JP2003052104A - 磁気浮上式鉄道の地上コイル - Google Patents

磁気浮上式鉄道の地上コイル

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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気浮上式鉄道の通常の運用速度範囲内に共振
周波数が存在しても、共振周波数に一致する状況を極力
防止可能な地上コイルを提供する。 【解決手段】従来は同一形状且つ同一ピッチで連続的に
配置されていた浮上・案内コイル1を不等ピッチにす
る。例えば(a)のように5種類の異なる幅を持つ浮上
・案内コイル1が一定スパンS内において所定の順番で
配置されており、その順番で配置された5つの浮上・案
内コイル1のセットが繰り返し配置したり、(b)のよ
うにランダムに配置したり、(c)のように同じ形状の
浮上・案内コイル1を用いながら隣接する浮上・案内コ
イル1同士の間隔を異ならせることによって、結果的に
不等ピッチを構成したりする。これによって、車両に搭
載される超電導磁石が特定の共振周波数で加振されるこ
とが抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気浮上式鉄道の
少なくとも浮上のために用いられる地上コイルに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】磁気浮
上式鉄道においては、車両を浮上、案内、推進させるた
めの地上コイルをガイドウェイに連続的に設置してい
る。この地上コイルは、車両の超電導磁石の極ピッチ
(同一超電導磁石内で隣り合う超電導コイルの中心間の
長手方向距離)に応じた長さのものを等ピッチで連続的
に設置している。例えば山梨実験線であれば、浮上・案
内用の地上コイルが45cmの等ピッチで配置されてい
る。
【0003】車上の超電導磁石が車両速度に応じた特定
の周波数で加振され、超電導磁石の共振周波数によって
は、熱負荷が大きくなって液体ヘリウムが気化する量が
大きくなる。このような不都合を防止するためには、例
えば、共振周波数を磁気浮上式鉄道の通常の運用速度で
発生する周波数より高く設定することが考えられる。但
し、これを実現するためには、超電導磁石に重量をかけ
て強固に構成する必要がある。また、気化したヘリウム
を再液化するための冷凍機の容量を大きくする必要があ
り、重量と消費電力量の増加につながる。そのため現実
には、加振される超電導磁石の持つ複数の振動モードす
べての共振周波数が磁気浮上式鉄道の通常の運用速度で
発生する周波数よりも高くなるよう設定することは非常
に困難である。
【0004】そのため、磁気浮上式鉄道の通常の運用速
度範囲内に共振周波数が存在してしまうことを前提とし
ながら、そのような共振周波数で磁気浮上式鉄道が等速
走行することを避けるようにすることも考えられる。逆
に言えば、通常は等速走行することが少ないと思われる
所定速度αkm/hにて磁気浮上式鉄道が走行する際に
共振周波数が存在するよう超電導磁石を設計するのであ
る。
【0005】しかしながら、超電導磁石の共振周波数は
製作のバラツキにより必ずしも一定ではなく、1編成中
の複数の超電導磁石のそれぞれの共振周波数を考慮する
必要がある。そのため、ある程度幅をもった速度域にお
ける走行を制限する必要が出てくる。さらに、通常は等
速走行することが少ないと思われるαkm/hを想定し
たとしても、これはあくまで想定であり、種々の事情に
よってはそのような速度で等速走行せざるを得ない状況
も考えられる。
【0006】そこで本発明は、磁気浮上式鉄道の通常の
運用速度範囲内に共振周波数が存在する前提でありなが
ら、共振周波数に一致する状況を極力防止可能な地上コ
イルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するためになされた請求項1に記載の磁気浮上式
鉄道の地上コイルは、磁気浮上式鉄道のガイドウェイに
車両の進行方向に沿って連続的に設置されるのである
が、不等ピッチで取り付けられている。車両に搭載され
る超電導磁石が特定の共振周波数で加振される原因は、
浮上させるための地上コイルが等ピッチで配置されてい
ることであるため、本発明によれば地上コイルを不等ピ
ッチで取り付けることにより、共振周波数のピークを小
さくできる。これにより、磁気浮上式鉄道の通常の運用
速度範囲内に共振周波数が存在することを前提として
も、共振周波数に一致する状況が従来に比べて発生しに
くくなる。したがって、従来に比べて熱負荷が小さくな
り液体ヘリウムが気化する量を抑制できる。これは、気
化したヘリウムを再液化するための冷凍機の容量を相対
的に小さくできることを意味する。また、共振周波数自
体は磁気浮上式鉄道の通常の運用速度で発生する周波数
範囲に存在することを許容しているため、超電導磁石に
重量をかけて強固に構成することで重量と消費電力量の
増加につながるといった不都合も生じない。
【0008】ところで、地上コイルの取付ピッチが不等
ピッチとなるよう配置することがポイントであるため、
地上コイル自体は、例えば不等ピッチに見合った大きさ
に形成してもよいし(請求項2)、同一の大きさに形成
してもよい(請求項3)。同一の大きさに形成してあっ
ても、取付ピッチ自体が不等ピッチであれば、超電導磁
石が特定の共振周波数で加振される度合いを従来構成よ
りも低減できる。
【0009】なお、超電導磁石の発熱量のピークを抑え
るという点からすればこれらはいずれも従来構成よりは
有利ではあるが、請求項2のように不等ピッチに見合っ
た大きさに地上コイルを形成した方が、請求項3のよう
に同一の大きさに形成するよりも、浮上力の点では有利
である。つまり、請求項3のように同一の大きさにした
場合には、コイル間に隙間が開くためこの部分は浮上力
が得られないのに対し、請求項2のように不等ピッチに
見合った大きさに地上コイルを形成すれば、連続的に浮
上力を得易くなるからである。
【0010】また、取付ピッチを不等ピッチとする場
合、請求項4に示すようにランダムに構成してもよい
し、請求項5に示すように、一定の順番で繰り返すよう
に構成してもよい。例えば2種類のピッチを用いた場合
であっても、それらを交互に配置してもよいし、ランダ
ムに配置してもよい。
【0011】この両者の優劣に関しては、次の観点から
ランダムに配置する方がむしろ望ましいと考えられる。
例えばAのピッチとBのピッチの2種類を用いるとする
と、交互に配置した場合は、超電導磁石に対する加振周
波数として、A、Bそれぞれに起因するもの、A+Bに
起因するものが発生する。従って、2種類のピッチのコ
イルを配置する場合でも、A、B、またはこれらの組み
合わせ(A+B、A+A+B、A+B+B等)の影響度
が最も小さくなるような最適解がある。また、これら
A、B、またはこれらの組み合わせの加振周波数に対す
る応答倍率は、A単独、B単独と比較した場合、定性的
には小さくなる。したがって、このような観点から、必
ずしも交互に配置するのが最適とは言えない。
【0012】なお、このような不等ピッチの組合せによ
る影響度を加味すると、請求項6に示すように、「不等
ピッチがn(n≧2)種類の場合、車両に搭載されてい
る超電導磁石に対する加振周波数としてn種類の各ピッ
チに起因するもの及びn種類の内の2種類以上n種類以
下のピッチの各組合せに起因するものの影響度が相対的
に小さくなる不等ピッチとする」という技術思想を採用
することも有効であると考えられる。
【0013】本発明の対象となる地上コイルは、車両の
少なくとも浮上機能を発揮できればよく、浮上コイル、
浮上・案内コイル、浮上・推進コイル、浮上・案内・推
進コイルなどに適用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施例
について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の
形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発
明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得るこ
とは言うまでもない。
【0015】図1は超電導磁気浮上式鉄道のガイドウェ
イ13及び超電導リニア車両(以下、単に車両と称
す。)10を示す断面図であり、図2は、浮上・案内コ
イル1,1’の配置及び配線の概要を示す説明図であ
る。浮上・案内コイル1,1’は、1つのコイルで浮上
・案内の機能が実現できるコイルであり、断面略U字状
のガイドウェイ13の側壁に車両進行方向に沿って連続
的に配置される。ここでは片方の側壁に配置されたもの
に1と付番し、他方の側壁に配置されたものを1’と付
番する。なお、この車両進行方向に沿って連続的に配置
する際にどのような間隔で配置するかに特徴があるが、
この点については後述することとし、基本的な構成につ
いて先に説明する。
【0016】車両10の両側には、超電導磁石20,2
0’が、浮上・案内コイル1,1’とそれぞれ対向する
よう垂直に装着されている。なお、超電導磁石20は浮
上・案内コイル1と対向し、超電導磁石20’は浮上・
案内コイル1’と対向する。以降の説明においても、車
両の進行方向の左右に両方存在する構成に関しては、同
じ番号を用いながら一方の番号に’を付することで、’
の有無によってそれらが同じ側の構成であることを示す
こととする。車両10を構成する車体は、鉄車輪とレー
ルにより走行を行う従来の鉄道車両の車体と同様、客室
や乗降用ドア等(図示せず)を有するものである。車両
10に対しては、超高速浮上走行という特異な走行条件
から、徹底した軽量化と高強度化が求められているた
め、車体の構体材料にはアルミニウム合金が用いられて
おり、その構造も航空機と同様のセミモノコック構造に
なっている。また、走行時の空気抵抗を最小限に抑える
ために、車体の表面は全体的に滑らかになっている。
【0017】車体は台車に搭載されており、この台車に
超電導磁石20,20’やタイヤ12が設けられてい
る。超電導磁石20,20’と推進コイル(図示せず)
との磁気相互作用によって生じる推進力により車両10
が推進することとなる。超電導磁石20,20’は、複
数の超電導コイルが車両全長方向に隣接設置して構成さ
れており、各超電導コイルは、図示しないステンレス製
の内槽容器の中に液体ヘリウムとともに収納されてい
る。この超電導コイルはニオブ・チタン合金等の超電導
線材を数千回巻いて構成されており、電流を流すことに
よって磁界が発生する。そして、図示しないステンレス
製の内槽容器の中に液体ヘリウムとともに収納されてい
る。また超電導磁石20,20’には、超電導コイルを
冷却して超電導状態に保つための、液体ヘリウムを有す
る車載冷凍機(図示せず)も設けられている。超電導磁
石20,20’を構成する隣接した複数個の超電導コイ
ルの極性は、隣り合う極が互いに異極となるように(つ
まりN極とS極が交互に並ぶように)配置されている。
この隣り合う超電導コイルの中心間距離を「極ピッチ」
と呼ぶ。
【0018】一方、浮上・案内コイル1,1′は、図2
に示すように、上方のコイル2,2’及び下方のコイル
3,3’とをヌルフラックス接続した閉回路からなって
いる。具体的には、一方の側壁の浮上・案内コイルの上
方コイル2と、それと対向する(反対側の側壁の)浮上
・案内コイル1’の上方コイル2’とがヌルフラックス
ケーブル4,5を介して図2に示すようにヌルフラック
ス接続されている。車両10がタイヤ12を介して地上
に着座している時における車両10側の超電導磁石2
0,20’の垂直方向の中心と浮上・案内コイル1,
1’の垂直方向の中心とは同一水平線上にあるように設
定されている。
【0019】また、図示しないが、ガイドウェイ13の
側壁と浮上・案内コイル1,1’との間には推進コイル
が配置されている。具体的には、推進コイルは表裏2層
からなっており、したがってガイドウェイ13の側壁に
は、表裏2層の推進コイルを取り付けた後、その表面に
浮上・案内コイル1,1’を取り付けて合計3層の地上
コイル構成としてある。推進コイルは、車両進行方向に
沿って連続的に配置されているのであるが、各推進コイ
ルから磁界を発生させるための電力が図示しない電力変
換変電所から供給されている。より具体的には、本実施
形態では、各推進コイルには、走らせたい車両速度に応
じた周波数の三相交流電流(U相電流、V相電流、W相
電流)がそれぞれ流れる。そして、各々の推進コイルか
ら発生する磁界が重なり合うことにより、結果として推
進コイルからはN極とS極が交互にしかも連続的に変化
する磁界が発生する。
【0020】このような基本的な構成によって、次の
〜に示す浮上力・案内力・推進力が得られる。 浮上力 車両10がタイヤ12を介して低速走行している時は、
超電導磁石20,20’と浮上・案内コイル1,1’と
の位置的関係は上述のごとく設定されており、かつ上方
及び下方コイル2,2’,3,3’はヌルフラックス接
続されているので、浮上・案内コイル1,1’の鎖交磁
束は0、電流は0であって電磁気的な走行抵抗は0であ
る。車両10の(タイヤ12を引き込めての)浮上走行
時には超電導磁石20,20’の垂直方向の中心が浮上
・案内コイル1,1’の垂直方向の中心より下方に移行
し、上方コイル2,2’及び下方コイル3,3’間で鎖
交する磁束に差が生じ、上方及び下方コイル2,2’,
3,3’に図3に示すような電流が誘起され、反撥と吸
引によって超電導磁石20,20’を上方へ戻そうとす
る浮上力が発生し、車両の重量とバランスした位置で安
定する。この場合も上方及び下方コイル2,2’,3,
3’は小さい電流で有効に浮上力を発生するので、電磁
気的な走行抵抗を小さくすることができる。
【0021】案内力 車両10がガイドウェイ13の中央に位置する時は、浮
上・案内コイル1,1’はガイドウェイ13の長手方向
中心線に対して対称に配置され、かつ対向する上方コイ
ル2,2’はヌルフラックスケーブル4,5を介してヌ
ルフラックス接続されているので、浮上・案内コイル
1,1’の鎖交磁束は0、電流は0で、電磁気的な走行
抵抗は0である。浮上走行中、車両10が左右方向へ変
位すると、左右の上方コイル2,2’間および左右の下
方コイル3,3’間で鎖交する磁束に差が生じ、図4に
示すような電流が誘起され、それによって超電導磁石2
0,20’を中央へ戻す案内力が生ずる。
【0022】推進力 推進コイルに電力(本実施形態では三相交流電力)を供
給して磁界を発生させ、しかも車両進行方向に隣り合う
3つの推進コイルの各々に、走らせたい車両速度に応じ
た周波数の三相交流電流(U相電流、V相電流、W相電
流)をそれぞれ流すると、各々の推進コイルから発生す
る磁界が重なり合うことにより、結果としてN極とS極
が交互にしかも連続的に変化する磁界が発生する。これ
によって、各推進コイルと対向する車両10側の超電導
磁石20,20‘との間に相互作用(吸引力又は反発
力)が生じて、車両10が推進する。これは、リニアシ
ンクロナスモータによる推進原理を利用したものであ
る。
【0023】次に、浮上・案内コイル1,1’を車両進
行方向に沿ってどのような間隔で配置するかについて図
5を参照して説明する。なお、本実施例では、左右の浮
上・案内コイル1,1’は対称に配置されるので、一方
の浮上・案内コイル1について取り上げて説明すること
にする。
【0024】従来は同一形状の浮上・案内コイル1が同
一ピッチで連続的に配置されていたが、本実施例では、
これを不等ピッチにする。ここでピッチとは、隣接する
浮上・案内コイル1同士の中心間距離を指すものとす
る。不等ピッチにする場合には、理論的には、すべての
浮上・案内コイル1間距離が異なる完全なランダムの不
等ピッチであれば、共振が発生しないと考えられる。し
かし、現実問題としては完全にランダムとすることは困
難であるため、複数種類のピッチを組み合わせて不等ピ
ッチを構成することとなる。その場合の具体例を3つ説
明する。
【0025】図5(a)に示す例は、5種類の異なる幅
を持つ浮上・案内コイル1が一定スパンS内において所
定の順番で配置されており、その順番で配置された5つ
の浮上・案内コイル1のセットが繰り返し配置される構
成である。つまり、5種類の異なる幅を持つ浮上・案内
コイル1をそれぞれA,B,C,D,E,Fと表すと、
A→B→C→D→E→F→A→B→C→D→E→F→…
…という配置になる。
【0026】また、図5(b)に示す例は、図5(a)
の場合と同様に5種類の異なる幅を持つ浮上・案内コイ
ル1を用いるのであるが、それをランダムに配置してい
る。つまり、同じ形状の浮上・案内コイル1が同じ順番
で繰り返し出現することはない。
【0027】また、図5(c)に示す例は、同じ形状の
浮上・案内コイル1を用いているが、隣接する浮上・案
内コイル1同士の間隔を異ならせることによって、結果
的に不等ピッチを構成している。ここで不等ピッチとし
て採用できる範囲について説明する。基本的には極ピッ
チの半分が上限値である。なお、極ピッチとは、同一超
電導磁石20、20’内で隣り合う超電導磁石の中心間
の長手方向距離(つまりN極S極1組の長さ)である。
この上限値を超えると、N極とS極が同時に同じ浮上・
案内コイル1,1’内に入り、浮上・案内コイル1,
1’内にうまく電流が流れず、その結果として、浮上力
が発生しないためである。下限値としては物理的に構成
可能な大きさまで採用可能である。
【0028】このように不等ピッチにすることによっ
て、次のような効果が得られる。つまり、車両10に搭
載される超電導磁石20,20’が特定の共振周波数で
加振される原因は、浮上させるための地上コイルが等ピ
ッチで配置されていることであったが、本実施例の浮上
・案内コイル1,1’は不等ピッチで配置されているの
で、共振周波数のピークを小さくできる。これにより、
車両10の取り得る走行速度範囲内に共振周波数が存在
しても、共振周波数に一致する状況が従来に比べて発生
しにくくなる。したがって、従来に比べて熱負荷が小さ
くなり液体ヘリウムが気化する量を抑制でき冷凍機の容
量を相対的に小さくできることとなる。
【0029】なお、図5(a),(b)は浮上・案内コ
イル1,1’を不等ピッチに見合った大きさに形成して
いるのに対して、図5(c)の場合は不等ピッチではあ
るが、浮上・案内コイル1,1’自体は同一の大きさと
なっている。超電導磁石20、20’の発熱量のピーク
を抑えるという点からすればいずれも従来構成よりは有
利ではあるが、浮上力の点では図5(a),(b)の方
が図5(c)の場合より有利である。つまり、図5
(c)の場合には、浮上・案内コイル1,1’間の隙間
部分においては浮上力が得られないのに対し、図5
(a),(b)の場合は、連続的に浮上力を得られるか
らである。
【0030】また、図5(a),(b)の両者について
比較する。図5(a),(b)の場合は5種類のピッチ
を前提としているが、まず2種類の場合について考えて
みる。例えばAのピッチとBのピッチの2種類を用いる
とすると、交互に配置した場合は、超電導磁石に対する
加振周波数として、A、Bそれぞれに起因するもの、A
+Bに起因するものが発生する。従って、2種類のピッ
チのコイルを配置する場合でも、A,B、またはこれら
の組み合わせ(A+B,A+A+B,A+B+B等)の
影響度が最も小さくなるような最適解がある。また、こ
れらA,B、またはこれらの組み合わせの加振周波数に
対する応答倍率は、A単独、B単独と比較した場合、定
性的には小さくなる。
【0031】したがって、このような観点から、必ずし
も交互に配置するのが最適とは言えず、ランダムに配置
する方が共振周波数のピークを小さくできる可能性が高
くなると言える。さらに上述したように、不等ピッチの
組合せによる影響度を加味して設定することも有効であ
る。なお、図5(b)の場合には、5種類のピッチが存
在するが、それら全ての組合せについて考慮してもよい
し、一部について考慮してもよい。
【0032】一方、図5(a)のように一定スパンS内
において所定の順番でコイルを配置する場合には、その
順番で配置された5つの浮上・案内コイル1のセットを
予め作成しておき、それを順番にガイドウェイ13に配
置するだけでよい。したがって、作業効率の点からすれ
ば、この手法も有効である。
【0033】なお、図5(a),(b)では例えば5種
類の異なるピッチが存在することを前提としたが、複数
であれば5種類以上でも以下でもよい。例えば3種類に
した場合、上述したように上限は極ピッチの半分であり
下限はハード構成から決まるため、例えば極ピッチの半
分の(さらに)3/4のピッチと1/2のピッチと1/
3のピッチを採用することが考えられる。もちろん、そ
れ以外の組合せでもよい。また、2種類にする場合に
は、例えば極ピッチの半分の(さらに)2/3のピッチ
と1/3のピッチを採用することが考えられる。
【0034】[その他] (1)上記実施例では、浮上・案内コイル1,1’を例
にとって説明したが、車両10の少なくとも浮上機能を
発揮できればよく、浮上機能のみ発揮するコイル、浮上
・案内機能を発揮するコイル、浮上・推進機能を発揮す
るコイル、さらには1つのコイルで浮上・案内・推進の
すべての機能を発揮するコイルなどに適用できる。特
に、1つのコイルで浮上・案内・推進のすべての機能を
発揮するコイルに適用する場合には、推進機能の確保も
必要であるため、上述した「極ピッチの半分の(さら
に)2/3のピッチと1/3のピッチ」という2種類の
組合せも有効である。
【0035】(2)上記実施例においては一つの浮上・
案内コイル1,1’を構成している上方コイル2,2’
と下方コイル3,3’が同一形状および同一寸法である
場合の例について述べたが、これらは同一形状、同一寸
法でない場合でも実現は可能である。
【0036】(3)上記実施例では、浮上機能を有する
コイルをガイドウェイ側壁に設置するものを用いたが、
これを走行路面(U字形の底面)に設置しても実現可能
である。(4)上記実施例ではガイドウェイ13として
断面U字状のものを用いたが、逆T字形や箱型断面、板
状のもの等、種々の形状のものを用いることができ、ガ
イドウェイ13の形状は、これに限定されるものではな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の超電導磁気浮上式鉄道のガイドウェイ
及び超電導リニア車両を示す断面図である。
【図2】浮上・案内コイルの配置及び配線の概要を示す
説明図である。
【図3】浮上・案内コイルに流れる浮上のための電流の
流れを示す回路図である。
【図4】浮上・案内コイルに流れる案内のための電流の
流れを示す回路図である。
【図5】浮上・案内コイルの車両進行方向に沿う配置の
説明図である。
【符号の説明】
1,1’…浮上・案内コイル、2,2’…上方コイル、
3,3’…下方コイル、4,5…ヌルフラックスケーブ
ル、10…車両、12…タイヤ、13…ガイドウェイ、
20,20’…超電導磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 洋一 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内 Fターム(参考) 2D056 DA01 DA03 DA09 5H113 AA05 BB03 CC04 CC08 CD02 CD06 DA02 DA05 DB03 DB09 DB14 DB19 DC03 DC09 DC14 DC19 DD02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気浮上式鉄道のガイドウェイに車両の進
    行方向に沿って連続的に設置され、前記車両の少なくと
    も浮上機能を発揮する地上コイルであって、 前記地上コイルを不等ピッチで取り付けたことを特徴と
    する磁気浮上式鉄道の地上コイル。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の磁気浮上式鉄道の地上コ
    イルにおいて、 前記地上コイルは、前記不等ピッチに見合った大きさに
    形成されていることを特徴とする磁気浮上式鉄道の地上
    コイル。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の磁気浮上式鉄道の地上コ
    イルにおいて、 前記地上コイルは、同一の大きさに形成されていること
    を特徴とする磁気浮上式鉄道の地上コイル。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れかに記載の磁気浮上式
    鉄道の地上コイルにおいて、 前記不等ピッチはランダムであることを特徴とする磁気
    浮上式鉄道の地上コイル。
  5. 【請求項5】請求項1〜3の何れかに記載の磁気浮上式
    鉄道の地上コイルにおいて、 前記不等ピッチがn(n≧2)種類の場合、当該n種類
    の不等ピッチが一定の順番で繰り返すように構成したこ
    とを特徴とする磁気浮上式鉄道の地上コイル。
  6. 【請求項6】請求項1〜3の何れかに記載の磁気浮上式
    鉄道の地上コイルにおいて、 前記不等ピッチがn(n≧2)種類の場合、前記車両に
    搭載されている超電導磁石に対する加振周波数としてn
    種類の各ピッチに起因するもの及びn種類の内の2種類
    以上n種類以下のピッチの各組合せに起因するものの影
    響度が相対的に小さくなる不等ピッチとしたことを特徴
    とする磁気浮上式鉄道の地上コイル。
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