密閉照明式培養
槽において、光合成細菌を培養するさいに発生する水素
ガスは、タンクに貯蔵して燃料として使用すればよい。
【0027】続いて、密閉照明式培養槽において最高度
に培養せられた菌体溶液は、連続式遠心分離機にいれて
菌体を集めて濃縮菌体とし、しかる後、上記濃縮菌体を
凍結乾燥により菌体乾燥物を得る。上述の操作におい
て、培養後の菌体溶液を連続式遠心分離機に移す際、全
溶液の、例えば20%を培養槽中に常に残して、これに
栄養源混合槽で調整された培養液を追加していけば同一
の光合成細菌を連続的に採取することができる。
【0028】なお、この方法において、密閉照明式培養
槽を用いるのは、光合成細菌が嫌気的雰囲気、照明条件
下(3000ルクス〜10000ルクス)において最も
よく増殖するからである。また、密閉照明式培養槽内に
対し、培養液を攪拌する攪拌装置を設けてもよい。攪拌
装置を設けることにより、菌体の生育速度を向上でき
る。
【0029】〔実施例〕以下に、光合成細菌の培養の実
施例を以下に示す。まず、栄養源混合槽において、水1
リットルに対して、 (NH4)2SO4 0.3g KH2PO4 0.5g MgSO4 ・7H2O 0.2g NaCl 0.5g NaHCO3 0.2g 酵母エキス 0.01g となるように、以上の各栄養源を混合して基礎培地を調
製し、さらに、Na塩とした酢酸0.4重量%、蔗糖5重
量%を加えて、pH7.0に調整して培養液とし、それ
を密閉照明式培養槽に移した。
【0030】この培養槽は、ガラス等の透明な材質で円
筒形に形成し、その外周に等間隔に設置せられた蛍光灯
により内部が均等に照明されるようになっていると共
に、培養槽内に培養槽の半径の大きさを有する攪拌機が
設置されており、よって、嫌気的雰囲気の下に光合成細
菌が大量、かつ容易に培養できるようになっている。
【0031】次に、ロドシュードモナス属カプシュラタ
ス種FERMBP−7434菌株の溶液(菌濃度106
cell/ml)を、全培養槽の溶液当たり20%(v/
v)移植して、少量の乳酸菌(菌種Lactobacillus bulg
alicus、菌濃度106 cell/ml)を接種して、30
℃、10000ルクスの照明下で毎分13回の回転速度
で攪拌したところ、8時間後には光合成細菌の生育が最
高となった。このとき、培養槽では、光合成細菌の生育
と共に、大量の粘性物質が生成していた。
【0032】この培養液を連続式遠心分離機(シャープ
レス・タイプ)に入れて菌体を集め、この濃縮菌体を凍
結乾燥して、非常に活性を有する菌体を、培養液1リッ
トル当たり約5gの割合で培養・採取できた。
【0033】次に、凍結乾燥の工程について詳しく説明
する。まず、得られた濃縮菌体(約1011cell/ml)
は、冷凍庫にて一旦冷凍保存している。凍結乾燥すると
きは、例えば、上記濃縮菌体4リットルを自然解凍(約
12時間)した後、1.2リットル用の吸引瓶9本に対
し、それぞれ、互いにほぼ均等となるように分注する
(1瓶当たり約440ml)。
【0034】続いて、予め、メタノール等の不凍液を満
たした予備凍結槽(−45℃)にて、プリフリーザーを
用いて、上記吸引瓶を回転させながら上記吸引瓶の底部
を不凍液に接触させ、上記吸引瓶内の濃縮菌体を、吸引
瓶の内壁に沿って薄膜を形成するように再度凍結させる
(吸引瓶内での凍結菌体の厚さ約8mmに設定、凍結時間
約20分)。凍結した濃縮菌体は、9本すべて凍結が完
了するまで、冷凍庫にて保存しておく。
【0035】その後、凍結乾燥機のトラップ内を冷却し
(−45℃)、その1時間後(つまりトラップ内の冷却
完了後)に真空ポンプを作動させる。真空ポンプの真空
計が26Pa以下、好ましくは4〜6Paになるのを確認
後、上記各吸引瓶をトラップに連結し、続いて、各吸引
瓶と真空ポンプとをトラップを介して連通して、各吸引
瓶内の凍結菌体の乾燥を室温(20℃〜30℃)下にて
開始する。乾燥時間は、室温にもよるが、約40時間程
度である。なお、上記では、濃縮菌体の乾燥法として、
凍結乾燥法を用いた例を挙げたが、他の乾燥法として、
スプレイドライ法を用いることもできる。
【0036】得られた乾燥菌体は、例えば、プロペラ式
粉砕機(サンプルミル)等を用いて、プロペラの回転数
15000rpm程度にて粉砕して粉末化する。他の粉
末化方法としては、例えばジェットミル法、またはボー
ルミル法が挙げられる。
【0037】このような粉末化された乾燥菌体を、その
まま医薬品として用いてもよいし、服用に便利なよう
に、液剤化または錠剤化してもよい。錠剤化の方法とし
ては、例えば、高速回転式錠剤機を用いることができ
る。
【0038】この錠剤化の際には、乳糖などの賦形剤
や、粘着剤や、ステアリン酸マグネシウム等の離型剤を
用いずとも錠剤化できる。なお、必要に応じて、服用量
の調節のために賦形剤を用いてもよい。
【0039】上記では、ロドシュードモナス属カプシュ
ラタス種FERMBP−7434菌株を用いた例を挙げ
たが、他の光合成細菌、例えば、紅色硫黄細菌(シオロ
ダーシェ、Thiorhodaceae)科のクロマチューム(Chroma
tium) 属ビノサム(vinosum)種や、紅色無硫黄細菌(ア
シオロダーシェ、Athiorhodaceae) 科のロドスピリラム
(Rhodospirillum)属ルブラム(Rubrum)種を用いること
もできる。
【0040】医薬品に含まれる乾燥菌体におけるバクテ
リオクロロフィルおよびカロチノイド類の各定量方法に
ついては、加藤栄らの「光合成研究法」(協立出版)
(1981)に基づいて行った。
【0041】バクテリオクロロフィルの定量方法を以下
に示す。まず、乾燥菌体である検体を約10mg採取し
て秤量し、生理食塩水100μlに懸濁し、さらに、ア
セトン:メタノール(7:2、v/v)4.9ml加え
て、バクテリオクロロフィルを抽出した後、その抽出液
を適宜希釈し、その希釈液の770nmにおける吸光度
を測定した。バクテリオクロロフィルの濃度は次式
(1)によって算出した。
【0042】 バクテリオクロロフィル(μg/ml)=12.15A770 ……(1) 以下に、本医薬品に係る各乾燥菌体として、上述した方
法にてそれぞれ作製した、5ロットの各検体1.ないし
5.に関するバクテリオクロロフィルの定量をそれぞれ
行い、それらの結果を以下の表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】なお、表2のA770 にて示した吸光度(7
70nm)は、抽出原液(5ml)への換算値である。
この結果から、医薬品の乾燥菌体におけるバクテリオク
ロロフィルの含有量(重量%)は、0.2〜3.0、好
ましくは0.6〜1.9であることが判る。
【0045】なお、バクテリオクロロフィルの定量にお
いては、吸光度の測定を770nm(赤色領域)で行っ
ているので、上記希釈液にカロチノイド類が含まれてい
ても、バクテリオクロロフィルの測定結果には何ら影響
しないことが判る。
【0046】次に、カロチノイド類の定量方法を以下に
示す。まず、医薬品の乾燥菌体としての検体を約10m
g採取して秤量し、メタノール中に懸濁し、1分間、煮
沸抽出した後、氷で冷却し遠心分離により上清を回収し
た。沈殿は再びメタノール中に懸濁し、抽出液が無色に
なるまで抽出を、例えば3回繰り返した。
【0047】メタタール抽出液に、その抽出液と等量の
エーテルと、2倍量の水とを加えてエーテル抽出を行っ
た後、分取したエーテル溶液を脱水した。得られたエー
テル溶液を6mlにメスアップ後、そのエーテル溶液の
吸収スペクトルを測定し、その吸収スペクトルの400
nm〜550nmの範囲内での最大吸収極大波長を求
め、その最大吸収極大波長における吸光度を測定し、そ
の吸光度から次式(2)により、カロチノイド類の含有
量を算出した。
【0048】 c=D・v/1.4×105 ……(2) c:カロチノイド類の含有量(mol)、D:最大吸収
極大における吸光度、v:エーテル溶液の容量(l)、
1.4×105 :カロチノイドの平均分子吸光係数。上
記lは、1リットル(103cm3)である。
【0049】カロチノイド類の吸収極大は400nm〜
550nmの範囲内に存在することから、上記エーテル
抽出液の吸収スペクトル(図1参照)から、上記範囲内
での最大吸収極大波長を測定し、その最大吸収極大波長
での吸光度に基づいてカロチノイド類を定量した。前述
の各検体1.〜5.に関するカロチノイド類の各定量結
果を以下の表3に示した。また、検体1.の吸収スペク
トルを図1に示したが、他の検体2.〜5.の吸収スペ
クトルも同様のパターンを示していた。
【0050】
【表3】
【0051】この表3の結果から、医薬品も乾燥菌体の
カロチノイド類の含有量(μmol/g)は、0.5〜
7.5、好ましくは2.4〜4.0であることが判る。
【0052】また、図1の結果から、可視領域の600
nm以上においては、吸光度が測定されていないことか
ら、上記エーテル抽出液には、バクテリオクロロフィル
は、多くとも検出限界未満しか含まれていないことが判
る。よって、上記のカロチノイド類の定量方法において
は、バクテリオクロロフィルが医薬品の乾燥菌体に含ま
れていても、何ら影響しないことが判る。
【0053】次に、医薬品の乾燥菌体の各検体1.〜
5.およびそれらの各水洗後試料について、酸加水分解
した後、高速液体クロマトグラフ法により各中性単糖の
定量を行った。その定量方法を以下に示す。まず、水洗
後試料の調製は、各検体約0.5gを秤量して遠心管に
投入し、水25mlを加えて攪拌し、超音波抽出を3分
間行った後、遠心分離(12,000rpm、5分間)
して、上澄み液を除去した。遠心管中の残留物に水25
ml加え、同様に水洗処理をさらに2回繰り返した。
【0054】残留物に対し、水分除去のためにアセトン
25mlを加えて、攪拌後、遠心分離(12,000r
pm、5分間)して、上澄み液を除去した。遠心管内に
残留したアセトンを窒素気流下で蒸散させた後、一晩風
乾したものを水洗後試料とした。
【0055】次に、試験溶液の調整について説明する。
まず、各検体0.3〜0.6gまたは各水洗後試料0.
3〜0.6gを秤量した後、それらに72%硫酸4ml
を加えて、室温で1時間(水洗試料については2時間)
攪拌した。続いて、水112mlにて希釈し(硫酸濃
度:4%)、オートクレーブ中(121℃)で1時間加
水分解した。室温まで冷却し、30w/v%水酸化ナト
リウム水溶液で中和した後、水で200mlに定容し、
ろ過(No. 5B、アドバンテック東洋株式会社製)し、さ
らに孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し
て得られたろ液を試験溶液とした。
【0056】試験溶液中の各単糖(グルコース、リボー
ス、ラムノース、フコース)の含量を、液体クロマトグ
ラフ法により測定した。その結果を表4に示した。測定
結果は、医薬品の乾燥菌体100g中の含有量(g)を
示す。
【0057】
【表4】
【0058】上記表4中の、NDの表記は、含有量が検
出限界(0.2g/100g)未満であることを示す。
【0059】表4の結果から、医薬品の乾燥菌体におけ
る、未水洗の検体の酸加水分解物では、グルコースの含
有量(重量%)が2.4〜7.5、より好ましくは3.
5〜6.5の範囲内、リボースの含有量(重量%)が
0.3〜1.1、より好ましくは0.4〜1.0の範囲
内、ラムノースの含有量(重量%)が1.0〜3.3、
より好ましくは1.2〜3.0の範囲内、フコースの含
有量(重量%)が0.6〜2.6、より好ましくは0.
8〜2.4の範囲内であることが判る。
【0060】また、上記の表4の結果から、医薬品の乾
燥菌体における、水洗後の検体の酸加水分解物では、グ
ルコースの含有量(重量%)が0.8〜3.3、より好
ましくは1.0〜3.0の範囲内、リボースの含有量
(重量%)が0.2〜1.0、より好ましくは0.3〜
0.9の範囲内、ラムノースの含有量(重量%)が0.
4〜2.0、より好ましくは0.5〜1.6の範囲内、
フコースの含有量(重量%)が0.6以下、より好まし
くは0.5以下であることが判る。
【0061】次に、本発明の医薬品の乾燥菌体につい
て、OECD化学物質試験指針(1987)に準拠し、
マウスを用いた急性経口毒性試験(限度試験)を行っ
た。
【0062】試験群には2,000mg/kgの用量の
検体を、対照群には溶媒対照として精製水を雌雄マウス
に単回経口投与した。その結果、試験動物に異常および
死亡例は認められなかった。したがって、検体のマウス
における単回経口投与によるLD50値は、雌雄共に2,
000mg/kg以上であるものと考えられた。
【0063】その試験について以下に説明する。まず、
医薬品の乾燥菌体である検体を精製水に懸濁し、100
mg/mlの試験液を調製した。
【0064】試験動物は以下の通りである。まず、4週
齢のICR系雌雄マウスを日本エスエルシー株式会社か
ら購入し、約1週間の予備飼育を行って一般状態に異常
がないことを確認した後、試験に使用した。試験動物は
ポリカーボネート製ケージに各5匹収容し、室温23±
2℃、照明時間12時間/日に設定した飼育室において
飼育した。飼料〔マウス,ラット用固型飼料;ラボMR
ストック、日本農産工業株式会社製〕および飲料水(水
道水)は自由に摂取させた。
【0065】試験方法は以下の通りである。まず、試験
群および対照群ともに雌雄それぞれ10匹を用いた。投
与前に約4時間試験動物を絶食させた。体重を測定した
後、試験群には雌雄ともに検体投与量として2,000
mg/kgの用量となる試験液を胃ゾンデを用いて強制
単回経口投与した。対照群においては雄に0.6ml、
雌に0.5mlの精製水を同様に投与した。
【0066】観察期間は14日間とし、投与日は頻回、
翌日から1日1回の観察を行った。投与後、7日後およ
び14日後に体重を測定し、t−検定により有意水準5
%で群間の比較を行った。観察期間終了時に試験動物す
べてを剖検した。
【0067】試験結果は、以下の通りであった。雌雄共
に観察期間中に死亡例は認められなかった。雌雄とも観
察期間中に異常は見られなかった。投与後、7日後、お
よび14日後の体重測定では、雌雄とも各群間で体重増
加に差は、表5に示すように見られなかった。観察期間
終了時の剖検では、雌雄とも全ての試験動物の主要臓器
に異常は見られなかった。
【0068】
【表5】
【0069】OECD化学物質試験指針(1987)に
よれば、2000mg/kgの用量で死亡例が認められ
た場合は、LD50値を求める詳細な試験が必要であると
指示している。しかし、上記の試験結果では、この用量
で死亡例は見られず、剖検時にも異常は見られなかっ
た。したがって、検体のマウスにおける単回経口投与に
よるLD50値は、雌雄ともに2000mg/kg以上で
あるものと考えられた。
【0070】このことから、本発明の医薬品は、常用し
ても人体に悪影響を及ぼさないことも明らかになった。
【0071】以下に,ロドシュードモナス属カプシュラ
タス種の形態的特徴、生育条件、および生理的性質につ
いて述べる。
【0072】a.形態的特徴 一本の鞭毛を有して極めて運動性に富む、普通には短杆
状菌(幅0.5μ×長さ1.0μ)であるが、培養液の
種類、培養期間によっては長杆状菌(幅0.5μ〜0.
7μ×長さ6.0μ)のものがでてくる。すなわち多形
現象を示すことである。
【0073】b.生育条件各種培地における生育状態
(嫌気的照明条件下)を以下に示す。
【0074】 肉汁 + 乳酸 ++ ペプトン水 +++ コハク酸 + 馬鈴薯培地 − リンゴ酸 + シオサルフェイト − 酪酸 ++ (Thiosulfate) クロトン酸 + アラニン(Alanine) + ピルビン酸 ++ リューシン(Leucine) − エタノール + アスパラギン + マンニトール − (Asparagine) (Mannitol) アスパラギン酸 − ソルビトール − グルタミン酸 + (Sorbitol) 酒石酸 − マンノース − クエン酸 − (Mannose) グルタール酸 + 果糖 − 酢酸 + グリセロール − プロピオン酸 +++ (Glycerol) − (何れも基質については0.2重量%濃度を使用) 注:+++ → 生育良好 + → 生育可能 − → 生育不可能c.生理的性質 1)最適生育条件 pH7.2、温度27℃、嫌気的照明10000ルクス 2)生育しうる条件 pH6.0〜8.5、温度23〜39℃、好気〜嫌気暗
黒条件〜照明条件 3)グラム染色性 陰性 4)抗酸性 有 5)インドールの生成 無 6)硫化水素の生成 無 7)窒素ガスを固定する能力 有 8)硝酸塩培地では硝酸を還元してN2 ↑ガス化するとい
う窒素固定とは全く逆の脱窒作用も行う 9)カタラーゼの生成 有 10)ゼラチンの液化 無 11)澱粉の加水分解 無 12)還元型メチレンブルー、還元型メチル(又はベンジ
ル)バイオロジエン色素の酸化能力 有 13)バイオティン(Biotin) 、サイアミン(Thiamin) 、
ニコチン酸を成長因子として要求する。
【0075】
【発明の効果】本発明の医薬品は、以上のように、ロド
シュードモナス属カプシュラタス種FERMBP−74
34菌株である光合成細菌と乳酸菌とを、上記光合成細
菌から粘性物質を生成するように培養して、得られた代
謝産物を有する構成である。
【0076】それゆえ、上記構成では、FERMBP−
7434菌株である光合成細菌と乳酸菌とを、上記光合
成細菌から粘性物質を生成するように培養して、得られ
た代謝産物を有することにより、優れた健康修復機能を
有する医薬品を安定に得ることができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医薬品の乾燥菌体である検体1.にお
ける、カロチノイド類の定量に用いるエーテル溶液の吸
収スペクトルを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B065 AA01X AA30X AC14 BB03 BB15 BB29 BC09 BC48 BC50 BD15 BD50 CA04 CA18 CA22 CA44 4C086 AA01 CB04 MA01 MA05 MA16 MA35 MA44 NA14 ZC21 4C087 AA01 BC56 BC58 BC61 BC80 CA09 CA38 MA16 MA35 MA41 MA52 NA14 ZC21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)
    属カプシュラタス(capsulatas)種FERMBP−743
    4菌株である光合成細菌と乳酸菌とを、上記光合成細菌
    から粘性物質を生成するように培養して、得られた代謝
    産物を有することを特徴とする医薬品。
  2. 【請求項2】バクテリオクロロフィルを、0.2〜3.
    0(重量%)の範囲にて含有することを特徴とする請求
    項1記載の医薬品。
  3. 【請求項3】カロチノイド類を、0.5〜7.5(μm
    ol/g)の範囲にて含有することを特徴とする請求項
    1または2記載の医薬品。
  4. 【請求項4】酸加水分解物における、グルコースの含有
    量(重量%)が2.4〜7.5、リボースの含有量(重
    量%)が0.3〜1.1、ラムノースの含有量(重量
    %)が1.0〜3.3、フコースの含有量(重量%)が
    0.6〜2.6であることを特徴とする請求項1ないし
    3の何れかに記載の医薬品。
  5. 【請求項5】水洗後の酸加水分解物における、グルコー
    スの含有量(重量%)が0.8〜3.3、リボースの含
    有量(重量%)が0.2〜1.0、ラムノースの含有量
    (重量%)が0.4〜2.0、フコースの含有量(重量
    %)が0.6以下であることを特徴とする請求項1ない
    し4の何れかに記載の医薬品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100870443B1 (ko) * 2007-04-27 2008-12-05 최경용 모발 관리 조성물
CN102212491A (zh) * 2011-03-29 2011-10-12 天津市农业生物技术研究中心 一种高细胞浓度光合细菌的简易培养方法
KR101320045B1 (ko) 2013-01-09 2013-10-18 주식회사 두산에코비즈넷 박테리오클로로필 함유 균체 파쇄물을 유효성분으로 포함하는 화장료 조성물

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WO2014109426A1 (ko) * 2013-01-09 2014-07-17 주식회사 두산에코비즈넷 박테리오클로로필 함유 균체 파쇄물을 유효성분으로 포함하는 화장료 조성물

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