JP2003053607A - 深穴加工用ドリル - Google Patents

深穴加工用ドリル

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JP2003053607A
JP2003053607A JP2001244141A JP2001244141A JP2003053607A JP 2003053607 A JP2003053607 A JP 2003053607A JP 2001244141 A JP2001244141 A JP 2001244141A JP 2001244141 A JP2001244141 A JP 2001244141A JP 2003053607 A JP2003053607 A JP 2003053607A
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drill
end side
chips
deep hole
base end
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Satoshi Omi
諭 近江
Takashi Uejima
隆司 上島
Minoru Doi
稔 土肥
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Moldino Tool Engineering Ltd
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Hitachi Tool Engineering Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ドリル直径の30倍以上の深穴をノンステップ
で加工し、加工時間を短縮できるツイストドリルを提供
することを目的とする。 【構成】金属の深穴を加工するツイストドリルにおい
て、該ドリルの刃部の先端側捻れ角より、基端側捻れ角
が大とするとともに、該ドリルの基端側の心厚を該ドリ
ル先端側の心厚より同等若しくは大きくしたことを特徴
とする深穴加工用ドリルである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、加工深さがドリル直
径の30倍以上の金属の深穴加工用ドリルに関し、詳細
には、切屑排出作用を円滑にすることにより、ノンステ
ップで加工できる深穴加工用ドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に用いられているドリル径の2〜3
倍程度の通常の穴加工用ドリルでは、切屑がカールした
連続切屑が生成され、ドリル径の5倍程度の加工深さ
で、切屑の排出が不能となり、切り屑排出溝中に詰まる
事で切削トルクの増大を招き、しいてはドリルの折損に
至る。そこで、直径の5倍以上の深さを加工する場合、
溝形状を通常のコーンケープからバラボリックにした深
穴用ドリルが用いられ(例として、実公平3−3337
5号公報)、切屑の排出方向をリード方向に制御し、リ
ボン状切屑形状にする事で穴内壁とドリル溝との空間か
ら切屑を排出しやすくし、ドリル径の10倍程度までノ
ンステップ加工できる深穴用ドリルが使用されている。
また、ドリル直径の30倍以上を加工するとなると、前
記ドリルを用いても、ドリル直径の10倍以上の加工深
さになると、ステップ加工で1回に切削できる深さは、
ドリル直径の約1倍程度で切屑排出不能となり、切屑排
出の為に、ドリル先端側を穴の外まで抜き去って、ドリ
ル溝に付着した切屑を除去する事が必要となり、この道
程がドリル直径の30倍以上ともなると、加工に多大な
時間を要し、生産性を著しく低下させている。一般に
は、ドリル直径の30倍以上の深穴加工は、ガンドリル
並びに専用のガンドリルマシンを用いて加工できるが、
これらの設備を有している処は稀である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、ドリル直
径の30倍以上の深穴をノンステップで加工し、加工時
間を短縮できるツイストドリルを検討したところ、切り
屑排出、特に、切り屑排出は、刃溝の中途で切り屑詰ま
りを起こし、一度切り屑が滞留するとそのまま留まって
しまい、ドリル折損の危険が生じる。これを防ぐため、
ステップ送りをして、切屑を穴の外へ排出しなければな
らず、加工穴が深い場合は、数多くのステップ送りを繰
り返せねばならず、加工時間が増大するという課題があ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明では、上記の課
題を解決するため、金属の深穴を加工するツイストドリ
ルにおいて、該ドリルの刃部の先端側捻れ角より、基端
側捻れ角が大とするとともに、該ドリルの基端側の心厚
を該ドリル先端側の心厚より同等若しくは大きくしたこ
とを特徴とする深穴加工用ドリルである。
【0005】
【発明実施の形態】先ず、深穴加工時、刃先で生じた切
屑は、切屑生成力により、ドリル溝を伝い、ドリル基端
側へと向かうが、切屑と穴内壁との摩耗や切屑とドリル
溝との摩耗により、徐々に切屑を排出する力である切屑
生成力を失い、溝途中で切屑の滞留を引き起こす。この
位置が、一般加工用ドリル(コーンケーブ)では、加工
深さがドリル径の2〜3倍、深穴加工用ドリルに用いら
れるパラボリックでは、ドリル先端よりドリル直径のの
10倍程度の距離である。本願発明では、刃先で生成さ
れた切屑が切屑滞留を引き起こす位置より手前で、ドリ
ル溝の捩れ角を45°以上にし、切屑を強制的に搬送
し、排出できる様にドリル溝の捩れ角を45°以上に基
端側の捻れ角を設け、更に、該ドリルの基端側の心厚を
該ドリル先端側の心厚より同等若しくは大きくした事で
切屑詰まりを防止した。
【0006】より好ましくは、基端側のドリル溝の捻れ
角を60°以上とすることで、切屑の搬送効率が向上す
ると共に、基端側の捻れ角は、45°以上であれば、基
端側の溝中において、捻れ角を変化させ、切屑に脈動を
与えて、切屑の排出を補助する事もできる。
【0007】先端側捩れ角は、切削作用を行う掬い角に
該当し、ワークの材質や切屑形態によって選択される。
例えば、FC等の脆性金属では、0°〜30°程度の捻
れ角で刃物角を大きくし、刃先を強化すると共に切屑の
剪断角を大きくし、チップ状の切屑を生成させ、基端側
での搬送に有利な切屑形状とさせる。又、S45C等の
材料では、30°〜45°程度の捻れ角で切れ味を良く
して、切削トルクの低減を図ると共に、切屑を溝内でカ
ールさせ、遷移折断型切屑とすることで、基端側での搬
送に有利な切屑形状をさせる。この刃部先端側捩れ角を
基端側捻れ角へ滑らかに継ぐ為、刃部先端側捩れ角を可
変とすることで、切屑をスムーズに流し、応力の集中が
避けられる。ドリル製作上の都合により、刃部先端側捻
れ角から基端側捻れ角へ段階的に継いでも、刃部先端側
溝容積≦基端側溝容積が成り立てば、切削性を損なわな
い。
【0008】深穴加工用ドリルでは、ドリル径に比して
溝長が長く、剛性に乏しいので、穴加工時の座屈現象や
ドリル溝の捩れにより、切削トルクに対して、切刃が不
等速切削を起こす。これらを改善する為に、先端側の心
厚を大きくとり、基端側も同一値として剛性を向上させ
る。調質材の様に、硬く粘い金属を切削する際の様に、
これでも剛性不足の場合は、切削スラスト抵抗が上昇す
るので、先端側心厚をそのままに、基端側の心厚を大き
くする事が必要になり、軟い金属の場合は、ドリル径の
10%以上で、硬く粘い材料の場合は、ドリル径の65
%以下である。ドリル径の10%以下では、切刃がビビ
リ現象を起こし、ドリル径の65%以上では、溝中の切
屑詰まりを起こす。
【0009】ドリル溝形状により、切屑形状がコントロ
ールされる。本願発明では、先端側での切屑を一定のチ
ップ状とすることで、基端側搬送部の切屑詰まりの防止
を図る。又、基端側溝形状では、加工穴内壁と切屑の摩
擦力を利用して、切屑の搬送を行うので、パラボリック
溝形状は、切屑が穴の内壁側へ流れやすいので、基端側
溝形状をパラボリックとした。以下、実施例に基づき本
発明を具体的に説明する。
【0010】
【実施例】(実施例1)本発明例1として、ドリル直径
=5.0mm、溝長=280mm、全長=330mm、
表面処理=酸化皮膜処理し、図1〜図3に示す先端側捻
れ角部がコーンケープ状で、先端側捻れ角を40°、基
端側捻れ角を60°、先端側心厚=基端側心厚=0.4
×ドリル径、としたコバルトハイス製ストレートシャン
ク深穴ドリルを用い、本発明例2として、先端側心厚=
0.4×ドリル径、基端側心厚=0.5×ドリル径、本
発明例3として、先端側心厚=0.4×ドリル径、基端
側心厚=0.6×ドリル径、本発明例4として、先端側
心厚=0.4×ドリル径、基端側心厚=0.7×ドリル
径の各々のドリルを製作した。また、従来例5として、
先端側捻れ角=基端側捻れ角=40°以外は、同形状の
ドリルを製作した。次に、本発明例1〜4、従来例5を
各々3本用い、S45C、生材を切削速度=20m/m
in、1回転の送り量=0.05mm−1、水溶性切削
油、立型ボール盤(3.7kw)を使用し、ノンステッ
プで立型ボール盤の電流計が30%ロードを越える地点
(切屑が詰まって切屑排出ができず、ロードが上昇する
まで)加工出来た穴深さとその時の切屑の状態を、各1
0穴加工して調べた。
【0011】本発明例1は、各々の平均で50D、50
D、50Dで有り、ステップ送りなしで50倍の深穴加
工を行うことができ、形成された切屑は遷移切断型のチ
ップ状であり、スムーズに排出される事で、個々の切屑
に溝中の切屑詰まりによる切屑圧縮の痕跡が観られな
い。本発明例2は、各々の平均で50D、50D、41
Dまでの加工を行うことが出来、本発明例3は、各々の
平均で35D、42D、43Dまでの加工を行うことが
出来たが、本発明例4は、各々の平均で15.7D、2
6.8D、16.4Dまでの加工しか出来なかった。ま
た、従来例5では、各々の平均で10.8D、11.4
D、11.0Dまでの加工しかできず、本発明例2〜
4、従来例5のいずれも、切屑詰まりにより折損の危険
があり、立型ボール盤の電流計の値30%オーバーの加
工深さで試験を中止した。形成された切屑は切屑が切屑
詰まりによる圧縮作用を受け、一部の切屑はドリルの溝
形に圧縮力でプレス成形されており、切屑排出が阻害さ
れた。
【0012】(実施例2)本発明例6として、先端側心
厚0.15×ドリル径、基端側心厚0.4×ドリル径、
以外は、本発明例1と同形状のドリルと、従来例7とし
て、先端側心厚=基端側心厚=0.25×ドリル径以
外、同形状のドリルを各3本用い、アルミ材A5052
を切削速度=30m/min、1回転の送り量=0.0
75mm−1、水溶性切削油を使用し、同様に各10穴
加工して調べた。本発明例6は、各々の平均で50D、
50D、50Dで有り、ステップ送りなしで50倍の深
穴加工を行うことができ、形成された切屑は遷移切断型
のチップ形状であり、スムーズに排出される事で、個々
の切屑に溝中の切屑詰まりによる切屑圧縮の痕跡が観ら
れない。又、従来例7は、各々の平均で14.3D、1
5.1D、13.8Dまでの穴深さしかできず、いずれ
も切屑詰まりにより折損の危険があり、立型ボール盤の
電流計の値30%オーバーの加工深さで試験を中止し
た。
【0013】(実施例3)次に、本発明例1によるドリ
ルを用いて、比較例8、本発明例9として、基端側捻れ
角を40度、50度、60度(本発明例1と同じ)を製
作し、同様に切削試験を行った。その結果、10穴目迄
で、ステップ送りを要したのは、比較例8では10例、
本発明例9では0例であり、加工に要した時間も、本発
明例9が60分に対し、比較例8では200分であっ
た。更に、試験を継続して、30穴迄加工した。本発明
例9は、30穴までに、7穴でステップ送りを要し、加
工に要した時間は、192分であったが、比較例8で
は、穴加工数が増加するに従い、切り屑詰まりが発生し
やすくなり、基端側の捻れ角が小さいため、ほとんどが
ステップ送りとなってしまう結果となった。このため、
加工に要した時間は、364分と能率の悪い加工となっ
た。ロングドリルにおいては、刃先が摩耗しても、再研
磨して用いるため、切り屑等の擦過により長期にわたり
潤滑性に優れる皮膜は、より高能率な深穴加工を行うこ
とができた。
【0014】上述の実施例においては、高速度鋼を用い
て説明したが、これに限定される事なく、超硬ソリッド
タイプやスローアウェイタイプのドリル等であっても、
同様に本発明を適用できる。更に、これらドリルにおい
て、内側にシャンク側から刃先側に向かって貫通孔を設
け、クーラント或いは、ミストエア或いは、エアー等を
供給する事で一屑の効果を得る事が出来る。
【0015】
【発明の効果】本願発明を適用することにより、深穴加
工時の切屑滞留を、基端側捻れ角側の搬送効果により、
改善することで、汎用のボール盤においても、ノンステ
ップでドリル直径の50倍以上の切削加工が可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明例のドリルの正面図を示す。
【図2】図2は、図1のA−A線の軸直角断面図を示
す。
【図3】図3は、図1のB−B線の軸直角断面図を示
す。
【符号の説明】
1 先端切刃側捻れ角部 2 基端側捻れ角部 3 先端切刃側の捻れ角 4 先端切刃側捻れ角部の長さ 5 基端側の捻れ角

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属の深穴を加工するツイストドリルにお
    いて、該ドリルの刃部の先端側捻れ角より、基端側捻れ
    角が大とするとともに、該ドリルの基端側の心厚を該ド
    リルの先端側の心厚より同等若しくは大きくしたことを
    特徴とする深穴加工用ドリル。
  2. 【請求項2】請求項1記載の深穴加工用ドリルにおい
    て、該先端側捻れ角を45°未満、該基端側捻れ角を4
    5°以上としたことを特徴とする深穴加工用ドリル。
  3. 【請求項3】請求項1乃至2記載の深穴加工用ドリルに
    おいて、該ドリルの先端側の溝形状をコーンケープ型、
    該ドリル基端側の溝形状をパラボリック型としたことを
    特徴とした深穴加工用ドリル。
JP2001244141A 2001-08-10 2001-08-10 深穴加工用ドリル Pending JP2003053607A (ja)

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