JP2003053781A - 樹脂製品製造方法及び樹脂成形プレート - Google Patents

樹脂製品製造方法及び樹脂成形プレート

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JP2003053781A JP2001244150A JP2001244150A JP2003053781A JP 2003053781 A JP2003053781 A JP 2003053781A JP 2001244150 A JP2001244150 A JP 2001244150A JP 2001244150 A JP2001244150 A JP 2001244150A JP 2003053781 A JP2003053781 A JP 2003053781A
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俊二 南
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直彦 櫻沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性を向上できる樹脂成形プレートを用い
た樹脂製品製造方法を提供する。 【解決手段】 樹脂により、複数の製品部10を有する
樹脂成形プレート1を成形し、製品部10にハードコー
ト処理や、印刷等の所定の処理を施し、製品部10を樹
脂成形プレート1から分離して個々の製品を得る(図
1)。樹脂成形プレート1には、製品部10の表面より
表面側に突出した外縁凸部12を設け、製品部10の表
面を下にして樹脂成形プレート1を設置した際の製品部
10への接触による傷等の発生を防止した(図1)。ま
た、切断分離工程において段付きのバイト9により製品
部10に段差を同時加工する(図8(d))。また、製品
部10と連結部25,26を有する樹脂成形プレート5
を成形し、2以上の樹脂成形プレート5を連結部25,
26によって連結して前記所定の処理を施す(図1
1)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形プレート
を用いた樹脂製品製造方法及び樹脂成形プレートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ハードコート付透明樹脂製ガラス
等の樹脂製品の製造方法として以下のような方法があっ
た。 成形したガラスに塗装式でハードコート液を吹き付け
た後、UV照射してハードコート液を硬化させる方法で
ある。その後、印刷等の加飾のあるものはその加工を行
う。 成形したガラスを治具に入れ、治具と一緒に水平に自
転させ、ガラス上面の中心を狙ってハードコート液を滴
下し均一に広げた後、UV照射してハードコート液を硬
化させる方法である。その後、治具から取り外し、印刷
等の加飾のあるものはその加工を行う。 成形したガラスをスプールランナー付きでハードコー
ト液にディッピングし、UV照射してハードコート液を
硬化させる方法である。その後、ゲートカットし、印刷
等の加飾のあるものは成形品毎にその加工を行う。 ガラス成形時フィルムインク転写の技術にて、ハード
コートインクを転写させて加工する方法である。その
後、印刷等の加飾のあるものは成形品毎にその加工を行
う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のハードコート付
樹脂製品では、ハードコート処理や、印刷等の成形後の
処理を1個ずつの製品に対して行っていた。また、本体
ケースに超音波溶着で固定する透明樹脂製板等の樹脂製
品は、その溶着部へのハードコート液の付着や回り込み
を阻止するためにマスキングを行う必要があるが、マス
キング作業も製品1個毎に行っていた。したがって、生
産性が低く、コストが高くなるという問題があった。
【0004】本発明は以上の従来技術における問題に鑑
みてなされたものであって、生産性を向上できる樹脂成
形プレートを用いた樹脂製品製造方法及び樹脂成形プレ
ートを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
樹脂により、複数の製品部を有する樹脂成形プレートを
成形し、前記各製品部に所定の処理を施し、前記各製品
部を前記樹脂成形プレートから分離して個々の製品を得
るようにしたことを特徴とする樹脂製品製造方法であ
る。
【0006】したがって請求項1記載の発明によれば、
樹脂成形プレートを用いた樹脂製品製造方法において、
樹脂成形プレートから個々の製品を分離するまえに、一
括して樹脂成形プレートに構成された複数の製品部に対
してハードコート処理や、印刷等の成形後の処理を行う
ことができる。それにより生産性が向上し、生産コスト
を低減することができる。
【0007】請求項2載の発明は、樹脂により、複数の
製品部と複数の連結部とを有する樹脂成形プレートを2
以上成形し、この2以上の樹脂成形プレートの連結部同
士を連結した状態で前記各製品部に所定の処理を施した
後に、前記各製品部を前記樹脂成形プレートから分離し
て個々の製品を得るようにしたことを特徴とする樹脂製
品製造方法である。
【0008】したがって請求項2記載の発明によれば、
樹脂成形プレート成形後、2以上の樹脂成形プレートを
前記連結部によって連結した状態で前記所定の処理を施
すので、一括して2以上の樹脂成形プレートに構成され
た製品部に対してハードコート処理や、印刷等の成形後
の処理を行うことができる。それにより生産性が向上
し、生産コストを低減することができる。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2に記載の発明において、前記樹脂成形プレートとし
て、前記製品部の表面より表面側に突出した凸部であっ
て、前記製品部の表面を下にして前記樹脂成形プレート
を設置した場合に、樹脂成形プレートを三点以上で支持
する凸部を有する樹脂成形プレートを成形し、前記所定
の処理として前記製品部の裏面への処理を行うことを特
徴とする。
【0010】したがって請求項3記載の発明によれば、
製品部の裏面への処理を行うために、製品部の表面を下
にして樹脂成形プレートを設置すると、製品部の表面よ
り表面側に突出した凸部により、樹脂成形プレートが三
点以上で支持されるので、製品部が設置面に接触するこ
とがなく、製品に傷等が発生することを防止することが
できる。樹脂成形プレート自身に製品を保護する構造が
採用されているので、成形後の処理において製品を保護
するために治具をあてがう等の煩雑な作業が少なくな
る。それにより生産性が向上し、生産コストを低減する
ことができる。三点以上で支持するためには、樹脂成形
プレートの外周縁に連続して前記凸部を成形したり、独
立した前記凸部を3つ以上異なる辺に配置して成形する
など、多様な形態が提供できる。
【0011】請求項4の発明は、請求項1、請求項2又
は請求項3に記載の発明において、前記所定の処理とし
て、前記製品部にコーティング液を付着させる処理を施
し、前記製品部を前記樹脂成形プレートから分離するた
めに切削加工を行い、この切削加工によって前記製品部
の裏面の周縁部を切削し、分離された製品の裏面の切削
加工面を溶融させて接着を行うことを特徴とする。
【0012】したがって請求項4記載の発明によれば、
製品部にコーティング液を付着させる処理を施す際に、
製品部裏面にコーティング液が付着しても、その後の切
断分離工程において樹脂成形プレートから製品部を切り
離す際に、製品裏面周縁のコーティング液が切削により
除去されるとともに製品裏面周縁に溶着面を形成するた
めの段差が構成されるので、かかる溶着面の製品素材の
樹脂を溶融させて接着を行うことができる。製品裏面周
縁に溶着面を形成するための段差を構成するために工程
増とならず、製品部にコーティング液を付着させる処理
を行う際のマスキングの手間が省ける。それにより生産
性が向上し、生産コストを低減することができる。
【0013】請求項5記載の発明は、個々の製品となる
複数の製品部を樹脂成形プレート本体に備えた樹脂成形
プレートであって、前記樹脂成形プレート本体に、他の
同じ形状の樹脂成形プレートの連結部と連結可能な連結
部を成形していることを特徴とする樹脂成形プレートで
ある。
【0014】したがって請求項5記載の発明によれば、
他の同じ形状の樹脂成形プレートの連結部と連結可能な
連結部を成形しているので、2以上の樹脂成形プレート
を前記連結部によって連結した状態でハードコート処理
や、印刷等の所定の処理を施すことができる。それによ
り生産性が向上し、生産コストを低減することができ
る。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、前記連結部は、互いに嵌り合う形状のオス
連結部とメス連結部を備え、これら連結部を、前記樹脂
成形プレート本体の相対する端部に有することを特徴と
する。
【0016】したがって請求項6記載の発明によれば、
オス連結部とメス連結部とを、相対する端部に有するの
で、以下のようになる。本発明に係る同一の樹脂成形プ
レートが3つ以上有るとする。それらをそれぞれ(N−
1),N,(N+1)・・・とする。樹脂成形プレート
(N−1)のオス連結部を樹脂成形プレートNのメス連
結部に嵌合し、樹脂成形プレートNのオス連結部を樹脂
成形プレート(N+1)のメス連結部に嵌合し、という
ように順次いくつでも際限なく連続して連結することで
きる。したがって請求項6記載の発明によれば、同一の
樹脂成形プレートを、いくつでも際限なく連続して連結
することができ、連結状態でハードコート処理や、印刷
等の所定の処理を施すことで生産性を向上し、生産コス
トを低減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施の形態につ
き図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態
であって本発明を限定するものではない。
【0018】〔第1の実施の形態〕まず、図1、図2、
図3、図4、図5及び図6を参照して第1の実施の形態
につき説明する。本実施形態は、透明樹脂製の腕時計ガ
ラスを製品とし、本発明を適用した例である。図1に、
腕時計ガラス部10が多数個形成された樹脂成形プレー
ト1の表面図(a)、A−A断面図(b)、B−B断面図(c)
及び裏面図(d)を示す。図1(e)は図1(c)の部分拡大図
である。
【0019】樹脂成形プレート1は、製品部として腕時
計ガラス部10を備える。また樹脂成形プレート1は、
製品周囲薄肉部11、外縁凸部12、取手部13を備え
る。
【0020】樹脂成形プレート1は、成形金型の上型、
下型により形成される空間部により一体的に成形される
ものである。樹脂成形プレート1は射出成形やプレス加
工により成形することができる。図1に示すように樹脂
成形プレート1には、複数の腕時計ガラス部10が含ま
れて並設され、大板状に成形される。図1には腕時計ガ
ラス部10が4個含まれる場合を示した。樹脂成形プレ
ート1の外形は、取手部13を除けば長方形形状とな
る。
【0021】腕時計ガラス部10の表面は凸な曲面状に
形成され、裏面はほぼフラットな面に形成されている。
腕時計ガラス部10は樹脂成形プレート1の長手方向に
1列に、間隔を持って配置されている。製品周囲薄肉部
11は腕時計ガラス部10より薄く、樹脂成形プレート
1の裏面側に偏在する。また製品周囲薄肉部11は腕時
計ガラス部10に連続し、腕時計ガラス部10の全周に
成形されている。外縁凸部12は、樹脂成形プレート1
の外縁において腕時計ガラス部10より肉厚に成形され
た部分で、複数の穴部15を表面側に、複数の穴部16
を裏面側に有する。外縁凸部12は表面側に突出してお
り、腕時計ガラス部10の頂点より高く成形されてい
る。外縁凸部12は、製品部である腕時計ガラス部10
の表面を下にして樹脂成形プレート1を設置した場合
に、樹脂成形プレート1を三点以上で支持する凸部で、
腕時計ガラス部10への傷等を防止するためのものであ
る。樹脂成形プレート1の場合、その全周に亘って外縁
凸部12を設けたが、独立した凸部を3つ以上異なる辺
に配置して成形するなどしてもよい。また、図2に示す
樹脂成形プレート2においては、外縁凸部22を取手部
13の反対側の1辺には設けずに他の3辺に設けた。す
なわち、樹脂成形プレート2において、製品周囲薄肉部
11は取手部13の反対側の縁まで連続して成形されて
いる。穴部15,16は位置決め用の穴である。穴部1
5,16に代えて貫通孔や凸部としても良いし、樹脂成
形プレート1の外周端面に凹凸形状を設けるなど、その
他の位置決めガイド部を設けても良い。
【0022】製品周囲薄肉部11は、複数の腕時計ガラ
ス部10間、及び腕時計ガラス部10と外縁凸部12と
の間を繋いでいる。図1(b)(c)に示すように樹脂成形プ
レート1の表面側において、製品周囲薄肉部11は他の
部分に対して低い窪地となっており、腕時計ガラス部1
0から製品周囲薄肉部11にかけて、及び、外縁凸部1
2から製品周囲薄肉部11にかけては、段差は設けず
に、斜面により連続的に成形されている。取手部13に
は凸部14が成形されている。樹脂成形プレート1の裏
面は、穴部16及び段差部17を除き、フラットに成形
されている。図1(d)(e)に示すように、段差部17は、
製品周囲薄肉部11の裏面側と腕時計ガラス部10の周
縁部に亘って窪んで成形されており、他の部分に対して
段差を形成している。
【0023】次に、生産の手順に沿って説明する。ま
ず、樹脂成形プレート1を射出成形等により成形する。
それには、樹脂成形プレート1に対応した空間部を有す
る金型(図示せず)を用いる。かかる金型は、腕時計ガ
ラス部10、製品周囲薄肉部11、外縁凸部12、取手
部13、凸部14、穴部15,16、段差部17の各部
に対応する内面形状を有する空間部が形成された上型と
下型からなる金型である。特に射出成形とする場合、金
型には、製品周囲薄肉部11を成形する空間部に注入孔
が設置される。すなわち、射出された溶融樹脂は、その
注入孔を介して、まず、製品周囲薄肉部11を成形する
空間部に流入する。さらに溶融樹脂は製品周囲薄肉部1
1を成形する空間部から、腕時計ガラス部10を成形す
る空間部、外縁凸部12、取手部13を成形する空間部
へと流入する。その際、製品周囲薄肉部11を成形する
空間部は、腕時計ガラス部10を成形する空間部の周囲
に設けられているから、腕時計ガラス部10を成形する
空間部にはあらゆる方向から樹脂が流入し、製品部への
均一な樹脂充填が可能となる。
【0024】その後、樹脂を硬化させて樹脂成形プレー
ト1を得る。次に、表面側のハードコート処理を行う。
その方法として以下のような方法が挙げられる。 樹脂成形プレート1に塗装式でハードコート液を吹き
付けた後、UV照射してハードコート液を硬化させる方
法。 樹脂成形プレート1を治具に入れ、治具と一緒に樹脂
成形プレート1の表面を上にして水平に自転させつつ表
面の中心を狙ってハードコート液を滴下し均一に広げた
後、UV照射してハードコート液を硬化させる方法。 樹脂成形プレート1をハードコート液にディッピング
し、UV照射してハードコート液を硬化させる方法。 ガラス成形時フィルムインク転写の技術にて、ハード
コートインクを転写させて加工する方法。 ここでは、上記のハードコート液にディッピングする
方法を用いる。ディッピングする前にマスキングを行
う。マスキングは、表面側の穴部15、裏面側の穴部1
6、及び段差部17に対して行う。例えば図3に示すよ
うに樹脂成形プレート1表面においては、少なくとも穴
部15を覆うように外縁凸部12上に2枚のマスキング
テープ18を貼付するとともに、樹脂成形プレート1の
裏面全体に1枚のマスキングテープ19を貼付する。マ
スキング後、取手部13をチャックに把持させて樹脂成
形プレート1を吊るしハードコート液にディッピングす
る。すなわち、取手部13が上になり、その反対側が下
となる。取手部13に凸部14が設けられているので、
チャックへの位置決めがしやすい。また、凸部14は把
持した際のすべり止めともなる。ディッピング後、余分
なハードコート液は滴り落ちる。図2に示す樹脂成形プ
レート2をディッピングする場合、取手部13の反対側
の縁には外縁凸部12が形成されていないので、よりス
ムーズにハードコート液が滴り落ち易い。その後、樹脂
成形プレート1を水平に載置する場合にも、腕時計ガラ
ス部10上のハードコート液は停留せずに、より低所の
製品周囲薄肉部11へ流動して自ずと捌けてくれる。し
たがって、均一なコーティングを行うことができる。
【0025】次に図4に示すように腕時計ガラス部10
の裏面に印刷を施す。23は印刷面である。まず、樹脂
成形プレート1の裏面を上にして設置する。その際、表
面側に形成された穴部15又は樹脂成形プレート1の端
面を利用して位置決めする。上述したように、外縁凸部
12は表面側に突出しており、腕時計ガラス部10の頂
点より高く成形されているので、樹脂成形プレート1は
外縁凸部12を設置面に接触する態様で安定的に設置さ
れる。すなわち、腕時計ガラス部10の表面は設置面に
接触しない。そのため、特に樹脂成形プレート1を設置
するための受け治具等を使用せずに、腕時計ガラス部1
0に接触による傷等を発生させることなく印刷を行うこ
とができる。印刷は、樹脂成形プレート1上に構成され
た多数の腕時計ガラス部10を一括して一度に行う。こ
れにより生産コストを低減できる。
【0026】次に、各腕時計ガラス部10を分離する。
切断の方法としては、図5に示す切削バイトによる方
法、図6に示す打ち抜きによる方法の他、ブレードによ
る切削や、レーザー加工による方法が挙げられる。ま
ず、樹脂成形プレート1の表面を上にして設置する。そ
の際、裏面側に形成された穴部16又は樹脂成形プレー
ト1の端面を利用して位置決めする。図5(b)に示すよ
うに切削バイトによる方法では、予め樹脂成形プレート
1の裏面に保護テープ7を貼付しておく。図5(a)(b)に
示すように切削バイト8により腕時計ガラス部10の外
形に沿って樹脂成形プレート1を切削して腕時計ガラス
部10を個片に分離し、図5(c)(d)に示すような腕時計
ガラス20を得る。或いは、図6に示すように打ち抜き
により腕時計ガラス部10を個片に分離し、腕時計ガラ
ス20を得る。打ち抜きは切削ではなく剪断による方法
であり、一度に腕時計ガラス部10周囲の切断を行うこ
とができるので生産性が良い。以上の工程により、ハー
ドコート付腕時計ガラス20が作製される。腕時計ガラ
ス20には、段差部17の一部が残る。すなわち、腕時
計ガラス20の裏面側周縁には段差が形成される。この
段差を腕時計本体側のケースや枠等に嵌合させて固定
し、超音波を照射して溶着させる。この段差をつくるこ
とにより腕時計ガラス20の他の部分は溶融させること
なく、この段差部分のみを溶融させることができる。
【0027】〔第2の実施の形態〕次に、図7及び図8
を参照して第2の実施の形態につき説明する。図7に、
樹脂成形プレート3の表面図(a)、B−B断面図(b)及び
裏面図(c)を示す。図7(d)は図7(b)中のP部拡大図で
ある。図8に、腕時計ガラス22の表面図(a)、側面図
(b)及び裏面図(c)を示す。樹脂成形プレート3には腕時
計ガラス部21が多数個成形されている。本実施形態は
第1の実施の形態と同様の腕時計ガラスに適用した例で
あるが、以下の点で第1の実施の形態とは異なる。
【0028】上記第1の実施の形態においては、腕時計
ガラス20の裏面側周縁に溶着面を形成する段差を樹脂
成形プレート1(又は2)の成形時に一緒に成形した
が、本実施形態においては切断加工より成形する。図7
(b)(c)に示すように本実施形態の樹脂成形プレート3は
第1の実施の形態の樹脂成形プレート1とは異なり、段
差部17を有さない。樹脂成形プレート3の裏面は、複
数の穴部16を除きフラットな面に成形されている。ま
た、取手部13を設けない場合を図示した。上記第1の
実施の形態においては、樹脂成形プレート1の表面側か
ら切削加工したが、本実施形態においては、裏面側から
切削バイト9によって切削する。図7(b)及び図7(d)に
示すように、切削バイト9には段部が設けられており、
この段部によって腕時計ガラス部21の裏面側周縁に段
差を切削加工する。ハードコート処理、印刷等の加飾加
工をした後、切削バイト9により腕時計ガラス部21の
外形に沿って樹脂成形プレート1を切削して切断しなが
ら腕時計ガラス部21の裏面側周縁に段差を切削加工す
る。それにより腕時計ガラス部21を個片に分離し、図
8(a)(b)(c)に示すような腕時計ガラス22を得る。分
離された製品である腕時計ガラス22の裏面の切削加工
面を溶融させて腕時計本体側のケースや枠等に溶着させ
る。この段差をつくることにより腕時計ガラス22の他
の部分は溶融させることなく、この段差部分のみを溶融
させることができる。以上のようにすることにより、溶
着面を形成する段差を周縁に有するハードコート付ガラ
スを作製するにあたって、ハードコート処理時には溶着
面となる部位をマスキングする必要がない。そのため、
マスキングに要する材料費や、手間が削減でき生産コス
トを軽減できる。しかも、溶着面を形成する段差を成形
するための切削加工は、製品部(腕時計ガラス部21)
の切断分離工程と同時に行えるので、工程増とならな
い。上記第1の実施の形態における腕時計ガラス20の
溶着面を形成する段差は樹脂成形プレート1(又は2)
の成形時に構成されるのに対し、本実施形態の腕時計ガ
ラス22の溶着面を形成する段差は樹脂成形プレート1
から腕時計ガラス部21を切断分離する際に構成される
点で異なる。
【0029】〔第3の実施の形態〕次に、図9及び図1
0を参照して第3の実施の形態につき説明する。図9
に、本実施形態の樹脂成形プレート4の表面図(a)、Q
−Q断面図(b)及びR−R断面図(c)を示す。図10に、
樹脂成形プレート4の裏面図を示す。本実施形態は、第
1の実施の形態と同様の腕時計ガラスに適用した例であ
るが、以下の点で第1の実施の形態とは異なる。
【0030】上記第1の実施の形態においては、樹脂成
形プレート1(又は2)に腕時計ガラス部10が1列に
並んで成形されているため、仮に、外縁凸部12がない
とすると、印刷工程時等に表面を下にして設置する際、
据わりが悪く安定しない場合がある。一方、本実施形態
の樹脂成形プレート4には、腕時計ガラス部10が2列
4行に並んで成形されている。また樹脂成形プレート4
には、外縁凸部が設けられていない。製品周囲薄肉部1
1が樹脂成形プレート4の外周縁まで連続して成形され
ている。製品周囲薄肉部11に位置決め用の孔部24が
穿設されている。凸な曲面を有する腕時計ガラスのよう
に据わりの悪い形状の製品部を成形する場合でも、本実
施形態のように製品部を2行2列以上に配列することに
より、表面を下にして設置した際に据わりが良く安定す
る。また本実施形態によれば、樹脂成形プレート4の外
周縁を肉厚に成形する必要がないので、材料面や形状の
簡素化等により生産コストを軽減できる。
【0031】〔第4の実施の形態〕次に、図11及び図
12を参照して第4の実施の形態につき説明する。図1
1に、本実施形態における樹脂成形プレート5の表面図
(a)、S−S断面図(b)及び連結状態を示す表面図(c)を
示す。図12に、本実施形態の樹脂成形プレート6の表
面図(a) 及びS−S断面図(b)、並びに連結状態を示す
表面図(c)及びT−T断面図(d)を示す。本実施形態は、
第1の実施の形態と同様の腕時計ガラスに適用した例で
あるが、以下の点で第1の実施の形態とは異なる。
【0032】本実施形態の樹脂成形プレート5,6は、
長手方向の対辺に連結部を有する。樹脂成形プレート5
は、長手方向の一辺(短い方の辺)に先端程幅広となる
台形形状の突出部であるオス連結部25を有し、その対
辺に、対応する台形形状の切欠部であるメス連結部26
を有する。図11(c)に示すように、オス連結部25と
メス連結部26とを嵌合させることにより、複数の樹脂
成形プレート5が長手方向に連結する。2以上の樹脂成
形プレート5をオス連結部25とメス連結部26とによ
って連結した状態で、前述した各実施形態の場合と同様
なハードコート処理や、印刷等の所定の処理を行う。
【0033】一方、樹脂成形プレート6は、長手方向の
一辺(短い方の辺)にオス連結部27を有し、その対辺
にメス連結部28を有する。オス連結部27は基部27
aと凸部27bとからなる。基部27aは矩形形状で外縁
凸部12から樹脂成形プレート6の長手方向に突出して
成形されている。基部27aの厚さは、外縁凸部12の
2分の1から3分の1程度にされており、樹脂成形プレ
ート6の裏面側に偏在する。基部27aのほぼ中央に
は、表面側に突出する凸部27bが成形されている。以
上のようにしてオス連結部27は外縁凸部の厚みの範囲
内に成形されている。メス連結部28は段差部28aと
孔部28bとからなる。段差部28aは基部27aと嵌合
する外形で、基部27aの深さに等しい深さの窪みを裏
面側端部に成形したものである。段差部28aのほぼ中
央に連通するように孔部28bが穿設されている。図1
2(c)(d)に示すように、基部27aが段差部28aに、凸
部27bが孔部28bに嵌合する態様でオス連結部27と
メス連結部28とが嵌合し、複数の樹脂成形プレート6
が長手方向に連結する。2以上の樹脂成形プレート6を
オス連結部27とメス連結部28とによって連結した状
態で、前述した各実施形態の場合と同様なハードコート
処理や、印刷等の所定の処理を行う。
【0034】本実施形態の樹脂成形プレート5,6には
取手部13は設けられていないが、オス連結部25,2
7がその代用となる。
【0035】本実施形態によれば、2以上の樹脂成形プ
レート5,6同士を各連結部25,26、27,28を
介して繋ぎ合わせることにより、一の樹脂成形プレート
に構成される製品部(腕時計ガラス部10)と他の樹脂
成形プレートに構成される製品部(腕時計ガラス部1
0)との相対位置が確定するので、2枚以上の樹脂成形
プレート5,6を互いに連結部25,26,27,28
にてしっかりと連結した状態で、同時に各ガラス部1
0,10・・・に対するハードコート処理や印刷等の処
理を行う際に有利である。図面上、これらの連結部2
5,26,27,28は1辺に1つずつ設けたが、1辺
に複数設けて、さらに安定性を向上させてもよい。
【0036】なお、以上の実施形態では、腕時計ガラス
を製品とし、製品部を腕時計ガラス部として説明した
が、本発明はこれに限らず、携帯電話、携帯端末用のガ
ラス又は合成樹脂のほかに、メガネ、その他のレンズ等
の各種の製品とし、これらに対応する製品部にも適用可
能である。
【0037】
【発明の効果】上述したように請求項1記載の発明によ
れば、樹脂成形プレートを用いた樹脂製品製造方法にお
いて、樹脂成形プレートから個々の製品を分離するまえ
に、一括して樹脂成形プレートに構成された複数の製品
部に対してハードコート処理や、印刷等の成形後の処理
を行うことができる。それにより生産性が向上し、生産
コストを低減することができるという効果がある。
【0038】上述したように請求項2記載の発明によれ
ば、樹脂成形プレート成形後、2以上の樹脂成形プレー
トを前記連結部によって連結した状態で前記所定の処理
を施すので、一括して2以上の樹脂成形プレートに構成
された製品部に対してハードコート処理や、印刷等の成
形後の処理を行うことができる。それにより生産性が向
上し、生産コストを低減することができるという効果が
ある。
【0039】上述したように請求項3記載の発明によれ
ば、製品部の裏面への処理を行うために、製品部の表面
を下にして樹脂成形プレートを設置すると、製品部の表
面より表面側に突出した凸部により、樹脂成形プレート
が三点以上で支持されるので、製品部が設置面に接触す
ることがなく、製品に傷等が発生することを防止するこ
とができるという効果がある。また、樹脂成形プレート
自身に製品を保護する構造が採用されているので、成形
後の処理において製品を保護するために治具をあてがう
等の煩雑な作業が少なくなる。それにより生産性が向上
し、生産コストを低減することができるという効果があ
る。
【0040】上述したように請求項4記載の発明によれ
ば、製品部にコーティング液を付着させる処理を施す際
に、製品部裏面にコーティング液が付着しても、その後
の切断分離工程において樹脂成形プレートから製品部を
切り離す際に、製品裏面周縁のコーティング液が切削に
より除去されるとともに製品裏面周縁に溶着面を形成す
るための段差が構成されるので、かかる溶着面の製品素
材の樹脂を溶融させて接着を行うことができる。製品裏
面周縁に溶着面を形成するための段差を構成するために
工程増とならず、製品部にコーティング液を付着させる
処理を行う際のマスキングの手間が省ける。それにより
生産性が向上し、生産コストを低減することができると
いう効果がある。
【0041】上述したように請求項5記載の発明によれ
ば、他の同じ形状の樹脂成形プレートの連結部と連結可
能な連結部を成形しているので、2以上の樹脂成形プレ
ートを前記連結部によって連結した状態でハードコート
処理や、印刷等の所定の処理を施すことができ、それに
より生産性が向上し、生産コストを低減することができ
るという効果がある。
【0042】上述したように請求項6記載の発明によれ
ば、同一の樹脂成形プレートを、いくつでも際限なく連
続して連結することができ、連結状態でハードコート処
理や、印刷等の所定の処理を施すことで生産性を向上
し、生産コストを低減することができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施形態における樹脂成形プレー
ト1の表面図(a)、A−A断面図(b)、B−B断面図(c)
及び裏面図(d)である。図(e)は図(c)の部分拡大図であ
る。
【図2】本発明第1の実施形態における他の樹脂成形プ
レート2の表面図(a)及びD−D断面図(b)である。
【図3】本発明第1の実施形態における樹脂成形プレー
ト1のマスキングされた状態を示す表面図(a)及び裏面
図(b)である。
【図4】本発明第1の実施形態における樹脂成形プレー
ト1の印刷後の状態を示す表面図(a)、B−B断面図(b)
及び裏面図(c)である。
【図5】本発明第1の実施形態における樹脂成形プレー
ト1の切削分離工程を示す表面図(a)及びB−B断面図
(b)、並びに分離後の製品(腕時計ガラス20)の表面
図(c)及び側面図(d)である。
【図6】本発明第1の実施形態における樹脂成形プレー
ト1の打ち抜き分離工程を示す表面図(a)及びB−B断
面図(b)、並びに分離後の製品(腕時計ガラス20)の
表面図(c)及び側面図(d)である。
【図7】本発明第2の実施形態における樹脂成形プレー
ト3の切削分離工程を示す表面図(a)、B−B断面図(b)
及び裏面図 (c)である。図(d)は図(b)の部分拡大図であ
る。
【図8】本発明第2の実施形態における製品(腕時計ガ
ラス22)の表面図(a)、側面図(b)及び裏面図(c)であ
る。
【図9】本発明第3の実施形態における樹脂成形プレー
ト4の表面図(a)、Q−Q断面図(b)及びR−R断面図
(c)である。
【図10】本発明第3の実施形態における樹脂成形プレ
ート4の裏面図である。
【図11】本発明第4の実施形態における樹脂成形プレ
ート5の表面図(a)、S−S断面図(b)及び連結状態を示
す表面図(c)である。
【図12】本発明第4の実施形態における他の樹脂成形
プレート6の表面図(a)及びS−S断面図(b)、並びに連
結状態を示す表面図(c)及びT−T断面図(d)である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5 樹脂成形プレート 7 保護テープ 8,9 切削バイト 10,21 腕時計ガラス部(製品部) 11 製品周囲薄肉部 12 外縁凸部 13 取手部 14 凸部 15,16 穴部 17 段差部 18,19 マスキングテープ 20,22 腕時計ガラス(製品) 23 印刷面 24 孔部 25 オス連結部 26 メス連結部 27 オス連結部 27a 基部 27b 凸部 28 メス連結部 28a 段差部 28b 孔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 園田 博行 東京都羽村市栄町3丁目2番1号 カシオ 計算機株式会社羽村技術センター内 Fターム(参考) 4F202 AG02 AH74 CA11 CB01 CK11 CS10 4F206 AG02 AH74 JA07 JL02 JM04 JN11 JQ81 JW23 JW24 JW31 4F208 AF01 AG01 AG05 MA05 MA10 MB02 MB29 MG01 MJ11 MW02 MW23 MW26 MW37

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂により、複数の製品部を有する樹脂
    成形プレートを成形し、前記各製品部に所定の処理を施
    し、前記各製品部を前記樹脂成形プレートから分離して
    個々の製品を得るようにしたことを特徴とする樹脂製品
    製造方法。
  2. 【請求項2】 樹脂により、複数の製品部と複数の連結
    部とを有する樹脂成形プレートを2以上成形し、この2
    以上の樹脂成形プレートの連結部同士を連結した状態で
    前記各製品部に所定の処理を施した後に、前記各製品部
    を前記樹脂成形プレートから分離して個々の製品を得る
    ようにしたことを特徴とする樹脂製品製造方法。
  3. 【請求項3】 前記樹脂成形プレートとして、前記製品
    部の表面より表面側に突出した凸部であって、前記製品
    部の表面を下にして前記樹脂成形プレートを設置した場
    合に、樹脂成形プレートを三点以上で支持する凸部を有
    する樹脂成形プレートを成形し、前記所定の処理として
    前記製品部の裏面への処理を行うことを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の樹脂製品製造方法。
  4. 【請求項4】 前記所定の処理として、前記製品部にコ
    ーティング液を付着させる処理を施し、前記製品部を前
    記樹脂成形プレートから分離するために切削加工を行
    い、この切削加工によって前記製品部の裏面の周縁部を
    切削し、分離された製品の裏面の切削加工面を溶融させ
    て接着を行うことを特徴とする請求項1、請求項2又は
    請求項3に記載の樹脂製品製造方法。
  5. 【請求項5】 個々の製品となる複数の製品部を樹脂成
    形プレート本体に備えた樹脂成形プレートであって、前
    記樹脂成形プレート本体に、他の同じ形状の樹脂成形プ
    レートの連結部と連結可能な連結部を成形していること
    を特徴とする樹脂成形プレート。
  6. 【請求項6】 前記連結部は、互いに嵌り合う形状のオ
    ス連結部とメス連結部を備え、これら連結部を、前記樹
    脂成形プレート本体の相対する端部に有することを特徴
    とする請求項5記載の樹脂成形プレート。
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