JP2003055090A - シリコン単結晶の製造装置 - Google Patents

シリコン単結晶の製造装置

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JP2003055090A JP2001253002A JP2001253002A JP2003055090A JP 2003055090 A JP2003055090 A JP 2003055090A JP 2001253002 A JP2001253002 A JP 2001253002A JP 2001253002 A JP2001253002 A JP 2001253002A JP 2003055090 A JP2003055090 A JP 2003055090A
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Yutaka Kishida
豊 岸田
Satoshi Suzuki
聡 鈴木
Teruyuki Tamaki
輝幸 玉木
Wataru Ohashi
渡 大橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CZ法によるシリコン単結晶製造炉におい
て、坩堝の破損等により流出した融液あるいはこれに伴
って落下する坩堝片等から炉体を保護し、炉体の熱変形
および破損による水蒸気爆発を防止する。 【解決手段】 炉体内底部に、坩堝から漏れた融液を収
容するのに十分な容積を有する黒鉛又はカーボンファイ
バー複合材から成る一体形成された水密構造の融液漏れ
受皿を配設し、該融液漏れ受皿内に漏れた融液を吸収す
る断熱特性を有する融液吸収材を収納する、さらに融液
漏れ受皿と炉体内底との間に断熱材を配置することもで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はCZ法(チョクラル
スキー法)によりシリコン単結晶を製造する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の基板には主として高純度の
単結晶が使用されているが、その製造方法としてCZ法
が広く用いられている。
【0003】図1は、CZ法によるシリコン単結晶を製
造する装置の模式的な縦断面図である。
【0004】この装置では、黒鉛坩堝1に収容された石
英坩堝2に多結晶シリコン原料を装填し、これを黒鉛ヒ
ーター3で加熱、溶解して融液4を得ている。この状態
で、種結晶5を融液4に浸漬し種結晶5および黒鉛坩堝
1を互いに回転させながら種結晶5を結晶引上げワイヤ
21及び結晶巻上機20を介して引上げることでシリコ
ン単結晶6を生育させてシリコンインゴットを得てい
る。
【0005】炉体の内部には、回転および昇降可能な坩
堝軸7の上端に黒鉛坩堝1が載置され、黒鉛坩堝1の周
囲には円筒状の黒鉛ヒーター3と断熱材からなる保温筒
8とが設置されている。炉体9はステンレス鋼板からな
る2重構造の容器で、その内部を冷却水が循環すること
により炉体を高温の炉内環境から保護している。また、
炉体9の底面内面には、カーボン製もしくはカーボンフ
ァイバー製の融液漏れ受皿10が設置されており、坩堝
の破損等の事故により漏れ出た融液をそこで一旦受ける
ことで、炉体に熱および化学的な損傷が無いように考慮
されている。
【0006】単結晶育成において、多結晶の原料シリコ
ンを石英坩堝内に投入する際に生ずる坩堝2の亀裂、ヒ
ーター電源停止等のトラブル発生時に起こる、融液8の
固化膨張による石英坩堝2および黒鉛坩堝1の破損や、引
上げた結晶6の落下事故発生時に起こる衝撃による石英
坩堝2および黒鉛坩堝1の破損に伴い、炉内下部へ融液が
流出することがある。流出した原料融液が炉体内壁に接
触すると、そのステンレス鋼板製の炉体に、熱変形、も
しくは化学反応による侵食が生じ亀裂が発生する可能性
がある、この亀裂からは冷却水が漏れ、これがシリコン
融液と接触すると水蒸気爆発を起す危険さえある。ま
た、結晶の落下、破損した石英坩堝、黒鉛坩堝等の崩落
による炉体底部の機械的破損も問題であり、これらが水
蒸気爆発の可能性を増長させる。このため、坩堝の破損
等により流出した融液あるいはこれに伴って落下する坩
堝片等から炉体を確実に保護し、炉体の熱変形および水
蒸気爆発を防止できる、湯漏れ受皿が必要とされる。
【0007】このような問題点に対し、特開平2-225393
において、炉底部に設置する融液受皿が提案されてい
る。しかしこの融液漏れ防止構造においては湯漏れ防止
のための部材の隙間から融液が漏れる危険性がある。特
開平5-270967においては、カーボンファイバー製の浸透
性の部材を用いて漏れ融液を吸収しそこで保持させるこ
とで、融液をチャンバーに到達させない工夫が提案され
ている。しかしながら、流出した融液量が融液受皿内部
の吸収容量内に収まったとしても、シリコンの凝固潜熱
により融液が完全に凝固せず、融液が融液漏れ受皿底面
まで浸透し炉体底面を侵食することがある。また特開平
9-221385では、融液受皿を一体形成することで部材間か
ら融液の漏れを阻止する方法が提案されている。この受
皿の素材としては耐熱性および結晶品質へ与える影響か
ら高純度の炭素素材もしくは高耐熱性の金属を使用せざ
るを得ないが、これらの素材は極めて熱伝導性が高いた
め、漏れ出した高温の融液から炉体に伝わる熱を十分阻
止できず炉体に熱的損傷を与える問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点に着目してなされたもので、坩堝の破損等により流
出した融液あるいは、落下する坩堝片等から炉体を保護
し、炉体の熱変形および水蒸気爆発を防止することが可
能な、安全性に優れる半導体単結晶製造装置を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段及びその作用】上記目的を
達成するために本発明によればCZ法によるシリコン単
結晶製造装置の炉体内底部に、坩堝から漏れた融液を収
容するのに十分な容積を有する黒鉛又はカーボンファイ
バー複合材から成る一体形成された水密構造の融液漏れ
受皿を配設し、該融液漏れ受皿内に漏れた融液を吸収す
る断熱特性を有する融液吸収材を収納し、漏れ融液が融
液漏れ受皿内底にまで浸透して到達しないか又は炉体底
部に熱的障害を与えない程度にしか浸透しないようにし
たことを特徴とする構成が提案される。
【0010】シリコン単結晶製造装置の炉体底部には、
坩堝の回転軸、ヒーターの電極、および排気ガスを通す
孔等が設置されているが、上述のように本発明によれば
融液漏れ受皿は底面から断熱特性を有する融液吸収材の
上端までこの部分を覆うように構成されており、断熱特
性を有する融液吸収材の上端まで融液が満たされても融
液漏れ受皿から融液が漏れないような水密な構造となっ
ているので融液が直接炉体底部を浸食することはない。
【0011】断熱特性を有する融液吸収材としてはカー
ボンファイバー又はセラミックファイバー或いはそれら
の複合体とするのが特に有利である。
【0012】上述のように本発明において水密構造の融
液漏れ受皿を用いることにより坩堝から流出した融液や
破損による落下物は融液漏れ受皿内部に受け止められ、
この融液漏れ受皿内部に設置される断熱特性を有する融
液吸収材があることによって、坩堝からもれた融液は融
液漏れ受皿内部の断熱特性を有する融液吸収材の内部で
吸収・凝固させることで、炉体への熱伝達を大幅に抑制
することができる。また融液が大量であって融液漏れ受
皿内部の断熱特性を有する融液吸収材の内部で融液が吸
収・凝固でできずに、融液漏れ受皿の内壁表面の僅かな
部分であれば融液が融液漏れ受皿内表面に接触した場合
でも、融液漏れ受皿が水密であるので融液が炉体底部の
ステンレス鋼板に接触することがなく、大量の熱がステ
ンレス鋼板の炉体底へ伝わることがない。従って、本発
明による融液漏れ受皿を使用すれば、融液もれ事故発生
時に炉体の変形および腐食による炉体破損が免れ、冷却
水が炉内へ進入し水蒸気爆発が引き起こされる危険を防
ぐことができる。また、融液漏れ受皿は一般の炉内部材
と同質の黒鉛で作製することができるが、結晶や坩堝等
の落下物に対して強度が十分取れない場合は、高強度の
カーボンファイバー複合材料で作製することで、結晶や
坩堝等の落下物から炉体を保護することができる利点が
あり、本発明の効果をより高めることができる。
【0013】さらに融液漏れ受皿内に収納された融液を
吸収する断熱特性を有する融液吸収材は、漏れ融液が融
液吸収材に吸収されながら浸透して、融液漏れ受皿の内
壁にまで達しないようにするのが最も好ましいが、融液
吸収部材内部で吸収されず融液漏れ受皿内壁に達する場
合でも炉体底部に熱的障害を与えないように、融液漏れ
受皿の容積及び融液吸収材の体積、及び吸収特性、断熱
特性が選定される。
【0014】また本発明によれば断熱特性を有する融液
吸収材をカーボンファイバー又はセラミックファイバー
或いはそれらの複合体から作成すると耐熱性も優れ有利
である。
【0015】さらに本発明によればCZ法によるシリコ
ン単結晶製造装置の炉体内底部に、坩堝から漏れた融液
を収容するのに十分な容積を有する黒鉛又はカーボンフ
ァイバー複合材から成る一体形成された水密構造の融液
漏れ受皿を配設し、該融液漏れ受皿内に漏れた融液を吸
収する断熱特性を有する融液吸収材を収納することに加
えて、融液漏れ受皿の底部と炉体底部内壁との間に断熱
部材を配設したことを特徴とする構成が提案される。
【0016】この場合坩堝から漏れた融液が、融液漏れ
受皿内の融液吸収材を浸透して融液漏れ受皿の内底にま
で達したとしても融液漏れ受皿内底と炉体底部内壁との
間に断熱材が配置されているので、融液漏れ受皿底部か
ら炉体底部への熱の伝達に対して断熱材が緩衝剤として
炉体底部の熱的損傷を防止でき、断熱の調整も断熱材の
厚みを選択したり使用枚数を選択することにより容易で
ある。
【0017】さらに本発明によれば融液漏れ受皿と炉体
底部内壁との間に配設される断熱材をカーボンファイバ
ー、セラミックファイバー、ガラスウール、スラグウー
ル、ロックウールのいずれか1つ又はそれらの複合材か
ら製作することができる。
【0018】さらに本発明によれば断熱材を多孔性のセ
ラミック材から製作することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に本発明を実施の形態につき実
施例及び図面を用いて詳しく説明する。
【0020】図2は本発明のシリコン単結晶製造装置の
模式縦断面図である。この図で図1に対応する部分には
同一参照符号が付けられている。11は石英坩堝及び黒
鉛坩堝からの漏れ融液を収容するのに十分な容積を有す
る黒鉛又はカーボンファイバー複合材から成る一体成形
された水密構造の融液漏れ受皿である。12は坩堝から
漏れた融液を吸収する断熱特性を有する融液吸収材であ
る。13は炉体底部9aの内壁と融液漏れ受皿の底部と
の間に配設された断熱部材である。
【0021】本発明では石英坩堝2及び黒鉛坩堝1の損
傷により惹起した漏れ融液や坩堝の破損落下物は融液漏
れ受皿11内に収容された断熱特性を有する融液吸収材
12に吸収又は受け止められ、融液が融液漏れ受皿内面
にまで浸透しないで凝固させることができ、炉体への熱
の伝達は大幅に抑圧される。また炉体底部9aの内壁と
融液漏れ受皿11の底部との間に断熱材13を配置する
と、融液が融液吸収材を浸透して、融液漏れ受皿に達し
たとしても炉体底部への熱伝達が一層抑圧され、炉体の
熱損傷を大幅に低減できる。
【0022】
【実施例1】図3は本発明のシリコン単結晶製造装置の
炉体内底部に装着される融液漏れ受皿11と、融液漏れ
受皿11内に収納された断熱特性を有する融液吸収材1
2を切欠いて示す斜視略図である。この図において11
は融液漏れ受皿である。この融液漏れ受皿11は円柱形
状の黒鉛の塊から、炉体底部の形状に合わせて、坩堝回
転軸、ヒーター用電極、およびArパージガスの排気口
のための貫通孔合計5個を穿った後(図3ではその中の
3個11a、11b、11cのみ図示されている)、円
柱より貫通孔部を避けて融液を蓄える凹部を掘り込み加
工して作製した一体成形物で、凹部の体積は0.085
となっており、質量換算すると200kgのシリコ
ン融液を蓄えることができる。また、水密構造の凹部に
は、融液を吸着するために、カーボンファイバー製の断
熱特性を有する融液吸収材12が収納されている。この
断熱特性を有する融液吸収材12は坩堝から漏れた融液
を十分吸収した場合でも融液漏れ受皿11の上面から溢
れることがないように融液漏れ受皿の内容積は大きく選
定されている。また坩堝の損傷破片が落下しても断熱特
性を有する融液吸収材12がバッファとなって作用し、
融液も吸収部材で吸収される。吸収材12が断熱特性を
有するため融液は吸収材12の内部で吸収凝固され、炉
底部への熱伝達が抑圧され、炉底部の熱損傷及び融液漏
れによる浸食を防止することができる。
【0023】上記構成の融液漏れ受皿11を、単結晶製
造装置の結晶引上げ炉に設置した状態で、坩堝融液10
0kgを溶解させた後、炉内上方から重さ10kgのシ
リコン製の錘を投下し坩堝を破損させると同時に、ヒー
ター電源を遮断し炉内を急速凝固させたところ、約65
kgの融液が坩堝から下方へ流出したが、流出した融液
の全量が融液漏れ受皿11内の吸収材12内部に吸収さ
れ凝固され、融液漏れ受皿11の内壁にまで浸透せず外
部にはもれなかた。この結果、炉体底部および電極、坩
堝軸、排気口部の金属部材に、熱的な変形、腐食痕は全
くなく、炉体は健全のままであった。
【0024】なお、実施例1の構成の融液漏れ皿11
を、単結晶製造装置の炉に設置した状態で、坩堝融液1
80kgを溶解させた後、炉内上方から重さ10kgの
シリコン製の錘を投下し坩堝を破損させると同時に、ヒ
ーター電源を遮断し炉内を急速凝固させたところ、約1
20kgの融液が坩堝から下方へ流出した。このとき流
出した融液の全量は融液漏れ受皿11内部に収まり外部
には漏れなかったが、融液漏れ受皿11内の融液吸収部
材12の内部で吸収されず、融液が融液漏れ受皿の内表
面の30%にあたる部分と接触していた。このとき炉体
底部および電極、坩堝軸、排気口部の金属部材に、腐食
痕はなかったが、炉体底の鋼板表面が変色および変形し
ており、若干の熱的障害を受けていた。それ故漏れ融液
量が多く予測されるときは漏れ融液量に対応して融液漏
れ受皿の内容積及びその中に収納される融液吸収部材の
体積を大きくすることが必要である。
【0025】
【実施例2】図4は本発明のシリコン単結晶製造装置に
装着される断熱特性を有する融液吸収部材12を収納し
た融液漏れ受皿11を一部切欠いて斜視略図で示されて
いる。
【0026】この融液漏れ受皿は、カーボンファイバ複
合材製の一体成形品で、坩堝回転軸、ヒーター用電極、
およびArパージガスの排気口のための貫通各種孔合計
5個(その中の3個11a,11b,11cのみ図示さ
れている)に相当する凸部を持つ雌型の金型にカーボン
ファイバー素材を押し当てて成型した。この内部の体積
は0.085mとなっており、200kgのシリコン
融液を蓄えることができる。また、水密構造の融液漏れ
受皿11の凹部には、融液を吸着するために、カーボン
ファイバー製の融液吸収部材12が収納されている。
【0027】上記構成の融液漏れ受皿11を、単結晶製
造装置の炉に設置した状態で、坩堝融液140kgを溶
解させた後、炉内上方から重さ40kgのシリコン製の
錘を投下し坩堝を破損させると同時に、ヒーター電源を
遮断し炉内を急速凝固させた。このとき、85kgの融
液が坩堝から下方へ流出したが、カーボンファイバー複
合体製の融液漏れ受皿11は坩堝回転軸を通して結晶落
下の衝撃を受けた痕跡があったにもかかわらず、亀裂等
を発生せず破損しなかった。この結果、流出した融液の
全量が融液漏れ受皿11内の融液吸収部材12内部に吸
収され、融液が殆んど融液漏れ受皿の内壁面に達せず、
融液漏れ受皿11の外部にももれず、炉体底部および電
極、坩堝軸、排気口部の金属部材に、熱的な変形、腐食
痕は全くなく、炉体は健全のままであった。
【0028】
【実施例3】図5は、本発明のシリコン単結晶製造装置
に装着される断熱特性を有する融液吸収部材12を備え
た融液漏れ受皿11とその底面に隣接して配置された断
熱材13とを一部を切欠いて示す斜視略図である。これ
は実施例1の融液漏れ受皿と炉体底面の間にカーボンフ
ァイバー製の断熱材13を挿んだ構成となっている。こ
の構成からなる融液漏れ受皿を、結晶引上げ炉に設置し
た状態で、坩堝融液180kgを溶解させた後、炉内上
方から重量10kgのシリコン製の錘を投下し坩堝を破
損させると同時に、ヒーター電源を遮断し炉内を急速凝
固させたところ、約125kgの融液が坩堝から下方へ
流出した。このとき流出した融液の全量は融液漏れ受皿
11a内部に収まり外部にはもれなかったが、融液漏れ
受皿11内の融液吸収部材12の内部で吸収されず、融
液漏れ受皿11の内表面と接触していた。しかし、融液
漏れ受皿11の底部と炉体の内底との間に設けられた断
熱材13のため炉体内底への融液の熱伝達が低減され炉
体底部および電極、坩堝軸、排気口部の金属部材に、腐
食痕は全くなく、炉体底の鋼板表面にも、熱的障害を受
けた痕跡が一切見られなかった。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
頑丈な黒鉛又はカーボンファイバー複合材から成る一体
形成された水密構造の融液漏れ受皿11内部に断熱特性
を有する融液吸収部材12を収め坩堝からの漏れ融液を
断熱特性を有する融液吸収材内部に吸収して凝固でき、
融液漏れ受皿内面にまで融液が浸透しないようにするか
浸透してもその浸透度を低く抑えることによって炉体底
部の熱損傷を防止できる。また融液漏れ受皿の底部と炉
体内底部との間に断熱材13を配設することで、漏れ融
液の収容能力があり、かつ融液からの炉体への熱伝達を
遮断することができる。さらに融液吸収材12により落
下物に対し融液漏れ受皿の耐衝撃性を向上させることが
できる。したがって本発明によれば、坩堝の破損による
融液流出や結晶等の落下物があった場合でも、これらを
融液漏れ受皿で受け止めることができ、炉体底部の損傷
が防止される。従って、CZ法によって製造されるシリ
コン単結晶の大径化に伴って炉内品が大型化した場合で
も、シリコン単結晶製造装置の安全性を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の融液漏れ受皿を装着した単結晶製造装置
の内部模式図である。
【図2】本発明による融液漏れ受皿を装着した単結晶製
造装置の内部模式図である。
【図3】本発明の実施例1の融液漏れ受皿近傍構造を切
欠して示す斜視略図である。
【図4】本発明の実施例2の融液漏れ受皿近傍構造を切
欠して示す斜視略図である。
【図5】本発明の実施例3の融液漏れ受皿近傍構造を切
欠して示す斜視略図である。
【符号の説明】
1 黒鉛坩堝、 2 石英坩堝、 3 ヒーター、 4
原料融液、 5 種結晶、 6 結晶、 7 坩堝回
転軸、 8 側部断熱部材、 9 炉体側壁、9a 炉
体底部、 10 融液漏れ受皿、 11 融液漏れ受
皿、 11a,11b,11c 貫通孔、 12 融液
吸収材、 13 断熱材、 20 結晶巻き上げ機、
21 結晶引上げワイヤー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉木 輝幸 山口県光市大字島田3434 新日本製鐵株式 会社先端技術研究所内 (72)発明者 大橋 渡 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BA04 CF10 EG25 EG30 HA12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CZ法によるシリコン単結晶製造装置の
    炉体内底部に、坩堝から漏れた融液を収容するのに十分
    な容積を有する黒鉛又はカーボンファイバー複合材から
    成る一体形成された水密構造の融液漏れ受皿を配設し、
    該融液漏れ受皿内に漏れた融液を吸収する断熱特性を有
    する融液吸収材を収納し、融液が融液漏れ受皿内底にま
    で浸透して到達しないか又は炉体底部に熱的障害を与え
    ない程度にしか浸透しないようにしたことを特徴とする
    シリコン単結晶製造装置。
  2. 【請求項2】 断熱特性を有する融液吸収材がカーボン
    ファイバー又はセラミックファイバー或いはそれらの複
    合体から成ることを特徴とする請求項1記載のシリコン
    単結晶製造装置。
  3. 【請求項3】 CZ法によるシリコン単結晶製造装置の
    炉体内底部に、坩堝から漏れた融液を収容するのに十分
    な容積を有する黒鉛又はカーボンファイバー複合材から
    成る一体形成された水密構造の融液漏れ受皿を配設し、
    該融液漏れ受皿内に漏れた融液を吸収する断熱特性を有
    する融液吸収材を収納し、融液漏れ受皿の底部と炉体底
    部内壁との間に断熱材を配設したことを特徴とするシリ
    コン単結晶製造装置。
  4. 【請求項4】 融液漏れ受皿と炉体底部内壁との間に配
    設される断熱材がカーボンファイバー、セラミックファ
    イバー、ガラスウール、スラグウール、ロックウールの
    いずれか1つ又はそれらの複合材から成ることを特徴と
    する請求項3記載のシリコン単結晶製造装置。
  5. 【請求項5】 断熱材が多孔性のセラミック材から成る
    ことを特徴とする請求項3記載のシリコン単結晶製造装
    置。
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