JP2003053292A - 生ゴミ処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】餅化現象が生じても生ゴミが処理槽の内面に付
着するのを抑制し、乾燥後の生ゴミの排出を容易にする
ことが可能な生ゴミ処理装置を提供する。 【解決手段】処理槽２内に収容した生ゴミを電磁波の照
射により乾燥させる生ゴミ処理装置１において、処理槽
２の内面２ｃをポリテトラフルオルエチレンからなるコ
ーティング層８で被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、生ゴミを電磁波で
乾燥し、減容する生ゴミ処理装置に関わり、更に詳しく
は、餅化現象を起こした生ゴミの排出を容易にするよう
にした生ゴミ処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】給食センター、社員食堂、ホテル、食品
工場等で発生する厨芥や食べ残し等の各種の生ゴミを処
理する生ゴミ処理装置として、近年、電磁波を利用して
生ゴミを乾燥させ、減容するようにした装置が提案され
ている。生ゴミの主成分は水分であり、通常７〜８割の
重量を占めるが、電磁波は選択的に水に吸収され易いた
め、生ゴミを乾燥減容処理するために極めて有効であ
り、電磁波を用いた生ゴミ処理装置は、他の方式を採用
した生ゴミ処理装置よりも、短時間で生ゴミ処理がで
き、しかも、殺菌処理が同時になされる等様々な利点を
有している。

【０００３】一般に、上述した電磁波を用いた生ゴミ処
理装置は、生ゴミを収容する処理槽を電磁波遮断構造と
するため、処理槽をステンレス等の金属を主体とする材
料で構成している。

【０００４】しかしながら、このように処理槽を金属材
料で構成すると、以下の問題があった。即ち、炭水化物
を多く含むご飯や麺等の生ゴミ（以下、ご飯類という）
を乾燥させると、ご飯類がくっつき合って団子状態にな
る、所謂餅化現象を起こす。この餅化現象を起こしたご
飯類が処理槽内に付着し、乾燥後の排出がし難くなると
いう問題があった。

【０００５】そこで、従来、餅化現象を回避するため、
ご飯類の量を半分以下にして炭水化物の少ない他の生ゴ
ミと混合して処理するようにしている。しかし、ご飯類
と他の生ゴミの発生割合が混合処理に適した割合で発生
するとは限らず、しかも生ゴミは毎日発生し、処理しき
れなかったご飯類を保管しておくと、腐敗の問題が生じ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、餅化
現象が生じても生ゴミが処理槽の内面に付着するのを抑
制し、乾燥後の生ゴミの排出を容易にすることが可能な
生ゴミ処理装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の生ゴミ処理装置は、処理槽内に収容した生ゴミを電
磁波の照射により乾燥させる生ゴミ処理装置において、
前記処理槽の内面をポリテトラフルオルエチレンからな
るコーティング層で被覆したことを特徴とする。

【０００８】また、本発明の他の生ゴミ処理装置は、処
理槽内に収容した生ゴミを電磁波の照射により乾燥させ
る生ゴミ処理装置において、前記処理槽内の底面をポリ
テトラフルオルエチレンからなるコーティング層で被覆
する一方、該コーティング層上に生ゴミを収容可能な内
筒をその軸方向を上下方向にして配設し、少なくとも前
記内筒の内面側をポリテトラフルオルエチレンからなる
コーティング層で構成したことを特徴とする。

【０００９】このように処理槽の内側に、付着し難い性
質をもつポリテトラフルオルエチレンからなるコーティ
ング層を設けるため、生ゴミ乾燥中にご飯類が餅化現象
を起こしてもコーティング層への付着が抑制されるの
で、ご飯類を多く含んだ生ゴミであっても乾燥減容後の
排出を容易に行うことができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１１】図１は、本発明の生ゴミ処理装置の一例を
示し、この生ゴミ処理装置１は、生ゴミを収容する処理
槽２の下部側に生ゴミを破砕攪拌する破砕攪拌装置３が
設置されている。処理槽２の上部に連結された導波管４
には、処理槽２内の生ゴミを電磁波の照射により乾燥さ
せるための電磁波照射装置５が接続されている。

【００１２】電磁波照射装置５の下方には、稼働により
加熱した電磁波照射装置５を冷却する冷却ファン６が設
けられている。処理槽２の上部には、更に生ゴミから発
生した水蒸気と少量のガス状臭気成分を外部に排気する
排気装置７が連結されている。また、処理槽２の下方に
は、乾燥減容した生ゴミを収集する収集部２０が設けら
れている。

【００１３】処理槽２は、ステンレス等の金属を主体と
する材料から有底円筒状に構成され、電磁波照射装置５
から処理槽２内に照射された電磁波が外部に漏出するの
を遮断するようになっている。処理槽２の上端には、生
ゴミを投入する投入口２ａを閉止する蓋２ｂが開閉自在
に取り付けられている。処理槽２の内面２ｃは、図２に
示すように、物が付着し難い性質をもつポリテトラフル
オルエチレンをコーティングしてなるコーティング層８
で被覆され、餅化現象が生じた生ゴミが処理槽２の内面
２ｃに付着するのを防ぐようにしている。

【００１４】破砕攪拌装置３は、処理槽２の外側に設置
されたモータ３ａと、処理槽２内の底面２ｄ近傍に配設
された破砕攪拌羽根３ｂとを有している。モータ３ａと
破砕攪拌羽根３ｂは、上下に延在する回転軸３ｃで連結
され、モータ３ａの回転により破砕攪拌羽根３ｂが回転
し、それによって処理槽２内の生ゴミを破砕し、かつ攪
拌するようにしている。

【００１５】電磁波照射装置５は、高周波（数千ＭHz）
の電磁波を発生させ、その発生した電磁波は導波管４を
介して処理槽２内に収容した生ゴミに照射されるように
なっている。電磁波の照射により処理槽２内の生ゴミは
誘電加熱され、水分が蒸発して乾燥し、減容する。

【００１６】排気装置７は、処理槽２の上部に接続され
た排気管７ａに脱臭装置７ｂを介して排気ファン７ｃを
連結した構成になっている。排気ファン７ｃの作動によ
り、処理槽２内で生ゴミから発生した水蒸気と少量のガ
ス状臭気成分が排気管７ａを通って脱臭装置７ｂに導か
れ、略無臭となって排気ファン７ｃの出口から生ゴミ処
理装置１の外部に排出される。

【００１７】収集部２０は、生ゴミの乾燥減容処理が終
了すると、処理槽２の底部に形成した不図示の落下用扉
が開口し、回転する破砕攪拌羽根３ｂに乾燥した生ゴミ
が押されて収集部２０に落下するようになっている。

【００１８】上述した本発明の生ゴミ処理装置１によれ
ば、処理槽２内に収容された生ゴミが破砕攪拌装置３
（破砕攪拌羽根３ｂの連続回転、或いは間欠回転）によ
り破砕、攪拌されながら、電磁波照射装置５からの電磁
波の照射を受けて誘電加熱され、それにより水分が蒸発
して乾燥減容処理される。他方、生ゴミから発生した水
蒸気と少量のガス状臭気成分は脱臭装置７ｂを経て略無
臭となり排気ファン７ｃの出口から外部に排出される。
乾燥減容した処理層２内の生ゴミは、収集部２０に落下
して収集される。

【００１９】本発明では、処理槽２の内面２ｃに生ゴミ
が付着し難い材料であるポリテトラフルオルエチレンの
コーティング層８を設けたので、ご飯類が餅化現象を起
こしてもコーティング層８に容易に付着することがな
い。従って、ご飯類を多く含んだ生ゴミであっても収集
部２０に容易に排出することができる。

【００２０】図３，４は、本発明の生ゴミ処理装置の他
の例を示す。この実施形態は、上述したコーティング層
８に代えて、ポリテトラフルオルエチレンからなる円筒
９を用いたものである。

【００２１】処理槽２内の底面２ｄがポリテトラフルオ
ルエチレンからなるコーティング層１０で被覆され、そ
のコーティング層１０上に生ゴミを収容可能な円筒状の
上記内筒９がその軸方向を上下方向にして配設されてい
る。内筒９の上端には、内筒９を処理槽２に固定するた
めの、外側に突出する環状のフランジ部１１が一体的に
設けられている。導波管４の電磁波照射口４ａ下側の処
理槽２の側壁内面２ｅには、内筒９を取り付けるための
環状の取付けプレート１２が突設されている。

【００２２】フランジ部１１を取付けプレート１２の上
に密着させ、ボルトなどの固定具１３によりフランジ部
１１を取付けプレート１２に取り付けることにより、内
筒９の上端側が処理槽２に密閉固定される。内筒９の下
端は、コーティング層１０との間に若干の隙間Ｘを介し
た位置となる。固定具１３を外すことにより、内筒９を
処理槽２から取り外すことができ、内筒９は処理槽２に
対して着脱自在に固定できるようにしてある。

【００２３】処理槽２の側壁には、内筒９と処理槽２と
の間に形成された間隙部１４に隙間Ｘをシールするエア
を供給するエア供給口１５が設けられている。このエア
供給口１５には、電磁波が漏洩しない大きさの多数の通
気孔を有する不図示の金属製の蓋が取り付けられてい
る。

【００２４】エア供給口１５には、冷却ファン６により
電磁波照射装置５を冷却したエアを間隙部１４に導くダ
クト１６ａを有するエア供給手段１６が設けられてい
る。エア供給手段１６により間隙部１４にエアを供給す
ることにより隙間Ｘをエアシールし、破砕された生ゴミ
が間隙部１４に入り込むのを防止している。また、電磁
波照射装置５を冷却して得られた温風を間隙部１４に供
給することで、間隙部１４による保温効果を得るように
している。

【００２５】このようにポリテトラフルオルエチレンか
らなる円筒９を用いた生ゴミ処理装置１’であっても、
上記と同様の効果を得ることができる。

【００２６】また、破砕攪拌された生ゴミとの接触によ
り、処理槽２内の側壁側に配置した内筒９は、底面２ｄ
上のコーティング層１０よりも磨滅の進行が早いが、内
筒９を処理槽２に着脱自在に取り付けるため、生ゴミに
ご飯類が多く含まれ、餅化現象を生じる際には内筒９を
取り付け、餅化現象が起こらない生ゴミの場合には内筒
９を取り外して生ゴミ処理ができるので、高価なポリテ
トラフルオルエチレンからなる内筒９の寿命を延ばすこ
とができる。

【００２７】更に、エア供給手段１６において、電磁波
照射装置５を冷却して得られる温風を供給エアとして使
用することにより、間隙部１４による保温効果を得なが
ら既存の設備によるエネルギーの有効利用を図ることが
できる。

【００２８】しかも、エアシールに用いた温風のエアを
処理槽底部の隙間Ｘから内筒２内に供給することで、生
ゴミから抜け出た蒸発成分を排気装置７を介して外部に
積極的に逃がすのに貢献し、生ゴミの炭化や燃焼の発生
防止に寄与する。

【００２９】上述した図３，４の実施形態において、内
筒９は、全体をポリテトラフルオルエチレンから構成し
たが、それに代えて、少なくとも内筒９の内面側をポリ
テトラフルオルエチレンからなるコーティング層で構成
するようにしてもよい。その場合の内筒の本体は、ポリ
テトラフルオルエチレン同様に電磁波を透過する材料か
ら構成するのが好ましいが、それに限定されず、不透過
の金属材料であってもよい。

【００３０】円筒９は、上記実施形態では、その下端を
コーティング層１０との間に若干の隙間Ｘを介して位置
させたが、図５に示すように、コーティング層１０と当
接させるようにしてもよい。

【００３１】図５（ａ）は、内筒９の下端９ａをコーテ
ィング層１０と当接させるようにしたものである。

【００３２】図５（ｂ）は、処理槽２の底面２ｄの周縁
に環状のリング体２１を固設し、そのリング体２１上を
コーティング層１０で被覆している。内筒９の下端部９
ｂがリング体２１の内側に嵌合するようにしてあり、こ
のような構造の採用により、内筒９の下端部９ｂが破砕
攪拌される生ゴミに押圧されても下端部９ｂの周囲がリ
ング体２１により支持されているので、内筒９の下端部
９ｂを処理槽２の底部に安定して固定することができ
る。

【００３３】図５（ａ），（ｂ）のように内筒９をコー
ティング層１０と当接させた場合、エア供給手段１６に
より供給されたエアは、当接部分の微細な隙間をエアシ
ールしながら円筒９内に供給され、上述と同様に生ゴミ
の炭化や燃焼の発生防止に寄与する。

【００３４】図５（ｃ）は、内筒９の下端９ａにシール
部材２２を取り付け、処理槽２の底面２ｄの周縁に環状
の凹部２３ａを上面に有する環状のリング体２３を固設
している。その表面を含めた処理槽２の底面２ｄがコー
ティング層１０で被覆されて、円筒９を処理槽２に固定
した際に、リング体２３の凹部２３ａに内筒９の下端側
が嵌合してシール構造を確保するようになっている。こ
のように内筒９の下端側とコーティング層１０との間を
シールした場合には、上述したエア供給手段１６やエア
供給口１５を設ける必要はない。

【００３５】上記実施形態では、取付けプレート１２を
導波管４の電磁波照射口４ａより下側にして、内筒９を
電磁波照射口４ａより下側に取り付けるようにしたが、
電磁波を透過する材料から構成した内筒９の場合には、
取付けプレート１２を電磁波照射口４ａより上側に設
け、内筒９の上部を電磁波照射口４ａの上方に位置させ
てもよい。

【００３６】内筒９は、図３に示すように、排気管７ａ
の排気採り入れ口７a₁より下方に設けるのが取り付けを
容易にする上で好ましいが、内筒９に開口を形成し、そ
の開口に排気採り入れ口７a₁から延設した着脱自在のダ
クトを連結する構成であれば、内筒９の上部を排気採り
入れ口７a₁の上方に位置させてもよい。

【００３７】上記実施形態では、破砕攪拌装置３の羽根
を破砕と攪拌の両機能を有する破砕攪拌羽根３ｂから構
成したが、破砕羽根と攪拌羽根をそれぞれ別個に備えた
生ゴミ処理装置であってもよく、また、導波管４の電磁
波照射口４ａを処理槽２の下部側に設けたものであって
もよく、本発明は、処理槽２内に収容した生ゴミを電磁
波の照射により乾燥させる生ゴミ処理装置であれば、い
ずれの装置にも好適に用いることができる。

【００３８】

【発明の効果】上述したように本発明の生ゴミ処理装置
は、処理槽の内面をポリテトラフルオルエチレンからな
るコーティング層で被覆する、或いは処理槽内の底面を
ポリテトラフルオルエチレンからなるコーティング層で
被覆する一方、該コーティング層上に生ゴミを収容可能
な内筒をその軸方向を上下方向にして配設し、少なくと
も内筒の内面側をポリテトラフルオルエチレンからなる
コーティング層で構成することにより、餅化現象が生じ
ても生ゴミが処理槽の内面に付着し難くなるので、乾燥
後の生ゴミを容易に排出することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の生ゴミ処理装置の一例を示す説明図で
ある。

【図２】図１の処理槽の断面図である。

【図３】本発明の生ゴミ処理装置の他の例を示す説明図
である。

【図４】図３の処理槽の断面図である。

【図５】（ａ），（ｂ），（ｃ）は、それぞれ図４の処
理槽の他の取付け構造を示す要部拡大断面図である。

【符号の説明】

１，１’ 生ゴミ処理装置 ２ 処理槽 ２ｃ 内面 ３ 破砕攪拌装置 ４ 導波管 ５ 電磁波照射装
置 ６ 冷却ファン ７ 排気装置 ８ コーティング層 ９ 内筒 １０ コーティング層 １４ 間隙部 １６ エア供給手段 １６ａ ダクト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3L113 AA07 AB02 AC13 AC58 AC59 AC67 BA01 DA05 4D004 AA03 CA04 CA15 CA42 CA48 CB04 CB13 CB27 CB33

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 処理槽内に収容した生ゴミを電磁波の照
   射により乾燥させる生ゴミ処理装置において、前記処理
   槽の内面をポリテトラフルオルエチレンからなるコーテ
   ィング層で被覆した生ゴミ処理装置。
2. 【請求項２】 処理槽内に収容した生ゴミを電磁波の照
   射により乾燥させる生ゴミ処理装置において、前記処理
   槽内の底面をポリテトラフルオルエチレンからなるコー
   ティング層で被覆する一方、該コーティング層上に生ゴ
   ミを収容可能な内筒をその軸方向を上下方向にして配設
   し、少なくとも前記内筒の内面側をポリテトラフルオル
   エチレンからなるコーティング層で構成した生ゴミ処理
   装置。
3. 【請求項３】 前記内筒がポリテトラフルオルエチレン
   からなる請求項２に記載の生ゴミ処理装置。
4. 【請求項４】 前記内筒を前記処理槽に着脱自在に固定
   する請求項２または３に記載の生ゴミ処理装置。
5. 【請求項５】 前記内筒を前記処理槽に固定した際に、
   該内筒の上端側を前記処理槽に密閉固定し、該処理槽と
   前記内筒との間に形成された間隙部にエアを供給するエ
   ア供給手段を設置し、該エア供給手段からのエアにより
   前記内筒の下端と前記処理槽底面を被覆するコーティン
   グ層との間をエアシールする構成にした請求項４に記載
   の生ゴミ処理装置。
6. 【請求項６】 前記電磁波を照射する電磁波照射装置と
   該電磁波照射装置を冷却する冷却ファンを具備し、前記
   エア供給手段が前記冷却ファンにより前記電磁波照射装
   置を冷却したエアを前記間隙部に導くダクトを有する請
   求項５に記載の生ゴミ処理装置。