JP2003052793A - 薬剤の服用管理袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 予め定められた複数種の薬剤を、時間帯毎、
例えば、朝、昼、夜と、曜日毎に区分して収納し、かつ
コンパクトに納め、目につきやすいところでカレンダー
状に吊り下げ、定められた時間に、定められた薬剤を、
飲み忘れなどをなくし、正しく服用できるようにした薬
剤の服用管理袋を提供すること。 【解決手段】 吊り下げ可能とした合成樹脂からなる台
紙１に、内部に収納した複数の薬剤を透視でき、上部が
開口した襠付きポケット２を横方向１列状に１日分を収
納できるようにして配設するとともに、縦方向には該襠
付きポケットを、その底部が下方の襠付きポケット内に
一部重なるように１週間分を配列配置し、前記横方向１
列状に配列した１日分の襠付きポケット２を、服用時間
帯毎に台紙１と融着して仕分けるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、薬剤の服用管理袋
に関し、特に、本人では管理が難しくなった高齢者や痴
呆症の患者等が、医師や薬剤師からの指示により定めら
れた薬剤を、毎日及び週間の定められた時に、或いは毎
食事後に、正しく服用できるようカレンダー状に構成し
た薬剤の服用管理袋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、患者に渡される薬剤は、複数種に
及ぶことがあり、一般には薬剤包袋内に一緒にして収納
されている。これを患者が医師の指示通りに、指定され
た時に、指定された薬剤を服用するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
薬剤の包袋には、一般に治療期間に服用が必要とされる
複数種の薬剤が一緒に収納されているため、自分で日々
の薬剤服用管理をすることができない高齢者や痴呆症の
患者にとって、複数種の薬剤を、医師の指示通り、定め
られた時間に指定された薬剤を正しく服用することが難
しく、飲み忘れや飲み間違いをきたすことがしばしばあ
った。そこで、このような飲み忘れや飲み間違いを解消
するため、１回に服用する薬剤を予め小分けし、保管管
理する容器類が提案されている。ところが、従来の薬剤
管理容器は、１回ずつの服用薬剤を収納するポケットを
形成するようにしているので、製造に手数が掛かるとと
もに、薬剤管理容器が大型となり、その置く場所などに
よっては、一見して見分けにくく、識別力が衰えている
患者にとって正しく管理しにくいという問題があった。

【０００４】本発明は、上記従来の薬剤包袋の有する問
題点を解決し、予め定められた複数種の薬剤を、時間帯
毎、例えば、朝、昼、夜と、曜日毎に区分して収納し、
かつコンパクトに納め、目につきやすいところでカレン
ダー状に吊り下げ、定められた時間に、定められた薬剤
を、飲み忘れなどをなくし、正しく服用できるようにし
た薬剤の服用管理袋を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の薬剤の服用管理袋は、吊り下げ可能とした
合成樹脂からなる台紙に、内部に収納した複数の薬剤を
透視でき、上部が開口した襠付きポケットを横方向１列
状に１日分を収納できるようにして配設するとともに、
縦方向には該襠付きポケットを、その底部が下方の襠付
きポケット内に一部重なるように１週間分を配列配置
し、前記横方向１列状に配列した１日分の襠付きポケッ
トを、服用時間帯毎に台紙と融着して仕分けるように構
成したことを特徴とする。

【０００６】本発明の薬剤の服用管理袋は、横方向に１
日分の服用薬剤を収納するポケットを形成し、かつ服用
時間帯毎には、合成樹脂からなる台紙と融着して仕分け
るようにしているので、製造が簡単となり、かつ縦方向
においては、各日のポケットが互いにその一部を重なる
ようにしているから、全体をコンパクトに形成すること
ができ、また、縦方向には曜日毎に服用する１週間分の
薬剤が予め小分けして、内部が透視できるポケット内に
収納され、カレンダー状に吊り下げることができるの
で、一見して見分けられるから飲み忘れが防止でき、高
齢者でも正しく薬剤を服用することができる。

【０００７】この場合において、台紙を２つ折り重ねで
きるように、台紙の折り目位置に襠付きポケットが配設
されない箇所を残して襠付きポケットを台紙に配列する
ことができる。

【０００８】これにより、薬剤を収納して吊り下げて使
用しない時は、大きなカレンダー状の台紙を簡単に２つ
折り重ねるようにしているから、嵩張らずに収納するこ
とができる。

【０００９】また、台紙の下部位置には服用時間帯及び
曜日の区分をしない襠付き大ポケットを配設することが
できる。

【００１０】これにより、小分けして収納しない薬剤
や、保険書等の書類を一纏めにして収納することができ
るので、物忘れの激しい高齢者においても、薬剤の飲み
忘れ、保険書、体温計の保管場所などの忘れを確実に防
止することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の薬剤の服用管理袋
の実施の形態を図面に基づいて説明する。

【００１２】図１に、本発明の薬剤の服用管理袋の一実
施例を示す。図において１は、上部に配設する吊り下げ
紐４によりカレンダー状に吊り下げることができるよう
にした台紙で、この台紙は、一般に耐久性を有するよう
に軟質の合成樹脂、例えば、塩化ビニル、ナイロン、ポ
リプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂製シートを１
枚又は２枚以上を重ね、所定の吊り下げた時の加重に耐
える強度と、厚さを備えるようにするとともに、定めら
れた期間、例えば、１週間分の薬剤が小分けして収納
し、かつ一覧することにより、容易に見分けられる大き
さに形成するようにする。

【００１３】また、台紙１には、襠付きポケット２を多
数配設する。この襠付きポケット２は、台紙と同様に、
塩化ビニル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン
等の内部が透視できる無色透明或いは有色透明、半透明
の軟質合成樹脂製シート状のポケット帯片２Ａをもって
形成するもので、このポケット帯片２Ａは、１日分の服
用する薬剤を収納できる細長い１枚のシートとし、これ
を１週間の７枚を用いる。

【００１４】襠付きポケット２は、横方向に時間毎、例
えば、朝、昼、夕方、夜等の時間毎の区分をできるよう
に、縦方向には曜日毎、例えば、１週間の曜日、日曜日
から土曜日までの区分をできるようにして、前記台紙に
複数個を配列し、各襠付きポケット２から予め小分けし
た薬剤を出し入れできるようにする。この襠付きポケッ
ト２を構成するポケット帯片２Ａは、図２に示すよう
に、台紙の横方向に沿って１列状に配列されるように、
襠付きポケットの１つの高さとなる幅を有し、配列する
ポケット数に見合った長さ、例えば、図示の実施例のよ
うに、１日の服用時間帯を、朝、昼、夜の３区分できる
長さを有する帯状の細長い１条のシートとする。そし
て、この服用時間帯毎の仕分は、台紙との融着により形
成し、各時間帯毎のポットにはそれぞれ襠部を備えるよ
うにする。なお、この１日の区分は、図示のように、
朝、昼、夜の３区分に限定されず、朝、昼、夕、就寝前
の４区分又はそれ以上の区分数に区分することもでき
る。

【００１５】この細長いシート状のポケット帯片２Ａ
は、図２に示すように、横方向に各ポケットを構成する
ポケット片２０を配列するが、このポケット片２０毎
に、その両側に襠片２１，２１を折り目２３，２３を介
してそれぞれ横方向に連設し、この各襠片２１の端縁部
にさらに折り目２４を、前記折り目２３と平行するよう
に形成し、この隣接する折り目２４，２４間に取付片２
２を連接する。そして、この取付片２２のほぼ中間位置
を融着位置とし、この両側に対照的に襠片２１，２１を
連接したポケット片２０を、３乃至４を横方向に連接す
るとともに、両端部にあたるポケット片２０の両外端部
においては折り目２５，２５を介して外取付片２６，２
６を連設し、これらを横方向に一連にして構成する。さ
らに該ポケット帯片２Ａの襠片２１、取付片２２、２４
を除いた各ポケット片２０の下部分に底片２７を連設す
る。

【００１６】また、このポケット片２０と襠片２１間、
襠片２１と取付片２２間及び襠片２１と外取付片２６間
に、それぞれ形成する折り目２３，２４，２５は、確実
にその折り目から折り曲げられるように、予めヒートシ
ーラにてシートを溶融し、強制的に折り目となるように
形成する。なお、襠片２１、底片２７は、襠付きポケッ
ト２内に収納する薬剤量に適するように、その大きさを
予め定めておくものとする。

【００１７】また、台紙の下部位置には、時間、曜日の
区分をしない襠付き大ポケット３を配設する。この襠付
き大ポケット３は、図３に示すように、台紙幅より少し
小幅とした大ポケット片３０の両端に折り目３３，３３
を介して襠片３１，３１を左右対称に連設し、この襠片
３１，３１の外端縁に折り目３３と平行する折り目３
４，３４を連設し、この折り目３４の外側に外取付片３
５，３５を横一列になるよう連設し、かつポケット片３
０の下縁に底片３６を連設して構成する。なお、この襠
付き大ポケット３の材質は、ポケット帯片２Ａの材質と
同様とする。さらに、この折り目３３、襠片３１、底片
３６、外取付片３５の形成方法は、ポケット帯片２Ａと
同様に形成するものである。

【００１８】次に、本発明の薬剤の服用管理袋を、１日
３回服用する１週間分の薬剤を収納するものを製作する
方法について説明する。準備するものは、１枚の台紙１
と、横方向に３連のポケットを形成したポケット帯片２
Ａの７枚及び１枚の襠付き大ポケット３である。

【００１９】まず、台紙１に上部に吊り下げ紐４を挿通
するための吊下片１１と、下部の大ポケット部と、台紙
１を中央で２つ折りとした時の折り目位置を除いて、中
央の折り目位置１２より上半部に４本のポケット帯片２
Ａを、下半部には３本のポケット帯片２Ａをそれぞれ配
設するようにする。この時、ポケット帯片２Ａは、すべ
て同じ透明とするが、必要に応じて曜日毎に色分け、例
えば、有色透明とすることも、また、カレンダーのよう
に土曜日と日曜日を他の曜日と色分けし、一見して曜日
が分かるようにすることもできる。

【００２０】また、図１に示すように、横方向に沿っ
て、台紙１或いはポケット帯片２Ａのいずれか一方に、
又は双方に、１日のうち、朝、昼、夜の区分をできるよ
うに時間帯の表示をするとともに、縦方向には１週間の
各曜日を表示する。この時間帯の表示及び各曜日の表示
は、直接各ポケットに表示することも、或いは図示のよ
うに各欄のの中央位置のポケットに表示することができ
る。この表示はラベルの貼着、印刷、その他の方法で行
え、これらの表示方法、その位置は限定されるものでは
ない。

【００２１】台紙１にポケット帯片２Ａを一体に配設す
るには、まずシート状のポケット帯片２Ａを、図２
（Ｂ）に示すように、各折り目から折り曲げて隣接する
ポケット片２０，２０間に襠２１及び取付片２２を折り
込むようにする。この状態で台紙１の所定位置に各ポケ
ット帯片２Ａのポケット片２０，２０，２０をヒートシ
ーラ（図示省略）にて融着し、鎧張り状にする。なお、
曜日を区分する上下位置に配設する各欄のポケット帯片
２Ａは、上段側のポケットの下部は下段側ポケットの中
に入るようにして一部が重なるように形成し、かつ格段
の上端が開口するように配置し、かつ台紙１が２つ折重
ねが可能なように中央部を横断する方向の位置にはポケ
ット帯片２Ａは存在しないようにするものとし、また、
台紙の最下段の位置には、襠付き大ポケット３の底片３
６の下縁を同様に融着する。

【００２２】次に、すべてのポケット片２０を融着した
各ポケット帯片２Ａを、その上部が開口し、かつ台紙１
に沿うように折り曲げ、台紙１の両端縁と各ポケット帯
片２Ａの外取付片２６とが、一体となるようにヒートシ
ーラにて融着する。この時、襠付き大ポケット３の外取
付片３５も同様に融着する。また、各取付片２２の中央
位置を同様に台紙と融着する。この場合、上下方向に配
列されるポケット帯片２Ａの取付片２２は、みな同じ位
置で融着され、取付片２２の融着位置は一直線状となる
ようにする。これにより、上下方向に配列されるポケッ
ト帯片２Ａの取付片２２は、台紙１に融着固定されるが
ポケット片２０は上部が開口２Ｃし、薬剤の出し入れが
容易に行えるものとなる。

【００２３】次に、本発明の薬剤の服用管理袋の使用方
法について説明する。医師或いは薬剤師から調剤され、
渡された薬剤を、本人或いは家族、看護婦等により、指
定された時間毎に、さらには曜日毎に服用する薬剤を、
小分けして各曜日のポケット２０に収納する。この収納
された薬剤は、外部からも透視することができ、内容物
の有無の確認が外部から容易に行える。これにより、患
者はカレンダーのように吊り下げた服用管理袋の指定さ
れた箇所から薬剤を取り出し、服用するので、飲み忘れ
や、飲み間違いを防止し、正しく服用することができ
る。なお、使用しない場合は、台紙の中央部から折り重
ねることにより嵩低くすることができる。

【００２４】

【発明の効果】本発明の薬剤の服用管理袋によれば、横
方向に１日分の服用薬剤を収納するポケットを形成し、
かつ服用時間帯毎には、台紙と融着して仕分けるように
しているので、製造が簡単となり、かつ縦方向において
は、各日のポケットが互いにその一部を重なるようにし
ているから、全体をコンパクトに形成することができ、
また、縦方向には曜日毎に服用する１週間分の薬剤が予
め小分けして、内部が透視できるポケット内に収納さ
れ、カレンダー状に吊り下げることができるので、一見
して見分けられるから飲み忘れが防止でき、高齢者でも
正しく薬剤を服用することができる。

【００２５】また、台紙を２つ折り重ねできるように、
台紙の折り目位置に襠付きポケットが配設されない箇所
を残して襠付きポケットを台紙に配列することにより、
薬剤を収納して吊り下げて使用しない時は、大きなカレ
ンダー状の台紙を簡単に２つ折り重ねるようにしている
から、嵩張らずに収納することができる。

【００２６】また、台紙の下部位置には服用時間帯及び
曜日の区分をしない襠付き大ポケットを配設することに
より、小分けして収納しない薬剤や、保険書等の書類を
一纏めにして収納することができるので、物忘れの激し
い高齢者においても、薬剤の飲み忘れ、保険書、体温計
の保管場所などの忘れを確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の薬剤の服用管理袋の一実施例を示す外
観図である。

【図２】ポケット帯片を示し、（Ａ）は展開図、（Ｂ）
は襠部を形成した状態を示す外観図である。

【図３】襠付き大ポケットの説明図である。

【図４】断面図である。

【符号の説明】

１ 台紙 １１ 吊下片 １２ 中央の折り目位置 ２ 襠付きポケット ２Ａ ポケット帯片 ２Ｃ 開口 ２０ ポケット片 ２１ 襠片 ２２，２３，２４，２５ 取付片 ２６ 外取付片 ２７ 底片 ３ 襠付き大ポケット ３１ 襠片 ３３，３４ 折り目 ３５ 外取付片 ３６ 底片 ４ 吊り下げ紐

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吊り下げ可能とした合成樹脂からなる台
   紙に、内部に収納した複数の薬剤を透視でき、上部が開
   口した襠付きポケットを横方向１列状に１日分を収納で
   きるようにして配設するとともに、縦方向には該襠付き
   ポケットを、その底部が下方の襠付きポケット内に一部
   重なるように１週間分を配列配置し、前記横方向１列状
   に配列した１日分の襠付きポケットを、服用時間帯毎に
   台紙と融着して仕分けるように構成したことを特徴とす
   る薬剤の服用管理袋。
2. 【請求項２】 台紙を２つ折り重ねできるように、台紙
   の折り目位置に襠付きポケットが配設されない箇所を残
   して襠付きポケットを台紙に配列したことを特徴とする
   請求項１記載の薬剤の服用管理袋。
3. 【請求項３】 台紙の下部位置には服用時間帯及び曜日
   の区分をしない襠付き大ポケットを配設したことを特徴
   とする請求項１又は２記載の薬剤の服用管理袋。