JP2624922B2 - 単結晶シリコン引上装置 - Google Patents
単結晶シリコン引上装置Info
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Description
置に関し、特に、ルツボの亀裂から流出した多結晶溶融
液による事故の発生を防止する構造に関する。
引上装置によりCZ法(Czochralski法)によって得ら
れることが知られている。この単結晶引上装置は、チャ
ンバー内に、多結晶原料を収容するルツボと、このルツ
ボの周囲に配設されるヒータと、このヒータの周囲に配
設された断熱材等とが配設されて構成されている。
ボ内に投入されたシリコン等の多結晶原料がヒータの加
熱により溶融され、このルツボ内の多結晶融液に上方か
ら吊下された種結晶を浸漬し、ルツボとともに種結晶を
回転しながら該種結晶を引上げることによって柱状の単
結晶が得られるものである。
置において、ルツボは通常、耐熱性の高い石英や黒鉛に
より構成されている。そして、石英や黒鉛は脆くて耐衝
撃性に乏しいため、チャージ時に多結晶原料をルツボに
投入すると、ときにその衝撃によりルツボに亀裂が生
じ、高温の融液がその亀裂部分からルツボ外へ流れ出す
事態を生じることがある。また、多結晶原料投入時に、
ルツボ内の融液がルツボの周囲に飛散することも知られ
ている。
或いは飛散すると、融液はルツボ外周壁からチャンバー
下部に至り、チャンバー底板、ヒータ通電用電極、ルツ
ボ昇降軸等の金属部を浸食し、とりわけ高温のシリコン
は金属に対する浸食作用が激しい。このようにして金属
部が浸食を受けると、この金属部を冷却する冷却水が蒸
発してチャンバー内が高圧の蒸気で満たされ、水蒸気爆
発を起こすおそれがある。
ボ外へ流出しても、流出した融液が金属部に達するのを
防止し、チャンバーの水蒸気爆発等の危険を未然に防止
する構造の単結晶引上装置を提案するものである
装置は、ルツボが配設されるチャンバの底部に非浸食性
の底板を設けるとともに、ルツボ昇降軸およびヒータ通
電用電極の周囲を覆う非浸食性の被覆板を前記底板に一
体に設け、前記底板上に、チャージ量分のシリコン多結
晶溶融液を浸透可能な浸透部材を設けたものであり、更
に、前記浸透部材よりも上方の位置に排ガス管の吸入口
を配設し、この排ガス管内に、内周面を覆う非浸食性の
内面部材を設けたものである。
溶融液が流出しても、この溶融液は底板上の浸透部材に
浸透されるとともに、被覆板により電極等の金属部へ達
することが防止されるので、金属部が浸食されることが
なく、しかもチャンバ内に冷却水が流入することによる
チャンバの水蒸気爆発等の事故の発生を未然に防止する
ことができる。また、排ガス管内にも内面部材が設けら
れているので、排ガス管に多結晶溶融液が流入しても浸
食されることがなく、同様に水蒸気爆発等の事故を防止
することができる。
いて説明する。図1は本実施例の単結晶シリコン引上装
置1の要部の縦断面を示しており、図1中、2は密閉タ
ンク状のチャンバーである。このチャンバー2内の中心
には、ルツボ昇降軸3が下方から垂直に上下移動可能で
且つ回転可能に配設され、下端側はルツボ駆動部(図示
省略)に連結されている。ルツボ昇降軸3の上端部には
受皿4が取付けられており、この受皿4上に、内部の石
英ルツボ5とこの石英ルツボ5の周囲を被って保護する
黒鉛ルツボ6とからなるルツボ7が載置されている。
尚、図1中、8は単結晶溶融液を示す。
に配設され、ヒータ9の下部にはヒータ通電用の金属製
の電極10が取付けられている。ヒータ9の周囲には円
筒状の断熱材11が配設されている。尚、前記チャンバ
ー2の周壁には、図示を省略した冷却水通路が形成され
ている。
ス管12が配設され、この排ガス管12の内面には、図
2に示すように、内周面を覆う内面部材13が設けられ
ている。この内面部材13はカーボン部材もしくはタン
タル部材により形成されている。尚、内面部材13はコ
ーディングにより設けてもよい。
4が配設され、この底板14には、上記ルツボ昇降軸
3、各電極10の周囲を底部から所定長だけ覆う被覆板
15が突設され、上述した排ガス管12の開口よりも上
方の位置まで延在している。これらの底板14および被
覆板15は黒鉛板もしくはタンタル板により形成されて
いる。
16が敷設され、浸透部材16は浸透性カーボン部材に
より構成されている。尚、浸透部材16の体積として
は、溶融液1kg当たり500〜600cm3が好まし
い。
1では、ルツボ7内に投入されたシリコン等の多結晶原
料はヒータ7により溶融されて多結晶溶融液8が形成さ
れる。この溶融液8に上方から吊下した種結晶を浸漬
し、回転させながら所定の速度で引上げることによりシ
リコン単結晶が得られる。
に多結晶原料を投入したときに、原料投入の衝撃に起因
してルツボ7に亀裂が生じると、この亀裂から溶融液8
がルツボ7外へ流出し、その流出溶融液8はルツボ7の
外周面に沿って下方へ流れ受皿4の外周面からチャンバ
2の底部に落下することとなる。ところが本発明の場
合、チャンバ底部には浸透性カーボンからなる浸透部材
16が配設されているため、落下した溶融液は浸透部材
16内に浸透して、これに保持され、溶融液が金属製の
ルツボ昇降軸3や電極10に達することを防止でき、こ
れにより金属部の浸食を回避することができる。
て溢れるような急激な湯漏れが発生した場合でも、被覆
板15の高さよりも低い位置に排ガス管12の開口が配
設されているので、被覆板15から溶融液8が溢れる前
に排ガス管12に流入することとなり、溶融液8が電極
10等の金属部に達することはない。
水冷通路17が設けられている場合に、排ガス管12内
に溶融液8が流入したとしても、排ガス管12の内面に
内面部材13が設けられた二重構造となっているので、
排ガス管12を溶融液8により浸食することを防止でき
る。この結果、金属部が溶融液により浸食されることが
ないので、チャンバー内に冷却水が流入することもなく
なり、この冷却水の蒸気化に伴う水蒸気爆発等の事故の
発生を未然に防止できる。
らが試験した結果、直径10インチのルツボ7にシリコ
ン多結晶原料を5kg投入して多結晶溶融液を形成し、
この溶融液に上方から浸透性カーボン部材2500cm
3(1辺が約13.6cmの立方体)を投入した場合、こ
の溶融液のすべてを浸透部材16に浸透させることがで
きた。つまり、溶融液が5kgのときには、2500c
m3であれば充分となり、1kg当り500cm3以上の
浸透部材の体積を確保すればよい。
も考えられるが、浸透部材16を設けない場合には、底
板14と被覆板15に溜まった溶融液が固化するに伴っ
て、これらの接合部に力が作用し、接合部から液漏れを
超すことになり、浸透部材は必須の構成となる。
チャンバの底部溶融液を浸透可能な浸透部材を配設した
ので、ルツボから流出した溶融液が金属部に達すること
を防止することができ、当該金属部を、溶融液による浸
食から阻止することができる。また、急激な溶融液漏れ
があっても、溶融液は排ガス管から流出するとともに、
排ガス管には内面部材が設けられていて、排ガス管に設
けられた水冷部に溶融液が直接接しないので、チャンバ
ーの水蒸気爆発等の危険を未然に防ぐことが可能とな
る。
装置の要部の概略縦断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 ルツボが配設されるチャンバの底部に非
浸食性の底板を設けるとともに、ルツボ昇降軸およびヒ
ータ通電用電極の周囲を覆う非浸食性の被覆板を前記底
板に一体に設け、前記底板上に、チャージ量分のシリコ
ン多結晶溶融液を浸透可能な浸透部材を設けたことを特
徴とする単結晶シリコン引上装置。 - 【請求項2】 前記底板および被覆板を、黒鉛板もしく
はタンタル板により形成した請求項1記載の単結晶シリ
コン引上装置。 - 【請求項3】 前記浸透部材を、浸透性カーボンにより
形成した請求項1又は2記載の単結晶シリコン引上装
置。 - 【請求項4】 前記浸透部材を、シリコン溶融液1kg
当り500cm3以上配設した請求項1、2又は3記載
の単結晶シリコン引上装置。 - 【請求項5】 前記浸透部材よりも上方の位置に排ガス
管の吸入口を配設し、この排ガス管内に、内周面を覆う
非浸食性の内面部材を設けた請求項1、2、3又は4記
載の単結晶シリコン引上装置。 - 【請求項6】 前記内面部材を、カーボン部材もしくは
タンタル部材により形成した請求項5記載の単結晶シリ
コン引上装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7096092A JP2624922B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 単結晶シリコン引上装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7096092A JP2624922B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 単結晶シリコン引上装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05270967A JPH05270967A (ja) | 1993-10-19 |
JP2624922B2 true JP2624922B2 (ja) | 1997-06-25 |
Family
ID=13446595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7096092A Expired - Fee Related JP2624922B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 単結晶シリコン引上装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2624922B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4775594B2 (ja) * | 2007-11-13 | 2011-09-21 | 信越半導体株式会社 | 単結晶引上装置の湯漏れ検出方法および単結晶引上装置 |
-
1992
- 1992-03-27 JP JP7096092A patent/JP2624922B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05270967A (ja) | 1993-10-19 |
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